(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092123
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】変圧器システムおよび変圧器
(51)【国際特許分類】
H01F 30/14 20060101AFI20240701BHJP
H02M 5/10 20060101ALI20240701BHJP
H02H 7/045 20060101ALI20240701BHJP
H01F 30/12 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H01F30/14
H02M5/10 Z
H02H7/045 E
H01F30/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207832
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111121
【弁理士】
【氏名又は名称】原 拓実
(74)【代理人】
【識別番号】100200218
【弁理士】
【氏名又は名称】沼尾 吉照
(72)【発明者】
【氏名】下川 真門
(72)【発明者】
【氏名】増山 隆雄
【テーマコード(参考)】
5G043
5H750
【Fターム(参考)】
5G043AA02
5G043AB05
5G043AB06
5G043CA01
5H750BA01
5H750CC11
5H750DD14
5H750DD17
5H750GG11
(57)【要約】
【課題】 三相/単相変圧器の故障時においても電力供給が可能な冗長性に優れた変圧器システムを提供する。
【解決手段】 三相交流電源の電力を2組の単相交流電源の電力に変換する変圧器システムであって、一次巻線と二次巻線を有する第1乃至第3の単位変圧器と、変圧器の一次側において第2の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され第1の単位変圧器の一次巻線の中間タップと第3の単位変圧器の一次巻線の中間タップとのいずれかに接続を切り替える第1の制御スイッチと、第3の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され三相交流電源のV相とW相とのいずれかに接続を切り替える第2の制御スイッチとを有し、変圧器の二次側において単相交流電源と接続を切替える第3乃至第6の制御スイッチを有し、第1乃至第6の制御スイッチを制御することで変圧器の結線状態を切替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三相交流電源の電力を2組の単相交流電源の電力に変換する変圧器システムであって、
一次巻線と二次巻線を有する第1の単位変圧器と、
一次巻線と二次巻線を有する第2の単位変圧器と、
一次巻線と二次巻線を有する第3の単位変圧器と、
第2の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され第1の単位変圧器の一次巻線の中間タップと第3の単位変圧器の一次巻線の中間タップとのいずれかに接続を切り替える第1の制御スイッチと、
第3の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され三相交流電源のV相とW相とのいずれかに接続を切り替える第2の制御スイッチと、
一方の単相交流電源の一端に接続され第1の単位変圧器の二次巻線の一端と第3の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続を切り替える第3の制御スイッチと、
一方の単位交流電源の他端に接続され第1の単位変圧器の二次巻線の他端と第3の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第4の制御スイッチと、
他方の単相交流電源の一端に接続され第2の単位変圧器の二次巻線の一端と第3の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続を切り替える第5の制御スイッチと、
他方の単位交流電源の他端に接続され第2の単位変圧器の二次巻線の他端と第3の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第6の制御スイッチと、
第1乃至第6の制御スイッチを制御する制御部とを有する変圧器システム。
【請求項2】
制御部は、
第1の制御スイッチを第2の単位変圧器の一次巻線の他端と第1の単位変圧器の一次巻線の中間タップとを接続するように切り替え、
第3の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第1の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第4の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第1の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第5の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第2の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第6の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第2の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替える請求項1記載の変圧器システム。
【請求項3】
第1の制御スイッチを第2の単位変圧器の一次巻線の他端と第3の単位変圧器の一次巻線の中間タップとを接続するように切り替え、
第2の制御スイッチを第3の単位変圧器の一次巻線の他端と三相交流電源のW相とを接続するように切り替え、
第3の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第3の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第4の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第3の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第5の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第2の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第6の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第2の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替える請求項1記載の変圧器システム。
【請求項4】
制御部は、
第2の制御スイッチを第3の単位変圧器の一次巻線の他端と三相交流電源のV相とを接続するように切り替え、
第3の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第1の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第4の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第1の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第5の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第3の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第6の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第3の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替える請求項1記載の変圧器システム。
【請求項5】
三相交流電源の電力を2組の単相交流電源の電力に変換する変圧器システムであって、
一次巻線と二次巻線を有する第4の単位変圧器と、
一次巻線と切替タップを備えた二次巻線を有する第5の単位変圧器と、
一次巻線と切替タップを備えた二次巻線を有する第6の単位変圧器と、
第4の単位変圧器の一次巻線の中間タップに接続され第5の単位変圧器の一次巻線の他端と第6の単位変圧器の一次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第7の制御スイッチと、
第5の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され第4の単位変圧器の一次巻線の中間タップと三相交流電源のW相とのいずれかに接続を切り替える第8の制御スイッチと、
第6の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され第4の単位変圧器の一次巻線の中間タップと三相交流電源のU相とのいずれかに接続を切り替える第9の制御スイッチと、
一方の単相交流電源の一端に接続され第4の単位変圧器の二次巻線の一端と第6の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続を切り替える第10の制御スイッチと、
一方の単位交流電源の他端に接続され第4の単位変圧器の二次巻線の他端と第6の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第11の制御スイッチと、
他方の単相交流電源の一端に接続され第5の単位変圧器の二次巻線の一端と第6の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続を切り替える第12の制御スイッチと、
他方の単位交流電源の他端に接続され第5の単位変圧器の二次巻線の他端と第6の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第13の制御スイッチと、
第7乃至第13の制御スイッチを制御する制御部とを有する変圧器システム。
【請求項6】
制御部は、
第7の制御スイッチを第4の単位変圧器の一次巻線の中間タップと第5の単位変圧器の一次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第8の制御スイッチを第5の単位変圧器の一次巻線の他端と第4の単位変圧器の一次巻線の中間タップとを接続するように切り替え、
第10の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第4の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第11の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第4の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第12の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第5の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第13の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第5の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替える請求項5記載の変圧器システム。
【請求項7】
制御部は、
第7の制御スイッチを第4の単位変圧器の一次巻線の中間タップと第6の単位変圧器の一次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第9の制御スイッチを第6の単位変圧器の一次巻線の他端と第4の単位変圧器の一次巻線の中間タップとを接続するように切り替え、
第10の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第4の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第11の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第4の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第12の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第6の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第13の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第6の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替える請求項5記載の変圧器システム。
【請求項8】
制御部は、
第8の制御スイッチを第5の単位変圧器の一次巻線の他端と三相交流電源のW相とを接続するように切り替え、
第9の制御スイッチを第6の単位変圧器の一次巻線の他端と三相交流電源のU相とを接続するように切り替え、
第10の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第6の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第11の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第6の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第12の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第5の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第13の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第5の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第5の単位変圧器の二次巻線の切替タップと第6の単位変圧器の二次巻線の切替タップを所定の出力電圧となるように切替える請求項5記載の変圧器システム。
【請求項9】
三相交流電源の電力を2組の単相交流電源の電力に変換する変圧器システムであって、
一次巻線と二次巻線を有する第7の単位変圧器と、
切替タップを備えた一次巻線と二次巻線を有する第8の単位変圧器と、
切替タップを備えた一次巻線と二次巻線を有する第9の単位変圧器と、
第7の単位変圧器の一次巻線の中間タップに接続され第8の単位変圧器の一次巻線の他端と第9の単位変圧器の一次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第14の制御スイッチと、
第8の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され第7の単位変圧器の一次巻線の中間タップと三相交流電源のW相とのいずれかに接続を切り替える第15の制御スイッチと、
第9の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され第7の単位変圧器の一次巻線の中間タップと三相交流電源のU相とのいずれかに接続を切り替える第16の制御スイッチと、
一方の単相交流電源の一端に接続され第7の単位変圧器の二次巻線の一端と第9の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続を切り替える第17の制御スイッチと、
一方の単位交流電源の他端に接続され第7の単位変圧器の二次巻線の他端と第9の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第18の制御スイッチと、
他方の単相交流電源の一端に接続され第8の単位変圧器の二次巻線の一端と第9の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続を切り替える第19の制御スイッチと、
他方の単位交流電源の他端に接続され第8の単位変圧器の二次巻線の他端と第9の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第20の制御スイッチと、
第14乃至第20の制御スイッチを制御する制御部とを有する変圧器システム。
【請求項10】
制御部は、
第14の制御スイッチを第4の単位変圧器の一次巻線の中間タップと第5の単位変圧器の一次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第15の制御スイッチを第5の単位変圧器の一次巻線の他端と第4の単位変圧器の一次巻線の中間タップとを接続するように切り替え、
第17の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第7の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第18の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第7の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第19の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第8の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第10の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第8の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替える請求項9記載の変圧器システム。
【請求項11】
制御部は、
第14の制御スイッチを第4の単位変圧器の一次巻線の中間タップと第6の単位変圧器の一次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第16の制御スイッチを第6の単位変圧器の一次巻線の他端と第4の単位変圧器の一次巻線の中間タップとを接続するように切り替え、
第17の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第7の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第18の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第7の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第19の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第9の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第20の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第9の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替える請求項9記載の変圧器システム。
【請求項12】
制御部は、
第15の制御スイッチを第5の単位変圧器の一次巻線の他端と三相交流電源のW相とを接続するように切り替え、
第16の制御スイッチを第6の単位変圧器の一次巻線の他端と三相交流電源のU相とを接続するように切り替え、
第17の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第9の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第18の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第9の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第19の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第8の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第20の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第8の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第8の単位変圧器の一次巻線の切替タップと第9の単位変圧器の一次巻線の切替タップを所定の出力電圧となるように切替える請求項9記載の変圧器システム。
【請求項13】
三相交流電源の電力を2組の単相交流電源の電力に変換する変圧器システムであって、
一次巻線と二次巻線を有する第10の単位変圧器と、
一次巻線と二次巻線を有する第11の単位変圧器と、
切替タップを備えた一次巻線と二次巻線を有する第12の単位変圧器と、
第11の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され第10の単位変圧器の一次巻線の中間タップと第12の単位変圧器の一次巻線の中間タップとのいずれかに接続を切り替える第21の制御スイッチと、
第12の単位変圧器の一次巻線の一端に接続され三相交流電源のU相とV相とのいずれかに接続を切り替える第22の制御スイッチと、
第12の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され第10の単位変圧器の一次巻線の中間タップと三相交流電源のW相とのいずれかに接続を切り替える第23の制御スイッチと、
一方の単相交流電源の一端に接続され第10の単位変圧器の二次巻線の一端と第12の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続を切り替える第24の制御スイッチと、
一方の単位交流電源の他端に接続され第10の単位変圧器の二次巻線の他端と第12の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第25の制御スイッチと、
他方の単相交流電源の一端に接続され第11の単位変圧器の二次巻線の一端と第12の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続を切り替える第26の制御スイッチと、
他方の単位交流電源の他端に接続され第11の単位変圧器の二次巻線の他端と第12の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第27の制御スイッチと、
第21乃至第27の制御スイッチを制御する制御部とを有する変圧器システム。
【請求項14】
制御部は、
第21の制御スイッチを第11の単位変圧器の一次巻線の他端と第10の単位変圧器の一次巻線の中間タップとを接続するように切り替え、
第24の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第10の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第25の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第10の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第26の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第11の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第27の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第11の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替える請求項13記載の変圧器システム。
【請求項15】
制御部は、
第21の制御スイッチを第11の単位変圧器の一次巻線の他端と第12の単位変圧器の一次巻線の中間タップとを接続するように切り替え、
第22の制御スイッチを第12の単位変圧器の一次巻線の一端と三相交流電源のU相とを接続するように切り替え、
第23の制御スイッチを第12の単位変圧器の一次巻線の他端と三相交流電源のW相とを接続するように切り替え、
第24の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第12の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第25の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第12の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第26の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第11の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第27の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第11の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替える請求項13記載の変圧器システム。
【請求項16】
制御部は、
第22の制御スイッチを第12の単位変圧器の一次巻線の一端と三相交流電源のV相とを接続するように切り替え、
第23の制御スイッチを第12の単位変圧器の一次巻線の他端と第10の単位変圧器の一次巻線の中間タップとを接続するように切り替え、
第24の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第10の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第25の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第10の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第26の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第12の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第27の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第12の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第12の単位変圧器の一次巻線の切替タップを所定の出力電圧となるように切替える請求項13記載の変圧器システム。
【請求項17】
三相交流電源の電力を2組の単相交流電源の電力に変換する変圧器システムであって、
一次巻線と二次巻線を有する第13の単位変圧器と、
一次巻線と二次巻線を有する第14の単位変圧器と、
一次巻線と切替タップを備えた二次巻線を有する第15の単位変圧器と、
第14の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され第13の単位変圧器の一次巻線の中間タップと第15の単位変圧器の一次巻線の中間タップとのいずれかに接続を切り替える第28の制御スイッチと、
第15の単位変圧器の一次巻線の一端に接続され三相交流電源のU相とV相とのいずれかに接続を切り替える第29の制御スイッチと、
第15の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され第13の単位変圧器の一次巻線の中間タップと三相交流電源のW相とのいずれかに接続を切り替える第30の制御スイッチと、
一方の単相交流電源の一端に接続され第13の単位変圧器の二次巻線の一端と第15の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続を切り替える第31の制御スイッチと、
一方の単位交流電源の他端に接続され第13の単位変圧器の二次巻線の他端と第15の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第32の制御スイッチと、
他方の単相交流電源の一端に接続され第14の単位変圧器の二次巻線の一端と第15の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続を切り替える第33の制御スイッチと、
他方の単位交流電源の他端に接続され第14の単位変圧器の二次巻線の他端と第15の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第34の制御スイッチと、
第28乃至第34の制御スイッチを制御する制御部とを有する変圧器システム。
【請求項18】
制御部は、
第28の制御スイッチを第14の単位変圧器の一次巻線の他端と第13の単位変圧器の一次巻線の中間タップとを接続するように切り替え、
第31の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第13の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第32の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第13の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第33の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第14の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第34の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第14の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替える請求項17記載の変圧器システム。
【請求項19】
制御部は、
第28の制御スイッチを第14の単位変圧器の一次巻線の他端と第15の単位変圧器の一次巻線の中間タップとを接続するように切り替え、
第29の制御スイッチを第15の単位変圧器の一次巻線の一端と三相交流電源のU相とを接続するように切り替え、
第30の制御スイッチを第15の単位変圧器の一次巻線の他端と三相交流電源のW相とを接続するように切り替え、
第31の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第15の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第32の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第15の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第33の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第14の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第34の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第14の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替える請求項17記載の変圧器システム。
【請求項20】
制御部は、
第29の制御スイッチを第15の単位変圧器の一次巻線の一端と三相交流電源のV相とを接続するように切り替え、
第30の制御スイッチを第15の単位変圧器の一次巻線の他端と第13の単位変圧器の一次巻線の中間タップとを接続するように切り替え、
第31の制御スイッチを一方の単相交流電源の一端と第13の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第32の制御スイッチを一方の単位交流電源の他端と第13の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第33の制御スイッチを他方の単相交流電源の一端と第15の単位変圧器の二次巻線の一端とを接続するように切り替え、
第34の制御スイッチを他方の単位交流電源の他端と第15の単位変圧器の二次巻線の他端とを接続するように切り替え、
第15の単位変圧器の二次巻線の切替タップを所定の出力電圧となるように切替える請求項17記載の変圧器システム。
【請求項21】
三相交流電源の電流を検出する一次側変流器と、
単相交流電源の電流を検出する二次側変流器と、
一次側変流器の出力と二次側変流器の出力に基づき差電流を求める差動継電器とを有し、
制御部は、差動継電器の出力に基づき単位変圧器の異常を検知したとき、制御スイッチを制御する請求項1乃至請求項20のいずれかに記載の変圧器システム。
【請求項22】
三相交流電源の電力を2組の単相交流電源の電力に変換する変圧器であって、
一次巻線と二次巻線を有する第1の単位変圧器と、
一次巻線と二次巻線を有する第2の単位変圧器と、
一次巻線と二次巻線を有する第3の単位変圧器と、
第2の単位変圧器の一次巻線の他端は第1の単位変圧器の一次巻線の中間タップまたは第3の単位変圧器の一次巻線の中間タップとのいずれかに接続され、
第3の単位変圧器の一次巻線の他端は三相交流電源のV相とW相とのいずれかに接続され、
一方の単相交流電源の一端は第1の単位変圧器の二次巻線の一端と第3の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続され、
一方の単位交流電源の他端は第1の単位変圧器の二次巻線の他端と第3の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続され、
他方の単相交流電源の一端は第2の単位変圧器の二次巻線の一端と第3の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続され、
他方の単位交流電源の他端は第2の単位変圧器の二次巻線の他端と第3の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続される変圧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、故障時の予備回路を有する変圧器システムおよび変圧器に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧の電力を受電する受変電設備には、所望の電圧に変換する変圧器が設けられている。変圧器としては、三相交流電圧を三相交流電圧に変換する方法としてデルタ結線とスター結線を組み合わせた構成や、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する方法としてスコット結線が知られている。
【0003】
受変電設備は、ビル、工場、病院、鉄道などの施設に設けられるものであり、安定した電力供給を行うことが求められる。
受変電設備において、変圧器の故障は電源断に繋がるため、例えば、予備の変圧器を配置することで複数個のうち1つが故障したときに復旧時間の短縮化を実現するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記予備の変圧器を配置することによる復旧短時間化を実現するシステムは、一次側二次側ともに三相交流の変圧器のみであり、三相/単相変圧器などでは検討されていない。
また、復旧にともない回路切替を行う必要があるが、その作業は全て手作業で行う必要があった。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、三相/単相変圧器の故障時においても電力供給が可能な冗長性に優れた変圧器を提供し、また復旧にともなう回路切替を制御スイッチで実現してシステム化することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の変圧器システムは、三相交流電源の電力を2組の単相交流電源の電力に変換する変圧器システムであって、一次巻線と二次巻線を有する第1の単位変圧器と、一次巻線と二次巻線を有する第2の単位変圧器と、一次巻線と二次巻線を有する第3の単位変圧器と、第2の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され第1の単位変圧器の一次巻線の中間タップと第3の単位変圧器の一次巻線の中間タップとのいずれかに接続を切り替える第1の制御スイッチと、第3の単位変圧器の一次巻線の他端に接続され三相交流電源のV相とW相とのいずれかに接続を切り替える第2の制御スイッチと、一方の単相交流電源の一端に接続され第1の単位変圧器の二次巻線の一端と第3の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続を切り替える第3の制御スイッチと、一方の単位交流電源の他端に接続され第1の単位変圧器の二次巻線の他端と第3の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第4の制御スイッチと、他方の単相交流電源の一端に接続され第2の単位変圧器の二次巻線の一端と第3の単位変圧器の二次巻線の一端とのいずれかに接続を切り替える第5の制御スイッチと、他方の単位交流電源の他端に接続され第2の単位変圧器の二次巻線の他端と第3の単位変圧器の二次巻線の他端とのいずれかに接続を切り替える第6の制御スイッチと、第1乃至第6の制御スイッチを制御する制御部とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る変圧器の構成図である。
【
図2】
図2は、スコット結線変圧器の説明図である。
【
図3】
図3は、第1の単位変圧器と第2の単位変圧器に流れる電流を示した図である。
【
図4】
図4は、第3の単位変圧器をM座として用いる場合の構成図である。
【
図5】
図5は、第2の単位変圧器と第3の単位変圧器に流れる電流を示した図である。
【
図6】
図6は、第3の単位変圧器をT座として用いる場合の構成図である。
【
図7】
図7は、第1の単位変圧器と第3の単位変圧器に流れる電流を示した図である。
【
図8】
図8は、第1の単位変圧器と第3の単位変圧器を用いてV結線とする構成図である。
【
図9】
図9は、第1の単位変圧器と第3の単位変圧器に流れる電流を示した図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る変圧器システムの構成図である。
【
図11】
図11は、第1の単位変圧器をM座と第2の単位変圧器をT座として用いる場合の構成図である。
【
図12】
図12は、第3の単位変圧器をM座として用いる場合の構成図である。
【
図13】
図13は、第1の単位変圧器と第3の単位変圧器を用いてV結線とする構成図である。
【
図14】
図14は、第3の実施形態に係る変圧器システムの構成図である。
【
図15】
図15は、第1の単位変圧器をM座と第2の単位変圧器をT座として用いる場合の構成図である。
【
図16】
図16は、第3の単位変圧器をT座として用いる場合の構成図である。
【
図17】
図17は、第2の単位変圧器と第3の単位変圧器を用いてV結線とする構成図である。
【
図18】
図18は、第4の実施形態に係る変圧器システムの構成図である。
【
図19】
図19は、第1の単位変圧器をM座と第2の単位変圧器をT座として用いる場合の構成図である。
【
図20】
図20は、第3の単位変圧器をT座として用いる場合の構成図である。
【
図21】
図21は、第2の単位変圧器と第3の単位変圧器を用いてV結線とする構成図である。
【
図22】
図22は、第5の実施形態に係る変圧器システムの構成図である。
【
図23】
図23は、第1の単位変圧器をM座と第2の単位変圧器をT座として用いる場合の構成図である。
【
図24】
図24は、第3の単位変圧器をM座として用いる場合の構成図である。
【
図25】
図25は、第3の単位変圧器をT座として用いる場合の構成図である。
【
図26】
図26は、第6の実施形態に係る変圧器システムの構成図である。
【
図27】
図27は、第1の単位変圧器をM座と第2の単位変圧器をT座として用いる場合の構成図である。
【
図28】
図28は、第3の単位変圧器をM座として用いる場合の構成図である。
【
図29】
図29は、第3の単位変圧器とT座として用いる場合の構成図である。
【
図30】
図30は、第7の実施形態に係る変圧器システムの構成図である。
【
図31】
図31は、第8の実施形態に係る変圧器システムの構成図である。
【
図32】
図32は、第9の実施形態に係る変圧器システムの構成図である。
【
図33】
図33は、第10の実施形態に係る変圧器システムの構成図である。
【
図34】
図34は、第11の実施形態に係る変圧器システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る変圧器の構成図である。
変圧器は、第1の単相変圧器1と、第2の単相変圧器2と,第3の単相変圧器3と、第1の開閉器4と、第2の開閉器5と、第3の開閉器6とを備えている。
第1~第3の単位変圧器は、一次側が第1~第3の開閉器に接続されており、二次側が負荷に接続されている。
第1~第3の開閉器は、一次側が三相交流電源に接続されており、二次側が第1~第3の変圧器に接続されている。
第1~第3の開閉器は、閉路する開閉器を切り替えて、三相交流電源から供給された電力を単相電力に変換して二次側に出力する。
【0010】
ここで、
図2を用いて、スコット結線変圧器について説明する。
スコット結線変圧器は、M座変圧器とT座変圧器の2台の単相変圧器で構成される。M座変圧器及びT座変圧器の三相側巻線と単相側巻線の巻数比は、ともにn1:n2とする。
M座変圧器の三相側巻線の両端子は三相交流電源のU相及びW相に接続される。M座変圧器は、三相側巻線の1/2(0.5)の部分(中点O)をT座変圧器の三相側巻線の一端に接続する。
T座変圧器は、M座変圧器の三相側巻線の両端子に三相交流電源のU相及びW相が接続されたときに、電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となるタップを三相交流電源のV相に接続する。pu値は、定格に対する割合を表している。
スコット結線変圧器の単相側からは90°の位相差がある2組の単相交流電圧Vm,Vtが出力される。単相側電圧Vmは、M座変圧器のa-c端子間から出力され、単相側電圧Vtは、T座変圧器のb-d端子間から出力される。
【0011】
つぎに、
図1を用いて、第1の実施形態における通常運用状態について説明する。
通常運用状態では、第1の単相変圧器1と、第2の単相変圧器2とにより電力供給を行う。
第1の単位変圧器1の一次巻線の両端は、第1の開閉器4を介して、三相交流電源のU相とW相に接続される。また、第2の単位変圧器2の一次巻線の一端は、第1の開閉器4を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第1の単位変圧器1の中間タップに接続される。
これにより、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器2によりスコット結線が構成され、二次側回路へ電力供給が行われる。
【0012】
図3は、このようにスコット結線変圧器を構成した際に流れる電流を示したものであり、M座回路側に負荷が存在する場合はI3の方向に電流が流れ、T座回路側に負荷が存在する場合はI2の方向に電流が流れる。なお、ここでは図面を簡略にするためにV相の接続位置を端部としているが、先に述べているように、タップ切替により電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となるタップ位置に接続されている。T座変圧器のV相接続位置については、以下の説明においても同様である。
【0013】
図4は、第3の単位変圧器3をM座変圧器として使用するときの構成例である。この運用状態では、第2の単相変圧器2と、第3の単相変圧器3とにより電力供給を行う。
第3の単位変圧器3の一次巻線の両端は、第3の開閉器6を介して、三相交流電源のU相とW相に接続される。また、第2の単位変圧器2の一次巻線の一端は、第3の開閉器6を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第3の単位変圧器3の中間タップに接続される。
これにより、第2の単位変圧器2と第3の単位変圧器3によりスコット結線が構成され、二次側回路へ電力供給が行われる。
【0014】
図5は、このようにスコット結線変圧器を構成した際に流れる電流を示したものであり、M座回路側に負荷が存在する場合はI3の方向に電流が流れ、T座回路側に負荷が存在する場合はI2の方向に電流が流れる。
【0015】
図6は、第3の単位変圧器3をT座変圧器として使用するときの構成例である。この運用状態では、第1の単相変圧器1と、第3の単相変圧器3とにより電力供給を行う。
第1の単位変圧器1の一次巻線の両端は、第1の開閉器4を介して、三相交流電源のU相とW相に接続される。また、第3の単位変圧器3の一次巻線の一端は、第3の開閉器6を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第1の単位変圧器1の中間タップに接続される。また、第3の単位変圧器3は切替タップを設けて、切替タップを電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となるタップ位置に切替える。
これにより、第1の単位変圧器1と第3の単位変圧器3によりスコット結線が構成され、二次側回路へ電力供給が行われる。
【0016】
図7は、このようにスコット結線変圧器を構成した際に流れる電流を示したものであり、M座回路側に負荷が存在する場合はI3の方向に電流が流れ、T座回路側に負荷が存在する場合はI2の方向に電流が流れる。
【0017】
図8は、第1の単位変圧器1と第3の単位変圧器3とを用いてV結線として使用するときの構成例である。この運用状態では、第1の単相変圧器1と、第3の単相変圧器3とにより電力供給を行う。
第1の単位変圧器1の一次巻線の両端は、第1の開閉器4を介して、三相交流電源のU相とW相に接続される。また、第3の単位変圧器3の一次巻線の両端は、第3の開閉器6を介して、三相交流電源のU相とV相に接続される。
これにより、第1の単位変圧器1と第3の単位変圧器3によりV結線が構成され、二次側回路へ電力供給が行われる。なお、スコット結線と同じ電圧を出力するときには、第1の単位変圧器1と第3の単位変圧器3に切替タップを設けて、切替タップを電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となるタップ位置に切替える。
【0018】
図9は、このようにV結線変圧器を構成した際に流れる電流を示したものであり、第1の二次回路側に負荷が存在する場合はI1の方向に電流が流れ、第2の二次回路側に負荷が存在する場合はI3の方向に電流が流れる。
以上のように、三相交流電力を単相交流電力に変換する変圧器において、構成する単相変圧器のうち1台が故障しても電力供給を継続することができる。
【0019】
図10は、第2の実施形態における変圧器システムの構成図である。
図10の変圧器システムは、第1の実施形態における変圧器に対して、電源線との接続を行う制御スイッチを設けることで単位変圧器故障時の切替をシステム化したものである。
変圧器システムは、第1の単位変圧器1と、第2の単位変圧器2と、第3の単位変圧器3と、第1の開閉器4と、第2の開閉器5と、第3の開閉器6と、第1の制御スイッチ7と、第2の制御スイッチ8と、第3の制御スイッチ9と、第4の制御スイッチ10と、第5の制御スイッチ11と、第6の制御スイッチ12とを有する。
第1~第3の単位変圧器は、一次側が第1~第3の開閉器に接続されており、二次側が第3~第6の制御スイッチを介してM座およびT座に接続されている。第2の単位変圧器はT座用単位変圧器として用い、電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となる位置で三相交流電源のV相に接続する。
第1~第3の開閉器は、一次側が第1~第2の制御スイッチを介して三相交流電源に接続されており、二次側が第1~第3の変圧器に接続されている。
第1の制御スイッチ7は、第2の単位変圧器2の他端に接続されており、第1の単位変圧器1の中間タップと第3の単位変圧器3の中間タップとの切替を行う。
第2の制御スイッチ8は、第3の単位変圧器3の他端に接続されており、三相交流電源のV相とW相との切替を行う。
第3の制御スイッチ9は、M座の一端に接続されており、第1の単位変圧器1の一端と第3の単位変圧器3の一端との切替を行う。
第4の制御スイッチ10は、M座の他端に接続されており、第1の単位変圧器1の他端と第3の単位変圧器3の他端との切替を行う。
第5の制御スイッチ11は、T座の一端に接続されており、第2の単相変圧器2の一端と第3の単位変圧器3の一端との切替を行う。
第6の制御スイッチ12は、T座の他端に接続されており、第2の単位変圧器2の他端と第3の単位変圧器3の他端との切替を行う。
【0020】
図11を用いて、通常運用状態のシステムについて説明する。通常運転状態では、第1の単位変圧器1と第2の単相変圧器2とにより電力供給を行う。
このときは、第1の制御スイッチ7は第2の開閉器5の他端と第1の開閉器4の中間タップとを接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第1の単位変圧器1の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第1の単位変圧器1の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第2の単相変圧器2の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第2の単相変圧器2の他端とT座の他端とを接続するように切替わる。
【0021】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第1の単位変圧器1の一次巻線の両端は、第4の開閉器6を介して、三相交流電源のU相とW相に接続され、また、第2の単位変圧器2の一次巻線の一端は、第2の開閉器5を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第1の単位変圧器1の中間タップに接続されることで、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器2によりスコット結線が構成される。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。
【0022】
図12は、第3の単位変圧器3をM座変圧器として使用するときの構成例である。この運用状態では、第2の単相変圧器2と、第3の単相変圧器3とにより電力供給を行う。
このときは、第1の制御スイッチ7は第2の単位変圧器2の他端と第3の単位変圧器3の中間タップとを接続するように切替わり、第2の制御スイッチ8は第3の単位変圧器3の他端と三相交流電源のW相とを接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第3の単位変圧器3の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第3の単位変圧器3の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第2の単相変圧器2の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第2の単相変圧器2の他端とT座の他端とを接続するように切替わる。
【0023】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第3の単位変圧器3の一次巻線の両端は、第3の開閉器6を介して、三相交流電源のU相とW相に接続され、第2の単位変圧器2の一次巻線の一端は、第2の開閉器5を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第3の単位変圧器3の中間タップに接続されることで、第2の単位変圧器2と第3の単位変圧器3によりスコット結線が構成される。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。
【0024】
図13は、第1の単位変圧器1と第3の単位変圧器3とを用いてV結線として使用するときの構成例である。この運用状態では、第1の単相変圧器1と、第3の単相変圧器3とにより電力供給を行う。
このときは、第2の制御スイッチ8は第3の単位変圧器3の他端と三相交流電源のV相とを接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第1の単位変圧器1の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第1の単位変圧器1の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第3の単相変圧器3の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第3の単相変圧器3の他端とT座の他端とを接続するように切替わる。
【0025】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第1の単位変圧器1の一次巻線の両端は、第1の開閉器4を介して、三相交流電源のU相とW相に接続され、第3の単位変圧器3の一次巻線の両端は、第3の開閉器6を介して、三相交流電源のU相とV相に接続されることで、第1の単位変圧器1と第3の単位変圧器3によりV結線が構成される。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。
【0026】
以上のように、いずれかの単位変圧器の状態に応じて制御スイッチを切り替えることにより、三相交流電力を単相交流電力に変換する変圧器において、単相変圧器のうち1台が故障しても電力供給を継続することができる。また、制御スイッチを用いることで制御部からの制御信号により構成を切り替えることができ、手動操作をすることが不要となり、システム化を実現することが可能となる。
【0027】
図14は、第3の実施形態における変圧器システムの構成図である。
図14の変圧器システムは、第2の実施形態における変圧器システムに対して、第2の単位変圧器2と第3の単位変圧器3の二次側にて複数のタップ位置を切り替えることにより、単位変圧器の結線構成を切り替えた際の電圧の変化分を調整するようにしたものである。
変圧器システムは、第1の単位変圧器1と、第2の単位変圧器2と、第3の単位変圧器3と、第1の開閉器4と、第2の開閉器5と、第3の開閉器6と、第1の制御スイッチ7と、第21の制御スイッチ8aと、第22の制御スイッチ8bと、第3の制御スイッチ9と、第4の制御スイッチ10と、第5の制御スイッチ11と、第6の制御スイッチ12とを有する。
第1~第3の単位変圧器は、一次側が第1~第3の開閉器に接続されており、二次側が第3~第6の制御スイッチを介してM座およびT座に接続されている。第2の単位変圧器および第3の単位変圧器はT座用単位変圧器として用い、電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となる位置で三相交流電源のV相に接続する。また、第2の単位変圧器2および第3の単位変圧器3の二次側は複数の切替タップを有している。
第1~第3の開閉器は、一次側が第1~第2の制御スイッチを介して三相交流電源に接続されており、二次側が第1~第3の変圧器に接続されている。
第1の制御スイッチ7は、第1の単位変圧器1の中間タップに接続されており、第2の単位変圧器2の他端と第3の単位変圧器3の他端との切替を行う。
第21の制御スイッチ8aは、第2の単位変圧器2の他端に接続されており、第1の単位変圧器1の中間タップと三相交流電源のW相との切替を行う。
第22の制御スイッチ8bは、第3の単位変圧器3の他端に接続されており、第1の単位変圧器1の中間タップと三相交流電源のU相との切替を行う。
第3の制御スイッチ9は、M座の一端に接続されており、第1の単位変圧器1の一端と第3の単位変圧器3の一端との切替を行う。
第4の制御スイッチ10は、M座の他端に接続されており、第1の単位変圧器1の他端と第3の単位変圧器3の他端との切替を行う。
第5の制御スイッチ11は、T座の一端に接続されており、第2の単相変圧器2の一端と第3の単位変圧器3の一端との切替を行う。
第6の制御スイッチ12は、T座の他端に接続されており、第2の単位変圧器2の他端と第3の単位変圧器3の他端との切替を行う。
【0028】
図15を用いて、通常運用状態のシステムについて説明する。通常運転状態では、第1の単位変圧器1と第2の単相変圧器2とにより電力供給を行う。
このときは、第1の制御スイッチ7は第1の単位変圧器1の中間タップと第2の単相変圧器2の他端とを接続するように切替わり、第21の制御スイッチ8aは第2の単位変圧器5の他端と第1の単位変圧器1の中間タップとを接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第1の単位変圧器1の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第1の単位変圧器1の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第2の単相変圧器2の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第2の単相変圧器2の他端とT座の他端とを接続するように切替わる。
【0029】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第1の単位変圧器1の一次巻線の両端は、第4の開閉器6を介して、三相交流電源のU相とW相に接続され、また、第2の単位変圧器2の一次巻線の一端は、第2の開閉器5を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第1の単位変圧器1の中間タップに接続されることで、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器2によりスコット結線が構成される。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。また、第2の単位変圧器2の二次側は複数の切替タップを有しているため、タップ位置を切り替えることにより、出力電圧を調整することができる。
【0030】
図16は、第3の単位変圧器3をT座変圧器として使用するときの構成例である。この運用状態では、第1の単相変圧器1と、第3の単相変圧器3とにより電力供給を行う。
このときは、第1の制御スイッチ7は第1の単相変圧器1の中間タップと第3の単相変圧器3の他端とを接続するように切替わり、第22の制御スイッチ8bは第3の単相変圧器3の他端と第1の単相変圧器1の中間タップとを接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第1の単位変圧器1の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第1の単位変圧器1の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第3の単相変圧器3の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第3の単相変圧器3の他端とT座の他端とを接続するように切替わる。
【0031】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第1の単位変圧器1の一次巻線の両端は、第1の開閉器4を介して、三相交流電源のU相とW相に接続され、第3の単位変圧器3の一次巻線の一端は、第3の開閉器6を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第1の単位変圧器1の中間タップに接続されることで、第1の単位変圧器1と第3の単位変圧器3によりスコット結線が構成される。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。また、第3の単位変圧器3の二次側は複数の切替タップを有しているため、タップ位置を切り替えることにより、出力電圧を調整することができる。
【0032】
図17は、第2の単位変圧器2と第3の単位変圧器3とを用いてV結線として使用するときの構成例である。この運用状態では、第2の単相変圧器2と、第3の単相変圧器3とにより電力供給を行う。
このときは、第21の制御スイッチ8aは第2の単相変圧器2の他端と三相交流電源のW相とを接続するように切替わり、第22の制御スイッチ2bは第3の単位変圧器3の他端と三相交流電源のU相とを接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第3の単位変圧器3の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第3の単位変圧器1の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第2の単相変圧器2の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第2の単相変圧器2の他端とT座の他端とを接続するように切替わる。
【0033】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第2の単位変圧器2の一次巻線の両端は、第2の開閉器5を介して、三相交流電源のV相とW相に接続され、第3の単位変圧器3の一次巻線の両端は、第3の開閉器6を介して、三相交流電源のV相とU相に接続されることで、第2の単位変圧器2と第3の単位変圧器3によりV結線が構成される。このとき、第2の単位変圧器1と第3の単位変圧器3のタップ位置は、電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となるタップ位置に切替える。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。また、第2の単位変圧器2および第3の単位変圧器3の二次側は複数の切替タップを有しているため、タップ位置を切り替えることにより、出力電圧を調整することができる。
【0034】
以上のように、いずれかの単位変圧器の状態に応じて制御スイッチを切り替えることにより、三相交流電力を単相交流電力に変換する変圧器において、単相変圧器のうち1台が故障しても電力供給を継続することができる。また、制御スイッチを用いることで制御部からの制御信号により構成を切り替えることができ、手動操作をすることが不要となり、システム化を実現することが可能となる。
また、第2の単位変圧器2および第3の単位変圧器3の二次側は、複数のタップ位置を切り替え可能に構成されている。これにより、結線を切り替えた際に電圧に変動が生じる場合には、タップ位置を切り替えることにより出力電圧の調整を行うことが可能となる。
【0035】
図18は、第4の実施形態における変圧器システムの構成図である。
図18の変圧器システムは、第2の実施形態における変圧器システムに対して、第2の単位変圧器2と第3の単位変圧器3の一次側にて複数のタップ位置を切り替えることにより、単位変圧器の結線構成を切り替えた際の電圧の変化分を調整するようにしたものである。
変圧器システムは、第1の単位変圧器1と、第2の単位変圧器2と、第3の単位変圧器3と、第1の開閉器4と、第2の開閉器5と、第3の開閉器6と、第1の制御スイッチ7と、第21の制御スイッチ8aと、第22の制御スイッチ8bと、第3の制御スイッチ9と、第4の制御スイッチ10と、第5の制御スイッチ11と、第6の制御スイッチ12とを有する。
第1~第3の単位変圧器は、一次側が第1~第3の開閉器に接続されており、二次側が第3~第6の制御スイッチを介してM座およびT座に接続されている。第2の単位変圧器2および第3の単位変圧器3の一次側は複数の切替タップを有している。
第1~第3の開閉器は、一次側が第1~第2の制御スイッチを介して三相交流電源に接続されており、二次側が第1~第3の変圧器に接続されている。
第1の制御スイッチ7は、第1の単位変圧器1の中間タップに接続されており、第2の単位変圧器2の他端と第3の単位変圧器3の他端との切替を行う。
第21の制御スイッチ8aは、第2の単位変圧器2の他端に接続されており、第1の単位変圧器1の中間タップと三相交流電源のW相との切替を行う。
第22の制御スイッチ8bは、第3の単位変圧器3の他端に接続されており、第1の単位変圧器1の中間タップと三相交流電源のU相との切替を行う。
第3の制御スイッチ9は、M座の一端に接続されており、第1の単位変圧器1の一端と第3の単位変圧器3の一端との切替を行う。
第4の制御スイッチ10は、M座の他端に接続されており、第1の単位変圧器1の他端と第3の単位変圧器3の他端との切替を行う。
第5の制御スイッチ11は、T座の一端に接続されており、第2の単相変圧器2の一端と第3の単位変圧器3の一端との切替を行う。
第6の制御スイッチ12は、T座の他端に接続されており、第2の単位変圧器2の他端と第3の単位変圧器3の他端との切替を行う。
【0036】
図19を用いて、通常運用状態のシステムについて説明する。通常運転状態では、第1の単位変圧器1と第2の単相変圧器2とにより電力供給を行う。
このときは、第1の制御スイッチ7は第1の単位変圧器1の中間タップと第2の単位変圧器2の他端とを接続するように切替わり、第21の制御スイッチ8aは第2の単位変圧器5の他端と第1の単位変圧器1の中間タップとを接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第1の単位変圧器1の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第1の単位変圧器1の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第2の単相変圧器2の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第2の単相変圧器2の他端とT座の他端とを接続するように切替わり、第2の単位変圧器の一次側の切替タップは電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となる位置に切り替わる。
【0037】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第1の単位変圧器1の一次巻線の両端は、第4の開閉器6を介して、三相交流電源のU相とW相に接続され、また、第2の単位変圧器2の一次巻線の一端は、第2の開閉器5を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第1の単位変圧器1の中間タップに接続されることで、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器2によりスコット結線が構成される。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。また、第2の単位変圧器2の一次側は複数の切替タップを有しているため、タップ位置を切り替えることにより、出力電圧を調整することができる。
【0038】
図20は、第3の単位変圧器3をT座変圧器として使用するときの構成例である。この運用状態では、第1の単相変圧器1と、第3の単相変圧器3とにより電力供給を行う。
このときは、第1の制御スイッチ7は第1の単位変圧器1の中間タップと第3の単位変圧器3の他端とを接続するように切替わり、第22の制御スイッチ8bは第3の単位変圧器3の他端と第1の単位変圧器1の中間タップとを接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第1の単位変圧器1の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第1の単位変圧器1の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第3の単相変圧器3の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第3の単相変圧器3の他端とT座の他端とを接続するように切替わり、第3の単位変圧器の一次側の切替タップは電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となる位置に切り替わる。
【0039】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第1の単位変圧器1の一次巻線の両端は、第1の開閉器4を介して、三相交流電源のU相とW相に接続され、第3の単位変圧器3の一次巻線の一端は、第3の開閉器6を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第1の単位変圧器1の中間タップに接続されることで、第1の単位変圧器1と第3の単位変圧器3によりスコット結線が構成される。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。また、第3の単位変圧器3の一次側は複数の切替タップを有しているため、タップ位置を切り替えることにより、出力電圧を調整することができる。
【0040】
図21は、第2の単位変圧器2と第3の単位変圧器3とを用いてV結線として使用するときの構成例である。この運用状態では、第2の単相変圧器2と、第3の単相変圧器3とにより電力供給を行う。
このときは、第21の制御スイッチ8aは第2の単相変圧器2の他端と三相交流電源のW相とを接続するように切替わり、第22の制御スイッチ2bは第3の単位変圧器3の他端と三相交流電源のU相とを接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第3の単位変圧器3の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第3の単位変圧器1の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第2の単相変圧器2の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第2の単相変圧器2の他端とT座の他端とを接続するように切替わる。
【0041】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第2の単位変圧器2の一次巻線の両端は、第2の開閉器5を介して、三相交流電源のV相とW相に接続され、第3の単位変圧器3の一次巻線の両端は、第3の開閉器6を介して、三相交流電源のV相とU相に接続されることで、第2の単位変圧器2と第3の単位変圧器3によりV結線が構成される。このとき、第2の単位変圧器1と第3の単位変圧器3のタップ位置は、電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となるタップ位置に切替える。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。また、第2の単位変圧器2および第3の単位変圧器3の一次側は複数の切替タップを有しているため、タップ位置を切り替えることにより、出力電圧を調整することができる。
【0042】
以上のように、いずれかの単位変圧器の状態に応じて制御スイッチを切り替えることにより、三相交流電力を単相交流電力に変換する変圧器において、単相変圧器のうち1台が故障しても電力供給を継続することができる。また、制御スイッチを用いることで制御部からの制御信号により構成を切り替えることができ、手動操作をすることが不要となり、システム化を実現することが可能となる。
また、第2の単位変圧器2および第3の単位変圧器3の一次側は、複数のタップ位置を切り替え可能に構成されている。これにより、結線を切り替えた際に電圧に変動が生じる場合には、タップ位置を切り替えることにより出力電圧の調整を行うことが可能となる。
【0043】
図22は、第5の実施形態における変圧器システムの構成図である。
図22の変圧器システムは、第4の実施形態における変圧器システムに対して、変圧器の一次側の接続構成を変更するとともに、第3の単位変圧器3の一次側にて複数のタップ位置を切り替えることにより、単位変圧器の結線構成を切り替えた際の電圧の変化分を調整するようにしたものである。
変圧器システムは、第1の単位変圧器1と、第2の単位変圧器2と、第3の単位変圧器3と、第1の開閉器4と、第2の開閉器5と、第3の開閉器6と、第1の制御スイッチ7と、第21の制御スイッチ8aと、第22の制御スイッチ8bと、第3の制御スイッチ9と、第4の制御スイッチ10と、第5の制御スイッチ11と、第6の制御スイッチ12とを有する。
第1~第3の単位変圧器は、一次側が第1~第3の開閉器に接続されており、二次側が第3~第6の制御スイッチを介してM座およびT座に接続されている。第2の単位変圧器はT座用単位変圧器として用い、電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となる位置で三相交流電源のV相に接続する。第3の単位変圧器3の一次側は複数の切替タップを有している。
第1~第3の開閉器は、一次側が第1~第2の制御スイッチを介して三相交流電源に接続されており、二次側が第1~第3の変圧器に接続されている。
第1の制御スイッチ7は、第2の単位変圧器2の他端に接続されており、第1の単位変圧器1の中間タップと第3の単位変圧器3の中間タップとの切替を行う。
第21の制御スイッチ8aは、第3の単位変圧器3の一端に接続されており、三相交流電源のU相とV相との切替を行う。
第22の制御スイッチ8bは、第3の単位変圧器3の他端に接続されており、三相交流電源のW相と第1の単位変圧器1の中間タップとの切替を行う。
第3の制御スイッチ9は、M座の一端に接続されており、第1の単位変圧器1の一端と第3の単位変圧器3の一端との切替を行う。
第4の制御スイッチ10は、M座の他端に接続されており、第1の単位変圧器1の他端と第3の単位変圧器3の他端との切替を行う。
第5の制御スイッチ11は、T座の一端に接続されており、第2の単相変圧器2の一端と第3の単位変圧器3の一端との切替を行う。
第6の制御スイッチ12は、T座の他端に接続されており、第2の単位変圧器2の他端と第3の単位変圧器3の他端との切替を行う。
【0044】
図23を用いて、通常運用状態のシステムについて説明する。通常運転状態では、第1の単位変圧器1と第2の単相変圧器2とにより電力供給を行う。
このときは、第1の制御スイッチ7は第1の単位変圧器1の中間タップと第2の単位変圧器2の他端とを接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第1の単位変圧器1の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第1の単位変圧器1の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第2の単相変圧器2の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第2の単相変圧器2の他端とT座の他端とを接続するように切替わる。
【0045】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第1の単位変圧器1の一次巻線の両端は、第4の開閉器6を介して、三相交流電源のU相とW相に接続され、また、第2の単位変圧器2の一次巻線の一端は、第2の開閉器5を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第1の単位変圧器1の中間タップに接続されることで、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器2によりスコット結線が構成される。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。
【0046】
図24は、第3の単位変圧器3をM座変圧器として使用するときの構成例である。この運用状態では、第2の単相変圧器2と、第3の単相変圧器3とにより電力供給を行う。
このときは、第1の制御スイッチ7は第2の単位変圧器2の他端と第3の単位変圧器3の中間タップとを接続するように切替わり、第21の制御スイッチ8aは第3の単位変圧器3の一端と三相交流電源のU相とを接続するように切替わり、第22の制御スイッチ8bは第3の単位変圧器3の他端と三相交流電源のW相と接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第3の単位変圧器3の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第3の単位変圧器3の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第2の単相変圧器2の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第2の単相変圧器2の他端とT座の他端とを接続するように切替わる。
【0047】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第3の単位変圧器3の一次巻線の両端は、第3の開閉器6を介して、三相交流電源のU相とW相に接続され、第2の単位変圧器2の一次巻線の一端は、第3の開閉器6を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第3の単位変圧器3の中間タップに接続されることで、第3の単位変圧器3と第2の単位変圧器2によりスコット結線が構成される。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。また、第3の単位変圧器3の一次側は複数の切替タップを有しているため、タップ位置を切り替えることにより、出力電圧を調整することができる。
【0048】
図25は、第の単位変圧器3をT座変圧器として使用するときの構成例である。この運用状態では、第1の単相変圧器1と、第3の単相変圧器3とにより電力供給を行う。
このときは、第21の制御スイッチ8aは第3の単位変圧器3の一端と三相交流電源のV相とを接続するように切替わり、第22の制御スイッチ8bは第3の単位変圧器3の他端と第1の単位変圧器1の中間タップと接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第1の単位変圧器1の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第1の単位変圧器1の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第3の単相変圧器3の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第3の単相変圧器3の他端とT座の他端とを接続するように切替わり、第3の単位変圧器の一次側の切替タップは電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となる位置に切り替わる。
【0049】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第1の単位変圧器1の一次巻線の両端は、第1の開閉器4を介して、三相交流電源のU相とW相に接続され、第3の単位変圧器3の一次巻線の一端は、第3の開閉器6を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第1の単位変圧器1の中間タップに接続されることで、第1の単位変圧器1と第3の単位変圧器3によりスコット結線が構成される。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。また、第3の単位変圧器3の一次側は複数の切替タップを有しているため、タップ位置を切り替えることにより、出力電圧を調整することができる。
【0050】
以上のように、いずれかの単位変圧器の状態に応じて制御スイッチを切り替えることにより、三相交流電力を単相交流電力に変換する変圧器において、単相変圧器のうち1台が故障しても電力供給を継続することができる。また、制御スイッチを用いることで制御部からの制御信号により構成を切り替えることができ、手動操作をすることが不要となり、システム化を実現することが可能となる。
また、第3の単位変圧器3の一次側は、複数のタップ位置を切り替え可能に構成されている。これにより、結線を切り替えた際に電圧に変動が生じる場合には、タップ位置を切り替えることにより出力電圧の調整を行うことが可能となる。
【0051】
図26は、第6の実施形態における変圧器システムの構成図である。
図26の変圧器システムは、第4の実施形態における変圧器システムに対して、変圧器の一次側の接続構成を変更するとともに、第3の単位変圧器3の二次側にて複数のタップ位置を切り替えることにより、単位変圧器の結線構成を切り替えた際の電圧の変化分を調整するようにしたものである。
変圧器システムは、第1の単位変圧器1と、第2の単位変圧器2と、第3の単位変圧器3と、第1の開閉器4と、第2の開閉器5と、第3の開閉器6と、第1の制御スイッチ7と、第21の制御スイッチ8aと、第22の制御スイッチ8bと、第3の制御スイッチ9と、第4の制御スイッチ10と、第5の制御スイッチ11と、第6の制御スイッチ12とを有する。
第1~第3の単位変圧器は、一次側が第1~第3の開閉器に接続されており、二次側が第3~第6の制御スイッチを介してM座およびT座に接続されている。第2の単位変圧器はT座用単位変圧器として用い、電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となる位置で三相交流電源のV相に接続する。第3の単位変圧器3の二次側は複数の切替タップを有している。
第1~第3の開閉器は、一次側が第1~第2の制御スイッチを介して三相交流電源に接続されており、二次側が第1~第3の変圧器に接続されている。
第1の制御スイッチ7は、第2の単位変圧器2の他端に接続されており、第1の単位変圧器1の中間タップと第3の単位変圧器3の中間タップとの切替を行う。
第21の制御スイッチ8aは、第3の単位変圧器3の一端に接続されており、三相交流電源のU相とV相との切替を行う。
第22の制御スイッチ8bは、第3の単位変圧器3の他端に接続されており、三相交流電源のW相と第1の単位変圧器1の中間タップとの切替を行う。
第3の制御スイッチ9は、M座の一端に接続されており、第1の単位変圧器1の一端と第3の単位変圧器3の一端との切替を行う。
第4の制御スイッチ10は、M座の他端に接続されており、第1の単位変圧器1の他端と第3の単位変圧器3の他端との切替を行う。
第5の制御スイッチ11は、T座の一端に接続されており、第2の単相変圧器2の一端と第3の単位変圧器3の一端との切替を行う。
第6の制御スイッチ12は、T座の他端に接続されており、第2の単位変圧器2の他端と第3の単位変圧器3の他端との切替を行う。
【0052】
図27を用いて、通常運用状態のシステムについて説明する。通常運転状態では、第1の単位変圧器1と第2の単相変圧器2とにより電力供給を行う。
このときは、第1の制御スイッチ7は第1の単位変圧器1の中間タップと第2の単位変圧器2の他端とを接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第1の単位変圧器1の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第1の単位変圧器1の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第2の単相変圧器2の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第2の単相変圧器2の他端とT座の他端とを接続するように切替わる。
【0053】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第1の単位変圧器1の一次巻線の両端は、第4の開閉器6を介して、三相交流電源のU相とW相に接続され、また、第2の単位変圧器2の一次巻線の一端は、第2の開閉器5を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第1の単位変圧器1の中間タップに接続されることで、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器2によりスコット結線が構成される。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。
【0054】
図28は、第3の単位変圧器3をM座変圧器として使用するときの構成例である。この運用状態では、第2の単相変圧器2と、第3の単相変圧器3とにより電力供給を行う。
このときは、第1の制御スイッチ7は第2の単位変圧器2の他端と第3の単位変圧器3の中間タップとを接続するように切替わり、第21の制御スイッチ8aは第3の単位変圧器3の一端と三相交流電源のU相とを接続するように切替わり、第22の制御スイッチ8bは第3の単位変圧器3の他端と三相交流電源のW相と接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第3の単位変圧器3の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第3の単位変圧器3の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第2の単相変圧器2の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第2の単相変圧器2の他端とT座の他端とを接続するように切替わる。
【0055】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第3の単位変圧器3の一次巻線の両端は、第3の開閉器6を介して、三相交流電源のU相とW相に接続され、第2の単位変圧器2の一次巻線の一端は、第3の開閉器6を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第3の単位変圧器3の中間タップに接続されることで、第3の単位変圧器3と第2の単位変圧器2によりスコット結線が構成される。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。また、第3の単位変圧器3の二次側は複数の切替タップを有しているため、タップ位置を切り替えることにより、出力電圧を調整することができる。
【0056】
図29は、第の単位変圧器3をT座変圧器として使用するときの構成例である。この運用状態では、第1の単相変圧器1と、第3の単相変圧器3とにより電力供給を行う。
このときは、第21の制御スイッチ8aは第3の単位変圧器3の一端と三相交流電源のV相とを接続するように切替わり、第22の制御スイッチ8bは第3の単位変圧器3の他端と第1の単位変圧器1の中間タップと接続するように切替わり、第3の制御スイッチ9は第1の単位変圧器1の一端とM座の一端とを接続するように切替わり、第4の制御スイッチ10は第1の単位変圧器1の他端とM座の他端とを接続するように切替わり、第5の制御スイッチ11は第3の単相変圧器3の一端とT座の一端とを接続するように切替わり、第6の制御スイッチ12は第3の単相変圧器3の他端とT座の他端とを接続するように切替わり、第3の単位変圧器の二次側の切替タップは電圧がpu値で0.866(√3/2)[p.u.]となる位置に切り替わる。
【0057】
このように各制御スイッチを切り替えることにより、第1の単位変圧器1の一次巻線の両端は、第1の開閉器4を介して、三相交流電源のU相とW相に接続され、第3の単位変圧器3の一次巻線の一端は、第3の開閉器6を介して三相交流電源のV相に接続され、他端は第1の単位変圧器1の中間タップに接続されることで、第1の単位変圧器1と第3の単位変圧器3によりスコット結線が構成される。また、一次側回路の三相交流電源の各相に接続され、二次側回路のM座およびT座に接続されることで、二次側回路へ電力供給が行われる。また、第3の単位変圧器3の二次側は複数の切替タップを有しているため、タップ位置を切り替えることにより、出力電圧を調整することができる。
【0058】
以上のように、いずれかの単位変圧器の状態に応じて制御スイッチを切り替えることにより、三相交流電力を単相交流電力に変換する変圧器において、単相変圧器のうち1台が故障しても電力供給を継続することができる。また、制御スイッチを用いることで制御部からの制御信号により構成を切り替えることができ、手動操作をすることが不要となり、システム化を実現することが可能となる。
また、第3の単位変圧器3の一次側は、複数のタップ位置を切り替え可能に構成されている。これにより、結線を切り替えた際に電圧に変動が生じる場合には、タップ位置を切り替えることにより出力電圧の調整を行うことが可能となる。
【0059】
図30は、第7の実施形態における変圧器システムの構成図である。
図30の変圧器システムは、第2の実施形態における変圧器システムに対して、比率差動継電器13および第1~第7の変流器を有し、差動継電器13からの信号に基づき、制御スイッチを制御することで単位変圧器故障時の切替をシステム化したものである。ここでは、第2の実施形態と同一の構成については説明を省略する。
第1の変流器14は、変圧器システムの一次側のU相に流れる電流を検出する。
第2の変流器15は、変圧器システムの一次側のV相に流れる電流を検出する。
第3の変流器16は、変圧器システムの一次側のW相に流れる電流を検出する。
第4の変流器17は、変圧器システムの二次側のM座の一端に流れる電流を検出する。
第5の変流器18は、変圧器システムの二次側のM座の他端に流れる電流を検出する。
第6の変流器19は、変圧器システムの二次側のT座の一端に流れる電流を検出する。
第7の変流器20は、変圧器システムの二次側のT座の他端に流れる電流を検出する。
比率差動継電器13は、第1~第7の変流器で検出された一次側電流と二次側電流との電流差を求め、これにより対応する単位変圧器の故障を検知する。
例えば、第2の実施形態の
図10に示すように、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器2を用いて電力供給を行っているときには、第1の変流器14と第2の変流器15および第4の変流器17と第5の変流器で検出された電流によりM座差電流を求め、第2の変流器15と第3の変流器16および第6の変流器19と第7の変流器20で検出された電流によりT座差電流を求める。これにより、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器に異常が発生すると、差電流が生じるため、いずれの単位変圧器で異常が発生したかを検知することができる。
M座差電流が生じたときは、第1の単位変圧器1に異常が発生したと判断して、各制御スイッチを制御することで、第2の実施形態の
図12に示す回路構成に切替えることで電力供給を継続することができる。
T座差電流が生じたときは、第2の単位変圧器2に異常が発生したと判断して、各制御スイッチを制御することで、第2の実施形態の
図13に示す回路構成に切替えることで電力供給を継続することができる。
また、他の回路構成であっても同様にその一次側と二次側の電流の差電流を求めることで、単位変圧器の異常を検知することができ、別の回路構成に変更することができる。
【0060】
以上のように、比率差動継電器を用いることで単位変圧器の故障を検知して、制御スイッチを切り替えることで変圧器システムの構成を切り替えることができ、手動操作をすることが不要となり、システム化を実現することが可能となる。
【0061】
図31は、第8の実施形態における変圧器システムの構成図である。
図31の変圧器システムは、第3の実施形態における変圧器システムに対して、比率差動継電器13および第1~第7の変流器を有し、差動継電器13からの信号に基づき、制御スイッチを制御することで単位変圧器故障時の切替をシステム化したものである。ここでは、第3の実施形態と同一の構成については説明を省略する。
第1の変流器14は、変圧器システムの一次側のU相に流れる電流を検出する。
第2の変流器15は、変圧器システムの一次側のV相に流れる電流を検出する。
第3の変流器16は、変圧器システムの一次側のW相に流れる電流を検出する。
第4の変流器17は、変圧器システムの二次側のM座の一端に流れる電流を検出する。
第5の変流器18は、変圧器システムの二次側のM座の他端に流れる電流を検出する。
第6の変流器19は、変圧器システムの二次側のT座の一端に流れる電流を検出する。
第7の変流器20は、変圧器システムの二次側のT座の他端に流れる電流を検出する。
比率差動継電器13は、第1~第7の変流器で検出された一次側電流と二次側電流との電流差を求め、これにより対応する単位変圧器の故障を検知する。
例えば、第3の実施形態の
図15に示すように、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器2を用いて電力供給を行っているときには、第1の変流器14と第2の変流器15および第4の変流器17と第5の変流器で検出された電流によりM座差電流を求め、第2の変流器15と第3の変流器16および第6の変流器19と第7の変流器20で検出された電流によりT座差電流を求める。これにより、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器に異常が発生すると、差電流が生じるため、いずれの単位変圧器で異常が発生したかを検知することができる。
T座差電流が生じたときは、第2の単位変圧器2に異常が発生したと判断して、各制御スイッチを制御することで、第3の実施形態の
図16に示す回路構成に切替えることで電力供給を継続することができる。
M座差電流が生じたときは、第1の単位変圧器1に異常が発生したと判断して、各制御スイッチを制御することで、第3の実施形態の
図17に示す回路構成に切替えることで電力供給を継続することができる。
また、他の回路構成であっても同様にその一次側と二次側の電流の差電流を求めることで、単位変圧器の異常を検知することができ、別の回路構成に変更することができる。
【0062】
以上のように、比率差動継電器を用いることで単位変圧器の故障を検知して、制御スイッチを切り替えることで変圧器システムの構成を切り替えることができ、手動操作をすることが不要となり、システム化を実現することが可能となる。
【0063】
図32は、第9の実施形態における変圧器システムの構成図である。
図32の変圧器システムは、第4の実施形態における変圧器システムに対して、比率差動継電器13および第1~第7の変流器を有し、差動継電器13からの信号に基づき、制御スイッチを制御することで単位変圧器故障時の切替をシステム化したものである。ここでは、第4の実施形態と同一の構成については説明を省略する。
第1の変流器14は、変圧器システムの一次側のU相に流れる電流を検出する。
第2の変流器15は、変圧器システムの一次側のV相に流れる電流を検出する。
第3の変流器16は、変圧器システムの一次側のW相に流れる電流を検出する。
第4の変流器17は、変圧器システムの二次側のM座の一端に流れる電流を検出する。
第5の変流器18は、変圧器システムの二次側のM座の他端に流れる電流を検出する。
第6の変流器19は、変圧器システムの二次側のT座の一端に流れる電流を検出する。
第7の変流器20は、変圧器システムの二次側のT座の他端に流れる電流を検出する。
比率差動継電器13は、第1~第7の変流器で検出された一次側電流と二次側電流との電流差を求め、これにより対応する単位変圧器の故障を検知する。
例えば、第4の実施形態の
図20に示すように、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器2を用いて電力供給を行っているときには、第1の変流器14と第2の変流器15および第4の変流器17と第5の変流器で検出された電流によりM座差電流を求め、第2の変流器15と第3の変流器16および第6の変流器19と第7の変流器20で検出された電流によりT座差電流を求める。これにより、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器に異常が発生すると、差電流が生じるため、いずれの単位変圧器で異常が発生したかを検知することができる。
T座差電流が生じたときは、第2の単位変圧器2に異常が発生したと判断して、各制御スイッチを制御することで、第4の実施形態の
図21に示す回路構成に切替えることで電力供給を継続することができる。
M座差電流が生じたときは、第1の単位変圧器1に異常が発生したと判断して、各制御スイッチを制御することで、第4の実施形態の
図22に示す回路構成に切替えることで電力供給を継続することができる。
また、他の回路構成であっても同様にその一次側と二次側の電流の差電流を求めることで、単位変圧器の異常を検知することができ、別の回路構成に変更することができる。
【0064】
以上のように、比率差動継電器を用いることで単位変圧器の故障を検知して、制御スイッチを切り替えることで変圧器システムの構成を切り替えることができ、手動操作をすることが不要となり、システム化を実現することが可能となる。
【0065】
図33は、第10の実施形態における変圧器システムの構成図である。
図33の変圧器システムは、第5の実施形態における変圧器システムに対して、比率差動継電器13および第1~第7の変流器を有し、差動継電器13からの信号に基づき、制御スイッチを制御することで単位変圧器故障時の切替をシステム化したものである。ここでは、第5の実施形態と同一の構成については説明を省略する。
第1の変流器14は、変圧器システムの一次側のU相に流れる電流を検出する。
第2の変流器15は、変圧器システムの一次側のV相に流れる電流を検出する。
第3の変流器16は、変圧器システムの一次側のW相に流れる電流を検出する。
第4の変流器17は、変圧器システムの二次側のM座の一端に流れる電流を検出する。
第5の変流器18は、変圧器システムの二次側のM座の他端に流れる電流を検出する。
第6の変流器19は、変圧器システムの二次側のT座の一端に流れる電流を検出する。
第7の変流器20は、変圧器システムの二次側のT座の他端に流れる電流を検出する。
比率差動継電器13は、第1~第7の変流器で検出された一次側電流と二次側電流との電流差を求め、これにより対応する単位変圧器の故障を検知する。
例えば、第5の実施形態の
図24に示すように、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器2を用いて電力供給を行っているときには、第1の変流器14と第2の変流器15および第4の変流器17と第5の変流器で検出された電流によりM座差電流を求め、第2の変流器15と第3の変流器16および第6の変流器19と第7の変流器20で検出された電流によりT座差電流を求める。これにより、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器に異常が発生すると、差電流が生じるため、いずれの単位変圧器で異常が発生したかを検知することができる。
M座差電流が生じたときは、第1の単位変圧器1に異常が発生したと判断して、各制御スイッチを制御することで、第5の実施形態の
図25に示す回路構成に切替えることで電力供給を継続することができる。
T座差電流が生じたときは、第2の単位変圧器2に異常が発生したと判断して、各制御スイッチを制御することで、第5の実施形態の
図26に示す回路構成に切替えることで電力供給を継続することができる。
また、他の回路構成であっても同様にその一次側と二次側の電流の差電流を求めることで、単位変圧器の異常を検知することができ、別の回路構成に変更することができる。
【0066】
以上のように、比率差動継電器を用いることで単位変圧器の故障を検知して、制御スイッチを切り替えることで変圧器システムの構成を切り替えることができ、手動操作をすることが不要となり、システム化を実現することが可能となる。
【0067】
図34は、第11の実施形態における変圧器システムの構成図である。
図34の変圧器システムは、第6の実施形態における変圧器システムに対して、比率差動継電器13および第1~第7の変流器を有し、差動継電器13からの信号に基づき、制御スイッチを制御することで単位変圧器故障時の切替をシステム化したものである。ここでは、第6の実施形態と同一の構成については説明を省略する。
第1の変流器14は、変圧器システムの一次側のU相に流れる電流を検出する。
第2の変流器15は、変圧器システムの一次側のV相に流れる電流を検出する。
第3の変流器16は、変圧器システムの一次側のW相に流れる電流を検出する。
第4の変流器17は、変圧器システムの二次側のM座の一端に流れる電流を検出する。
第5の変流器18は、変圧器システムの二次側のM座の他端に流れる電流を検出する。
第6の変流器19は、変圧器システムの二次側のT座の一端に流れる電流を検出する。
第7の変流器20は、変圧器システムの二次側のT座の他端に流れる電流を検出する。
比率差動継電器13は、第1~第7の変流器で検出された一次側電流と二次側電流との電流差を求め、これにより対応する単位変圧器の故障を検知する。
例えば、第6の実施形態の
図27に示すように、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器2を用いて電力供給を行っているときには、第1の変流器14と第2の変流器15および第4の変流器17と第5の変流器で検出された電流によりM座差電流を求め、第2の変流器15と第3の変流器16および第6の変流器19と第7の変流器20で検出された電流によりT座差電流を求める。これにより、第1の単位変圧器1と第2の単位変圧器に異常が発生すると、差電流が生じるため、いずれの単位変圧器で異常が発生したかを検知することができる。
M座差電流が生じたときは、第1の単位変圧器1に異常が発生したと判断して、各制御スイッチを制御することで、第6の実施形態の
図28に示す回路構成に切替えることで電力供給を継続することができる。
T座差電流が生じたときは、第2の単位変圧器2に異常が発生したと判断して、各制御スイッチを制御することで、第6の実施形態の
図29に示す回路構成に切替えることで電力供給を継続することができる。
また、他の回路構成であっても同様にその一次側と二次側の電流の差電流を求めることで、単位変圧器の異常を検知することができ、別の回路構成に変更することができる。
【0068】
以上のように、比率差動継電器を用いることで単位変圧器の故障を検知して、制御スイッチを切り替えることで変圧器システムの構成を切り替えることができ、手動操作をすることが不要となり、システム化を実現することが可能となる。
【0069】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1、2、3…単位変圧器
7、8、8a、8b、9、10、11、12…制御スイッチ
13…比率差動継電器
14,15,16,17,18,19,20…変流器