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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092124
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】ダイヤ修正支援装置
(51)【国際特許分類】
   B61L 27/12 20220101AFI20240701BHJP
【FI】
B61L27/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207833
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111121
【弁理士】
【氏名又は名称】原 拓実
(74)【代理人】
【識別番号】100200218
【弁理士】
【氏名又は名称】沼尾 吉照
(72)【発明者】
【氏名】玉井 知樹
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161JJ32
5H161JJ36
(57)【要約】
【課題】 修正後のダイヤについて評価結果および修正箇所を容易に把握することができ、効率的に修正ダイヤの作成を支援することが可能なダイヤ修正支援装置を提供する。
【解決手段】 ダイヤ作成支援装置は、ダイヤ情報を格納する列車計画テーブルと、列車車両情報を格納する車両運用計画テーブルと、乗務員情報を格納する乗務員運用計画テーブルと、列車計画または車両運用または乗務員運用を評価する評価指標を格納する評価項目テーブルと、評価点数に応じて画面に表示するときの表示色を格納する表示色閾値テーブルとを格納する記憶装置と、列車計画テーブルと車両運用計画テーブルと業務員運用計画テーブルから運用スジ毎の列車運行情報に対して評価点数を算出して、評価点数に応じた表示色で運用スジを表示するダイヤ情報計算部を具備する。
【選択図】 図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤ情報を格納する列車計画テーブルと、列車計画テーブルに沿って運用するときに割り当てられる列車車両情報を格納する車両運用計画テーブルと、列車計画テーブルおよび車両運用計画テーブルに沿って運用するときに割り当てられる乗務員情報を格納する乗務員運用計画テーブルと、列車計画または車両運用または乗務員運用を評価する評価指標を格納する評価項目テーブルと、評価点数に応じて画面に表示するときの表示色を格納する表示色閾値テーブルとを格納する記憶装置と、
評価項目テーブルに格納された評価指標を選択可能な状態に表示する処理と、列車計画テーブルと車両運用計画テーブルと業務員運用計画テーブルから運用スジ毎の列車運行情報を作成する処理と、選択された評価指標に基づいて、運用スジ毎の列車運行情報に対して評価点数を算出する処理と、表示色閾値テーブルに格納された表示色に応じた色で運用スジを表示する運用計画表示画面を表示する処理とを実行するダイヤ情報計算部と、
を具備したダイヤ作成支援装置。
【請求項2】
ダイヤ情報計算部は、運用スジの変更を受付ける処理と、変更された運用スジを用いて列車運行情報を再作成する処理とを実行する請求項1記載のダイヤ作成支援装置。
【請求項3】
ダイヤ情報計算部は、変更された運用スジを強調表示する処理を実行する請求項1記載のダイヤ作成支援装置
【請求項4】
ダイヤ情報計算部は、複数の送信先に対して変更された列車運行情報を送信する処理と、全ての送信先から変更された列車運行情報の承認が得られたときダイヤ情報を管理する列車計画管理装置と列車車両情報を管理する車両運用計画管理装置と乗務員情報を管理する乗務員運用計画管理装置に変更された列車運行情報を送信する処理とを実行する請求項1記載のダイヤ作成支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、列車ダイヤの作成を支援するダイヤ修正支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道ダイヤの作成作業は、多くの構成要素が複雑に関連しあう条件を踏まえて作成を行う必要があり、相応の知識や経験によりダイヤ作成に掛かる時間やダイヤの品質が大きく変動するため、熟練した担当者により行われている。
【0003】
一方で列車ダイヤの作成を支援する装置の開発も行われており、ユーザから指定された各種の条件値を満たすダイヤ案を作成するものや、ダイヤの修正方針に基づいて修正ダイヤを作成して、実際の列車走行情報を用いて列車運行シミュレーションを実行して、修正前後のダイヤについて、修正方針の達成状態等に応じた評価点数を算出することで、ダイヤ作成を支援するものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-210530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、走行シミュレーションを実施して修正ダイヤを評価することは可能ではあるが、修正方針を提示する必要があり、その修正方針に関しても、ラッシュ時間帯や閑散時間帯など全ての条件に対して適用できるものとは限らない。また、修正前後のダイヤの評価点数の変化を確認することは可能となるが、具体的にいずれのスジに対して変更が行われた結果であるかを確認することは困難である。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、修正後のダイヤについて評価結果および修正箇所を容易に把握することができ、効率的に修正ダイヤの作成を支援することが可能なダイヤ修正支援装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のダイヤ作成支援装置は、ダイヤ情報を格納する列車計画テーブルと、列車車両情報を格納する車両運用計画テーブルと、乗務員情報を格納する乗務員運用計画テーブルと、列車計画または車両運用または乗務員運用を評価する評価指標を格納する評価項目テーブルと、評価点数に応じて画面に表示するときの表示色を格納する表示色閾値テーブルとを格納する記憶装置と、列車計画テーブルと車両運用計画テーブルと業務員運用計画テーブルから運用スジ毎の列車運行情報に対して評価点数を算出して、評価点数に応じた表示色で運用スジを表示するダイヤ情報計算部を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係るダイヤ作成支援装置の構成図ある。
図2図2は、ダイヤ作成支援装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3図3は、列車計画テーブルのデータ例を示す図である。
図4図4は、車両運用計画テーブルのデータ例を示す図である。
図5図5は、乗務員運用計画テーブルのデータ例を示す図である。
図6図6は、評価項目テーブルの一例である。
図7図7は、運用計画テーブルの一例である。
図8図8は、評価テーブルの一例である。
図9図9は、表示色閾値テーブルの一例である。
図10図10は、ダイヤ作成支援装置の全体フローチャートである。
図11図11は、評価項目選択画面の一例である。
図12図12は、運用計画表示画面の一例である。
図13図13は、図10の運用計画の画面表示の詳細フローチャートである。
図14図14は、図10の計画更新の選択および計画補正送信の詳細フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係るダイヤ作成支援装置の構成図である。
ダイヤ作成支援装置100は、ネットワーク120を介して、列車計画管理装置200と、車両運用計画管理装置300と、乗務員運用計画管理装置400と通信可能に結ばれている。
列車計画管理装置200は、実際の列車運行に現在使用されているダイヤ情報である現行列車計画210のデータを記憶装置201に保持した情報処理装置である。
車両運用計画管理装置300は、現行列車計画210に沿った列車運行に必要となる車両の運用計画である現行車両運用計画310のデータを記憶装置301に保持した情報処理装置である。
【0010】
乗務員運用計画管理装置400は、現行列車計画210および現行車両運用計画310に沿った列車運行に必要となる乗務員の運用計画である現行乗務員運用計画410のデータを記憶装置401に保持した情報処理装置である。
本実施形態では、これら現行列車計画210、現行車両運用計画310、および現行乗務員運用計画410の各データを、ネットワーク120を介した他装置にて管理する形態を示しているが、ダイヤ作成支援装置100がこれら各データを保持するとしてもよい。
【0011】
図2は、ダイヤ作成支援装置のハードウェア構成例を示す図である。
ダイヤ作成支援装置100は、ハードディスクドライブなど不揮発性記憶装置で構成される記憶装置101と、RAMなど揮発性記憶装置で構成されるメモリ103と、記憶装置101に保持されるプログラム102をメモリ103に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUなどの演算装置104と、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置105と、処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置106と、ネットワーク120と接続し他の情報処理装置との通信処理を担う通信装置107を備える。
【0012】
記憶装置101には、評価項目入力部110とダイヤ情報計算部111とを有するダイヤ作成支援装置のプログラム102と、列車計画テーブル121と、車両運用計画テーブル122と、乗務員運用計画テーブル123と、評価項目テーブル124と、運用計画テーブル125と、評価テーブル126と、表示色閾値テーブル127が記憶されている。
プログラム102の実行により実装される機能部としては、ユーザが指定する評価項目を取得する評価項目入力部110と、計画修正案生成の各処理を実行するダイヤ情報計算部111がある。
【0013】
評価項目入力部110は、ダイヤ情報の評価項目に関するユーザからの指示を入力装置105で受け付ける機能を有している。この評価項目に関するユーザからの指示は、運賃収入、車両保守費、および乗務員人件費といった項目について、どの項目で評価するかを指定した内容である。ユーザは、こうした項目のうち少なくとも1つ以上の項目に関して指定することになる。
ダイヤ情報計算部111は、ネットワーク120を介して、列車計画管理装置200と、車両運用計画管理装置300と、乗務員運用計画管理装置400とそれぞれ通信を行い、現行列車計画210と現行車両運用計画310と現行乗務員運用計画410がそれぞれ保持する現在の列車運行のデータを取得し、これら現行列車計画210、現行車両運用計画310、現行乗務員運用計画410に基づき各計画変更を実行する機能を有している。
【0014】
また、ダイヤ情報計算部111は、運用ごとに現行列車計画210、現行車両運用計画310、現行乗務員運用計画410のデータをマージして、そのデータを運用計画テーブル125に格納し、運用計画テーブル125に基づき列車運行に関する所定項目に関する評価点数を特定し、特定した評価点数を評価テーブル126に格納する機能を有している。具体的には、ダイヤ情報計算部111は、例えば、運用ごとに列車番号などをキーとして各現行列車計画210、現行車両運用計画310、現行乗務員運用計画410のデータをマージし、運用計画テーブル125に格納し、その中で運用スジごとに項目入力部110にて入力した項目で評価点数を算定し、評価テーブル126に格納する。
なお、運用スジとは出区から入区までの車両運用に対して乗務員運用に関する情報も含めた運用スジのこととする。
ダイヤ情報計算部111は、計画表示画面にてユーザの入力を入力装置105で受け付けて、当該修正内容で、上述の現行列車計画210、現行車両運用計画310、および現行乗務員運用計画410を修正して、計画修正案候補としての、列車計画、車両運用計画、乗務員運用計画をそれぞれ生成する機能を具備している。
【0015】
また、ダイヤ情報計算部111は、運用計画テーブル125を基に列車計画を画面上に表示し、評価テーブル126と表示色閾値テーブル127を基に、画面に運用スジごとに評価点数に応じた色でスジを表示する機能を有している。なお、列車計画を画面表示する際に、対象列車計画から変更を加えた計画修正案候補を作成している場合には、対象計画からの変更箇所を強調表示する。
ダイヤ情報計算部111は、上述のように生成した計画修正案候補で構成された運用ごとに各列車計画、車両運用計画、乗務員運用計画のデータをマージし、そのデータを運用計画テーブル125に格納し、運用計画テーブル125に基づき列車運行に関する所定項目に関する評価点数を特定し、再度画面表示し、ユーザによって表示している計画修正案候補を採用すると決定された場合に、計画修正案候補を計画修正案として列車計画管理装置200、車両運用計画管理装置300、および乗務員運用計画管理装置400に送信する機能を有している。
なお、上述のダイヤ情報計算部111はユーザによって計画修正案候補が承認されるまで、上述した計画修正案候補の生成、当該計画修正案候補に基づく運用ごとの各列車計画、車両運用計画、乗務員運用計画のデータのマージ、運用計画テーブル125に基づく評価点数の特定、および計画の画面表示、の各処理を繰り返し実行する機能も有している。
【0016】
次に、本実施形態のダイヤ作成支援装置100が利用する各種データの構造例について説明する。図3は本実施形態の列車計画テーブルのデータ例を示す図である。
現行列車計画210は、ダイヤ作成支援装置100のダイヤ情報計算部111が、列車計画管理装置200から取得してメモリ103ないし記憶装置101に格納したデータであり、列車運行を行っている鉄道会社等が現在使用している現行の列車計画すなわちダイヤ情報である。この現行列車計画210は、図3に示すように、列車番号をキーとして、上り下り、始発駅、始発時刻、および終着時刻といった各値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0017】
図4は本実施形態の車両運用計画テーブルのデータ例を示す図である。現行車両運用計画310は、ダイヤ作成支援装置100のダイヤ情報計算部111が、車両運用計画管理装置300から取得してメモリ103ないし記憶装置101に格納したデータであり、列車運行を行っている鉄道会社等が、上述の現行列車計画210に沿って現在運用している現行の列車車両に関する情報である。この現行車両運用計画310は、図4に示すように、車両運用IDを主キーとして、車両運用に含まれる列車番号、車両の両数、仕業検査の有無、計画清掃の有無といった各値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0018】
図5は本実施形態の乗務員運用計画テーブルのデータ例を示す図である。現行乗務員運用計画410は、ダイヤ作成支援装置100のダイヤ情報計算部111が、乗務員運用計画管理装置400から取得してメモリ103ないし記憶装置101に格納したデータであり、列車運行を行っている鉄道会社等が、上述の現行列車計画210および現行車両運用計画310に沿って現在運用している現行の乗務員運用に関する情報である。この現行乗務員運用計画410は、乗務員運用IDを主キーとして、乗務員運用に含まれる列車番号、列車番号ごとの開始・終了駅、乗務時間、泊行路といった各値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0019】
図6は、本実施形態の評価項目テーブル124のデータ例を示す図である。走行時評価項目テーブル124は、時間割合、分併作業数および乗務時間割合といった項目およびその算出式を格納したテーブルである。これらの項目は、例えばあらかじめユーザによって設定される。評価項目テーブル124は、評価項目に関するユーザからの指示を入力装置105で受け付けるに当たり、その選択項目として利用される。
【0020】
図7は、本実施形態の運用計画テーブル125のデータ例を示す図である。運用計画テーブル125は、運用ごとに各列車計画、車両運用計画、乗務員運用計画のデータの列車番号をキーとして運用スジごとにマージしたデータを格納するテーブルである。運用計画テーブル125は、運用スジごとに列車番号、車両運用ID、乗務員運用IDを紐づけたものであり、ダイヤ情報計算部111が計画を画面表示する際に利用される。
【0021】
図8は、評価テーブル126のデータ例を示す図である。評価テーブル127は、計画の運用スジごとに、評価項目テーブル124に格納されている評価項目によって特定した評価点数を格納するテーブルである。評価テーブルは、ダイヤ情報計算部が算出した評価点数を格納するために利用される。
図9は、表示色閾値テーブル126のデータ例を示す図である。表示色閾値テーブル127は、評価点数の上限下限に対して画面表示する色を格納したテーブルである。表示色閾値テーブル127は、ダイヤ計算部111が列車計画を画面表示する際に利用される。
次に、本実施形態における計画修正案の生成について、図10乃至図14のフローチャートおよび画面構成例を用いて説明する。
【0022】
図10は、本実施形態の計画修正案生成方法の全体フローチャートである。
ダイヤ作成支援装置100の評価項目入力部110は、記憶装置101に予め保持している画面データを読み出し、評価項目選択画面を出力装置106に表示させ、ユーザによるダイヤ情報の評価項目の指示を受け付ける(S001)。
図11は、評価項目選択画面の一例であり、各項目に対応したチェックボックス1010と、車両保守費、および乗務員人件費等の各評価項目を列挙する名称欄1020と、各項目の算出式を列挙する算出式欄1030と、決定ボタン1040とを含んでいる。ユーザは、名称欄1020が示す各項目のうち、評価したい項目に該当するチェックボックス1010を選択して、決定ボタン1040を押下する。評価項目入力部110は、この決定ボタン1040の押下に応じて、チェック済みのチェックボックス1010に対応する項目の情報を評価項目として取得する。
【0023】
ダイヤ情報計算部111は、列車計画管理装置200、車両運用計画管理装置300、乗務員運用計画管理装置400より、最新計画情報として、現行列車計画210、現行車両運用計画310、現行乗務員運用計画410の各データを取得し、得た最新計画情報は、修正がなされていないため、1回目の修正対象として修正回次「01」の情報と定義する。この修正回次「01」と定義される各計画のデータについては、ダイヤ情報計算部111が列車計画テーブル121、車両運用計画テーブル122、乗務員運用計画テーブル123に格納する。(S002)
次にダイヤ情報計算部111は、ステップS0001で得た評価項目に基づき、現行列車計画210、現行車両運用計画310、および現行乗務員運用計画410を修正して、計画修正案候補としての列車計画、車両運用計画、乗務員運用計画をそれぞれ生成して画面表示する(S003)。
【0024】
図12は、画面表示される列車計画の一例を示す図である。図12の列車計画は、縦軸として駅列1110と、横軸として時刻1120と、運用スジ1130と、計画変更ボタン1140と、変更なしボタン1150を含んでいる。
ユーザは、運用スジの色によって運用スジの評価点数の判断および、強調表示の運用スジは変更箇所であると判断が可能となり、計画変更する場合、計画変更ボタン1140を押下することで変更内容を入力することができ、計画に変更がない場合、変更なしボタン1150を押下する。
ダイヤ情報計算部111は、ステップS0003で表示された計画に対するユーザの変更入力を入力装置105によって受け付ける。
ユーザによる計画変更の入力がある場合、計画変更ボタン1140を押下し(S004:Yes)、変更内容を入力してその変更内容を基に計画修正案を作成し、変更した列車計画情報、車両運用計画情報、乗務員運用計画情報を修正回次に1加算して列車計画テーブル、車両運用計画テーブル、乗務員運用計画テーブルに格納する(S005)。
ダイヤ情報計算部111は、上述のステップS0005で作成した計画修正案について、ステップS003の列車運用の画面表示を再び実施し、ユーザによる修正がある場合はステップS003~S005を繰り返す。
ユーザによる計画変更の入力がない場合、変更なしボタン1150を押下し(S004:No)、計画更新の選択(S006)を実施する。
次にダイヤ情報計算部111はユーザが計画の修正案で更新しないと決定した場合(S006:No)、処理を終了し、更新すると決定した場合(S006:Yes)、列車計画管理装置200、車両運用計画管理装置300、乗務員運用計画管理装置400に対し、計画修正案を送信し(S007)、フローを終了する。
【0025】
次に、図10のフローチャートのうち、運用計画の画面表示(S003)の処理の詳細について説明する。図11は、本実施形態における運用計画の画面表示のフローチャートである。
ダイヤ情報計算部111は、列車計画テーブル121、車両運用計画テーブル122、乗務員運用計画テーブル123において修正回次が最も大きい各計画のデータを取得する(S101)。
ダイヤ情報計算部111は、取得した最新計画情報121、122、123より列車番号をキーとして、運用スジごとにマージし、運用計画テーブル125を算出する(S102)。
【0026】
ダイヤ情報計算部111は、運用計画テーブル125の運用スジごとに列車番号から列車計画情報、車両運用IDから車両運用計画情報、乗務員運用IDから乗務員運用計画情報をそれぞれ取得して、評価項目テーブル124に設定されている評価項目にて修正候補案を生成して評価点数を算出し、評価テーブル126に格納する(S103)。
ダイヤ情報計算部111は、運用計画テーブル125およびそれに紐づく列車計画情報、車両運用計画情報、乗務員運用計画情報に基づいて、計画を画面に表示する(S104)。
ダイヤ情報計算部111は、評価テーブル125より運用スジごとの評価点数および、表示色閾値テーブル127より評価点数における表示色に基づいて、表示している計画の運用スジごとの色を変更する(S105)。
ダイヤ情報計算部111は、計画の修正箇所が存在するかチェックする(S106)。計画の修正箇所が存在しない場合(S106:No)、処理を終了し、計画の修正箇所が存在する場合(S106:Yes)、現行列車計画210、現行車両運用計画310、現行乗務員運用計画410と列車計画テーブル121、車両運用計画テーブル122、乗務員運用計画テーブル123との差分を算出し、その差分箇所を強調表示する(S107)。
【0027】
次に、図10のフローチャートのうち、計画更新の選択(S006)および計画修正案送信(S007)の処理の詳細について説明する。図11は、本実施形態における計画更新の選択および計画修正案送信のフローチャートである。
ダイヤ情報計算部111は、計画修正案の列車計画テーブル121、車両運用計画テーブル122、乗務員運用計画テーブル123の修正回次が最も大きい各計画修正案を取得する(S201)。
ダイヤ情報計算部111は、計画修正案を列車計画作成者、車両運用計画作成者、乗務員運用計画作成者それぞれに確認依頼をする(S202)。確認依頼をされた作成者が1人でも承認しなかった場合(S203:No)、処理を終了する。
ダイヤ情報計算部111は、確認依頼をされた作成者全員が承認した場合(S203:Yes)、列車計画テーブル121の修正回次が最も大きいデータを列車計画管理装置200に送信し(S204)、車両運用計画テーブル122の修正回次が最も大きいデータを車両運用計画管理装置300に送信し(S205)、乗務員運用計画テーブル123の修正回次が最も大きいデータを乗務員運用計画管理装置400に送信する(S206)。
【0028】
以上のように、本実施形態によれば、多数の構成要素が複雑に関連した車両運用や乗務員運用を含む列車ダイヤ情報の見直しに際し、ユーザが指定した評価項目によって計画を評価することで、知識や経験など属人的なユーザ個々のスキルに影響されない均一で客観的な計画情報の評価と、画面表示によって計画の評価を視覚的に判断することができ、計画修正案の生成が迅速かつ効率的に可能となる。
また、列車計画だけでなく、車両運用および乗務員運用についてもあわせて考慮して画面表示されているため、列車計画作成者、車両運用作成者、乗務員運用作成者はそれぞれ他の計画についても、考慮しながら計画の修正を行うことができる。また、担当ユーザの割当や計画修正の実施が容易となり、ダイヤ作成支援装置におけるユーザビリティも高まることとなる。
【0029】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0030】
100…ダイヤ作成支援装置
110…評価項目入力部
111…ダイヤ情報計算部
121…列車計画テーブル
122…車両運用計画テーブル
123…乗務員運用計画テーブル
124…評価項目テーブル
125…運用計画テーブル
126…評価テーブル
127…表示色閾値テーブル
200…列車計画管理装置
300…車両運用計画管理装置
400…乗務員運用計画管理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14