(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092181
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】映像配信装置、映像配信システム、映像配信方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/258 20110101AFI20240701BHJP
H04N 21/231 20110101ALI20240701BHJP
【FI】
H04N21/258
H04N21/231
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207939
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】500112146
【氏名又は名称】サイレックス・テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】縣 俊成
(72)【発明者】
【氏名】杉原 英二
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA07
5C164SA26S
5C164SB36P
5C164SC11P
5C164YA15
5C164YA17
5C164YA18
(57)【要約】
【課題】複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報を効率的に設定することができる映像配信装置、映像配信システム、映像配信方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】映像配信装置1は、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレス情報を取得する接続処理部111と、IPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dのカメラ番号を設定するカメラ番号設定部112と、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれで撮像された画像情報を取得する画像取得部113と、画像情報をその送信元のIPアドレスに基づいて選別し、選別した画像情報を対応するカメラ番号情報に対応づけて画像記憶部133に記憶させるカメラ番号特定部115と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を、前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報に対応づけて記憶する画像記憶部と、
前記複数のネットワークカメラとの接続処理において、少なくとも前記複数のネットワークカメラそれぞれに付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を含むアドレス情報を取得する接続処理部と、
前記IPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、前記複数のネットワークカメラそれぞれの前記カメラ識別情報を設定するカメラ識別情報設定部と、
前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像情報を取得する画像取得部と、
前記画像情報の送信元の前記IPアドレスに基づいて、前記画像情報に対応する前記カメラ識別情報を特定し、前記画像情報を特定した前記カメラ識別情報に対応づけて前記画像記憶部に記憶させるカメラ識別情報特定部と、を備える、
映像配信装置。
【請求項2】
複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を、前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報に対応づけて記憶する画像記憶部と、
前記複数のネットワークカメラとの接続処理において、少なくとも前記複数のネットワークカメラそれぞれに付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を含むアドレス情報を取得する接続処理部と、
複数のネットワークカメラそれぞれの少なくとも1種類の機能を示すカメラ情報を取得するカメラ情報取得部と、
前記カメラ情報が示す前記少なくとも1種類の機能に基づいて、前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報を設定するカメラ識別情報設定部と、
前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像情報を取得する画像取得部と、
前記画像情報の送信元の前記IPアドレスに基づいて、前記画像情報に対応する前記カメラ識別情報を特定し、前記画像情報を特定した前記カメラ識別情報に対応づけて前記画像記憶部に記憶させるカメラ識別情報特定部と、を備える、
映像配信装置。
【請求項3】
前記カメラ識別情報は、複数のネットワークカメラそれぞれに付与される互いに異なる値を示すカメラ番号情報であり、
前記少なくとも1種類の機能は、解像度、フレームレート、パンチルト機能を含み、
前記カメラ識別情報設定部は、前記解像度、前記フレームレート、前記パンチルト機能の有無について予め設定された優先度に基づいて、前記複数のネットワークカメラそれぞれの前記カメラ番号情報を設定する、
請求項2に記載の映像配信装置。
【請求項4】
前記カメラ識別情報は、複数のネットワークカメラそれぞれに付与される互いに異なる値を示すカメラ番号情報であり、
前記少なくとも1種類の機能は、解像度を含み、
前記カメラ識別情報設定部は、前記複数のネットワークカメラそれぞれについて、前記解像度の高いネットワークカメラほど値が小さくなるように、または、前記解像度の高いネットワークカメラほど値が大きくなるように前記カメラ番号情報を設定する、
請求項2に記載の映像配信装置。
【請求項5】
前記画像情報に基づいて、前記画像情報の送信元のネットワークカメラに対応する解像度を特定する解像度特定部を更に備える、
請求項4に記載の映像配信装置。
【請求項6】
複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を、前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報に対応づけて記憶する画像記憶部と、
前記複数のネットワークカメラとの接続処理において、前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報を設定するカメラ識別情報設定イベントが発生すると、前記複数のネットワークカメラに対して少なくとも複数のネットワークカメラそれぞれに付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報と前記複数のネットワークカメラそれぞれに固有の固有識別情報とを含むアドレス情報を要求するアドレス要求情報を生成して前記複数のネットワークカメラへ送信することにより、前記複数のネットワークカメラそれぞれから送信される前記アドレス情報を取得する接続処理部と、
前記IPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報を設定するカメラ識別情報設定部と、
前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像情報を取得する画像取得部と、
前記画像情報の送信元の前記IPアドレスに基づいて、前記画像情報に対応する前記カメラ識別情報を特定し、前記画像情報を特定した前記カメラ識別情報に対応づけて前記画像記憶部に記憶させるカメラ識別情報特定部と、を備える、
映像配信装置。
【請求項7】
前記固有識別情報は、MACアドレスを示すMACアドレス情報である、
請求項6に記載の映像配信装置。
【請求項8】
前記カメラ識別情報を含み前記画像情報の送信を要求する送信要求情報を取得すると、前記送信要求情報に含まれる前記カメラ識別情報を抽出し、前記画像記憶部が記憶する、抽出した前記カメラ識別情報に対応する前記画像情報を特定し、特定した前記画像情報を前記送信要求情報の送信元へ送信する画像送信部を更に備える、
請求項1から7のいずれか1項に記載の映像配信装置。
【請求項9】
複数のネットワークカメラと、
前記複数のネットワークカメラとネットワークを介して接続され、複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を端末装置へ配信する映像配信装置と、を備え、
前記映像配信装置は、
前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を、前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報に対応づけて記憶する画像記憶部と、
前記複数のネットワークカメラとの接続処理において、少なくとも前記複数のネットワークカメラそれぞれに付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を含むアドレス情報を取得する接続処理部と、
前記IPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、前記複数のネットワークカメラそれぞれの前記カメラ識別情報を設定するカメラ識別情報設定部と、
前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像情報を取得する画像取得部と、
前記画像情報の送信元の前記IPアドレスに基づいて、前記画像情報に対応する前記カメラ識別情報を特定し、前記画像情報を特定した前記カメラ識別情報に対応づけて前記画像記憶部に記憶させるカメラ識別情報特定部と、を有する、
映像配信システム。
【請求項10】
映像配信装置が、複数のネットワークカメラとの接続処理において、少なくとも前記複数のネットワークカメラそれぞれに付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を含むアドレス情報を取得するステップと、
前記映像配信装置が、前記IPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報を設定するステップと、
前記映像配信装置が、前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を取得するステップと、
前記映像配信装置が、前記画像情報の送信元の前記IPアドレスに基づいて、前記画像情報に対応する前記カメラ識別情報を特定し、前記画像情報を、特定した前記カメラ識別情報に対応づけて、前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報に対応づけて記憶する画像記憶部に記憶させるステップと、を含む、
映像配信方法。
【請求項11】
コンピュータを、
複数のネットワークカメラとの接続処理において、少なくとも前記複数のネットワークカメラそれぞれに付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を含むアドレス情報を取得する接続処理部、
前記IPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報を設定するカメラ識別情報設定部、
前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像情報を取得する画像取得部、
前記画像情報の送信元の前記IPアドレスに基づいて、前記画像情報に対応する前記カメラ識別情報を特定し、前記画像情報を、特定した前記カメラ識別情報に対応づけて、複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を前記カメラ識別情報に対応づけて記憶する画像記憶部に記憶させるカメラ識別情報特定部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像配信装置、映像配信システム、映像配信方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のネットワークカメラとパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する。)とが、LAN(Local Area Network)を介して互いに接続され、USBメモリを用いて複数のネットワークカメラそれぞれの設定ファイルを収集することができるシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。このシステムでは、まず、複数のネットワークカメラのうちの1つにUSBメモリを接続した状態で、PCを操作して当該ネットワークカメラに付与する固定IPアドレスおよびポート番号を設定内容とする設定ファイルを当該ネットワークカメラに保持させる。このとき、設定ファイルがUSBメモリにも記憶される。次に、当該ネットワークカメラからUSBメモリを抜き取り、残りの複数のネットワークカメラそれぞれにUSBメモリを順次接続および抜き取りを繰り返していくことにより、固定IPアドレスおよびポート番号がインクリメントされながら、複数のネットワークカメラそれぞれに各別の固定IPアドレスおよびポート番号を設定内容とする設定ファイルが保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述のような複数のネットワークカメラを備えるシステムにおいて、複数のネットワークカメラそれぞれを識別するために各別のカメラ番号を付与し、複数のネットワークカメラそれぞれにより撮像された映像をカメラ番号に対応づけて管理するシステムが提供されている。この場合、複数のネットワークカメラそれぞれに各別のカメラ番号を効率的に付与することが要請されている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報を効率的に設定することができる映像配信装置、映像配信システム、映像配信方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る映像配信装置は、
複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を、前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報に対応づけて記憶する画像記憶部と、
前記複数のネットワークカメラとの接続処理において、少なくとも前記複数のネットワークカメラそれぞれに付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を含むアドレス情報を取得する接続処理部と、
前記IPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、前記複数のネットワークカメラそれぞれの前記カメラ識別情報を設定するカメラ識別情報設定部と、
前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像情報を取得する画像取得部と、
前記画像情報の送信元の前記IPアドレスに基づいて、前記画像情報に対応する前記カメラ識別情報を特定し、前記画像情報を特定した前記カメラ識別情報に対応づけて前記画像記憶部に記憶させるカメラ識別情報特定部と、を備える。
【0007】
他の観点から見た本発明に係る映像配信システムは、
複数のネットワークカメラと、
前記複数のネットワークカメラとネットワークを介して接続され、複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を端末装置へ配信する映像配信装置と、を備え、
前記映像配信装置は、
前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を、前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報に対応づけて記憶する画像記憶部と、
前記複数のネットワークカメラとの接続処理において、少なくとも前記複数のネットワークカメラそれぞれに付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を含むアドレス情報を取得する接続処理部と、
前記IPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、前記複数のネットワークカメラそれぞれの前記カメラ識別情報を設定するカメラ識別情報設定部と、
前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像情報を取得する画像取得部と、
前記画像情報の送信元の前記IPアドレスに基づいて、前記画像情報に対応する前記カメラ識別情報を特定し、前記画像情報を特定した前記カメラ識別情報に対応づけて前記画像記憶部に記憶させるカメラ識別情報特定部と、を有する。
【0008】
他の観点から見た本発明に係る映像配信方法は、
映像配信装置が、複数のネットワークカメラとの接続処理において、少なくとも前記複数のネットワークカメラそれぞれに付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を含むアドレス情報を取得するステップと、
前記映像配信装置が、前記IPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報を設定するステップと、
前記映像配信装置が、前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を取得するステップと、
前記映像配信装置が、前記画像情報の送信元の前記IPアドレスに基づいて、前記画像情報に対応する前記カメラ識別情報を特定し、前記画像情報を、特定した前記カメラ識別情報に対応づけて、前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報に対応づけて記憶する画像記憶部に記憶させるステップと、を含む。
【0009】
他の観点から見た本発明に係るプログラムは、
コンピュータを、
複数のネットワークカメラとの接続処理において、少なくとも前記複数のネットワークカメラそれぞれに付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を含むアドレス情報を取得する接続処理部、
前記IPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、前記複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報を設定するカメラ識別情報設定部、
前記複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像情報を取得する画像取得部、
前記画像情報の送信元の前記IPアドレスに基づいて、前記画像情報に対応する前記カメラ識別情報を特定し、前記画像情報を、特定した前記カメラ識別情報に対応づけて、複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を前記カメラ識別情報に対応づけて記憶する画像記憶部に記憶させるカメラ識別情報特定部、
として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、映像配信装置の接続処理部が、複数のネットワークカメラそれぞれに付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を取得し、カメラ識別情報設定部が、IPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、複数のネットワークカメラそれぞれのカメラ識別情報を設定する。これにより、複数のネットワークカメラそれぞれのIPアドレスを取得するだけで、複数のネットワークカメラそれぞれのカメラ識別情報を設定することができるので、複数のネットワークカメラそれぞれを識別する互いに異なるカメラ識別情報を効率的に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る映像配信システムの構成を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る映像配信システムのハードウェア構成を示す図である。
【
図3】実施の形態1に係る映像配信システムの機能構成を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係るカメラ番号記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態1に係る映像配信システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図6】実施の形態1に係る映像配信装置が実行する映像配信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態2に係る映像配信システムの機能構成を示す図である。
【
図8】実施の形態2に係る映像配信装置が実行する映像配信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態2に係る映像配信装置が実行するカメラ番号設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施の形態3に係る映像配信システムの機能構成を示す図である。
【
図11】実施の形態3に係るカメラ番号記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
【
図12】実施の形態3に係る映像配信システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図13】実施の形態3に係る映像配信装置が実行する映像配信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図14】変形例に係る映像配信システムの機能構成を示す図である。
【
図15】変形例に係る映像配信装置が実行する映像配信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図16】変形例に係る映像配信装置が実行するカメラ番号設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施の形態に係る映像配信装置について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係る映像配信装置は、画像記憶部と接続処理部とカメラ識別情報設定部と画像取得部とカメラ番号特定部と画像送信部とを備える。画像記憶部は、複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像を示す画像情報を、複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報に対応づけて記憶する。接続処理部は、複数のネットワークカメラとの接続処理において、複数のネットワークカメラそれぞれに付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を取得する。カメラ識別情報設定部は、例えばカメラ番号設定部であり、IPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分などに基づいて、複数のネットワークカメラそれぞれの前述のカメラ識別情報を設定する。画像取得部は、複数のネットワークカメラそれぞれで撮像された画像情報を取得する。カメラ番号特定部は、画像情報を、例えば、画像情報の送信元のIPアドレス情報などに基づいて選別し、選別した画像情報を対応するカメラ識別情報に対応づけて前記画像記憶部に記憶させる。画像送信部は、カメラ識別情報を含み画像情報の送信を要求する送信要求情報を取得すると、送信要求情報に含まれるカメラ識別情報を抽出し、画像記憶部が記憶する、抽出したカメラ識別情報に対応する画像情報を特定し、特定した画像情報を送信要求情報の送信元へ送信する。以下、本実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
本実施の形態に係る撮像システムは、例えば
図1に示すように、4台のネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dと、これらネットワークカメラ2A、2B、2C、2DとネットワークNWを介して接続された映像配信装置1と、を備える。ネットワークNWは、例えば有線LAN(Local Area Network)である。ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dは、例えば生産設備を監視する監視カメラとして使用されるものである。ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dは、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)201と、主記憶部202と、補助記憶部203と、撮像部204と、有線通信インタフェース206と、各部を接続するバス209と、を備える。主記憶部202は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリから構成されている。補助記憶部203は、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリから構成され、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dを制御するためのプログラムを記憶する。有線通信インタフェース206は、ネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介したデータの送受信を行う。CPU201は、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み込んで実行することにより、
図3に示すように、接続処理部211および画像送信部212として機能する。また、
図2に示す主記憶部202は、
図3に示すように、撮像部204で撮像された画像を示す画像情報を一時的に記憶する撮像画像バッファ221としても機能する。なお、本実施の形態に係る撮像システムでは、4台のネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dを例に説明するが、ネットワークカメラの数はこれに限定されない。
【0014】
接続処理部211は、映像配信装置1との接続過程において、自機(ネットワークカメラ2A、2B、2C、2D)に付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を含むアドレス情報を映像配信装置1へ送信する。ここで、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dに付与されたIPアドレスは、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dに予め付与された固定IPアドレスであってもよいし、ネットワークNWに接続されたDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ(図示せず)により動的に付与される動的IPアドレスであってもよい。接続処理部211は、例えばネットワークNWに接続された後、映像配信装置1とのコネクションを確立する過程で自機のアドレス情報を映像配信装置1へ送信する。なお、前述のIPアドレスが、動的IPアドレスである場合、接続処理部211は、DHCPサーバによりIPアドレスが更新されるイベントが発生する毎にアドレス情報を映像配信装置1へ送信するものであってもよい。
【0015】
画像送信部212は、撮像部204で撮像された画像を示す画像情報を映像配信装置1へ送信する。画像送信部212は、例えば撮像部204による動画像データを構成する1フレーム分の画像データの撮像画像バッファ221への書き込みが完了する毎に、1フレーム分の画像情報を映像配信装置1へ送信する処理を繰り返す。また、画像送信部212は、例えばRTP(Real-time Transport Protocol)により撮像画像バッファ221が記憶する動画像データを映像配信装置1へ送信する。
【0016】
図1に戻って、端末装置3は、例えばネットワークNWに接続されたパーソナルコンピュータであり、映像配信装置1からネットワークNWを介して送信される画像情報を取得すると、取得した画像情報が示す画像を表示部に表示させる。端末装置4は、例えばIEEE802.11に準拠した無線LAN規格に適合する通信方式で映像配信装置1との間で無線通信可能なタブレット型の端末装置であり、映像配信装置1から無線送信される画像情報を取得すると、取得した画像情報が示す画像を表示部に表示させる。端末装置3、4は、それぞれ、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dのカメラ番号情報を含み画像情報の送信を要求する送信要求情報を映像配信装置1へ送信することにより、映像配信装置1から送信される画像情報を取得する。ここで、送信要求情報に例えばネットワークカメラ2Aのカメラ番号情報が含まれる場合、端末装置3、4は、ネットワークカメラ2Aで撮像された画像を示す画像情報を映像配信装置1から取得して表示する。
【0017】
図2のハードウェア構成図に示す様に、映像配信装置1は、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、有線通信インタフェース106と、無線モジュール107と、各部を接続するバス109と、を備える。主記憶部102は、RAMのような揮発性メモリから構成され、CPU101の作業領域として使用される。補助記憶部103は、ROMのような不揮発性メモリ、または、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等から構成され、映像配信装置1を制御するためのプログラムを記憶する。有線通信インタフェース106は、ネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介して例えばIEEE802.3に準拠した有線LAN規格に適合する通信方式でデータの送受信を行う。無線モジュール107は、例えばIEEE802.11に準拠した無線LAN規格に適合する通信方式で端末装置4との間で無線通信する。
【0018】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み込んで実行することにより、
図3に示すように、接続処理部111、カメラ番号設定部112、画像取得部113、アドレス抽出部114、カメラ番号特定部115および画像送信部116として機能する。また、
図2に示す主記憶部102は、
図3に示すように、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dから取得した画像情報を一時的に記憶する画像バッファ121としても機能する。更に、
図2に示す補助記憶部103は、
図3に示すように、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dから取得したIPアドレス情報を記憶するアドレス記憶部131と、カメラ番号記憶部132と、画像記憶部133としても機能する。
【0019】
カメラ番号記憶部132は、例えば
図4に示すように、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれに設定されたカメラ番号情報を、対応するネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレスを示すIPアドレス情報に対応づけて記憶する。ここで、カメラ番号情報は、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれを識別するカメラ番号を示すカメラ識別情報である。
図3に戻って、画像記憶部133は、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dから取得した画像情報を、カメラ番号情報に対応づけて記憶する。
【0020】
接続処理部111は、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dとの接続処理過程において、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dから送信される、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレス情報を含むアドレス情報を取得する。接続処理部111は、取得したアドレス情報に含まれるネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレス情報を抽出し、抽出したIPアドレス情報をアドレス記憶部131に記憶させる。
【0021】
カメラ番号設定部112は、アドレス記憶部131が記憶するネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号情報を設定するカメラ識別情報設定部である。ここで、カメラ番号設定部112は、例えばIPアドレスのホスト部分の値が大きいほどカメラ番号の値が大きくなるようにカメラ番号情報を設定する。例えば
図4に示すように、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレスが、それぞれ、「192.168.1.1」、「192.168.1.2」、「192.168.1.3」、「192.168.1.4」であったとする。この場合、カメラ番号設定部112は、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号を、それぞれ、「1」、「2」、「3」、「4」に設定する。なお、カメラ番号は、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dについて1ずつインクリメントさせる形で付与されるものに限定されるものではなく、例えばIPアドレスのホスト部分の値が最も小さいネットワークカメラ2Aのカメラ番号を「n0」とした場合、ネットワークカメラ2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号を「n0+nt」、「n0+2×nt」、「no+3×nt」(n0、ntは正の整数)に設定されてもよい。また、カメラ番号設定部112は、設定したネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号情報を、対応するネットワークカメラ2A、2B、2C、2DのIPアドレス情報に対応づけてカメラ番号記憶部132に記憶させる。
【0022】
画像取得部113は、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれで撮像された画像情報を取得し、取得した画像情報を、画像バッファ121に記憶させる。アドレス抽出部114は、画像取得部113により取得された画像情報に含まれるIPアドレス情報を抽出し、抽出したIPアドレス情報をカメラ番号特定部115に通知する。
【0023】
カメラ番号特定部115は、カメラ番号記憶部132が記憶するカメラ番号情報とIPアドレス情報との組み合わせに基づいて、抽出した送信元のIPアドレス(アドレス抽出部114が抽出したIPアドレス)に対応するカメラ番号情報を特定するカメラ識別情報特定部である。カメラ番号特定部115は、画像バッファ121が記憶する画像情報を、特定したカメラ識別情報に対応づけて画像記憶部133に記憶させる。
【0024】
画像送信部116は、端末装置3、4から送信される送信要求情報を取得すると、当該送信要求情報に含まれるカメラ番号情報を抽出する。そして、画像送信部116は、画像記憶部133が記憶する、抽出したカメラ番号情報に対応する画像情報を特定し、特定した画像情報を送信要求情報の送信元の端末装置3、4へ送信する。
【0025】
次に、本実施の形態に係る映像配信システムの動作について
図5を参照しながら説明する。まず、例えばネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dが、ネットワークNWに接続された後、映像配信装置1とのコネクションが確立する過程で、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2DのIPアドレス情報、MACアドレス情報を含むアドレス情報が、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dから映像配信装置1へ送信される(ステップS1)。一方、映像配信装置1は、アドレス情報を取得すると、取得したアドレス情報に含まれるIPアドレス情報を抽出してアドレス記憶部131に記憶させる(ステップS2)。次に、映像配信装置1は、アドレス記憶部131が記憶するネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号情報を設定する(ステップS3)。
【0026】
また、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dにより撮像された画像を示す画像情報が、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dから映像配信装置1へ送信されると(ステップS4)、映像配信装置1は、取得した画像情報を画像バッファ121に記憶させる(ステップS5)。続いて、映像配信装置1は、取得した画像情報に含まれる画像情報の送信元のIPアドレス情報を抽出する(ステップS6)。その後、映像配信装置1は、カメラ番号記憶部132が記憶するカメラ番号情報とIPアドレス情報との組み合わせに基づいて、抽出した送信元のIPアドレスに対応するカメラ番号情報を特定する(ステップS7)。その後、映像配信装置1は、画像バッファ121が記憶する画像情報を、特定したカメラ識別情報に対応づけて画像記憶部133に記憶させる(ステップS8)。
【0027】
また、端末装置3、4の利用者が、端末装置3、4に対してネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dにより撮像された画像を自機で閲覧するための画像閲覧操作(具体的には、例えば端末装置3、4に備わるアプリケーションなどにより実行される)を行ったとする。この場合、端末装置3、4は、閲覧する画像を撮像するネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dのカメラ番号情報を含む送信要求情報を生成する(ステップS9)。次に、生成された送信要求情報が、端末装置3、4から映像配信装置1へ送信される(ステップS10)。一方、映像配信装置1は、送信要求情報を取得すると、取得した送信要求情報に含まれるカメラ番号情報を抽出し、画像記憶部133が記憶する、抽出したカメラ番号情報に対応する画像情報を特定する(ステップS11)。続いて、特定された画像情報が、映像配信装置1から端末装置3、4へ送信される(ステップS12)。一方、端末装置3、4は、画像情報を取得すると、取得した画像情報が示す画像を表示部に表示させる(ステップS13)。
【0028】
次に、本実施の形態に係る映像配信装置1が実行する映像配信処理について
図6を参照しながら詳細に説明する。この映像配信処理は、例えば映像配信装置1へ電源が投入されたことを契機として開始される。まず、接続処理部111は、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dとの接続処理過程において、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dから送信されるアドレス情報を取得する(ステップS101)。次に、接続処理部111は、取得したアドレス情報に含まれるIPアドレス情報を抽出し、抽出したIPアドレス情報をアドレス記憶部131に記憶させる(ステップS102)。
【0029】
次に、カメラ番号設定部112は、アドレス記憶部131が記憶するネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号情報を設定する(ステップS103)。このとき、カメラ番号設定部112は、
図4に示したように、設定したネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号情報を、対応するネットワークカメラ2A、2B、2C、2DのIPアドレス情報に対応づけてカメラ番号記憶部132に記憶させる。
【0030】
続いて、画像取得部113は、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dから送信される画像情報を取得したか否かを判定する(ステップS104)。ここで、画像取得部113が画像情報を取得していないと判定すると(ステップS104:No)、後述のステップS109の処理が実行される。一方、画像取得部113は、画像情報を取得したと判定すると(ステップS104:Yes)、取得した画像情報を、画像バッファ121に記憶させる(ステップS105)。その後、アドレス抽出部114は、画像情報に含まれる画像情報の送信元のネットワークカメラ2A、2B、2C、2DのIPアドレス情報を抽出する(ステップS106)。ここで、アドレス抽出部114は、抽出したIPアドレス情報をカメラ番号特定部115に通知する。次に、カメラ番号特定部115は、カメラ番号記憶部132が記憶するカメラ番号情報とIPアドレス情報との組み合わせに基づいて、アドレス抽出部114から通知される送信元のIPアドレス情報に対応するカメラ番号情報を特定する(ステップS107)。続いて、カメラ番号特定部115は、画像バッファ121が記憶する画像情報を、特定したカメラ識別情報に対応づけて画像記憶部133に記憶させる(ステップS108)。
【0031】
その後、画像送信部116は、端末装置3、4から送信される送信要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS109)。ここで、画像送信部116が、送信要求情報を取得していないと判定すると(ステップS109:No)、再びステップS104の処理が実行される。一方、画像送信部116は、前述の送信要求情報を取得したと判定すると(ステップS109:Yes)、当該送信要求情報に含まれるカメラ番号情報を抽出する。そして、画像送信部116は、画像記憶部133が記憶する、抽出したカメラ番号情報に対応する画像情報を特定する(ステップS110)。次に、画像送信部116は、特定した画像情報を送信要求情報の送信元の端末装置3、4へ送信し(ステップS111)、再びステップS104の処理が実行される。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態に係る映像配信装置1によれば、接続処理部111が、接続処理過程でネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレス情報を取得し、カメラ識別情報設定部が、IPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号情報を設定する。これにより、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレス情報を取得するだけで、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号情報を設定することができるので、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dに対して互いに異なるカメラ番号情報を効率的に設定することができる。
【0033】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る映像配信装置は、カメラ識別情報設定部が、複数のネットワークカメラそれぞれの少なくとも1種類の映像に関する情報(映像構成情報)に基づいて、複数のネットワークカメラそれぞれを識別するカメラ識別情報を設定する点で実施の形態1と相違する。
【0034】
本実施の形態に係る映像配信システムのハードウェア構成は、実施の形態1に係る映像配信システムと同様である。そこで、本実施の形態に係る映像配信システムのハードウェア構成については適宜
図2に示す符号を用いて説明する。
図7に示すように、本実施の形態に係るネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dでは、CPU201が、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み込んで実行することにより、接続処理部211、画像送信部212およびカメラ情報通知部2213として機能する。なお、
図7において、実施の形態1と同様の構成については
図3と同一の符号を付している。また、主記憶部202は、撮像画像バッファ221を有する。カメラ情報通知部2213は、接続処理部211が接続処理過程において、アドレス情報を映像配信装置1へ送信する際、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dの機能を示すカメラ情報を映像配信装置2001へ送信する。ここで、カメラ情報は、例えばネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dの解像度を示す解像度情報、フレームレートを示すFPS情報およびパンチルト機能(水平および垂直方向への首振り機能)の有無を示すパンチルト情報を含んでいる。
【0035】
映像配信装置2001では、CPU101が、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み込んで実行することにより、接続処理部111、カメラ番号設定部2112、画像取得部113、アドレス抽出部114、カメラ番号特定部115、画像送信部116およびカメラ情報取得部2117として機能する。また、主記憶部102は、画像バッファ121を有し、補助記憶部103は、アドレス記憶部131と、カメラ番号記憶部132と、画像記憶部133と、を有する。
【0036】
カメラ情報取得部2117は、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dから送信されるカメラ情報を取得すると、取得したカメラ情報に含まれる解像度情報、FPS情報およびパンチルト情報を抽出する。そして、カメラ情報取得部2117は、抽出した解像度情報、FPS情報およびパンチルト情報をカメラ番号設定部2112に通知する。
【0037】
カメラ番号設定部2112は、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dそれぞれの解像度、フレームレートおよびパンチルト機能の有無に基づいて、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dそれぞれを識別するカメラ番号情報を設定する。ここで、カメラ番号設定部2112は、解像度、フレームレート、パンチルト機能の有無について予め設定された優先度に基づいて、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dそれぞれのカメラ番号情報を設定する。カメラ番号設定部2112は、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dについて、例えば解像度が高いものほどカメラ番号が小さくなるようにカメラ番号情報を設定し、解像度が同じものが複数存在する場合、それらについてフレームレートが高いものほどカメラ番号が小さくなるようにカメラ番号情報を設定する。そして、カメラ番号設定部2112は、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dについて、解像度およびフレームレートが同じものが複数存在する場合、パンチルト機能が有るもののカメラ番号が小さくなるようにカメラ番号情報を設定する。また、カメラ番号設定部2112は、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dについて、解像度およびフレームレートが同じものが複数存在し、それらの全てがパンチルト機能を有する、若しくは、全てがパンチルト機能を備えていない場合、それらに付与されたIPアドレスのホスト部分の値が小さいものほどカメラ番号が小さくなるようにカメラ番号情報を設定する。なお、カメラ番号設定部2112は、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dについて、先と逆順にカメラ番号情報を設定してもよい。例えば、解像度が高いものほどカメラ番号が大きくなるようにカメラ番号情報を設定し、解像度が同じものが複数存在する場合、それらについてフレームレートが高いものほどカメラ番号が大きくなるようにカメラ番号情報を設定してもよい。
【0038】
次に、本実施の形態に係る映像配信装置2001が実行する映像配信処理について
図8および
図9を参照しながら詳細に説明する。なお、
図8において、実施の形態1と同様の処理については
図6と同一の符号を付している。まず、ステップS101、S102の一連の処理が実行された後、カメラ情報取得部2117は、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dから送信されるカメラ情報を取得したか否かを判定する(ステップS2101)。ここで、カメラ情報取得部2117が前述のカメラ情報を取得していないと判定すると(ステップS2101:No)、カメラ番号設定部2112にその旨を通知し、カメラ番号設定部2112は、例えばIPアドレスのホスト部分の値が大きいほどカメラ番号の値が大きくなるようにカメラ番号情報を設定する(ステップS2105)。次に、ステップS104の処理が実行される。一方、カメラ情報取得部2117は、カメラ情報を取得したと判定すると(ステップS2101:Yes)、アドレス記憶部131が記憶するIPアドレス情報を参照する(ステップS2102)。次に、カメラ情報取得部2117は、取得したカメラ情報に含まれる解像度情報、FPS情報およびパンチルト情報を抽出する(ステップS2103)。次に、カメラ番号設定部2112が、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dそれぞれのカメラ番号情報を設定するカメラ番号設定処理を実行する(ステップS2104)。
【0039】
ここで、カメラ番号設定部2112が実行するカメラ番号設定処理について、
図9を参照しながら詳細に説明する。まず、カメラ番号設定部2112は、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dのいずれかに付与するカメラ番号を示す対象カメラ番号nを初期値n0に設定する(ステップS201)。ここで、初期値n0は、任意の整数に設定することができ、例えば「1」に設定される。次に、カメラ番号設定部2112は、抽出した解像度情報に基づいて、カメラ番号が設定されていないネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dの中で最も解像度が高いものを選択する(ステップS202)。続いて、カメラ番号設定部2112は、選択したネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dが複数存在するか否かを判定する(ステップS203)。ここで、カメラ番号設定部2112は、選択したネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dが1つだけと判定すると(ステップS203:No)、選択したネットワークカメラ2002A(2002B、2002C、2002D)のカメラ番号情報を、対象カメラ番号「n」を示すカメラ番号情報に設定し(ステップS211)、後述のステップS209の処理を実行する。ここで、カメラ番号設定部112は、設定したネットワークカメラ2002A(2002B、2002C、2002D)のカメラ番号情報を、対応するネットワークカメラ2002A(2002B、2002C、2002D)のIPアドレス情報に対応づけてカメラ番号記憶部132に記憶させる。
【0040】
一方、カメラ番号設定部2112が、選択したネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dが複数存在すると判定したとする(ステップS203:Yes)。この場合、カメラ番号設定部2112は、抽出したFPS情報に基づいて、選択されたネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dの中で最もフレームレートが高いものを選択する(ステップS204)。その後、カメラ番号設定部2112は、選択したネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dが複数存在するか否かを判定する(ステップS205)。ここで、カメラ番号設定部2112は、選択したネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dが1つだけと判定すると(ステップS205:No)、選択したネットワークカメラ2002A(2002B、2002C、2002D)のカメラ番号情報を、対象カメラ番号nを示すカメラ番号情報に設定し(ステップS211)、後述のステップS209の処理を実行する。ここで、カメラ番号設定部112は、設定したネットワークカメラ2002A(2002B、2002C、2002D)のカメラ番号情報を、対応するネットワークカメラ2002A(2002B、2002C、2002D)のIPアドレス情報に対応づけてカメラ番号記憶部132に記憶させる。
【0041】
一方、カメラ番号設定部2112が、選択したネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dが複数存在すると判定したとする(ステップS205:Yes)。この場合、カメラ番号設定部2112は、抽出したパンチルト情報に基づいて、選択されたネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dの中でパンチルト機能を有するものを選択する(ステップS206)。次に、カメラ番号設定部2112は、選択したネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dが複数存在するか否かを判定する(ステップS207)。ここで、カメラ番号設定部2112は、選択したネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dが1つだけと判定すると(ステップS207:No)、選択したネットワークカメラ2002A(2002B、2002C、2002D)のカメラ番号情報を、対象カメラ番号nを示すカメラ番号情報に設定し(ステップS211)、後述のステップS209の処理を実行する。ここで、カメラ番号設定部112は、設定したネットワークカメラ2002A(2002B、2002C、2002D)のカメラ番号情報を、対応するネットワークカメラ2002A(2002B、2002C、2002D)のIPアドレス情報に対応づけてカメラ番号記憶部132に記憶させる。
【0042】
一方、カメラ番号設定部2112が、選択したネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dが複数存在すると判定したとする(ステップS207:Yes)。この場合、カメラ番号設定部2112は、アドレス記憶部131が記憶するネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分の値が最も小さいもののカメラ番号情報を、対象カメラ番号nを示すカメラ番号情報に設定する(ステップS208)。ここで、カメラ番号設定部112は、設定したネットワークカメラ2002A(2002B、2002C、2002D)のカメラ番号情報を、対応するネットワークカメラ2002A(2002B、2002C、2002D)のIPアドレス情報に対応づけてカメラ番号記憶部132に記憶させる。
【0043】
続いて、カメラ番号設定部2112は、カメラ番号情報が設定されていないネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dが存在するか否かを判定する(ステップS209)。ここで、カメラ番号設定部2112は、カメラ番号情報が設定されていないネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dが存在すると判定したとする(ステップS209:Yes)。この場合、カメラ番号設定部2112は、対象カメラ番号nを予め設定された単位数ntだけインクリメントする(ステップS210)。ここで、単位数ntは、整数であり、例えば「1」に設定される。その後、再びステップS202の処理が実行される。
【0044】
一方、カメラ番号設定部2112が、全てのネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dについてカメラ番号情報を設定したと判定したとする(ステップS209:No)。この場合、
図8に示すように、ステップS104以降の一連の処理が実行される。なお、カメラ番号設定部2112の判定は、ステップS202、ステップS204、またはステップS206において、カメラ番号情報を設定するに際して、解像度が高いもの、フレームレートが高いもの、パンチルト機構を有するものの順序で判定したが、これら3つの特性の順序は適宜変更してよい。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態に係る映像配信装置2001によれば、カメラ番号設定部2112が、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dそれぞれの解像度、フレームレートおよびパンチルト機能の有無に基づいて、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dそれぞれのカメラ番号情報を設定する。これにより、例えば設定されたカメラ番号情報が示すカメラ番号が小さいネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dほど端末装置3、4へ送信する頻度を高く設定することで、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dのうち機能が高いものに対応する画像情報ほど端末装置3、4への送信頻度を高くすることができる。従って、ネットワークカメラ2002A、2002B、2002C、2002Dそれぞれで撮像された画像を示す画像情報の端末装置3、4への送信頻度の優先度を比較的容易に設定することができる。なお、上述した、カメラ情報に基づく具体的なカメラ番号の順序設定は、あくまでも一例であり、システムまたは管理者が個別事情に応じて適宜決めてよい。
【0046】
(実施の形態3)
本実施の形態に係る映像配信装置は、接続処理部111が、複数のネットワークカメラのカメラ識別情報を設定するカメラ識別情報設定イベントが発生すると、複数のネットワークカメラに対して少なくとも複数のネットワークカメラそれぞれに付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を含むアドレス情報を要求するアドレス要求情報を生成して複数のネットワークカメラへブロードキャスト送信することにより、複数のネットワークカメラそれぞれから送信されるアドレス情報を取得する点で実施の形態1と相違する。
【0047】
本実施の形態に係る映像配信システムのハードウェア構成は、実施の形態1に係る映像配信システムと同様である。そこで、本実施の形態に係る映像配信システムのハードウェア構成については適宜
図2に示す符号を用いて説明する。
図10に示すように、本実施の形態に係るネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dでは、CPU201が、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み込んで実行することにより、接続処理部3211および画像送信部212として機能する。なお、
図10において、実施の形態1と同様の構成については
図3と同一の符号を付している。また、主記憶部202は、撮像画像バッファ221を有する。接続処理部3211は、映像配信装置3001から送信され、自機に付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を含むARP(Address Resolution Protocol)要求情報を取得すると、これに応じて、自機のIPアドレス情報と、自機に固有の固有識別情報であるMAC(Media Access Control)アドレスを示すMACアドレス情報と、を含むARP応答情報を映像配信装置3001へ送信する。
【0048】
映像配信装置3001では、CPU101が、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み込んで実行することにより、接続処理部3111、カメラ番号設定部112、画像取得部113、アドレス抽出部114、カメラ番号特定部115および画像送信部116として機能する。また、主記憶部102は、画像バッファ121を有し、補助記憶部103は、アドレス記憶部131と、カメラ番号記憶部3132と、画像記憶部133と、を有する。カメラ番号記憶部3132は、例えば
図11に示すように、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれに設定されたカメラ番号情報を、対応するネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレスを示すIPアドレス情報と、対応するネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれに固有のMACアドレス情報と、を互いに対応づけて記憶する。
【0049】
図10に戻って、接続処理部3111は、ネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dのカメラ番号情報を設定するカメラ番号設定イベントが発生すると、前述のARP要求情報を生成する。ここで、カメラ番号設定イベントとしては、例えば利用者が端末装置3、4に対してカメラ番号情報を新たに設定するための操作を行い、映像配信装置3001が、端末装置3、4からカメラ番号を新たに設定するよう指令するカメラ番号設定指令情報を取得した場合、或いは、映像配信装置3001が起動した場合が挙げられる。次に、接続処理部3111は、生成したARP要求情報を、ネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dへブロードキャスト送信する(より具体的にはネットワークNW全体に向けて送信する)ことにより、ネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dそれぞれから送信されるARP応答情報を取得する。ここで、接続処理部3111は、予め、ネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dに付与される候補となるIPアドレス情報のアドレスプールを保持していてもよい。また、より具体的には、ネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dのベンダを判別できるMACアドレス前半部分のOUI(Organizationally Unique Identifier)を保持してもよい。接続処理部3111は、アドレスプールの中から1つのIPアドレス情報を選出し、選出したIPアドレス情報を含むARP要求情報を生成してネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dへブロードキャスト送信することを繰り返す。ここで、接続処理部3111は、ARP要求情報に含ませるIPアドレス情報を変更しながらネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002D全てからARP応答情報を取得するまで、ARP要求情報のブロードキャスト送信を繰り返してもよい。また、接続処理部3111は、取得したARP応答情報に含まれるネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレス情報とMACアドレス情報を抽出し、抽出したIPアドレス情報とMACアドレス情報とを互いに対応づけてアドレス記憶部3131に記憶させる。
【0050】
次に、本実施の形態に係る映像配信システムの動作について
図12を参照しながら説明する。なお、
図11において、実施の形態1と同様の処理については
図5と同一の符号を付している。まず、映像配信装置3001は、前述のカメラ番号設定イベントが発生すると、前述のARP要求情報を生成し(ステップS3001)、生成されたARP要求情報が、映像配信装置3001からネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dへブロードキャスト送信される(ステップS3002)。一方、ネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dは、それぞれ、自機に付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を含むARP要求情報を取得すると、これに応じて、自機に固有のMACアドレス情報を含むARP応答情報を、ネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dから映像配信装置3001へ送信する(ステップS3003)。一方、映像配信装置3001は、取得したARP応答情報に含まれるネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレス情報とMACアドレス情報を抽出し、抽出したIPアドレス情報とMACアドレス情報とを互いに対応づけてアドレス記憶部131に記憶させる(ステップS3004)。次に、映像配信装置1は、アドレス記憶部131が記憶するネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号情報を設定する(ステップS3)。続いて、ステップS4以降の一連の処理が実行される。
【0051】
次に、本実施の形態に係る映像配信装置3001が実行する映像配信処理について
図13を参照しながら詳細に説明する。なお、
図13において、実施の形態1と同様の処理については
図6と同一の符号を付している。まず、接続処理部3111は、前述のカメラ番号設定イベントが発生したか否かを判定する(ステップS3101)。ここで、接続処理部3111が、カメラ番号設定イベントが発生していないと判定すると(ステップS3101:No)、ステップS104の処理が実行される。一方、接続処理部3111が、カメラ番号設定イベントが発生したと判定したとする(ステップS3101:Yes)。この場合、接続処理部3111は、前述のARP要求情報を生成してネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dへブロードキャスト送信することにより(ステップS3102)、ネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dそれぞれから送信されるARP応答情報を取得する(ステップS3103)。次に、接続処理部3111は、取得したARP応答情報に含まれるネットワークカメラ2A、2B、2C、2DのIPアドレス情報とMACアドレス情報を抽出し、抽出したIPアドレス情報とMACアドレス情報とを互いに対応づけてアドレス記憶部131に記憶させる(ステップS3104)。続いて、カメラ番号設定部112は、アドレス記憶部131が記憶するネットワークカメラ2A、2B、2C、2DそれぞれのIPアドレス情報が示すIPアドレスのホスト部分に基づいて、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号情報を設定する(ステップS103)。その後、ステップS104以降の一連の処理が実行される。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態に係る映像管理装置3001によれば、接続処理部3111が、前述のカメラ番号設定イベントが発生すると、ARP要求情報を生成してネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dへブロードキャスト送信することにより、ネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dそれぞれから送信されるARP応答情報を取得する。これにより、例えば映像管理システムで異常が発生し、映像管理装置3001を再起動させた場合において、ネットワークカメラ3002A、3002B、3002C、3002Dそれぞれのカメラ番号情報を迅速に設定できるので、その分、映像管理システムのMTTR(Mean Time To Repair)を短縮することができる。
【0053】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は前述の各実施の形態の構成に限定されるものではない。例えばカメラ識別情報設定部が、複数のネットワークカメラそれぞれについて、解像度の高いネットワークカメラほど値が小さくなるように、または、解像度の高いネットワークカメラほど値が大きくなるようにカメラ番号情報を設定するものであってもよい。以下、変形例として、映像配信装置のカメラ番号記憶部132がカメラ番号情報をIPアドレス情報に対応づけて記憶していない状況下、または、IPアドレス情報が更新されカメラ番号に対応づけられていない状況下で、カメラの解像度に応じてカメラ番号を割り振る例を説明する。
【0054】
本変形例に係る映像配信システムのハードウェア構成は、実施の形態1に係る映像配信システムと同様である。そこで、本変形例に係る映像配信システムのハードウェア構成については適宜
図2に示す符号を用いて説明する。本変形例に係る映像配信システムでは、
図14に示すように、映像配信装置4001において、CPU101が、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み込んで実行することにより、接続処理部111、カメラ番号設定部4112、画像取得部113、アドレス抽出部4114、カメラ番号特定部115、画像送信部116および解像度特定部4118として機能する。なお、
図14において実施の形態1と同様の構成については
図3と同一の符号を付している。また、主記憶部102は、画像バッファ121を有し、補助記憶部103は、アドレス記憶部131と、カメラ番号記憶部132と、画像記憶部133と、を有する。
【0055】
アドレス抽出部4114は、画像取得部113により取得された画像情報に含まれるIPアドレス情報を抽出し、抽出したIPアドレス情報をカメラ番号特定部115と解像度特定部4118とに通知する。
【0056】
解像度特定部4118は、アドレス抽出部4114から画像情報の送信元のIPアドレス情報が通知されると、画像バッファ121が記憶する、当該IPアドレス情報に対応する1フレーム分の画像情報を取得し、取得した画像情報に基づいて、画像情報の送信元のネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dの解像度を特定する。ここで、解像度特定部4118は、カメラ番号記憶部132がカメラ番号情報をIPアドレス情報に対応づけて記憶しておらず、カメラ番号情報が未設定と判定した場合、或いは、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2DのIPアドレス情報が更新され、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dから新たなアドレス情報を取得した場合、カメラ番号情報を設定するために解像度を特定する処理を実行する。そして、解像度特定部4118は、特定した解像度を示す解像度情報をカメラ番号設定部4112に通知する。
【0057】
カメラ番号設定部4112は、解像度特定部4118から通知される解像度情報に基づいてカメラ番号情報を設定する。例えば、カメラ番号設定部4112は、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれについて、解像度の高いものほど値が小さくなるようにカメラ番号情報を設定する。また、カメラ番号設定部4112は、設定したネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号情報を、対応するネットワークカメラ2A、2B、2C、2DのIPアドレス情報に対応づけてカメラ番号記憶部132に記憶させる。
【0058】
次に、本実施の形態に係る映像配信装置4001が実行する映像配信処理について
図15および
図16を参照しながら詳細に説明する。なお、
図15において、実施の形態1と同様の処理については
図6と同一の符号を付している。まず、ステップS101、S102の一連の処理が実行された後、画像取得部113は、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dから送信される画像情報を取得したか否かを判定する(ステップS4101)。ここで、画像取得部113が画像情報を取得していないと判定すると(ステップS4101:No)、後述のステップS109の処理が実行される。一方、画像取得部113は、画像情報を取得したと判定すると(ステップS4101:Yes)、取得した画像情報を、画像バッファ121に記憶させる(ステップS4102)。次に、アドレス抽出部4114は、画像情報に含まれる画像情報の送信元のネットワークカメラ2A、2B、2C、2DのIPアドレス情報を抽出する(ステップS4103)。ここで、アドレス抽出部4114は、抽出したIPアドレス情報をカメラ番号特定部115および解像度特定部4118に通知する。続いて、解像度特定部4118は、カメラ番号記憶部132が記憶するカメラ番号情報およびアドレス記憶部131が記憶するIPアドレス情報を参照して、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dのカメラ番号情報が未設定またはこれらのいずれかのIPアドレスが更新されたか否かを判定する(ステップS4104)。ここで、解像度特定部4118が、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dのカメラ番号情報が既に設定されており、IPアドレスも更新されていないと判定すると(ステップS4104:No)、ステップS107の処理が実行される。
【0059】
一方、解像度特定部4118が、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dのカメラ番号情報が未設定、または、IPアドレスが更新されたと判定したとする(ステップS4104:Yes)。この場合、解像度特定部4118は、画像バッファ121が記憶する、通知されたIPアドレス情報に対応する1フレーム分の画像情報に基づいて、画像情報の送信元のネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dの解像度を特定する(ステップS4105)。続いて、カメラ番号設定部4112が、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号情報を設定するカメラ番号設定処理を実行する(ステップS4106)。
【0060】
ここで、カメラ番号設定部4112が実行するカメラ番号設定処理について、
図16を参照しながら詳細に説明する。まず、カメラ番号設定部4112は、特定されたネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dの解像度が「FULL HD」レベルであるか否かを判定する(ステップS4201)。ここで、カメラ番号設定部4112は、特定されたネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dの解像度が「FULL HD」レベルであると判定すると(ステップS4201:Yes)、画像情報の送信元のネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dのカメラ番号情報を、カメラ番号「n0」(n0は整数)を示すカメラ番号情報に設定した後(ステップS4202)、ステップS108の処理が実行される。一方、カメラ番号設定部4112は、特定されたネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dの解像度が「FULL HD」レベルではないと判定すると(ステップS4201:No)、その解像度が「HD」レベルであるか否かを判定する(ステップS4203)。ここで、カメラ番号設定部4112は、特定されたネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dの解像度が「HD」レベルであると判定すると(ステップS4203:Yes)、画像情報の送信元のネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dのカメラ番号情報を、カメラ番号「n0+nt」(ntは整数)を示すカメラ番号情報に設定した後(ステップS4204)、ステップS108の処理が実行される。一方、カメラ番号設定部4112が、特定されたネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dの解像度が「HD」レベルではないと判定したとする(ステップS4203:No)。この場合、カメラ番号設定部4112は、画像情報の送信元のネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dのカメラ番号情報を、カメラ番号「n0+2×nt」を示すカメラ番号情報に設定した後(ステップS4205)、ステップS108の処理が実行される。その後、
図15に示すステップS109以降の一連の処理が実行される。
【0061】
本構成によれば、例えば設定されたカメラ番号情報が示すカメラ番号が小さいネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dほど端末装置3、4へ送信する頻度を高く設定することで、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dのうち解像度が高いものに対応する画像情報ほど端末装置3、4への送信頻度を高くすることができる。従って、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれで撮像された画像を示す画像情報の端末装置3、4への送信頻度の優先度を比較的容易に設定することができる。
【0062】
また、別の変形例として、実施の形態1において、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれに予め、互いに異なる映像配信装置1のポート番号が割当てられているものであってもよい。そして、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dが、それぞれ、自機に割り当てられたポート番号を示すポート番号情報を映像配信装置1へ送信するポート番号通知部を備えるものであってもよい。この場合、映像配信装置1が、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのポート番号情報が示すポート番号に基づいて、ネットワークカメラ2A、2B、2C、2Dそれぞれのカメラ番号情報を設定するカメラ番号設定部を備えるものであってもよい。ここで、カメラ番号設定部は、例えばポート番号の値が大きいほどカメラ番号の値が大きくなるようにカメラ番号情報を設定するものであってもよい。
【0063】
本発明に係る映像配信装置1、2001、3001、4001の各種機能は、専用のシステムによらず、無線通信モジュールを備えるコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、ネットワークに接続されているコンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、コンピュータシステムが読み取り可能な非一時的な記録媒体(CD-ROM等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行する映像配信装置1、2001、3001、4001を構成してもよい。
【0064】
また、コンピュータにプログラムを提供する方法は任意である。例えば、プログラムは、通信回線のサーバにアップロードされ、通信回線を介してコンピュータに配信されてもよい。そして、コンピュータは、このプログラムを起動して、OSの制御の下、他のアプリケーションと同様に実行する。これにより、コンピュータは、上述の処理を実行する映像配信装置1、2001、3001、4001として機能する。
【0065】
以上、本発明の実施の形態および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態および変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、複数のネットワークカメラに対するカメラ番号の設定が必要な映像配信システムに好適である。
【符号の説明】
【0067】
1,2001,3001,4001:映像配信装置、2A,2B,2C,2D:ネットワークカメラ、3,4:端末装置、101,201:CPU、102,202:主記憶部、103,203:補助記憶部、106,206:有線通信インタフェース、107:無線モジュール、109,209:バス、111,211,3111,3211:接続処理部、112,2112,4112:カメラ番号設定部、113:画像取得部、114,4114:アドレス抽出部、115:カメラ番号特定部、116,212:画像送信部、121:画像バッファ、131,3131:アドレス記憶部、132,3132:カメラ番号記憶部、133:画像記憶部、204:撮像部、221:撮像画像バッファ、2117:カメラ情報取得部、2213:カメラ情報通知部、4118:解像度特定部、NW:ネットワーク