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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092208
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 352F
A63F7/02 336
A63F7/02 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207975
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100184550
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 珠美
(74)【代理人】
【識別番号】100166785
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 智也
(72)【発明者】
【氏名】淺野 幸平
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BB06
2C088BB07
2C088CA02
2C088CA13
2C088CA27
2C088CA31
(57)【要約】
【課題】多くの遊技媒体について計数信号を送信する場合であっても、操作手段に対する遊技者の操作負担を軽減させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】枠制御基板のCPUは、計数ボタンが第一操作を受け付けた場合、所定数の遊技媒体を示す第二計数コマンドを、遊技機に接続する外部機器であるカードユニットに送信する。CPUは、計数ボタンが特定操作を受け付けた場合、以降に計数ボタンが第一操作を受け付けることを要さずに(S151:NO)、第二計数コマンドをカードユニットに連続して送信する(S153)。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機において遊技者が遊技に使用できる遊技媒体の数である使用可能遊技媒体数を管理する管理手段と、
前記管理手段によって管理されている前記使用可能遊技媒体数に基づく計数信号を、遊技機に接続する外部機器に送信する送信手段と、
前記送信手段に前記計数信号を送信させるための操作を受け付ける操作手段と
を備え、
前記送信手段は、
前記操作手段が第一操作を受け付けた場合、所定数の前記遊技媒体を示す所定計数信号を送信し、
前記操作手段が特定操作を受け付けた場合、以降に前記操作手段が前記第一操作を受け付けることを要さずに前記所定計数信号を連続して送信する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第一操作は、前記操作手段が第一時間以上に亘って連続する操作を受け付けるものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特定操作は、前記操作手段が前記第一時間よりも長い第二時間に亘って連続する操作を受け付けるものであることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記特定操作は、前記操作手段が前記第一時間未満に亘って操作される第二操作によって構成されることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機に接続する外部機器に遊技価値を送信する契機を与える計数ボタンを備える遊技機が知られている。特許文献1は、計数ボタンが一定時間以上(500ミリ秒以上)に亘って押下された場合、長押しであると判断し、計数ボタンが一定時間未満(500ミリ秒未満)に亘って押下された場合、短押しであると判断する判断手段を備える遊技機を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-108920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の遊技機は、判断手段によって長押しであると判断された場合、長押しに応じた計数通知を送信する。長押しに応じた計数通知は、例えば50枚の遊技媒体を示す計数信号である。また、上記の遊技機は、判断手段によって短押しであると判断された場合、短押しに応じた計数通知を送信する。短押しに応じた計数通知は、例えば1枚の遊技媒体を示す計数信号である。しかしながら、多くの遊技媒体について計数信号の送信を行う場合、遊技者が長押しを長時間継続する必要があるといった問題がある。
【0005】
本発明は、多くの遊技媒体について計数信号を送信する場合であっても、操作手段に対する遊技者の操作負担を軽減させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、遊技機において遊技者が遊技に使用できる遊技媒体の数である使用可能遊技媒体数を管理する管理手段と、前記管理手段によって管理されている前記使用可能遊技媒体数に基づく計数信号を、遊技機に接続する外部機器に送信する送信手段と、前記送信手段に前記計数信号を送信させるための操作を受け付ける操作手段とを備え、前記送信手段は、前記操作手段が第一操作を受け付けた場合、所定数の前記遊技媒体を示す所定計数信号を送信し、前記操作手段が特定操作を受け付けた場合、以降に前記操作手段が前記第一操作を受け付けることを要さずに前記所定計数信号を連続して送信する
ことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、遊技者は、操作手段に対して特定操作を行うことによって、第一操作を以降に行うことなく、所定計数信号を連続して外部機器に遊技機に送信させることができる。したがって、本発明に係る遊技機は、多くの遊技媒体について計数信号を送信する場合であっても、操作手段に対する遊技者の操作負担を軽減させることができる。
【0008】
前記第一操作は、前記操作手段が第一時間以上に亘って連続する操作を受け付けるものであってもよい。
【0009】
この場合、遊技者は、操作手段に対して第一時間以上に亘って連続する操作である第一操作を以降に継続して行うことなく、特定操作を行うことによって、所定計数信号を連続して外部機器に遊技機に送信させることができる。したがって、遊技機は、遊技者に長時間に亘って第一操作を継続して行わせることなく、多くの遊技媒体について計数信号を送信する事ができる。
【0010】
前記特定操作は、前記操作手段が前記第一時間よりも長い第二時間に亘って連続する操作を受け付けるものであってもよい。
【0011】
この場合、遊技者は、操作手段に対して第二時間に亘って連続する特定操作を行うことによって、第二時間が経過した以降に操作手段を操作することなく、所定計数信号を連続して外部機器に遊技機に送信させることができる。したがって、遊技機は、遊技者に第二時間よりも長時間に亘って操作手段を継続して操作させることなく、多くの遊技媒体について計数信号を送信することができる。
【0012】
前記特定操作は、前記操作手段が前記第一時間未満に亘って操作される第二操作によって構成されてもよい。
【0013】
この場合、遊技者は、第一時間未満に亘る第二操作で構成される操作を操作手段に対して行うことによって、以降に操作手段を操作することなく、所定計数信号を連続して外部機器に遊技機に送信させることができる。したがって、遊技機は、短時間で終了する特定操作を遊技者に行わせることによって、遊技者に長時間に亘って第一操作を継続して行わせることなく、多くの遊技媒体について計数信号を送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】パチンコ機1の正面図である。
図2】遊技盤2の正面図である。
図3】貯留装置20の概略構成図である。
図4】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
図5】主制御基板41において行われるメイン処理のフローチャートである。
図6】枠制御基板45において行われる枠制御基板処理のフローチャートである。
図7】枠制御基板処理において行われる持ち球管理処理のフローチャートである。
図8】枠制御基板処理において行われる情報出力処理のフローチャートである。
図9図8に続くフローチャートである。
図10】自動計測の実行に応じた報知動作の内容を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る遊技機の第一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。本願が開示する技術は、使用可能遊技媒体数を管理する管理手段を備え、使用可能遊技媒体数を貯球、貯メダル等の遊技者自身が保有する遊技媒体数に計上することができる遊技機であれば、遊技仕様を問わず、様々な遊技仕様の遊技機に適用できる。本発明を適用できる遊技機には、遊技媒体を用いて遊技を進行する様々な遊技機が含まれる。使用可能遊技媒体数とは、遊技機において遊技者が遊技に使用できる遊技媒体の数である。遊技媒体は、ぱちんこ遊技機の場合には遊技球である。遊技媒体は、回胴式遊技機の場合には遊技メダル等である。第一実施形態は、いわゆる旧1種タイプのぱちんこ遊技機を例として説明する。
【0016】
図1に示すように、パチンコ機1は、遊技機枠30と遊技盤2とを備える。遊技機枠30は、前面枠31と、図示しない本体枠及び外枠を備える。外枠は、パチンコ機1の外郭を形成する枠部材である。
【0017】
本体枠は、遊技盤2等を取り付けるための枠体である。本体枠は、外枠に対して開閉可能に装着されている。本体枠の内部の下部には、図3で後述する貯留装置20が設けられている。貯留装置20には、所定数の遊技球が予め貯留されている。貯留されている遊技球は、図2で後述する遊技領域4に向けて発射された後、遊技領域4を流下して、再び貯留装置20に戻る。貯留装置20に戻った遊技球は、再度、遊技領域4に向けて発射されるために使用される。このように、貯留装置20に貯留されている遊技球は、パチンコ機1の内部に封入されており、パチンコ機1の外部に排出されることなく、循環的に使用される。このような遊技機を、封入式遊技機、封入式パチンコ等ともいう。
【0018】
前面枠31は、本体枠に対して開閉可能に装着されている。前面枠31の中央部には略円形の開口部311が形成されている。開口部311には、透明板312が固定されている。透明板312は、例えばガラス板である。前面枠31は、透明板312とともに遊技盤2を前方から覆う。
【0019】
前面枠31は、発射ハンドル32、演出ボタン35、枠ランプ38、スピーカ39及び球管理ユニット44を備える。発射ハンドル32は、前面枠31の右下部に設けられている。発射ハンドル32は、遊技者が回転操作をできるように構成されている。遊技者が発射ハンドル32を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル32の回転角度に応じた強度で、図3及び図4に示す遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。演出ボタン35は、前面枠31の左下部に設けられ、遊技者が押下操作をできるように構成されている。枠ランプ38は、前面枠31の上部、左部及び右部等に設けられる装飾部である。枠ランプ38は、LED等の光源を内蔵し、光を用いた各種の演出を実行する。スピーカ39は、前面枠31の上部の左右の角部に設けられている。スピーカ39は、音楽、音声、効果音等の各種の音を出力する。
【0020】
なお、パチンコ機1は封入式パチンコであり、従来の非封入式のパチンコ遊技機が行う賞球の払い出しを行なわない。したがって、前面枠31は、従来の非封入式のパチンコ遊技機が備える、賞球及び貸球等を受けるための上皿、下皿等を備えない。遊技者がパチンコ機1において遊技のために使用できる遊技球を、一般に、「持ち球」という。また、持ち球の数を、以下では、「持ち球数」という。パチンコ機1は、持ち球数を示す情報を管理することによって、持ち球数に応じた遊技を遊技者に実行させることができる。持ち球数を示す情報を、以下では、「持ち球数情報」という。球管理ユニット44は、開口部311の下方に設けられる。球管理ユニット44は、遊技球数表示部441及び計数ボタン442を主に備える。遊技球数表示部441は、パチンコ機1によって管理されている持ち球数情報に基づく持ち球数等を表示する。遊技球数表示部441は、7セグメントLED、LCD等によって構成される。計数ボタン442は、遊技者が遊技を終了する等に際して持ち球を精算する場合に操作される押しボタンスイッチである。
【0021】
図2に示すように、遊技盤2は正面視略正方形の板状である。遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技盤2の前面から前方に突出するレール部材である。ガイドレール3は、内レール3Aと外レール3Bとを備える。内レール3Aは前方から見て円弧状に湾曲しており、遊技盤2の左下部から上部に向けて延びるように配置される。外レール3Bも前方から見て円弧状に湾曲しており、遊技盤2において内レール3Aよりも遊技球1~2個分だけ外側の位置において、遊技盤2の左下部から右上部に亘って配置される。内レール3Aと外レール3Bとの間には発射通路23が形成される。発射通路23は、遊技球が通過できる通路であり、下端において貯留装置20に連結し、上端において遊技領域4に連結している。
【0022】
遊技領域4の略中央には、センター飾り21が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、発射通路23を通過して遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り21の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、センター飾り21の右側を流下する。以下、遊技球がセンター飾り21の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技球がセンター飾り21の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
【0023】
センター飾り21は、表示画面28を主に備える。表示画面28は、センター飾り21の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成される画像表示手段であり、数字・文字、様々な動画等を表示可能である。表示画面28には、有機EL、ドットマトリクス等、種々のものが用いられてよい。表示画面28は、報知演出を実行可能である。報知演出は、図10に示す演出用の図柄である演出図柄100を変動させた後に、後述する大当たり判定の結果を示す演出図柄100の組合せを確定表示させる図柄変動を行うことで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出である。また、センター飾り21は、LED等の光源を有して構成される、図4に示す盤ランプ27を内蔵している。センター飾り21は、盤ランプ27によって、光を用いた各種の演出を実行する。
【0024】
センター飾り21の略中央下方には、第一始動口14が設けられている。第一始動口14は、後述する第一特別図柄の始動口として機能する。第一始動口14の右上方には、大入賞口16が設けられている。大入賞口16は、いわゆる特別電動役物(大当たり判定の結果に基づき入賞口の大きさを変化する役物)に係る入賞口として構成されている。大入賞口16は、左右方向に長手方向を有して延び、大入賞口16の入口を開閉可能に構成された開閉部材161を備える。遊技球は、開閉部材161が開放された場合にのみ、大入賞口16に入賞することができる。大入賞口16の開閉部材161は、図4に示す大入賞口ソレノイド70によって電気的に開閉される。大入賞口16の開閉部材161は、後述する大当たり遊技において開放する。
【0025】
センター飾り21の右方には、遊技球が通過可能なゲート12が設けられている。ゲート12は、普通図柄の作動ゲートである。第一始動口14の下方には、第二始動口15が設けられている。第二始動口15は、後述する第二特別図柄の始動口として機能する。第二始動口15は、いわゆる普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変更する役物)に係る入賞口として構成されている。第二始動口15は、片羽根状であり、第二始動口15の入口を開閉可能に構成された開閉部材151を備える。遊技球は、開閉部材151が開放された場合にのみ、第二始動口15に入賞することができる。第二始動口15の開閉部材151は、図2に示す第二始動口ソレノイド69によって電気的に開閉される。第二始動口15の開閉部材151は、後述する普通当たり遊技において開放される。
【0026】
遊技盤2の右下部には、図柄表示部29が設けられている。図柄表示部29は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED及び普通図柄記憶数表示LED等を備える。第一特別図柄表示部及び第二特別図柄表示部は、それぞれ複数個のLEDからなる。第一特別図柄表示部は、LEDを点滅表示すること等による変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、第一始動口14に遊技球が入賞したことを契機として実行された大当たり判定の結果を報知する。第一特別図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、第一特別図柄という。以下、第一始動口14に遊技球が入賞したことを契機として実行される大当たり判定を、「特図1大当たり判定」という。第二特別図柄表示部は、第一特別図柄表示部と同様の変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、第二始動口15に遊技球が入賞したことを契機として実行された大当たり判定の結果を報知する。第二特別図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、第二特別図柄という。以下、第二始動口15に遊技球が入賞したことを契機として実行される大当たり判定を、「特図2大当たり判定」という。以下では、第一特別図柄及び第二特別図柄を総称する場合、単に特別図柄という。
【0027】
普通図柄表示部は、特別図柄の変動表示と同様の変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、遊技球がゲート12を通過することを契機として実行される普通当たり判定の結果を報知する。普通図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、普通図柄という。第一保留数表示LEDは、特図1大当たり判定の実行が保留されている数である第一保留数を表示する。第二保留数表示LEDは、特図2大当たり判定の実行が保留されている数である第二保留数を表示する。普通保留数表示LEDは、普通当たり判定の実行が保留されている数である普通保留数を表示する。
【0028】
遊技領域4には、上記以外に、アウト口19、各種の装飾部材、その他の入賞口及び図示しない遊技くぎ等が設けられている。アウト口19は、遊技盤2の下部に設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動口14、第二始動口15、大入賞口16及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口19を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0029】
なお、遊技領域4において、各遊技部材が上記のように配設されるため、左打ちされた遊技球は、右打ちされた遊技球よりも、第一始動口14へ入賞しやすい。右打ちされた遊技球が第一始動口14へ入賞することは困難である。また、右打ちされた遊技球は、左打ちされた遊技球よりも、ゲート12、第二始動口15及び大入賞口16を通過又は入賞しやすい。左打ちされた遊技球がゲート12及び大入賞口16を通過又は入賞することは困難である。また、第二始動口15への遊技球の入賞は、後述する普通当たり遊技が行われた場合にしか生じ得ない。したがって、遊技者は、後述する確変状態、時短状態及び大当たり遊技中には右打ちによって遊技を進め、それ以外の場合は左打ちによって遊技を進める。
【0030】
図1に示すように、パチンコホールにおいて、パチンコ機1に隣接してカードユニットCUが配置される。カードユニットCUは、パチンコ機1に接続可能な外部機器である。カードユニットCUは、カード挿入口CU1、紙幣挿入口CU2に加えて、所定の表示部、操作部等を備える。カード挿入口CU1は、遊技者が所持するICカードC1を挿入可能に構成されている。ICカードC1は、種々の情報を電子的に記憶することができる情報記憶媒体である。紙幣挿入口CU2は、紙幣を挿入可能に構成されている。表示部は、ICカードC1に記憶されている各種情報を表示できるように構成されている。操作部は、ICカードC1に記憶されている各種情報についての操作を受け付ける押しボタンスイッチ等である。
【0031】
カードユニットCUは、ICカードC1に対する情報の書き込み及びICカードC1に記憶されている情報の読み出しができるように構成されている。また、カードユニットCUは、各種の情報を枠制御基板45との間で送受信できるように構成されている。さらに、カードユニットCUは、パチンコホールに設置されている遊技機を統括的に管理する遊技場管理用コンピュータ(いわゆるホールコンピュータ)に接続し、パチンコ機1の情報を遊技場管理用コンピュータに出力する。
【0032】
図2を参照して、パチンコ機1における遊技の概要について説明する。パチンコ機1には、大当たり遊技及び普通当たり遊技が設けられている。大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動することにより実行される。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。役物連続作動装置とは、特別電動役物を連続して作動させるための装置である。本実施形態において、条件装置は、大当たりであることを示す特別図柄が図柄表示部29に確定表示された場合に作動する。本実施形態において、役物連続作動装置は、条件装置が作動した場合に作動する。役物連続作動装置が作動することによって、特別電動役物に係る大入賞口16の開閉部材161が所定の開放パターンで開放されることが所定回数繰り返される、大当たり遊技が実行される。以下、大当たり遊技において大入賞口16の開閉部材161が、連続して開放状態にされる繰り返しの一単位を、「大当たりラウンド」という。また、1回の大当たり遊技を構成する大当たりラウンドの合計数を、以下、「ラウンド数」という。また、条件装置及び役物連続作動装置が作動している状態、すなわち、大当たり遊技が実行中の状態を、大当たり遊技状態という。本実施形態では、ラウンド数は「4」又は「8」である。以下、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す特別図柄を、大当たり図柄という。大当たり判定の結果がはずれであることを示す特別図柄を、はずれ図柄という。
【0033】
パチンコ機1は、確変状態又は非確変状態を設定できる。確変状態とは、大当たり判定において大当たりであると判定される確率が通常よりも高い確率に変動している遊技状態である。大当たり判定において大当たりであると判定される確率を、以下、「大当たり確率」という。非確変状態は、確変状態が設定されておらず、大当たり確率が通常の確率である状態である。本実施形態において、非確変状態における大当たり確率は、1/200であり、確変状態における大当たり確率は、1/20である。本実施形態では、大当たり遊技の終了後に60%の割合で確変状態が設定される。大当たり遊技の終了後に確変状態が設定されるか否かは、後述する特別図柄決定乱数の値に応じて決定される特別図柄の種別によって定まる。以下では、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される種別の特別図柄を、「確変大当たり図柄」という。大当たり遊技の終了後に非確変状態が設定される種別の特別図柄を、「非確変大当たり図柄」という。設定された確変状態は、次回に大当たり遊技が実行されるまでの間継続する。本実施形態において、大当たり遊技が実行された場合、大当たり遊技の終了後に、確変状態の他、後述の時短状態が設定されることがある。
【0034】
普通当たり遊技について説明する。普通当たり遊技は、普通当たり判定の判定結果が当たりであることを示す普通図柄が図柄表示部29に確定表示された場合に実行される。普通当たり判定は、ゲート12を遊技球が通過することを契機として行われる。普通当たり遊技は、普通電動役物に係る第二始動口15の開閉部材151が所定の開放パターンで開放されることによって実行される。
【0035】
パチンコ機1は、非時短状態及び時短状態のいずれかを設定する。非時短状態は、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる割合が通常の頻度である遊技状態である。時短状態は、非時短状態よりも第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度が高くなる遊技状態である。本実施形態において、非時短状態において行われる普通当たり遊技による第二始動口15の開閉部材151の開放パターンは、約0.1秒×1回である。普通当たり判定において当たりであると判定される確率を、以下では「普通当たり確率」という。非時短状態における普通当たり確率は、約1/11である。また、非時短状態における普通図柄の変動時間は、約10秒である。時短状態において行われる普通当たり遊技による第二始動口15の開閉部材151の開放パターンは、約1.2秒×3回である。時短状態における普通当たり確率は、約10/11である。また、時短状態における普通図柄の変動時間は、約2秒である。このため、遊技者は、時短状態において、非時短状態よりも第二始動口15に遊技球を容易に入賞させることができる。
【0036】
本実施形態において、パチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に時短状態を設定する。設定された時短状態は、確変状態が継続する間又は時短状態において行われた大当たり判定の回数、すなわち特図1大当たり判定の実行回数と特図2大当たり判定の実行回数との合計が、予め定められた時短回数に達するまで継続する。すなわち、パチンコ機1は、いわゆるA時短状態を設定できる。本実施形態において、時短回数は100回である。パチンコ機1は、この他に、いわゆるB時短状態及びC時短状態を設定できるように構成されていてもよい。B時短状態は、大当たり遊技が終了し、非確変状態における大当たり判定の実行が開始されたこと及び後述するRAMクリア処理が行われたことを起点として計数された大当たり判定の実行回数が、予め定められた上限回数に到達することに応じて設定される時短状態である。C時短状態は、非確変状態において、はずれ図柄のうち特定のはずれ図柄が確定表示されたことを契機として設定される時短状態である。
【0037】
パチンコ機1は、これら確変状態、非確変状態、時短状態及び非時短状態を組合せて、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の遊技状態を設定できる。本実施形態では、「通常状態」、「確変時短状態」、「非確変時短状態」の3種類の遊技状態のうちのいずれかが設定される。通常状態は、非確変状態と非時短状態との組合せによる。確変時短状態は、確変状態と時短状態との組合せによる。非確変時短状態は、非確変状態と時短状態との組合せによる。なお、パチンコ機1における初回電源投入後の初期状態には、通常状態が設定される。この他、パチンコ機1は、確変状態と非時短状態との組合せによる「確変非時短状態」等を含めた4種類以上の遊技状態を備えてもよい。
【0038】
図3を参照して、貯留装置20及び貯留装置20に貯留される遊技球が遊技領域4に向けて発射される場合について説明する。図3(A)に示すように、貯留装置20は、貯留部22、遊技球発射装置37及び戻り通路25を備える。貯留部22は、貯留装置20の下部において所定数の遊技球を貯留できるように形成された領域である。遊技球発射装置37は、貯留部22の上方に設けられている。
【0039】
図示を省略するが、球送り装置48は、貯留部22と遊技球発射装置37との間において上下方向に延びるスクリューと、スクリューを囲んで上下方向に延びる樋部材と、スクリューを回転駆動させるモータとを備える。スクリューと樋部材とに囲まれた領域は、遊技球が誘導される誘導経路となっている。誘導経路の下端部は、貯留部22に連結しており、スクリューがモータの動力を受けて回転すると、貯留部22から誘導経路に入球した遊技球が、スクリューの回転に応じて誘導経路内を上昇する。本実施形態では、スクリューが1回転することに応じて、1個の遊技球が誘導経路の下端部から上端部に向けて送られる。誘導経路の上端部に到達した遊技球は、遊技球発射装置37に向けて送られる。
【0040】
遊技球発射装置37は、図示しないソレノイド等を備え、発射ハンドル32の回転角度に応じた強度で、球送り装置48によって送られた遊技球を1個ずつ発射できるように構成されている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、下端において20に連結する発射通路23を通過する。遊技球発射装置37によって発射された遊技球が遊技領域4に向かう発射通路23に沿った方向を、発射方向という。
【0041】
発射通路23には、下方に向けて延びる戻り通路25の上端部が連結する。戻り通路25の下端部は、貯留部22に連結する。発射通路23と戻り通路25とが連結する部分には、逆流防止部材24が設けられている。逆流防止部材24は、その下端部が発射通路23と戻り通路25とが連結する部分に固定される板状体である。逆流防止部材24は、下端を支点として発射通路23の下壁部に回転可能に組み付けられている。逆流防止部材24は、図3(A)に示す状態、すなわち、鉛直方向に延びる姿勢が維持されるように付勢されている。
【0042】
発射通路23のうち逆流防止部材24よりも発射方向の上流部分を、第一通路231という。発射通路23のうち逆流防止部材24よりも発射方向の下流部分を、第二通路232という。逆流防止部材24は、第一通路231から第二通路232への遊技球の進入を許容する。一方、逆流防止部材24は、第二通路232から第一通路231への遊技球の進入を防止する。
【0043】
遊技球発射装置37によって発射され、第一通路231を発射方向に向かう遊技球は、逆流防止部材24を鉛直方向に延びる姿勢から、図3(B)に示すように左方に向けて回転させる。これにより、遊技球は第一通路231から第二通路232に進入することができる。その後、遊技球は遊技領域4に向かう。図3(B)に示すように左方に向けて回転した逆流防止部材24は、逆流防止部材24に作用する付勢力によって図3(A)に示す鉛直方向に延びる姿勢に復帰する。
【0044】
第一通路231の上端部には、遊技球を検出できるセンサである発射球センサ455が設けられている。したがって、遊技球発射装置37によって発射されて第一通路231から第二通路232に進入した遊技球の全てが、発射球センサ455によって検出される。
【0045】
遊技球発射装置37による発射強度が所定未満である場合、遊技球発射装置37によって発射され、第一通路231を発射方向に向かい第二通路232に進入した遊技球が、遊技領域4に到達できない場合がある。このような遊技球を、ファール球という。この場合、ファール球は第二通路232を下方に向かって流下し、逆流防止部材24に向かう。この場合、図3(C)に示すように、逆流防止部材24が鉛直方向に延びる姿勢にある。逆流防止部材24は、鉛直方向に延びる姿勢から右方に向けて回転することはできない。このため、鉛直方向に延びる逆流防止部材24によって、ファール球は第一通路231への進入が妨げられ、戻り通路25へ誘導される。したがって、ファール球は、戻り通路25を介して貯留部22に戻る。貯留部22に戻ったファール球は、遊技領域4に向けて発射される遊技球として再び用いられる。戻り通路25には、遊技球を検出できるセンサである戻り球センサ456が設けられている。したがって、ファール球の全てが、戻り球センサ456によって検出される。
【0046】
また、遊技盤2の裏側には、遊技領域4を流下し、第一始動口14、第二始動口15、大入賞口16及びその他の入賞口へ入賞した遊技球と、アウト口19を通過した遊技球とが全て通過する排出経路26が設けられている。排出経路26は貯留部22に連結する。これにより、遊技領域4を流下した遊技球は全て貯留部22に戻り、貯留部22に戻った遊技球は、遊技領域4に向けて発射される遊技球として再び用いられる。排出経路26における貯留部22との連結部の近傍には、遊技球を検出できるセンサである排出球センサ457が設けられている。したがって、遊技領域4を流下した遊技球の全てが、排出球センサ457によって検出される。
【0047】
図4を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主制御基板41、サブ制御基板58、ランプ制御基板46、演出制御基板43、枠制御基板45、中継端子板47及び電源基板42を主に備える。
【0048】
主制御基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主制御基板41のCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。RAM52は、確変状態、時短状態等の遊技状態を示すフラグ等の情報、大当たり判定の結果を示す情報、第一保留数、第二保留数等、遊技に関する処理のための遊技処理情報を記憶する。CPUユニット50には、乱数発生回路56及び割込信号発生回路57が接続されている。乱数発生回路56は、所定範囲の乱数を発生させる。割込信号発生回路57は、一定周波数のクロック信号を出力する図示しないクロック回路からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。主制御基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、後述する主制御プログラムのメイン処理を実行する。
【0049】
また、主制御基板41には、RAMクリアスイッチ412が実装されている。RAMクリアスイッチ412は、RAMクリア処理を行う際に操作されるスイッチである。RAMクリア処理は、RAM52に記憶されている遊技処理情報を消去し、RAM52の初期設定を行うために行われる。なお、RAMクリアスイッチ412は、電源基板42に設けられても良い。RAMクリアスイッチ412は、主制御基板41、電源基板42等とは別に設けられる専用の基板に設けられてもよい。
【0050】
主制御基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、枠制御基板45、中継端子板47、図柄表示部29、第一始動口スイッチ61、第二始動口スイッチ62に接続している。図柄表示部29の表示制御は、CPU51によって行われる。第一始動口スイッチ61は、第一始動口14に設けられており、第一始動口14への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。第二始動口スイッチ62は、第二始動口15に設けられており、第二始動口15への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。
【0051】
サブ制御基板58は、各種の演算処理を行うCPU581、データを一時的に記憶するRAM582、制御プログラム等を記憶したROM583及びパチンコ機1における音出力を制御する音制御回路585を備える。サブ制御基板58は、ランプ制御基板46、演出制御基板43及びスピーカ39に接続している。サブ制御基板58は、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。
【0052】
ランプ制御基板46は、演出ボタン35、枠ランプ38及び盤ランプ27に接続している。ランプ制御基板46は、図示しないLEDドライバ等を備える。ランプ制御基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、枠ランプ38及び盤ランプ27の発光動作等を制御する。演出ボタン35は押下操作をされた場合、押下操作をされたことを示す信号を出力する。ランプ制御基板46は、演出ボタン35から受信した信号を、サブ制御基板58に中継する。
【0053】
演出制御基板43は、各種の演算処理を行うCPU431、表示画面28に対する画像出力を制御する画像制御回路435及び画像データを記憶するCGROM(図示略)等を備える。演出制御基板43は、サブ制御基板58から送信されるコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。スピーカ39は、音制御回路585によって出力される音信号を音に変換して出力する。
【0054】
枠制御基板45は、パチンコ機1における持ち球数情報の管理等を司る。枠制御基板45は、CPU451、RAM452及びROM453等を備える。枠制御基板45は、各種の演算処理を行うCPU451と、持ち球数情報等のデータを一時的に記憶するRAM452と、持ち球数情報の管理のための制御プログラム等を記憶したROM453とを備える。
【0055】
枠制御基板45は、I/Oインタフェイス454を介して球管理ユニット44、発射球センサ455、戻り球センサ456、排出球センサ457、球送り装置48、遊技球発射装置37及びカードユニットCUに接続している。球管理ユニット44は、遊技球数表示部441及び計数ボタン442を備える。遊技球数表示部441は、CPU451による制御に応じて、持ち球数情報に基づく持ち球数等を表示する。計数ボタン442は、計数ボタン442の操作状況を示す信号であるボタン入力読込信号を、1ミリ秒間隔でCPU451に送信する。本実施形態では、計数ボタン442は、計数ボタン442が押されたこと、すなわち操作されたことを検出した場合、「ON」のボタン入力読込信号をCPU451に送信する。計数ボタン442は、計数ボタン442が操作されたこと検出しなかった場合、「OFF」のボタン入力読込信号をCPU451に送信する。計数ボタン442は、計数ボタン442の操作がされた場合、操作をされたことを示すコマンドである計数コマンドを、操作の態様に応じて生成する。
【0056】
発射球センサ455は、遊技球発射装置37によって発射された遊技球である発射球を検出した場合、発射球検出信号を枠制御基板45に出力する。戻り球センサ456は、ファール球を検出した場合、ファール球検出信号を枠制御基板45に出力する。排出球センサ457は、遊技球の通過を検出した場合、排出球検出信号を枠制御基板45に出力する。球送り装置48は、CPU451による制御に応じて、貯留部22から遊技球発射装置37へ遊技球を1個ずつ送る。遊技球発射装置37は、CPU451による制御に応じて、一定間隔(本実施形態では約0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。また、前述したように、枠制御基板45は、I/Oインタフェイス454を介して、前述した外部機器であるカードユニットCUにも接続する。
【0057】
中継端子板47は、第二始動口ソレノイド69、大入賞口ソレノイド70、ゲートスイッチ74、大入賞口スイッチ76に接続している。第二始動口ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材151を開閉する。大入賞口ソレノイド70は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材161を開閉する。ゲートスイッチ74は、ゲート12に設けられており、ゲート12への遊技球の通過を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。大入賞口スイッチ76は、大入賞口16に設けられており、大入賞口16への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。
【0058】
電源基板42は、主制御基板41及び枠制御基板45に接続されており、各基板に直流の安定化した電力を供給する。電源基板42には、電源スイッチ423が設けられている。電源スイッチ423は、パチンコ機1の電源をON、OFFするために操作されるスイッチである。
【0059】
枠制御基板45のCPU451による持ち球数情報等の管理について概説する。遊技者は、パチンコ機1における遊技を開始する場合、所持するICカードC1を、カードユニットCUのカード挿入口CU1に挿入する。
【0060】
カードユニットCUは、紙幣挿入口CU2に挿入された紙幣の現金を、遊技者が遊技に使用するための遊技球に変換することができる。現金を遊技球に変換することを、遊技球の貸出という。遊技球の貸出によって得られる遊技球を、貸球という。ICカードC1は、紙幣挿入口CU2に挿入された紙幣の現金に基づく現金金額情報を記憶することができる。カードユニットCUは、紙幣挿入口CU2に紙幣が挿入された場合、挿入された紙幣の現金の示す金額をICカードC1に記憶されている現金金額情報の示す金額に加算して、現金金額情報を更新する。
【0061】
カードユニットCUの操作部が所定の操作を受け付けた場合において、ICカードC1に現金金額情報が記憶さているとき、カードユニットCUは遊技球の貸出を行う。遊技球の貸出は、例えば500円の現金を125個の貸球に変換することによって行われる。遊技球の貸出が行われる現金の単位は、これ以外であってもよい。現金を貸球に変換するレートも一例である。カードユニットCUは、遊技球の貸出を行った場合、現金から変換した貸球の数を示す貸球数情報を、枠制御基板45に送信する。また、カードユニットCUは、貸球の数に対応する金額をICカードC1に記憶されている現金金額情報の示す金額から減算して、現金金額情報を更新する。
【0062】
カードユニットCUから貸球数情報を受信した枠制御基板45のCPU451は、貸球数情報の示す貸球数を持ち球数に加算して、持ち球数情報を更新する。また、CPU451は、更新した持ち球数情報に応じた持ち球数を、遊技球数表示部441に表示させる。
【0063】
CPU451は、発射ハンドル32の発射操作を受け付けた場合において、持ち球数が0よりも大きいとき、発射ハンドル32の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37に遊技球を発射させる。CPU451は、発射球センサ455から検出信号を受信した場合、持ち球数情報の示す持ち球数から「1」を減算して、持ち球数情報を更新する。CPU451は、戻り球センサ456から検出信号を受信した場合、持ち球数情報の示す持ち球数に「1」を加算して、持ち球数情報を更新する。また、CPU451は、所定期間に発射球センサ455から検出信号を受信した回数である発射回数を管理する。CPU451は、所定期間に戻り球センサ456から検出信号を受信した回数であるファール球数を管理する。
【0064】
パチンコ機1は、遊技領域4に発射された遊技球が第一始動口14、第二始動口15、大入賞口16及びその他の入賞口へ遊技球が入賞した場合、入賞口毎に予め定められている単位数に対応する数の遊技球を持ち球として遊技者に付与する。各種の入賞口に遊技球が入賞することに応じて持ち球として遊技者に付与される遊技球を、賞球という。入賞口毎に予め定められている単位数を、単位賞球数という。主制御基板41のCPU51は、遊技球が入賞口に入賞した場合、入賞口に応じた単位賞球数を示す賞球コマンドを生成する。CPU51は、生成した賞球コマンドを、RAM52に設けられるコマンドバッファにセットする。コマンドバッファにセットされた賞球コマンドは、枠制御基板45に順次送信される。賞球コマンドを受信した枠制御基板45のCPU451は、賞球コマンドの示す単位賞球数を持ち球数に加算して、持ち球数情報を更新する。
【0065】
CPU451は、所定期間に排出球センサ457から排出球検出信号を受信した回数である排出球数を管理する。CPU451は、発射球数からファール球数を減算した数が排出球数と乖離しないかを監視することによって、遊技領域4等における遊技球の球詰まりの発生、不正行為の発生等を検出する。
【0066】
遊技者は、遊技を終了する場合、持ち球数情報として管理されている持ち球数の持ち球を、自己の貯球に計上する必要がある。「貯球」とは、遊技者が次回以降の遊技において遊技のために使用できる遊技球である。貯球の数を、以下では、「貯球数」という。ICカードC1は、貯球数を示す貯球数情報を記憶することができる。遊技者が持ち球数の遊技球を自己の貯球に計上することを、持ち球の精算という。遊技者は、持ち球の精算を行う場合、計数ボタン442を操作する。CPU451は、計数ボタン442が操作された場合、計数コマンドを生成し、生成した計数コマンドをカードユニットCUに送信する。計数コマンドは、貯球に計上する持ち球の数である計上数を示す情報を含んで生成される。また、CPU451は、計数コマンドの生成に応じて、計上数を持ち球数から減算して、持ち球数情報を更新する。
【0067】
CPU451から計数コマンドを受信したカードユニットCUは、受信した計数コマンドを解析して計数コマンドの含む計上数を取得する。カードユニットCUは、取得した計上数を、ICカードC1に記憶されている貯球数情報の示す貯球数に加算して、貯球数情報を更新する。遊技者が計数ボタン442の操作を終了することによって、持ち球の精算が完了する。
【0068】
カードユニットCUは、ICカードC1をカードユニットCUから排出させる返却操作をカードユニットCUの操作部を介して受け付けた場合、カード挿入口CU1からICカードC1を排出する。これにより、遊技者は、自己のICカードC1の返却をカードユニットCUから受けることができる。
【0069】
貯球数情報が1個以上の貯球数を示すICカードC1を保有する遊技者は、同じ遊技機又は別の遊技機で再度遊技を開始する場合、貯球数情報の示す貯球数の貯球を持ち球に変換して遊技することができる。貯球を持ち球に変換して遊技することを、貯球再遊技という。貯球再遊技を行う遊技者は、遊技を行う遊技機に接続されているカードユニットCUにICカードC1を挿入する。カードユニットCUは、挿入されたICカードC1に記憶されている貯球数情報の示す貯球数を読み出す。カードユニットCUは、カードユニットCUの操作部が所定の操作を受け付けた場合、ICカードC1に記憶されている貯球数情報の示す貯球数から、貯球再遊技に用いる遊技球の数である再遊技球数を減算する。カードユニットCUは、再遊技球数を示す貯球再遊技情報を枠制御基板45に送信する。貯球再遊技情報を受信したCPU451は、貯球再遊技情報の示す再遊技球数を持ち球数に加算する。これにより、遊技者はICカードC1に記憶されている貯球数情報に対応する貯球を用いて、貯球再遊技を行うことができる。なお、遊技者は、貯球を次回以降の遊技に使用するためICカードC1に貯球数情報を記憶させた状態を保つことができる。また、遊技者は、貯球数情報の示す貯球数の貯球の一部又は全部を、パチンコホールにおいて各種の景品に交換することもできる。
【0070】
図5を参照して、パチンコ機1の主制御基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。図5に示す制御プログラムのメイン処理は、電源スイッチ423がON状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がONになると、CPU51において実行が開始される。その後は、CPU51は、図4に示す割込信号発生回路57が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が検知した際に、メイン処理を実行する。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0071】
メイン処理で使用されるフラグについて説明する。メイン処理では、稼働中フラグ、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確変フラグ、時短フラグ等が使用される。これらのフラグは、RAM52に記憶される遊技処理情報である。稼働中フラグは、パチンコ機1が稼働中であるかを示すフラグである。稼働中フラグは、電源スイッチ423がOFF状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がOFFにされるときに「OFF」になる。稼働中フラグは、電源スイッチ423がON状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がONにされるときに実行される後述する電源投入時処理(S2)の実行に伴って「ON」になる。
【0072】
大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態であるかを示すフラグであり、大当たり遊技状態に「ON」になり、大当たり遊技状態でない場合に「OFF」になる。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が確定表示されている場合(確定表示中)に「2」、いずれも変動中でも確定表示中でもない場合に「0」が記憶される。確変フラグは、確変状態であるかを示すフラグであり、確変状態に「1」が記憶されて「ON」になり、非確変状態に「0」が記憶されて「OFF」になる。時短フラグは、前述の時短状態であるかを示すフラグであり、時短状態が設定される場合に「1」が記憶されて「ON」になり、時短状態が終了する場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0073】
メイン処理が開始されると、CPU51は、稼働中フラグが「ON」であるかを判断する(S1)。パチンコ機1の電源がONにされた直後は稼働中フラグが「OFF」である。稼働中フラグが「OFF」の場合(S1:NO)、電源投入時処理が実行されて(S2)、メイン処理が終了する。
【0074】
電源投入時処理では、CPU51は、電源投入に伴う初期化処理を実行する。具体的には、CPU51は、サブ制御基板58等が動作可能な状態になるのを待つためのウエイト処理、RAM52に対する遊技処理情報の書き込み及び読み出しを可能とするための、RAM52へのアクセス許可設定等を実行する。また、CPU51は、電源スイッチ423がON状態に操作されてパチンコ機1の電源がOFFからONに切り替わったときに、RAMクリアスイッチ412がON状態になっている場合には、RAMクリア処理を実行する。RAMクリア処理では、RAM52の使用領域に記憶されている遊技処理情報がクリアされ、所定の初期値がRAM52に記憶される等のRAM52の初期設定が行われる。RAMクリア処理が行われることによって、RAM52に記憶される大当たり遊技状態フラグ、確変フラグ及び時短フラグ等の各種のフラグが「OFF」になる。RAM52には、後述する時短回数カウンタ等の各種のカウンタが設けられる。RAMクリア処理が行われることによって、これらのカウンタに記憶される値が「0」にクリアされる。CPU51は、電源投入時処理の終了時に稼働中フラグを「ON」にし、電源投入時処理を終了する。
【0075】
次の割込信号でメイン処理が開始されると、稼働中フラグが「ON」であるので(S1:YES)、CPU51は、スイッチ読込処理を実行する(S11)。スイッチ読込処理では、図2で示したゲートスイッチ74,第一始動口スイッチ61、第二始動口スイッチ62、大入賞口スイッチ76及びその他の入賞口に設けられた各スイッチの検出結果から、遊技球の通過又は入賞を検知するための処理が行われる。RAM52は、各スイッチに対応するフラグを記憶する。各スイッチが遊技球の通過を検出すると、RAM52に記憶されている各スイッチに対応するフラグが「ON」になる。
【0076】
次いで、CPU51は、カウンタ更新処理を実行する(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている第一特別図柄及び第二特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタ及び特別図柄確定表示時間を計測するための特別図柄確定表示時間カウンタの値が減算される。
【0077】
次いで、CPU51は、特別電動役物処理を実行する(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作を制御するための処理、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態に関する処理等が行われる。大当たり遊技の動作とは、主に、大当たり遊技における大入賞口16の開閉部材161の開閉動作である。また、特別電動役物処理では、確変状態、時短状態が開始される場合、それらの遊技状態の開始を示す遊技状態コマンドが生成される。生成された遊技状態コマンドは、コマンドバッファにセットされ、サブ制御基板58に順次送信される。
【0078】
次いで、特別図柄処理が行われる(S15)。特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定及び遊技状態移行処理等が行われる。また、特別図柄処理では、大当たり判定の結果に応じて特別図柄が決定された場合、特別図柄として決定された大当たり図柄又ははずれ図柄の種類をサブ制御基板58に通知するための停止図柄指定コマンドが生成される。また、特別図柄処理では、大当たり判定の結果に応じて特別図柄の変動時間等を示す変動パターンが決定された場合、決定された変動パターンをサブ制御基板58に通知するための変動パターン指定コマンドが生成される。また、特別図柄処理では、特別図柄の変動時間が終了したと判断した場合、特別図柄の変動を停止することを示す特別図柄停止コマンドが生成される。また、特別図柄処理では、確変状態、時短状態が開始又は終了される場合、それらの遊技状態の終了を示す遊技状態コマンドが生成される。生成された各種コマンドは、コマンドバッファにセットされ、サブ制御基板58に順次送信される。
【0079】
次いで、CPU51は、普通電動役物処理を実行する(S16)。普通電動役物処理では、普通当たり判定の結果が当たりとなった場合に、普通当たり遊技の動作(主に第二始動口15の開閉部材151の開閉動作)を制御するための処理が行われる。前述したように、CPU51は、時短状態が設定されている場合、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度を非時短状態よりも高くする。
【0080】
次いで、CPU51は、普通図柄処理を実行する(S17)。普通図柄処理では、ゲートスイッチ74が遊技球の通過を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの生成等の処理が行われる。前述したように、時短状態中の普通図柄の変動時間は、非時短中の普通図柄の変動時間よりも短い。
【0081】
次いで、CPU51は、賞球処理(S18)、エラーチェック(S19)及び情報出力処理(S20)を実行し、メイン処理を終了する。賞球処理では、スイッチ読込処理によって各スイッチに対応するフラグが「ON」にされた場合に、各スイッチに対応する入賞口に応じた単位賞球数を示す賞球コマンドが、枠制御基板45に送信される。賞球コマンドを受信した枠制御基板45のCPU451は、賞球コマンドの示す単位賞球数を持ち球数に加算して、持ち球数情報を更新する。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28及びスピーカ39等を用いてエラーを報知するためのコマンドが、サブ制御基板58に送信される。情報出力処理では、枠制御基板45及びカードユニットCUを介して、前述の遊技場管理用コンピュータに対して各種の情報が出力される。
【0082】
図6を参照して、枠制御基板45が実行する枠制御基板処理について説明する。枠制御基板処理では、持ち球数情報の管理、持ち球の精算等に関する処理が行われる。特に、枠制御基板処理では、計数ボタン442の操作態様に応じて持ち球の精算に関する処理が行われる。枠制御基板45は、所定の周期でクロック信号を出力する図示しないクロック回路及び割込信号発生回路を備える。割込信号発生回路は、クロック回路からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。枠制御基板45のCPU451は、ROM453に記憶されているプログラムに従って、割込信号発生回路から割込信号が入力される毎に枠制御基板処理を実行する。
【0083】
パチンコ機1の電源スイッチ423がON状態に操作されることによって、パチンコ機1の電源がONにされると、CPU451は、枠制御基板処理を開始する。枠制御基板処理が開始されると、CPU451は、持ち球管理処理を実行する(S101)。詳細は図7を参照して後述するが、持ち球管理処理では、遊技の進行、遊技球の貸出、貯球再遊技に応じて持ち球数情報を管理するための処理が行われる。
【0084】
次いで、CPU451は、情報出力処理を実行する(S102)。詳細は図8及び図9を参照して後述するが、情報出力処理では、持ち球の精算を行うためにカードユニットCUに計数コマンドを送信するための処理が行われる。
【0085】
次いで、CPU451は、その他の処理を実行する(S103)。その他の処理は、発射ハンドル32の回転角度に応じた強度で遊技球発射装置37に遊技球を発射させるための処理、球送り装置48を駆動させるための処理、発射球数からファール球数を減算した数が排出球数と乖離しないかを監視する処理等を含む。その後、CPU451は、枠制御基板処理を終了する。
【0086】
図7を参照して、図6のS101で示した持ち球管理処理の詳細について説明する。持ち球管理処理が開始されると、CPU451は、カードユニットCUから貸球数情報を受信したかを判断する(S111)。CPU451は、カードユニットCUから貸球数情報を受信していない場合(S111:NO)、処理をS113の判断へ移行する。
【0087】
CPU451は、カードユニットCUから貸球数情報を受信した場合(S111:YES)、枠制御基板45において持ち球数情報を管理するためにRAM452に設けられている持ち球数カウンタに、貸球数情報の示す貸球数を加算する(S112)。本実施形態では、貸球数情報が示す貸球数は、「125」である。CPU451は、処理をS113の判断へ移行する。
【0088】
CPU451は、カードユニットCUから貯球再遊技情報を受信したかを判断する(S113)。CPU451は、カードユニットCUから貯球再遊技情報を受信していない場合(S113:NO)、処理をS116の判断へ移行する。
【0089】
CPU451は、カードユニットCUから貯球再遊技情報を受信した場合(S113:YES)、持ち球数カウンタに、貯球再遊技情報の示す再遊技球数を加算する(S115)。本実施形態では再遊技球数は、貯球再遊技情報が示す再遊技球数は、原則として「125」である。カードユニットCUは、貯球数情報を生成する場合にICカードC1に記憶されている貯球数情報の示す貯球数が125未満であるときには、貯球数情報の示す貯球数の全数を再遊技球数として貯球再遊技情報を生成する。この場合には、貯球再遊技情報が示す再遊技球数は、「125」未満のいずれかの値となる。CPU451は、処理をS116の判断へ移行する。
【0090】
CPU451は、発射球センサ455から発射球検出信号を受信したかを判断する(S116)。CPU451は、発射球センサ455から発射球検出信号を受信していない場合(S116:NO)、処理をS121の判断へ移行する。CPU451は、発射球センサ455から発射球検出信号を受信した場合(S116:YES)、持ち球数カウンタから「1」を減算する(S118)。CPU451は、処理をS121の判断へ移行する。
【0091】
CPU451は、戻り球センサ456からファール球検出信号を受信したかを判断する(S121)。CPU451は、戻り球センサ456からファール球検出信号を受信していない場合(S121:NO)、処理をS123の判断へ移行する。CPU451は、戻り球センサ456からファール球検出信号を受信した場合(S121:YES)、持ち球数カウンタに「1」を加算する(S122)。CPU451は、処理をS123の判断へ移行する。
【0092】
CPU451は、主制御基板41から賞球コマンドを受信したかを判断する(S123)。CPU451は、主制御基板41から賞球コマンドを受信していない場合(S123:NO)、処理をS128へ移行する。CPU451は、主制御基板41から賞球コマンドを受信した場合(S123:YES)、賞球コマンドを解析して、賞球コマンドの示す単位賞球数を取得する(S125)。CPU451は、持ち球数カウンタに取得した単位賞球数を加算する(S126)。CPU451は、処理をS128へ移行する。
【0093】
CPU451は、持ち球数カウンタを参照して現時点の持ち球数を取得し、取得した持ち球数を遊技球数表示部441に表示させる(S328)。CPU451は、処理を枠制御基板処理へ戻す。
【0094】
図8及び図9を参照して、図6のS102で示した情報出力処理の詳細について説明する。情報出力処理では、自動計数フラグ等のフラグが使用される。これらのフラグはRAM452に記憶される。枠制御基板処理では、持ち球の精算に関する処理として、自動計数が行われる場合がある。本実施形態では、CPU451は、原則として、球管理ユニット44の計数ボタン442の操作が所定の態様で行われた場合に、その操作態様に応じた計上数を示す計数コマンドを生成する。一方、CPU451は、計数ボタン442の操作が特定の態様で行われた場合には、以降に計数ボタン442の操作が行われなくても所定の計上数を示す計数コマンドを自動的に生成し、生成した計数コマンドをカードユニットCUに順次送信する、自動計数を行う。自動計数フラグは、自動計数が行われている場合に「1」が記憶されて「ON」になり、自動計数が行われていない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0095】
図8に示すように、情報出力処理が開始されると、CPU451は、自動計数が行われているかを判断する(S131)。CPU451は、自動計数フラグが「OFF」である場合には自動計数が行われていないと判断して(S131:NO)、計数ボタン442が操作されたかを判断する(S132)。CPU451は、計数ボタン442から「OFF」信号を連続して受信している場合等、計数ボタン442に対して後述する長押し、短押し及び特定操作のいずれも行われていないと判断した場合には、計数ボタン442が操作されていないと判断する(S132:NO)。CPU451は、処理をS149へ移行する。
【0096】
計数ボタン442を押す操作が所定期間に亘って継続する状態を、以下では、計数ボタン442が「長押し」された状態であるという。計数ボタン442を押す操作がされた期間が「長押し」に必要な所定期間に満たない場合の計数ボタン442の操作を、以下では、「短押し」という。CPU451は、計数ボタン442からのボタン入力読込信号を、「OFF」、「OFF」、「ON」、「ON」の順の並びで「ON」又は「OFF」の各信号を受信した場合、操作ボタン9の操作が開始されたと判断する。CPU451は、計数ボタン442の操作が開始されたと判断した後、「ON」信号をさらに連続して所定回数受信した場合、計数ボタン442の長押しが開始されたと判断する。本実施形態においては、CPU451は、「ON」信号を連続して500回受信した場合、すなわち、計数ボタン442が500ミリ秒間継続して押された場合に、計数ボタン442が長押しされたと判断する。なお、CPU451は、計数ボタン442の操作が開始されたと判断した後、「ON」信号をさらに連続して受信した回数が500回未満である場合には、計数ボタン442が短押しされたと判断する。
【0097】
CPU451は、計数ボタン442が操作されたと判断した場合(S132:YES)、計数ボタン442の操作の態様を判断する。CPU451は、計数ボタン442の操作が短押しであるかを判断する(S133)。本実施形態では、S133において、短押しが1回行われたかが判断される。CPU451は、計数ボタン442の操作が短押しであると判断した場合(S133:YES)、計上数が「1」であることを示す計数コマンドである第一計数コマンドを生成する。CPU451は、生成した第一計数コマンドを、RAM452に設けられるコマンドバッファにセットする(S135)。コマンドバッファにセットされた第一計数コマンドは、カードユニットCUに順次送信される。第一計数コマンドを受信したカードユニットCUは、第一計数コマンドの示す計上数を取得する。カードユニットCUは、取得した計上数を、ICカードC1に記憶されている貯球数情報の示す貯球数に加算して、貯球数情報を更新する。CPU451は、持ち球数カウンタから「1」を減算する(S136)。すなわち、遊技者は、計数ボタン442を1回短押しすることによって、持ち球から貯球へ、1個の遊技球を移行することができる。CPU451は、処理をS149へ移行する。
【0098】
CPU451は、計数ボタン442の操作が短押しでないと判断した場合(S133:YES)、計数ボタン442の操作が長押しであるかを判断する(S141)。CPU451は、計数ボタン442の操作が長押しであると判断した場合(S141:YES)、計上数が「250」であることを示す計数コマンドである第二計数コマンドを生成する。CPU451は、生成した第二計数コマンドを、RAM452に設けられるコマンドバッファにセットする(S142)。なお、持ち球数カウンタの値が「250」未満の場合、CPU451は、持ち球数カウンタの示す値の全てを示す計上数を示す第二計数コマンドを生成する。コマンドバッファにセットされた第二計数コマンドは、カードユニットCUに順次送信される。第二計数コマンドを受信したカードユニットCUは、第二計数コマンドの示す計上数を取得する。カードユニットCUは、取得した計上数を、ICカードC1に記憶されている貯球数情報の示す貯球数に加算して、貯球数情報を更新する。CPU451は、持ち球数カウンタから「250」を減算する(S143)。すなわち、遊技者は、計数ボタン442を500ミリ秒間継続して長押しすることによって、持ち球から貯球へ、250個の遊技球を移行することができる。CPU451は、処理をS149へ移行する。
【0099】
このように、パチンコ機1は、持ち球の精算において、計数ボタン442が比較的短い時間に亘って短押しされた場合には、遊技球を1個ずつ持ち球から貯球に計上する。また、パチンコ機1は、計数ボタン442が短押しよりも長い時間に亘って長押しされた場合には、まとまった数の遊技球を持ち球から貯球に一度に計上する。パチンコ機1は、計数ボタン442の操作時間と計上数とを対応付けているので、遊技者に計数ボタン442の操作を理解させやすい。
【0100】
CPU451は、計数ボタン442の操作が長押しでないと判断した場合(S141:YES)、計数ボタン442の操作が特定の操作であるかを判断する(S145)。計数ボタン442に対して行われる特定の操作を、以下では、特定操作という。本実施形態において、特定操作は、計数ボタン442が1秒間(1000ミリ秒間)以上継続して押されることである。計数ボタン442が1秒間以上継続して押されることを、特定長押し操作という。S141の判断において計数ボタン442の操作が長押しであると判断された場合において、その長押しが500ミリ秒間を超えて1秒間以上継続している場合、CPU451は「NO」と判断する。すなわち、CPU451は、計数ボタン442の特定長押し操作がされているという判断を、計数ボタン442の長押しがされているという判断に優先して行う。CPU451は、計数ボタン442の操作が特定長押し操作でないと判断した場合(S145:NO)、処理をS149へ移行する。
【0101】
CPU451は、計数ボタン442の操作が特定長押し操作であると判断した場合(S145:YES)、自動計数開始コマンドを生成する。CPU451は、生成した自動計数開始コマンドを、コマンドバッファにセットする(S146)。自動計数開始コマンドは、以降に計数ボタン442の操作が行われなくても所定の計上数を示す計数コマンドが自動的に生成される自動計数が開始されることを示すコマンドである。コマンドバッファにセットされた自動計数開始コマンドは、主制御基板41を介してサブ制御基板58に順次送信される。自動計数開始コマンドを受信したサブ制御基板58のCPU581は、図10に示す自動計数画像EG1を表示画面28に表示することを、演出制御基板43に指示するためのコマンドを送信する。このコマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、予めCGROMに記憶している自動計数画像EG1に対応する画像データをCGROMから読み出す。CPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データに対応する自動計数画像EG1を表示画面28に表示させる。CPU451は、自動計数フラグを「ON」にして(S148)、処理をS149へ移行する。
【0102】
一方、CPU451は、自動計数フラグが「ON」である場合には自動計数が行われていると判断して(S131:YES)、図9に示すように、計数ボタン442が操作されたかを判断する(S151)。計数ボタン442が操作されていない場合(S151:NO)、CPU451は、第二計数コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S152)。なお、持ち球数カウンタの値が「250」未満の場合、CPU451は、持ち球数カウンタの示す値の全てを示す計上数を示す第二計数コマンドを生成する。コマンドバッファにセットされた第二計数コマンドは、カードユニットCUに順次送信される。第二計数コマンドを受信したカードユニットCUは、第二計数コマンドの示す計上数を取得する。カードユニットCUは、取得した計上数を、ICカードC1に記憶されている貯球数情報の示す貯球数に加算して、貯球数情報を更新する。CPU451は、持ち球数カウンタから「250」を減算する(S153)。CPU451は、処理を図8のS149へ移行する。
【0103】
このように、CPU451は、計数ボタン442に対して特定長押し操作が行われた場合、以降に計数ボタン442の操作が行われなくても、情報出力処理が実行される毎にS153の処理によって第二計数コマンドを生成する。すなわち、CPU451は、自動計数フラグが「ON」である場合には、以降に計数ボタン442の操作が行われなくても第二計数コマンドを自動的に生成し、生成した計数コマンドをカードユニットCUに順次送信する。これにより、自動計数フラグが「ON」である場合には、情報出力処理が実行される毎に、計数ボタン442の長押しが行われなくても、計数ボタン442の長押しが継続して又は繰り返して行われた場合と同様に第二計数コマンドが繰り返して送信される。したがって、遊技者は、計数ボタン442で特定長押し操作を一度行うことによって、以降に長押しを継続して又は繰り返して行うことなく、持ち球から貯球への遊技球の計数を自動的にパチンコ機1に行わせることができる。長押しよりも操作時間の長い特定長押し操作を行うことによって、長押しが継続して又は繰り返して行われた場合と同様の処理が行われることから、遊技者は、特定長押し操作が自動計数の契機となることを理解しやすい。従来の遊技機では、持ち球数が比較的多い場合には、計数ボタン442の長押しを継続して又は繰り返して行う必要がある。パチンコ機1は、遊技者が持ち球の精算をする際における計数ボタン442の操作負担を、大幅に軽減することができる。
【0104】
CPU451は、自動計数が行われている場合において(S131:YES)、計数ボタン442が操作された場合(S151、YES)、計数ボタン442の操作が短押しであるかを判断する(S155)。CPU451は、計数ボタン442の操作が短押し操作でないと判断した場合(S155:NO)、処理をS149へ移行する。
【0105】
CPU451は、計数ボタン442の操作が短押しであると判断した場合(S155:YES)、自動計数終了コマンドを生成する。CPU451は、生成した自動計数終了コマンドを、コマンドバッファにセットする(S156)。自動計数終了コマンドは、自動計測が終了されることを示すコマンドである。コマンドバッファにセットされた自動計数終了コマンドは、主制御基板41を介してサブ制御基板58に順次送信される。自動計数終了コマンドを受信したサブ制御基板58のCPU581は、表示画面28における自動計数画像EG1の表示を終了することを、演出制御基板43に指示するためのコマンドを送信する。このコマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、表示画面28から自動計数画像EG1を消去する。CPU451は、自動計数フラグを「OFF」にして(S158)、処理をS149へ移行する。
【0106】
このように、CPU451は、自動計数の実行中に計数ボタン442の短押しを検出した場合、自動計数を終了する。遊技者は、簡易な操作で自動計数を終了させることができる。
【0107】
図8の説明に戻る。CPU581は、持ち球数カウンタの値、すなわち持ち球数を、球管理ユニット44の遊技球数表示部441に表示する(S149)。これにより、パチンコ機1は、計数ボタン442の短押し、長押し又は特定操作に応じて行われる自動計数によって、持ち球から貯球への遊技球の移行の状況を遊技者に視認させることができる。CPU451は、処理を枠制御基板処理へ戻す。
【0108】
上記のように、CPU451は、計数ボタン442の操作が特定操作である場合(S145:YES)、S146及びS148の各処理を実行して、持ち球から貯球への自動計数を行う準備をする。計数ボタン442の特定操作は、特定長押し操作に限られない。計数ボタン442の特定の操作は、一定期間内に複数回の短押しがされることでもよい。一定期間内に複数回の短押しがされることを、特定短押し操作という。S133の判断において計数ボタン442の操作が短押しであると判断された場合において、その短押しが複数回行われている場合、CPU451は「NO」と判断する。すなわち、CPU451は、計数ボタン442の特定短押し操作がされているという判断を、計数ボタン442の短押しがされているという判断に優先して行う。本実施形態では、特定短押し操作は、1.5秒間に500ミリ秒間未満の短押しが2回行われることとする。
【0109】
CPU451は、計数ボタン442に対して特定短押し操作が行われた場合、以降に計数ボタン442の操作が行われなくても、情報出力処理が実行される毎にS153の処理によって第二計数コマンドを生成する。すなわち、CPU451は、自動計数フラグが「ON」である場合には、計数ボタン442の長押しが継続して又は繰り返して行われた場合と同様に第二計数コマンドを自動的に生成し、生成した計数コマンドをカードユニットCUに順次送信する。これにより、遊技者は、計数ボタン442で特定短押し操作を行うことによって、以降に長押しを継続して又は繰り返して行うことなく、持ち球から貯球への遊技球の計数を自動的にパチンコ機1に行わせることができる。特定短押し操作は、1.5秒間に短押しを2回行うといった単純な操作であり、操作に必要な時間も短時間である。したがって、パチンコ機1は、遊技者が持ち球の精算をする際における計数ボタン442の操作負担を、大幅に軽減することができる。
【0110】
図10を参照して、自動計数画像EG1について説明する。図10(A)に示すように、自動計数が行われていない場合、自動計数画像EG1は表示画面28に表示されない。CPU451がS146の処理で生成しコマンドバッファにセットした自動計数開始コマンドが、主制御基板41を介してサブ制御基板58に送信される。自動計数開始コマンドを受信したサブ制御基板58のCPU581は、自動計数画像EG1を表示画面28に表示することを、演出制御基板43に指示する。すなわち、パチンコ機1は、自動計数を開始することに応じて、表示画面28に自動計数画像EG1の表示を開始する。図10(B)は、この場面の一例を示す。本実施形態では、自動計数画像EG1は、「自動計数中」の文字を含んで構成される。パチンコ機1は、遊技者に自動計数画像EG1を視認させることによって、計数ボタン442に対する遊技者の特定の操作がCPU451によって受け付けられたことを遊技者に認識させることができる。
【0111】
CPU451が生成しコマンドバッファにセットした(S156)自動計数終了コマンドは、主制御基板41を介してサブ制御基板58に送信される。自動計数終了コマンドを受信したサブ制御基板58のCPU581は、表示画面28に表示していた自動計数画像EG1を表示画面28から消去することを、演出制御基板43に指示する。図10(C)は、自動計数画像EG1が消去されつつある様子の一例を示す。
【0112】
なお、自動計数が行われていることを遊技者に報知するため、自動計数画像EG1を用いる以外に、所定の発光動作、所定の音の出力等が行われてもよい。例えば、パチンコ機1は、自動計数を開始する際に、「自動計数を開始します」等、自動計数の開始を示すセリフ音声をスピーカ39から出力してもよい。パチンコ機1は、自動計数を行う間において、盤ランプ27又は枠ランプ38を所定の発光動作で発光させたり、所定の音をスピーカ39から出力させたりしてもよい。この場合、パチンコ機1は、所定の発光動作、所定の音の出力を、自動計数の終了に応じて終了させてもよい。これらにより、パチンコ機1は、自動計数が行われているか否かを、遊技者に明確に認識させることができる。また、自動計数の実行中は、カードユニットCUのカード挿入口CU1に、遊技者のICカードC1が挿入された状態である。パチンコ機1は、自動計数画像EG1等を用いた報知を行うことによって、自動計数が終了するまで、ICカードC1をカードユニットCUに残したまま離席しないように遊技者に促すこともできる。
【0113】
以上説明したように、CPU451は、計数ボタン442の操作が第一操作であると判断した場合(S141:YES)、計上数が「250」であることを示す計数コマンドである第二計数コマンドを生成する。また、CPU451は、計数ボタン442の操作が特定の操作であると判断した場合(S145:YES)、自動計数フラグを「ON」にする(S148)。CPU451は、自動計数フラグが「ON」である間において、計数ボタン442が操作されることを要さずに、CPU451は、第二計数コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S152)。すなわち、CPU451は、計数ボタン442に対して特定の操作が行われた場合、以降に計数ボタン442の操作が行われなくても、計数ボタン442の第一操作が継続して又は繰り返して行われた場合と同様に第二計数コマンドを生成する。すなわち、CPU451は、自動計数フラグが「ON」である場合には、以降に計数ボタン442の操作が行われなくても第二計数コマンドを自動的に生成し、生成した計数コマンドをカードユニットCUに繰り返して送信することができる。したがって、パチンコ機1は、遊技者が持ち球の精算をする際における計数ボタン442の操作負担を、大幅に軽減することができる。
【0114】
第一操作が長押しである場合、従来の遊技機に於いては、持ち球数が比較的多い場合には、計数ボタン442の長押しを継続して又は繰り返して行う必要がある。CPU451は、計数ボタン442に対して特定の操作が行われた場合、以降に計数ボタン442の長押しが行われなくても、第二計数コマンドを自動的に生成し、カードユニットCUに送信することができる。したがって、パチンコ機1は、持ち球数が比較的多い場合にも、遊技者に計数ボタン442の長押しを継続して又は繰り返して行わせることなく、特定の操作を行わせることによって、持ち球から貯球への移行を負担なく行わせることができる。
【0115】
特定の操作が特定長押し操作である場合、長押しよりも操作時間の長い特定長押し操作を行うことによって、長押しが継続して又は繰り返して行われた場合と同様の処理が行われることから、遊技者は、特定長押し操作が自動計数の契機となることを理解しやすい。また、遊技者は、長押しをさらに継続することによって特定長押し操作をすることができるので、その操作も容易であり、計数ボタン442の操作負担も少ないと感じやすい。したがって、パチンコ機1は、特定長押し操作が行われることを自動計数の契機とすることによって、持ち球数が多い場合であっても、遊技者に計数ボタン442の操作の負担をかけることなく持ち球から貯球への移行を行わせることができる。
【0116】
本実施形態の特定短押し操作は、1.5秒間に500ミリ秒間未満の短押しが2回行われることである。この場合、遊技者は、短時間に短押しを2回行うことによって、以降には計数ボタン442を操作することなくパチンコ機1に自動計数が行わせることができる。したがって、パチンコ機1は、特定短押し操作が行われることを自動計数の契機とすることによって、持ち球数が多い場合であっても、遊技者に計数ボタン442の操作の負担をかけることなく持ち球から貯球への移行を行わせることができる。
【0117】
上記実施形態において、遊技球が、「遊技媒体」の一例である。持ち球数が、「使用可能遊技媒体数」の一例である。図7のS115、S118、S122、S126の各処理を実行する枠制御基板45のCPU451が、「管理手段」の一例である。計数コマンド、第一計数コマンド及び第二計数コマンドが、「計数信号」の一例である。第二計数コマンドが、「所定計数信号」の一例である。図8のS135、S142及び図9のS152の各処理を実行する枠制御基板45のCPU451が、「送信手段」の一例である。計数ボタン442が、「操作手段」の一例である。長押しに対応する500ミリ秒が、「第一時間」の一例である。長押しが、「第一操作」の一例である。短押しが、「第二操作」の一例である。特定長押し操作及び特定短押し操作のそれぞれが、「特定操作」の一例である。特定長押し操作に対応する1秒間が、「第二時間」の一例である。
【0118】
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。例えば、枠制御基板45のCPU451とカードユニットCUとの間の通信は、所定の通信タイミングの到来に応じて行われてもよい。具体的には、カードユニットCUから枠制御基板45に対して、通信タイミングに対応する所定間隔で通信タイミングの到来を通知する通知信号が送信されてもよい。所定間隔は、例えば300ミリ秒等、任意に設定されてよい。枠制御基板45のCPU451は、カードユニットCUから通知信号を受信した場合に、図8及び図9で示した情報出力処理を実行してもよい。
【0119】
特定長押しの時間は、上記実施形態よりも長くても短くてもよい。特定短押しを構成する短押しの時間も、上記実施形態よりも長くても短くてもよい。
【0120】
特定短押し操作は、3回以上の短押しによって構成されてもよい。上記実施形態において、特定短押し操作として複数回の短押しが行われる期間は1.5秒間であるが、この期間は1.5秒間よりも長く又は短く設けられてもよい。また、特定短押し操作が1回の短押しによって構成されてもよい。ただし、この場合、1個単位での持ち球から貯球への移行のための計数ボタン442の操作を、1回の短押し以外の操作態様に定義しておくことが好ましい。
【0121】
計数ボタン442は、上記実施形態の例の他、押下式の押しボタンであってもよいし、レバー等、押しボタン以外で構成されていてもよい。また、計数ボタン442が、物理的なボタンではなく、例えば、遊技球数表示部441がタッチパネルで構成されており、計数ボタン442は、そのタッチパネルに設けられる仮想的なボタンであってもよい。
【0122】
上記実施形態では、CPU451が自動計数の実行中に計数ボタン442の短押しを検出した場合、自動計数が終了される。自動計数の終了の契機となる計数ボタン442の操作態様は、短押しに限られない。例えば、計数ボタン442の長押し、特定長押し操作、特定短押し操作等の他の態様の操作が、自動計数の終了の契機となってもよい。また、計数ボタン442以外の操作手段が操作されることに応じて、自動計数が終了されてもよい。
【0123】
第一計数コマンドは、2個以上の計上数を示して生成されてもよい。第二計数コマンドは、250個未満又は250個よりも大きい計上数を示して生成されてもよい。また、計数ボタン442を1回長押しすることに応じて生成される計数コマンドの示す計上数と、自動計数において生成される計数コマンドの示す計上数とは、同じであっても異なってもよい。
【0124】
上記実施形態では、持ち球の管理、計数ボタン442に対する操作入力の検出、カードユニットCUへの計数コマンドの送信の各処理を、枠制御基板45のCPU451が実行している。この他、これらの処理の一部又は全部が主制御基板41等、他の基板において実行されてもよい。
【符号の説明】
【0125】
1 パチンコ機
45 枠制御基板
442 計数ボタン
451 CPU
452 RAM
453 ROM
EG1 自動計数画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10