(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092156
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】船舶
(51)【国際特許分類】
B63B 79/10 20200101AFI20240701BHJP
B63B 49/00 20060101ALI20240701BHJP
B63B 79/30 20200101ALI20240701BHJP
G08B 7/00 20060101ALI20240701BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B63B79/10
B63B49/00 Z
B63B79/30
G08B7/00 A
G08B25/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207889
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伴瀬 昌史
(72)【発明者】
【氏名】藤野 健一
(72)【発明者】
【氏名】中村 智
(72)【発明者】
【氏名】水本 健太郎
【テーマコード(参考)】
5C083
5C087
【Fターム(参考)】
5C083CC11
5C083JJ25
5C083JJ46
5C087AA13
5C087AA16
5C087AA17
5C087AA33
5C087AA34
5C087DD16
5C087EE05
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG84
(57)【要約】
【課題】船舶の状態や外部環境を視覚的かつ聴覚的に伝える。
【解決手段】船舶は、発音装置と、発光装置と、コントローラを備える。コントローラは、発音装置および発光装置の状態を除く船舶の状態と、船舶の外部環境との少なくとも一方を含む船舶の状況を検知する。また、コントローラは、検知した船舶の状況に応じて、発音装置と発光装置とを、音と光とを組み合わせた混合パターンで動作させる。音と光とを組み合わせた混合パターンにより、例えば乗船者に対して、船舶の状態や外部環境を視覚的かつ聴覚的に伝えることができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶であって、
発音装置と、
発光装置と、
コントローラを備え、
前記コントローラは、
前記発音装置および前記発光装置の状態を除く前記船舶の状態と、前記船舶の外部環境との少なくとも一方を含む船舶の状況を検知し、
検知した前記船舶の状況に応じて、前記発音装置と前記発光装置とを、音と光とを組み合わせた混合パターンで動作させる、
船舶。
【請求項2】
請求項1に記載の船舶であって、
前記コントローラは、
音と光との少なくとも一方が互いに異なる複数の混合パターンのうちの一の前記混合パターンで前記発音装置と前記発光装置とを動作させ、
前記一の混合パターンの動作中に検知した前記船舶の状況の変化に応じて、前記一の混合パターンを別の前記混合パターンに変更する、
船舶。
【請求項3】
請求項2に記載の船舶であって、
前記一の混合パターンと前記別の混合パターンとは、前記発音装置が発する音の大きさと高さと音色と繰り返し周期と音源の数と音の長さとメロディと音を発する位置との少なくとも1つが異なる、
船舶。
【請求項4】
請求項2に記載の船舶であって、
前記一の混合パターンと前記別の混合パターンとは、前記発光装置が発する光の輝度と色と発光周期と発光する位置との少なくとも1つが異なる、
船舶。
【請求項5】
請求項1に記載の船舶であって、
操作装置を備え、
前記発光装置は、ディスプレイ装置を含み、
前記発音装置は、前記ディスプレイ装置とは独立に電力供給される構成であり、
前記船舶の状態は、前記操作装置にて前記ディスプレイ装置の起動操作がされたことであり、
前記コントローラは、
前記操作装置での前記起動操作に応じて、前記発音装置と前記発光装置とを前記混合パターンで動作させる、
船舶。
【請求項6】
請求項1に記載の船舶であって、
操作装置を備え、
前記発光装置は、ディスプレイ装置を含み、
前記発音装置は、前記ディスプレイ装置とは独立に電力供給される構成であり、
前記船舶の状態は、前記操作装置にて前記ディスプレイ装置の終了操作がされたことであり、
前記コントローラは、
前記操作装置での前記終了操作に応じて、前記発音装置と前記発光装置とを前記混合パターンで動作させる、
船舶。
【請求項7】
請求項5に記載の船舶であって、
前記船舶の状態は、前記操作装置にて前記ディスプレイ装置の終了操作がされたことであり、
前記コントローラは、
前記操作装置での前記終了操作に応じて、前記発音装置と前記発光装置とを、前記起動操作時とは異なる混合パターンで動作させる、
船舶。
【請求項8】
請求項1に記載の船舶であって、
前記混合パターンは、前記発音装置による発音動作の終了後に前記発光装置による発光動作が継続するパターンを含む、
船舶。
【請求項9】
請求項1に記載の船舶であって、
前記混合パターンは、前記発光装置による発光動作の終了後に前記発音装置による発音動作が継続するパターンを含む、
船舶。
【請求項10】
請求項1に記載の船舶であって、
前記船舶の状況は、前記船舶の動作モードである、
船舶。
【請求項11】
請求項1に記載の船舶であって、
前記船舶の状況は、前記船舶の乗船者の状態である、
船舶。
【請求項12】
請求項1に記載の船舶であって、
さらに、前記船舶の異常を検知する異常検知装置を備え、
前記船舶の状況は、前記異常検知装置によって前記船舶の異常が検知されたことである、
船舶。
【請求項13】
請求項12に記載の船舶であって、
前記異常検知装置は、盗難予測装置を含み、
前記船舶の状況は、前記盗難予測装置によって前記船舶の盗難が予測されたことである、
船舶。
【請求項14】
請求項12に記載の船舶であって、
前記異常検知装置は、種類と度合いとの少なくとも一方が互いに異なる複数の異常を検知し、
前記コントローラは、
前記発音装置と前記発光装置とを、前記異常検知装置で検知された異常の相違に応じて、音と光との少なくとも一方が互いに異なる前記混合パターンで動作させる、
船舶。
【請求項15】
請求項12に記載の船舶であって、
前記異常検知装置は、前記船舶の複数箇所の異常を検知し、
前記コントローラは、
前記発音装置と前記発光装置とを、前記異常検知装置で検知された異常の発生箇所の相違に応じて、音と光との少なくとも一方が互いに異なる前記混合パターンで動作させる、
船舶。
【請求項16】
請求項15に記載の船舶であって、
前記発光装置は、前記複数箇所に対応する位置にそれぞれ配置された複数のライトを含み、
前記混合パターンは、前記異常検知装置で検知された異常の発生箇所に対応する前記ライトを発光させるパターンである、
船舶。
【請求項17】
請求項15に記載の船舶であって、
前記発音装置は、前記複数箇所に対応する位置にそれぞれ配置された複数の個別発音装置を含み、
前記混合パターンは、前記異常検知装置で検知された異常の発生箇所に対応する前記個別発音装置を発音させるパターンである、
船舶。
【請求項18】
請求項1に記載の船舶であって、
前記発光装置は、前記船舶の同乗者用のスペースに配置された同乗者用ライトを含む、
船舶。
【請求項19】
請求項1に記載の船舶であって、
前記船舶の状況は、前記船舶下の水深である、
船舶。
【請求項20】
船舶であって、
発音装置と、
発光装置と、
コントローラを備え、
前記コントローラは、
前記船舶の状態と、前記船舶の外部環境との少なくとも一方を含む船舶の状況を検知し、
検知した前記船舶の状況に応じて、前記発音装置と前記発光装置とを、音と光とを組み合わせた混合パターンで動作させる、
船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば電動船外機に設けられたランプの発光パターンによって前進モードと後進モードとを知らせる技術や、船舶の運転状態に応じたパターンで複数の光源を点灯させる技術など、船舶の運転状態に応じて点灯装置の発光パターンを変える技術が知られている(下記特許文献1~4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-126954号公報
【特許文献2】特開2022-60046号公報
【特許文献3】特開2022-60044号公報
【特許文献4】特開2007-308040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、船舶は、車両に比べて、点灯装置の発光パターンだけでは、船舶の運転状態を例えば乗船者等に十分に伝えることができない可能性が高い。すなわち、車両では、陸上を走り、かつ、一般的には乗車者が車内にいる。これに対して、船舶では、陸上に比べて周囲環境が変動し易い海上を移動する。また、船舶では、乗船者が船内よりも、操縦席やデッキ等の船外にいることが多い。このため、特に、船舶では、点灯装置の発光パターンだけでは船舶の運転状態を乗船者等に伝えることができないおそれがある。
【0005】
なお、このような問題は、船舶の運転状態に限らず、その他の船舶の状況(例えば、船舶の乗船状態や操作状態、船舶の外部環境等)を乗船者等に伝える場合にも共通する課題である。
【0006】
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される船舶は、発音装置と、発光装置と、コントローラを備える。前記コントローラは、前記発音装置および前記発光装置の状態を除く前記船舶の状態と、前記船舶の外部環境との少なくとも一方を含む船舶の状況を検知し、検知した前記船舶の状況に応じて、前記発音装置と前記発光装置とを、音と光とを組み合わせた混合パターンで動作させる。
【0008】
本明細書によって開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、船舶、船舶に備えられる制御装置やディスプレイ装置、船舶に関する通知定方法、それらの装置の機能または方法を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することが可能である。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示された船舶によれば、音と光とを組み合わせた混合パターンにより、例えば乗船者に対して、船舶の状態や外部環境を視覚的かつ聴覚的に伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態におけるジェットボート10の構成を簡略的に示す側面図
【
図2】実施形態におけるジェットボート10の構成を簡略的に示す上面図
【
図3】ジェットボート10に備えられたディスプレイ装置230の概略を示すブロック図
【
図4】各スイッチ操作と、ディスプレイ装置230、オーディオシステムSおよびライトシステムLの起動との関係を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
A.実施形態:
A-1.ジェットボート10の構成:
図1は、本実施形態におけるジェットボート10の構成を簡略的に示す側面図であり、
図2は、ジェットボート10の構成を簡略的に示す上面図である。
図1および
図2には、ジェットボート10の位置を基準とした各方向を表す矢印を示している。より具体的には、各図には、前方(FRONT)、後方(REAR)、左方(LEFT)、右方(RIGHT)、上方(UPPER)および下方(LOWER)のそれぞれを表す矢印を示している。前後方向、左右方向および上下方向(鉛直方向)は、それぞれ互いに直交する方向である。ジェットボート10は、総トン数20トン未満のいわゆる小型船舶である。なお、ジェットボート10は、特許請求の範囲における船舶の一例である。
【0012】
図1および
図2に示すように、ジェットボート10は、船体200と、一対のジェット推進機100(
図1では、一方のジェット推進機100のみ図示)とを備える。なお、本実施形態では、ジェットボート10は、一対のジェット推進機100を有するが、ジェットボート10が1または3つ以上のジェット推進機100を有していてもよい。
【0013】
ジェット推進機100は、回転駆動力を発生させるエンジン102と、エンジン102からの回転駆動力を用いて、進行方向とは反対方向に水流を噴出するジェット推進ユニット104とを含む。船体200の下部の船尾方向には、ジェット推進機100に水を供給するためのインテークゲート106が設けられている。
【0014】
船体200は、乗船者が搭乗および居住するデッキ210を有する。本実施形態では、デッキ210は、バウデッキ210Aと、コックピット210Bとスターンデッキ210Cとを含む(
図2参照)。
【0015】
バウデッキ210Aは、船体200の先端部分に配置されており、乗船者が搭乗したり着座したりすることが可能に構成されている。スターンデッキ210Cは、船体の後端部分に配置されている。スターンデッキ210Cには、同乗者が着席する一対の後部座席232が配置されている。
【0016】
コックピット210Bは、前後方向における船体200の中央部分に配置されている。コックピット210Bには、ジェットボート10の操船者が着席する操縦席220と、操縦席220の前方に設置された操縦装置222と、助手席224とが配置されている。操縦装置222は、操船のための装置であり、例えば、ステアリングホイール226と、レバー操作部228と、ディスプレイ装置230とを有する。ステアリングホイール226は、操船者によりジェットボート10の進行方向を操作するために用いられる。レバー操作部228は、操船者によりジェット推進機100のスロットルおよびシフトを操作するために用いられる。なお、操縦装置222は、特許請求の範囲における操作装置の一例である。ディスプレイ装置230の詳細構成については後述する。
【0017】
船体200は、更に、タワー234と、オーディオシステムS(後述の
図3参照)と、ライトシステムL(後述の
図3参照)とを有する。オーディオシステムSは、特許請求の範囲における発音装置の一例であり、ライトシステムLは、特許請求の範囲における発光装置の一例である。
【0018】
タワー234は、船体200の左右両側部分から立ち上がるように延びる一対の支持部分234Aと、デッキ210(例えばコックピット210B)の上方に位置し、一対の支持部分234A同士を連結する連結部分234Bとを有する。
【0019】
オーディオシステムSは、バウスピーカSAと、コックピットスピーカSBと、スターンスピーカSCとを含む。バウスピーカSAは、バウデッキ210A付近に配置されている。本実施形態では、バウスピーカSAは、例えばバウデッキ210Aの左右それぞれに1つずつ配置されている。コックピットスピーカSBは、コックピット210B付近に配置されている。コックピットスピーカSBは、例えばコックピット210Bの左右それぞれに1つずつ配置されている。スターンスピーカSCは、スターンデッキ210C付近に配置されている。スターンスピーカSCは、例えばスターンデッキ210Cの左右それぞれに1つずつ配置されている。
【0020】
ライトシステムLは、バウライトLAと、コックピットライトLBと、スターンライトLCとを含む。ライトシステムLは、特許請求の範囲における発光装置の一例である。なお、ライトシステムLは、例えば複数の光源(LED等)を有するライトユニットでもよいし、ネオンライトなどもよい。バウライトLAとコックピットライトLBとスターンライトLCとは、特許請求の範囲における個別発音装置の一例であり、バウライトLAとスターンライトLCとは、特許請求の範囲における同乗者用ライトの一例である。
【0021】
バウライトLAは、バウデッキ210A付近に配置されている。本実施形態では、バウライトLAは、例えばバウデッキ210Aの左右それぞれに1つずつ配置されている。具体的には、バウライトLAは、バウデッキ210Aを形成する船体200の縁部の内側に配置されており、バウデッキ210Aに位置する同乗者が視認可能である。
【0022】
コックピットライトLBは、コックピット210B付近に配置されている。本実施形態では、コックピットライトLBは、タワー234の後端部に配置されている。コックピットライトLBは、操縦席220付近(例えば操縦装置222)や、助手席224付近に配置されてもよい。
【0023】
スターンライトLCは、スターンデッキ210C付近に配置されている。本実施形態では、スターンライトLCは、例えばスターンデッキ210Cの左右それぞれに1つずつ配置されている。具体的には、スターンライトLCは、各後部座席232の周囲に配置されており、スターンデッキ210Cに位置する同乗者が視認可能である。なお、スターンライトLCは、例えばスターンデッキ210Cの後端側に配置されてもよい。
【0024】
図3は、ジェットボート10に備えられたディスプレイ装置230の概略を示すブロック図である。ディスプレイ装置230は、コントローラ240と記憶装置242とを備えている。
【0025】
コントローラ240は、例えば、ジェットボート10に関する各種の機能の設定や、ジェット推進機100等の制御を行う。コントローラ240は、例えば、CPU、マルチコアCPU、プログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)等)を用いて構成されている。
【0026】
記憶装置242は、例えばROMやRAM、ハードディスクドライブ(HDD)等により構成されている。記憶装置242は、各種のプログラムやデータを記憶したり、各種の処理を実行する際の作業領域やデータの記憶領域として利用されたりする。例えば、記憶装置242には、後述のユーザ通知処理等を実行するためのコンピュータプログラムが格納されている。該コンピュータプログラムは、例えば、CD-ROMやDVD-ROM、USBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体(不図示)に格納された状態で提供され、ディスプレイ装置230にインストールすることにより記憶装置242に格納される。
【0027】
ディスプレイ装置230は、更に、タッチパネル244を備えている。タッチパネル244は、タッチパネル方式の表示画面を有する表示装置であり、ジェットボート10に関する各種の画像(操作用画像等)を表示するとともに、表示画面上での入力操作が可能である。なお、タッチパネル244は、複数の光源を有して発光可能であり、特許請求の範囲における発光装置の一例である。
【0028】
ディスプレイ装置230は、さらに、ジャイロセンサ246とGPS(Global Positioning System)センサ248とインターフェース(I/F)250と受付装置252とを備える。コントローラ240は、ジャイロセンサ246とGPSセンサ248とのそれぞれの検知信号に基づき、ジェットボート10の姿勢と現在位置とを取得する。
【0029】
受付装置252は、操縦者により操縦装置222で実行される、始動操作(次述するエンジンスイッチW3による操作)がされたか否かを判断する。なお、始動操作は、キーを鍵穴に差し込んで回すキー操作でもよいし、キー操作を要しないキーレス操作でもよいし、スマートキーによるスマートエントリーでもよい。
【0030】
ジェットボート10は、バッテリスイッチW1とシステム起動スイッチW2とエンジンスイッチW3とを有する(
図2参照)。バッテリスイッチW1は、ジェットボート10に搭載されたバッテリB(
図3参照)とジェットボート10の各装置とを通電させるためのスイッチである。バッテリスイッチW1は、例えばコックピット210Bの後部側に配置されている。システム起動スイッチW2は、ディスプレイ装置230を起動させるためのスイッチである。システム起動スイッチW2は、例えば操縦席220の側方に配置されている。エンジンスイッチW3は、ジェット推進機100を始動させるためのスイッチである。エンジンスイッチW3は、例えば操縦装置222に配置されている。
【0031】
図4は、各スイッチ操作と、ディスプレイ装置230、オーディオシステムSおよびライトシステムLの起動との関係を示す説明図ある。
図4の横軸は時間軸である。ジェットボート10では、オーディオシステムSのアンプPは、ディスプレイ装置230とは独立にバッテリBから電力供給可能に構成されている。このため、
図4に示すように、バッテリスイッチW1の操作後、システム起動スイッチW2の操作が無くても、アンプPは、バッテリBから電力供給されて待機状態となる。次に、システム起動スイッチW2の操作により、ディスプレイ装置230が起動して、タッチパネル244とライトシステムLとが発光すると同時に、オーディオシステムSから音を発することができる。
【0032】
インターフェース250は、有線または無線により、船体200が備える各装置との通信を行う。各種装置は、ジェット推進機100等以外に、水深測定器254と人感センサ256と異常検知装置258とを含む。
【0033】
水深測定器254は、ジェットボート10の直下の水深を測定するための装置である。人感センサ256は、各デッキ210(210A~210C)付近に配置され、各デッキ210に位置する乗船者の位置や人数等を検出するためのセンサである。異常検知装置258は、ジェットボート10の異常を検知するための装置である。具体的には、異常検知装置258は、ジェット推進機100やバッテリB等の各装置の異常の有無や異常の度合いを検知する各種センサを有する。
【0034】
A-2.ユーザ通知処理:
ユーザ通知処理は、ジェットボート10の状況と、その変化とを、音と光とを組み合わせた混合パターンで伝えるための処理である。ここで、ジェットボート10の状況は、ジェットボート10の状態とジェットボート10の外部環境とを含む。ジェットボート10の状態は、例えばジェットボート10の操作状態(動作モード)や実際の動作状態(傾き(姿勢)、速度など)や、デッキ210における乗船者の状態(乗船者数、乗船者の位置など)を含む。ジェットボート10の外部環境は、ジェットボート10の所在地の気象や周囲環境(水深、波の高さ、障害物の有無など)を含む。
【0035】
A-2-1.混合パターン:
混合パターンは、タッチパネル244とライトシステムLとの少なくとも一方による光と、オーディオシステムSによる音とを組み合わせたパターンである。混合パターンにおける発音期間と発光期間とは、少なくとも一部が重なっていればよい。ここでいう「音」は、単発的な音に限らず、メロディ等を含む。
【0036】
コントローラ240は、音と光との少なくとも一方が互いに異なる複数の混合パターンで発音装置(オーディオシステムS)と発光装置(タッチパネル244、ライトシステムL)とを動作させることができる。複数の混合パターンは、例えば次の(1)から(3)の少なくとも1つの要素が互いに異なる混合パターンを含んでもよい。
(1)音に関する要素:一の混合パターンと別の混合パターンとで、オーディオシステムSが発する音の大きさと高さと音色と繰り返し周期と音源の数と音の長さとメロディとジェットボート10において音を発する位置との少なくとも1つが異なる。本実施形態では、音を発する位置が異なるとは、例えばバウスピーカSAとコックピットスピーカSBとスターンスピーカSCとのうち、発音させるスピーカ、或いは、2つ以上のスピーカの組み合わせが異なることを意味する。
(2)光に関する要素:一の混合パターンと別の混合パターンとで、ライトシステムLやタッチパネル244が発する光の輝度と色と発光周期とジェットボート10において発光する位置との少なくとも1つが異なる。本実施形態では、発光する位置が異なるとは、例えばタッチパネル244とバウライトLAとコックピットライトLBとスターンライトLCとのうち、発光させる発光装置、或いは2つ以上の発光装置の組み合わせが異なることを意味する。
(3)発音期間と発光期間とに関する要素:一の混合パターンと別の混合パターンとで、発音期間と発光期間との重なり時間が異なる。
【0037】
A-2-2.処理内容:
システム起動スイッチW2がオンされると、ディスプレイ装置230が起動し、コントローラ240は、オーディオシステムSとライトシステムLとタッチパネル244とを、起動通知パターンで動作させる(S110)。起動通知パターンは、音と光とを組み合わせた混合パターンである。具体的には、コントローラ240は、タッチパネル244を発光させつつ、オーディオシステムSの一部または全部のスピーカ(例えばコックピットスピーカSB)に所定のメロディ等を発音させると共に、ライトシステムLの一部または全部のライト(例えばコックピットライトLB)を所定の発光パターンで発光させる。例えば、オーディオシステムSの全部とライトシステムLの全部とを起動通知パターンで動作させることにより、コックピット210Bにいる操縦者等だけでなく、バウデッキ210Aやスターンデッキ210Cにいる同乗者も、音と光とを組み合わせた混合パターンによって高級感等を味わうことができる。なお、発光装置の発光パターンは、発音装置の発音パターン(メロディ等)に同調したパターン(点灯パターン等)でもよい。
【0038】
次に、受付装置252がエンジンスイッチW3による始動操作を受け付けたと判断した場合(S120:YES)、コントローラ240は、ジェット推進機100を始動させ、オーディオシステムSとライトシステムLとタッチパネル244とを、始動通知パターンで動作させる(S130)。始動通知パターンは、音と光とを組み合わせた混合パターンであり、上記起動通知パターンとは、音と光との少なくとも一方の要素が異なる。このため、始動通知パターンにより、ジェットボート10の乗船者等に対して、ジェット推進機100が停止状態から始動状態に変化したことを視覚的かつ聴覚的に伝えることができる。
【0039】
次に、コントローラ240は、操縦装置222での操作により動作モードが変更されたか否かを判断する(S140)。動作モードは、例えば、停泊モード、前進モード、後進モード、横移動モード、高速モード、低速モード、エコモードなどを含む。動作モードが切り替えられると(S140:YES)、コントローラ240は、オーディオシステムSとライトシステムLとタッチパネル244とを、変更後の動作モードに応じた動作通知パターンで動作させる(S150)。動作通知パターンは、音と光とを組み合わせた混合パターンであり、上記起動通知パターン及び始動通知パターンとは、音と光との少なくとも一方の要素が異なることが好ましい。また、動作通知パターンは、上記複数種類の動作モードのそれぞれに対応し、音と光との少なくとも一方の要素が互いに異なる複数の混合パターンを含む。このため、動作通知パターンの変化により、ジェットボート10の乗船者等に対して、ジェットボート10の動作状態が変化することを視覚的かつ聴覚的に伝えることができる。
【0040】
次に、コントローラ240は、ディスプレイ装置230に対する終了操作がされたか否かを判断する(S160)。例えばエンジンスイッチW3がオフされ、システム起動スイッチW2がオフされると(S160:YES)、コントローラ240は、ディスプレイ装置230を停止させる前に、オーディオシステムSとライトシステムLとタッチパネル244とを、終了通知パターンで動作させて(S170)、本ユーザ通知処理を終了する。終了通知パターンは、音と光とを組み合わせた混合パターンであり、上記起動通知パターン、始動通知パターンおよび動作通知パターンとは、音と光との少なくとも一方の要素が異なることが好ましい。このため、終了通知パターンにより、ジェットボート10の乗船者等に対して、ジェット推進機100が停止状態に変化したことを視覚的かつ聴覚的に伝えることができる。一方、システム起動スイッチW2がオフされないと(S160:NO)、コントローラ240は、S140の処理に戻る。
【0041】
S120で始動操作がされない場合(S120:NO)またはS140で動作モードが変更されない場合(S140:NO)、コントローラ240は、乗船通知機能が有効か否かを判断する(S180)。乗船通知機能は、ジェットボート10における乗船者の状態を通知するための機能である。なお、この乗船通知機能の有効/無効の切り替えは、例えば操縦装置222での操作により行うことができる。乗船通知機能が有効である場合(S180:YES)、コントローラ240は、人感センサ256の検知結果に基づき、ジェットボート10における乗船者の状態を検知し、オーディオシステムSとライトシステムLとタッチパネル244とを、検知された乗船者の状態に応じた乗船通知パターンで動作させ(S190)、S160に進む。
【0042】
乗船通知パターンは、音と光とを組み合わせた混合パターンである。乗船通知パターンは、例えば、デッキ210のうち、乗船者が検知されたデッキに配置されたライトおよびスピーカのみを動作させるパターンでもよい。これにより、乗船者がいないデッキで混合パターンが無意味に実行されることを抑制できる。また、乗船通知パターンは、例えば、検知された乗船者数に応じて、音と光との少なくとも一方が異なるパターンなどである。例えば、デッキごとに、当該デッキにいる乗船者数に応じた混合パターンを実行させることにより、デッキごとの乗船者数の変動を視覚的かつ聴覚的に伝えることができる。
【0043】
乗船通知機能が無効である場合(S180:NO)、コントローラ240は、異常通知機能が有効か否かを判断する(S200)。異常通知機能は、ジェットボート10に発生した異常を通知するための機能である。なお、この異常通知機能の有効/無効の切り替えは、例えば操縦装置222での操作により行うことができる。異常通知機能が有効である場合(S200:YES)、コントローラ240は、異常検知装置258の検知結果に基づき、ジェットボート10における異常の状態(異常の発生場所、発生原因、異常の種類、異常の度合いなど)を検知し、オーディオシステムSとライトシステムLとタッチパネル244とを、検知された異常の状態に応じた異常通知パターンで動作させ(S210)、S160に進む。なお、ここでいう異常の例として、以下のものを挙げることができる。
(1)エンジン異常
(2)オイル圧異常
(3)バッテリ異常
(4)通信異常
(5)エンジン温度異常
(6)燃料残量異常
(7)水深異常
【0044】
異常通知パターンは、音と光とを組み合わせた混合パターンである。異常通知パターンは、例えば検知された異常の状態の相違に応じて、音と光との少なくとも一方の要素が互いに異なる複数の混合パターンを含む。これにより、異常通知パターンにより、乗船者に対して、ジェットボート10で発生した異常の種類や度合(緊急度や優先度)い等を視覚的かつ聴覚的に伝えることができる。異常通知パターンは、例えば異常の発生場所(例えばジェット推進機100の近傍)に近いライトやスピーカだけを動作させるパターンでもよい。これにより、乗船者に対して、異常の発生場所を視覚的かつ聴覚的に伝えることができる。また、異常通知パターンは、異常の度合いに応じて、ライトの点灯周期とライトの輝度と発光色とスピーカの発音周期とスピーカの音の高低との少なくとも1つを異ならせるパターンでもよい。これにより、乗船者に対して、異常の度合いを視覚的かつ聴覚的に伝えることができる。
【0045】
異常通知機能が無効である場合(S200:NO)、コントローラ240は、水深通知機能が有効か否かを判断する(S220)。水深通知機能は、ジェットボート10の直下の水深の程度を通知するための機能である。なお、この水深通知機能の有効/無効の切り替えは、例えば操縦装置222での操作により行うことができる。水深通知機能が有効である場合(S220:YES)、コントローラ240は、水深測定器254の検知結果に基づき、ジェットボート10の直下の水深を検知し、オーディオシステムSとライトシステムLとタッチパネル244とを、検知された水深の程度に応じた水深通知パターンで動作させ(S220)、S160に進む。
【0046】
水深通知パターンは、音と光とを組み合わせた混合パターンである。水深通知パターンは、例えば検知された水深の程度に応じて、音と光との少なくとも一方の要素が互いに異なる複数の混合パターンを含む。これにより、水深通知パターンにより、乗船者やジェットボート10の周囲の水面などで遊んでいる人などに対して、ジェットボート10の直下の水深の程度を視覚的かつ聴覚的に伝えることができる。水深通知パターンは、例えば水深が深いほど、ライトの発光色やスピーカの音の高低を変えるパターンでもよい。なお、水深通知機能が無効である場合(S220:NO)、S230の処理を行うことなく、S160に進む。
【0047】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0048】
上記実施形態におけるジェットボート10およびディスプレイ装置230の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、ディスプレイ装置230がユーザ通知処理を実行する構成であったが、表示機能を備えず、かつ、コントローラ240および記憶装置242を少なくとも備える制御装置がユーザ通知処理を実行する構成でもよい。ディスプレイ装置230は、タッチパネル方式に限らず、表示画面と操作キー等とが別々に設けられた構成でもよい。また、上記実施形態では、受付装置252がコントローラ240とは別に備えられた構成であったが、コントローラ240が、受付装置252の受付機能(イモビライザー、DCM等)を有する構成でもよい。
【0049】
上記実施形態では、船舶として、ジェット推進機100を備えるジェットボート10を例示したが、これに限らず、例えば水ジェット推進艇、船内機、船内外機や船外機を備える船舶などでもよい。また、上記実施形態では、ジェットボート10は、タワー234を備える構成であったが、例えばトップ(屋根)などの他の構造体を備え、その構造体に発音装置や発光装置が設けられた構成でもよい。
【0050】
上記実施形態では、発音装置として、6つのスピーカを有するオーディオシステムSを例示したが、1つまたは複数(6つ以外)のスピーカを備える装置でもよい。また、上記実施形態において、スピーカがタワー234に配置された構成でもよい。なお、本明細書において、発光装置には、航海灯は含まれないものとする。
【0051】
上記実施形態では、発光装置として、5つのライトを有するライトシステムLを例示したが、1つまたは複数(5つ以外)のライトを備える装置でもよい。また、上記実施形態において、ライトが船体200の縁部の外側に配置され、ライトから光をジェットボート10の外側から視認可能な構成でもよい。
【0052】
上記実施形態において、各混合パターンは、発音装置による発音動作の終了後に発光装置による発光動作が継続するパターンでもよい。例えば動作通知パターンは、オーディオシステムSによる発音動作とライトシステムLによる発光動作とを同時に開始し、その後、オーディオシステムSによる発音動作の終了後に、ライトシステムLによる発光動作を継続するパターンでもよい。これにより、特に同乗者に対して、ジェットボート10の動作状態の開始を視覚的かつ聴覚的に伝えつつ、その動作状態の継続を視覚的に伝えることができる。
【0053】
各混合パターンは、発光装置による発光動作の終了後に発音装置による発音動作が継続するパターンでもよい。例えば動作通知パターンは、オーディオシステムSによる発音動作とライトシステムLによる発光動作とを同時に開始し、その後、ライトシステムLによる発光動作の終了後に、オーディオシステムSによる発音動作を継続するパターンでもよい。これにより、特に同乗者に対して、ジェットボート10の動作状態の開始を視覚的かつ聴覚的に伝えつつ、その動作状態の継続を聴覚的に伝えることができる。
【0054】
上記実施形態において、コントローラ240は、当該ジェットボート10の盗難が予測された場合に、オーディオシステムSとライトシステムLとタッチパネル244とを、盗難通知パターンで動作させてもよい。これにより、例えば停泊中のジェットボート10の周囲に対して、ジェットボート10が盗難されるおそれがあることを視覚的かつ聴覚的に伝えることができる。コントローラ240は、例えば、ジェットボート10の所有者(オーナキー)が近くにあるか否かを判断する。そして、コントローラ240は、所有者がジェットボート10の近くにおらず、かつ、ジャイロセンサ246の検知結果に基づき所定レベル以上の揺れがあると判断した場合、所有者不在時に不審者がジェットボート10に乗船したとして、ジェットボート10の盗難の可能性が高いと判断する。このとき、コントローラ240およびジャイロセンサ246は、特許請求の範囲における盗難予測装置の一例である。
【0055】
上記実施形態のユーザ通知処理(
図5)において、動作モードに基づく動作通知パターンの実行処理(S140,S150)と、乗船通知機能に基づく乗船通知パターンの実行処理(S180,S190)と、異常通知機能に基づく異常通知パターンの実行処理(S200,210)と、水深通知機能に基づく水深通知パターンの実行処理(S220,S230)とのうち、少なくとも1つの実行処理を実行しなくてもよい。例えば、S120で始動操作がされない場合(S120:NO)またはS140で動作モードが変更されない場合(S140:NO)、コントローラ240は、乗船通知機能に基づく乗船通知パターンの実行処理を実行せずに、S200に進んでもよい。また、S120で始動操作がされない場合(S120:NO)またはS140で動作モードが変更されない場合(S140:NO)、コントローラ240は、乗船通知機能に基づく乗船通知パターンの実行処理と異常通知機能に基づく異常通知パターンの実行処理と水深通知機能に基づく水深通知パターンの実行処理とを、順序に関係なく、並行して実行してもよい。また、コントローラ240は、動作モードに基づく動作通知パターンの実行処理と乗船通知機能に基づく乗船通知パターンの実行処理と異常通知機能に基づく異常通知パターンの実行処理と水深通知機能に基づく水深通知パターンの実行処理との少なくとも1つを、始動操作の判断(S120)の前に実行してもよい。
【0056】
混合パターンの音は、複数の音からユーザが選択してもよい。例えば、記憶装置242に予め複数の音(メロディを含む)が記憶されており、コントローラ240は、操縦装置222の操作により複数の音から任意の音をユーザに選択させ、その選択された音で発音装置を動作させつつ、その音(音調やメロディ等)に応じた発光パターンで発光装置を動作させてもよい。また、コントローラ240は、音データを、インターフェース250を介して、外部サーバからダウンロードしてもよい。例えばユーザは、自分の好みの音(曲)をダウンロードすることにより、自分の選択した音で発音装置を動作させつつ、その音に応じた発光パターンで発光装置を動作させることができる。なお、コントローラ240は、音に応じた発光パターンを、AI(人工知能)を用いて自動生成する構成でもよい。
【符号の説明】
【0057】
10:ジェットボート 100:ジェット推進機 102:エンジン 104:ジェット推進ユニット 106:インテークゲート 200:船体 210:デッキ 210A:バウデッキ 210B:コックピット 210C:スターンデッキ 220:操縦席 222:操縦装置 224:助手席 226:ステアリングホイール 228:レバー操作部 230:ディスプレイ装置 232:後部座席 234:タワー 234A:支持部分 234B:連結部分 240:コントローラ 242:記憶装置 244:タッチパネル 246:ジャイロセンサ 248:GPSセンサ 250:インターフェース 252:受付装置 254:水深測定器 256:人感センサ 258:異常検知装置 B:バッテリ CPU:マルチコア L:ライトシステム LA:バウライト LB:コックピットライト LC:スターンライト P:アンプ S:オーディオシステム SA:バウスピーカ SB:コックピットスピーカ SC:スターンスピーカ W1:バッテリスイッチ W2:システム起動スイッチ W3:エンジンスイッチ