(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092168
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】引込み装置
(51)【国際特許分類】
E05F 1/16 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
E05F1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207915
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000107572
【氏名又は名称】スガツネ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112140
【弁理士】
【氏名又は名称】塩島 利之
(74)【代理人】
【識別番号】100119297
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 正男
(72)【発明者】
【氏名】飯島 忠
(72)【発明者】
【氏名】河本 拓真
(57)【要約】
【課題】細長い空間に収めるのに適した引込み装置を提供する。
【解決手段】引込み装置は、回転可能で紐状部材2が巻かれるリール3と、ぜんまいばね4c,5cを有するぜんまいユニット4,5と、ぜんまいユニット4,5の回転力をリール3に伝達する伝達手段3c,4b,5bと、を備える。リール3の径はぜんまいユニット4,5の径よりも小さい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能で紐状又は帯状部材が巻かれるリールと、
ぜんまいばねを有するぜんまいユニットと、
前記ぜんまいユニットの回転力を前記リールに伝達する伝達手段と、を備え、
前記リールの径が前記ぜんまいユニットの径よりも小さい引込み装置。
【請求項2】
前記ぜんまいユニットは、第1ぜんまいばねを有する第1ぜんまいユニットと、第2ぜんまいばねを有する第2ぜんまいユニットと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の引込み装置。
【請求項3】
前記第1ぜんまいユニットの第1ギヤが前記リールのギヤに噛み合い、
前記第2ぜんまいユニットの第2ギヤが前記第1ぜんまいユニットの第1ギヤ又は前記リールのギヤに噛み合うことを特徴とする請求項2に記載の引込み装置。
【請求項4】
前記第2ぜんまいユニットの第2ギヤが前記第1ぜんまいユニットの第1ギヤに噛み合い、
前記第1ぜんまいばねの渦の巻き方と前記第2ぜんまいばねの渦の巻き方が逆であることを特徴とする請求項3に記載の引込み装置。
【請求項5】
前記リール、前記第1ぜんまいユニット、前記第2ぜんまいユニットが一方向に配置されることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載の引込み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紐状又は帯状部材を引き込むことにより、引戸等を自動的に閉じたり、バランサ窓等のスライドをアシストしたりする引込み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紐状又は帯状部材を引き込むことにより、引戸等を自動的に閉じる引込み装置(この引込み装置は、クローザ装置とも呼ばれる)が知られている。引込み装置は、回転可能で紐状又は帯状部材が巻かれるドラムと、このドラムに内蔵されるぜんまいばねと、を備える(特許文献1参照)。引込み装置が引戸又は引戸用枠のいずれか一方に取り付けられ、紐状又は帯状部材の先端が引戸又は引戸用枠の他方に取り付けられる。
【0003】
引戸を引いて閉じ位置にある引戸を開くと、紐状又は帯状部材が引っ張られてドラムが回転し、ドラム内のぜんまいばねに復元力が蓄積される。引戸から手を離すと、ぜんまいばねが解放され、ぜんまいばねの元に戻ろうとする力(復元力)によってドラムに回転力が働き、ドラムが紐状又は帯状部材を引き込む。このため、引戸が自動的に閉じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、引戸の吊り戸車が走行する引戸用レールの細長い空間に引込み装置を収めたり、引戸と上枠との細長い空間に引込み装置を収めたりする場合がある。従来の引込み装置においては、ドラムにぜんまいばねが内蔵されると共にドラムに紐状又は帯状部材が巻かれるので、ドラムの半径方向に引込み装置が大型化し易く、上記のような細長い空間に引込み装置を収めにくいという課題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、細長い空間に収めるのに適した引込み装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、回転可能で紐状又は帯状部材が巻かれるリールと、ぜんまいばねを有するぜんまいユニットと、前記ぜんまいユニットの回転力を前記リールに伝達する伝達手段と、を備え、前記リールの径が前記ぜんまいユニットの径よりも小さい引込み装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リールとは別体のぜんまいユニットにぜんまいばねを設け、ぜんまいユニットからリールに回転力を伝達し、リールの径をぜんまいユニットの径よりも小さくするので、細長い空間に収めるのに適した引込み装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態の引込み装置の外観斜視図である。
【
図2】本実施形態の引込み装置の内部構造を示す斜視図である。
【
図4】本実施形態の引込み装置の水平断面図である。
【
図5】本実施形態の引込み装置を引戸のクローザ装置として使用した例(引込み装置を引戸に取り付けた例)を示す図である。
【
図6】本実施形態の引込み装置を引戸のクローザ装置として使用した例(引込み装置を上枠に取り付けた例)を示す図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態の引込み装置の内部構造を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態の引込み装置の内部構造を示す斜視図である。
【
図9】本実施形態の引込み装置をバランサ窓等の上げ下げ部材に適用した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態の引込み装置を説明する。ただし、本発明の引込み装置は、種々の形態で具体化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、明細書の開示を十分にすることによって、当業者が発明を十分に理解できるようにする意図をもって提供されるものである。
(第1実施形態)
【0011】
図1は本発明の第1の実施形態の引込み装置の外観斜視図、
図2は本実施形態の引込み装置の内部構造を示す斜視図、
図3は本実施形態の引込み装置の側面図、
図4は本実施形態の引込み装置の水平断面図である。
【0012】
図2に示すように、引込み装置1は、回転可能で紐状部材としてのワイヤ2が巻かれるリール3と、第1ぜんまいばねを有する第1ぜんまいユニット4と、第2ぜんまいばねを有する第2ぜんまいユニット5と、を備える。リール3、第1ぜんまいユニット4、第2ぜんまいユニット5は、細長い空間に収めるのに適するように、一方向に配置される(例えば直線的に並べられ、又はジグザグ状に並べられる等)。なお、紐状部材としてロープを用いてもよいし、紐状部材の替わりに帯状部材(定荷重ばね等の帯状のばね体等)を用いてもよい。ぜんまいユニット4,5の個数は、1以上であればよく、例えば3つ、4つでもよい。
【0013】
図1に示すように、ケース6は、一方向に細長い直方体状である。ケース6は、ベース6aと、ベース6aに組み合わされるカバー6bと、を備える。ベース6aは、例えば断面L字状である。カバー6bは、例えば断面U字状である。ケース6には、第1ぜんまいユニット4の第1ギヤ4b及び第2ぜんまいユニット5の第2ギヤ5bとの干渉を避けるための逃げ穴7が形成される。なお、この逃げ穴7から第1ギヤ4bと第2ギヤ5bに潤滑剤を塗布してもよい。
【0014】
図2に示すように、リール3は軸11を中心に回転可能である。リール3の径は、第1ぜんまいユニット4と第2ぜんまいユニット5の径よりも小さい。すなわち、リール3のワイヤ2が巻かれる部分の径が第1ぜんまいユニット4と第2ぜんまいユニット5の径(第1ドラム4aと第2ドラム5aの径)よりも小さい。リール3のフランジ3a,3bの径が第1ぜんまいユニット4と第2ぜんまいユニット5の径(第1ドラム4aと第2ドラム5aの径)よりも小さいのが望ましい。軸11は、ベース6aに固定される。軸11は、垂直方向を向く。リール3は、軸11に回転可能に支持される。なお、リール3と共に軸11が回転するようにしてもよい。
【0015】
リール3の軸方向の両端部には、フランジ3a,3bが形成される。ワイヤ2は、リール3の一対のフランジ3a,3b間の中央部に巻かれる。リール3には、ワイヤ2の一端が固定される。ワイヤ2の他端は、ケース6の開口6a1から外部に引き出される。開口6a1は、リール3の軸方向に細長い長穴である。リール3には、ぜんまいばねは設けられていない。リール3のフランジ3bには、ギヤ3cが固定される。ギヤ3cは、リール3と共に回転可能である。ギヤ3cの直径は第1ギヤ4bと第2ギヤ5bの直径よりも小さく、ギヤ3cの歯数は第1ギヤ4bと第2ギヤ5bの歯数よりも少ない。なお、ギヤ3cの直径を第1ギヤ4bと第2ギヤ5bの直径以上にし、ギヤ3cの歯数を第1ギヤ4bと第2ギヤ5bの歯数以上にしてもよい。
【0016】
第1ぜんまいユニット4の第1ドラム4aは、第1軸12を中心に回転可能である。第1軸12は、垂直方向を向く。第1軸12の一端部12a(
図3参照)は、ベース6aに固定される。第1軸12の他端部12b(
図3参照)は、カバー6bに固定される。
【0017】
図4に示すように、第1ぜんまいユニット4は、第1ドラム4aと、第1ドラム4aに内蔵される渦巻状の第1ぜんまいばね4cと、を備える。第1ぜんまいばね4cの中心側の端部は、第1軸12に固定される。第1ぜんまいばね4cの外側の端部は、第1ドラム4aに固定される。第1ドラム4aは、第1ぜんまいばね4cによって反時計方向に付勢される。第1ドラム4aには、第1ギヤ4bが固定される。第1ギヤ4bは、リール3のギヤ3cに噛み合う。
【0018】
図2に示すように、第2ぜんまいユニット5の第2ドラム5aは、第2軸13を中心に回転可能である。第2軸13は、垂直方向を向く。第2軸13の一端部13a(
図3参照)は、ベース6a固定される。第2軸13の他端部13b(
図3参照)は、カバー6bに固定される。
【0019】
図4に示すように、第2ぜんまいユニット5は、第2ドラム5aと、第2ドラム5aに内蔵される渦巻状の第2ぜんまいばね5cと、を備える。第1ぜんまいばね4cの渦の巻き方と第2ぜんまいばね5cの渦の巻き方は、逆である。すなわち、第1ぜんまいばね4cは、上から見て、中心から外側に向かう際、時計回りに見える。第2ぜんまいばね5cは、上から見て、中心から外側に向かう際、反時計回りに見える。
【0020】
第2ぜんまいばね5cの中心側の端部は、第2軸13に固定される。第2ぜんまいばね5cの外側の端部は、第2ドラム5aに固定される。渦の巻き方が逆であるので、第2ドラム5aは、第1ドラム4aとは逆方向に付勢される。第2ドラム5aには、第2ギヤ5bが固定される。
【0021】
第2ギヤ5bは、第1ぜんまいユニット4の第1ギヤ4bに噛み合う。第1ギヤ4bと第2ギヤ5bの歯数は等しい。リール3のギヤ3c、第1ぜんまいユニット4の第1ギヤ4b、第2ぜんまいユニット5の第2ギヤ5bは、第1ぜんまいユニット4及び第2ぜんまいユニット5の回転力をリール3に伝達する伝達手段を構成する。
【0022】
図5に示すように、本実施形態の引込み装置1は、引戸のクローザ装置として使用される。上枠21aの下面には、引戸用のレール22が取り付けられる。引戸23には、レール22内を走行する戸先側の吊ローラ24と戸尻側の吊ローラ25が取り付けられる。引戸23は、レール22にスライド可能に吊り下げられる。引込み装置1は、戸先側の吊ローラ24に取り付けられて、レール22内に収められる。引込み装置1は、引戸23と共にレール22内を直線的に移動する。ワイヤ2の先端は、縦枠21bに取り付けられる。なお、レール22が円弧状に湾曲していて、引込み装置1がレール22内を曲線的に移動してもよい。
【0023】
図6に示すように、本実施形態の引込み装置1を上枠21aの下面に取り付け、ワイヤ2を戸先側の吊ローラ24に取り付けてもよい。
以下に本実施形態の引込み装置の作用、効果を説明する。
【0024】
引戸23を引いて閉じ位置にある引戸23を開くと、引込み装置1からワイヤ2が引き出される。ワイヤ2が引き出されると、ワイヤ2に引っ張られてリール3が反時計方向に回転する。リール3が反時計方向に回転すると、互いに噛み合うギヤ3cと第1ギヤ4bによって第1ドラム4aが時計方向に回転し、互いに噛み合う第1ギヤ4bと第2ギヤ5bによって第2ドラム5aが反時計方向に回転する。これにより、第1ドラム4a内の第1ぜんまいばね4cと第2ドラム5a内の第2ぜんまいばね5cに復元力が蓄積される。
【0025】
引戸23から手を離すと、第1ぜんまいばね4cと第2ぜんまいばね5cが解放され、第1ぜんまいばね4cが元に戻ろうとする力によって第1ドラム4aに反時計方向の回転力が働き、第2ぜんまいばね5cが元に戻ろうとする力によって第2ドラム5aに時計方向の回転力が働く。第1ドラム4aの回転力と第2ドラム5aの回転力は合算されて、リール3に伝わり、リール3が時計方向に回転する。リール3が時計方向に回転すると、ワイヤ2が引き込まれて、引戸23が自動的に閉じる。
【0026】
本実施形態の引込み装置1によれば、リール3とは別体の第1ぜんまいユニット4に第1ぜんまいばね4cを設け、リール3とは別体の第2ぜんまいユニット5に第2ぜんまいばね5cを設け、第1ぜんまいユニット4と第2ぜんまいユニット5からリール3に回転力を伝達し、リール3の径を第1ぜんまいユニット4と第2ぜんまいユニット5の径よりも小さくするので、細長い空間に収めるのに適した引込み装置1が得られる。
【0027】
少なくとも2つのぜんまいユニット(第1ぜんまいユニット4と第2ぜんまいユニット5)を設けるので、リール3がワイヤ2を引き込む力を大きくすることができ、比較的重い引戸23でも自動的に閉じることができる。
【0028】
第1ぜんまいユニット4の第1ギヤ4bがリール3のギヤ3cに噛み合い、第2ぜんまいユニット5の第2ギヤ5bが第1ぜんまいユニット4の第1ギヤ4bに噛み合うので、アイドリングギヤを設ける必要がなくなり、引込み装置1をレール22の長さ方向にコンパクトにすることができる。
【0029】
第1ぜんまいばね4cの渦の巻き方と第2ぜんまいばね5cの渦の巻き方が逆なので、第1ぜんまいユニット4の回転力と第2ぜんまいユニット5の回転力を合算して、リール3に伝達し易い。
【0030】
リール3のギヤ3cの歯数が第1ぜんまいユニット4の第1ギヤ4b及び第2ぜんまいユニット5の第2ギヤ5bの歯数よりも少ないので、第1ドラム4aと第2ドラム5aの回転数を小さくすることができる。
【0031】
リール3、第1ぜんまいユニット4、第2ぜんまいユニット5が一方向に配置されるので、引込み装置1を幅方向にも高さ方向にもコンパクトにすることができる。
(第2実施形態)
【0032】
図7は、本発明の第2の実施形態の引込み装置31の内部構造を示す斜視図である。6aはベース、32はリール、33は第1ぜんまいユニット、34は第2ぜんまいユニットである。
【0033】
第1実施形態の引込み装置1では、リール3の回転と共に、第1ぜんまいユニット4の第1ドラム4aと第2ぜんまいユニット5の第2ドラム5aが回転する。これに対して、第2実施形態の引込み装置31では、リール32の回転と共に、第1ぜんまいユニット33の第1軸35と第2ぜんまいユニット34の第2軸36が回転する。
【0034】
ベース6aには、リール32が軸37を中心に回転可能に支持される。軸37はベース6aに固定されてもよいし、リール32と共に回転してもよい。リール32には、ギヤ32cが固定される。
【0035】
第1ぜんまいユニット33は、ベース6aに固定される箱状の本体33aと、本体33aに内蔵される第1ぜんまいばね(図示せず)と、本体33aに対して回転可能な第1軸35と、を備える。第1軸35には、第1ギヤ33bが固定される。第1ぜんまいばねの中心側の端部は、第1軸35に固定される。第1ぜんまいばねの外側の端部は、本体33aに固定される。
【0036】
第2ぜんまいユニット34は、ベース6aに固定される箱状の本体34aと、本体34aに内蔵される第2ぜんまいばね(図示せず)と、本体34aに対して回転可能な第2軸36と、を備える。第2軸36には、第2ギヤ34bが固定される。第2ぜんまいばねの中心側の端部は、第2軸36に固定される。第2ぜんまいばねの外側の端部は、本体34aに固定される。第1ぜんまいばねの巻き方と第2ぜんまいばねの巻き方は逆である。
【0037】
リール32の径は、第1ぜんまいユニット33と第2ぜんまいユニット34の径よりも小さい。すなわち、リール32のワイヤ2が巻かれる部分の径が第1ぜんまいユニット33と第2ぜんまいユニット34の径(本体33aと本体34aの一辺の長さ)よりも小さい。リール32のフランジの径が第1ぜんまいユニット33と第2ぜんまいユニット34の径(本体33aと本体34aの一辺の長さ)よりも小さいのが望ましい。
【0038】
第2実施形態の引込み装置31においても、第1実施形態の引込み装置1と略同様な作用、効果を奏する。
(第3実施形態)
【0039】
図8は、本発明の第3の実施形態の引込み装置51の内部構造を示す斜視図である。6aはベース、52はリール、33は第1ぜんまいユニット、34は第2ぜんまいユニットである。
【0040】
第3実施形態の引込み装置51では、第2実施形態の引込み装置31と同様に、リール52の回転と共に、第1ぜんまいユニット33の第1軸35と第2ぜんまいユニット34の第2軸36が回転する。
【0041】
第1ぜんまいユニット33と第2ぜんまいユニット34の構成は、第1ぜんまいばねの巻き方と第2ぜんまいばねの巻き方が同じである点を除いて、第2実施形態の引込み装置31と同一であるので、同一の符号を附してその説明を省略する。
【0042】
リール52は、第1ぜんまいユニット33と第2ぜんまいユニット34の間に配置される。リール52のギヤ52aは、第1ぜんまいユニット33の第1ギヤ33bに噛み合うと共に、第2ぜんまいユニット34の第2ギヤ34bに噛み合う。ギヤ52a、第1ギヤ33b、第2ギヤ34bの歯数は、同一である。ワイヤ2と第1ぜんまいユニット33との干渉を防止するために、リール52は第1ぜんまいユニット33から軸方向にずれて配置される。第2実施形態の引込み装置31と同様に、リール52の径は、第1ぜんまいユニット33と第2ぜんまいユニット34の径よりも小さい。
【0043】
第3実施形態の引込み装置51においても、リール52とは別体の第1ぜんまいユニット33に第1ぜんまいばねを設け、リール52とは別体の第2ぜんまいユニット34に第2ぜんまいばねを設け、第1ぜんまいユニット33と第2ぜんまいユニット34からリール52に回転力を伝達し、リール52の径を第1ぜんまいユニット33と第2ぜんまいユニット34の径よりも小さくするので、細長い空間に収めるのに適した引込み装置51が得られる。ただし、第3実施形態の引込み装置51では、高さ方向の寸法が第1実施形態の引込み装置1よりも高くなる。
【0044】
第1ぜんまいユニット33の第1ギヤ33bがリール52のギヤ52aに噛み合い、第2ぜんまいユニット34の第2ギヤ34bがリール52のギヤ52aに噛み合うので、引込み装置51をレール22の長さ方向にコンパクトにすることができる。
【0045】
第1ぜんまいばねの渦の巻き方と第2ぜんまいばねの渦の巻き方が同じなので、第1ぜんまいユニット33と第2ぜんまいユニット34を組み立て易い。
(本実施形態の引込み装置をバランサ窓等の上げ下げ部材に適用した例)
【0046】
図9は、本実施形態の引込み装置1をバランサ窓等の上げ下げ部材61に適用した例を示す。上下方向に延びるレール62には、上げ下げ部材61が上下方向にスライド可能に支持される。
【0047】
図10に示すように、上げ下げ部材61の背面には、引込み装置1が取り付けられる。引込み装置1は、レール62内に収められていて、上げ下げ部材61と共にレール62内を移動可能である。引込み装置1のワイヤ2は、レール62の上端部に取り付けられる。なお、引込み装置1をレール62に取り付け、ワイヤ2を上げ下げ部材61に取り付けてもよい。
【0048】
上げ下げ部材61を下降させると、引込み装置1のぜんまいばね(第1ぜんまいばね4cと第2ぜんまいばね5c)に元に戻ろうとする力(復元力)が蓄積される。ぜんまいばねに蓄積される力(復元力)を上げ下げ部材61の重量に吊り合うようにすれば、上げ下げ部材61を任意の位置に停止させることができる。もちろん、上げ下げ部材61が自動的に初期高さに戻るようにぜんまいばねの復元力を調整してもよい。
【0049】
なお、本発明は上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲で他の実施形態に具現化可能である。
【0050】
例えば、上記実施形態では、リールのギヤ、第1ぜんまいユニットの第1ギヤ、第2ぜんまいユニットの第2ギヤを噛み合わせているが、これらの間にアイドリングギヤを介在させてもよい。
【0051】
上記実施形態では、リールのギヤ、第1ぜんまいユニットの第1ギヤ、第2ぜんまいユニットの第2ギヤを用いて、第1ぜんまいユニットと第2ぜんまいユニットの回転力をリールに伝達しているが、ベルト等のギヤ以外の伝達手段で伝達してもよい。
【0052】
上記実施形態では、リールの軸、第1ぜんまいユニットの第1軸、第2ぜんまいユニットの第2軸が垂直方向を向いているが、これらが水平方向を向いてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…引込み装置
2…ワイヤ(紐状部材)
3…リール
3c…ギヤ(伝達手段)
4…第1ぜんまいユニット(ぜんまいユニット)
4b…第1ギヤ(伝達手段)
5…第2ぜんまいユニット(ぜんまいユニット)
5b…第2ギヤ(伝達手段)
31…引込み装置
32…リール
32c…ギヤ(伝達手段)
33…第1ぜんまいユニット(ぜんまいユニット)
33b…第1ギヤ(伝達手段)
34…第2ぜんまいユニット(ぜんまいユニット)
34b…第2ギヤ(伝達手段)
51…引込み装置
52…リール
52a…ギヤ(伝達手段)