(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092164
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】弾性波デバイス
(51)【国際特許分類】
H03H 9/145 20060101AFI20240701BHJP
H03H 9/25 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H03H9/145 D
H03H9/25 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207908
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】518453730
【氏名又は名称】三安ジャパンテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信彦
(72)【発明者】
【氏名】小坂 直弘
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩
【テーマコード(参考)】
5J097
【Fターム(参考)】
5J097AA14
5J097DD21
5J097DD29
5J097EE08
5J097FF04
5J097FF05
5J097JJ04
5J097JJ06
5J097JJ09
5J097KK10
(57)【要約】
【課題】弾性波デバイスにインターデジタルキャパシタを、より適切且つ合理的に備えさせる。
【解決手段】デバイスチップ2における共振器5の形成領域外の領域に形成された少なくとも一つのインターデジタルキャパシタ6と、共振器5の形成領域外の領域に形成されて共振器5及びインターデジタルキャパシタ6に電気的に接続された配線7とを備えてなる弾性波デバイス1である。インターデジタルキャパシタ6は、デバイスチップ2に形成させた櫛歯状電極6aとこの櫛歯状電極6aを含むインターデジタルキャパシタ6の形成領域を覆う絶縁層6dとからなる。絶縁層6d上に少なくとも一部を位置させるように形成された金属層8を備えている。共振器5及びインターデジタルキャパシタ6を構成する櫛歯状電極6aをデバイスチップ2第一金属膜9から構成させると共に、金属層8を、第一金属膜9及び絶縁層6dの形成後に形成された第二金属膜10から構成させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスチップと、
前記デバイスチップの一面に形成されたIDT電極を含む少なくとも一つの共振器と、
前記デバイスチップの前記一面における前記共振器の形成領域外の領域に形成された少なくとも一つのインターデジタルキャパシタと、
前記デバイスチップの前記一面における前記共振器の形成領域外の領域に形成されて前記共振器及び前記インターデジタルキャパシタに電気的に接続された配線とを備えてなる弾性波デバイスであって、
前記インターデジタルキャパシタは、前記デバイスチップの一面に形成させた櫛歯状電極とこの櫛歯状電極を含む前記インターデジタルキャパシタの形成領域を覆う絶縁層とからなると共に、
前記絶縁層上に少なくとも一部を位置させるように形成された金属層とを備えており、
前記共振器及び前記インターデジタルキャパシタを構成する前記櫛歯状電極を前記デバイスチップの前記一面に同時に形成された第一金属膜から構成させると共に、
前記金属層を、前記第一金属膜及び前記絶縁層の形成後に形成された第二金属膜から構成させてなる、弾性波デバイス。
【請求項2】
前記絶縁層の一部を、前記インターデジタルキャパシタを構成する前記櫛歯状電極の電極指間に充填させて、前記インターデジタルキャパシタの誘電体層として機能するようにしてなる、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記配線の少なくとも一部を、前記第二金属膜から形成させなる、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記金属層を、前記共振器及びインターデジタルキャパシタ側とグランドとの間に位置される前記配線の一部としてなる、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記デバイスチップに対向配置されたパッケージ基板と、前記パッケージ基板と共働して前記デバイスチップを気密封止する封止樹脂とを備えると共に、
前記封止樹脂を、その一部が前記金属層に接触させるように、形成させてなる、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、モバイル通信機器などにおいて周波数フィルタなどとして使用するのに適した弾性波デバイスの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信機器などにおいて周波数フィルタなどとして使用される弾性波デバイスとして、特許文献1に示されるものがある。
特許文献1のものでは、デバイスチップの一面上に形成された付加共振子を絶縁層で覆う構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019-107280号(段落番号0093参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の弾性波デバイスにインターデジタルキャパシタを、より適切且つ合理的に備えさせるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、弾性波デバイスを、デバイスチップと、
前記デバイスチップの一面に形成されたIDT電極を含む少なくとも一つの共振器と、
前記デバイスチップの前記一面における前記共振器の形成領域外の領域に形成された少なくとも一つのインターデジタルキャパシタと、
前記デバイスチップの前記一面における前記共振器の形成領域外の領域に形成されて前記共振器及び前記インターデジタルキャパシタに電気的に接続された配線とを備えてなる弾性波デバイスであって、
前記インターデジタルキャパシタは、前記デバイスチップの一面に形成させた櫛歯状電極とこの櫛歯状電極を含む前記インターデジタルキャパシタの形成領域を覆う絶縁層とからなると共に、
前記絶縁層上に少なくとも一部を位置させるように形成された金属層とを備えており、
前記共振器及び前記インターデジタルキャパシタを構成する前記櫛歯状電極を前記デバイスチップの前記一面に同時に形成された第一金属膜から構成させると共に、
前記金属層を、前記第一金属膜及び前記絶縁層の形成後に形成された第二金属膜から構成させてなる、ものとした。
【0006】
前記絶縁層の一部を、前記インターデジタルキャパシタを構成する前記櫛歯状電極の電極指間に充填させて、前記インターデジタルキャパシタの誘電体層として機能させるようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0007】
また、前記配線の少なくとも一部を、前記第二金属膜から形成させるようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0008】
また、前記金属層を、前記共振器及びインターデジタルキャパシタ側とグランドとの間に位置される前記配線の一部とすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0009】
また、前記デバイスチップに対向配置されたパッケージ基板と、前記パッケージ基板と共働して前記デバイスチップを気密封止する封止樹脂とを備えると共に、
前記封止樹脂を、その一部が前記金属層に接触させるように、形成させるようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【発明の効果】
【0010】
この発明にあっては、インターデジタルキャパシタを構成する絶縁層は金属層で覆われており、インターデジタルキャパシタの形成領域では、櫛歯状電極と絶縁層と金属層の三層構造となっている。これにより、インターデジタルキャパシタの形成領域での弾性波の抑制は強固となる。
また、前記三層構造となった箇所では、金属層によってインターデジタルキャパシタの容量増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、この発明の一実施の形態にかかる弾性波デバイスを構成するデバイスチップの平面構成図である。
【
図3】
図3は、前記弾性波デバイスの要部断面構成図であり、
図2におけるA-A線相当位置で前記弾性波デバイスを断面にして示している。
【
図4】
図4は、前記弾性波デバイスの要部断面構成図であり、
図2におけるB-B線相当位置で前記弾性波デバイスを断面にして示している。
【
図5】
図5は、前記弾性波デバイスの要部断面構成図であり、
図2におけるC-C線相当位置で前記弾性波デバイスを断面にして示している。
【
図6】
図6は、前記弾性波デバイスの一部の回路を示した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、
図1~
図6に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかる弾性波デバイス1は、モバイル通信機器などにおいて周波数フィルタなどとして使用するのに適したものである。
【0013】
かかる弾性波デバイス1は、デバイスチップ2をバンプ4を介してパッケージ基板3に実装させてなる。
【0014】
デバイスチップ2の一面2a上には、少なくとも一つの共振器5と、少なくとも一つのインターデジタルキャパシタ6と、配線7と、金属層8とが形成されている。
インターデジタルキャパシタ6は、前記デバイスチップ2の前記一面2aにおける前記共振器5の形成領域外の領域に形成される。
配線7は、前記デバイスチップ2の前記一面2aにおける前記共振器5の形成領域外の領域に形成されて前記共振器5及び前記インターデジタルキャパシタ6に電気的に接続される。
金属層8は、少なくともその一部を、インターデジタルキャパシタ6を構成する絶縁層6d上に位置させるように形成される。
【0015】
典型的には、前記デバイスチップ2は、一辺を0.5ないし1mmとし、厚さを0.15ないし0.2mmとする四角形の板状をなすように構成される。また、前記パッケージ基板3は、一辺を0.7ないし3mmとし、厚さを0.15ないし0.2mmとする四角形の板状をなすように構成される。弾性波デバイス1は厚さを0.4ないし0.6mm程度とする。
【0016】
図1および
図2に前記デバイスチップ2の一例の要部構成を示す。
図1ではデバイスチップ2の右上隅に形成された二つの共振器5と一つのインターデジタルキャパシタ6を覆う金属層8のみを実線で表し、その他の構成は省略している。
【0017】
その断面構造の要部を
図3ないし
図5に示す。符号2bはデバイスチップ2の前記一面2aに対向する他面、符号3はパッケージ基板、符号3aは前記一面2aに向き合うパッケージ基板3の基板面、符号5は共振器、符号6はインターデジタルキャパシタ、符号4は金などの導電性金属からなるバンプである。
デバイスチップ2とパッケージ基板3とはデバイスチップ2側の配線7に接続されたバンプパッド2cとパッケージ基板3側の配線(図示は省略する。)に接続されたバンプパッド3bとの間に介在されて両バンプパッド2c、3bにそれぞれ固着されたる前記バンプ4によって電気的に接続されている。
前記バンプパッド2c、3bとバンプ4はなじみの良い金属同士、典型的には金やアルミニウムから構成されて接合される。
パッケージ基板3における前記デバイスチップ2の実装側の基板面2aと反対の外面(図示は省略する。)には弾性波デバイス1を図示しないマザーボードなどに接続するための図示しない外部接続端子が形成される。
【0018】
デバイスチップ2は、弾性波を伝搬させる機能を持つ。デバイスチップ2には、典型的には、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの圧電体が用いられる。また、デバイスチップ2は、これら圧電体を、サファイア、シリコン、アルミナ、スピネル、水晶またはガラスなどの支持体に積層させて、構成される場合もある。
【0019】
デバイスチップ2の一面2aには、導電性金属膜(後述の第一金属膜9に相当する。)からなる前記共振器5が形成されている。共振器5は典型的にはデバイスチップ2上に複数個形成される。
共振器5を構成する導電性金属膜の厚さ、つまり、後述の第一金属膜9の厚さL1(
図3参照)、すなわち、デバイスチップ2の一面2aに直交する向きでの後述の第一金属膜9の厚さL1は、典型的には、0.1ないし0.2μmの範囲とされる。
かかる導電性金属膜は、典型的には、フォトリソグラフィ技術により形成される。
【0020】
図示の例では、共振器5はIDT電極5aと、IDT電極5aを挟むようにして形成される反射器5dとを有する。IDT電極5aは、電極対からなり、各電極対は弾性波の伝搬方向xに長さ方向を交叉させるように平行配列された複数の電極指5b同士をこれらの一端側においてバスバー5cで接続させてなる。反射器5dは、弾性波の伝搬方向xに長さ方向を交叉させるように平行配列された複数の電極指5eの端部間をバスバー5fで接続させてなる。
【0021】
インターデジタルキャパシタ6は、デバイスチップ2の一面2aに、導電性金属膜(後述の第一金属膜9に相当する。)によって形成された櫛歯状電極6aを、絶縁層6dで覆ってなる。
インターデジタルキャパシタ6を構成する導電性金属膜は共振器5を構成する導電性金属膜と同時に形成される。
インターデジタルキャパシタ6を構成する櫛歯状電極6aも、電極対からなり、各電極対はそれぞれ平行配列された複数の電極指6b同士をこれらの一端側においてバスバー6cで接続させてなる。
インターデジタルキャパシタ6を構成する絶縁層6dは、絶縁性を備えた合成樹脂から構成され、その一部を前記櫛歯状電極6aの電極指6b間に充填させて、前記インターデジタルキャパシタ6の誘電体層として機能するようになっている。
絶縁層6dは櫛歯状電極6aの形成領域の全体を覆うように形成されている。
【0022】
図6に
図1ないし
図5に示される2つの共振器5と1つのインターデジタルキャパシタ6とよってデバイスチップ2上に備えられる回路11の概念を示す。
【0023】
また、デバイスチップ2の一面2aには、前記共振器5と前記インターデジタルキャパシタ6とに接続された配線7が形成されている。この配線7も導電性金属膜(後述の第二金属膜10に相当する。)から形成されている。
かかる配線7も、典型的には、フォトリソグラフィ技術により形成される。
図示の例では、配線7の一部がバンプパッド2cとなっている。
【0024】
デバイスチップ2とパッケージ基板3とは、共振器5の形成領域にバンプ4及びバンプパッド2c、3b分のギャップ12(隙間)を形成させた状態で、バンプ4によって接続されている。これにより、弾性波デハイス1への信号印加時に共振器5の弾性波を抑制しないようになっている。
このようにデバイスチップ2にパッケージ基板3を対向配置した状態から封止樹脂層13を形成することで、前記パッケージ基板3と共働して前記デバイスチップ2を気密封止している。前記封止樹脂層13は、デバイスチップ2の他面2bと、デバイスチップ2の厚さ方向に沿った側面2dとを覆うと共に、デバイスチップ2の外縁側においてデバイスチップ2とパッケージ基板3との間に入り込んでデバイスチップ2の全周に亘って前記ギャップ12を気密封止する(
図2ないし
図5参照)。
【0025】
インターデジタルキャパシタ6は、絶縁層6dの一部をインターデジタルキャパシタ6を構成する櫛歯状電極6aの電極指6b間に充填させてなることから、インターデジタルキャパシタ6の形成箇所では弾性波は抑制される。この実施の形態にあっては、インターデジタルキャパシタ6を構成する絶縁層6dは金属層8で覆われており、インターデジタルキャパシタ6の形成領域では、櫛歯状電極6aと絶縁層6dと金属層8の三層構造(あるいは三重構造)となっている(
図4、
図5)。これにより、インターデジタルキャパシタ6の形成領域での弾性波の抑制は強固となる。図示の例では、共振器5の電極指5bの長さ方向y1(
図2参照)に対しインターデジタルキャパシタ6の電極指5eの長さ方向y2(
図2参照)が直交するようにしてあるが、前記三層構造により弾性波の抑制は強固となることから、共振器5の電極指5bの長さ方向y1に対しインターデジタルキャパシタ6の電極指6bの長さ方向y2が平行となるようにインターデジタルキャパシタ6を形成させても支障はない。
【0026】
また、この実施の形態にあっては、前記共振器5及び前記インターデジタルキャパシタ6を構成する前記櫛歯状電極6aを前記デバイスチップ2の前記一面2aに同時に形成された第一金属膜9(下層金属膜)から構成させると共に、
前記金属層8を、前記第一金属膜9及び前記絶縁層6dの形成後に形成された第二金属膜10(上層金属膜)から構成させている。
【0027】
図示の例では、第一金属膜9の厚さL1よりも第二金属膜10の厚さL2(
図3参照)が大きくなるようにしてある。
【0028】
また、前記配線7の少なくとも一部を、前記第二金属膜10から形成させなる。
図1ないし
図5に示される範囲では、前記配線7の全体を第二金属膜10から形成させている。
【0029】
具体的には、デバイスチップ2の一面2aに第一金属膜9を形成させ、次いで、絶縁層6dを形成させ、最後に第二金属膜10を形成させる。デバイスチップ2の一面2a上には第一金属膜9と第二金属膜10の二層構造となった箇所14と、前記三層構造となった箇所15と、第一金属膜9のみが存在する箇所と、第二金属膜10のみが存在する箇所とが作出される。
【0030】
二層構造となった箇所14で共振器5のバスバー5cと配線7、および、インターデジタルキャパシタ6のバスバー6cと配線7とが接続されている(
図4参照)。
【0031】
三層構造となった箇所15では、金属層8によってインターデジタルキャパシタ6の容量増大を図ることができる(
図4、
図5参照)。
また、前記ギャップ12内に入り込んだ前記封止樹脂層13は金属層8によって金属層8には触れても絶縁層6dに触れないように形成させることができ、封止樹脂層13の形成によりインターデジタルキャパシタ6の容量に変化をもたらさないようにすることができる。したがって、インターデジタルキャパシタ6をデバイスチップ2の一面2aの辺(外縁)に近い位置に形成し易くなる。
【0032】
図示の例では、前記金属層8は、前記共振器5及びインターデジタルキャパシタ6側とグランド(GND)との間に位置される前記配線7の一部7aとなっている。グランドに連なる配線の一部7aは抵抗及びインダクタンスを小さくするために幅広、すなわち、前記デバイスチップ2の一面2aに平行となる向きでの寸法を大きくするように形成される。これにより、このようにした場合、前記金属層8をグランドに連なる配線7の一部7aによって都合良く利用可能となる。
【0033】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。
【符号の説明】
【0034】
1 弾性波デバイス
2 デバイスチップ
2a 一面
2b 他面
2c バンプパッド
2d 側面
3 パッケージ基板
3a 基板面
3b バンプパッド
3c 他面
4 バンプ
5 共振器
5a IDT電極
5b 電極指
5c バスバー
5d 反射器
5e 電極指
5f バスバー
6 インターデジタルキャパシタ
6a 櫛歯状電極
6b 電極指
6c バスバー
6d 絶縁層
7 配線
7a 配線の一部
8 金属層
9 第一金属膜
10 第二金属膜
11 回路
12 ギャップ
13 封止樹脂層
14 二層構造となった箇所
15 三層構造となった箇所
L1、L2 厚さ
x 伝搬方向
y1、y2 長さ方向