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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092088
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/17 20060101AFI20240701BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B41J2/17 201
B41J2/01 307
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207766
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩之
(72)【発明者】
【氏名】山岸 啓
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 昭寛
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EA27
2C056FA13
2C056HA07
2C056JA01
2C056JB04
2C056JC10
2C056JC13
(57)【要約】
【課題】液体吐出装置の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体吐出装置は、液体を吐出可能である液体吐出部と、液体吐出部のメンテナンスを行うメンテナンス部と、メンテナンス部の鉛直方向における下方に配置され、かつ、メンテナンス部から垂れた廃液を受容可能である受容部と、廃液が流動可能である廃液流路と、を備える。液体吐出部は、鉛直方向と交差する吐出方向に液体を吐出可能であるノズルを有する。受容部は、受容した廃液を前記廃液流路に誘導する連通路を有する。連通路は、受容部の下部に設けられる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出可能である液体吐出部と、
前記液体吐出部のメンテナンスを行うメンテナンス部と、
前記メンテナンス部の鉛直方向における下方に配置され、かつ、前記メンテナンス部から垂れた廃液を受容可能である受容部と、
廃液が流動可能である廃液流路と、を備え、
前記液体吐出部は、鉛直方向と交差する吐出方向に液体を吐出可能であるノズルを有し、
前記受容部は、受容した廃液を前記廃液流路に誘導する連通路を有し、
前記連通路は、前記受容部の下部に設けられる、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記受容部は、受容面と、前記受容面の裏面と、を有し、
前記連通路は、始端部と、貫通孔と、終端部と、を有し、
前記始端部は、前記受容面に設けられ、
前記貫通孔は、前記受容部を貫通し、
前記終端部は、前記受容面の裏面に設けられ、
前記廃液流路の一端部は、前記終端部の鉛直方向における下方に位置し、かつ、前記連通路により誘導された廃液を受容可能である、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液体吐出装置において、
前記廃液流路の他端部の鉛直方向における下方に位置する収容部を更に備え、
前記収容部は、前記廃液流路を介して流動する廃液を収容可能である、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記廃液流路を第1廃液流路とし、かつ、前記連通路を第1連通路とした場合に、廃液が流動可能である第2廃液流路を更に備え、
前記メンテナンス部は、キャップ部を含み、
前記キャップ部は、前記ノズルが開口する閉空間を形成可能なキャップ部材を有し、
前記キャップ部材は、前記吐出方向の反対方向に開口する開口部を有し、前記開口部が前記液体吐出部に接触することで前記ノズルが開口する閉空間を形成可能であり、
前記受容部は、受容した廃液を前記第2廃液流路に誘導する第2連通路を有し、
前記第2連通路は、前記受容部の下部に設けられ、
前記第1廃液流路及び前記第1連通路は、前記吐出方向と交差する幅方向において、前記キャップ部の中央よりも一方側に設けられ、
前記第2廃液流路及び前記第2連通路は、前記幅方向において、前記キャップ部の中央よりも他方側に設けられる、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項5】
請求項2に記載の液体吐出装置において、
前記廃液流路を第1廃液流路とし、かつ、前記連通路を第1連通路とした場合に、廃液が流動可能である第2廃液流路を更に備え、
前記メンテナンス部は、キャップ部を含み、
前記キャップ部は、前記ノズルが開口する閉空間を形成可能なキャップ部材を有し、
前記キャップ部材は、前記吐出方向の反対方向に開口する開口部を有し、前記開口部が前記液体吐出部に接触することで前記ノズルが開口する閉空間を形成可能であり、
前記受容部は、受容した廃液を前記第2廃液流路に誘導する第2連通路を有し、
前記第2連通路は、前記受容部の下部に設けられ、
前記第1廃液流路及び前記第1連通路は、前記吐出方向と交差する幅方向において、前記キャップ部の中央よりも一方側に設けられ、
前記第2廃液流路及び前記第2連通路は、前記幅方向において、前記キャップ部の中央よりも他方側に設けられる、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の液体吐出装置において、
前記第1連通路の始端部を第1始端部とし、前記第1連通路の貫通孔を第1貫通孔とし、前記第1連通路の終端部を第1終端部とした場合に、
前記第2連通路は、第2始端部と、第2貫通孔と、第2終端部と、を有し、
前記第2始端部は、前記受容面に設けられ、
前記第2貫通孔は、前記受容部を貫通し、
前記第2終端部は、前記受容面の裏面に設けられ、
前記第2廃液流路の一端部は、前記第2終端部の鉛直方向における下方に位置し、かつ、前記第2連通路により誘導された廃液を受容可能である、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項7】
請求項4~請求項6のうち何れか一項に記載の液体吐出装置において、
前記受容部は、前記幅方向における前記第1連通路と前記第2連通路との間に、鉛直方向における上方に突出する少なくとも1つの凸部を有する、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項8】
請求項4~請求項6のうち何れか一項に記載の液体吐出装置において、
前記受容部は、前記幅方向における前記第1連通路と前記第2連通路との間に、液体を吸収する少なくとも1つの吸収材を有する、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項9】
請求項4~請求項6のうち何れか一項に記載の液体吐出装置において、
前記受容部は、前記開口部が開口する方向を正面として、前記キャップ部の側面のうち鉛直方向における下方を向く側面と対向する第1受容面と、前記キャップ部の底面と対向する第2受容面と、を有する、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項10】
請求項3に記載の液体吐出装置において、
廃液を検知可能な液体検知部を更に備え、
前記液体検知部は、前記収容部に設けられる、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項11】
請求項4に記載の液体吐出装置において、
前記キャップ部は、位置決め部を有し、
前記位置決め部は、前記キャップ部と前記液体吐出部とが接触する際に、前記吐出方向と、前記吐出方向と交差する方向とのうち少なくとも何れかにおいて、前記キャップ部と前記液体吐出部との相対移動を規制し、
前記位置決め部は、前記受容部に向けて延びる延設部を有する、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を吐出可能である液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、液体吐出部から液体を吐出することにより媒体に記録を行う液体吐出装置が開示されている。また、液体吐出装置は、液体吐出部のメンテナンスを行うメンテナンス部を備える。メンテナンス部としては、例えば、液体吐出部のノズル面を覆うことが可能であるキャップ部、及び、液体吐出部のノズル面を払拭することが可能である払拭部などが含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-131882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような液体吐出装置において、メンテナンス部から垂れた廃液が液体吐出装置の内部に流出することにより、液体吐出装置の内部に流出した廃液が液体吐出装置の外部に漏れ出てしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出可能である液体吐出部と、前記液体吐出部のメンテナンスを行うメンテナンス部と、前記メンテナンス部の鉛直方向における下方に配置され、かつ、前記メンテナンス部から垂れた廃液を受容可能である受容部と、廃液が流動可能である廃液流路と、を備え、前記液体吐出部は、鉛直方向と交差する吐出方向に液体を吐出可能であるノズルを有し、前記受容部は、受容した廃液を前記廃液流路に誘導する連通路を有し、前記連通路は、前記受容部の下部に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】液体吐出装置を示す模式図である。
図2】液体吐出部及びメンテナンス部を示す模式図である。
図3】液体吐出部及びメンテナンス部を示す模式図である。
図4】液体吐出部及びメンテナンス部を示す模式図である。
図5】キャップ部を示す正面図である。
図6】キャップ部、受容部、廃液流路及び収容部を示す斜視図である。
図7】キャップ部、受容部及び廃液流路を示す正面図である。
図8】第1連通路を示す斜視図である。
図9】第1連通路を示す斜視図である。
図10】第2連通路を示す斜視図である。
図11】第2連通路を示す斜視図である。
図12】払拭部、受容部、廃液流路及び収容部を示す斜視図である。
図13】払拭部を示す斜視図である。
図14】第3連通路を示す斜視図である。
図15】第3連通路及び第3廃液流路を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第1実施形態]
以下、液体吐出装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。以下の説明では、本実施形態の液体吐出装置が水平面上に置かれているものとして、鉛直方向Zと交差(例えば直交)する方向を幅方向Xとする。幅方向Xのうち一方を第1幅方向X1とし、幅方向Xのうち他方を第2幅方向X2とする。鉛直方向Zのうち上方を上方Z1とし、鉛直方向Zのうち下方を下方Z2とする。
【0008】
<液体吐出装置11の構成>
図1に示すように、液体吐出装置11は、液体を吐出可能な装置である。液体吐出装置11は、液体の一例であるインクを媒体に吐出することにより記録を行うインクジェット式のプリンターであってもよい。媒体としては、例えば、用紙、布帛、ビニール、プラスチック部品、金属部品などであってもよい。
【0009】
液体吐出装置11は、筐体12と、媒体収容部13と、給送部14と、搬送経路15と、搬送部16と、スタッカー17と、を備えてもよい。液体吐出装置11は、複数の媒体収容部13と、媒体収容部13と同数の給送部14と、を備えてもよい。
【0010】
筐体12は、液体吐出装置11を構成する各種部材を収容するように構成される。媒体収容部13は、複数の媒体99を積層状態で収容可能であってもよい。給送部14は、対応する媒体収容部13から、その媒体収容部13に収容される媒体99を1枚ずつ搬送経路15に送り出す。
【0011】
搬送経路15は、搬送部16によって媒体99が搬送される経路である。搬送経路15は、媒体収容部13と、スタッカー17と、を結ぶ。図1では、搬送経路15を一点鎖線で示す。スタッカー17は、搬送された媒体99を受ける。
【0012】
搬送部16は、給送部14により送り出された媒体99を搬送経路15に沿って搬送する。搬送部16は、搬送した媒体99をスタッカー17に排出する。搬送部16は、複数の搬送ローラー18を備えてもよい。複数の搬送ローラー18のそれぞれは、媒体99を挟んだ状態で回転することで、媒体99を搬送する。
【0013】
搬送部16は、無端状の搬送ベルト19と、一対のプーリー20と、を備えてもよい。搬送ベルト19は、一対のプーリー20に掛け渡される。搬送ベルト19は、媒体99を吸着した状態で回転することで、搬送方向C1に沿って媒体99を搬送する。搬送ベルト19は、媒体99を支持する支持部の一例として機能する。
【0014】
液体吐出装置11は、液体吐出部21を備える。液体吐出部21は、液体を吐出可能である。液体吐出部21は、搬送経路15に沿う位置に設けられる。液体吐出部21は、搬送ベルト19により支持される媒体99に液体を吐出することにより、媒体99に記録を行うように構成される。液体吐出部21は、吐出方向D1に向かって液体を吐出するように構成されてもよい。吐出方向D1は、媒体99の搬送方向C1に垂直に交わる方向である。吐出方向D1は、水平方向となす角度が15度であってもよい。
【0015】
液体吐出部21は、ラインヘッドであるが、シリアルヘッドであってもよい。ラインヘッドは、媒体99の幅にわたって液体を一斉に吐出可能なヘッドである。シリアルヘッドは、媒体99に対して幅方向Xに走査するヘッドである。
【0016】
液体吐出装置11は、メンテナンス部22を備える。メンテナンス部22は、液体吐出部21のメンテナンスを行う。詳しく後述するが、メンテナンス部22は、液体吐出部21のノズル面32と当接した状態で液体吐出部21のメンテナンスを行うことができる。
【0017】
液体吐出装置11は、メンテナンス移動部23を備える。メンテナンス移動部23は、第2移動方向Cに沿ってメンテナンス部22を移動させることが可能である。第2移動方向Cは、搬送方向C1に沿う方向である。第2移動方向Cは、搬送方向C1と、搬送方向C1の反対方向C2とを含む。第2移動方向Cは、水平方向及び鉛直方向Zと交差する方向である。
【0018】
液体吐出装置11は、移動部24を備える。移動部24は、第1移動方向Dに沿って液体吐出部21を移動させるように構成される。第1移動方向Dは、吐出方向D1に沿う方向である。第1移動方向Dは、吐出方向D1と、吐出方向D1の反対方向D2とを含む。第1移動方向Dは、水平方向及び鉛直方向Zと交差する方向である。
【0019】
液体吐出装置11は、制御部25を備えてもよい。制御部25は、液体吐出装置11における各機構の駆動を統括的に制御し、液体吐出装置11で実行される各種動作を制御する。特に、制御部25は、給送部14、搬送部16、液体吐出部21、メンテナンス移動部23及び移動部24を制御してもよい。
【0020】
制御部25は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0021】
<液体吐出部21及びメンテナンス部22の構成>
ここで、図2図5を参照して液体吐出部21及びメンテナンス部22に関する構成について説明する。
【0022】
図2図4に示すように、液体吐出部21は、ノズル部30を備える。ノズル部30は、液体を吐出可能に構成される。ノズル部30は、ノズル31と、ノズル面32とを備える。ノズル部30は、複数のノズル31を備えてもよい。ノズル31は、液体を吐出可能に構成される。ノズル31は、ノズル面32に開口する。つまり、ノズル面32は、ノズル31が開口するように構成される。ノズル面32は、吐出方向D1に対して直交する面である。このように、液体吐出部21は、ノズル面32に垂直な吐出方向D1に液体を吐出可能である。
【0023】
液体吐出部21は、第1ラック33を備える。第1ラック33は、液体吐出部21の搬送方向C1の反対方向C2側に設けられる。第1ラック33は、第1移動方向Dに沿って延びるように設けられる。
【0024】
移動部24は、液体吐出部21よりも下方Z2に位置してもよい。移動部24は、第1ホイール34を備える。第1ホイール34は、第1回転軸34Aを中心として回転可能に軸着される。第1回転軸34Aは、幅方向Xに沿って延びるように設けられる。第1ホイール34は、第1ラック33と嵌合可能である。
【0025】
移動部24は、第1駆動源35を備える。第1駆動源35は、第1ホイール34の駆動源である。第1駆動源35は、モーターであってもよい。移動部24は、第1駆動源35からの動力により第1回転軸34Aを中心として第1ホイール34を回転させる。移動部24は、回転させた第1ホイール34が第1ラック33と嵌合することにより、第1移動方向Dに沿って液体吐出部21を移動させる。
【0026】
このように、移動部24は、搬送方向C1の反対方向C2において液体吐出部21と作用する。つまり、移動部24が液体吐出部21に作用する作用点は、液体吐出部21の搬送方向C1の反対方向C2側となる。
【0027】
液体吐出部21は、移動部24の駆動により、第1移動方向Dに沿って、図2に示す吐出位置P11と、図3に示すメンテナンス位置P12と、図4に示す退避位置P13とに移動可能である。つまり、移動部24は、吐出位置P11と、メンテナンス位置P12と、退避位置P13とに液体吐出部21を移動させることができる。
【0028】
図2に示すように、吐出位置P11は、液体吐出部21が媒体99に液体を吐出する場合の位置である。吐出位置P11、メンテナンス位置P12及び退避位置P13のうち、吐出位置P11は、搬送ベルト19に対して液体吐出部21が最も接近する位置である。
【0029】
図3に示すように、メンテナンス位置P12は、液体吐出部21にメンテナンスが実施される場合の位置である。メンテナンス位置P12は、例えば、吐出位置P11よりも、搬送ベルト19から離れた位置である。メンテナンス位置P12は、例えば、退避位置P13よりも、搬送ベルト19に近い位置である。
【0030】
図4に示すように、退避位置P13は、液体吐出部21が退避する場合の位置である。吐出位置P11、メンテナンス位置P12及び退避位置P13のうち、退避位置P13は、搬送ベルト19から最も離れた位置である。
【0031】
図2図4に示すように、メンテナンス部22は、キャップ部40を含む。キャップ部40は、メンテナンス部22の吐出方向D1の反対方向D2側に位置する。キャップ部40は、ノズル面32を覆うことが可能である。キャップ部40は、液体吐出部21のメンテナンスを行う。
【0032】
図5に示すように、キャップ部40は、キャップ部材41を備える。キャップ部40は、1又は複数のキャップ部材41を備えてもよい。キャップ部40は、4個のキャップ部材41を備えるが、1~3個、5個以上のキャップ部材41を備えてもよい。
【0033】
キャップ部材41は、ノズル面32を覆うことが可能である。キャップ部材41は、液体吐出部21との接触により液体吐出部21をキャッピングする。キャッピングとは、ノズル31を覆う閉空間を形成することにより、ノズル31内における液体の乾燥を低減するメンテナンスである。
【0034】
キャップ部40は、フラッシングによって液体吐出部21が吐出する液体を受けることによって液体吐出部21のメンテナンスを行ってもよい。フラッシングは、液体吐出部21が液体を適宜吐出する動作である。フラッシングは、ノズル31の目詰まりを抑制するメンテナンスである。メンテナンス部22は、キャッピング及びフラッシング以外に、加圧クリーニングなど、液体吐出部21のメンテナンスを行ってもよい。
【0035】
キャップ部材41は、壁部41Aと、開口部41Bと、を備える。壁部41Aは、キャップ部材41の外縁部に設けられる。壁部41Aは、開口部41Bの外縁を囲むように設けられる。壁部41Aは、吐出方向D1の反対方向D2に突出する。開口部41Bは、吐出方向D1の反対方向D2に開口する。キャップ部材41は、開口部41Bが液体吐出部21に接触することでノズル31が開口する閉空間を形成可能である。
【0036】
キャップ部材41は、第1領域R1のうち第2領域R2に配置される。第1領域R1は、吐出方向D1の反対方向D2から見て、幅W、高さHの矩形状である。第2領域R2は、吐出方向D1の反対方向D2から見て平行四辺形状である。つまり、キャップ部材41は、第1移動方向Dから見て平行四辺形状に設けられる。幅Wは、高さHよりも長くてもよい。つまり、キャップ部材41は、幅方向Xが長手となってもよい。
【0037】
キャップ部材41は、第1鋭角部41Cと、第2鋭角部41Dとを備える。第1鋭角部41Cは、吐出方向D1に沿う第1移動方向Dから見て平行四辺形状の一方の鋭角となる。詳しくは、第1鋭角部41Cは、平行四辺形状の第1幅方向X1側の鋭角となる。一方、第2鋭角部41Dは、吐出方向D1に沿う第1移動方向Dから見て平行四辺形状の他方の鋭角となる。詳しくは、第2鋭角部41Dは、平行四辺形状の第2幅方向X2側の鋭角となる。
【0038】
キャップ部材41は、第1鈍角部41Eと、第2鈍角部41Fとを備える。第1鈍角部41Eは、吐出方向D1に沿う第1移動方向Dから見て平行四辺形状の一方の鈍角となる。詳しくは、第1鈍角部41Eは、平行四辺形状の第1幅方向X1側の鈍角となる。一方、第2鈍角部41Fは、吐出方向D1に沿う第1移動方向Dから見て平行四辺形状の他方の鈍角となる。詳しくは、第2鈍角部41Fは、平行四辺形状の第2幅方向X2側の鈍角となる。
【0039】
図2図4に示すように、キャップ部40は、付勢部42を備える。付勢部42は、キャップ部材41をノズル部30に向けて付勢する。付勢とは、対象に力が加わった場合に、この対象を押し返すことをいう。付勢部42は、例えば、ばねであってもよい。付勢部42は、第1移動方向Dに沿って液体吐出部21が退避位置P13からメンテナンス位置P12に移動するときに、液体吐出部21の移動方向に反して、キャップ部材41がノズル面32を覆う状態で、キャップ部材41をノズル部30に向けて付勢する。これにより、ノズル部30は、付勢部42による付勢に反してキャップ部材41に押し込まれる。
【0040】
メンテナンス部22は、第2ラック43を備える。第2ラック43は、メンテナンス部22の吐出方向D1側に設けられる。第2ラック43は、第2移動方向Cに沿って延びるように設けられる。
【0041】
メンテナンス移動部23は、第2ホイール44を備える。第2ホイール44は、第2回転軸44Aを中心として回転可能に軸着される。第2回転軸44Aは、幅方向Xに沿って延びるように設けられる。第2ホイール44は、第2ラック43と嵌合可能である。
【0042】
メンテナンス移動部23は、第2駆動源45を備える。第2駆動源45は、第2ホイール44の駆動源である。第2駆動源45は、モーターであってもよい。メンテナンス移動部23は、第2駆動源45からの動力により第2回転軸44Aを中心として第2ホイール44を回転させる。メンテナンス移動部23は、回転させた第2ホイール44が第2ラック43と嵌合することにより、第2移動方向Cに沿ってメンテナンス部22を移動させる。
【0043】
メンテナンス部22は、メンテナンス移動部23の駆動により、第2移動方向Cに沿って、図2に示す待機位置P21と、図3及び図4に示す実施位置P22とに移動可能である。つまり、メンテナンス移動部23は、待機位置P21と、実施位置P22とにメンテナンス部22を移動させることができる。
【0044】
図2に示すように、待機位置P21は、液体吐出部21が媒体99に液体を吐出する場合の位置である。待機位置P21は、キャップ部材41がノズル面32と対向しない位置である。待機位置P21は、液体吐出部21の移動領域から外れた位置である。つまり、待機位置P21は、液体吐出部21が吐出位置P11に移動可能となる位置である。
【0045】
図3及び図4に示すように、実施位置P22は、液体吐出部21にメンテナンスが実施される場合の位置である。実施位置P22は、キャップ部材41がノズル面32と対向する位置である。実施位置P22は、退避位置P13における液体吐出部21と搬送ベルト19との間の位置である。実施位置P22は、キャップ部材41がノズル面32を覆うことが可能な位置である。
【0046】
制御部25は、液体吐出部21が退避位置P13に位置するときに、待機位置P21と実施位置P22との間でメンテナンス部22を移動させるようにメンテナンス移動部23を制御する。制御部25は、液体吐出部21が退避位置P13に位置しないときには、待機位置P21から実施位置P22にメンテナンス部22を移動させない。
【0047】
制御部25は、吐出位置P11とメンテナンス位置P12との間で液体吐出部21を移動させる場合に、液体吐出部21を退避位置P13に一時的に退避させるように移動部24を制御してもよい。特に、制御部25は、メンテナンス部22が待機位置P21に位置するときに、退避位置P13から吐出位置P11に液体吐出部21を移動させるように移動部24を制御する。制御部25は、メンテナンス部22が実施位置P22に位置するときに、退避位置P13から吐出位置P11に液体吐出部21を移動させない。移動部24は、メンテナンス部22が実施位置P22に位置するときに、退避位置P13からメンテナンス位置P12に液体吐出部21を移動させるように移動部24を制御する。
【0048】
このように、移動部24は、メンテナンス部22が実施位置P22に位置するときに、第1移動方向Dに沿って液体吐出部21をメンテナンス部22に向かって移動可能である。
【0049】
図5に示すように、キャップ部40は、位置決め部として、第1位置決め部46と、第2位置決め部47とを備えるが、1つ又は3つ以上の位置決め部を備えてもよい。このように、メンテナンス部22は、第1位置決め部46と、第2位置決め部47とを備える。
【0050】
第1位置決め部46及び第2位置決め部47は、液体吐出部21との当接により、キャップ部40と液体吐出部21との位置決めを行う。詳しくは、第1位置決め部46及び第2位置決め部47は、液体吐出部21のキャップ部40への移動に伴ってキャップ部40と液体吐出部21とが接触する際に、第2移動方向Cにおけるキャップ部40と液体吐出部21との相対移動を規制する。第1位置決め部46及び第2位置決め部47は、液体吐出部21のキャップ部40への移動に伴ってキャップ部40と液体吐出部21とが接触する際に、第1移動方向Dにおけるキャップ部40と液体吐出部21との相対移動を規制してもよい。
【0051】
第1位置決め部46は、第2移動方向Cにおいて、第2領域R2の中央を基準として搬送方向C1側に位置する。第1位置決め部46は、第1仮想線VL1を跨ぐ位置に設けられる。第1仮想線VL1は、幅方向Xに沿う仮想線であり、かつ、第2領域R2の上辺に沿って第1鈍角部41Eを通る仮想線である。つまり、第1位置決め部46の一部は、幅方向Xにおいて第1鈍角部41Eと重なる領域に設けられる。
【0052】
第1位置決め部46は、幅方向Xにおいて、第2領域R2の第1幅方向X1側に位置する。第1位置決め部46は、第2仮想線VL2を跨ぐ位置に設けられる。第2仮想線VL2は、第2移動方向Cに沿う仮想線であり、かつ、第1鋭角部41Cを通る仮想線である。つまり、第1位置決め部46の一部は、第2移動方向Cにおいて第1鋭角部41Cと重なる領域に設けられる。
【0053】
一方、第2位置決め部47は、第2移動方向Cにおいて、第2領域R2の中央を基準として搬送方向C1の反対方向C2側に位置する。第2位置決め部47は、第3仮想線VL3を跨ぐ位置に設けられる。第3仮想線VL3は、幅方向Xに沿う仮想線であり、かつ、第2領域R2の下辺に沿って第2鈍角部41Fを通る仮想線である。つまり、第2位置決め部47の一部は、幅方向Xにおいて第2鈍角部41Fと重なる領域に設けられる。
【0054】
第2位置決め部47は、幅方向Xにおいて、第2領域R2の第2幅方向X2側に位置する。第2位置決め部47は、第4仮想線VL4を跨ぐ位置に設けられる。第4仮想線VL4は、第2移動方向Cに沿う仮想線であり、かつ、第2鋭角部41Dを通る仮想線である。つまり、第2位置決め部47の一部は、第2移動方向Cにおいて第2鋭角部41Dと重なる領域に設けられる。
【0055】
このように、第1位置決め部46と第2位置決め部47とは、第2移動方向Cにおいてキャップ部材41を挟む位置に設けられる。また、第1位置決め部46は、第2位置決め部47よりも搬送方向C1側に設けられる。なお、液体吐出部21の搬送方向C1の反対方向C2側に第1ラック33が設けられている。このため、第1位置決め部46は、液体吐出部21に移動部24が作用する作用点を基準として、第2移動方向Cにおいて第2位置決め部47よりも離れた位置に設けられるともいえる。また、第1位置決め部46は、鉛直方向Zにおいて第2位置決め部47よりも上方Z1に設けられる。
【0056】
<受容部50の構成>
図6及び図7に示すように、液体吐出装置11は、受容部50を備える。受容部50は、メンテナンス部22から垂れた廃液を受容可能である。特に、受容部50は、キャップ部40から垂れた廃液を受容可能である。なお、図中において、鉛直方向Z及び幅方向Xと交差(例えば直交)する方向を奥行方向Yとする。奥行方向Yのうち一方を第1奥行方向Y1とし、奥行方向Yのうち他方を第2奥行方向Y2とする。受容部50は、メンテナンス部22に組付けられてもよい。受容部50は、メンテナンス部22と連動してもよい。
【0057】
受容部50は、第2幅方向X2側から見てL字形状に構成されてもよい。受容部50は、メンテナンス部22の下方Z2と、メンテナンス部22の第2奥行方向Y2とに配置される。
【0058】
受容部50は、受容面51を備える。受容面51は、廃液を受容可能な面である。詳しくは、受容部50は、受容面51として、第1受容面52と、第2受容面53とを備えてもよい。第1受容面52は、キャップ部40の側面40Aと対向する面である。キャップ部40の側面40Aは、キャップ部材41の開口部41Bが開口する方向を正面として、キャップ部40の下方Z2を向く側面である。第1受容面52は、幅方向Xの両端部において中央に向って下方Z2に傾斜するように構成される。第2受容面53は、キャップ部40の底面40Bと対向する面である。キャップ部40の底面40Bは、キャップ部材41の開口部41Bが開口する方向とは反対方向に向かう面である。
【0059】
受容部50は、連通路54を備える。連通路54は、受容部50の下部に設けられる。連通路54は、受容した廃液を後述する廃液流路60に誘導するように構成される。詳しくは、受容部50は、連通路54として、第1連通路55と、第2連通路56とを備える。
【0060】
第1連通路55は、受容部50の下部に設けられる。第1連通路55は、キャップ部40の中央よりも第1幅方向X1側に設けられる。つまり、第1連通路55は、吐出方向D1と交差する幅方向Xにおいて、キャップ部40の中央よりも一方側に設けられる。第1連通路55は、受容した廃液を後述する第1廃液流路61に誘導する。
【0061】
第2連通路56は、受容部50の下部に設けられる。第2連通路56は、キャップ部40の中央よりも第2幅方向X2側に設けられる。つまり、第2連通路56は、吐出方向D1と交差する幅方向Xにおいて、キャップ部40の中央よりも他方側に設けられる。第2連通路56は、受容した廃液を後述する第2廃液流路62に誘導する。
【0062】
受容部50は、凸部57を備えてもよい。受容部50は、3つの凸部57を備えるが、1つ、2つ又は4つ以上の凸部57を備えてもよい。つまり、受容部50は、少なくとも1つの凸部57を備えてもよい。凸部57は、第1受容面52に設けられる。凸部57は、第1受容面52において上方Z1に突出するように構成される。凸部57は、幅方向Xにおける第1連通路55と第2連通路56との間に設けられる。
【0063】
受容部50は、吸収材58を備えてもよい。受容部50は、3つの吸収材58を備えるが、1つ、2つ又は4つ以上の吸収材58を備えてもよい。つまり、受容部50は、少なくとも1つの吸収材58を備えてもよい。吸収材58は、第2受容面53の、幅方向Xにおける第1連通路55と第2連通路56との間に設けられる。吸収材58は、液体を吸収するように構成される。詳しくは、吸収材58の一部又は全部は、凸部57の間に位置してもよい。このように、吸収材58は、漏れ出た廃液を吸収し易い位置に設けられる。
【0064】
<廃液流路60の構成>
液体吐出装置11は、廃液流路60を備える。廃液流路60は、受容部50に組付けられておらず、受容部50と連動しなくてもよい。メンテナンス部22が実施位置P22に配置されているときに、廃液流路60は、連通路54の下流に位置してもよい。廃液流路60は、廃液が流動可能である。詳しくは、液体吐出装置11は、廃液流路60として、第1廃液流路61と、第2廃液流路62とを備える。
【0065】
メンテナンス部22が実施位置P22に配置されているときに、第1廃液流路61は、第1連通路55の下流に設けられる。第1廃液流路61は、キャップ部40の中央よりも第1幅方向X1側に設けられる。つまり、第1廃液流路61は、幅方向Xにおいて、キャップ部40の中央よりも一方側に設けられる。
【0066】
メンテナンス部22が実施位置P22に配置されているときに、第2廃液流路62は、第2連通路56の下流に設けられる。第1廃液流路61は、キャップ部40の中央よりも第2幅方向X2側に設けられる。第2廃液流路62は、幅方向Xにおいて、キャップ部40の中央よりも他方側に設けられる。
【0067】
<収容部63の構成>
液体吐出装置11は、収容部63を備える。収容部63は、廃液流路60に組付けられておらず、受容部50と連動しなくてもよい。収容部63は、廃液流路60の下流に位置する。収容部63は、廃液流路60の他端部60Bの下方Z2に位置する。詳しくは、収容部63は、第1廃液流路61の下流に位置する。収容部63は、第1廃液流路61の他端部61Bの下方Z2に位置する。収容部63は、第2廃液流路62の下流に位置する。収容部63は、第2廃液流路62の他端部62Bの下方Z2に位置する。収容部63は、廃液流路60からの廃液を収容するように構成される。収容部63は、吸収材を収容してもよい。
【0068】
液体吐出装置11は、液体検知部64を備える。液体検知部64は、収容部63に設けられる。液体検知部64は、廃液を検知可能である。液体検知部64は、廃液を検知したことを示す信号を制御部25に出力する。
【0069】
これにより、制御部25は、廃液を検知したことを示す信号が液体検知部64から入力された場合に、収容部63に収容される廃液を検知したことを通知することができる。制御部25は、液体吐出装置11の通知部に対して、収容部63に収容される廃液を検知したことを通知させてもよい。制御部25は、液体吐出装置11と通信可能に接続される不図示の端末装置の通知部に対して、収容部63に収容される廃液を検知したことを通知させてもよい。
【0070】
<連通路54の構成>
次に、図8図11を参照して連通路54の構成について説明する。
図8図11に示すように、連通路54は、始端部54Aと、貫通孔54Bと、終端部54Cと、を備えてもよい。始端部54Aは、第1受容面52に設けられる。つまり、始端部54Aは、受容面51に設けられる。始端部54Aは、貫通孔54Bの上流に連通する上流流路の始端であってもよい。上流流路は、幅方向Xに沿って設けられる。貫通孔54Bは、受容面51と、受容面51の裏面51Aとを連通する孔である。つまり、貫通孔54Bは、受容部50を貫通する。貫通孔54Bは、第2受容面53に設けられているが、第1受容面52に設けられてもよい。終端部54Cは、受容面51の裏面51Aに設けられる。終端部54Cは、貫通孔54Bの下流に連通する下流流路の終端であってもよい。
【0071】
図9及び図11に示すように、廃液流路60は、連通路54の終端部54Cの下方Z2に設けられる。廃液流路60は、一端部60Aと、他端部60Bとを備える。一端部60Aは、廃液流路60の上部に位置する端部である。廃液流路60の一端部60Aは、連通路54の終端部54Cの下方Z2に位置する。他端部60Bは、廃液流路60の下部に位置する端部である。廃液流路60の一端部60Aは、連通路54により誘導された廃液を受容可能である。
【0072】
詳しくは、図8及び図9に示すように、第1連通路55は、第1始端部55Aと、第1貫通孔55Bと、第1終端部55Cと、を備えてもよい。第1始端部55Aは、第1受容面52に設けられる。つまり、第1始端部55Aは、受容面51に設けられる。第1始端部55Aは、第1貫通孔55Bの上流に連通する上流流路の始端であってもよい。第1貫通孔55Bは、受容面51と、受容面51の裏面51Aとを貫通する孔である。つまり、第1貫通孔55Bは、受容部50を貫通する。第1貫通孔55Bは、第2受容面53に設けられているが、第1受容面52に設けられてもよい。第1終端部55Cは、受容面51の裏面51Aに設けられる。第1終端部55Cは、第1貫通孔55Bの下流に連通する下流流路の終端であってもよい。
【0073】
図9に示すように、第1廃液流路61は、第1終端部55Cの下方Z2に設けられる。第1廃液流路61は、一端部61Aと、他端部61Bとを備える。第1廃液流路61の一端部61Aは、第1終端部55Cの下方Z2に位置する。第1廃液流路61の一端部61Aは、第1連通路55により誘導された廃液を受容可能である。
【0074】
図10及び図11に示すように、第2連通路56は、第2始端部56Aと、第2貫通孔56Bと、第2終端部56Cと、を備えてもよい。第2始端部56Aは、受容面51に設けられる。第2始端部56Aは、第2貫通孔56Bの上流に連通する上流流路の始端であってもよい。第2貫通孔56Bは、受容面51と、受容面51の裏面51Aとを貫通する孔である。つまり、第2貫通孔56Bは、受容部50を貫通する。第2貫通孔56Bは、第2受容面53に設けられているが、第1受容面52に設けられてもよい。第2終端部56Cは、受容面51の裏面51Aに設けられる。第2終端部56Cは、第2貫通孔56Bの下流に連通する下流流路の終端であってもよい。
【0075】
図11に示すように、第2廃液流路62は、第2終端部56Cの下方Z2に設けられる。第2廃液流路62は、一端部62Aと、他端部62Bとを備える。第2廃液流路62の一端部62Aは、第2終端部56Cの下方Z2に位置する。第2廃液流路62の一端部62Aは、第2連通路56により誘導された廃液を受容可能である。
【0076】
<第2位置決め部47の構成>
また、図10に示すように、第2位置決め部47は、ガイド部47Aを備えてもよい。ガイド部47Aは、吐出方向D1の反対方向D2に向かって延びる。ガイド部47Aは、液体吐出部21の第1移動方向Dへの移動をガイドする。ガイド部47Aは、第2移動方向Cにおける液体吐出部21及びメンテナンス部22の位置決めを行ってもよい。ガイド部47Aは、第1移動方向Dにおける液体吐出部21及びメンテナンス部22の位置決めを行ってもよい。
【0077】
第2位置決め部47は、延設部47Bを備えてもよい。延設部47Bは、吐出方向D1の反対方向D2に向かって延びる。延設部47Bは、ガイド部47Aから搬送方向C1の反対方向C2に向かって延びる。このように、延設部47Bは、第1受容面52に向かって延びる。つまり、延設部47Bは、受容部50に向けて延びる。第2位置決め部47は、第1位置決め部46よりも下方Z2に位置し、延設部47Bを備えることが好ましい。
【0078】
<第1実施形態の作用>
第1実施形態の作用について説明する。
液体吐出部21がメンテナンス位置P12に位置しており、かつ、メンテナンス部22が実施位置P22に位置しているときに、ノズル面32がキャップ部40に覆われる。そして、液体吐出部21がメンテナンス位置P12から退避位置P13に移動すると、ノズル面32がキャップ部40から離脱する。
【0079】
このような状況下において、ノズル面32を覆うキャップ部40から、廃液としての液体が垂れる場合がある。特に、ノズル面32がキャップ部40から離脱したことに伴って、ノズル面32を覆っていたキャップ部40から、廃液としての液体が垂れる場合がある。
【0080】
キャップ部40からの廃液は、例えばキャップ部40の側面40A及びキャップ部40の底面40Bなどを伝わって下方Z2に垂れた後に、受容部50に受容される。詳しくは、キャップ部40からの廃液は、第1受容面52及び第2受容面53のうち少なくとも何れかに受容される。また、第2受容面53に受容された廃液は、第2受容面53を伝わって、下方Z2に位置する第1受容面52に誘導される。
【0081】
第1受容面52に受容された廃液は、幅方向Xの両端部において、傾斜に沿って幅方向Xの中央に向かって誘導される。そして、幅方向Xの両端部から中央に向かう廃液は、第1連通路55又は第2連通路56に誘導される。
【0082】
第1受容面52に受容された廃液は、幅方向Xの中央において、吸収材58に吸収される場合がある。また、吸収材58に吸収されなかった廃液は、所定量であれば凸部57の間に貯留される。これにより、第1受容面52に受容された廃液が広がることを抑制することができる。また、吸収材58に吸収されなかった廃液が所定量を超えると、廃液は、凸部57を超えて、第1連通路55又は第2連通路56に誘導される。
【0083】
第1連通路55に誘導された廃液は、第1始端部55Aから第1貫通孔55Bを介して、第1終端部55Cに誘導される。同じように、第2連通路56に誘導された廃液は、第2始端部56Aから第2貫通孔56Bを介して、第2終端部56Cに誘導される。これにより、受容面51に受容された廃液は、受容面51の裏面51Aに誘導される。
【0084】
そして、第1終端部55Cに誘導された廃液は、第1廃液流路61を介して、収容部63に誘導される。同じように、第2終端部56Cに誘導された廃液は、第2廃液流路62を介して、収容部63に誘導される。収容部63に廃液が収容されると、収容部63に収容される廃液が液体検知部64により検知される。これにより、収容部63に収容される廃液を検知したことを通知することができる。
【0085】
<第1実施形態の効果>
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)受容部50は、受容した廃液を廃液流路60に誘導する連通路54を備える。連通路54は、受容部50の下部に設けられる。このため、キャップ部40から廃液が垂れた場合であっても、キャップ部40から垂れた廃液を受容部50で受容することができる。そして、連通路54を介して受容部50から廃液流路60に廃液を誘導することができる。したがって、液体吐出装置11の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0086】
(1-2)連通路54は、始端部54Aと、貫通孔54Bと、終端部54Cと、を備える。始端部54Aは、受容面51に設けられる。貫通孔54Bは、受容部50を貫通する。終端部54Cは、受容面51の裏面51Aに設けられる。廃液流路60の一端部60Aは、終端部54Cの下方Z2に位置し、かつ、連通路54により誘導された廃液を受容可能である。このため、連通路54は、受容面51に受容された廃液を、貫通孔54Bを介して受容面51から受容面51の裏面51Aに誘導することができる。このように、連通路54を設ける位置に自由度を持たせることができる。また、このような構成であっても、液体吐出装置11の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0087】
(1-3)液体吐出装置11は、廃液流路60の他端部60Bの下方Z2に位置する収容部63を備える。収容部63は、廃液流路60を介して流動する廃液を収容可能である。このため、メンテナンス部22から廃液が垂れた場合であっても、連通路54を介して受容部50から廃液流路60に導かれた廃液を収容部63に収容することができる。したがって、液体吐出装置11の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0088】
(1-4)受容部50は、受容した廃液を第1廃液流路61に誘導する第1連通路55と、受容した廃液を第2廃液流路62に誘導する第2連通路56とを備える。第1廃液流路61及び第1連通路55は、幅方向Xにおいて、キャップ部40の中央よりも第1幅方向X1側に設けられる。第2廃液流路62及び第2連通路56は、幅方向Xにおいて、キャップ部40の中央よりも第2幅方向X2側に設けられる。このため、液体吐出装置11自体が幅方向Xに傾斜した場合であっても、第1連通路55と第2連通路56とのうち何れか一方を介して、受容部50から廃液流路60に廃液を誘導することができる。したがって、液体吐出装置11の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0089】
(1-5)第1廃液流路61の一端部61Aは、第1終端部55Cの下方Z2に位置し、かつ、第1連通路55により誘導された廃液を受容可能である。第2廃液流路62の一端部62Aは、第2終端部56Cの下方Z2に位置し、かつ、第2連通路56により誘導された廃液を受容可能である。第1連通路55は、受容面51に受容された廃液を、第1貫通孔55Bを介して受容面51から受容面51の裏面51Aに誘導することができる。第2連通路56は、受容面51に受容された廃液を、第2貫通孔56Bを介して受容面51から受容面51の裏面51Aに誘導することができる。このように、第1連通路55及び第2連通路56を設ける位置に自由度を持たせることができる。また、このような構成であっても、液体吐出装置11の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0090】
(1-6)受容部50は、幅方向Xにおける第1連通路55と第2連通路56との間に、上方Z1に突出する凸部57を備える。このため、受容部50に凸部57が設けられることにより、受容部50に受容された廃液が、受容部50内で必要以上に広がることを抑制することができる。したがって、液体吐出装置11の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0091】
(1-7)受容部50は、幅方向Xにおける第1連通路55と第2連通路56との間に、液体を吸収する吸収材58を備える。このため、受容部50に吸収材58が設けられることにより、受容部50に受容された廃液が、受容部50内で必要以上に広がることを抑制することができる。したがって、液体吐出装置11の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0092】
(1-8)受容部50は、キャップ部40の側面のうち下方Z2を向く側面40Aと対向する第1受容面52と、キャップ部40の底面40Bと対向する第2受容面53と、を備える。このため、キャップ部40から廃液が垂れた場合であっても、キャップ部40から垂れた廃液を第1受容面52と第2受容面53との両方で受容することができる。そして、連通路54を介して受容部50から廃液流路60に廃液を誘導することができる。したがって、液体吐出装置11の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0093】
(1-9)液体吐出装置11は、廃液を検知可能な液体検知部64を備える。液体検知部64は、収容部63に設けられる。このため、収容部63に廃液が収容されたことを検知することができる。これにより、液体吐出装置11の外部に廃液が漏れ出る前に、廃液の廃棄など対処することができる。したがって、液体吐出装置11の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0094】
(1-10)キャップ部40は、第2位置決め部47を備える。第2位置決め部47は、キャップ部40と液体吐出部21とが接触する際に、キャップ部40と液体吐出部21との相対移動を規制する。第2位置決め部47は、受容部50に向けて延びる延設部47Bを備える。このため、メンテナンス部22から廃液が垂れた場合であっても、メンテナンス部22から垂れた廃液を、第2位置決め部47を介して受容部50に誘導することができる。これにより、連通路54を介して受容部50から廃液流路60に廃液を誘導することができる。したがって、液体吐出装置11の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0095】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、メンテナンス部22は、払拭部を含むように構成されてもよい。以下の説明では、既に説明した実施形態と同じ構成について同一符号を付し、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0096】
<メンテナンス部22の構成>
図12に示すように、メンテナンス部22は、払拭部70を含む。払拭部70は、液体吐出部21と対向するように配置されてもよい。払拭部70は、幅方向Xに沿って往復移動が可能であってもよい。払拭部70は、ノズル面32を払拭可能である。つまり、払拭部70は、ノズル面32を払拭することにより、液体吐出部21にメンテナンスを行ってもよい。
【0097】
<払拭部70の構成>
図13に示すように、払拭部70は、払拭キャリッジ71と、払拭部材72とを備える。払拭キャリッジ71は、払拭部材72を収容する。払拭キャリッジ71は、幅方向Xに沿って往復移動が可能である。
【0098】
払拭部材72は、第1奥行方向Y1に突出するように構成される。払拭部材72は、鉛直方向Zに対して傾斜するように設けられる。払拭部材72は、液体吐出部21と対向するように配置されてもよい。払拭部材72は、払拭キャリッジ71の移動に伴って、幅方向Xに沿って往復移動が可能である。払拭部材72は、ノズル面32を払拭可能である。払拭部材72は、ワイパーであってもよい。
【0099】
<受容部80の構成>
液体吐出装置11は、受容部80を備える。受容部80は、払拭部70から垂れた廃液を受容可能である。つまり、受容部80は、メンテナンス部22から垂れた廃液を受容可能である。受容部80は、払拭部70に組付けられてもよい。つまり、受容部80は、メンテナンス部22に組付けられてもよい。受容部80は、払拭部70と連動してもよい。
【0100】
特に、受容部80は、第2幅方向X2側から見てL字形状に構成されてもよい。受容部80は、払拭部70の下方Z2であり、払拭部70の第2奥行方向Y2に配置される。つまり、受容部80は、メンテナンス部22の下方Z2であり、メンテナンス部22の第2奥行方向Y2に配置される。
【0101】
受容部80は、受容面81を備える。受容面81は、廃液を受容可能な面である。詳しくは、受容部80は、受容面81として、第3受容面82と、第4受容面83とを備えてもよい。第3受容面82は、払拭部70の底面70Aと対向する面である。払拭部70の底面70Aは、払拭部70の下方Z2を向く面である。第4受容面83は、払拭部70の背面70Bと対向する面である。払拭部70の背面70Bは、払拭部材72が突出する方向とは反対方向に向かう面である。第3受容面82が第1受容面の一例に相当し、第4受容面83が第2受容面の一例に相当する。
【0102】
図13図15に示すように、受容部80は、連通路54として第3連通路59を備える。第3連通路59は、受容部80の下部に設けられる。第3連通路59は、受容した廃液を後述する第3廃液流路65に誘導する。
【0103】
第3連通路59は、第3始端部59Aと、第3貫通孔59Bと、第3終端部59Cと、を備えてもよい。第3始端部59Aは、第3受容面82に設けられる。つまり、第3始端部59Aは、受容面81に設けられる。第3始端部59Aは、第3貫通孔59Bの上流に連通する上流流路の始端であってもよい。第3貫通孔59Bは、受容面81と、受容面81の裏面81Aとを貫通する孔である。つまり、第3貫通孔59Bは、受容部80を貫通する。第3貫通孔59Bは、第3受容面82に設けられているが、第4受容面83に設けられてもよい。第3終端部59Cは、受容面81の裏面81Aに設けられる。第3終端部59Cは、第3貫通孔59Bの下流に連通する下流流路の終端であってもよい。
【0104】
<第3廃液流路65の構成>
液体吐出装置11は、廃液流路60として第3廃液流路65を備える。第3廃液流路65は、第3連通路59の下流に設けられる。第3廃液流路65は、第3終端部59Cの下方Z2に設けられる。
【0105】
第3廃液流路65は、一端部65Aと、他端部65Bとを備える。第3廃液流路65の一端部65Aは、第3終端部59Cの下方Z2に位置する。第3廃液流路65の一端部65Aは、第3連通路59により誘導された廃液を受容可能である。収容部63は、第3廃液流路65の下流に位置する。収容部63は、第3廃液流路65の他端部65Bの下方Z2に位置する。
【0106】
<第2実施形態の作用>
第2実施形態の作用について説明する。
払拭部70によってノズル面32から払拭された廃液は、払拭部材72から垂れる。払拭部70から垂れた廃液は、受容部80に受容される。詳しくは、払拭部70からの廃液は、第3受容面82及び第4受容面83のうち少なくとも何れかに受容される。また、第4受容面83に受容された廃液は、第4受容面83を伝わって、下方Z2に位置する第3受容面82に誘導される。第3受容面82に受容された廃液は、第3連通路59に誘導される。
【0107】
第3連通路59に誘導された廃液は、第3始端部59Aから第3貫通孔59Bを介して、第3終端部59Cに誘導される。これにより、受容面81に受容された廃液は、受容面81の裏面81Aに誘導される。そして、第3終端部59Cに誘導された廃液は、第3廃液流路65を介して、収容部63に誘導される。
【0108】
<第2実施形態の効果>
第2実施形態の効果について説明する。
(2-1)受容部80は、受容した廃液を第3廃液流路65に誘導する第3連通路59を備える。第3連通路59は、受容部80の下部に設けられる。このため、払拭部70から廃液が垂れた場合であっても、払拭部70から垂れた廃液を受容部80で受容することができる。そして、第3連通路59を介して受容部80から第3廃液流路65に廃液を誘導することができる。したがって、液体吐出装置11の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0109】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0110】
・液体吐出部21が幅方向Xに移動する構成であれば、払拭部70は、幅方向Xに移動しなくてもよい。受容部80は、払拭部70と連動しなくてもよい。このような場合、受容部80は、払拭部70からの廃液が受容可能であれば、払拭部70に組付けられていても、払拭部70に組付けられていなくてもよい。
【0111】
・受容部50は、メンテナンス部22に組付けられておらず、メンテナンス部22と連動しなくてもよい。廃液流路60は、受容部50と連動してもよい。収容部63は、受容部50と連動してもよい。
【0112】
・受容部50は、メンテナンス部22が待機位置P21に配置されているときに、連通路54と廃液流路60とを連通させるように構成してもよい。
・受容面51は、第1受容面52と第2受容面53との少なくとも何れかを備えればよい。受容面51は、第1受容面52及び第2受容面53以外に、別の受容面を備えてもよい。
【0113】
・廃液流路60は、連通路54の終端部54Cと物理的に接続されていても物理的に接続されていなくてもよい。受容部50と廃液流路60とが一体に形成されてもよい。
・収容部63は、廃液流路60の他端部60Bと物理的に接続されていても物理的に接続されていなくてもよい。廃液流路60と収容部63とが一体に形成されてもよい。
【0114】
・連通路54は、貫通孔54Bの上流流路を備えなくてもよい。つまり、始端部54Aは、貫通孔54Bの上流側の開口部であってもよく、貫通孔54Bの上流端部であるともいえる。連通路54は、貫通孔54Bの下流流路を備えなくてもよい。つまり、終端部54Cは、貫通孔54Bの下流側の開口部であってもよく、貫通孔54Bの下流端部であってもよい。また、連通路54は、貫通孔54Bの上流流路と貫通孔54Bの下流流路との両方を備えなくてもよい。
【0115】
・貫通孔54Bは、第2受容面53において奥行方向Yに貫通する孔であったが、これに限らず、受容部50を貫通する任意の孔であればよい。例えば、貫通孔54Bは、第1受容面52において幅方向Xに貫通する孔であってもよい。例えば、貫通孔54Bは、第1受容面52において鉛直方向Zに貫通する孔であってもよい。
【0116】
・第2位置決め部47は、液体吐出部21のキャップ部40への移動に伴ってキャップ部40と液体吐出部21とが接触する際に、幅方向Xにおけるキャップ部40と液体吐出部21との相対移動を規制してもよい。つまり、第2位置決め部47は、第1移動方向Dと、第1移動方向Dと交差する方向との少なくとも何れかにおけるキャップ部40と液体吐出部21との相対移動を規制してもよい。
【0117】
・延設部47Bは、ガイド部47Aから下方Z2成分を含む方向に延びるものが好ましいが、毛細管力が発生するような構成であれば下方Z2成分を含まない方向に延びてもよい。つまり、延設部47Bは、受容部50に向けて延びなくてもよい。
【0118】
・延設部47Bは、第1移動方向Dと、第1移動方向Dと交差する方向との少なくとも何れかにおけるキャップ部40と液体吐出部21との相対移動を規制してもよい。この場合、第2位置決め部47は、ガイド部47Aを備えなくてよい。第1位置決め部46は、延設部47Bと同じような構成を備えてもよい。第2位置決め部47は、延設部47Bを備えなくてもよい。
【0119】
・第1移動方向Dと水平方向とが成す角度は、0度よりも大きく、30度以下であってもよい。これにより、水平方向に対する小型化を図ることができる。第1移動方向Dと水平方向とが成す角度は、0度であってもよく、30度より大きくてもよい。
【0120】
・移動部24は、液体吐出部21とメンテナンス部22とのうち、メンテナンス部22を液体吐出部21に向かって移動させることができてもよい。つまり、移動部24は、液体吐出部21とメンテナンス部22とのうち一方を他方に向かって移動可能であればよい。
【0121】
・第1位置決め部46及び第2位置決め部47の少なくとも何れかは、第2領域R2内に設けられてもよい。第1位置決め部46及び第2位置決め部47以外の位置決め部が第2領域R2内に設けられてもよい。
【0122】
・第1位置決め部46の全部が第1領域R1内に位置してもよい。つまり、第1位置決め部46の少なくとも一部は、第1移動方向Dと交差する第2移動方向Cにおいて第1鋭角部41Cと重なる領域に設けられてもよい。
【0123】
・第2位置決め部47の全部が第1領域R1内に位置してもよい。つまり、第2位置決め部47の少なくとも一部は、第1移動方向Dと交差する第2移動方向Cにおいて第2鋭角部41Dと重なる領域に設けられてもよい。
【0124】
・キャップ部材41は、第1移動方向Dから見て、平行四辺形状ではなくてもよい。例えば、キャップ部材41は、第1移動方向Dから見て、矩形状であってもよい。
・液体吐出装置11は、インク以外の他の液体を吐出して記録を行ってもよい。液体吐出装置11から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体吐出装置11から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置11の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体吐出装置11は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体吐出装置11は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体吐出装置11は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
【0125】
・本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、所望の選択肢の1つ以上を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が2つであれば1つの選択肢のみ又は2つの選択肢の双方を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば1つの選択肢のみ又は2つ以上の任意の選択肢の組み合わせを意味する。
【0126】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0127】
(A)液体吐出装置は、液体を吐出可能である液体吐出部と、前記液体吐出部のメンテナンスを行うメンテナンス部と、前記メンテナンス部の鉛直方向における下方に配置され、かつ、前記メンテナンス部から垂れた廃液を受容可能である受容部と、廃液が流動可能である廃液流路と、を備え、前記液体吐出部は、鉛直方向と交差する吐出方向に液体を吐出可能であるノズルを有し、前記受容部は、受容した廃液を前記廃液流路に誘導する連通路を有し、前記連通路は、前記受容部の下部に設けられる。
【0128】
この構成によれば、メンテナンス部から廃液が垂れた場合であっても、メンテナンス部から垂れた廃液を受容部で受容することができる。そして、連通路を介して受容部から廃液流路に廃液を誘導することができる。したがって、液体吐出装置の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0129】
(B)上記液体吐出装置において、前記受容部は、受容面と、前記受容面の裏面と、を有し、前記連通路は、始端部と、貫通孔と、終端部と、を有し、前記始端部は、前記受容面に設けられ、前記貫通孔は、前記受容部を貫通し、前記終端部は、前記受容面の裏面に設けられ、前記廃液流路の一端部は、前記終端部の鉛直方向における下方に位置し、かつ、前記連通路により誘導された廃液を受容可能であってもよい。
【0130】
この構成によれば、連通路は、受容面に受容された廃液を、貫通孔を介して受容面から受容面の裏面に誘導することができる。このように、連通路を設ける位置に自由度を持たせることができる。また、このような構成であっても、液体吐出装置の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0131】
(C)上記液体吐出装置は、前記廃液流路の他端部の鉛直方向における下方に位置する収容部を更に備え、前記収容部は、前記廃液流路を介して流動する廃液を収容可能であってもよい。
【0132】
この構成によれば、メンテナンス部から廃液が垂れた場合であっても、連通路を介して受容部から廃液流路に導かれた廃液を収容部に収容することができる。したがって、液体吐出装置の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0133】
(D)上記液体吐出装置は、前記廃液流路を第1廃液流路とし、かつ、前記連通路を第1連通路とした場合に、廃液が流動可能である第2廃液流路を更に備え、前記メンテナンス部は、キャップ部を含み、前記キャップ部は、前記ノズルが開口する閉空間を形成可能なキャップ部材を有し、前記キャップ部材は、前記吐出方向の反対方向に開口する開口部を有し、前記開口部が前記液体吐出部に接触することで前記ノズルが開口する閉空間を形成可能であり、前記受容部は、受容した廃液を前記第2廃液流路に誘導する第2連通路を有し、前記第2連通路は、前記受容部の下部に設けられ、前記第1廃液流路及び前記第1連通路は、前記吐出方向と交差する幅方向において、前記キャップ部の中央よりも一方側に設けられ、前記第2廃液流路及び前記第2連通路は、前記幅方向において、前記キャップ部の中央よりも他方側に設けられてもよい。
【0134】
この構成によれば、液体吐出装置自体が幅方向に傾斜した場合であっても、第1連通路と第2連通路とのうち何れか一方を介して、受容部から廃液流路に廃液を誘導することができる。したがって、液体吐出装置の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0135】
(E)上記液体吐出装置において、前記第1連通路の始端部を第1始端部とし、前記第1連通路の貫通孔を第1貫通孔とし、前記第1連通路の終端部を第1終端部とした場合に、前記第2連通路は、第2始端部と、第2貫通孔と、第2終端部と、を有し、前記第2始端部は、前記受容面に設けられ、前記第2貫通孔は、前記受容部を貫通し、前記第2終端部は、前記受容面の裏面に設けられ、前記第2廃液流路の一端部は、前記第2終端部の鉛直方向における下方に位置し、かつ、前記第2連通路により誘導された廃液を受容可能であってもよい。
【0136】
この構成によれば、各連通路は、受容面に受容された廃液を、各貫通孔を介して受容面から受容面の裏面に誘導することができる。このように、各連通路を設ける位置に自由度を持たせることができる。また、このような構成であっても、液体吐出装置の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0137】
(F)上記液体吐出装置において、前記受容部は、前記幅方向における前記第1連通路と前記第2連通路との間に、鉛直方向における上方に突出する少なくとも1つの凸部を有してもよい。
【0138】
この構成によれば、受容部に少なくとも1つの凸部が設けられることにより、受容部に受容された廃液が、受容部内で必要以上に広がることを抑制することができる。したがって、液体吐出装置の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0139】
(G)上記液体吐出装置において、前記受容部は、前記幅方向における前記第1連通路と前記第2連通路との間に、液体を吸収する少なくとも1つの吸収材を有してもよい。
この構成によれば、受容部に少なくとも1つの吸収材が設けられることにより、受容部に受容された廃液が、受容部内で必要以上に広がることを抑制することができる。したがって、液体吐出装置の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0140】
(H)上記液体吐出装置において、前記受容部は、前記開口部が開口する方向を正面として、前記キャップ部の側面のうち鉛直方向における下方を向く側面と対向する第1受容面と、前記キャップ部の底面と対向する第2受容面と、を有してもよい。
【0141】
この構成によれば、キャップ部から廃液が垂れた場合であっても、キャップ部から垂れた廃液を第1受容面と第2受容面との両方で受容することができる。そして、連通路を介して受容部から廃液流路に廃液を誘導することができる。したがって、液体吐出装置の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0142】
(I)上記液体吐出装置は、廃液を検知可能な液体検知部を更に備え、前記液体検知部は、前記収容部に設けられてもよい。
この構成によれば、収容部に廃液が収容されたことを検知することができる。これにより、液体吐出装置の外部に廃液が漏れ出る前に、廃液の廃棄など対処することができる。したがって、液体吐出装置の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【0143】
(J)上記液体吐出装置において、前記キャップ部は、位置決め部を有し、前記位置決め部は、前記キャップ部と前記液体吐出部とが接触する際に、前記吐出方向と、前記吐出方向と交差する方向とのうち少なくとも何れかにおいて、前記キャップ部と前記液体吐出部との相対移動を規制し、前記位置決め部は、前記受容部に向けて延びる延設部を有してもよい。
【0144】
この構成によれば、メンテナンス部から廃液が垂れた場合であっても、メンテナンス部から垂れた廃液を、位置決め部を介して受容部に誘導することができる。これにより、連通路を介して受容部から廃液流路に廃液を誘導することができる。したがって、液体吐出装置の外部に廃液が漏れ出ることを抑制することができる。
【符号の説明】
【0145】
C…第2移動方向、C1…搬送方向、C2…反対方向、D…第1移動方向、D1…吐出方向、D2…反対方向、L0~L3…長さ、P11…吐出位置、P12…メンテナンス位置、P13…退避位置、P21…待機位置、P22…実施位置、R1…第1領域、R2…第2領域、VL1…第1仮想線、VL2…第2仮想線、VL3…第3仮想線、VL4…第4仮想線、X…幅方向、X1…第1幅方向、X2…第2幅方向、Y…奥行方向、Y1…第1奥行方向、Y2…第2奥行方向、Z…鉛直方向、Z1…上方、Z2…下方、11…液体吐出装置、12…筐体、13…媒体収容部、14…給送部、15…搬送経路、16…搬送部、17…スタッカー、18…搬送ローラー、19…搬送ベルト、20…プーリー、21…液体吐出部、22…メンテナンス部、23…メンテナンス移動部、24…移動部、25…制御部、30…ノズル部、31…ノズル、32…ノズル面、33…第1ラック、34…第1ホイール、34A…第1回転軸、35…第1駆動源、36…第1被当接部、36A…第1ガイド面、36B…第1被当接面、37…第2被当接部、37A…第2ガイド面、37B…第2被当接面、40…キャップ部、41…キャップ部材、41A…壁部、41B…開口部、41C…第1鋭角部、41D…第2鋭角部、41E…第1鈍角部、41F…第2鈍角部、42…付勢部、43…第2ラック、44…第2ホイール、44A…第2回転軸、45…第2駆動源、46…第1位置決め部、47…第2位置決め部、47A…ガイド部、47B…延設部、50…受容部、51…受容面、51A…裏面、52…第1受容面、53…第2受容面、54…連通路、54A…始端部、54B…貫通孔、54C…終端部、55…第1連通路、55A…第1始端部、55B…第1貫通孔、55C…第1終端部、56…第2連通路、56A…第2始端部、56B…第2貫通孔、56C…第2終端部、57…凸部、58…吸収材、59…第3連通路、59A…第3始端部、59B…第3貫通孔、59C…第3終端部、60…廃液流路、60A…一端部、60B…他端部、61…第1廃液流路、61A…一端部、61B…他端部、62…第2廃液流路、62A…一端部、62B…他端部、63…収容部、64…液体検知部、65…第3廃液流路、65A…一端部、65B…他端部、70…払拭部、70A…底面、70B…背面、71…払拭キャリッジ、72…払拭部材、80…受容部、81…受容面、81A…裏面、82…第3受容面、83…第4受容面、99…媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15