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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092114
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】薬液投与装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/142 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
A61M5/142 522
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207816
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】中井 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】内山 城司
(72)【発明者】
【氏名】杉山 隆行
(72)【発明者】
【氏名】テロ ヘイッキネン
(72)【発明者】
【氏名】マッティ パツィ
(72)【発明者】
【氏名】ミカエル ヘイッキラ
(72)【発明者】
【氏名】マルック カッルンキ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD11
4C066KK02
4C066KK03
4C066KK04
4C066KK05
4C066KK06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カニューレが患者に刺さる位置に到達したか否かを確認することが容易となる薬液投与装置を提供する。
【解決手段】薬液投与装置は、筐体230を備える。筐体には、患者の身体に留置される留置部32と、留置部と一体的に移動する移動部材とが移動可能に収容される。留置部が移動部材と一体的に穿刺完了位置まで移動した後、移動部材は、弾性部材に付勢されて移動前の初期位置に戻る。筐体には、挿入孔286が形成されている。初期位置に戻った移動部材は、筐体の外観を見たときに挿入孔を介して視認可能である。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体に位置決めされる筐体と、
前記筐体に収容されたリザーバと、
チューブを介して前記リザーバと接続され、前記筐体内の初期位置から穿刺完了位置まで移動する挿入部材とを備え、
前記挿入部材を介して薬液を患者に投与する薬液投与装置であって、
前記挿入部材は、
前記患者の身体に留置される中空の留置部と、
前記筐体の内部で前記留置部と一体的に移動する移動部材と、
を備え、
前記薬液投与装置は、
前記留置部が前記移動部材と一体的に前記穿刺完了位置まで移動した後、前記移動部材を前記初期位置に戻すように付勢する弾性部材と、
前記弾性部材によって前記初期位置に向けて移動する前記移動部材を前記初期位置で停止させる第1ストッパ部と、
前記筐体の内面から外面にわたって貫通し、前記初期位置に戻った前記移動部材の一部が挿入される挿入孔と、
前記移動部材と一体的に前記穿刺完了位置まで移動した前記留置部を位置決め固定する第2ストッパ部と、
を備え、
前記初期位置に戻った移動部材は、前記筐体の外観を見たときに前記挿入孔を介して視認可能である、薬液投与装置。
【請求項2】
請求項1記載の薬液投与装置において、前記留置部が楔部を有し、且つ前記筐体が前記楔部を収容する収容凹部を有し、前記第2ストッパ部は、前記収容凹部に収容された前記楔部の抜け止めとなる、薬液投与装置。
【請求項3】
請求項1記載の薬液投与装置において、前記弾性部材をロックし、前記挿入部材に押されることで前記弾性部材へのロックを解除するロック部材を備える、薬液投与装置。
【請求項4】
請求項1記載の薬液投与装置において、前記筐体は、互いに隣接する2個の壁部を有し、前記チューブは、前記2個の壁部の間に形成されたクリアランスに収容される、薬液投与装置。
【請求項5】
請求項1記載の薬液投与装置において、前記移動部材に設けられて前記移動部材と前記筐体との間をシールするシール部材を有し、前記移動部材が前記初期位置に戻ったときに前記シール部材が前記筐体の内面に当接する、薬液投与装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の薬液投与装置において、前記移動部材は、内針であり、
前記内針は、前記留置部のルーメンに移動可能に挿入された中空の針本体と、前記内針及び前記チューブが接続された針ハブとを有し、前記留置部が前記穿刺完了位置に位置し且つ前記移動部材が前記初期位置に戻ったとき、前記針本体の先端部が前記留置部の前記ルーメン内に位置する、薬液投与装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の身体に留置される留置部を備える薬液投与装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬液投与装置として、特許文献1に記載された装置が知られている。薬液投与装置は、筐体と、リザーバと、留置部となるカニューレとを備える。使用前の薬液投与装置において、カニューレは、筐体の内部に収容されている。筐体には、開口が形成されている。患者が薬液投与装置を使用するとき、例えば、筐体が患者の皮膚に貼付される。その後、所定の操作によって、カニューレが内針及び針キャリッジと一体的に移動する。
【0003】
カニューレは、ルーメンに内針が挿入された状態で、開口から筐体の外部に突出し、患者の身体に刺さる。その後、板ばねの弾性作用によって内針がカニューレから離間する方向に移動する。この状態で、リザーバから薬液がカニューレに供給される。薬液は、カニューレを流通して患者の体内に投与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第2061543号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の薬液投与装置では、カニューレが患者に刺さる位置に到達したか否かを確認することが容易ではない。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一実施形態によれば、患者の身体に位置決めされる筐体と、前記筐体に収容されたリザーバと、チューブを介して前記リザーバと接続され、前記筐体内の初期位置から穿刺完了位置まで移動する挿入部材とを備え、前記挿入部材を介して薬液を患者に投与する薬液投与装置であって、前記挿入部材は、前記患者の身体に留置される中空の留置部と、前記筐体の内部で前記留置部と一体的に移動する移動部材と、を備え、前記薬液投与装置は、前記留置部が前記移動部材と一体的に前記穿刺完了位置まで移動した後、前記移動部材を前記初期位置に戻すように付勢する弾性部材と、前記弾性部材によって前記初期位置に向けて移動する前記移動部材を前記初期位置で停止させる第1ストッパ部と、前記筐体の内面から外面にわたって貫通し、前記初期位置に戻った前記移動部材の一部が挿入される挿入孔と、前記移動部材と一体的に前記穿刺完了位置まで移動した前記留置部を位置決め固定する第2ストッパ部と、を備え、前記初期位置に戻った移動部材は、前記筐体の外観を見たときに前記挿入孔を介して視認可能である、薬液投与装置が提供される。
【0008】
この構成においては、挿入部材が穿刺完了位置に到達するまで、弾性部材が移動部材を付勢することが防止される。従って、挿入部材が穿刺完了位置に到達しない場合、移動部材が初期位置に戻ることが回避される。換言すれば、挿入部材が穿刺完了位置に到達することに伴い、移動部材が弾性部材に付勢されて移動前の初期位置に戻る。このとき、移動部材の一部が、筐体の挿入孔に挿入される。従って、ユーザは、移動部材の一部が挿入孔に挿入されたことを視認することに基づいて、留置部が穿刺完了位置に到達したと判断することができる。このように、本発明によれば、留置部が穿刺完了位置に到達したことを認識することが容易である。
【0009】
(2)上記の項目(1)において、前記留置部が楔部を有し、且つ前記筐体が前記楔部を収容する収容凹部を有してもよい。この場合、前記第2ストッパ部は、前記収容凹部に収容された前記楔部の抜け止めとなる。
【0010】
第2ストッパ部が楔部の抜け止めとなるので、留置部の楔部が収容凹部から離脱することが困難である。従って、移動部材を初期位置に戻しつつ、留置部を穿刺完了位置に留めておくことが可能である。
【0011】
(3)上記の項目(1)又は(2)において、薬液投与装置は、前記弾性部材をロックし、前記挿入部材に押されることで前記弾性部材へのロックを解除するロック部材を備えてもよい。
【0012】
ロック部材により、移動前の挿入部材に弾性部材が当接することが防止される。換言すれば、挿入部材が穿刺完了位置に向かって移動するとき、弾性部材の弾性力が挿入部材に作用することが回避される。すなわち、弾性力に抗いながら挿入部材を移動させる必要がない。従って、挿入部材を移動させることが容易である。
【0013】
(4)上記の項目(1)~(3)のいずれか1項において、前記筐体は、互いに隣接する2個の壁部を有してもよい。この場合、前記チューブを、前記2個の壁部の間に形成されたクリアランスに収容してもよい。
【0014】
これにより、チューブが2個の壁部によって挟まれた位置となる。従って、弾性部材が移動するとき、チューブが該弾性部材に干渉することが回避される。このため、弾性部材の移動が妨げられることが回避される。
【0015】
(5)上記の項目(1)~(4)のいずれか1項において、前記薬液投与装置は、前記移動部材に設けられて前記移動部材と前記筐体との間をシールするシール部材を有してもよい。前記移動部材が前記初期位置に戻ったとき、前記シール部材が前記筐体の内面に当接する。
【0016】
シール部材が筐体の内面に当接することに基づき、移動部材が移動前の初期位置に位置する。これにより、ユーザは、移動部材が移動前の初期位置に戻ったことを認識することが一層容易である。
【0017】
(6)上記の項目(1)~(5)のいずれか1項において、前記移動部材の一例は内針であってもよい。前記内針は、前記留置部のルーメンに移動可能に挿入された中空の針本体と、前記内針及び前記チューブが接続された針ハブとを有してもよい。この場合において、前記留置部が前記穿刺完了位置に位置し且つ前記移動部材が前記初期位置に戻ったとき、前記針本体の先端部が前記留置部の前記ルーメン内に位置する。
【0018】
留置部が穿刺完了位置に位置した場合において、内針における針本体の先端部が留置部の前記ルーメン内に位置する状態が維持される。従って、チューブ、針ハブ及び針本体を薬液流路として、留置部に薬液を容易に供給することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、挿入部材が穿刺完了位置に到達するまで、弾性部材が移動部材を付勢することが防止される。従って、挿入部材が穿刺完了位置に到達しない場合、移動部材が初期位置に戻ることが回避される。換言すれば、挿入部材が穿刺完了位置に到達することに伴い、移動部材が弾性部材に付勢されて移動前の初期位置に戻る。このとき、移動部材の一部が、筐体の挿入孔に挿入される。従って、ユーザは、移動部材の一部が挿入孔に挿入されたことを視認することに基づいて、留置部が穿刺完了位置に到達したと判断することができる。このように、本発明によれば、留置部が穿刺完了位置に到達したことを認識することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、薬液投与装置が装填された充填装置の概略斜視図である。
図2図2は、薬液投与装置の全体概略平面図である。
図3図3は、薬液投与装置の要部概略斜視図である。
図4図4は、薬液投与装置の主要部の概略断面図である。
図5図5は、薬液投与装置を構成するカートリッジの概略断面図である。
図6図6は、カートリッジの概略断面斜視図である。
図7図7は、図6の状態から挿入部材が患者の身体に穿刺された状態を示すカートリッジの概略断面斜視図である。
図8図8は、挿入部材の楔部が第2ストッパ部を押し広げながら収容凹部に進入しているときの薬液投与装置の主要部の概略断面図である。
図9図9は、図8の状態から挿入部材の楔部が収容凹部に進入した後の薬液投与装置の主要部の概略断面図である。
図10図10は、図7の状態から、留置部が患者の身体に留置されつつ内針が移動前の初期位置に戻った状態を示すカートリッジの概略断面斜視図である。
図11図11は、図10の状態における薬液投与装置の主要部の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下における「ユーザ」は、主に、薬液投与装置10の留置部32を患者の身体に穿刺する者を指す。ユーザの典型例は患者であるが、これに限られない。
【0022】
図1は、充填装置300の概略斜視図である。充填装置300には、鉛直方向に沿って延びる装填スロット302が形成されている。装填スロット302には、薬液投与装置10が挿入される。この挿入により、薬液投与装置10が充填装置300に装填される。薬液投与装置10には、バイアルアダプタ350を介してバイアル360が予め連結される。バイアル360の薬液入出口には、栓部材362が挿入される。
【0023】
充填装置300は、給気口(不図示)と、レバー304とを有する。ユーザがレバー304を押し込むことに伴い、所定量の空気が圧縮されて給気口から排出される。圧縮された空気は、バイアルアダプタ350を介してバイアル360に供給される。バイアル360内の薬液Lは、圧縮された空気に押されてバイアル360から押し出される。バイアル360から押し出された薬液Lは、バイアルアダプタ350を経由して、薬液投与装置10のリザーバ20(図2参照)に移動する。
【0024】
薬液投与装置10の具体的構成につき説明する。図2は、薬液投与装置10の全体概略平面図である。薬液投与装置10は、装置本体200と、装置本体200を覆う粘着シート202とを有する。使用前の薬液投与装置10において、粘着シート202は剥離紙204で覆われている。
【0025】
装置本体200は、カートリッジ210と、ポンプユニット212とを備える。ポンプユニット212は、粘着シート202が貼付されたカートリッジ210に対して着脱可能である。すなわち、粘着シート202は、ポンプユニット212には貼付されない。
【0026】
カートリッジ210は、筐体230を有する。特に図3及び図4に示すように、筐体230は、ベース部材232と、カバー部材280とを有する。薬液投与装置10が患者の皮膚SKに貼付されたとき、ベース部材232は、患者の身体を向く。粘着シート202は、ベース部材232に貼付される。カバー部材280は、ベース部材232の約半分を覆う。カバー部材280は、透明又は半透明であってもよい。
【0027】
以下、薬液投与装置10において、患者の身体に近接する方向を下方と呼び、患者の身体から離間する方向を上方と呼ぶ。例えば、ベース部材232は、カバー部材280よりも下方に位置する部材であり、カバー部材280はベース部材232よりも上方に位置する部材である。ただし、本明細書における上下は、説明を簡素化して理解を容易にするための方向付けである。従って、上下が鉛直方向の上下を指すとは限らない。
【0028】
ベース部材232は樹脂材からなり、図3に示すように、底部234、アーチ部235、円筒ガイド部236、第1仕切り壁部238、第2仕切り壁部240、ロック部位置決め部242、コイル受244及び被ストッパ部受246を一体的に有する。底部234は、略長方形形状をなす。アーチ部235は、底部234の長手方向略中央よりも長手方向一端部に若干寄った位置において、底部234の上面から上方に向かって突出するように延びる。ベース部材232は、アーチ部235を境に、第1セグメント250と第2セグメント252とに分けられる。円筒ガイド部236、第1仕切り壁部238、第2仕切り壁部240、ロック部位置決め部242、コイル受244及び被ストッパ部受246は、第1セグメント250に設けられている。
【0029】
図4に示すように、ベース部材232の略中心には、底部234の外面から内面にわたって貫通する開孔254が形成される。開孔254を介して、挿入部材30の一部が筐体230の外部に突出する。円筒ガイド部236は、アーチ部235における第1セグメント250を向く側部に隣接する位置で、底部234の上面からカバー部材280(上方)に向かって延びる。円筒ガイド部236はガイド孔256を有し、該ガイド孔256は開孔254に連通する。従って、円筒ガイド部236は、ベース部材232の略中心に位置する。
【0030】
ベース部材232において、ガイド孔256と開孔254との間には、収容凹部258が形成される。収容凹部258は、ベース部材232から逆三角錐が刳り抜かれたような形状である。収容凹部258とガイド孔256との間には、テーパ孔260と、内フランジ部からなる第2ストッパ部262とが設けられる。ガイド孔256と開孔254とは、収容凹部258及びテーパ孔260を介して連通する。テーパ孔260において、ガイド孔256を向く開口は、留置部32における楔部34の下端(円錐の頂部)がテーパ孔260に進入し始める入口266である。テーパ孔260において、収容凹部258を向く開口は、楔部34の上端(円錐の底部234)がテーパ孔260から進出し終える出口268である。テーパ孔260は、入口266から出口268に向かうにつれてテーパ状に縮径する。テーパ孔260の入口266の開口径D1は、楔部34の上端部の外径D2よりも若干小さい。
【0031】
図3に示すように、第1仕切り壁部238及び第2仕切り壁部240は、第1セグメント250において、底部234の上面からカバー部材280(上方)に向かって延びる。第1仕切り壁部238及び第2仕切り壁部240は、若干離間した状態で互いに隣接している。すなわち、第1仕切り壁部238と第2仕切り壁部240との間にはクリアランス269が形成されている。
【0032】
ロック部位置決め部242は、円筒ガイド部236の近傍に設けられる。ロック部位置決め部242は、枠状突部270と、2個の円柱突部272とを有する。コイル受244及び被ストッパ部受246は、第1セグメント250において、第1仕切り壁部238と、ベース部材232の底部234とで囲まれる空間に位置する。
【0033】
カバー部材280は、ベース部材232の第1セグメント250のみを覆う(図2及び図3参照)。なお、ベース部材232において、カバー部材280に覆われない第2セグメント252には、ポンプユニット212が配置される。ポンプユニット212とアーチ部235との間には、略M字形状のスペーサ290が介在する。
【0034】
カバー部材280において、筐体230の内面となる下面には、円環状突部282が設けられている。円環状突部282は、ベース部材232(下方)に向かって突出する。円環状突部282は、挿入部材30を停止させる第1ストッパ部284を構成する。円環状突部282の内部には、挿入孔286(図2及び図4参照)が形成される。挿入孔286は、カバー部材280の下面及び上面(筐体230の内面及び外面)で開口した貫通孔である。挿入孔286は、円錐台が刳り抜かれたような形状を有する。図4に示すように、挿入孔286は、円筒ガイド部236の上方に位置し、ガイド孔256に重なる。すなわち、開孔254、ガイド孔256及び挿入孔286は、ベース部材232の略中心において、下方から上方に向かう仮想直線上に並ぶ。
【0035】
図2に示すように、ベース部材232とカバー部材280とで構成される筐体230には、リザーバ20、挿入部材30、チューブ50、ロック部材60(ロック部)及びリターンスプリング80(弾性部材)が収容される。以下、これらの部材について具体的に説明する。
【0036】
図3に示すように、リザーバ20は、第1セグメント250において、第2仕切り壁部240とベース部材232の底部234とで囲まれる空間に収容される。リザーバ20は、薬液入口22と、薬液出口24とを有する。薬液入口22には、バイアルアダプタ350(図1参照)に設けられた送液針352が挿入される。バイアル360内の薬液Lは、上記の操作によって、薬液入口22に挿入された送液針352を介してリザーバ20に流入する。
【0037】
図2に示すように、リザーバ20の内部には、ガスケット214が収容される。ポンプユニット212は、スペーサ290及びアーチ部235を通ってガスケット214を押圧するプランジャ216と、プランジャ216を駆動するためのモータ218とを有する。モータ218とプランジャ216とは、ギア220を介して連結される。モータ218が駆動されると、プランジャ216が薬液出口24に向かって進行する。この進行に伴い、リザーバ20内の薬液Lがガスケット214に押される。
【0038】
図4及び図5に示すように、挿入部材30は、リザーバ20の薬液出口24に対し、チューブ50を介して接続される。ここで、挿入部材30は、図4に示す移動部材及び留置部32を有する。移動部材は、内針40である。従って、挿入部材30は、留置部32及び内針40を有する。留置部32は、ルーメン36を有する中空体である。ルーメン36は、内針挿入口37と、薬液投与口38とを有する。留置部32は、例えば、樹脂材料からなる。留置部32を構成する樹脂材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。留置部32は、上端部として楔部34を有する。留置部32が患者の身体に接近する方向に移動して穿刺完了位置に到達したとき、楔部34は、ベース部材232に設けられた前記収容凹部258に収容される(図9参照)。
【0039】
移動部材である内針40は、針本体42と、針本体42の上端に設けられた針ハブ44とを有する。本態様において、針本体42はチューブ50の一部である。しかしながら、本明細書では、便宜上、薬液出口24に挿入された部位から針ハブ44に挿入された部位までをチューブ50と呼び、それ以外の部位を針本体42と呼ぶ。
【0040】
針本体42は、内部に薬液流路46を有する中空体である。挿入部材30が移動前の初期位置に位置するとき、針本体42の大部分は、内針挿入口37を介してルーメン36に挿入されている。針本体42の外壁は、ルーメン36の内壁に接触する。この接触により、留置部32が内針40に拘束される。従って、内針40の針本体42がルーメン36に挿入され且つ留置部32が患者の身体に穿刺されていない状態において、留置部32は、内針40と一体的に移動することが可能である。
【0041】
内針40の針本体42による留置部32への拘束力はさほど大きくない。このため、内針40は、留置部32に対して相対的に移動することが可能である。換言すれば、針本体42は、留置部32のルーメン36に移動可能に挿入される。
【0042】
針ハブ44は、ハブ本体44aと、頂部44bとを有する。チューブ50及び針本体42は、ハブ本体44aに形成された保持孔48に挿入される。保持孔48はハブ本体44a内で略90°の角度で曲がっており、針本体42もこれに対応して略90°の角度で曲がっている。これにより、薬液流路46が患者の身体に向かうように折れ曲がっている。
【0043】
針ハブ44は、例えば、樹脂材料からなる。チューブ50は、例えば、金属材からなる。針ハブ44の頂部44bは、挿入孔286の形状に対応する円錐台形状をなす。頂部44bには、シール部材49が設けられる。シール部材49は、挿入孔286の内周壁に当接する。これにより、針ハブ44の頂部44bと、挿入孔286の内周壁との間がシールされる。チューブ50は、下方のベース部材232に向かって突出するように湾曲した曲部52を有する。曲部52は、可撓性を示す。
【0044】
図3に示すように、内針40の針本体42の大部分は、ルーメン36に挿入された状態で、留置部32とともに円筒ガイド部236のガイド孔256に挿入される。これに対し、針ハブ44は、ガイド孔256の上方に突出する。チューブ50は、第1仕切り壁部238と第2仕切り壁部240との間のクリアランス269に挿入される。第1仕切り壁部238と第2仕切り壁部240とは、第1仕切り壁部238と第2仕切り壁部240との離間方向におけるチューブ50の動きを制限しつつ、クリアランス269内でのチューブ50の上下方向の動きを許容する。
【0045】
ロック部であるロック部材60は、プレート部62、傾斜壁部64及びフック部66を有する。プレート部62は、枠状突部270に嵌合される。プレート部62には、2個の挿通孔68が形成される。組立の際、2個の挿通孔68には、ベース部材232に設けられた2個の円柱突部272がそれぞれ嵌合され、円柱突部272に熱を付与して該円柱突部272が圧潰される。この結果、ロック部材60がロック部位置決め部242に位置決め固定される。なお、図3では、便宜上、熱が付与される前の円柱突部272が示されている。圧潰によるロック部材60の固定に代えて、接着剤によりロック部材60がロック部位置決め部242に固定されてもよい。
【0046】
フック部66は、傾斜壁部64からリザーバ20に向かうように折れ曲がっている。フック部66の上端は、下方に向かって反り返る。図3及び図6に示すように、フック部66には、リターンスプリング80の一部であるアーム部86が引っ掛けられる。なお、ロック部材60がロック部位置決め部242に位置決め固定され、且つフック部66にアーム部86が引っ掛けられていない自然状態では、傾斜壁部64は、第1仕切り壁部238及び第2仕切り壁部240に向かうように傾斜する。これに対し、フック部66にアーム部86が引っ掛けられたとき、傾斜壁部64は、ベース部材232の底部234に対して略直交する方向に延びるように弾性変形する。
【0047】
図示の態様において、弾性部材であるリターンスプリング80は、ねじりコイルばねからなる。すなわち、リターンスプリング80は、螺旋状に巻回されたコイル部82と、コイル部82の一端に連なる被ストッパ部84と、コイル部82の他端に連なるアーム部86とを有する(図3参照)。
【0048】
コイル部82は、コイル受244に挟まれる。略U字形状をなす被ストッパ部84は、被ストッパ部受246に固定される。以上により、コイル部82及び被ストッパ部84が、筐体230を構成するベース部材232に位置決め固定される。
【0049】
アーム部86は、コイル部82に連なる第1直線部88と、爪部90と、爪部90を介して第1直線部88に連なる第2直線部92とを一体的に有する。第1直線部88と第2直線部92との間には、第1仕切り壁部238及び第2仕切り壁部240が挿入される。挿入部材30が移動前の初期位置に位置する場合、この状態で、ロック部材60のフック部66が、第2直線部92に引っ掛けられる。従って、アーム部86が、該アーム部86とコイル部82との連結箇所を中心として回動することが防止される。
【0050】
爪部90は、アーム部86から上方に向かうように折れ曲がっている。爪部90は、針ハブ44のハブ本体44aに対して上昇する方向の力を付与する作用点となる。なお、以下では、アーム部86が回動して爪部90が上昇することを、「アーム部86が移動する」と表すこともある。
【0051】
薬液投与装置10は、ユーザによって以下のように使用される。
【0052】
薬液投与装置10を使用可能な状態とするには、カートリッジ210内のリザーバ20に薬液Lを充填する。このため、ユーザは、図2に示すポンプユニット212をカートリッジ210に取り付ける。これにより、装置本体200が構成される。
【0053】
ユーザは、次に、バイアルアダプタ350が装着された薬液投与装置10を充填装置300(図1参照)の装填スロット302に挿入する。その後、ユーザは、バイアルアダプタ350をバイアル360に装着する。このとき、バイアル360の入出口が鉛直下方を向き且つバイアル360の底部が鉛直上方を向く。この装着に伴い、バイアルアダプタ350に設けられた給気針及び送液針352の各一端部が栓部材362を貫通する。
【0054】
この状態で、ユーザが手でレバー304を押し込むと、所定量の空気が圧縮されて給気針からバイアル360内に流入する。これにより、バイアル360内の薬液Lが空気に押される。その結果、薬液Lの一部が送液針352の中空内部を通過して、薬液入口22からリザーバ20内に流入する。ユーザは、カートリッジ210の外方から、リザーバ20内に貯留された薬液Lの量を目視によって確認することができる。
【0055】
ユーザがレバー304から手を離すと、レバー304が元の位置に戻る。必要に応じ、ユーザは、レバー304の押し込みを繰り返す。その結果、バイアル360から所定量の薬液Lがリザーバ20に移される。ユーザは、薬液Lの量が目標量に到達したことを確認した場合、レバー304の押し込みを終了する。これにより、バイアル360からリザーバ20への薬液Lの移動も終了する。
【0056】
ユーザは、次に、バイアルアダプタ350を介してバイアル360が装着された状態の薬液投与装置10を、装填スロット302から取り外す。その後、ユーザは、バイアルアダプタ350からバイアル360を取り外し、さらに、薬液投与装置10からバイアルアダプタ350を取り外す。
【0057】
ユーザは、次に、剥離紙204を粘着シート202から引き剥がす。これにより、粘着シート202の粘着面が現れる。ユーザは、粘着面を患者の所定部位の皮膚SKに貼付する。このとき、ベース部材232が患者の身体を向く。なお、所定部位としては腹部が例示される。
【0058】
ユーザは、その後、挿入部材30を、患者の皮膚SKを介して身体に穿刺する。穿刺には、例えば、図8に示す穿刺装置370が用いられる。穿刺装置370は、カバー部材280側から装置本体200の全体を覆う。穿刺装置370は、プッシュロッド372を備える。穿刺装置370が装置本体200を覆ったとき、プッシュロッド372は、挿入孔286の上方に位置する。このとき、挿入部材30は移動する前の状態である。従って、挿入部材30は、筐体230の内部において初期位置に位置する。この態様では、挿入部材30が初期位置であるとき、針ハブ44の頂部44bが挿入孔286内に位置する。
【0059】
ユーザが穿刺装置370を用いて所定の操作を行うと、プッシュロッド372が穿刺装置370から突出し、挿入孔286内に進入する。プッシュロッド372は、挿入孔286内の針ハブ44の頂部44bを、下方の開孔254に向かって押し下げる。これに伴い、図7及び図8に示すように、挿入部材30が患者の身体に向かって移動する。この移動により、内針40の針本体42の先端部と、留置部32の先端部とが筐体230の内部から該筐体230の外部に突出する。このように挿入部材30が移動するとき、針ハブ44が円筒ガイド部236のガイド孔256に案内される。針本体42の先端部及び留置部32の先端部は、開孔254から突出して患者の身体に穿刺される。
【0060】
図8に示すように、挿入部材30が移動する過程で、留置部32の楔部34の上端がガイド孔256を通過してテーパ孔260の入口266から該テーパ孔260に進入する。ここで、テーパ孔260の入口266の開口径D1は、楔部34の上端部の外径D2よりも若干小さい(図4参照)。このため、楔部34の上端がテーパ孔260に進入した後、楔部34は、テーパ孔260を拡径しながら(第2ストッパ部262を押し広げながら)、収容凹部258に向かって進行する。
【0061】
楔部34の上端部が第2ストッパ部262を通過し、図9に示すように楔部34の全体が収容凹部258に収容されると、弾性によってテーパ孔260が縮径し且つ第2ストッパ部262が元の位置に戻る。その結果、楔部34が第2ストッパ部262によってロックされる。このロックにより、楔部34が収容凹部258から離脱することが防止される。換言すれば、楔部34が収容凹部258に収容されることで留置部32が穿刺完了位置となり、この状態で、留置部32が位置決め固定される。これにより、留置部32が、穿刺完了位置において患者の身体に穿刺された状態を保つ。すなわち、留置部32が患者の身体に留置される。
【0062】
しかも、この状態において、収容凹部258の内壁が、楔部34の湾曲した側壁を締め付ける。これに伴い、楔部34が該楔部34の内方に向かって圧縮されて変形する。その結果、ルーメン36の内壁と針本体42の外壁とが密着する。この密着により、ルーメン36の内壁と、針本体42との間がシールされる。
【0063】
この態様では、チューブ50が内針40の針本体42に一体的に設けられている。従って、収容凹部258を、楔部34及びチューブ50を収容可能な形状にする必要がない。また、第2ストッパ部262を、チューブ50が通過可能な形状にする必要もない。このため、収容凹部258及び第2ストッパ部262の構造が複雑となることが回避される。また、収容凹部258にチューブ50が挿入されることが回避されるので、収容凹部258の内壁による楔部34への締め付けがチューブ50によって阻害されることが回避される。従って、ルーメン36の内壁と、針本体42との間のシール能力が十分に大きくなる。
【0064】
挿入部材30が患者の身体に向かって移動するとき、リターンスプリング80の爪部90に、針ハブ44のハブ本体44aが当接する。挿入部材30がさらに移動すると、爪部90及びアーム部86が一体的に患者の身体に向かって押し下げられる。その結果、図7に示すように、アーム部86における第2直線部92が、ロック部材60のフック部66から離脱する。フック部66が第2直線部92による拘束から解放されるので、傾斜壁部64が、第1直線部88、第1仕切り壁部238及び第2仕切り壁部240に向かうように弾性によって傾斜する。このため、フック部66は、第2直線部92の移動軌跡上に位置しなくなる。
【0065】
その後、プッシュロッド372(図8及び図9参照)が、挿入孔286から抜き出される方向に退避する。上記から理解されるように、リターンスプリング80のアーム部86における第2直線部92は、フック部66による拘束から解放されている。ベース部材232に設けられた被ストッパ部受246に被ストッパ部84が位置決め固定されているので、アーム部86は、コイル部82からの弾性を受けて移動する。アーム部86の移動方向は、カバー部材280に向かう方向である。
【0066】
ここで、ロック部材60のフック部66は、第2直線部92の移動軌跡上から既に退避している。また、筐体230の内部において、チューブ50は、第1仕切り壁部238と第2仕切り壁部240との間のクリアランス269に挿入されている。従って、アーム部86が移動する最中に、フック部66がアーム部86又はチューブ50に干渉することが防止される。このため、アーム部86のカバー部材280に向かう移動が妨げられることが回避される。
【0067】
上記したように、爪部90には、針ハブ44のハブ本体44aが当接している。従って、アーム部86がカバー部材280に向かって移動すると、図10及び図11に示すように、内針40(針ハブ44及び針本体42)が爪部90によって押し上げられ、移動前の初期位置に戻る。これにより、針本体42の大部分が留置部32のルーメン36から露出する。ただし、針本体42の先端部は、ルーメン36に挿入された状態を維持する。従って、針本体42の薬液流路46と、留置部32のルーメン36とが連通する。
【0068】
カバー部材280に向かって移動した針ハブ44において、頂部44bは、挿入孔286に進入する。頂部44bに設けられたシール部材49は、挿入孔286の内壁に当接する。すなわち、第1ストッパ部284である円環状突部282によって、針ハブ44が停止する。従って、ユーザは、筐体230の一部であるカバー部材280の外観を見たとき、挿入孔286を介して針ハブ44の頂部44bを視認することが可能である。
【0069】
これに対し、針ハブ44が所定の深さまで押し下げられないときには、針ハブ44が爪部90に当接した場合であっても、第2直線部92がロック部材60のフック部66から離脱することは困難である。このような場合、針ハブ44が初期位置に戻ることはない。すなわち、針ハブ44の頂部44bは挿入孔286に位置していない。ユーザは、この状態を目で認識することで、留置部32が収容凹部258に到達していないことを把握することができる。
【0070】
以上から理解されるように、針ハブ44(特に頂部44b)は、留置部32が患者の身体に留置されるまで移動したか否かをユーザが把握するための指標である。穿刺機構を内蔵する薬液投与装置においては、留置部の留置が正常に行われていない場合、治療不良に至る場合がある。これに対し、上記の薬液投与装置10は、ユーザが穿刺の可否を把握し得る構成(指標)を備える。この構成に基づき、治療不良に至ることを回避し得る。
【0071】
針ハブ44の頂部44bが挿入孔286内に位置していることをユーザが認識した場合、ユーザは、例えば、リモートコントローラを操作して、モータ218(図2参照)を駆動する。これに伴い、リザーバ20の内部に設けられたプランジャ216が移動し始める。プランジャ216が移動することにより、リザーバ20内の薬液Lがガスケット214に押される。従って、薬液Lが前記薬液出口24から流出する。薬液Lは、前記チューブ50に沿って移動し、内針40の針本体42の薬液流路46を介して留置部32のルーメン36を流通する。薬液Lは、さらに、ルーメン36の薬液投与口38から流出して患者に持続的に投与される。
【0072】
上記したように、ルーメン36の内壁と針本体42との間がシールされている。このため、針本体42の薬液流路46から流出した薬液Lが、ルーメン36の内壁と針本体42との間を通って内針挿入口37の外部に向かうことが回避される。しかも、薬液Lが挿入部材30に供給されている最中、内針40の針本体42が、留置部32のルーメン36に挿入された状態が維持されている。すなわち、ルーメン36の内針挿入口37は、針本体42の先端部で閉塞された状態である。以上のような理由から、薬液Lがルーメン36の内針挿入口37から漏洩することが回避される。また、薬液投与装置10の使用中でも針本体42の薬液流路46が薬液Lの流路となるので、薬液流路46から分岐した流路を別途に設ける必要がない。このため、薬液投与装置10をコンパクトな構成とすることが可能となる。
【0073】
薬液Lの投与が終了した場合、装置本体200は、粘着シート202が貼付されたカートリッジ210と、ポンプユニット212とに分離される。粘着シート202及びカートリッジ210は、衛生上の理由により、医療廃棄物として処分される。ポンプユニット212は、例えば、充電された後、図3と同様にして、新しいカートリッジ210に装着される。すなわち、ポンプユニット212は再使用される。
【0074】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0075】
10…薬液投与装置 20…リザーバ
22…薬液入口 24…薬液出口
30…挿入部材 32…留置部
34…楔部 36…ルーメン
37…内針挿入口 38…薬液投与口
40…内針 42…針本体
44…針ハブ 46…薬液流路
48…保持孔 49…シール部材
50…チューブ 52…曲部
60…ロック部材 80…リターンスプリング
82…コイル部 84…被ストッパ部
86…アーム部 88…第1直線部
90…爪部 92…第2直線部
200…装置本体 202…粘着シート
204…剥離紙 210…カートリッジ
212…ポンプユニット 214…ガスケット
216…プランジャ 218…モータ
220…ギア 230…筐体
236…円筒ガイド部 238…第1仕切り壁部
240…第2仕切り壁部 242…ロック部位置決め部
244…コイル受 246…被ストッパ部受
254…開孔 256…ガイド孔
258…収容凹部 260…テーパ孔
262…第2ストッパ部 266…入口
268…出口 269…クリアランス
280…カバー部材 282…円環状突部
284…第1ストッパ部 286…挿入孔
290…スペーサ 300…充填装置
302…装填スロット 304…レバー
350…バイアルアダプタ 352…送液針
360…バイアル 362…栓部材
370…穿刺装置 372…プッシュロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11