(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092221
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】車内放送管理装置、車内放送管理方法、車内放送管理プログラム及び端末装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240701BHJP
B61L 25/02 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
G06Q50/30
B61L25/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207991
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金森 巧
(72)【発明者】
【氏名】植村 拓歩
【テーマコード(参考)】
5H161
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161BB02
5H161GG04
5H161GG12
5H161GG22
5H161GG24
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】車内放送に係る設定者と実施者との間で情報を共有し易くする。
【解決手段】管理者端末2に表示させる画面を生成する第1画面生成手段(制御部11)と、乗務員端末3に表示させる画面を生成する第2画面生成手段(制御部11)と、を備え、第2画面生成手段は、管理者端末2において入力された情報を反映させて乗務員端末3に表示させる画面を生成する。また、第1画面生成手段は、乗務員端末3において入力された情報を反映させて管理者端末2に表示させる画面を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内放送に係る設定を行う設定者が使用する設定者端末に表示させる第1画面を生成する第1画面生成手段と、
車内放送を実施する実施者が使用する実施者端末に表示させる第2画面を生成する第2画面生成手段と、
を備え、
前記第2画面生成手段は、前記設定者端末において入力された第1入力情報を反映させて前記第2画面を生成することを特徴とする車内放送管理装置。
【請求項2】
前記第1画面生成手段は、前記実施者端末において入力された第2入力情報を反映させて前記第1画面を生成することを特徴とする請求項1に記載の車内放送管理装置。
【請求項3】
前記第1入力情報は、前記設定者によって設定された車内放送を実施するポイントについて、ポイントの位置に係る情報と、当該位置からの車内放送を実施する半径に係る情報と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の車内放送管理装置。
【請求項4】
前記第1画面は、前記ポイントの位置及び前記半径が地図上に表示される第1表示と、前記半径を設定する設定部を含む第2表示と、を含み、前記設定部を用いた前記設定者の設定に従って、前記第1表示に表示される前記半径が変更されることを特徴とする請求項3に記載の車内放送管理装置。
【請求項5】
前記第2入力情報は、前記実施者による前記第1入力情報の評価に係る情報である評価情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の車内放送管理装置。
【請求項6】
前記第1入力情報は、前記設定者によって設定された車内放送を実施するポイントの位置に係る情報を含み、
前記評価情報は、前記実施者による車内放送実施のタイミングの評価に係る情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の車内放送管理装置。
【請求項7】
前記評価情報を用いて、前記第1入力情報を自動的に修正する修正手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の車内放送管理装置。
【請求項8】
前記第2入力情報は、前記実施者による前記第1入力情報の修正に係る情報である修正情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の車内放送管理装置。
【請求項9】
前記第1入力情報は、前記設定者によって設定された車内放送を実施するポイントの位置に係る情報を含み、
前記第2入力情報は、前記実施者による前記ポイントの位置の修正又は前記実施者による車内放送を実施するポイントの追加に係る情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の車内放送管理装置。
【請求項10】
前記第2入力情報は、前記実施者による車内放送を実施するポイントの追加に係る情報を含み、
前記実施者が列車の運行中に前記実施者端末を用いて所定の操作を行った際の前記実施者端末の位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した位置情報を、前記実施者によって追加されたポイントの位置情報として記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の車内放送管理装置。
【請求項11】
前記第2画面は、車内放送を実施するポイントに係る表示であるポイント表示を含み、
前記ポイント表示は、車内放送未実施のポイントに係る未実施ポイント表示と、車内放送実施済みのポイントに係る前記未実施ポイント表示と異なる表示である実施済みポイント表示と、を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の車内放送管理装置。
【請求項12】
車内放送を実施するポイントが複数存在する場合に、列車の運行中に各ポイントに列車が到達する順序を判定する判定手段を備え、
前記第2画面は、車内放送を実施するポイントに係る表示であるポイント表示を含み、
前記第2画面生成手段は、複数のポイントに係る前記ポイント表示が、各ポイントに列車が到達する順序に従って並ぶようにして前記第2画面を生成することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の車内放送管理装置。
【請求項13】
車内放送に係る設定を行う設定者が使用する設定者端末に表示させる第1画面を生成する第1画面生成ステップと、
前記設定者端末において入力された第1入力情報を取得する取得ステップと、
車内放送を実施する実施者が使用する実施者端末に表示させる第2画面を生成する第2画面生成ステップと、
を含み、
前記第2画面生成ステップにおいて、前記第1入力情報を反映させて前記第2画面を生成することを特徴とする車内放送管理方法。
【請求項14】
コンピュータを、
車内放送に係る設定を行う設定者が使用する設定者端末に表示させる第1画面を生成する第1画面生成手段、
前記設定者端末において入力された第1入力情報を取得する取得手段、
車内放送を実施する実施者が使用する実施者端末に表示させる第2画面を生成する第2画面生成手段、
として機能させ、
前記第2画面生成手段は、前記第1入力情報を反映させて前記第2画面を生成することを特徴とする車内放送管理プログラム。
【請求項15】
車内放送に係る設定を行う設定者が使用する画面に係るデータを取得する取得手段と、
前記画面を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記画面は、車内放送を実施する実施者が使用する実施者端末において入力された情報を反映させて生成された画面であることを特徴とする端末装置。
【請求項16】
車内放送を実施する実施者が使用する画面に係るデータを取得する取得手段と、
前記画面を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記画面は、車内放送に係る設定を行う設定者が使用する設定者端末において入力された情報を反映させて生成された画面であることを特徴とする端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車内放送管理装置、車内放送管理方法、車内放送管理プログラム及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
列車内においては、所定のポイントに差し掛かったタイミングで、音声によって乗客をガイドするための車内放送が行われる。例えば観光列車においては、路線沿線の名所・景勝地等のポイントに差し掛かったタイミングで、当該ポイントについて解説する音声が流される。
【0003】
このような列車内における車内放送は、従来、列車の乗務員が、車内放送を行う所定のタイミングにおいて、マイクに向かって話すことによって口頭で行っていたが、このような口頭での放送を逐一行うことは、乗務員にとって大きな負担となっていた。
また、予め録音された音声を流す場合には乗務員が口頭での放送を行う必要はなくなるが、この場合も、乗務員が放送のタイミングを判断の上、列車内の機器を手動で操作する点で、乗務員の負担の低減は十分ではなかった。
【0004】
そこで、専用のプログラムがインストールされたスマートフォン、タブレット端末等の携帯端末を、車内放送に係る列車のシステムと接続することで、所定のタイミングで、列車内において車内放送を自動的に流すことを可能としたシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】PRTIMESホームページ、[令和4年4月29日検索]、インターネット<URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000182.000037933.html>、プレスリリース/九州旅客鉄道株式会社/<iPad(登録商標)を活用した列車内自動放送アプリを開発>筑肥線で使用開始
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなシステムにおいては、予めシステム管理者等によって車内放送が行われるポイント等が設定された後に、設定された情報を使用して、列車の乗務員が列車の運行時に車内放送を行うこととなるのが一般的であり、ポイント等の設定を行う者とシステムを利用して車内放送を行う者とが異なる場合が多い。
【0007】
このような場合には、車内放送を行うポイント等のシステムの動作に係る設定を行う者(以下「設定者」という。)と、車内放送を実施する者(以下「実施者」という。)との間で、例えば、設定の詳細等についての情報が十分に共有されることが好ましいが、従来のシステムは、このような設定者と実施者との間での情報の共有を行い易くすることを目的としたものではなかった。
【0008】
本発明の課題は、車内放送に係る設定者と実施者との間で情報を共有し易くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、車内放送管理装置において、
車内放送に係る設定を行う設定者が使用する設定者端末に表示させる第1画面を生成する第1画面生成手段と、
車内放送を実施する実施者が使用する実施者端末に表示させる第2画面を生成する第2画面生成手段と、
を備え、
前記第2画面生成手段は、前記設定者端末において入力された第1入力情報を反映させて前記第2画面を生成することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車内放送管理装置において、
前記第1画面生成手段は、前記実施者端末において入力された第2入力情報を反映させて前記第1画面を生成することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車内放送管理装置において、
前記第1入力情報は、前記設定者によって設定された車内放送を実施するポイントについて、ポイントの位置に係る情報と、当該位置からの車内放送を実施する半径に係る情報と、を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車内放送管理装置において、
前記第1画面は、前記ポイントの位置及び前記半径が地図上に表示される第1表示と、前記半径を設定する設定部を含む第2表示と、を含み、前記設定部を用いた前記設定者の設定に従って、前記第1表示に表示される前記半径が変更されることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の車内放送管理装置において、
前記第2入力情報は、前記実施者による前記第1入力情報の評価に係る情報である評価情報を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車内放送管理装置において、
前記第1入力情報は、前記設定者によって設定された車内放送を実施するポイントの位置に係る情報を含み、
前記評価情報は、前記実施者による車内放送実施のタイミングの評価に係る情報を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の車内放送管理装置において、
前記評価情報を用いて、前記第1入力情報を自動的に修正する修正手段を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載の車内放送管理装置において、
前記第2入力情報は、前記実施者による前記第1入力情報の修正に係る情報である修正情報を含むことを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項2に記載の車内放送管理装置において、
前記第1入力情報は、前記設定者によって設定された車内放送を実施するポイントの位置に係る情報を含み、
前記第2入力情報は、前記実施者による前記ポイントの位置の修正又は前記実施者による車内放送を実施するポイントの追加に係る情報を含むことを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項2に記載の車内放送管理装置において、
前記第2入力情報は、前記実施者による車内放送を実施するポイントの追加に係る情報を含み、
前記実施者が列車の運行中に前記実施者端末を用いて所定の操作を行った際の前記実施者端末の位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した位置情報を、前記実施者によって追加されたポイントの位置情報として記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の車内放送管理装置において、
前記第2画面は、車内放送を実施するポイントに係る表示であるポイント表示を含み、
前記ポイント表示は、車内放送未実施のポイントに係る未実施ポイント表示と、車内放送実施済みのポイントに係る前記未実施ポイント表示と異なる表示である実施済みポイント表示と、を含むことを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の車内放送管理装置において、
車内放送を実施するポイントが複数存在する場合に、列車の運行中に各ポイントに列車が到達する順序を判定する判定手段を備え、
前記第2画面は、車内放送を実施するポイントに係る表示であるポイント表示を含み、
前記第2画面生成手段は、複数のポイントに係る前記ポイント表示が、各ポイントに列車が到達する順序に従って並ぶようにして前記第2画面を生成することを特徴とする。
【0021】
請求項13に記載の発明は、車内放送管理方法において、
車内放送に係る設定を行う設定者が使用する設定者端末に表示させる第1画面を生成する第1画面生成ステップと、
前記設定者端末において入力された第1入力情報を取得する取得ステップと、
車内放送を実施する実施者が使用する実施者端末に表示させる第2画面を生成する第2画面生成ステップと、
を含み、
前記第2画面生成ステップにおいて、前記第1入力情報を反映させて前記第2画面を生成することを特徴とする。
【0022】
請求項14に記載の発明は、車内放送管理プログラムにおいて、
コンピュータを、
車内放送に係る設定を行う設定者が使用する設定者端末に表示させる第1画面を生成する第1画面生成手段、
前記設定者端末において入力された第1入力情報を取得する取得手段、
車内放送を実施する実施者が使用する実施者端末に表示させる第2画面を生成する第2画面生成手段、
として機能させ、
前記第2画面生成手段は、前記第1入力情報を反映させて前記第2画面を生成することを特徴とする。
【0023】
請求項15に記載の発明は、端末装置において、
車内放送に係る設定を行う設定者が使用する画面に係るデータを取得する取得手段と、
前記画面を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記画面は、車内放送を実施する実施者が使用する実施者端末において入力された情報を反映させて生成された画面であることを特徴とする。
【0024】
請求項16に記載の発明は、端末装置において、
車内放送を実施する実施者が使用する画面に係るデータを取得する取得手段と、
前記画面を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記画面は、車内放送に係る設定を行う設定者が使用する設定者端末において入力された情報を反映させて生成された画面であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、車内放送に係る設定者と実施者との間で情報を共有し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態に係る車内放送管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る車内放送管理システムのポイントの追加時の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図3】実施形態に係る車内放送管理システムの車内放送の実施時の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図4】実施形態に係る車内放送管理システムのポイントの修正時の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係る車内放送管理システムの第1設定画面を示す図である。
【
図6】実施形態に係る車内放送管理システムの第2設定画面を示す図である。
【
図7】実施形態に係る車内放送管理システムの運行中画面を示す図である。
【
図8】実施形態に係る車内放送管理システムの運行中画面を示す図である。
【
図9】実施形態に係る車内放送管理システムの第3設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、
図1から
図9に基づいて、本発明の実施形態である車内放送管理システム100について説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0028】
[第1 構成の説明]
車内放送管理システム100は、列車乗務員が使用する乗務員端末3を列車に備えられた車内放送に係るシステムと接続することで、列車内における車内放送を自動的に行うためのシステムであり、
図1に示すように、サーバ装置1と、管理者端末2と、乗務員端末3と、を備えて構成され、サーバ装置1と管理者端末2との間及びサーバ装置1と乗務員端末3との間は、通信ネットワークNを介して接続されている。
【0029】
[1 サーバ装置]
サーバ装置1は、例えば、車内放送管理システム100を利用する鉄道事業者が保有するコンピュータであり、後述のように車内放送に係る設定情報の管理者端末2からの取得や車内放送に係る設定情報の乗務員端末3への送信等を行う。
サーバ装置1は、
図1に示すように、例えば、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備えて構成されている。
【0030】
なお、サーバ装置1は、必ずしも単一のコンピュータによって実現されることを要せず、例えば、複数台のコンピュータが通信ネットワークNを介して接続されることで、複数台のコンピュータにより、サーバ装置1としての機能が実現されていてもよい。この場合、このような複数台のコンピュータが接続されたものが、サーバ装置1に該当することとなる。
【0031】
制御部11は、サーバ装置1の動作を制御する部分であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、記憶部12に記憶されたプログラムデータ等とCPUとの協働により、サーバ装置1の各部を統括制御する。
【0032】
記憶部12は、サーバ装置1の運用に必要となる各種情報が記憶される部分であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、プログラムデータ等のサーバ装置1の動作に必要となるデータを、制御部11から読み書き可能に記憶する。
【0033】
記憶部12は、サーバ装置用プログラム121と、登録情報データベース122と、を備える。
【0034】
サーバ装置用プログラム121は、サーバ装置1を動作させるための制御部11への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べるサーバ装置1の動作は、サーバ装置用プログラム121に従ってなされることとなる。
登録情報データベース122は、後述のように、車内放送管理システム100の動作中に取得された情報が記憶される部分である。なお、記憶される各情報の詳細は、後述の動作の説明の中で述べる。
【0035】
通信部13は、サーバ装置1と、管理者端末2及び乗務員端末3との間の通信に用いられる部分であり、例えば、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクタ等を有する通信インターフェイスであり、制御部11の制御の元、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0036】
[2 管理者端末]
管理者端末2は、車内放送を行うポイント等のシステムの動作に係る設定を行う設定者である本システムの管理者が使用する、例えば、PC(Personal Computer)等の情報機器であり、後述のように、サーバ装置1への設定情報の送信等に用いられる。
【0037】
管理者端末2は、
図1に示すように、例えば、サーバ装置1と同様に、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を備えると共に、さらに、表示部24と、操作部25と、を備えて構成されている。
【0038】
制御部21は、管理者端末2の動作を制御する部分であり、サーバ装置1の制御部11と同様、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えて構成され、記憶部22に記憶されたプログラムデータ等とCPUとの協働により、管理者端末2の各部を統括制御する。
【0039】
記憶部22は、管理者端末2の運用に必要となる各種情報が記憶される部分であり、サーバ装置1の記憶部12と同様、例えば、HDD、半導体メモリ等により構成され、プログラムデータ等の管理者端末2の動作に必要となるデータを、制御部21から読み書き可能に記憶する。
また、記憶部22は、管理者端末用プログラム221を備える。
管理者端末用プログラム221は、管理者端末2を動作させるための制御部21への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べる管理者端末2の動作は、管理者端末用プログラム221に従ってなされることとなる。
【0040】
通信部23は、管理者端末2と、サーバ装置1との間の通信に用いられる部分であり、サーバ装置1の通信部13と同様、例えば、通信用IC及び通信コネクタ等を有する通信インターフェイスであり、制御部21の制御の元、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0041】
表示部24は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備え、制御部21から出力された表示制御信号に基づいた画像を当該ディスプレイに表示する。
【0042】
操作部25は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーを有するキーボード等を備え、管理者端末2の使用者からの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部21へと出力する。操作部25は、例えば、表示部24と一体的に形成されたタッチパネル等であってもよい。
【0043】
[3 乗務員端末]
乗務員端末3は、本システムを利用して列車内で車内放送を実施する実施者である列車の乗務員が使用する、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の情報機器であり、上記のように、列車に備えられた車内放送に係るシステムと接続することで、列車内における車内放送を自動的に行うために用いられる。
【0044】
乗務員端末3は、
図1に示すように、例えば、管理者端末2と同様に、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、表示部34と、操作部35と、を備えると共に、さらに位置情報取得部36と、音声出力部37と、を備えて構成され、記憶部32には、乗務員端末3を動作させるための制御部31への各種命令を含むプログラムである乗務員端末用プログラム321と、車内放送において放送する音声に係るデータである音声データD1が記憶される音声データ記憶部322と、が備えられている。
【0045】
位置情報取得部36は、乗務員端末3の所在位置に関する情報を取得する部分であり、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機が用いられる。GPS受信機は、GPSを構成する複数のGPS衛星から提供される測位用電波であるGPS信号を受信し、これを用いて、乗務員端末3の位置情報を取得する。
なお、位置情報取得部36は、乗務員端末3の位置情報を取得可能なものであればよく、GPS受信機には限られない。例えば、その他の衛星測位システムに係る信号の受信機等を使用してもよい。
【0046】
音声出力部37は、所定のケーブル等を介して列車に備えられた車内放送のためのシステムである車両システム200と接続され、後述のように音声データD1を車両システム200へと出力するための部分である。
図1においては、音声出力部37として、例えば一般的なイヤホンジャックを使用し、一般的なイヤホンケーブルであるケーブルCによって乗務員端末3と車両システム200とが接続される場合について図示しているが、音声出力部37は、上記のように音声データD1を車両システム200へと出力できるものであれば特に限定されない。
例えば、乗務員端末3と車両システム200とが無線接続される場合であれば、乗務員端末3においてこのような無線通信を行う部分が、音声出力部37に該当することとなる。
【0047】
[4 通信ネットワーク]
通信ネットワークNは、例えば、インターネット、電話回線網、携帯電話通信網、無線LAN通信網等であり、
図1に示すように、サーバ装置1と管理者端末2との間及びサーバ装置1と乗務員端末3との間を接続する。
通信ネットワークNとしては、上記のように各装置間を繋ぎ、これらの間でデータの送受信を行うことが可能なものであれば特に限定されない。
【0048】
[第2 動作の説明]
次に、本実施形態に係る車内放送管理システム100の動作について説明する。
車内放送管理システム100の動作は、大きく分けて、ポイントの追加(ステップS1)、車内放送の実施(ステップS2)及びポイントの修正(ステップS3)の3つのステップからなる。
【0049】
[1 ステップS1:ポイントの追加]
まず、本システムの管理者が、車内放送を行うポイントを追加する際の本システムの動作について、
図2のフローチャートに従って説明する。
【0050】
本システムの管理者は、車内放送を行うポイントの追加を行う場合、まず、管理者端末2の操作部25を用いて所定の操作を行い、記憶部22に備えられた管理者端末用プログラム221を起動し、車内放送を行うポイントの追加の対象とする運輸区及び列車に係る情報を入力するための所定の画面を表示部24に表示させた後、操作部25を用いた操作により、車内放送を行うポイントの追加の対象とする運輸区及び列車に係る情報を入力する(ステップS1-1)。これによって管理者端末2は、車内放送を行うポイントの追加の対象とする運輸区に係る情報である設定対象運輸区情報D2及び車内放送を行うポイントの追加の対象とする列車に係る情報である設定対象列車情報D3を取得する。
【0051】
車内放送を行うポイントの追加の対象とする運輸区及び列車に係る情報が入力されると、制御部21は、入力された設定対象運輸区情報D2及び設定対象列車情報D3を通信部23から通信ネットワークNを介してサーバ装置1へと送信させ(ステップS1-2)、通信部13によって、乗務員端末3から送信された設定対象運輸区情報D2及び設定対象列車情報D3を受信したサーバ装置1においては、制御部11が、車内放送を行うポイントの設定に用いる画面である第1設定画面G1を生成する(ステップS1-3)。
【0052】
第1設定画面G1は、
図5に示すように、ステップS1-1で入力された運輸区の全体を含む地図に係る表示である地図表示G11を含む画面であり、地図表示G11上には、ステップS1-1で入力された対象列車が走る鉄道路線を示す路線表示G111と、既設定のポイントを示す既設定ポイント表示G112Aと、が表示される。
【0053】
また、第1設定画面G1の上部には、後述のようにポイントを追加する列車の方面を設定する方面設定部G14が設けられている。方面設定部G14は、後述のようにポイントを追加する列車の方面(上り又は下り)を、操作部25を用いた操作によって選択できるように構成されている。
また、第1設定画面G1の下部には、後述のようにポイント位置のみを仮登録する際に使用する仮登録ボタンG15が設けられている。
【0054】
第1設定画面G1を生成すると、サーバ装置1の制御部11は、生成した第1設定画面G1のデータ(第1設定画面データD14)を、通信部13から通信ネットワークNを介して、ステップS1-2で情報を送信した管理者端末2へと送信させ(ステップS1-4)、サーバ装置1から送信された第1設定画面データD14を通信部23によって受信した管理者端末2においては、制御部21が、受信した第1設定画面データD14に基づき、第1設定画面G1を、表示部24に表示させる(ステップS1-5)。
【0055】
表示部24に第1設定画面G1が表示されると、管理者は追加するポイントの位置を設定する(ステップS1-6)。具体的には、管理者は、操作部25を用いて、路線表示G111上のポイントを設定する位置において、例えばクリック、タップ等所定の操作を行うことで、ポイントの位置を設定すればよい。
【0056】
追加するポイントの位置が設定されると、制御部21は、ステップS1-6で設定されたポイントの位置(緯度及び経度)に係る情報であるポイント位置情報D4を通信部23から通信ネットワークNを介してサーバ装置1へと送信させ(ステップS1-7)、通信部13によって、管理者端末2から送信されたポイント位置情報D4を受信したサーバ装置1においては、制御部11が、第2設定画面G1Aを生成する(ステップS1-8)。
【0057】
なお、ポイント位置を設定した後に、管理者が操作部25を用いて仮登録ボタンG15を操作した場合には、サーバ装置1において、通信部13によって受信したポイント位置情報D4のみを記憶部12の登録情報データベース122に記憶させてひとまず処理を終了することとなる。この場合、管理者は、管理者端末2を用いて所定の操作を行い、ステップS1-8以下の処理を再開させることで、その他の情報の登録を後日行うことができる。
【0058】
第2設定画面G1Aは、
図6に示すように、ステップS1-6で設定された追加するポイントの位置を示す新規設定ポイント表示G112Bが地図表示G11上に表示されると共に、ポイントの詳細を設定するためのポップアップG12が表示される画面である。
【0059】
ポップアップG12は、
図6に示すように、ポイント名設定部G121と、再生タイミング設定部G122と、半径設定部G123と、号車設定部G124と、音声設定部G125と、コメント入力部G126と、新規作成ボタンG127と、を含む表示である。
【0060】
ポイント名設定部G121は、管理者が当該ポイントに付けた名称を入力する部分である。
【0061】
再生タイミング設定部G122は、管理者が当該ポイントにおける再生タイミングを入力するための部分である。
【0062】
半径設定部G123は、管理者が、ポイントの位置からの車内放送を実施する半径(車内放送を開始する地点のポイントの位置からの距離)を設定するための部分である。すなわち、後述のように、ポイントの位置から当該半径内の距離に列車が達した際に車内放送を開始することとなる。
具体的には、
図6に示すように、半径設定部G123は、操作部25を用いた操作によりスライダG1231を左右方向にスライドさせることでポイントの位置からの車内放送を実施する半径を設定するように構成されている。また、スライダG1231の右側には、設定された半径の数値が表示される設定半径表示部G1232が設けられている。
【0063】
半径設定部G123のスライダG1231が操作されると、半径設定部G123の設定半径表示部G1232に表示される半径の数値が変動すると共に、地図表示G11上の新規設定ポイント表示G112Bの周囲に円形に表示される設定半径表示G113の半径が、半径設定部G123によって設定された半径に応じて変更されることとなる。
【0064】
号車設定部G124は、車内放送が実施される列車の号車を設定するための部分である。
具体的には、
図6に示すように設定可能な号車番号が一覧的に表示され、管理者が表示された号車番号から選択するように構成されている。
【0065】
音声設定部G125は、車内放送で再生する音声を設定するための部分である。
具体的には、
図6に示すように設定可能な音声(乗務員端末3の記憶部22の音声データ記憶部322に記憶された音声データD1)に係るファイル名が一覧的に表示され、管理者が表示されたファイル名から選択するように構成されている。
【0066】
コメント入力部G126は、管理者がコメントを入力するための部分であり、操作部25を用いた操作によって任意のコメントを入力できるように構成されている。
【0067】
新規作成ボタンG127は、ポイント名設定部G121からコメント入力部G126の設定が完了した後に管理者が操作するボタンである。
【0068】
第2設定画面G1Aを生成すると、サーバ装置1の制御部11は、生成した第2設定画面G1Aのデータ(第2設定画面データD15)を、通信部13から通信ネットワークNを介して、ステップS1-7で情報を送信した管理者端末2へと送信させ(ステップS1-9)、サーバ装置1から送信された第2設定画面データD15を通信部23によって受信した管理者端末2においては、制御部21が、受信した第2設定画面データD15に基づき、第2設定画面G1Aを、表示部24に表示させる(ステップS1-10)。
【0069】
表示部24に第2設定画面G1Aが表示されると、管理者はポイントの詳細を設定する(ステップS1-11)。
具体的には、管理者は、操作部25を用いた操作により、ポイント名設定部G121に当該ポイントに付けた名称を入力し、再生タイミング設定部G122に当該ポイントにおける再生タイミングを入力し、半径設定部G123のスライダG1231を用いた操作により車内放送を実施する半径を設定し、号車設定部G124から選択することにより車内放送が実施される号車を設定し、音声設定部G125から選択することにより車内放送で再生する音声を設定し、コメント入力部G126にコメントを入力すればよい。
また、管理者は、方面設定部G14を用いて、ポイントを追加する列車の方面(上り又は下り)を設定する。
【0070】
入力が完了すると、管理者は、操作部25を用いた操作により、新規作成ボタンG127を操作して、当該ポイントについての詳細設定を完了する。
【0071】
新規作成ボタンG127が操作されると、管理者端末2の制御部21は、ステップS1-1で入力された運輸区に係る情報である設定対象運輸区情報D2と、ステップS1-1で入力された列車に係る情報である設定対象列車情報D3と、ステップS1-6で設定されたポイント位置(緯度及び経度)に係る情報であるポイント位置情報D4と、ステップS1-11でポイント名設定部G121に入力されたポイント名に係る情報であるポイント名情報D5と、再生タイミング設定部G122に入力された再生タイミングに係る情報である再生タイミング情報D6と、半径設定部G123で設定された半径に係る情報である設定半径情報D7と、号車設定部G124で設定された車内放送が実施される号車に係る情報である号車情報D8と、音声設定部G125で設定された車内放送で再生する音声に係る情報である再生音声情報D9と、コメント入力部G126に入力されたコメントに係る情報であるコメント情報D10と、方面設定部G14を用いて設定された列車の方面に係る情報である方面情報D11と、を通信部23から通信ネットワークNを介して、サーバ装置1へと送信させる(ステップS1-12)。
【0072】
管理者端末2から送信された設定対象運輸区情報D2、設定対象列車情報D3、ポイント位置情報D4、ポイント名情報D5、再生タイミング情報D6、設定半径情報D7、号車情報D8、再生音声情報D9及びコメント情報D10を通信部13によって受信したサーバ装置1においては、制御部11が、受信した設定対象運輸区情報D2、設定対象列車情報D3、ポイント位置情報D4、ポイント名情報D5、再生タイミング情報D6、設定半径情報D7、号車情報D8、再生音声情報D9、コメント情報D10及び方面情報D11を紐付けて、記憶部12の登録情報データベース122に記憶させる(ステップS1-13)。
【0073】
ステップS1-12での情報の送信が完了すると、管理者端末2の制御部21は、
図5に示すような第1設定画面G1を表示部24に再度表示させる(ステップS1-14)。
【0074】
第1設定画面G1が再度表示された後、管理者は、さらなるポイントの設定を行うことを希望する場合には、ステップS1-6に戻り、次のポイントについてポイント位置の設定から実施する。これに対し、さらなるポイントの設定を行わない場合には、操作部25を用いて設定終了ボタンG13の操作を行い、ステップS1に係る処理を終了させる(ステップS1-15)。
【0075】
上記の過程を経ることで、管理者は、車内放送を実施する新規のポイントについて、その位置及び詳細を設定することができる。
【0076】
[2 ステップS2:車内放送の実施]
続いて、列車の乗務員が本システムを利用して列車内で車内放送を実施する際の本システムの動作について、
図3のフローチャートに従って説明する。
【0077】
列車の乗務員は、本システムを利用して列車内で車内放送を行う場合、乗務員端末3を車内放送に係る列車内のシステムである車両システム200と接続させた後、乗務員端末3の操作部35を用いて所定の操作を行い、記憶部32に備えられた乗務員端末用プログラム321を起動し、車内放送を行う対象とする運輸区及び対象列車に係る情報を入力するための所定の画面を表示部34に表示させた後、操作部35を用いた操作により、車内放送を行う対象とする運輸区及び列車に係る情報を入力する(ステップS2-1)。
これによって乗務員端末3は、車内放送を行う対象とする運輸区に係る情報である放送対象運輸区情報D12及び車内放送を行う対象とする列車に係る情報である放送対象列車情報D13を取得する。
【0078】
放送対象運輸区情報D12及び放送対象列車情報D13を取得すると、制御部31は、取得した放送対象運輸区情報D12及び放送対象列車情報D13を、通信部33から通信ネットワークNを介して、サーバ装置1へと送信する(ステップS2-2)。
【0079】
乗務員端末3から送信された放送対象運輸区情報D12及び放送対象列車情報D13を通信部13によって受信したサーバ装置1においては、制御部11が、受信した放送対象運輸区情報D12及び放送対象列車情報D13に基づいて記憶部12の登録情報データベース122を検索し、記憶された設定対象運輸区情報D2及び設定対象列車情報D3が、受信した放送対象運輸区情報D12及び放送対象列車情報D13に合致する登録情報の組(設定対象運輸区情報D2、設定対象列車情報D3、ポイント位置情報D4、ポイント名情報D5、再生タイミング情報D6、設定半径情報D7、号車情報D8、再生音声情報D9、コメント情報D10及び方面情報D11)を全て抽出する(ステップS2-3)。
【0080】
続いて、サーバ装置1の制御部11は、ステップS2-3で抽出した情報(設定対象運輸区情報D2、設定対象列車情報D3、ポイント位置情報D4、ポイント名情報D5、再生タイミング情報D6、設定半径情報D7、号車情報D8、再生音声情報D9、コメント情報D10及び方面情報D11が紐付けられた複数組の情報)を一覧的に表示する画面である運行中画面G2を生成する(ステップS2-4)。
【0081】
運行中画面G2は、
図7に示すように、ステップS2-1で入力された放送対象運輸区情報D12に係る運輸区内を走る放送対象列車情報D13に係る列車について設定済みの各車内放送ポイントに係る情報が表示される複数の放送前ポイント表示G21と、方面(上り又は下り)を選択する選択欄である方面選択部G22と、車内放送を実施する号車を選択する選択欄である号車選択部G23と、車内放送開始時に操作するボタンである開始ボタンG24と、を含む画面である。なお、開始ボタンG24は、これが操作された後には、
図8に示すように、車内放送の実施を一括して停止させる際に使用する終了ボタンG25に変更される。
【0082】
なお、放送前ポイント表示G21としては、方面選択部G22で設定された方面と方面情報D11に係る方面が一致し、号車選択部G23で設定された号車と号車情報D8に係る号車が一致する情報のみを表示する。すなわち、運行中画面G2は、乗務員端末3において、乗務員による操作部25を用いた方面選択部G22の操作によって放送前ポイント表示G21に表示される方面を切り換えると共に、操作部25を用いた号車選択部G23の操作によって放送前ポイント表示G21に表示される号車を切り替えることができるように構成されている。
【0083】
図7においては、方面選択部G22で上りが選択され、号車選択部G23で2号車が選択された場合について図示している。
【0084】
また、放送前ポイント表示G21は、
図7に示すように、各ポイントについて、ポイント位置情報D4に係る位置が線路に設定されたキロ程で表示されるポイント位置表示G211と、ポイント名情報D5に係るポイント名が表示されるポイント名表示G212と,再生タイミング情報D6に係る再生タイミングが表示される再生タイミング表示G213と、設定半径情報D7に係る半径が表示される半径表示G214と、コメント情報D10に係るコメントが表示されるコメント表示部G215と、各ポイントにおける車内放送の実施の有無を選択する有効/無効選択部G216と、各ポイントについての後述の回答の集計結果が表示される回答結果表示部G217と、車内放送が実施される順序が表示される放送順表示G218と、を含む。
【0085】
なお、放送前ポイント表示G21は、登録された順(ステップS1で説明したようにして情報が記憶された時期が早い順)に並ぶようにして作成され、後述のように乗務員端末3において、乗務員による操作部25を用いた操作によって放送順に並び変えることができるように構成されている。
【0086】
また、ポイント位置表示G211は、線路上に設定されたキロ程(線路上における所定の起点からの距離)で表示される。このような表示は、予め記憶部12に、線路上に設定されたキロ程と緯度・経路との対応関係に係る情報を記憶させておき、当該情報を用いてポイント位置情報D4をキロ程に変換し、変換した情報を表示させるようにすればよい。
【0087】
運行中画面G2を生成すると、サーバ装置1の制御部11は、生成した運行中画面G2のデータ(運行中画面データD16)を、通信部13から通信ネットワークNを介して、ステップS2-2で情報を送信した乗務員端末3へと送信させる(ステップS2-5)。なお、運行中画面データD16は、後述のように列車の運行中の車内放送の実施に伴う変更後の画面に係るデータも含む。
【0088】
サーバ装置1から送信された運行中画面データD16を通信部33によって受信した乗務員端末3においては、制御部31が、受信した運行中画面データD16に基づき、運行中画面G2を、表示部34に表示させる(ステップS2-6)。
【0089】
表示部34に運行中画面G2が表示されると、乗務員端末3を使用する乗務員は、乗務員端末3の操作部35を用いて所定の操作を行い、登録順に並んだ放送前ポイント表示G21を放送順になら並び替える(ステップS2-7)。
【0090】
続いて、乗務員端末3を使用する乗務員は、運行中画面G2の各放送前ポイント表示G21に含まれる有効/無効選択部G216を用いて、車内放送の実施の有無を設定する(ステップS2-8)。すなわち、車内放送を実施するポイントについては有効と設定し、車内放送を実施しないポイントについては無効と設定すればよい。
無効と設定されたポイントについては、
図8に示すように、放送前ポイント表示G21が、無効とされたポイントであることを示す無効ポイント表示G21Dに変更される。無効ポイント表示G21Dとしては、例えば、表示を薄くする、色を変える等の方法で、放送前ポイント表示G21と区別できるようにすればよい。
【0091】
続いて、乗務員端末3を使用する列車の乗務員は、列車の運行の開始時(始発駅からの発車時)に、操作部35を用いて、運行中画面G2の下方に表示された開始ボタンG24を操作し、開始ボタンG24が操作されると、乗務員端末3の制御部31は、位置情報取得部36によって、所定の時間間隔で継続的に乗務員端末3の位置情報を取得させる(ステップS2-9)。
【0092】
乗務員端末3の制御部31は、位置情報取得部36によって乗務員端末3の位置情報が取得される度に、当該位置情報に係る位置が、運行中画面G2に放送前ポイント表示G21が表示されたポイントのいずれかに係る位置(ポイント位置情報D4に係る位置)から、設定半径情報D7に係る距離内に位置しているかについて判定する(ステップS2-10)。
【0093】
ステップS2-10の判定の結果、いずれかのポイントに係るポイント位置情報D4に係る位置から設定半径情報D7に係る距離内に位置していないと判定した場合、制御部31は、位置情報取得部36によって乗務員端末3の位置情報が取得される度に、同様の判定を継続する。
これに対し、ステップS2-10の判定の結果、いずれかのポイントに係るポイント位置情報D4に係る位置から設定半径情報D7に係る距離内に位置していると判定した場合、乗務員端末3の制御部31は、当該ポイントに係る再生音声情報D9と一致する音声データD1を記憶部12の音声データ記憶部322から抽出の上、抽出した音声データD1を音声出力部37から車両システム200へと出力し、車両システム200に車内放送を開始させる(ステップS2-11)。具体的には、車両システム200により、当該ポイントに係る号車情報D8に係る車両において、音声データD1に係る音声を再生させればよい。
【0094】
音声データD1に係る音声の再生が開始されると、乗務員端末3においては、制御部31が、車内放送が行われているポイントに係る放送前ポイント表示G21を、
図8に示す運行中画面G2Aのように、放送中ポイント表示G21Aに変更し、表示部34に表示させる(ステップS2-12)。
放送中ポイント表示G21Aは、
図8に示すように、ポイント名が表示されるポイント名表示G212と、乗務員が再生を停止する際に操作する再生停止アイコンG219と、を含む表示である。
【0095】
音声データD1に係る音声の再生が終了すると、乗務員端末3においては、制御部31が、車内放送が完了したポイントに係る放送前ポイント表示G21(ステップS2-12で放送中ポイント表示G21Aに変更したもの)を、
図8に示す運行中画面G2Aのように、放送完了ポイント表示G21Bに変更し、表示部34に表示させる(ステップS2-13)。
【0096】
放送完了ポイント表示G21Bには、
図8に示すように、乗務員が車内放送のタイミングに関するアンケートに回答するための回答部G2110が含まれる。
回答部G2110は、車内放送開始のタイミングが早かった際に使用する「早」というアイコンと、車内放送開始のタイミングが遅かった際に使用する「遅」というアイコンと、車内放送開始のタイミングが適切であったときに使用する「〇」というアイコンと、車内放送が実施されなかったときに使用する「×」というアイコンと、を含む。
【0097】
放送完了ポイント表示G21Bが表示されると、乗務員端末3を使用する列車の乗務員は、操作部35を用いて、回答部G2110のいずれかのアイコンを操作し、車内放送のタイミングに関するアンケートに回答する(ステップS2-14)。
具体的には、車内放送開始のタイミングが早かったと思えば「早」というアイコンを操作し、車内放送開始のタイミングが遅かったと思えば「遅」というアイコンを操作し、車内放送開始のタイミングが適切であったと思えば「〇」というアイコンを操作し、車内放送が実施されなかったときには「×」というアイコンを操作すればよい。
【0098】
列車の乗務員によって放送完了ポイント表示G21Bの回答部G2110に係るアイコンのいずれかが操作されると、乗務員端末3においては、制御部31が、アンケートへの回答が完了したポイントに係る放送前ポイント表示G21(ステップS2-13で放送完了ポイント表示G21Bに変更したもの)を、
図8に示す運行中画面G2Aのように、回答完了ポイント表示G21Cに変更し、表示部34に表示させる(ステップS2-15)。
【0099】
回答完了ポイント表示G21Cは、
図8に示すように、ステップS2-14における回答結果を含む、それまでに当該ポイントについてなされた回答の集計結果が表示される回答結果表示部G217Aが含まれる。
回答結果表示部G217Aは、当該ポイントについての放送前ポイント表示G21に含まれる回答結果表示部G217について、ステップS2-14における回答結果を加算して回答数に係る数値を変更したものである。例えば、ステップS2-14で乗務員が「早」のアイコンを操作した場合であれば、「早」に関する回答数に1が加算されることとなる。
【0100】
続いて、乗務員端末3の制御部31は、ステップS2-14における回答結果に係る情報(回答結果情報D17)を、通信部33から通信ネットワークNを介して、サーバ装置1へと送信し(ステップS2-16)、これを受信したサーバ装置1においては、制御部11が、受信した回答結果情報D17を、記憶部12の登録情報データベース122に記憶させる(ステップS2-17)。
【0101】
具体的には、サーバ装置1の制御部11は、記憶部12の登録情報データベース122に記憶された、過去の回答結果情報D17に係る回答結果のポイント毎の集計結果に係る情報である回答結果集計情報D18の内、当該ポイントに係る情報に、ステップS2-14における回答結果を加算する。例えば、ステップS2-14で乗務員が「早」のアイコンを操作した場合であれば、当該ポイントに係る回答結果集計情報D18の「早」に関する回答数に1が加算されることとなる。
これまでに回答されたことがないポイントについては、ステップS2-14における回答結果に係る項目を「1」、その他の項目は「0」として新たに回答結果集計情報D18を生成し、これを記憶部12の登録情報データベース122に、当該ポイントに係る他の情報と紐付けて記憶させることとなる。
【0102】
[3 ステップS3:ポイントの修正]
まず、本システムの管理者が、車内放送を行う既設定のポイントについて、修正を行う際の本システムの動作について、
図4のフローチャートに従って説明する。
【0103】
ステップS1で説明したように新規に車内放送を行うポイントを設定するのではなく、既設定のポイントについて修正を行う場合、本システムの管理者は、ステップS1-1からステップS1-5と同様にして、車内放送を行うポイントの修正の対象とする運輸区及び列車に係る情報を入力し、サーバ装置1から受信した第1設定画面データD14に基づき、管理者端末2の表示部24に第1設定画面G1を表示させた後(ステップS3-1からステップS3-5)、修正の対象とするポイントを指定する(ステップS3-6)。具体的には管理者は、操作部25を用いて、地図表示G11の路線表示G111上の既設定ポイント表示G112Aのうち、修正を行うことを希望するものについて、例えばクリック、タップ等所定の操作を行うことで修正の対象とするポイントを指定すればよい。
【0104】
修正するポイントが指定されると、制御部21は、ステップS3-6で指定されたポイントを特定できる情報(例えばその位置情報)である指定ポイント特定情報D19を通信部23から通信ネットワークNを介してサーバ装置1へと送信させ(ステップS3-7)、通信部13によって、管理者端末2から送信された指定ポイント特定情報D19を受信したサーバ装置1においては、制御部11が、第3設定画面G1Bを生成する(ステップS3-8)。
【0105】
第3設定画面G1Bは、
図9に示すように、ポイントの修正を行うためのポップアップG12Aが表示される画面である。
【0106】
ポップアップG12Aには、ポップアップG12における新規作成ボタンG127に代えて、修正ボタンG128及び削除ボタンG129が設けられている。
また、ポイント名設定部G121からコメント入力部G126には、指定ポイント特定情報D19に係るポイントについての既設定の内容が表示される。
【0107】
また、ポップアップG12Aには、回答結果表示部G1210が設けられている。回答結果表示部G1210は、当該ポイントについてのステップS2-14における回答の集計結果(回答結果集計情報D18)が表示される部分であり、当該ポイントにおける車内放送のタイミングについて、ステップS2で説明したようにして当該ポイントで車内放送を実施した乗務員による、放送のタイミングに関するアンケートへの回答の集計結果が表示される。
【0108】
第3設定画面G1Bを生成すると、サーバ装置1の制御部11は、生成した第3設定画面G1Bのデータ(第3設定画面データD20)を、通信部13から通信ネットワークNを介して、ステップS3-7で情報を送信した管理者端末2へと送信させ(ステップS3-9)、サーバ装置1から送信された第3設定画面データD20を通信部23によって受信した管理者端末2においては、制御部21が、受信した第3設定画面データD20に基づき、第3設定画面G1Bを、表示部24に表示させる(ステップS3-10)。
【0109】
表示部24に第3設定画面G1Bが表示されると、管理者は入力内容の修正を行う(ステップS3-11)。
具体的には、管理者は、ポイント名設定部G121からコメント入力部G126の入力内容のうち修正を行うものの入力内容を、操作部25を用いた操作により修正した後、修正ボタンG128を操作する。
この際、ポップアップG12Aに回答結果表示部G1210が設けられていることで、管理者は、回答結果集計情報D18を確認しつつ、入力内容の修正を行うことができる。
【0110】
修正ボタンG128が操作されると、管理者端末2の制御部21は、ステップS3-11における修正内容に係る情報である修正内容情報D21を、通信部23から通信ネットワークNを介して、サーバ装置1へと送信させる(ステップS3-12)。
【0111】
修正内容情報D21は、例えば、ポイント名設定部G121に入力されたポイント名が修正された場合であれば、修正された後のポイント名に係る情報を含む。
また、例えば、半径設定部G123のスライダG1231が操作されて車内放送を実施する半径が修正された場合であれば、修正後の半径に係る情報を含む。
【0112】
管理者端末2から送信された修正内容情報D21を受信したサーバ装置1においては、制御部11が、受信した修正内容情報D21に従って、記憶部12の登録情報データベース122に記憶された情報を修正する(ステップS3-13)。
【0113】
ステップS3-12での情報の送信が完了すると、管理者端末2の制御部21は、
図5に示すような第1設定画面G1を表示部24に再度表示させる(ステップS3-14)。
【0114】
第1設定画面G1が再度表示された後、管理者は、さらなるポイントの修正を行うことを希望する場合には、ステップS3-6に戻り、次のポイントについてポイントの指定から実施する。これに対し、さらなるポイントの修正を行わない場合には、操作部25を用いて設定終了ボタンG13の操作を行い、ステップS3に係る処理を終了させる(ステップS3-15)。
【0115】
上記の過程を経ることで、管理者は、既設定のポイントについて、その設定内容の修正を行うことができ、修正がなされたポイントについては、修正後の情報に基づき、ステップS2で説明したようにして車内放送が実施されることとなる。
【0116】
なお、上記のように入力内容の修正を行うのではなく、ポイント自体を削除する場合、管理者端末2を使用する管理者は、ステップS3-11において、入力内容を修正することなく、操作部25を用いて、削除ボタンG129を操作する。
削除ボタンG129が操作されると、管理者端末2の制御部21は、ポイントの削除を指示する旨の所定の情報を通信部23から通信ネットワークNを介してサーバ装置1へと送信し、これを受信したサーバ装置1において、受信した情報に従って、記憶部12の登録情報データベース122に記憶された当該ポイントに係る情報を削除する。
【0117】
上記の過程を経ることで、管理者は、既設定のポイントについて、その削除を行うことができる。
【0118】
[第3 効果の説明]
次に、本実施形態に係る車内放送管理システム100の効果について説明する。
【0119】
本実施形態に係る車内放送管理システム100によれば、サーバ装置1において、ステップS1で管理者端末2に入力された情報(ポイント位置情報D4、ポイント名情報D5、再生タイミング情報D6、設定半径情報D7、号車情報D8、再生音声情報D9、コメント情報D10及び方面情報D11)を反映させて、ステップS2で運行中画面G2を生成してこれを乗務員端末3に表示させる。
これによって、車内放送を実施する実施者である乗務員が使用する運行中画面G2に、車内放送に係るポイントの設定を行う設定者である管理者が入力した情報が反映されることから、車内放送に係るポイントの設定を行う設定者である管理者と、車内放送を実施する実施者である乗務員との間で情報を共有し易くすることができる。
【0120】
また、本実施形態に係る車内放送管理システム100によれば、サーバ装置1において、ステップS2で乗務員端末3に入力された情報(回答結果情報D17)を反映させて、ステップS3で第3設定画面G1Bを生成してこれを管理者端末2に表示させる。
これによって、車内放送に係るポイントの設定を行う設定者である管理者が使用する第3設定画面G1Bに車内放送を実施する実施者である乗務員が入力した情報が反映されることから、車内放送に係るポイントの設定を行う設定者である管理者と、車内放送を実施する実施者である乗務員との間で情報を共有し易くすることができる。
【0121】
特に、サーバ装置1において、ステップS1で管理者端末2に入力された情報を反映させて、ステップS2で運行中画面G2を生成してこれを乗務員端末3に表示させると共に、ステップS2で乗務員端末3に入力された情報を反映させて、ステップS3で第3設定画面G1Bを生成してこれを管理者端末2に表示させることで、車内放送に係るポイントの設定を行う設定者である管理者と、車内放送を実施する実施者である乗務員との間で、相互に情報を共有し易くすることができる。
【0122】
また、ステップS2で乗務員端末3に入力された回答結果情報D17を反映させてステップS3で第3設定画面G1Bを生成してこれを管理者端末2に表示させることで、乗務員からのフィードバック、具体的にはステップS2-14における回答の集計結果である回答結果集計情報D18を参照の上で管理者がステップS3でポイントの修正を行うことができる。
これによって、実際に車内放送を実施する乗務員の見解を反映の上で、管理者がポイントの修正を行うことが可能となる。
【0123】
具体的には、例えば、管理者は、「早」という回答結果が多ければ、ポイント位置情報D4に係るポイント位置を後方(線路上の列車の通過時期が遅くなる方向)に動かしたり、設定半径情報D7に係る半径を狭くしたりすればよい。
また、例えば、管理者は、「遅」という回答結果が多ければ、ポイント位置情報D4に係るポイント位置を前方(線路上の列車の通過時期が早くなる方向)に動かしたり、設定半径情報D7に係る半径を広くしたりすればよい。
【0124】
また、ステップS1でサーバ装置1が管理者端末2から取得する情報が、管理者によって設定されたポイントの位置に係る情報であるポイント位置情報D4と、管理者によって設定された当該ポイントからの車内放送を実施する半径に係る情報である設定半径情報D7と、を含むことで、車内放送を開始するポイントをピンポイントなものではなく、一定の範囲の領域とすることができる。
乗務員端末3においては、例えばGPSの精度に問題がある等の理由で必ずしもその正確な位置情報を取得できるわけではないが、上記のように車内放送を開始するポイントを一定の範囲の領域とすることで、位置情報の精度の問題によって車内放送が実施されなくなるおそれを低減できる。
【0125】
また、管理者がポイントの設定(追加または修正)に用いる第2設定画面G1A及び第3設定画面G1Bが、設定中のポイントの位置及びポイントの半径が地図上に表示される地図表示G11と、半径を設定する半径設定部G123を含むポップアップG12、G12Aと、を含み、半径設定部G123を用いた管理者の設定に従って、地図表示G11に表示されるポイントの半径(設定半径表示G113)が変更されることで、管理者は、地図上で確認しつつ適切な半径を設定することが容易となる。
【0126】
また、ステップS2で、サーバ装置1が乗務員端末3から、各ポイントに係る車内放送開始のタイミングの評価(早、遅、〇、×のいずれに該当するか)に係る情報を含む回答結果情報D17を取得し、当該情報を反映させてステップS3で第3設定画面G1Bを生成することで、管理者は、乗務員による車内放送の実施のタイミングの評価を踏まえて、ステップS3で車内放送の実施のタイミング(ポイント位置情報D4に係る位置及び/又は設定半径情報D7に係る半径)を修正することが可能となる。
【0127】
また、列車の運行中に乗務員端末3の表示部34に表示される運行中画面において、各車内放送のポイントに係る表示が、車内放送未実施のポイントに係る放送前ポイント表示G21と、車内放送実施済みのポイントに係る放送完了ポイント表示G21Bと、を含むことで、乗務員は、表示を見るのみで、容易に車内放送実施済みのポイントか未実施のポイントかを識別することが可能となる。
さらに、車内放送実施中のポイントに係る放送中ポイント表示G21Aを含むことで、乗務員は、車内放送実施中のポイントについても識別することが可能となる。
さらに、放送タイミングに係るアンケートに回答済のポイントであることを示す回答完了ポイント表示G21Cを含むことで、乗務員は、アンケートに回答済みのポイントであるかも識別することが可能となる。
【0128】
[第4 変形例]
次に、本実施形態に係る車内放送管理システム100の変形例について説明する。
【0129】
[1 変形例1:乗務員によるポイントの修正]
上記動作の説明では、ステップS2における乗務員によるアンケートの回答結果(回答結果集計情報D18)を参照の上、ステップS3で管理者がポイントの修正を行う場合について説明したが、これに代えて、乗務員が直接ポイントの修正を行うことができる構成とすることも可能である。
【0130】
この場合、例えば、運行中画面G2又は運行中画面G2Aに、乗務員がポイントの修正を行うためのアイコン等を表示させ、操作部35を用いて当該アイコンを操作することで、乗務員が画面上の表示を修正できるようにする。例えば、半径表示G214の左右の矢印を操作することで、半径の数値を修正できるようにすればよい。
【0131】
また、例えば、列車の運行中に、各ポイントについての車内放送が終了した時点等の所定のタイミングで、乗務員端末3の表示部34に、ステップS3で管理者端末2の表示部24に表示させたポップアップG12Aと同様の表示を表示させ、当該表示上において、操作部35を用いて乗務員が入力内容を修正できるようにしてもよい。
【0132】
その後、修正内容に係る情報を、乗務員端末3の制御部31が、通信部33から通信ネットワークNを介してサーバ装置1へと送信させ、これを受信したサーバ装置1において、制御部11が、ステップS3-13で説明したのと同様にして、記憶部12の登録情報データベース122に記憶された情報を修正すればよい。
【0133】
これによって、車内放送のタイミングに問題があった場合に、車内放送を実施中の乗務員が直ちにポイントの修正を行うことが可能となる。
ただし、多数の乗務員によるアンケートへの回答結果を踏まえて修正を行うことができる点では、上記動作の説明のように管理者が修正を実施する方が好ましい。
【0134】
なお、乗務員がポイント位置情報D4に係る位置を修正する場合には、例えば、乗務員が操作部35を用いた所定の操作によって修正対象とするポイントを指定した上で、ポイントを移動させたい位置(修正後のポイントが設定される位置)を列車が走行中に、表示部34に表示された所定のボタンを操作することで、位置情報取得部36が取得した当該操作がなされた地点の位置情報が自動的にサーバ装置1に送信され、通信部13によってこれを受信したサーバ装置1において、制御部11によって、記憶部12の登録情報データベース122に記憶されたポイント位置情報D4が、当該操作がなされた位置に修正されるようにしてもよい。
これによって、管理者が設定したポイントの位置を、実際に列車が走行中に乗務員が適切だと思う位置へと修正することが容易となる。
【0135】
[2 変形例2:放送前ポイント表示の自動並び替え]
上記動作の説明では、ステップS2-7で、乗務員が、車内放送が実施される順に従って、手動で運行中画面G2上の放送前ポイント表示G21を並び替える場合について説明したが、自動で車内放送が実施される順に放送前ポイント表示G21が並ぶようにして、運行中画面G2を生成することも可能である。
【0136】
この場合、予めサーバ装置1の記憶部12に各路線の線路の位置情報を記憶させた上で、制御部11は、ステップS2-3で情報を抽出した後、抽出した情報に含まれる各ポイントの位置情報(ポイント位置情報D4)と、各ポイントが設定された線路の位置情報と、を対比の上、各ポイントを通過する線路上での順序を決定する。具体的には、線路上で列車が一定方向に走行した際に到達するのが早い順に順序を決定すればよい。
その上で、当該順序に従って放送前ポイント表示G21が配置されるようにして、運行中画面G2を生成すればよい。
【0137】
なお、放送前ポイント表示G21が配置される順序は、方面選択部G22による方面の選択に従うこととなる。
例えば、方面選択部G22で上りと選択されている場合には、上り列車において到達が早い順、方面選択部G22で下りと選択されている場合には、下り列車において到達が早い順に、放送前ポイント表示G21が並ぶこととなる。
【0138】
[3 変形例3:乗務員によるポイントの追加]
上記動作の説明では、ステップS1で、新規のポイントの追加を管理者のみが行う場合について説明したが、これに代えて又はこれに加えて、乗務員が新規のポイントの追加を行うことができるようにしてもよい。
【0139】
この場合、例えば、列車を運行中の乗務員が使用する乗務員端末3の表示部34に、ステップS1で管理者端末2に表示させたのと同様の第2設定画面G1Aを表示させ、当該画面に操作部35を用いて乗務員が入力した情報を、乗務員端末3の制御部31が通信部33から通信ネットワークNを介してサーバ装置1へと送信させ、これを受信したサーバ装置1において、制御部11が、ステップS1-13で説明したのと同様にして、受信した情報を記憶部12の登録情報データベース122に記憶させればよい。
【0140】
この際、乗務員端末3におけるポイント位置の設定は、例えば乗務員がポイントを設定したい位置を列車が走行中に、表示部34に表示された所定のボタンを操作することで、位置情報取得部36が取得した当該操作がなされた地点の位置情報が自動的にサーバ装置1に送信され、通信部13によってこれを受信したサーバ装置1において、制御部11によって、ポイント位置情報D4として記憶されるようにしてもよい。
これによって、乗務員は、実際に列車が走行中に適切だと判断した地点に、車内放送のポイントを設定することが可能となる。
【0141】
[4 変形例4:ポイントの自動修正]
上記動作の説明では、ステップS2における乗務員によるアンケートの回答結果(回答結果集計情報D18)を参照の上、ステップS3で管理者がポイントの修正を行う場合について説明したが、これに代えて又はこれに加えて、ステップS2における乗務員によるアンケートへの回答結果に応じて、サーバ装置1において自動的にポイントの修正が行われるようにしてもよい。
【0142】
この場合、例えば、ポイントの修正がなされることとなる基準及び修正される内容を予め定めて記憶部12に記憶させておき、回答結果集計情報D18に係る回答結果の集計が当該基準に達した際に、制御部11が、予め定められた修正内容に従って、自動的に登録情報データベース122に記憶された情報を修正するようにすればよい。
【0143】
例えば、各ポイントに係る車内放送開始のタイミングの評価について、回答数が所定の数以上であり、そのうち「早」という回答数が所定割合を超える場合に、ポイント位置情報D4に係るポイント位置を後方(線路上の列車の通過時期が遅くなる方向)へと所定の距離移動させる、各ポイントに係る車内放送開始のタイミングの評価について、回答数が所定の数以上であり、そのうち「遅」という回答数が所定割合を超える場合に、ポイント位置情報D4に係るポイント位置を前方(線路上の列車の通過時期が早くなる方向)へと所定の距離移動させる、各ポイントに係る車内放送開始のタイミングの評価について、回答数が所定の数以上であり、そのうち「×」という回答数が所定割合を超える場合に、設定半径情報D7に係る半径を所定の距離広げるといった修正が考えられる。
【符号の説明】
【0144】
100 車内放送管理システム
1 サーバ装置(車内放送管理装置)
11 制御部(第1画面生成手段、第2画面生成手段、修正手段、記憶制御手段、判定手段)
12 記憶部(記憶手段)
121 サーバ装置用プログラム(車内放送管理プログラム)
122 登録情報データベース
13 通信部(取得手段)
2 管理者端末(設定者端末、端末装置)
21 制御部(表示制御手段)
22 記憶部
23 通信部(取得手段)
24 表示部(表示手段)
25 操作部
3 乗務員端末(実施者端末、端末装置)
31 制御部(表示制御手段)
32 記憶部
33 通信部(取得手段)
34 表示部(表示手段)
35 操作部
36 位置情報取得部
37 音声出力部
N 通信ネットワーク
D1 音声データ
D2 設定対象運輸区情報(第1入力情報)
D3 設定対象列車情報(第1入力情報)
D4 ポイント位置情報(第1入力情報)
D5 ポイント名情報(第1入力情報)
D6 再生タイミング情報(第1入力情報)
D7 設定半径情報(第1入力情報)
D8 号車情報(第1入力情報)
D9 再生音声情報(第1入力情報)
D10 コメント情報(第1入力情報)
D11 方面情報(第1入力情報)
D12 放送対象運輸区情報
D13 放送対象列車情報
D14 第1設定画面データ
D15 第2設定画面データ
D16 運行中画面データ
D17 回答結果情報(第2入力情報、評価情報)
D18 回答結果集計情報
D19 指定ポイント特定情報
D20 第3設定画面データ
D21 修正内容情報
G1 第1設定画面(第1画面)
G1A 第2設定画面(第1画面)
G1B 第3設定画面(第1画面)
G11 地図表示(第1表示)
G12、G12A ポップアップ(第2表示)
G123 半径設定部(設定部)
G2 運行中画面(第2画面)
G2A 運行中画面(第2画面)
G21 放送前ポイント表示(ポイント表示、未実施ポイント表示)
G21A 放送中ポイント表示(ポイント表示)
G21B 放送完了ポイント表示(ポイント表示、実施済みポイント表示)
G21C 回答完了ポイント表示(ポイント表示)
G21D 無効ポイント表示