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特開2024-92198工作機械、洗浄システム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092198
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】工作機械、洗浄システム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/155 20060101AFI20240701BHJP
   B23B 31/00 20060101ALI20240701BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20240701BHJP
   B23Q 11/00 20060101ALI20240701BHJP
   G05B 19/18 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B23Q3/155 F
B23B31/00 D
B23Q17/00 B
B23Q11/00 N
B23B31/00 B
G05B19/18 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207962
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】寺田 弦
(72)【発明者】
【氏名】小島 輝久
【テーマコード(参考)】
3C002
3C011
3C029
3C032
3C269
【Fターム(参考)】
3C002HH09
3C011BB13
3C029EE05
3C032FF04
3C032FF07
3C269AB01
3C269BB12
3C269CC02
3C269EF15
3C269MN29
3C269PP02
(57)【要約】
【課題】主軸と工具との間に異物が付着したまま工具が装着された場合にも自動で復旧を行う工作機械、洗浄システム、及び制御方法を提供する。
【解決手段】工作機械のCPUは、工具交換において、装着動作を実行する。CPUは、装着動作において、Z軸モータの外乱力を取得する。CPUは、外乱力に基づき特定角度を決定する。CPUは、特定角度に基づき異物付着状態であるか否かを判定する。CPUは、異物付着状態であると判定した場合、脱離動作を実行する(S54)。CPUは、対象物(工具、主軸)を洗浄機構により洗浄する(S63、S66、S67)。CPUは、洗浄機構による洗浄動作を行った後、再度、装着動作を実行する。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具を装着する主軸と、
前記主軸に装着される前記工具を交換する工具交換装置と、
前記工具交換装置を駆動するモータと、
前記工具又は前記主軸の少なくとも一方である対象物を洗浄する洗浄部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記モータの回転により前記工具交換装置を駆動し、前記主軸に対する前記工具の装着動作を実行する装着処理と、
前記装着処理による前記装着動作において、前記モータのトルクを取得する取得処理と、
前記取得処理により取得された前記トルクに基づき、前記主軸と前記工具との間に異物が付着したまま前記主軸に対して前記工具が装着された異物付着状態であるか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理により前記異物付着状態であると判定された場合、前記モータの回転により前記工具交換装置を駆動し、前記工具の脱離動作を実行する脱離処理と、
前記脱離処理により前記主軸から前記工具が脱離した状態で、前記洗浄部によって前記対象物を洗浄する洗浄処理と、を実行し、
前記洗浄処理による洗浄が完了した後、再度、前記装着処理を実行すること
を特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記制御部は、前記洗浄処理において、前記洗浄部によって前記工具における前記主軸と面当たりする工具当接面を洗浄することを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記工具当接面は、前記主軸の軸方向に延びる筒穴の内側面と面当たりする第一当接面を含むことを特徴とする請求項2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記工具当接面は、前記主軸の底面と面当たりする第二当接面を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の工作機械。
【請求項5】
前記制御部は、前記洗浄処理において、前記洗浄部によって前記主軸における前記工具と面当たりする主軸当接面を洗浄することを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項6】
前記主軸当接面は、前記主軸の軸方向に延びる筒穴の内側面を含むことを特徴とする請求項5に記載の工作機械。
【請求項7】
前記主軸当接面は、前記主軸の底面を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の工作機械。
【請求項8】
前記制御部は、前記洗浄処理による洗浄が完了した後、前記判定処理により前記異物付着状態でないと判定されるまで、前記脱離処理、前記洗浄処理、及び前記装着処理を繰り返し実行すること
を特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項9】
前記制御部は、
前記判定処理により前記異物付着状態であると判定された回数を計数する計数処理と、
前記計数処理により計数された前記回数が閾値以上である場合に、報知を行う報知処理と、
を実行することを特徴とする請求項8に記載の工作機械。
【請求項10】
前記制御部は、前記洗浄処理において、前記工具及び前記主軸のうち一方を洗浄した後、前記判定処理において前記異物付着状態であると判定された場合には、次の前記洗浄処理においては、前記工具及び前記主軸のうち他方を洗浄すること
を特徴とする請求項8に記載の工作機械。
【請求項11】
前記制御部は、前記取得処理により取得された前記トルクに基づき、前記洗浄処理における前記対象物を洗浄する時間を決定すること
を特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項12】
前記洗浄部は、洗浄体を用いて前記対象物を洗浄するものであって、
前記制御部は、前記取得処理により取得された前記トルクに基づき、前記洗浄処理における前記洗浄体の量を決定すること
を特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項13】
前記洗浄部は、クーラント又はエアを用いて前記対象物を洗浄することを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項14】
当該工作機械は、前記工具交換装置による前記工具の交換動作を実行する場合に、前記洗浄部によって前記工具及び前記主軸のうち一方を洗浄するものであって、
前記制御部は、前記洗浄処理において、前記工具及び前記主軸のうち他方を洗浄すること
を特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項15】
前記工具交換装置による前記工具の交換動作を実行する場合に、前記洗浄部によって前記対象物を洗浄する第一モードと、
前記判定処理において前記異物付着状態であると判定された場合に、前記洗浄部によって前記対象物を洗浄する前記洗浄処理を実行する第二モードと、
を設定可能なことを
特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項16】
前記制御部は、
前記取得処理において、前記トルクと前記モータの回転角度とを時系列で取得し、
前記取得処理により取得された前記トルクと前記回転角度との時系列データについての特徴量に基づいて、前記回転角度から特定角度を決定する決定処理と、
を更に実行し、
前記判定処理は、前記決定処理により決定された前記特定角度に基づき、前記異物付着状態であるかを判定すること
を特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項17】
工具を装着する主軸と、前記主軸に装着される前記工具を交換する工具交換装置と、前記工具交換装置を駆動するモータと、を備える工作機械と、
前記工作機械の前記工具又は前記主軸の少なくとも一方である対象物を洗浄する洗浄装置と、
を有する洗浄システムであって、
前記モータの回転により前記工具交換装置を駆動し、前記主軸に対する前記工具の装着動作を実行する装着処理と、
前記装着処理による前記装着動作において、前記モータのトルクを取得する取得処理と、
前記取得処理により取得された前記トルクに基づき、前記主軸と前記工具との間に異物が付着したまま前記主軸に対して前記工具が装着された異物付着状態であるか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理により前記異物付着状態であると判定された場合、前記モータの回転により前記工具交換装置を駆動し、前記工具の脱離動作を実行する脱離処理と、
前記脱離処理により前記主軸から前記工具が脱離した状態で、前記洗浄装置によって前記対象物を洗浄する洗浄処理と、を実行し、
前記洗浄処理による洗浄が完了した後、再度、前記装着処理を実行すること
を特徴とする洗浄システム。
【請求項18】
工具を装着する主軸と、前記主軸が装着する前記工具を交換可能な工具交換装置と、前記工具交換装置を駆動するモータと、前記工具又は前記主軸の少なくとも一方である対象物を洗浄する洗浄部とを制御する制御方法において、
前記モータの回転により前記工具交換装置を駆動し、前記主軸に対する前記工具の装着動作を実行する装着工程と、
前記装着工程における前記装着動作において、前記モータのトルクを取得する取得工程と、
前記取得工程において取得された前記トルクに基づき、前記主軸と前記工具との間に異物が付着したまま前記主軸に対して前記工具が装着された異物付着状態であるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において前記異物付着状態であると判定された場合、前記モータの回転により前記工具交換装置を駆動し、前記工具の脱離動作を実行する脱離工程と、
前記脱離工程により前記主軸から前記工具が脱離した状態で、前記洗浄部によって前記対象物を洗浄する洗浄工程と、を含み、
前記洗浄工程による洗浄が完了した後、再度、前記装着工程を実行すること
を特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械、洗浄システム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、工作機械の主軸に対して工具を装着したか否かを判定する数値制御装置が開示されている。工作機械は、主軸、主軸ヘッド、及びZ軸モータを備える。主軸は主軸ヘッドに回転可能に設けられる。Z軸モータの駆動により主軸ヘッドが昇降する。主軸に対して工具の装着が行われる際、Z軸モータの駆動により主軸ヘッドが下降する。このとき、数値制御装置はZ軸モータに加わるトルクを微分する。数値制御装置は、トルクの微分値と主軸ヘッドの位置とに基づき、主軸ヘッドの位置に応じて変動する微分値のピーク位置を決定する。数値制御装置は、決定したピーク位置を統計処理して統計値を算出し、算出された統計値に基づき、主軸に対する工具の装着状態を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-56673号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装着状態として、例えば主軸と工具との間に切粉等の異物が付着したまま、主軸に対して工具が装着された異物付着状態がある。上記数値制御装置では、装着状態が異物付着状態であると判定した場合、装着状態が異物付着状態であることが報知される。この場合、作業者は工作機械の動作を停止して、異物の除去等の復旧を手動で行う必要がある。
【0005】
本発明の目的は、主軸と工具との間に異物が付着したまま工具が装着された場合にも自動で復旧を行う工作機械、洗浄システム、及び制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の工作機械は、工具を装着する主軸と、前記主軸に装着される前記工具を交換する工具交換装置と、前記工具交換装置を駆動するモータと、前記工具又は前記主軸の少なくとも一方である対象物を洗浄する洗浄部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記モータの回転により前記工具交換装置を駆動し、前記主軸に対する前記工具の装着動作を実行する装着処理と、前記装着処理による前記装着動作において、前記モータのトルクを取得する取得処理と、前記取得処理により取得された前記トルクに基づき、前記主軸と前記工具との間に異物が付着したまま前記主軸に対して前記工具が装着された異物付着状態であるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理により前記異物付着状態であると判定された場合、前記モータの回転により前記工具交換装置を駆動し、前記工具の脱離動作を実行する脱離処理と、前記脱離処理により前記主軸から前記工具が脱離した状態で、前記洗浄部によって前記対象物を洗浄する洗浄処理と、を実行し、前記洗浄処理による洗浄が完了した後、再度、前記装着処理を実行することを特徴とする。
【0007】
工作機械は、異物付着状態と判定された場合、主軸から工具を脱離し、対象物を洗浄した後、主軸に工具を装着する。このように、工作機械は、異物付着状態で主軸に対して工具が装着された場合にも自動で復旧を行うことができる。
【0008】
請求項2の工作機械において、前記制御部は、前記洗浄処理において、前記洗浄部によって前記工具における前記主軸と面当たりする工具当接面を洗浄してもよい。工作機械は、異物付着状態と判定した場合、工具当接面に付着した異物を除去できる。
【0009】
請求項3の工作機械において、前記工具当接面は、前記主軸の軸方向に延びる筒穴の内側面と面当たりする第一当接面を含んでもよい。工作機械は、異物付着状態と判定した場合、第一当接面に付着した異物を除去できる。
【0010】
請求項4の工作機械において、前記工具当接面は、前記主軸の底面と面当たりする第二当接面を含んでもよい。工作機械は、異物付着状態と判定した場合、第二当接面に付着した異物を除去できる。
【0011】
請求項5の工作機械において、前記制御部は、前記洗浄処理において、前記洗浄部によって前記主軸における前記工具と面当たりする主軸当接面を洗浄してもよい。工作機械は、異物付着状態と判定した場合、主軸当接面に付着した異物を除去できる。
【0012】
請求項6の工作機械において、前記主軸当接面は、前記主軸の軸方向に延びる筒穴の内側面を含んでもよい。工作機械は、異物付着状態と判定した場合、筒穴の内側面に付着した異物を除去できる。
【0013】
請求項7の工作機械において、前記主軸当接面は、前記主軸の底面を含んでもよい。工作機械は、異物付着状態と判定した場合、主軸の底面に付着した異物を除去できる。
【0014】
請求項8の工作機械において、前記制御部は、前記洗浄処理による洗浄が完了した後、前記判定処理により前記異物付着状態でないと判定されるまで、前記脱離処理、前記洗浄処理、及び前記装着処理を繰り返し実行してもよい。工作機械は、対象物を洗浄した後、再度装着状態が異物付着状態と判定された場合、主軸から工具を脱離し、対象物を洗浄する。工作機械は、対象物から十分に異物を除去した状態で、主軸に工具を装着できる。
【0015】
請求項9の工作機械において、前記制御部は、前記判定処理により前記異物付着状態であると判定された回数を計数する計数処理と、前記計数処理により計数された前記回数が閾値以上である場合に、報知を行う報知処理とを実行してもよい。工作機械は、繰り返し洗浄しても対象物に異物が付着している場合、エラー報知を行う。これにより、作業者は、洗浄部による洗浄で対象物から異物が除去できないことを把握できる。
【0016】
請求項10の工作機械において、前記制御部は、前記洗浄処理において、前記工具及び前記主軸のうち一方を洗浄した後、前記判定処理において前記異物付着状態であると判定された場合には、次の前記洗浄処理においては、前記工具及び前記主軸のうち他方を洗浄してもよい。これにより、工作機械は、洗浄部により工具及び主軸の両方を洗浄する場合と比較して、対象物から異物を効果的に除去できる。
【0017】
請求項11の工作機械において、前記制御部は、前記取得処理により取得された前記トルクに基づき、前記洗浄処理における前記対象物を洗浄する時間を決定してもよい。これにより、工作機械は、適切な時間で対象物から異物を除去できる。
【0018】
請求項12の工作機械において、前記洗浄部は、洗浄体を用いて前記対象物を洗浄するものであって、前記制御部は、前記取得処理により取得された前記トルクに基づき、前記洗浄処理における前記洗浄体の量を決定してもよい。これにより、工作機械は、適切な量の洗浄体で対象物から異物を除去できる。
【0019】
請求項13の工作機械において、前記洗浄部は、クーラント又はエアを用いて前記対象物を洗浄してもよい。これにより、工作機械は、簡単な構成で対象物を洗浄できる。
【0020】
請求項14の工作機械において、当該工作機械は、前記工具交換装置による前記工具の交換動作を実行する場合に、前記洗浄部によって前記工具及び前記主軸のうち一方を洗浄するものであって、前記制御部は、前記洗浄処理において、前記工具及び前記主軸のうち他方を洗浄してもよい。工具が交換動作において洗浄された後、工作機械が異物付着状態と判定した場合、異物が主軸に付着している可能性が高い。工作機械は、工具の交換動作において工具及び主軸のうち一方を洗浄し、その後、異物付着状態と判定した場合に他方を洗浄するので、対象物から異物を効果的に除去できる。
【0021】
請求項15の工作機械は、前記工具交換装置による前記工具の交換動作を実行する場合に、前記洗浄部によって前記対象物を洗浄する第一モードと、前記判定処理において前記異物付着状態であると判定された場合に、前記洗浄部によって前記対象物を洗浄する前記洗浄処理を実行する第二モードと、を設定可能であってもよい。これにより、工作機械は、対象物から異物を効果的に除去できる。
【0022】
請求項16の工作機械において、前記制御部は、前記取得処理において、前記トルクと前記モータの回転角度とを時系列で取得し、前記取得処理により取得された前記トルクと前記回転角度との時系列データについての特徴量に基づいて、前記回転角度から特定角度を決定する決定処理と、を更に実行し、前記判定処理は、前記決定処理により決定された前記特定角度に基づき、前記異物付着状態であるかを判定してもよい。工作機械は、主軸に対する工具の装着状態を精度よく判定できる。
【0023】
請求項17の洗浄システムは、工具を装着する主軸と、前記主軸に装着される前記工具を交換する工具交換装置と、前記工具交換装置を駆動するモータと、を備える工作機械と、前記工作機械の前記工具又は前記主軸の少なくとも一方である対象物を洗浄する洗浄装置と、を有する洗浄システムであって、前記モータの回転により前記工具交換装置を駆動し、前記主軸に対する前記工具の装着動作を実行する装着処理と、前記装着処理による前記装着動作において、前記モータのトルクを取得する取得処理と、前記取得処理により取得された前記トルクに基づき、前記主軸と前記工具との間に異物が付着したまま前記主軸に対して前記工具が装着された異物付着状態であるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理により前記異物付着状態であると判定された場合、前記モータの回転により前記工具交換装置を駆動し、前記工具の脱離動作を実行する脱離処理と、前記脱離処理により前記主軸から前記工具が脱離した状態で、前記洗浄装置によって前記対象物を洗浄する洗浄処理と、を実行し、前記洗浄処理による洗浄が完了した後、再度、前記装着処理を実行することを特徴とする。
【0024】
請求項18の制御方法は、工具を装着する主軸と、前記主軸が装着する前記工具を交換可能な工具交換装置と、前記工具交換装置を駆動するモータと、前記工具又は前記主軸の少なくとも一方である対象物を洗浄する洗浄部とを制御する制御方法において、前記モータの回転により前記工具交換装置を駆動し、前記主軸に対する前記工具の装着動作を実行する装着工程と、前記装着工程における前記装着動作において、前記モータのトルクを取得する取得工程と、前記取得工程において取得された前記トルクに基づき、前記主軸と前記工具との間に異物が付着したまま前記主軸に対して前記工具が装着された異物付着状態であるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程において前記異物付着状態であると判定された場合、前記モータの回転により前記工具交換装置を駆動し、前記工具の脱離動作を実行する脱離工程と、前記脱離工程により前記主軸から前記工具が脱離した状態で、前記洗浄部によって前記対象物を洗浄する洗浄工程と、を含み、前記洗浄工程による洗浄が完了した後、再度、前記装着工程を実行することを特徴とする。
【0025】
請求項17の洗浄システム及び請求項18の制御方法は、請求項1の工作機械と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】工作機械1の斜視図である。
図2】主軸ヘッド7の周囲の右側面図である。
図3】主軸ヘッド7の周囲の縦断面図である。
図4】主軸9の縦断面図である。
図5】工具3の正面図である。
図6】対象物を洗浄する場合における主軸ヘッド7の周囲の拡大図である。
図7】対象物を洗浄する場合における主軸ヘッド7の周囲の右側面図である。
図8】洗浄機構100を示す回路図である。
図9】工作機械1及び制御装置30の電気的構成を示すブロック図である。
図10】Z軸モータ51の回転角度θに応じて変動するZ軸モータ51に加わる外乱力F及び微分値fを示すグラフである。
図11】洗浄内容テーブル39の概念図である。
図12】洗浄機構100の各バルブの状態を示す表である。
図13】モード設定処理のフローチャートである。
図14】工具交換処理のフローチャートである。
図15図14の続きを示すフローチャートである。
図16】対象物洗浄処理のフローチャートである。
図17図16の続きを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態を、図面を参照し説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。工作機械1の左右方向、前後方向、上下方向は夫々、工作機械1のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向である。右方向、前方向、上方向は夫々、正方向であり、左方向、後方向、下方向は夫々、負方向である。図1に示す工作機械1は、工具3により被削材(図示略)に切削加工を施す機械である。本実施形態に記載する「ATC」とは「Automatic Tool Changer」の略称である。また、本実施形態に記載する「NC」とは「Numerical Control」の略称である。
【0028】
<工作機械1の構造>
図1図2に示すように、工作機械1は、ベース2、コラム5、制御箱6、テーブル装置10、主軸ヘッド7、主軸9、工具交換装置20、及び洗浄機構100を有する。ベース2は、略直方体状の金属製土台である。コラム5は、ベース2の上面の後部に固定される。コラム5は上下方向に延びる立柱である。制御箱6は、コラム5の背面に固定される。制御箱6は、制御装置30を収納する。コラム5の上部には、支持板78a、78bが設けられる。支持板78aは、コラム5の上部の右前端から前方に延びる板状である。支持板78bは、コラム5の上部の左前端から前方に延びる板状である。支持板78a、78bは、後述する工具交換装置20、洗浄機構100を支持する。
【0029】
テーブル装置10は、Y軸移動機構(図示略)、Y軸テーブル12、テーブル13、X軸移動機構(図示略)を有する。Y軸移動機構は、ベース2の上面、且つコラム5の前方に設けられ、Y軸モータ54(図9参照)を有する。Y軸移動機構は、Y軸モータ54の駆動に応じて、Y軸テーブル12をY軸方向に移動する。X軸移動機構は、Y軸テーブル12の上部に設けられ、X軸モータ53(図9参照)を有する。X軸移動機構は、X軸モータ53の駆動に応じてテーブル13をX軸方向に移動する。故にテーブル13は、X軸移動機構とY軸移動機構により、ベース2の上方をX軸方向とY軸方向に移動可能である。
【0030】
<Z軸移動機構8の構造>
図3に示すように、コラム5の前部には、Z軸移動機構8が設けられる。Z軸移動機構8は、ボールねじ41、軸受部42、43、カムフォロア49、Z軸モータ51(図9参照)を有する。ボールねじ41は、コラム5の前部に設けられ、Z軸方向に延びる。軸受部42、43は、ボールねじ41に挿通され、ボールねじ41を回転可能に支持する。軸受部42は、軸受部43の上方に設けられる。カムフォロア49は、軸受部42の前端に設けられる。カムフォロア49は、後述する主軸ヘッド7の板カム47のカム面を摺動する。
【0031】
Z軸モータ51は、軸受部42の上方に固定される。ボールねじ41は、カップリング(図示略)を介して、Z軸モータ51の出力軸に連結される。ボールねじ41は、Z軸モータ51の駆動により、上下方向に延びる軸周りに正逆回転される。ボールねじ41には、軸受部42、43の間でナット44が螺合される。ナット44は、主軸ヘッド7の後端部に固定される。Z軸モータ51が正方向に回転すると、ボールねじ41が回転し、ナット44と主軸ヘッド7とが一体となって上昇する。Z軸モータ51が逆方向に回転すると、ボールねじ41が逆回転し、ナット44と主軸ヘッド7とが一体となって下降する。
【0032】
<主軸ヘッド7の内部構造>
図2図3に示すように、主軸ヘッド7は、コラム5の前部に設けられる。主軸ヘッド7は、箱形状である。主軸ヘッド7は、Z軸モータ51の駆動により昇降する際、左右方向において、支持板78aと支持板78bとの間を通過する。主軸ヘッド7は、主軸モータ52、クランクレバー45、支軸46、コイルバネ48を有する。主軸モータ52は、主軸ヘッド7の上面の前部に固定される。主軸モータ52には、連通穴56(図8参照)が形成される。連通穴56は、主軸モータ52を上下方向に開口する。
【0033】
支軸46は、主軸ヘッド7の後部の内側に固定される。支軸46は、左右方向に延びる棒状である。クランクレバー45は、主軸ヘッド7の上部に設けられる。クランクレバー45は、レバー45a、45bを有する。レバー45aは、略前後方向に延びる。レバー45bは、レバー45aの後端部から略上方に延びる。レバー45aとレバー45bとの接続部分には、左右方向に延びる支軸46が挿通される。クランクレバー45は、支軸46を中心に揺動可能である。レバー45bの後端には、板カム47が設けられる。板カム47の背面には、カム面が形成される。板カム47のカム面は、カムフォロア49と接離可能である。コイルバネ48は、主軸ヘッド7の後部の内側に設けられる。コイルバネ48は、前後方向に延びる。コイルバネ48の一端は主軸ヘッド7の背面に固定される。コイルバネ48の後端は、板カム47の下方で、クランクレバー45の後端部に固定される。コイルバネ48は、クランクレバー45を右側面視で時計回りに常時付勢する。
【0034】
<主軸9の内部構造>
図3図4に示すように、主軸9は、主軸ヘッド7の前下部の内側に設けられ、上下方向に延びる円筒状である。主軸9は、主軸ヘッド7に回転可能に支持される。主軸9は、主軸モータ52の出力軸に連結する。主軸9は、主軸モータ52の駆動により、上下方向に延びる軸周りに正逆回転される。
【0035】
主軸9は、軸穴91、装着穴92、空間93、摺動穴94、クランプ軸81、ばね82を有する。軸穴91は、主軸9の上端部から下部に亘り形成され、主軸9の中心を通る。軸穴91は、主軸モータ52の連通穴56と連結する。
【0036】
装着穴92は、主軸9の下側の底面(以下、下面96という。)を開口する。装着穴92は、主軸9の中心を通る。装着穴92の内側面92aには、後述する工具3が装着される。空間93は、装着穴92の上部に形成される。空間93は、装着穴92と連結する。摺動穴94は、上下方向において軸穴91と空間93との間に形成される。摺動穴94は、軸穴91と空間93とに連結する。即ち、装着穴92は、空間93、摺動穴94、軸穴91を介して連通穴56(図8参照)と連通する。
【0037】
クランプ軸81は、軸穴91の内側、且つ軸穴91に対して上下方向に移動可能に設けられる。クランプ軸81は、支持部83、軸部84、把持部85を有する。支持部83は、クランプ軸81の上端に設けられ、柱状である。支持部83は、ピン95を支持する。ピン95は、クランプ軸81に突出して設けられる。ピン95は、主軸9を前後方向に貫通する貫通穴(図示略)を介して、主軸9の外側に突出する。ピン95は、レバー45aの下方に位置する。クランクレバー45が揺動すると、レバー45aの前端部は、ピン95に対して接離する。
【0038】
軸部84は、支持部83から下方に延びる柱状である。把持部85は、軸部84の下端に設けられ、複数の鋼球(図示略)を有する。ばね82は、軸穴91の内側に挿通して設けられる。ばね82の上端は、支持部83と係合する。ばね82は、クランプ軸81を上方に常時付勢する。
【0039】
<工具3の構造>
図5に矢印で示す左右、前後、上下を使用して工具3の構造を説明する。工具3はホルダ14及び刃具4を有する。ホルダ14は、フランジ15、シャンク16、プルスタッド17を有する。
【0040】
フランジ15は、上下方向に軸を有する円柱状である。フランジ15の下端部は、刃具4を保持する。フランジ15は、後述するグリップアーム23に着脱可能に把持される。シャンク16は、フランジ15の上側の底面から上方に延びる。シャンク16は、上方に向けて縮径する円錐状である。平面視で、シャンク16の下端部の径は、フランジ15における上側の底面の径よりも小さい。以下、フランジ15における上側の底面のうち、シャンク16が接続されていない面を、上面15aという。上面15aは、主軸9の下面96に対応する。
【0041】
シャンク16は、装着穴92の内側面92aに対応するテーパ面16aを有する。プルスタッド17は、シャンク16の上端から上方に突出する。プルスタッド17は、側面視でT字型に形成される。プルスタッド17は、主軸9の把持部85の複数の鋼球により把持される。このとき、下面96と上面15aとが面当たりし、内側面92aと上面15aとが面当たりする。プルスタッド17が把持部85により把持され、下面96と上面15aとが面当たりし、内側面92aと上面15aとが面当たりすることを、主軸9に対して工具3が装着されるという(図4参照)。故に、主軸9は、内側面92aと下面96とで工具3の位置を規制する二面拘束型の構成となっている。
【0042】
<工具交換装置20の構造>
図1図3に示すように、工具交換装置20は、支持板78a、78bの前端に設けられる。工具交換装置20は、前後方向において、主軸ヘッド7の前方に位置する。工具交換装置20は、タレット式である。
【0043】
工具交換装置20は、工具マガジン21、マガジンモータ55を有する。工具マガジン21は、マガジン本体22、支軸25、複数のグリップアーム23を有する。マガジン本体22は、略円盤状である。支軸25は、前下方に延びる棒状である。支軸25は、軸周りに回転可能に設けられ、マガジン本体22を支持する。夫々のグリップアーム23は、マガジン本体22の外周に所定間隔毎に設けられる。夫々のグリップアーム23は、マガジン本体22の前後方向に揺動可能に設けられる。グリップアーム23の先端部は、工具3のフランジ15を着脱可能に把持する。マガジンモータ55の出力軸は、支軸25と連結する。工具マガジン21は、マガジンモータ55の駆動により、支軸25の軸周りに正逆回転される。
【0044】
<工具3の着脱、交換動作>
図3図4に示すように、主軸9に対して工具3を装着した状態で、制御装置30の制御指令に基づき、Z軸モータ51が正方向に回転する。ボールねじ41が軸周りに回転し、主軸ヘッド7及び主軸9はテーブル13の加工原点から上昇する。加工原点は、機械原点であり、被削材を加工可能な最上端位置である。
【0045】
主軸ヘッド7及び主軸9が上昇すると、カムフォロア49はクランクレバー45の板カム47に接触し、板カム47のカム面を摺動する。クランクレバー45は、コイルバネ48の弾性力に抗して、右側面視で支軸46を中心に反時計回りに回転する。レバー45aの前端部は、ピン95に上方から係合し、クランプ軸81を下方に押圧する。クランプ軸81は、ばね82の弾性力に抗して把持部85を下方に付勢する。把持部85はプルスタッド17の把持を解除する。
【0046】
主軸9はATC原点まで更に上昇する。ATC原点は、主軸9の位置であり、加工原点よりも上方にある。主軸9がATC原点に位置する場合、工具マガジン21は回転可能である。
【0047】
主軸9が上昇すると、下面96と工具3の上面15aとが離隔する。内側面92aと工具3のテーパ面16aとが離隔する。工具3は主軸9から脱離する。主軸9から脱離した工具3を、第一工具と称す。工具交換装置20における複数のグリップアーム23のうち、工具交換位置にある一のグリップアーム23(以下、第一グリップアームと称す。)は、主軸9から脱離した第一工具のフランジ15を把持する。工具交換位置は、工具マガジン21の最下方位置であり、且つ主軸9に近接して対向する位置である。尚、図3では、工具交換位置にあるグリップアーム23が把持する工具3の図示を省略する。
【0048】
主軸ヘッド7がATC原点に到達すると、工具交換装置20は、制御装置30の制御指令に基づき、マガジンモータ55の駆動により工具マガジン21を回転させる。工具交換装置20は、制御指令が指定する刃具4を保持する工具3(以下、第二工具と称す。)を工具交換位置に割り出す。このとき、工具マガジン21は、第一工具が工具交換位置にある状態から、第二工具が工具交換位置にある状態まで回転する。工具マガジン21は第一工具を第一グリップアームにより把持し、且つ第二工具を他のグリップアーム23(以下、第二グリップアームと称す。)に把持した状態で回転する。工具交換位置に割り出された第二工具はATC原点に移動した主軸ヘッド7の下方に位置する。
【0049】
次いで、制御装置30の制御指令に基づき、Z軸モータ51が逆方向に回転する。ボールねじ41が軸周りに逆回転し、主軸9はATC原点から下降する。第二工具のシャンク16が装着穴92に進入し、プルスタッド17が空間93に進入する。
【0050】
装着穴92にシャンク16が進入した状態で、主軸9及び主軸ヘッド7は更に下降する。カムフォロア49は、板カム47のカム面を摺動した後、板カム47から離れる。クランクレバー45は、コイルバネ48の弾性力により、支軸46を中心に右側面視で時計回りに回転する。レバー45aの前部端は、ピン95から上方に離れ、クランプ軸81の下方への押圧を解除する。クランプ軸81は、把持部85の下方への付勢を解除する。
【0051】
把持部85は、空間93から摺動穴94に移動する。把持部85は、第二工具のプルスタッド17を複数の鋼球により把持して、引っ張り上げる。第二グリップアームは、第二工具のフランジ15の把持を解除する。下面96と工具3の上面15aとが面当たりする。内側面92aと工具3のテーパ面16aとが面当たりする。主軸9は、第二工具の装着を完了する。主軸9に対して工具3が装着されるときのクランプ軸81、クランクレバー45の動作を、装着動作と称す。主軸9から工具3が脱離されるときのクランプ軸81、クランクレバー45の動作を、脱離動作と称す。
【0052】
<洗浄機構100>
図1、2、6~8に示すように、洗浄機構100は、コラム5、支持板78a、78b、主軸ヘッド7に設けられる。洗浄機構100は、工具3、主軸9(以下、対象物という。)に付着した異物を洗浄液により洗浄する。本実施形態において、洗浄液はクーラント液である。洗浄機構100は、第一洗浄機構110、第二洗浄機構120、第三洗浄機構130を有する。
【0053】
第一洗浄機構110は、エア供給源150、流路151、152、153、154、電磁バルブ171、バルブ111、ポンプ191、タンク181を有する。
【0054】
エア供給源150は、エアを供給可能である。エア供給源150は、例えばコンプレッサである。流路151は、エア供給源150と電磁バルブ171とを連結する。電磁バルブ171は、流路152の一端に設けられる。電磁バルブ171は、励磁状態となると流路152を開放し、非励磁状態となると、流路152を閉鎖する。
【0055】
流路152の他端には、バルブ111が設けられる。バルブ111は、流路153の一端に設けられる。バルブ111は、流路153を開放可能な機械式のバルブである。電磁バルブ171が励磁状態であり、流路152にエア供給源150からエアが供給された場合、バルブ111は流路153を開放する。電磁バルブ171が非励磁状態であり、流路152にエア供給源150からエアが供給されない場合、バルブ111は流路153を閉鎖する。
【0056】
流路153の他端は、連通穴56の上端に連結する。流路154の一端はバルブ111と連結する。流路154の他端は、ポンプ191と連結する。ポンプ191は、タンク181に収納される。タンク181は、コラム5の上方に設けられ、洗浄液を貯留する。バルブ111が流路153を開放した場合、ポンプ191は、タンク181に貯留された洗浄液を連通穴56に供給する。
【0057】
連通穴56に供給された洗浄液は、軸穴91、摺動穴94、空間93を介して、装着穴92の内側面92aに向けて噴射流a(図6図8参照)として噴射される。噴射流aは、内側面92aを洗浄する。
【0058】
第二洗浄機構120は、エア供給源160、流路212、222、105、106、101、電磁バルブ172、バルブ103、分岐路102、104、ノズル131、132、ポンプ191、タンク181を有する。
【0059】
エア供給源160は、エアを供給可能である。エア供給源160は、例えばコンプレッサである。流路212は、エア供給源160と電磁バルブ172とを連結する。電磁バルブ172は、流路222の一端に設けられる。電磁バルブ172は、励磁状態となると流路222を開放し、非励磁状態となると、流路222を閉鎖する。
【0060】
流路222の他端には、バルブ103が設けられる。バルブ103は、分岐路104と連結する。バルブ103は、分岐路104を開放可能な機械式のバルブである。電磁バルブ172が励磁状態であり、流路222にエア供給源160からエアが供給された場合、バルブ103は分岐路104を開放する。電磁バルブ172が非励磁状態であり、流路222にエア供給源160からエアが供給されない場合、バルブ103は分岐路104を閉鎖する。
【0061】
分岐路104で分岐される一方は、流路105の一端と連結する。流路105の他端は、ノズル131(図2参照)と連結する。ノズル131は、支持板78aに設けられ、工具交換位置に向けて斜め下方に開口するノズル穴(非図示)が形成される。分岐路104で分岐される他方は、流路106の一端と連結する。流路106の他端は、ノズル132(図1参照)と連結する。ノズル132は、支持板78bに設けられ、工具交換位置に向けて斜め下方に開口するノズル穴(非図示)が形成される。
【0062】
流路101の一端は、ポンプ192と連結する。ポンプ192は、タンク182に収納される。タンク182は、コラム5の上方に設けられ、洗浄液を貯留する。流路101の他端は、分岐路102と連結する。分岐路102で分岐される一方は、バルブ103と連結する。分岐路102で分岐される他方は、後述する流路107と連結する。バルブ103が分岐路104を開放した場合、ポンプ192は、タンク181に貯留された洗浄液をノズル131、132に供給する。
【0063】
洗浄液が供給されたノズル131、132は、ノズル穴から斜め下方に噴射流b(図7図8参照)を噴射する。噴射流bは、工具交換位置に位置する工具3の上面15a、テーパ面16aを洗浄する。尚、図7では、ノズル132から噴射される噴射流bの図示を省略する。
【0064】
第三洗浄機構130は、エア供給源160、流路213、223、109、107、101、電磁バルブ173、バルブ108、ノズル140、分岐路102、ポンプ191、タンク181を有する。エア供給源160、流路101、分岐路102、ポンプ191、タンク181は、第二洗浄機構120と共通する構成であり、説明を省略する。
【0065】
流路213は、エア供給源160と電磁バルブ173とを連結する。電磁バルブ173は、流路223の一端に設けられる。電磁バルブ173は、励磁状態となると流路223を開放し、非励磁状態となると、流路223を閉鎖する。
【0066】
流路223の他端には、バルブ108が設けられる。バルブ108は、流路109の一端と連結する。バルブ108は、流路109を開放可能な機械式のバルブである。電磁バルブ173が励磁状態であり、流路223にエア供給源160からエアが供給された場合、バルブ108は流路109を開放する。電磁バルブ173が非励磁状態であり、流路223にエア供給源160からエアが供給されない場合、バルブ103は流路109を閉鎖する。
【0067】
流路109の他端は、ノズル140に連結する。ノズル140は、主軸ヘッド7の下端部に設けられ、上下方向に開口する円筒状である。ノズル140の内側面は、主軸9の下端部を覆う(図6参照)。ノズル140の下端部には、内側に向けて略水平方向に開口するノズル穴(非図示)が環状に形成される。
【0068】
流路107の一端は、バルブ108と連結する。流路107の他端は、分岐路102と連結する。ポンプ192は、タンク181に貯留された洗浄液をノズル140に供給する。洗浄液が供給されたノズル140は、ノズル穴から略水平方向に噴射流c(図6図8参照)を噴射する。噴射流cは、主軸9の下面96を洗浄する。
【0069】
<制御装置30と工作機械1の電気的構成>
図9に示すように、制御装置30は、CPU31、ROM32、RAM33、記憶装置34、入出力インタフェイス35、駆動回路61~70を有する。CPU31は、制御装置30を統括制御する。ROM32は、各種プログラムを記憶する。RAM33は、処理実行中の各種データを記憶する。
【0070】
記憶装置34は、不揮発性メモリであり、NCプログラム、後述する洗浄内容テーブル39、後述する洗浄時間テーブル(非図示)等を記憶する。NCプログラムは、複数のブロックで構成される。各ブロックは、工具交換指令等の少なくとも一つの指令を含む。また、記憶装置34は、主軸9に工具3を装着した装着回数(使用回数に相当)を、工具3ごとに記憶する。CPU31は、主軸9に対する工具3の装着動作を実行した場合、装着動作で装着される工具3(第二工具)に対応する装着回数に1加算する。CPU31は、主軸9に装着した工具3を脱離して別の工具3に付け替えた場合、脱離した工具3に対応する装着回数を0とする。
【0071】
入出力インタフェイス35は、駆動回路61~70、エンコーダ51a~55a、入力部37、表示部38と電気的に接続し、各種信号の入出力を行う。入力部37及び表示部38は、工作機械1の操作盤36に設けられる。操作盤36は、工作機械1を覆うカバー(図示略)の外壁に設けられる。入力部37は、各種情報、操作指示等の入力を受け付け、入出力インタフェイス35を介して、CPU31に入力する。表示部38は、入出力インタフェイス35を介してCPU31から入力される指令に基づき、各種画面、異常情報等を表示する。
【0072】
駆動回路61は、Z軸モータ51に電気的に接続する。駆動回路62は、主軸モータ52に電気的に接続する。駆動回路63は、X軸モータ53に電気的に接続する。駆動回路64は、Y軸モータ54に電気的に接続する。駆動回路65は、マガジンモータ55に電気的に接続する。駆動回路61、62、63、64、65は、入出力インタフェイス35を介してCPU31から入力される指令に基づき、Z軸モータ51、主軸モータ52、X軸モータ53、Y軸モータ54、マガジンモータ55に駆動電流を出力する。Z軸モータ51、主軸モータ52、X軸モータ53、Y軸モータ54、マガジンモータ55は、入力された駆動電流に応じて回転するサーボモータである。駆動回路61、62、63、64、65は、戻り値として駆動電流を入出力インタフェイス35に出力する。
【0073】
Z軸モータ51はエンコーダ51aを有する。主軸モータ52はエンコーダ52aを有する。X軸モータ53はエンコーダ53aを有する。Y軸モータ54はエンコーダ54aを有する。マガジンモータ55はエンコーダ55aを有する。エンコーダ51a、52a、53a、54a、55aは、絶対値エンコーダであり、Z軸モータ51、主軸モータ52、X軸モータ53、Y軸モータ54、マガジンモータ55の回転角度を夫々検出する。エンコーダ51a、52a、53a、54a、55aは、検出した回転角度を入出力インタフェイス35に入力する。CPU31は、エンコーダ51aが検出したZ軸モータ51の回転角度を取得することで、Z軸モータ51と連結するボールねじ41の回転角度を推定し、ボールねじ41の回転により移動する主軸9のZ軸方向の位置を推定する。
【0074】
駆動回路66は、ポンプ191に電気的に接続する。駆動回路67は、ポンプ192に電気的に接続する。駆動回路66、67は、入出力インタフェイス35を介してCPU31から入力される指令に基づき、ポンプ191、192を制御する。
【0075】
駆動回路68は、電磁バルブ171に電気的に接続する。駆動回路69は、電磁バルブ172に電気的に接続する。駆動回路70は、電磁バルブ173に電気的に接続する。駆動回路68、69、70は、入出力インタフェイス35を介してCPU31から入力される指令に基づき、電磁バルブ171、172、173を励磁状態又は非励磁状態にする。
【0076】
<装着動作における外乱力及び外乱力の微分値の変動>
図10(A)は、装着動作におけるZ軸モータ51の回転角度(横軸)とZ軸モータ51に加わる外乱力(縦軸)との関係を示すグラフである。図10(A)には、工作機械1の振動等による影響を除くため、工作機械1の固有振動を除去するローパスフィルタによる処理を施してある。装着動作において、Z軸モータ51の回転角度は負方向に変化する。
【0077】
Z軸モータ51に加わる外乱力は、Z軸モータ51の駆動による反力としてZ軸モータ51に作用する力である。外乱力は、Z軸モータ51のトルクに含まれ、以下の数1の関係を満たす。
【数1】
数1において、TはZ軸モータ51のトルク(Nm)を示す。FはZ軸モータ51に加わる外乱力(Nm)を示す。θはZ軸モータ51の回転角度(rad)を示す。「θ(上付き一つドット)」は、回転角度θの一階時間微分(角速度(rad/s))を示す。「θ(上付き二つドット)」は、回転角度θの二階時間微分(角加速度(rad/s))を示す。J(kg・m)はZ軸モータ51に関する慣性モーメントを示す。右辺第二項は慣性力を示す。DはZ軸モータ51に関する粘性係数(Nm/(rad/s))を示す。右辺第三項は粘性力を示す。kはZ軸モータ51に関するクーロン摩擦に関する係数(Nm)を示す。右辺第四項はクーロン摩擦力を示す。
【0078】
CPU31は、Z軸モータ51の駆動電流を駆動回路61から取得し、Z軸モータ51の回転角度θをエンコーダ51aから取得することで、Z軸モータ51のトルクTを取得する。そして、CPU31は、Z軸モータ51のトルクT、回転角度θに基づき、外乱力Fを取得する。
【0079】
図10(B)は、装着動作におけるZ軸モータ51の回転角度θ(横軸)と外乱力Fの時間微分値(以下、微分値fと称す。)(縦軸)との関係を示すグラフである。図10(B)において、装着動作における微分値fが最小となる場合のZ軸モータ51の回転角度θを、特定角度φと称す。装着動作において微分値fが最小となる(即ち、θ=φとなる)タイミングは、板カム47がカムフォロア49から離隔するタイミングである。
【0080】
<主軸9に対する工具3の装着状態>
工具3により被削材を加工でき、且つ切削精度に影響が出ない態様で主軸9に対して工具3が装着された状態を、完全装着状態と称す。これに対し、主軸9に対して工具3が不完全に装着された状態として、異物付着状態となる場合がある。異物付着状態は、主軸9の内側面92aと工具3のテーパ面16aとの間、又は主軸9の下面96と工具3の上面15aとの間の少なくとも一方に異物が付着したまま、主軸9に対して工具3が装着された状態である。異物は、例えば切削加工において被削材から生じる切粉である。
【0081】
異物付着状態において、把持部85がプルスタッド17を把持する位置は、付着した異物により、完全装着状態における位置より下方になる。よって、異物付着状態のまま被削材の加工が行われた場合、工具3の先端の位置が完全装着状態とは異なるので、被削材の加工精度が低下する虞がある。以下、完全装着状態及び異物付着状態を、装着状態と総称する。
【0082】
把持部85がプルスタッド17を把持する位置は、主軸9に対する工具3の装着状態により変化する。よって、装着動作において板カム47がカムフォロア49に接触するタイミング、又は脱離動作において板カム47がカムフォロア49から脱離するタイミングは、主軸9に対する工具3の装着状態に応じて変化する。故に特定角度φは、装着状態に応じて変化する。制御装置30は、装着動作毎での特定角度φの変化に基づき、装着状態を判定する。
【0083】
<装着状態の判定>
制御装置30のCPU31は、装着状態を判定するために、装着動作におけるZ軸モータ51の回転角度θ、及びZ軸モータ51に加わる外乱力Fを所定の周期(例えば、0.5ms)で取得する。
【0084】
CPU31は、取得した外乱力Fに対してローパスフィルタをかけた後時間微分して微分値fを算出する。CPU31は、算出した微分値fと、回転角度θとを対応付けてRAM33に記憶する。CPU31は、RAM33に記憶された微分値fの変動(図10(B)参照)から特定角度φを決定する。CPU31は、装着動作を実行する度に、決定した特定角度φと工具3の装着回数とを対応付けて、記憶装置34に順次記憶する。
【0085】
CPU31は、特定角度φを記憶装置34に記憶する度に、記憶した特定角度に対して統計処理を行い、統計値を算出する。より具体的に、CPU31は、記憶装置34に記憶した特定角度φから対象特定角度を決定する。対象特定角度は、最新の特定角度φ(以下、第一特定角度φと称す。)と異物付着状態となった場合の特定角度φを除いた特定角度φである。CPU31は、対象特定角度のうち、最新の対象特定角度(以下、第二特定角度と称す。)から数えて所定数の特定角度φを抽出する。CPU31は、抽出した所定数の特定角度φの平均値μと標準偏差σを統計値として算出する。CPU31は、第一特定角度φが、平均値μと標準偏差σの6倍との和μ+6σ(以下、判定閾値φmaxと称す。)より大きい場合、装着動作後の装着状態が異物付着状態であると判定する。
【0086】
<洗浄機構100による洗浄>
CPU31は、異物付着状態と判定した場合、脱離動作を実行して主軸9から工具3を脱離する。CPU31は、工具3、主軸9に付着した異物を除去するために、洗浄機構100による洗浄を行う。以下、洗浄を行う洗浄機構100の動作を洗浄動作という。CPU31は、洗浄動作の実行後、再度装着動作を実行して主軸9に工具3を装着する。CPU31は、再度の装着動作において異物付着状態と判定した場合、脱離動作、洗浄動作、及び装着動作を異物付着状態と判定されなくなるまで繰り返し行う。CPU31は、異物付着状態と判定した判定回数N(Nは自然数)を計数し、RAM33に記憶する。
【0087】
また、CPU31は、工具交換における装着動作において、異物付着状態となることを防止するために洗浄動作を実行する。CPU31は、洗浄モードに基づき洗浄動作を制御する。洗浄モードは、図11に示す洗浄内容テーブル39によって定められた洗浄機構100の制御内容である。洗浄モードは、第一モード、第二モード、第三モード、第四モードに区分される。
【0088】
洗浄内容テーブル39は、洗浄機構100の制御内容として、洗浄動作を実行するタイミング、及び洗浄動作により洗浄する対象物を定める。本実施形態における対象物は、主軸9又は工具3の何れか一方である。対象物が主軸9を含む場合、洗浄機構100は、第一洗浄機構110による主軸9の内側面92aの洗浄、及び第三洗浄機構130による主軸9の下面96の洗浄を行う。対象物が工具3を含む場合、洗浄機構100は、第二洗浄機構120による工具3のテーパ面16a及び上面15aの洗浄を行う。以下、洗浄機構100が主軸9の内側面92a及び下面96の洗浄を行うことを、主軸9に対して洗浄動作を実行するという。以下、洗浄機構100が工具3のテーパ面16a及び上面15aの洗浄を行うことを、工具3に対して洗浄動作を実行するという。
【0089】
洗浄内容テーブル39は、洗浄動作を実行するタイミングとして、工具交換のタイミング、異物付着状態と1回目(N=1)に判定されたタイミング、及び異物付着状態と2回目以降(N≧2)に判定されたタイミングでの洗浄機構100の制御内容を定める。
【0090】
第一モードでは、CPU31は、工具交換のタイミングで工具3に対して洗浄動作を行い、1回目の異物付着状態と判定されたタイミング、及び2回目以降に異物付着状態と判定されたタイミングでの洗浄動作を行わない。
【0091】
第二モードでは、CPU31は、工具交換のタイミングでの洗浄動作を行わず、1回目の異物付着状態と判定されたタイミングで工具3に対して洗浄動作を行い、2回目以降に異物付着状態と判定されたタイミングで主軸9に対して洗浄動作を実行する。
【0092】
第三モードでは、CPU31は、工具交換のタイミングで工具3に対して洗浄動作を行い、1回目の異物付着状態と判定されたタイミングで主軸9に対して洗浄動作を実行する。CPU31は、2回目以降に異物付着状態と判定されたタイミングで判定回数Nが奇数である場合、主軸9に対して洗浄動作を行い、判定回数Nが偶数である場合、工具3に対して洗浄動作を実行する。即ち、CPU31は、判定回数Nが奇数である場合、主軸9に対して洗浄動作を行い、判定回数Nが偶数である場合、工具3に対して洗浄動作を実行する。
【0093】
第四モードでは、CPU31は、工具交換のタイミングで工具3に対して洗浄動作を行い、1回目の異物付着状態と判定されたタイミング、及び2回目以降に異物付着状態と判定されたタイミングで主軸9に対して洗浄動作を実行する。即ち、CPU31は、異物付着状態と判定された場合、工具交換のタイミングで洗浄されなかった主軸9に対して洗浄動作を実行する。
【0094】
図8図12を参照し、洗浄動作が実行されない場合(非洗浄)、工具3に対する洗浄動作が実行される場合、及び主軸9に対する洗浄動作が実行される場合の夫々の場合における各バルブの状態を説明する。洗浄動作が実行されない場合、CPU31は、電磁バルブ171、172、173を何れも非励磁状態にする。電磁バルブ171が非励磁状態であるので流路152が閉鎖され、バルブ111は流路153を閉鎖する。洗浄液がポンプ191から連通穴56に供給されず、噴射流aは装着穴92に噴射されない。電磁バルブ172が非励磁状態であるので流路222が閉鎖され、バルブ103は分岐路104を閉鎖する。洗浄液がポンプ192からノズル131、132に供給されず、噴射流bはノズル131、132から噴射されない。電磁バルブ173が非励磁状態であるので流路223が閉鎖され、バルブ108は流路109を閉鎖する。洗浄液がポンプ192からノズル140に供給されず、噴射流cはノズル140から噴射されない。
【0095】
工具3に対する洗浄動作が実行される場合、CPU31は、電磁バルブ172を励磁状態にし、電磁バルブ171、173を非励磁状態にする。電磁バルブ172が励磁状態であるので流路222が開放され、バルブ103は分岐路104を開放する。洗浄液がポンプ192からノズル131、132に供給され、噴射流bはノズル131、132から噴射される。一方、電磁バルブ171が非励磁状態であるので、噴射流aは装着穴92に噴射されない。電磁バルブ173が非励磁状態であるので、噴射流cはノズル140から噴射されない。洗浄機構100は、噴射流bにより、工具3に対して洗浄動作を実行する。
【0096】
主軸9に対する洗浄動作が実行される場合、CPU31は、電磁バルブ171、173を励磁状態にし、電磁バルブ172を非励磁状態にする。電磁バルブ171が励磁状態であるので流路152が開放され、バルブ111は流路153を開放する。洗浄液がポンプ191から連通穴56に供給され、噴射流aは装着穴92に噴射される。電磁バルブ173が励磁状態であるので流路223が開放され、バルブ108は流路109を開放する。洗浄液がポンプ192からノズル140に供給され、噴射流cはノズル140から噴射される。一方、電磁バルブ172が非励磁状態であるので、噴射流bはノズル131、132から噴射されない。洗浄機構100は、噴射流a、cにより、主軸9に対して洗浄動作を実行する。
【0097】
<モード設定処理>
図13を参照し、制御装置30のCPU31が実行するモード設定処理を説明する。モード設定処理において、CPU31は、洗浄モードを第一モード、第二モード、第三モード、第四モードから設定する。CPU31は、工作機械1の電源投入後、ROM32に記憶された制御プログラムを読み出し、実行することによりモード設定処理を開始する。
【0098】
CPU31は、設定変更指令を受け付けたか否かを判定する(S1)。作業者は、洗浄モードを設定する場合、入力部37に設定変更指令を入力する。入力部37は、入力された設定変更指令を受け付け、CPU31に入力する。CPU31は、設定変更指令を受け付けていないと判定した場合(S1:NO)、処理をS1に戻す。
【0099】
CPU31は、設定変更指令を受け付けたと判定した場合(S1:YES)、モード指定指令を受け付けたか否かを判定する(S2)。作業者は、第一モード、第二モード、第三モード、及び第四モードの何れかを指定するモード指定指令を入力部37に入力する。入力部37は、入力されたモード指定指令を受け付け、CPU31に入力する。CPU31は、モード指定指令を受け付けていないと判定した場合(S2:NO)、処理をS2に戻す。
【0100】
CPU31は、モード指定指令を受け付けたと判定した場合(S2:YES)、受け付けたモード指定指令が第一モードを指定するものか否かを判定する(S3)。CPU31は、モード指定指令が第一モードを指定すると判定した場合(S3:YES)、洗浄モードを第一モードに設定し(S4)、処理をS1に戻す。
【0101】
CPU31は、モード指定指令が第一モードを指定するものでないと判定した場合(S3:NO)、受け付けたモード指定指令が第二モードを指定するものか否かを判定する(S5)。CPU31は、モード指定指令が第二モードを指定すると判定した場合(S5:YES)、洗浄モードを第二モードに設定し(S6)、処理をS1に戻す。
【0102】
CPU31は、モード指定指令が第二モードを指定するものでないと判定した場合(S5:NO)、受け付けたモード指定指令が第三モードを指定するものか否かを判定する(S7)。CPU31は、モード指定指令が第三モードを指定すると判定した場合(S7:YES)、洗浄モードを第三モードに設定し(S8)、処理をS1に戻す。CPU31は、モード指定指令が第三モードを指定するものでないと判定した場合(S7:NO)、洗浄モードを第四モードに設定し(S9)、処理をS1に戻す。
【0103】
<工具交換処理>
図14図15を参照し、制御装置30のCPU31が実行する工具交換処理を説明する。工具交換処理において、CPU31は、工具交換装置20による工具3の交換、及び装着動作時における装着状態の判定を行う。作業者は、入力部37に工具交換指令を入力する。入力部37は、入力された工具交換指令を受け付け、CPU31に入力する。CPU31は、工具交換指令が入力された場合、ROM32に記憶された制御プログラムを読み出し、実行することにより工具交換処理を開始する。工具交換処理における、主軸9は加工原点に位置する。電磁バルブ171、172、173は何れも非励磁状態である。洗浄モードは、モード設定処理(図13参照)で設定された第一モード、第二モード、第三モード、及び第四モードの何れかである。
【0104】
図14に示すように、CPU31は、Z軸モータ51を正方向に回転し、主軸9の上昇を開始する(S11)。CPU31は、主軸9がATC原点に到達したか否かを判定する(S12)。CPU31は、主軸9がATC原点に到達していないと判定した場合(S12:NO)、処理をS12に戻す。CPU31は、主軸9がATC原点に到達したと判定した場合(S12:YES)、Z軸モータ51の回転を停止して、主軸9の上昇を停止する(S13)。
【0105】
CPU31は、モード設定処理において設定された洗浄モードが第二モードであるか否かを判定する(S14)。CPU31は、洗浄モードが第二モードである場合(S14:YES)、処理をS16に移行する。CPU31は、洗浄モードが第二モードでない場合(S14:NO)、電磁バルブ172を励磁状態にして噴射流bを噴射し、工具3に対して洗浄動作を開始する(S15)。CPU31は、処理をS16に移行する。
【0106】
CPU31は、マガジンモータ55を駆動して工具マガジン21を回転し、第二工具を把持するグリップアーム23を工具交換位置に割り出す(S16)。工具交換位置に位置する第二工具は、S15の処理で開始された工具3に対する洗浄動作により、其のテーパ面16a及び上面15aが洗浄される。
【0107】
CPU31は、Z軸モータ51を逆方向に回転し、主軸9の下降を開始する(S21)。CPU31は、Z軸モータ51の回転角度θ及び外乱力Fの取得を開始する(S22)。CPU31は、S22の処理において、駆動回路61から取得する駆動電流と、エンコーダ51aから取得する回転角度θからトルクTを所定の周期で取得する。CPU31は、トルクTに含まれる外乱力Fを数1に基づき取得する。
【0108】
CPU31は、Z軸モータ51の回転角度θ及び外乱力Fを新たに取得したか否かを判定する(S23)。CPU31は、回転角度θ及び外乱力Fを新たに取得していないと判定した場合(S23:NO)、処理をS23に戻す。CPU31は、回転角度θ及び外乱力Fを新たに取得したと判定した場合(S23:YES)、取得した回転角度θに基づき、主軸9が加工原点に到達したか否かを判定する(S24)。
【0109】
CPU31は、主軸9が加工原点に到達していないと判定した場合(S24:NO)、CPU31は、取得した回転角度θ及び外乱力Fにローパスフィルタによる処理を施す(S25)。
【0110】
CPU31は、外乱力Fを時間微分して微分値fを算出する(S26)。CPU31は、回転角度θと微分値fとを対応付けてRAM33に記憶する(S27)。RAM33には、回転角度θ及び微分値fが時系列で記憶される。CPU31は、処理をS23に戻す。
【0111】
CPU31は、主軸9が加工原点に到達したと判定した場合(S24:YES)、洗浄モードが第二モードであるか否かを判定する(S31)。CPU31は、洗浄モードが第二モードである場合(S31:YES)、処理をS33に移行する。CPU31は、洗浄モードが第二モードでない場合(S31:NO)、電磁バルブ172を非励磁状態にして、工具3に対する洗浄動作を停止する(S32)。CPU31は、処理をS33に移行する。
【0112】
CPU31は、S22の処理で開始したZ軸モータ51の回転角度θ及び外乱力Fの取得を停止する(S33)。CPU31は、Z軸モータ51の回転を停止し、主軸9の下降を停止する(S34)。CPU31は、処理をS35(図15参照)に移行する。
【0113】
図15に示すように、CPU31は、RAM33に記憶された微分値fのうち、最小を示す微分値fに対応する回転角度θを特定角度φとして決定する(S35)。CPU31は、S35の処理で決定した特定角度φと、工具3の装着回数とを対応付けて、記憶装置34に記憶する(S36)。
【0114】
CPU31は、S36の処理で記憶装置34に記憶した特定角度φのうち、対象特定角度(記憶された特定角度φのうち、第一特定角度φと異物付着状態となった場合の特定角度φを除いた特定角度φ)の数が所定数以上であるか否かを判定する(S37)。CPU31は、対象特定角度の数が所定数未満であると判定した場合(S37:NO)、工具交換処理を終了する。
【0115】
CPU31は、対象特定角度の数が所定数以上であると判定した場合(S37:YES)、統計処理を実行する(S38)。CPU31は、S38の処理において、記憶装置34に記憶した対象特定角度のうち第二特定角度から新しい順に数えて所定数分の対象特定角度を、装着回数に基づいて取得する。CPU31は、取得した対象特定角度の平均値μと標準偏差σを算出する。CPU31は、S38の処理で算出した平均値μ及び標準偏差σに基づき、μ+6σを判定閾値φmaxとして決定する(S39)。
【0116】
CPU31は、第一特定角度φが、S39の処理で決定した判定閾値φmax以下であるか否かを判定する(S41)。CPU31は、第一特定角度φが判定閾値φmax以下であると判定した場合(S41:YES)、完全装着状態であると判定する。この場合、CPU31は、工具交換処理を終了する。
【0117】
CPU31は、第一特定角度φが判定閾値φmaxよりも大きいと判定した場合(S41:NO)、異物付着状態であると判定する。この場合、CPU31は、記憶装置34に記憶した第一特定角度φを削除する(S42)。CPU31は、洗浄モードが第一モードであるか否かを判定する(S43)。CPU31は、洗浄モードが第一モードであると判定した場合(S43:YES)、報知処理を実行する(S44)。CPU31は、S44の処理において、表示部38により、異物付着状態である旨の報知を行う。CPU31は、工具交換処理を終了する。
【0118】
CPU31は、洗浄モードが第一モードでない場合(S43:NO)、後述する対象物洗浄処理(図16図17参照)を実行し(S45)、工具交換処理を終了する。
【0119】
<対象物洗浄処理>
図16図17を参照し、CPU31が工具交換処理のS45(図15参照)で実行する対象物洗浄処理を説明する。対象物洗浄処理において、CPU31は、洗浄機構100を制御して、異物付着状態と判定された対象物(工具3、主軸9)に対する洗浄動作を実行する。対象物洗浄処理において、洗浄モードは第二モード、第三モード、及び第四モードの何れかである。主軸9は異物付着状態で工具3(第二工具)を装着している。即ち、工具3のテーパ面16a、上面15a、主軸9の内側面92a、下面96の少なくとも一つに異物が付着している状態である。電磁バルブ171、172、173は何れも非励磁状態である。異物付着状態と判定された判定回数Nの値は0である。
【0120】
図16に示すように、CPU31は、判定回数Nの値に1加算する(S51)。CPU31は、判定回数Nが閾値Nmaxに到達したか否かを判定する(S52)。閾値Nmaxは、所定の2以上の自然数であり、ROM32に記憶されている。CPU31は、判定回数Nが閾値Nmaxに到達していないと判定した場合(S52:NO)、対象物に対して洗浄動作を実行する洗浄時間を決定する(S53)。CPU31は、S53の処理において、S22の処理で取得した外乱力F、及び記憶装置34に記憶される洗浄時間テーブルに基づき、洗浄時間を決定する。本実施形態において、洗浄時間テーブルには、装着動作におおける外乱力Fの最大値と、洗浄時間との関係を定める。洗浄時間テーブルでは、例えば外乱力Fの最大値が大きくなるほど、洗浄時間が長くなるように定められている。CPU31は、S22の処理で取得した外乱力Fから其の最大値を決定し、決定した外乱力Fの最大値及び洗浄時間テーブルに基づき、洗浄時間を決定する。
【0121】
CPU31は、Z軸モータ51を正方向に回転し、主軸9の上昇を開始する(S54)。CPU31は、主軸9がATC原点に到達したか否かを判定する(S55)。CPU31は、主軸9がATC原点に到達していないと判定した場合(S55:NO)、処理をS55に戻す。CPU31は、主軸9がATC原点に到達したと判定した場合(S55:YES)、Z軸モータ51の回転を停止して、主軸9の上昇を停止する(S56)。工具3(第二工具)は、主軸9から脱離され、工具交換位置に位置する。
【0122】
CPU31は、洗浄モードが第二モードであるか否かを判定する(S61)。CPU31は、洗浄モードが第二モードであると判定した場合(S61:YES)、判定回数Nの値が1であるか否かを判定する(S62)。CPU31は、1回目の異物付着状態であり、判定回数Nの値が1である場合(S62:YES)、電磁バルブ172を励磁状態にして、工具3に対して洗浄動作を開始する(S63)。工具交換位置に位置する第二工具のテーパ面16a及び上面15aは、噴射流bにより洗浄される。CPU31は、処理をS68に移行する。
【0123】
CPU31は、2回目以降の異物付着状態であり、判定回数Nの値が2である場合(S62:NO)、電磁バルブ171、173を励磁状態にして噴射流a、cを噴射し、主軸9に対して洗浄動作を開始する(S66)。主軸9の内側面92aは噴射流aにより洗浄され、下面96は噴射流cにより洗浄される。CPU31は、処理をS68に移行する。
【0124】
CPU31は、洗浄モードが第二モードでないと判定した場合(S61:NO)、洗浄モードが第四モードであるか否かを判定する(S64)。CPU31は、洗浄モードが第四モードであると判定した場合(S64:YES)、処理をS66に移行する。主軸9の内側面92a及び下面96は、洗浄機構100の駆動により洗浄される。CPU31は、処理をS68に移行する。
【0125】
CPU31は、洗浄モードが第四モードでないと判定した場合(S64:NO)、洗浄モードが第三モードであるとして、判定回数Nの値が奇数であるか否かを判定する(S65)。CPU31は、判定回数Nの値が奇数である場合(S65:YES)、処理をS66に移行する。主軸9の内側面92a及び下面96は、洗浄機構100の駆動により洗浄される。CPU31は、処理をS68に移行する。
【0126】
CPU31は、判定回数Nの偶数である場合(S65:NO)、電磁バルブ172を励磁状態にして、工具3に対して洗浄動作を開始する(S67)。S67は、S63と同様の処理である。工具交換位置に位置する第二工具のテーパ面16a及び上面15aは、洗浄機構100の駆動により洗浄される。CPU31は、処理をS68に移行する。
【0127】
CPU31は、S63、S66、S67で洗浄機構100による洗浄を開始してから洗浄時間が経過したか否かを判定する(S68)。CPU31は、洗浄時間が経過していないと判定した場合(S68:NO)、処理をS68に戻す。CPU31は、洗浄時間が経過したと判定した場合(S68:YES)、励磁状態の電磁バルブ171、172、173を非励磁状態にして、洗浄機構100による洗浄を停止する(S69)。CPU31は、処理をS71(図17参照)に移行する。
【0128】
図17に示すように、CPU31は、主軸9の下降を開始し(S71)、再度の装着動作を実行する。CPU31は、Z軸モータ51の回転角度θ及び外乱力Fの取得を開始する(S72)。CPU31は、Z軸モータ51の回転角度θ及び外乱力Fを新たに取得したか否かを判定する(S73)。S71~S73は、S21~S23と同様の処理である。
【0129】
CPU31は、回転角度θ及び外乱力Fを新たに取得していないと判定した場合(S73:NO)、処理をS73に戻す。CPU31は、回転角度θ及び外乱力Fを新たに取得したと判定した場合(S73:YES)、主軸9が加工原点に到達したか否かを判定する(S74)。S74は、S24と同様の処理である。
【0130】
CPU31は、主軸9が加工原点に到達していないと判定した場合(S74:NO)、CPU31は、取得した回転角度θ及び外乱力Fにローパスフィルタによる処理を施す(S75)。CPU31は、外乱力Fを時間微分して微分値fを算出する(S76)。CPU31は、回転角度θと微分値fとを対応付けてRAM33に記憶する(S77)。CPU31は、処理をS73に戻す。S75~S77は、S25~S27と同様の処理である。
【0131】
CPU31は、主軸9が加工原点に到達したと判定した場合(S74:YES)、S72の処理で開始したZ軸モータ51の回転角度θ及び外乱力Fの取得を停止する(S83)。CPU31は、主軸9の下降を停止する(S84)。CPU31は、RAM33に記憶された微分値fに基づき、特定角度φを決定する(S85)。CPU31は、S85の処理で決定した特定角度φと、工具3の装着回数とを対応付けて、記憶装置34に記憶する(S86)。S83~S86は、S33~S36と同様の処理である。
【0132】
CPU31は、統計処理を実行する(S88)。S88は、S38と同様の処理である。CPU31は、判定閾値φmaxを決定する(S89)。S89は、S39と同様の処理である。
【0133】
CPU31は、S86で記憶した特定角度φのうち第一特定角度φがS89の処理で決定した判定閾値φmax以下であるか否かを判定する(S91)。CPU31は、第一特定角度φが判定閾値φmaxよりも大きいと判定した場合(S91:NO)、洗浄機構100による洗浄動作を行った後も異物付着状態であると判定する。この場合、CPU31は、記憶装置34に記憶した第一特定角度φを削除し(S92)、処理をS51(図16参照)に戻す。
【0134】
図16に示すように、CPU31は、判定回数Nの値に1加算し(S51)、判定回数Nの値が閾値Nmaxに到達していない場合(S52:NO)、再度、脱離動作、洗浄動作、及び装着動作を繰り返し行う。
【0135】
CPU31は、判定回数Nの値が閾値Nmaxに到達した場合(S52:YES)、報知処理を実行する(S95)。CPU31は、S95の処理において、表示部38により、洗浄機構100による洗浄を行った後も対象物に異物が付着している旨の報知を行う。CPU31は、処理を工具交換処理(図15参照)に戻す。
【0136】
図17に示すように、CPU31は、洗浄機構100による洗浄を行った後、第一特定角度φが判定閾値φmax以下であると判定した場合(S91:YES)、完全装着状態であると判定する。この場合、CPU31は、判定回数Nの値を0にして(S93)、処理を工具交換処理に戻す。
【0137】
<本実施形態の作用、効果>
以上説明したように、制御装置30のCPU31は、工具交換装置20による工具交換において、装着動作を行い、主軸9に工具3を装着する(S21)。CPU31は、装着動作において、Z軸モータ51の外乱力Fを取得する(S22)。CPU31は、S22の処理において、Z軸モータ51のトルクTを取得することで、トルクTに含まれる外乱力Fを取得する。CPU31は、外乱力Fに基づき特定角度φを決定する。CPU31は、特定角度φに基づき異物付着状態であるか否かを判定する(S41)。CPU31は、異物付着状態であると判定した場合、脱離動作を行い、主軸9から工具3を脱離する(S54)。CPU31は、対象物(工具3、主軸9)を洗浄機構100により洗浄する(S63、S66、S67)。CPU31は、洗浄機構100による洗浄動作を行った後、再度、装着動作を実行する(S71)。このように、工作機械1は、装着動作において異物付着状態と判定した場合、主軸9から工具3を脱離し、洗浄機構100により対象物の洗浄を行った後、再度、主軸9に工具3を装着する。工作機械1は、装着動作において異物付着状態である場合にも、自動で対象物から異物を除去して復旧できる。
【0138】
洗浄機構100は、工具3のテーパ面16a、上面15aを第二洗浄機構120により洗浄できる。主軸9に対して工具3が装着される場合に、テーパ面16aは主軸9の内側面92aと面当たりする面であり、上面15aは主軸9の下面96と面当たりする面である。工作機械1は、異物付着状態の原因となるテーパ面16a、上面15aに付着した異物を除去できる。
【0139】
洗浄機構100は、主軸9の内側面92a、下面96を第一洗浄機構110、第三洗浄機構130により洗浄できる。工作機械1は、異物付着状態の原因となる内側面92a、下面96に付着した異物を除去できる。
【0140】
CPU31は、対象物を洗浄機構100により洗浄した後(S63、S66、S67)、再度、異物付着状態でないと判定されるまで(S91:YES)、再度、脱離動作(S54)、洗浄動作(S63、S66、S67)、及び装着動作(S71)を繰り返し行う。工作機械1は、異物付着状態でないと判定されるまで洗浄機構100により洗浄動作を繰り返し行うので、対象物から十分に異物を除去した状態で、主軸9に工具3を装着できる。
【0141】
CPU31は、異物付着状態と判定された判定回数Nを計数する(S51)。CPU31は、判定回数Nが閾値Nmaxに到達した場合(S52:YES)、報知処理を実行する(S95)。これにより、作業者は、工作機械1が洗浄機構100により洗浄したにもかかわらず、対象物から異物が除去できないことを把握できる。
【0142】
CPU31は、洗浄モードが第三モードである場合、判定回数Nが奇数であれば主軸9に対して洗浄動作を行い(S66)、判定回数Nが偶数であれば工具3に対して洗浄動作を実行する(S67)。このように、工作機械1は、異物付着状態と判定する度、洗浄動作を実行する対象物を、工具3と主軸9とで交互に入れ替える。工具3及び主軸9のうち一方に対して洗浄動作が実行された後、再度、異物付着状態と判定された場合、工具3及び主軸9のうち他方に異物が付着している可能性が高い。工作機械1は、毎回工具3及び主軸9の両方に対して洗浄動作を実行する場合と比較して、対象物から異物を効果的に除去できる。
【0143】
CPU31は、対象物に対して洗浄動作を実行する洗浄時間を、装着動作(S22)において取得した外乱力Fの大きさに基づき決定する(S53)。工作機械1は、異物付着状態と判定する際に用いられる外乱力Fに基づき、洗浄時間を決定する。これにより、工作機械1は、適切な時間で対象物から異物を除去できる。
【0144】
洗浄機構100は、クーラント液を用いて対象物を洗浄する。クーラント液は、被削材の加工において、被削材、工具3を冷却するために用いられる。工作機械1は、クーラント液を用いることで、簡単な構成で対象物を洗浄できる。
【0145】
CPU31は、洗浄モードが第四モードである場合、工具交換装置20による工具交換において、工具3(第二工具)に対して洗浄動作を実行する(S15)。その後、CPU31は、異物付着状態と判定した場合、主軸9に対して洗浄動作を実行する(S66)。工具交換において工具3に対して洗浄動作が実行された後、再度、異物付着状態と判定された場合、異物が主軸9に付着している可能性が高い。工作機械1は、交換動作において工具3に対して洗浄動作を行い、その後、異物付着状態と判定した場合に主軸9に対して洗浄動作を実行するので、対象物から異物を効果的に除去できる。
【0146】
CPU31は、モード設定処理において、第一モード(S4)、第二モード(S6)に設定できる。CPU31は、洗浄モードが第一モードである場合、工具交換装置20による工具交換において、工具3に対して洗浄動作を実行する(S15)。CPU31は、洗浄モードが第二モードである場合、異物付着状態と判定した場合において、工具3(S63)又は主軸9(S66)に対して洗浄動作を実行する。工作機械1は、モード設定処理において洗浄モードを設定することで、対象物から異物を効果的に除去できる。
【0147】
CPU31は、工具3の装着動作において、Z軸モータ51の外乱力F及び回転角度θを時系列で取得する(S22、S72)。CPU31は、微分処理を実行し、外乱力Fを時間微分して、微分値fを算出する。CPU31は、時系列で変動する微分値f及び回転角度θに基づき、微分値fのうち、最小を示す微分値fに対応する回転角度θを特定角度φとして決定する(S35、S85)。CPU31は、決定した特定角度φのうち第一特定角度φが判定閾値φmax以下であるか否かを判定することで、異物付着状態であるか否かを判定する(S41)。工作機械1は、工具3の装着状態に関する特徴量である微分値fに基づき、特定角度φを決定し、装着状態を判定する。よって、工作機械1は、主軸9に対する工具3の装着状態を精度よく判定できる。
【0148】
<変形例>
本発明は上記実施形態から種々変更できる。以下説明する各種変形例は、矛盾が生じない限り夫々組み合わせ可能である。上記実施形態において、工作機械1が洗浄機構100を有し、制御装置30が工具交換装置20、Z軸モータ51、洗浄機構100を制御した。これに対し、工具交換装置、Z軸モータを有する工作機械と、該工作機械と別体であり洗浄機構を有する洗浄装置とで構成される洗浄システムにおいて、工作機械と洗浄装置とを統括制御する制御装置が、上記実施形態のように、装着動作において異物付着状態と判定し、異物付着状態と判定した場合には、脱離動作、洗浄動作、及び再度の装着動作を実行するよう、工作機械と洗浄装置とを制御してもよい。
【0149】
制御装置30は工作機械1に設けられる場合に限らず、工作機械1とは別体に設けられてもよい。例えば制御装置30は、工作機械1に接続した装置(PC、専用機等)でもよい。CPU31の代わりに、例えばマイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が、プロセッサとして用いられてもよい。モード設定処理、工具交換処理、及び対象物洗浄処理は、夫々、複数のプロセッサによって分散処理されてもよい。例えば、工作機械と、該工作機械と別体の洗浄装置とで構成される洗浄システムにおいて、工作機械と洗浄装置の夫々がプロセッサを有し、工作機械のプロセッサと洗浄装置のプロセッサによって分散処理されてもよい。
【0150】
ROM32、記憶装置34等の非一時的な記憶媒体は、情報を記憶する期間に関わらず、情報を留めておくことが可能な記憶媒体であればよい。非一時的な記憶媒体は、一時的な記憶媒体(例えば、伝送される信号)を含まなくてもよい。制御プログラムは、例えば、図示外のネットワークに接続されたサーバからダウンロードされて(すなわち、伝送信号として送信され)、ROM32又は記憶装置34に記憶されてもよい。この場合、制御プログラムは、サーバに備えられたHDD等の非一時的な記憶媒体に保存されていればよい。
【0151】
工具交換装置20は、タレット式に限らず、例えばアーム式でもよい。Z軸移動機構8の構成は適宜変更してもよい。Z軸移動機構8は、ボールねじ41の代わりに、Z軸モータ51の回転によって主軸9を移動する構成を有してもよい。Z軸移動機構8は、ボールねじ41に代わり、例えばZ軸方向に延びるすべりねじ、Z軸方向に歯が形成されたスプライン軸を有してもよい。この場合も、CPU31は、上記実施形態と同様に異物付着状態を判定できる。
【0152】
洗浄機構100の構成は適宜変更してもよい。洗浄機構100は、例えばブラシ、スポンジ、ゴム等の固形物を用いて、工具3のテーパ面16a、上面15a、主軸9の内側面92a、下面96を払拭することで、対象物から異物を除去してもよい。
【0153】
洗浄機構100は、クーラント液の代わりに切削油、蒸留水等を洗浄液として用いて対象物を洗浄してもよい。洗浄機構100は、洗浄液の代わりにエアを用いて対象物を洗浄してもよい。この場合、流路152の他端を連通穴56に連結し、流路222を分岐路104に連結し、流路223をノズル140に連結することで、簡単な構成で対象物を洗浄できる。
【0154】
洗浄機構100は、洗浄液、エア、固形物を組み合わせて対象物を洗浄してもよい。洗浄機構100は、例えば洗浄液を用いて工具3を洗浄し、エアを用いて主軸9を洗浄してもよい。
【0155】
洗浄機構100は、主軸9の下面96及び内側面92aに向けて斜め上方にノズル穴が開口したノズルから洗浄液を噴射することで、下面96及び内側面92aを洗浄してもよい。
【0156】
洗浄機構100は、工具3及び主軸9を同時に洗浄してもよい。この場合、洗浄機構100は、ノズル131、132の位置及び向きを変更することで、第二洗浄機構120により工具3及び主軸9を同時に洗浄できる。洗浄機構100は、工具3に向けて斜め下方に開口するノズル穴をノズル140に形成することで、第三洗浄機構130により工具3及び主軸9を同時に洗浄できる。
【0157】
洗浄機構100は、工具3又は主軸9の少なくとも一方を洗浄すればよい。洗浄機構100は、工具3のみを洗浄してもよいし、主軸9のみを洗浄してもよい。工具3においてテーパ面16aと上面15aとは異なる主軸9と面当たりする面がある場合、洗浄機構100は当該面を洗浄してもよい。主軸9において内側面92aと下面96とは異なる工具3と面当たりする面がある場合、洗浄機構100は当該面を洗浄してもよい。洗浄機構100は、工具3のテーパ面16aを洗浄しなくてもよい。洗浄機構100は、工具3の上面15aを洗浄しなくてもよい。洗浄機構100は、主軸9の内側面92aを洗浄しなくてもよい。洗浄機構100は、主軸9の下面96を洗浄しなくてもよい。
【0158】
洗浄機構100は、工具3のテーパ面16a、上面15a、主軸9の内側面92a、下面96以外の構成を洗浄してもよい。洗浄機構100は、例えばプルスタッド17の外表面17a(図5参照)を洗浄してもよい。洗浄機構100は、例えば把持部85を洗浄してもよい。洗浄機構100は、グリップアーム23が把持する第二工具以外の工具3を洗浄してもよい。洗浄機構100は、グリップアーム23の先端部を洗浄してもよい。
【0159】
上記実施形態において、CPU31は、外乱力Fを取得し、外乱力Fの微分値fを特徴量として、特定角度φを決定したが、特定角度φを決定するための特徴量は適宜変更してもよい。CPU31は、例えば、時間により変動するトルクTを特徴量として取得し、トルクTに基づき特定角度φを決定してもよい。この場合、CPU31は、変動するトルクTのうち、最大又は最小の何れか一方を示すトルクTに対応する回転角度θを特定角度φとして決定してもよい。CPU31は、トルクTを時間微分し、トルクTの微分値のうち、最大又は最小を示すトルクTの微分値に対応する回転角度θを特定角度φとして決定してもよい。この場合も、CPU31は、トルクTの変動に基づき、装着状態を判定できる。
【0160】
CPU31は、変動する微分値fのうち、最大を示す微分値fに対応する回転角度θを特定角度φとして決定してもよい。この場合も、CPU31は、微分値fの変動に基づき、装着状態を判定できる。
【0161】
CPU31は、例えば外乱力Fを微分せず、時間により変動する外乱力F(トルクT)を特徴量として特定角度φを決定してもよい。この場合、CPU31は、変動する外乱力Fのうち、最大又は最小の何れか一方を示す外乱力Fに対応する回転角度θを特定角度φとして決定してもよい。この場合も、CPU31は、外乱力Fの変動に基づき、装着状態を判定できる。
【0162】
CPU31は、外乱力F(トルクT)を二乗した値、外乱力F(トルクT)を二階微分した値、所定時間内の外乱力F(トルクT)を平均した値等を特徴量として特定角度φを決定してもよい。
【0163】
CPU31は、装着動作において、最小を示す微分値fに対応する回転角度θを特定角度φとしなくてもよい。CPU31は、装着動作において、最大を示す微分値fに対応する回転角度θを特定角度φとしてもよい。CPU31は、例えば最小を示す微分値fに対応する回転角度θから所定角度θだけずれた回転角度(θ―θ)を特定角度φとして決定してもよい。CPU31は、例えば最小を示す微分値fに対応する回転角度θに所定の係数βを乗算した回転角度(βθ)を特定角度φとして決定してもよい。
【0164】
CPU31は、S41、S91において、完全装着状態、異物付着状態と異なる装着状態であるか否かを判定してもよい。CPU31は、例えば完全装着状態、異物付着状態と異なる装着状態として、工具劣化状態を判定してもよい。工具劣化状態は、例えば工具3が主軸9に繰り返し装着されたことにより、プルスタッド17の外表面17aが内側に凹んだ状態である。工具劣化状態である場合、装着動作において把持部85がプルスタッド17を引っ張り上げて把持する位置は、完全装着状態より下方になる。従って、工具劣化状態である場合、外乱力Fの時間微分である微分値fが最小を特定角度φは、装着状態が完全装着状態である場合と比較して小さくなる。CPU31は、例えば平均値μと標準偏差σの6倍との差μ-6σを判定の閾値として第一特定角度φが、当該閾値以上であるか否かを判定することで、工具劣化状態であるかを判定してもよい。
【0165】
CPU31は、S53の処理において、各洗浄モードにおける洗浄時間を個別に決定してもよい。CPU31は、洗浄時間の決定方法を適宜変更してもよい。例えば、記憶装置34に記憶される洗浄時間テーブルは、装着動作における外乱力Fの微分値fの最小値と、洗浄時間との関係を定め、CPU31は、微分値fの変動から其の最小値を特定し、特定した微分値fと洗浄時間テーブルにより洗浄時間を決定してもよい。例えば、記憶装置34に記憶される洗浄時間テーブルは、外乱力Fに基づき決定される特定角度φの大きさと、洗浄時間との関係を定め、CPU31は、決定した特定角度φと洗浄時間テーブルにより洗浄時間を決定してもよい。CPU31は、S53の処理において、外乱力Fに代わりZ軸モータ51のトルクTに基づき洗浄時間を決定してもよい。記憶装置34は、洗浄時間テーブルに代わり、外乱力Fと洗浄時間との関係を示す数式を記憶し、CPU31は、外乱力Fと該数式とに基づき洗浄時間を決定してもよい。CPU31は、ROM32に記憶された所定の洗浄時間で洗浄動作を実行してもよい。この場合、CPU31は、S53の処理を簡略化できる。
【0166】
CPU31は、S53の処理において、洗浄時間に代わり、Z軸モータ51の外乱力F(トルクT)に基づき、洗浄機構100による洗浄動作で用いられる洗浄液の量を決定してもよい。この場合、記憶装置34は、洗浄量テーブルを記憶してもよい。洗浄量テーブルは、例えば外乱力F(トルクT)の最大値と、洗浄動作で用いられる洗浄液の量との関係を定める。洗浄量テーブルでは、例えば外乱力F(トルクT)の最大値が大きくなるほど、洗浄動作で用いられる洗浄液の量が多くなるように定められている。CPU31は、外乱力F(トルクT)の最大値及び洗浄量テーブルに基づき、洗浄動作で用いられる洗浄液の量を決定する。記憶装置34は、外乱力Fと洗浄体の量との関係を示す数式を記憶し、CPU31は、外乱力Fと該数式とに基づき洗浄体の量を決定してもよい。工作機械1は、異物付着状態と判定する際に用いられる外乱力F(トルクT)に基づき、洗浄液の量を決定するので、適切な洗浄液の量で対象物から異物を除去できる。CPU31は、ROM32に記憶された所定量の洗浄液で洗浄動作を実行してもよい。この場合、CPU31は、S53の処理を簡略化できる。
【0167】
各洗浄モードは、適宜制御内容を変更してもよい。第一モード、第三モード、第四モードにおいて、工具交換のタイミングで、工具3に代わり主軸9に対して洗浄動作が実行されてもよい。この場合、CPU31は、S15の処理において、電磁バルブ171、173を励磁状態にして、主軸9に対する洗浄動作を開始する。第一モード、第三モード、第四モードにおいて、工具交換のタイミングで、工具3及び主軸9に対して洗浄動作が実行されてもよい。この場合、CPU31は、S15の処理において、電磁バルブ171、172、173を励磁状態にして、工具3及び主軸9に対する洗浄動作を開始する。
【0168】
洗浄モードが第四モードであり、且つ工具交換のタイミング(S15)で主軸9に対して洗浄動作が実行された場合、CPU31は、対象物洗浄処理において工具3に対して洗浄動作を実行してもよい。
【0169】
洗浄モードが第三モードである場合、CPU31は、対象物洗浄処理において、判定回数Nが奇数で工具3に対して洗浄動作を行い、判定回数Nが偶数で主軸9に対して洗浄動作を実行してもよい。洗浄モードが第三モードである場合、CPU31は、対象物洗浄処理において、例えば判定回数NがN=3n-1、3n-2(nは自然数)で工具3に対して洗浄動作を行い、判定回数NがN=3nで主軸9に対して洗浄動作を実行してもよい。CPU31は、判定回数NがN=3n-2で工具3に対して洗浄動作を行い、判定回数NがN=3n-1で主軸9に対して洗浄動作を行い、判定回数NがN=3nで工具3及び主軸9に対して洗浄動作を実行してもよい。
【0170】
CPU31は、S51、S52、S95の処理を省略してもよい。CPU31は、この場合、異物付着状態と判定するまで、脱離動作、洗浄動作、装着動作を繰り返し行う。CPU31は、S44、S95の処理で報知する態様を適宜変更してもよい。CPU31は、S44、S95の処理において、例えば非図示のスピーカから音声を発することで報知を行ってもよい。
【0171】
洗浄モードは、第一モード、第二モード、第三モード、第四モードとは異なる洗浄機構100の制御内容の第五モードを含んでもよい。第五モードは、例えば異物付着状態と判定されたタイミングで工具3及び主軸9に対して洗浄動作を実行してもよい。第五モードは、例えば異物付着状態と判定されたタイミングで工具3及び主軸9のうち一方に対して洗浄動作を実行してもよい。
【0172】
CPU31は、工具交換のタイミング、異物付着状態と判定されたタイミング以外のタイミングで洗浄動作を実行してもよい。CPU31は、例えば工具交換処理が終了するタイミングで洗浄動作を実行してもよい。
【0173】
CPU31は、S63の処理で工具3に対して行う洗浄動作と、S67の処理で工具3に対して行う洗浄動作とを夫々異なる態様で実行してもよい。
【0174】
CPU31は、回転角度θ及び外乱力Fを補間(オーバーサンプリング)した補間角度及び補間外乱力を生成してもよい。この場合、CPU31は、補間外乱力を時間微分した微分値に基づき特定角度φを決定することで、特定角度φを板カム47がカムフォロア49から離隔するタイミングにおける回転角度θとより近似させることができる。
【0175】
CPU31は、S36、S86の処理において、特定角度φと、工具3の使用時間とを対応付けて記憶装置34に記憶してもよい。
【0176】
CPU31は、対象特定角度のうち第二特定角度から新しい順に数えて所定数分の対象特定角度を抽出し、抽出した所定数の特定角度φから一意に決定した値を平均値μの代わりに統計値として算出してもよい。CPU31は、例えば抽出した所定数の特定角度φの中央値を統計値として算出してもよい。
【0177】
判定閾値φmaxの大きさは、μ+6σに限定されず、適宜変更してもよい。判定閾値φmaxは、所定数の対象特定角度を統計処理して決定された値ではなく、記憶装置34に記憶された所定値でもよい。
【0178】
CPU31は、外乱力Fの取得方法を適宜変形してもよい。CPU31は、例えばトルクTと慣性力(数1の右辺第二項)の差分を外乱力Fとして取得してもよい。
【0179】
CPU31は、回転角度θ及び外乱力Fにローパスフィルタによる処理を施さなくてもよい。この場合、S25、S75の処理を省略してもよい。CPU31は、回転角度θ及び外乱力Fにハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドストップフィルタ等による処理を施してもよい。
【0180】
<その他>
Z軸モータ51は、本発明の「モータ」の一例である。洗浄機構100は、本発明の「洗浄部」の一例である。CPU31は、本発明の「制御部」の一例である。S21、S71の処理を実行するCPU31は、本発明の「装着処理」の一例である。S22、S72の処理を実行するCPU31は、本発明の「取得処理」の一例である。S41、S91の処理を実行するCPU31は、本発明の「判定処理」の一例である。S54の処理を実行するCPU31は、本発明の「脱離処理」の一例である。S63、S66、S67の処理を実行するCPU31は、本発明の「洗浄処理」の一例である。装着穴92は、本発明の「筒穴」の一例である。テーパ面16aは、本発明の「工具当接面」「第一当接面」の一例である。上面15aは、本発明の「工具当接面」「第二当接面」の一例である。内側面92aは、本発明の「主軸当接面」「内側面」の一例である。下面96は、本発明の「主軸当接面」「底面」の一例である。S51の処理を実行するCPU31は、本発明の「計数処理」の一例である。閾値Nmaxは、本発明の「閾値」の一例である。S95の処理を実行するCPU31は、本発明の「報知処理」の一例である。洗浄液は、本発明の「洗浄体」の一例である。微分値fは、本発明の「特徴量」の一例である。S35、S85の処理を実行するCPU31は、本発明の「決定処理」の一例である。S21、S71の処理は、本発明の「装着工程」の一例である。S22、S72の処理は、本発明の「取得工程」の一例である。S41、S91の処理は、本発明の「判定工程」の一例である。S54の処理は、本発明の「脱離工程」の一例である。S63、S66、S67の処理は、本発明の「洗浄工程」の一例である。
【符号の説明】
【0181】
1 工作機械
3 工具
9 主軸
15a 上面
16a テーパ面
20 工具交換装置
30 制御装置
31 CPU
51 Z軸モータ
92a 内側面
96 下面
100 洗浄機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
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図16
図17