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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092182
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20240701BHJP
   B60K 35/23 20240101ALI20240701BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALN20240701BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALN20240701BHJP
【FI】
G02B27/01
B60K35/00 A
G02F1/1335 520
G02F1/13357
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207942
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】矢田 直人
【テーマコード(参考)】
2H199
2H291
2H391
3D344
【Fターム(参考)】
2H199BA15
2H199DA03
2H199DA14
2H199DA15
2H199DA33
2H199DA42
2H291FA36X
2H291FA56X
2H291FD29
2H291LA21
2H291MA01
2H291MA03
2H291MA12
2H391BA01
2H391BA12
2H391BA13
2H391BA28
2H391BA29
2H391CB23
2H391CB42
2H391FA07
3D344AA19
3D344AB01
3D344AC25
(57)【要約】
【課題】 画像の二重像見えを低減することがでるヘッドアップディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】 視認者4の前方に配置される投影部材3と、視認者4に視認させる画像に係る映像光Lを出射する表示部11と、映像光Lを投影部材3に向けて反射する光学部材12,13,14と、視認者4の瞳孔41の位置に関する視点情報を取得する視点情報取得部62と、を有し、映像光Lを投影部材3で反射し、視認者4の前方で画像に係る虚像Vを視認させるヘッドアップディスプレイ装置1において、視認者4が映像光Lを画像として視認できる範囲であるアイボックスB1の中心位置B1aを瞳孔41の中心位置41aよりも上方に設定する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視認者の前方に配置される投影部材と、
前記視認者に視認させる画像に係る映像光を出射する表示部と、
前記映像光を前記投影部材に向けて反射する光学部材と、
前記視認者の瞳孔の位置に関する視点情報を取得する視点情報取得部と、を有し、
前記映像光を前記投影部材で反射し、前記視認者の前方で前記画像に係る虚像を視認させるヘッドアップディスプレイ装置において、
前記視認者が前記映像光を前記画像として視認できる範囲であるアイボックスの中心位置を前記瞳孔の中心位置よりも上方に設定することを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項2】
前記アイボックスは第1のアイボックスと、第2のアイボックスを有し、
前記第1のアイボックスは、前記投影部材の前記視認者側の面である表面で反射した前記映像光であり、
前記第2のアイボックスは、前記表面の反対側の面である裏面で反射した前記映像光であり、
前記第2のアイボックスの下端の位置を前記瞳孔の外径位置に設定することを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項3】
前記視点情報取得部は、前記瞳孔の直径を検出することを特徴とする請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項4】
前記瞳孔の大きさが所定値以上の時、前記画像の明るさを明るくすることを特徴とする請求項3に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヘッドアップディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のヘッドアップディスプレイ装置は、例えば、特許文献1に開示されるものがある。このヘッドアップディスプレイ装置は、車両に配置され、画像である映像光を生成する表示器と、映像光を投射するHUD光学部材と、映像光を視認者の視点から虚像又は実像として観察できるように結像させるウインドシールドと、視認者の視点の位置を検出する視点検出部と、視点の位置に基づいてHUD光学部材の位置を制御する制御部と、から構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-529402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のヘッドアップディスプレイ装置は、図3に示すように、映像光Lをウインドシールド3の一方の面(表面)3aで反射させ、反射した映像光L1を視認者4に視認させる。また、映像光Lがウインドシールド3の他方の面(裏面)3bで反射して視認者4の方へ飛ぶ映像光L2が存在し、この映像光L2も視認者4に視認される。このため、図4に示すように、視認者4の視点(瞳孔)41に映像光L1と映像光L2との2つの画像の光が届くことにより、視認者4は画像が二重に重なって視認される(二重像)といった問題点があった。
【0005】
本開示はこのような事情を考慮してなされたもので、画像の二重像見えを低減することがでるヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のヘッドアップディスプレイ装置1は、視認者4の前方に配置される投影部材3と、前記視認者4に視認させる画像に係る映像光Lを出射する表示部11と、前記映像光Lを前記投影部材3に向けて反射する光学部材12,13,14と、前記視認者4の瞳孔41の位置に関する視点情報を取得する視点情報取得部62と、を有し、前記映像光Lを前記投影部材3で反射し、前記視認者4の前方で前記画像に係る虚像Vを視認させるヘッドアップディスプレイ装置1において、前記視認者4が前記映像光Lを画像として視認できる範囲であるアイボックスB1の中心位置B1aを前記瞳孔41の中心位置41aよりも上方に設定することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の第1の実施形態を示すヘッドアップディスプレイ装置の車両に搭載された概略的な構成図。
図2】同上実施形態の表示器の概略的な構成図。
図3】同上実施形態の二重像を示す図。
図4】同上実施形態の視点とアイボックスの位置関係を示す図。
図5】同上実施形態のアイボックスの位置を上方に設定した時の視点とアイボックスの位置関係を示す図。
図6】本開示の第2の実施形態を示す視点とアイボックスの位置関係を示す図。
図7】同上実施形態のアイボックスの位置を上方に設定した時の視点とアイボックスの位置関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示のヘッドアップディスプレイ装置の実施形態を添付図面に基づいて説明する。本開示のヘッドアップディスプレイ装置は、例えば、自動車や二輪車等の車両や、船舶、農業機械、建設機械に搭載され得る。本実施形態においては、本開示のヘッドアップディスプレイ装置が自動車である車両に搭載されるヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUD(Head Up Display)という。)である例を適用して説明する。
【0009】
以下の説明において、「前」、「後」、「右」、「左」、「上」及び「下」は、図1乃至図7における定義「Fr.」、「Re.」、「R」、「L」、「To.」、及び「Bo.」に従う。尚、「前」は運転席に乗車した視認者の向く方向(車両の進行方向)を示す。
【0010】
(第1の実施形態)
HUD1は、図1に示すように、車両のステアリングホイール5の前方のインストルメントパネル内に搭載される。HUD1は、表示器(表示部)11と、結像鏡(光学部材)12と、回転反射鏡(光学部材)13と、凹面鏡(光学部材)14と、制御部15と、筐体16と、少なくとも有する。
【0011】
表示器11は、コンピュータ生成ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)により画像を示す映像光Lを生成し、結像鏡12に向けて出射する公知のプロジェクタである。表示器11は、PGU(Picture Generation Unit)ともいわれる。表示器11は、後方から前方へ映像光Lを出射する。表示器11は、図2に示すように、内部に、光源111と、バックライト光学部材112と、表示パネル部材113と、投射光学部材114と、を少なくとも有する。
【0012】
光源111は、複数のチップ型のLED(Light Emitting Diode)であり、バックライト光学部材112へ照明光を出射する。
【0013】
バックライト光学部材112は、透光性の合成樹脂からなり、入射面が平面、出射面が凸面に形成され、光源111の照明光を表示パネル部材113に対し平行光になるように所望の方向に偏向し、表示パネル部材113へ出射する。
【0014】
表示パネル部材113は、CGHに基づく干渉縞を表示する透過型の変調器(空間光変調器)からなる。表示パネル部材113は、例えば、LCOS-SLM(Liquid Crystal on Silicon-Spatial Light Modulator)が用いられる。表示パネル部材113は、バックライト光学部材112からの照明光から映像光Lを生成し、投射光学部材114へ出射する。
【0015】
投射光学部材114は、透光性の合成樹脂からなり、入射面及び出射面が凸面に形成され、表示パネル部材113の映像光Lを結像鏡12へ出射し、中間像Mを回転反射鏡13付近に結像させる。
【0016】
表示器11は、図示しないが、視認者4(運転者)の右目用の表示器11と、左目用の表示器11と、の2台の表示器からなる。
【0017】
右目用の表示器11は、視認者4の右目に向けて画像である映像光Lを出射する。左目用の表示器11は、視認者4の左目に向けて画像である映像光Lを出射する。表示器11は、画像をCGHで表示することにより、車両前方において、三次元的に表現された画像を視認者4に視認させる。
【0018】
結像鏡12は、自由曲面形状のミラーであり、表示器11が出射した映像光Lを受けて回転反射鏡13に向けて反射し、映像光Lを回転反射鏡13付近に結像し中間像Mを形成する。結像鏡12は、一又は複数軸方向に回転駆動する機構を有し、結像鏡12における映像光Lの反射方向を機械的に制御する。
【0019】
回転反射鏡13は、自由曲面形状のミラーであり、結像鏡12が反射した映像光Lを受けて凹面鏡14に向けて反射する。回転反射鏡13は、ジンバルミラーともいわれる。回転反射鏡13は、一又は複数軸方向に回転駆動する機構を有し、回転反射鏡13における映像光Lの反射方向を機械的に制御する。
【0020】
回転反射鏡13は、回転反射鏡13の姿勢を検出可能なセンサを有する。回転反射鏡13は、視点センサ7が出力する視点位置と前記センサに基づいて角度を調整され、映像光Lが視点(右目、左目)41に届くように制御手段においてその駆動が決定される。
【0021】
凹面鏡14は、回転反射鏡13で反射した映像光Lを上方に反射し、視認者4の前方に配置されるウインドシールド(投影部材)3に向けて出射する。凹面鏡14は、拡大鏡としての機能を有し、映像光Lを拡大し、筐体16の透過部161を介して車両のウインドシールド3側へ反射する。
【0022】
その後、映像光Lは、ウインドシールド3を照射し、視認者4は、ウインドシールド3における映像光Lの反射光を、車両の前方所定位置で虚像Vとして視認する。HUD1は、ウインドシールド3で反射した右目用の映像光L1及び左目用の映像光L1を視認者4の右目及び左目で視認させることにより、ウインドシールド3の前方で画像に係る虚像Vを視認させる。画像は、ウインドシールド3を介して(ウインドシールド3の前方で)視認者4に視認される実景と重なる仮想的な領域に表示される。また、実景は、画像の背景となり得る。
【0023】
筐体16は、表示器11、結像鏡12、回転反射鏡13、凹面鏡14、制御部15が実装された制御基板を取付部材を介して内部に固定する。筐体16は、回転反射鏡13で反射した映像光Lを透過部161からウインドシールド3へ向けて出射する。
【0024】
制御部15は、特に、後述する車両の車両ECU等から取得する情報に基づいて、表示器11を制御し、結像鏡12、回転反射鏡13及び凹面鏡14を駆動制御するための演算処理を行う。具体的には、制御部15は、画像生成部61と、視点情報取得部62と、光路制御部63と、表示制御部64と、を有する。制御部15は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィックコントローラ、集積回路等であり、これらは制御部15内の各部を実現するための所定の処理を実行する。
【0025】
画像生成部61は、車両ECU8から取得する情報に基づいて、表示器11に表示される画像の描画処理を実行し、画像(右目用の画像及び左目用の画像)を生成する。画像生成部61は、例えばナビゲーション、地図、速度計等のゲージをはじめとする、運転に必要となる周囲及び車両に関する情報を表す画像を生成する。
【0026】
視点情報取得部62は、右目及び左目の位置に関する視点情報を車両側の視点センサ7から取得する。視点情報取得部62は、取得した(撮影された)画像を解析することにより、視点情報を算出(検出)する。視点情報は、右目及び左目の前後、左右、上下の位置や、その移動速度や、大きさ(直径)に関する情報を含む。
【0027】
光路制御部63は、視点情報取得部62により取得された視点情報に基づいて、右目及び左目のアイボックスBを設定する。光路制御部63は、視点情報に基づいて、各アイボックスB内に各映像光L1を到達させるための理想光路を算出する。光路制御部63は、この理想光路に基づいて表示器11からの映像光Lの反射方向を、結像鏡12、回転反射鏡13及び凹面鏡14を制御することにより制御する。
【0028】
表示制御部64は、画像生成部61により生成された画像を表示器11に表示するための制御を行う。
【0029】
車両は、HUD1の他に、視点センサ7、車両ECU(Electronic Control Unit)8等の車両の走行に必要な機能を有する。視点センサ7及び車両ECU8と制御部15とは、例えばCAN(Controller Area Network)バス9を介して接続されている。
【0030】
視点センサ7は、視認者4の前方の車両の天井に配置され、視認者4の顔を撮影するカメラからなる。
【0031】
車両ECU8は、車両に設けられた各種センサから車速やエンジン回転数、ナビゲーション情報等の車両の走行に必要な車両情報を取得し、車両の動作を制御する。
【0032】
ヘッドアップディスプレイ装置1は、図3に示すように、映像光Lをウインドシールド3の視認者4側の面である表面3aで反射させ、反射した映像光L1を視認者4に視認させる。ここで、視認者4が映像光L1を画像として視認できる範囲を第1のアイボックスB1という。
【0033】
しかしながら、映像光Lは、ウインドシールド3で反射する際に、一部がウインドシールド3の表面3aを透過しウインドシールド3の内部に入射する。入射した映像光Lは、ウインドシールド3の表面3aの反対側の面である裏面3bで反射して視認者4の方へ反射する映像光L2となり、この映像光L2も視認者4に視認される。ここで、視認者4が映像光L2を画像として視認される範囲を第2のアイボックスB2という。
【0034】
第2のアイボックスB2は、第1のアイボックスB1の少し上方にズレた位置にて視認者4に視認される。このため、図4に示すように、視認者4の瞳孔41に映像光L1と映像光L2との2つの画像の光が届くことにより、視認者4は画像が二重に重なって視認される(二重像)といった問題点があった。
【0035】
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、映像光L2の第2のアイボックスB2が視認者4に視認されることを防止することを目的とする。
【0036】
図4に示すように、第1のアイボックスB1と第2のアイボックスB2は、一部が重なって視認者4に視認される。その重なり量Zは、既知であるウインドシールド3の厚みtから求めることが可能である。また、第1のアイボックスB1と第2のアイボックスB2の上下方向の高さYは、ほぼ同じになり、この高さYは、設計事項であり既知である。また、第1のアイボックスB1の中心位置B1aは、瞳孔41の中心位置41aに設定される。
【0037】
よって、第2のアイボックスB2の下端から瞳孔41の中心位置41aまでの距離Hは、次式1から求めることができる。
[式1]
H=(Y/2)-Z
【0038】
第2のアイボックスB2の下端から瞳孔41の上方の外径位置までの距離Sは、次式2から求めることができる。
[式2]
S=(P/2)-H
【0039】
この距離Sをシフト量S1として、第1のアイボックスB1の中心位置B1aを瞳孔41の中心位置41aから上方位置に設定すると共に、第2のアイボックスB2の下端の位置を瞳孔41の上方の外径位置に設定することにより、図5に示すように、映像光L2の第2のアイボックスB2が視認者4に視認されなくなり、視認者4が画像を二重に視認することを低減することができる。
【0040】
尚、一般的に人の瞳孔41の直径Pは、周辺の明るさにより変化し、周辺が明るいと小さく、暗いと大きくなり、2mmから8mm程度の間で変化するので、ここでは、瞳孔41の直径Pは、平均値の5mmとしている。
【0041】
(第2の実施形態)
本開示に係るヘッドアップディスプレイ装置1の第2の実施形態を図6に基づいて説明する。前述した第1の実施形態と同一部分、均等部箇所については同一符号を付して説明する。
【0042】
第1の実施形態では、図6(a)に示すように、瞳孔41の直径Pを平均値の5mmに設定していたが、先述の通り、瞳孔41の直径Pは、周辺の明るさにより変化する。図6(b)は、瞳孔41の直径Pが2mmの場合であり、図6(c)は、瞳孔41の直径Pが8mmの場合である。
【0043】
瞳孔41の直径Pが8mmの時、シフト量S1だけ第1のアイボックスB1の中心位置B1aを瞳孔41の中心位置41aから上方位置に設定しても、第2のアイボックスB2が視認者4に視認され、視認者4は二重像を視認する。
【0044】
そこで、本開示では、視点センサ7は、視認者4の左目及び右目の位置を算出すると共に、瞳孔41の直径Pを検出する。そして、算出した直径Pから式2により第2のアイボックスB2の下端から瞳孔41の上方の外径位置までの距離Sを算出し、シフト量S1を求める。
【0045】
このようにして、第1のアイボックスB1の中心位置B1aを瞳孔41の中心位置41aの上方位置に設定した場合を、図7に示す。図7(a)は、瞳孔41の直径Pが2mmの場合であり、図7(b)は、瞳孔41の直径Pが8mmの場合である。このようにシフト量S1を設定することにより、瞳孔41の直径が如何なるサイズであっても、映像光L2の第2のアイボックスB2が視認者4に視認されなくなり、視認者4が画像を二重に視認することを低減することができる。
【0046】
尚、図5や、図7(b)に示すように、瞳孔41の面積に占める第1のアイボックスB1の割合が小さくなると、視認者4が視認する画像の明るさが暗くなる。そこで、表示器11の光源111の輝度を上げて、視認者4が視認する画像の明るさを明るくしてもよい。特に、図7(b)に示すように、瞳孔41の大きさが一般的な瞳孔41の平均値である5mm(所定値)以上であるような、第1のアイボックスB1の下端位置が瞳孔41の直径Pの半分よりも上方に位置する場合に有効である。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0048】
例えば、HUD1は、視認者4に映像光Lをウインドシールド3の前方所定位置で虚像Vとして視認させていたが、ウインドシールド3の後方所定位置で実像として視認させてもよい。
【0049】
例えば、視点センサ7は、車両の天井ではなくインストルメントパネル等やHUD1内に配置されてもよい。
【0050】
HUD1は、結像鏡12、回転反射鏡13、凹面鏡14の3つの反射鏡を有していたが、3つに限らず2つでも1つでもよい。
【0051】
表示器11は、光源111としてLEDを使用していたが、レーザー光源であってもよい。表示器11は、LCOS-SLMではなく、LCOSやTFTなどであってもよい。
【0052】
バックライト光学部材112や投射光学部材114は、凸面を有していたが、これに限定されるものではなく、入射面及び/又は出射面が、トロイダル形状、シリンドリカル形状、球面形状、自由曲面形状、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 HUD
11 表示器(表示部)
111 光源
112 バックライト光学部材
113 表示パネル部材
114 投射光学部材
12 結像鏡(光学部材)
13 回転反射鏡(光学部材)
14 凹面鏡(光学部材)
15 制御部
16 筐体
3 ウインドシールド
3a 表面
3b 裏面
4 視認者
41 瞳孔
41a 中心位置
5 ステアリングホイール
61 画像生成部
62 視点情報取得部
63 光路制御部
64 表示制御部
7 視点センサ
8 車両ECU
9 バス
B1 第1のアイボックス
B1a 中心位置
B2 第2のアイボックス
H 距離
L,L1,L2 映像光
M 中間像
S 距離
S1 シフト量
t 厚み
Y 高さ
Z 重なり量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7