(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092151
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】物品落下抑制構造、及び、ロッカー
(51)【国際特許分類】
A47G 1/16 20060101AFI20240701BHJP
A47G 1/02 20060101ALI20240701BHJP
A47B 55/00 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
A47G1/16 B
A47G1/02 M
A47B55/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207882
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】110003823
【氏名又は名称】弁理士法人柳野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 一寿
【テーマコード(参考)】
3B067
3B111
【Fターム(参考)】
3B067AA01
3B067AA05
3B111AB06
3B111AD01
3B111CA03
3B111CC02
3B111CD01
3B111CD06
(57)【要約】
【課題】板状部材の第一開口部から第一挿入部が脱離した際に、物品から手が離れても物品が落下することを抑制できる、物品落下抑制構造を提供する。
【解決手段】物品落下抑制構造が備える裏板30には第一開口部33aと第二開口部33bとが形成され、鏡部材40は第一挿入部43と第二挿入部44とを有し、第一挿入部43は、第一開口部33aに挿入された状態において第一開口部33aから脱離することを抑制する抜け止め部43aを含み、第二挿入部44は、基端部44aと、中間部44bと、先端部44cと、を含み、先端部44cは、中間部44bと交差する方向に延出して形成され、第一挿入部43が第一開口部33aから脱離して鏡部材40が裏板30から離間する方向に倒れた際に、先端部44cが第二開口部33bの縁に係合する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置状態において水平方向に面するように立てられる板状部材と、設置状態の前記板状部材に対して装着される物品と、を備え、前記板状部材からの前記物品の落下を抑制する、物品落下抑制構造であって、
前記板状部材には、前記板状部材の主面に開口される第一開口部と、前記主面における前記第一開口部よりも下側に開口される第二開口部と、が形成され、
前記物品は、前記板状部材への装着部分として、前記第一開口部に挿入される第一挿入部と、前記第二開口部に挿入される第二挿入部と、を有し、
前記第一挿入部は、前記第一開口部に挿入された状態において前記第一開口部から脱離することを抑制する抜け止め部を含み、
前記第二挿入部は、前記物品の本体部に連なる基端部と、前記第二開口部に対して挿入される先端部と、前記基端部と前記先端部とをつなぐ中間部と、を含み、
前記中間部は、少なくとも一部が前記第二開口部に対して挿入され、
前記先端部は、前記中間部と交差する方向に延出して形成され、
前記第一挿入部が前記第一開口部から脱離して前記物品が前記板状部材から離間する方向に倒れた際に、前記先端部が前記第二開口部の縁に係合するように構成される、物品落下抑制構造。
【請求項2】
前記物品を前記板状部材に装着した状態において、前記先端部が水平方向に沿って延びる、請求項1に記載の物品落下抑制構造。
【請求項3】
前記中間部と前記先端部との接続部分には、前記先端部と反対方向に突出する係合突起が形成される、請求項2に記載の物品落下抑制構造。
【請求項4】
前記物品を前記板状部材に装着した状態において、前記先端部が前記基端部よりも低い位置で前記第二開口部の奥に向かって延びる、請求項3に記載の物品落下抑制構造。
【請求項5】
前記基端部、前記中間部、及び、前記先端部が一体的に成形される、請求項4に記載の物品落下抑制構造。
【請求項6】
前記第一挿入部は、前記第一開口部への挿入時には弾性変形するとともに、挿入後には復元力により前記抜け止め部が前記第一開口部の縁に係合するように構成される、請求項1に記載の物品落下抑制構造。
【請求項7】
前記第一挿入部は、前記第二挿入部が前記第二開口部に挿入された状態で前記第一開口部に挿入される、請求項6に記載の物品落下抑制構造。
【請求項8】
前記板状部材の主面には、複数個の開口部が上下方向に沿って開口され、
前記開口部のうち何れか二個が、前記第一開口部及び前記第二開口部として選択されて前記物品の前記第一挿入部及び前記第二挿入部がそれぞれ挿入される、請求項1に記載の物品落下抑制構造。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の物品落下抑制構造を有するロッカーであって、
内部に収納空間が形成された本体部と、
前記収納空間を閉塞する閉状態と前記収納空間を開放する開状態とを切替可能に前記本体部に組付けられる扉と、
前記扉の内面に装着されるオプション部材と、を備え、
前記扉の内面が前記板状部材として構成され、
前記オプション部材が前記物品として構成される、ロッカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、板状部材からの物品の落下を抑制する、物品落下抑制構造、及び、物品落下抑制構造を有するロッカーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロッカーの扉等、物品を組付ける板状部材において、物品の落下を抑制する構成が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような構成において、板状部材に対する物品の係合を解除した際に、物品から手が離れた場合に物品が落下する虞があった。そこで、本開示は、上記に関する課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る物品落下抑制構造は、設置状態において水平方向に面するように立てられる板状部材と、設置状態の前記板状部材に対して装着される物品と、を備え、前記板状部材からの前記物品の落下を抑制する、物品落下抑制構造であって、前記板状部材には、前記板状部材の主面に開口される第一開口部と、前記主面における前記第一開口部よりも下側に開口される第二開口部と、が形成され、前記物品は、前記板状部材への装着部分として、前記第一開口部に挿入される第一挿入部と、前記第二開口部に挿入される第二挿入部と、を有し、前記第一挿入部は、前記第一開口部に挿入された状態において前記第一開口部から脱離することを抑制する抜け止め部を含み、前記第二挿入部は、前記物品の本体部に連なる基端部と、前記第二開口部に対して挿入される先端部と、前記基端部と前記先端部とをつなぐ中間部と、を含み、前記中間部は、少なくとも一部が前記第二開口部に対して挿入され、前記先端部は、前記中間部と交差する方向に延出して形成され、前記第一挿入部が前記第一開口部から脱離して前記物品が前記板状部材から離間する方向に倒れた際に、前記先端部が前記第二開口部の縁に係合するように構成される。
【0006】
上記第1観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材の第一開口部から第一挿入部が脱離した際に、物品から手が離れても物品が落下することを抑制できる。
【0007】
本発明の第2観点に係る物品落下抑制構造は、上記第1観点に係る物品落下抑制構造であって、前記物品を前記板状部材に装着した状態において、前記先端部が水平方向に沿って延びる。
【0008】
上記第2観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材に対して物品の着脱を容易に行うことができる。
【0009】
本発明の第3観点に係る物品落下抑制構造は、上記第2観点に係る物品落下抑制構造であって、前記中間部と前記先端部との接続部分には、前記先端部と反対方向に突出する係合突起が形成される。
【0010】
上記第3観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材の第一開口部から第一挿入部が脱離した際の物品の落下安全性を高めることができ、板状部材に対して物品の組付性を高めることができる。
【0011】
本発明の第4観点に係る物品落下抑制構造は、上記第3観点に係る物品落下抑制構造であって、前記物品を前記板状部材に装着した状態において、前記先端部が前記基端部よりも低い位置で前記第二開口部の奥に向かって延びる。
【0012】
上記第4観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材に対する物品の装着状態を安定させることができる。
【0013】
本発明の第5観点に係る物品落下抑制構造は、上記第4観点に係る物品落下抑制構造であって、前記基端部、前記中間部、及び、前記先端部が一体的に成形される。
【0014】
上記第5観点に係る物品落下抑制構造によれば、第二挿入部の成形を容易に行うことができる。
【0015】
本発明の第6観点に係る物品落下抑制構造は、上記第1観点に係る物品落下抑制構造であって、前記第一挿入部は、前記第一開口部への挿入時には弾性変形するとともに、挿入後には復元力により前記抜け止め部が前記第一開口部の縁に係合するように構成される。
【0016】
上記第6観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材に対して物品の着脱を容易に行うことができる。
【0017】
本発明の第7観点に係る物品落下抑制構造は、上記第6観点に係る物品落下抑制構造であって、前記第一挿入部は、前記第二挿入部が前記第二開口部に挿入された状態で前記第一開口部に挿入される。
【0018】
上記第7観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材に対して物品の着脱を容易に行うことができる。
【0019】
本発明の第8観点に係る物品落下抑制構造は、上記第1観点に係る物品落下抑制構造であって、前記板状部材の主面には、複数個の開口部が上下方向に沿って開口され、前記開口部のうち何れか二個が、前記第一開口部及び前記第二開口部として選択されて前記物品の前記第一挿入部及び前記第二挿入部がそれぞれ挿入される。
【0020】
上記第8観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材に対する物品の装着位置を上下方向に変更することができる。
【0021】
本発明の第9観点に係るロッカーは、第1観点から第8観点の何れか一に記載の物品落下抑制構造を有するロッカーであって、内部に収納空間が形成された本体部と、前記収納空間を閉塞する閉状態と前記収納空間を開放する開状態とを切替可能に前記本体部に組付けられる扉と、前記扉の内面に装着されるオプション部材と、を備え、前記扉の内面が前記板状部材として構成され、前記オプション部材が前記物品として構成される。
【0022】
上記第9観点に係るロッカーによれば、扉の内面の第一開口部から第一挿入部が脱離した際に、オプション部材から手が離れてもオプション部材が落下することを抑制できる。
【0023】
なお、上記第2観点から第8観点の内容は、本発明に係る物品落下抑制構造において必ずしも必須の構成ではなく、適宜省略/変更することが可能である。
【発明の効果】
【0024】
以上における本発明に係る物品落下抑制構造は、以下に示す効果を奏する。
【0025】
第1観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材の第一開口部から第一挿入部が脱離した際に、物品から手が離れても物品が落下することを抑制できる。
【0026】
第2観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材に対して物品の着脱を容易に行うことができる。
【0027】
第3観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材に対して物品の組付性を高めることができる。
【0028】
第4観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材に対する物品の装着状態を安定させることができる。
【0029】
第5観点に係る物品落下抑制構造によれば、第二挿入部の成形を容易に行うことができる。
【0030】
第6観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材に対して物品の着脱を容易に行うことができる。
【0031】
第7観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材に対して物品の着脱を容易に行うことができる。
【0032】
第8観点に係る物品落下抑制構造によれば、板状部材に対する物品の装着位置を上下方向に変更することができる。
【0033】
第9観点に係るロッカーによれば、扉の内面の第一開口部から第一挿入部が脱離した際に、オプション部材から手が離れてもオプション部材が落下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】一実施形態に係るロッカーにおいて第一扉を開放した状態を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[ロッカー1]
以下では
図1から
図6を用いて、本発明の一実施形態に係る物品落下抑制構造を有するロッカー1について説明する。本実施形態におけるロッカー1は、一部の樹脂製部材を除いてスチール等の金属板で構成される。但し、ロッカー1を木材や樹脂製部材を用いて構成することも可能である。
【0036】
以下では、ロッカー1に対向する利用者の視点によりロッカー1の左右方向を規定する。即ち、ロッカー1に対向する利用者の右側(
図1における右上側)をロッカー1における右側方とする。また、ロッカー1における利用者側(
図1における右下側)をロッカー1の前方とする。
【0037】
本実施形態に係るロッカー1は、前方が開放された本体部2に三枚の扉3が設けられて構成される。本体部2は底板21、天板22、左右の側板23、及び背板25で構成される。本体部2の内部は二枚の仕切板によって三個の収納空間に仕切られている。以下では、扉3を閉塞した際に外部に露出する面(外面)を扉3の前面、収納空間側の面(内面)を扉3の後面と記載する。
【0038】
本体部2には左側から順番に第一扉3a、第二扉3b、及び、第三扉3cが回転可能に組付けられる。本実施形態に係るロッカー1において、それぞれの三枚の扉3は右端部にヒンジが設けられ、全て同じ方向に開くように設けられる。即ち、ロッカー1は、利用者が扉3を上面視で反時計回りに回動させることにより収納空間が開き、扉3を上面視で時計回りに回動させることにより収納空間が閉じるように構成されている。換言すれば、ロッカー1は、それぞれの扉3を回動させることにより、本体部2に形成された開口部を閉塞する閉状態と、開口部を開放する開状態と、の間で切替可能としている。
【0039】
図2に示す如く第一扉3aを開放すると、本体部2の前側に形成された開口部2aを通じて第一収納空間S1が使用可能となる。第一収納空間S1は、左側の側板23、第一仕切板24、及び、背板25で構成される三枚の壁部と、底板21、天板22、及び第一扉3aによって囲まれる。本実施形態において、第一収納空間S1を囲む壁部は、左側の側板23が左側壁、第一仕切板24が右側壁、背板25が後壁として構成される。
【0040】
本実施形態に係るロッカー1において、第二扉3b及び第三扉3cを開放した場合でも、それぞれの収納空間が使用可能となる。ロッカー1が備えるそれぞれの収納空間の構成は同様であるため、以下では主に第一収納空間S1の構成について説明する。なお、本発明に係るロッカーは、一つの筐体の内部に収納空間を設ける構成であれば良く、収納空間が1、2、又は4個以上形成される構成でも差し支えない。
【0041】
本実施形態に係るロッカー1は、収納空間が三個形成されて形成されている。即ち、ロッカー1は、例えばオフィスや学校等でロッカー1を使用する三人の利用者ごとに、衣服、履物、荷物、及び、携帯電話やモバイルコンピュータ等を内部に収容して保管するために用いられる。本実施形態に係るロッカー1は、それぞれの収納空間(
図2においては第一収納空間S1)の下部に位置する物品載置棚35が設けられる。物品載置棚35は、ロッカー1の利用者が荷物や鞄等の物品を載置する際に使用される。
【0042】
扉3の前面における戸先側端部には、上下方向中央部に取手31が設けられる。
図2に示す如く、扉3の内面(後面)には、本発明に係る物品落下抑制構造が備える板状部材の一形態である裏板30が設けられる。また、裏板30の上部には、本発明に係る物品落下抑制構造が備える物品の一形態である鏡部材40がオプション部材として組付けられている。
【0043】
裏板30における取手31の背後にはロック部32が設けられる。本実施形態におけるロック部32にはシリンダ錠が設けられている。裏板30の上下方向中途部にはペットボトル、名刺、携帯電話、時計等を収容できる収納部材34が組付けられる。
【0044】
[物品落下抑制構造]
本発明に係る物品落下抑制構造は、板状部材である裏板30と、裏板30に装着される物品である鏡部材40と、を備える。裏板30は扉3への設置状態において水平方向に面するように立てられる。鏡部材40は、扉3に設置された状態の裏板30に対して装着される。物品落下抑制構造は後述する如く、裏板30からの鏡部材40の落下を抑制する。
【0045】
図3に示す如く、鏡部材40は、枠部41と、枠部41に組付けられた鏡面部42と、を備える。枠部41の背面上部には、鏡部材40を裏板30に装着する際に裏板30の側に突出する第一挿入部43が形成されている。また、枠部41の背面下部には、鏡部材40を裏板30に装着する際に裏板30の側に突出する第二挿入部44が形成されている。
【0046】
図3に示す如く、裏板30には、裏板30の主面(扉3を閉塞した際に収納空間に向かう側の面)に開口される第一開口部33aと、主面における第一開口部33aよりも下側に開口される第二開口部33bと、が形成されている。裏板30に対して鏡部材40を装着する際は
図3及び
図5に示す如く、第一挿入部43が装着部分として第一開口部33aに挿入され、第二挿入部44が装着部分として第二開口部33bに挿入される。
【0047】
本実施形態に係るロッカー1においては
図3に示す如く、裏板30には六個の開口部33・33・・・が上下方向に沿って開口されている。本実施形態においては、六個の開口部33・33・・・のうち上から四個目と六個目の二個の開口部33・33が、第一開口部33a及び第二開口部33bとして選択されて、鏡部材40の第一挿入部43及び第二挿入部44がそれぞれ挿入される。
【0048】
このように、本実施形態においては、複数の開口部33・33・・・から選択して鏡部材40を装着する構成とすることにより、裏板30に対する鏡部材40の装着位置を上下方向に変更することを可能としている。このため、ロッカー1の利用者が、鏡部材40の高さを自身の身長等に応じて調節することが可能となる。
【0049】
本実施形態において、第一挿入部43は、第一開口部33aに挿入された状態において第一開口部33aから脱離することを抑制する抜け止め部43aを含んで構成される。具体的に、第一挿入部43は、第一開口部33aへの挿入時には弾性変形するとともに、挿入後には復元力により抜け止め部43aが第一開口部33aの縁に係合するように構成される。これにより、ロッカー1の利用者が抜け止め部43aを変形させることにより第一挿入部43を第一開口部33aから抜き出すことができるため、裏板30に対して鏡部材40の着脱を容易に行うことが可能となる。
【0050】
また、本実施形態に係る物品落下抑制構造において、第一挿入部43は、第二挿入部44が第二開口部33bに挿入された状態で第一開口部33aに挿入される。これにより、利用者は第一挿入部43(抜け止め部43a)を操作するだけで鏡部材40の取付/取外しが可能となるため、裏板30に対して鏡部材40の着脱を容易に行うことができる。
【0051】
図5に示す如く、第二挿入部44は、鏡部材40の本体部である枠部41に連なる基端部44aと、第二開口部33bに対して挿入される先端部44cと、基端部44aと先端部44cとをつなぐ中間部44bと、を含んで構成される。中間部44bは、少なくとも一部が第二開口部33bに対して挿入されていれば良い。また、先端部44cは、中間部44bと交差する方向に延出して形成される。
【0052】
本実施形態に係る物品落下抑制構造においては
図6に示す如く、第一挿入部43が第一開口部33aから脱離して鏡部材40が裏板30から離間する方向に倒れた際には、先端部44cが第二開口部33bの縁に係合する。これにより、裏板30の第一開口部33aから第一挿入部43が脱離した際に、鏡部材40から手が離れても鏡部材40が落下することを抑制できる。
【0053】
また、本実施形態に係る物品落下抑制構造は、
図5に示す如く、鏡部材40を裏板30に装着した状態において、先端部44cが水平方向に沿って延びる。これにより、鏡部材40を裏板30に装着する際に、鏡部材40を裏板30に近接するだけで先端部44cを第二開口部33bに挿入することができるため、裏板30に対して鏡部材40の着脱を容易に行うことができる。
【0054】
また、本実施形態に係る物品落下抑制構造において、第二挿入部44の中間部44bと先端部44cとの接続部分には、先端部44cと反対方向に突出する係合突起44dが形成されている。これにより、鏡部材40が裏板30から離間する方向に倒れた際に、係合突起44dを第二開口部33bに係合させることができる。このため、裏板30の第一開口部33aから第一挿入部43が脱離した際の鏡部材40の落下安全性を高めることができる。また、鏡部材40を裏板30に装着した際に係合突起44dが裏板30の背面に当接するため、裏板30に対して鏡部材40をがたつきがなく安定的に組付けることができ、裏板30に対する鏡部材40の組付性を高めることができる。
【0055】
また、本実施形態に係る物品落下抑制構造は、鏡部材40を裏板30に装着した状態において、先端部44cが基端部44aよりも低い位置で第二開口部33bの奥に向かって延びるように構成される。これにより、鏡部材40に対して裏板30から離間する方向に力が加わっても、先端部44cが裏板30の背面に当接するため、裏板30から離間する方向への鏡部材40の変位が規制される。即ち、裏板30に対する鏡部材40の装着状態を安定させることができる。
【0056】
また、本実施形態に係る物品落下抑制構造は、第二挿入部44において基端部44a、中間部44b、及び、先端部44cが一体的に成形される。これにより、基端部44a、中間部44b、及び、先端部44cを別途組付ける必要がないため、第二挿入部44の成形を容易に行うことが可能となる。
【0057】
[他の変形例]
上記の実施形態は、以下に示す他の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、本明細書に記載する各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
【0058】
本実施形態においては、扉3の裏板30と鏡部材40とで物品落下抑制構造を構成したが、設置状態において水平方向に面するように立てられる板状部材と、設置状態の板状部材に対して装着される物品であれば物品落下抑制構造を構成することができる。例えば、物品落下抑制構造の板状部材をロッカー以外のデスク、ワゴン、RL棚等に適用することもできる。また、板状部材は、開口部が形成されている部分が板状であれば良く、水平断面がハット型に折り曲げられた板状の部材でも良い。また、物品落下抑制構造の物品を鏡部材以外の小物入れ、ハンガー等に適用することもできる。
【0059】
また、物品落下抑制構造が備える物品において、第二挿入部の形態は、適宜変更可能である。例えば、本実施形態の如く階段状の形態以外にも、Z字状、V字状など、物品が倒れた場合に引っ掛かる部分があれば採用することが可能である。また、第二挿入部の先端部は、物品を板状部材に装着した状態において、上方又は下方に向かって延びる形状であっても良い。
【0060】
また、物品落下抑制構造が備える物品において、第二挿入部に係合突起を形成しない構成とすることもできる。また、物品を板状部材に装着した状態において、先端部が基端部と同じ高さ、又は高い位置で第二開口部の奥に向かって延びる構成とすることも可能である。また、第二挿入部の基端部、中間部、及び、先端部を別々に成形して組付ける構成とすることも可能である。
【0061】
また、第一挿入部について、弾性変形しない構成とすることもできる。 また、第一挿入部が第一開口部に挿入された状態で、第二挿入部が第二開口部に挿入される構成とすることも可能である。また、板状部材には、物品の第一挿入部と第二挿入部とを装着するために、少なくとも二個の開口部が形成されていれば良く、その個数は限定されるものではない。
【符号の説明】
【0062】
1 ロッカー 2 本体部
2a 開口部 3 扉
3a 第一扉 3b 第二扉
3c 第三扉
21 底板 22 天板
23 側板 24 第一仕切板
25 背板
30 裏板(板状部材) 31 取手
32 ロック部 33 開口部
33a 第一開口部 33b 第二開口部
34 収納部材 35 物品載置棚
40 鏡部材(物品) 41 枠部
42 鏡面部 43 第一挿入部
43a 抜け止め部 44 第二挿入部
44a 基端部 44b 中間部
44c 先端部 44d 係合突起
S1 第一収納空間