(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092241
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】開閉体収納部の取付構造及び開閉体収納部の施工方法
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
E06B9/17 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208028
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 忠明
(72)【発明者】
【氏名】高橋 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】小林 正典
(57)【要約】
【課題】収納部を取り付ける支持板を簡単な作業で誤差を抑制して固定できる開閉体収納部の取付構造及び開閉体収納部の施工方法を提供する。
【解決手段】開口部19に設けたまぐさ31を基準に支持板23を建物壁17に取り付け、開閉体を収容可能な収納部13を支持板23に支持する開閉体収納部の取付構造であって、まぐさ31は、建物壁17から所定長さ水平に延びて設けられ支持板23を載置する座部39と、座部39に隣接するとともにまぐさ31の端縁43から所定長さCに位置し建物壁17に垂直な切込辺47と、を有し、支持板23は、座部39に載る水平な載置部63と、載置部63の前縁から曲り座部39の前縁にて垂下して側部67が切込辺47に当接する垂下片部65と、を具備する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部に設けたまぐさを基準に支持板を建物壁に取り付け、開閉体を収容可能な収納部を前記支持板に支持する開閉体収納部の取付構造であって、
前記まぐさは、前記建物壁から所定長さ水平に延びて設けられ前記支持板を載置する座部と、前記座部に隣接するとともに前記まぐさの端縁から所定長さに位置し前記建物壁に垂直な切込辺と、を有し、
前記支持板は、前記座部に載る水平な載置部と、前記載置部の前縁から曲り前記座部の前縁にて垂下して側部が前記切込辺に当接する垂下片部と、を具備することを特徴とする開閉体収納部の取付構造。
【請求項2】
前記まぐさは、前記開口部を幅方向で挟んで前記建物壁に取り付けられる左右一対の縦枠における上端同士を連結しており、
前記座部が、前記縦枠の上方に位置する前記まぐさの端部に位置することを特徴とする請求項1記載の開閉体収納部の取付構造。
【請求項3】
前記支持板は、前記建物壁に沿って取り付けられるベース板と、前記ベース板に設けられ前記収納部を支持する支持アームと、を具備し、
前記載置部が前記ベース板の下端から前記建物壁に対して垂直に延設され、垂下片部が前記載置部の前記建物壁と反対側の前縁から前記建物壁と平行に曲り形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の開閉体収納部の取付構造。
【請求項4】
前記支持アームには、上縁に係合部が突設され、前記収納部のブラケットに係合することを特徴とする請求項3に記載の開閉体収納部の取付構造。
【請求項5】
前記まぐさには、前記座部の近傍に位置し、前記切込辺より前記まぐさの中央寄りにケーブル通過用凹部が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の開閉体収納部の取付構造。
【請求項6】
前記まぐさには、前記座部の近傍に位置し、前記切込辺より前記まぐさの中央寄りにケーブル通過用凹部が形成されることを特徴とする請求項3に記載の開閉体収納部の取付構造。
【請求項7】
前記まぐさには、前記座部の近傍に位置し、前記切込辺より前記まぐさの中央寄りにケーブル通過用凹部が形成されることを特徴とする請求項4に記載の開閉体収納部の取付構造。
【請求項8】
開口部に設けたまぐさを基準に支持板を建物壁に取り付け、開閉体を収容可能な収納部を前記支持板に支持する開閉体収納部の施工方法であって、
前記まぐさに設けられ前記建物壁から水平に延びる座部に、前記支持板に設けられる載置部を載置する工程と、
前記載置部を前記座部に載置したまま前記まぐさの長手方向に沿ってスライドさせて、前記載置部の前縁から垂下する垂下片部の側部を、前記座部に隣接するとともに前記まぐさの端縁から所定長さに位置し前記建物壁に垂直な切込辺に当接させる工程と、
を含むことを特徴とする開閉体収納部の施工方法。
【請求項9】
開口部に設けたまぐさを基準に支持板を建物壁に取り付け、開閉体を収容可能な収納部を前記支持板に支持する開閉体収納部の施工方法であって、
前記開口部を幅方向で挟んで左右一対の縦枠を同一高さで前記建物壁に取り付ける工程と、
前記縦枠の上端同士を前記まぐさで連結し、前記まぐさを前記建物壁に固定する工程と、
前記まぐさに設けられ前記建物壁から水平に延びる座部に、前記支持板に設けられる載置部を載置する工程と、
前記載置部を前記座部に載置したまま前記まぐさの長手方向に沿ってスライドさせて、前記載置部の前縁から垂下する垂下片部の側部を、前記座部に隣接するとともに前記まぐさの端縁から所定長さに位置し前記建物壁に垂直な切込辺に当接させる工程と、
を含むことを特徴とする開閉体収納部の施工方法。
【請求項10】
開口部に設けたまぐさを基準に支持板を建物壁に取り付け、開閉体を収容可能な収納部を前記支持板に支持する開閉体収納部の施工方法であって、
前記まぐさに設けられ前記建物壁から水平に延びる座部に、前記支持板に設けられる載置部を載置する工程と、
前記載置部を前記座部に載置したまま前記まぐさの長手方向に沿ってスライドさせて、前記載置部の前縁から垂下する垂下片部の側部を、前記座部に隣接するとともに前記まぐさの端縁から所定長さに位置し前記建物壁に垂直な切込辺に当接させる工程と、
前記支持板のベース板を前記建物壁に取り付ける工程と、
前記収納部を前記支持板に設けられた支持アームに取り付ける工程と、
を含むことを特徴とする開閉体収納部の施工方法。
【請求項11】
開口部に設けたまぐさを基準に支持板を建物壁に取り付け、開閉体を収容可能な収納部を前記支持板に支持する開閉体収納部の施工方法であって、
前記開口部を幅方向で挟んで左右一対の縦枠を同一高さで前記建物壁に取り付ける工程と、
前記縦枠の上端同士を前記まぐさで連結し、前記まぐさを前記建物壁に固定する工程と、
前記まぐさに設けられ前記建物壁から水平に延びる座部に、前記支持板に設けられる載置部を載置する工程と、
前記載置部を前記座部に載置したまま前記まぐさの長手方向に沿ってスライドさせて、前記載置部の前縁から垂下する垂下片部の側部を、前記座部に隣接するとともに前記まぐさの端縁から所定長さに位置し前記建物壁に垂直な切込辺に当接させる工程と、
前記支持板のベース板を前記建物壁に取り付ける工程と、
前記収納部を前記支持板に設けられた支持アームに取り付ける工程と、
を含むことを特徴とする開閉体収納部の施工方法。
【請求項12】
前記建物壁から引き出されたケーブルを、前記座部の近傍に位置し前記切込辺より前記まぐさの中央寄りに形成されるケーブル通過用凹部に引き込み、前記座部の下を通して前記まぐさの端部から導出することを特徴とする請求項8~11のいずれか1つに記載の開閉体収納部の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体収納部の取付構造及び開閉体収納部の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
開閉体装置である窓シャッターは、開閉体であるシャッターカーテンを巻き取り可能な収納部が、開口部上の建物壁に取り付けられる。収納部は、開口部の幅方向に延在し、長手方向両端を支持する取付金具により建物壁に取り付けられる。取付金具は、例えば、上下に長い略板状で形成され、開口部を幅方向で挟んで建物壁に取り付けられる左右一対のガイドレール枠(縦枠)をさらに上方へ延ばすようにして建物壁に取り付けられる(例えば特許文献1、2参照)。この取付構造では、縦枠の上端が取付位置の基準となって収納部が取り付けられる。
【0003】
一方、開閉体収納部の取付構造には、先行して開口部上に設けた水平なまぐさを取付位置の基準として取付金具が取り付けられるものがある。この取付構造では、建物壁に垂直なまぐさの上面に、断面凸形状の段部がまぐさの長手方向に沿って形成される。段部の長手方向両端には、建物壁に垂直な線状のマークが付される。取付金具は、収納部の建物壁と垂直なブラケットに平行となって、このブラケットを支持する支持アームを有する。支持アームは、建物壁と平行に曲がる基板部を有する。基板部は、下端から建物壁に対して垂直に曲がる水平片部と、この水平片部の前端から建物壁と平行に曲がって垂下する垂下片部と、を有する。そして、垂下片部の正面には、上下方向に延在する線状のマークが付されている。
【0004】
この取付構造による開閉体収納部の取付手順は、まぐさにおける長手方向一方の端部において、垂下片部の下端をまぐさの上面に当てる。次いで、取付金具を上面に当てたまま、まぐさの長手方向にスライドさせ、段部のマークと垂下片部のマークとが目視で一致するように位置決めする。位置決めが完了した状態で、手で保持している取付金具を建物壁にビス等により固定する。同様にして長手方向他方の端部における取付金具も固定する。最後に、建物壁に取り付けられた左右の取付金具の間に、収納部を挿入し、それぞれの支持アームの係合部を収納部のブラケットに設けた被係合部に係合させて収納部を建物壁に支持することで取付施工を完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-110460号公報
【特許文献2】実開平3-120796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の開閉体収納部の取付構造は、まぐさに取付金具の垂下片部を当てることで取付金具の上下方向の位置合わせを行い、まぐさのマークと垂下片部のマークとを目視で合わせることで取付金具の左右方向の位置合わせを行っており、このため、上下方向の位置合わせについては、垂下片部の下端をまぐさの上面に「当てる」ことで位置合わせを行うことから、平面同士の安定した当接とならず、ズレる可能性があった。
また、左右方向の位置合わせについては、マークを目視で確認しながら、左右の位置合せを行うため、作業者によって精度がばらつくことがあった。
さらに、取付金具は、基板部の下端から建物壁に対して垂直に曲がる水平片部と、この水平片部の前端から建物壁と平行に曲がって垂下する垂下片部と、によって2回曲げされた側面視クランク形で形成される垂下片部の下端がまぐさとの当接部となる。このため、2つの曲げ角度にばらつきがあると、垂下片部の下端をまぐさに当てた取付金具は、まぐさからの全高に誤差の生じることがあり、また、左右の取付金具で曲げ角度に差があれば、まぐさが水平であっても収納部が水平に支持されない虞もある。
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、開閉体収納部を取り付けるための支持板を簡単な作業で誤差を抑制して固定できる開閉体収納部の取付構造及び開閉体収納部の施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の開閉体収納部の取付構造は、開口部19に設けたまぐさ31を基準に支持板23を建物壁17に取り付け、開閉体を収容可能な収納部13を前記支持板23に支持する開閉体収納部の取付構造であって、
前記まぐさ31は、前記建物壁17から所定長さ水平に延びて設けられ前記支持板23を載置する座部39と、前記座部39に隣接するとともに前記まぐさ31の端縁43から所定長さCに位置し前記建物壁17に垂直な切込辺47と、を有し、
前記支持板23は、前記座部39に載る水平な載置部63と、前記載置部63の前縁から曲り前記座部39の前縁にて垂下して側部67が前記切込辺47に当接する垂下片部65と、を具備することを特徴とする。
【0009】
この開閉体収納部の取付構造では、開口部19に設けたまぐさ31には、支持板23を載せることのできる座部39が形成される。支持板23は、水平な載置部63が、この座部39に載る。支持板23は、まぐさ31の座部39に、載置部63が載ることにより、建物壁17への取付位置として上下方向が位置決めされる。座部39に載置部63が載ることにより上下方向が位置決めされた支持板23は、座部39に載ったまま、まぐさ31の中央側方向にスライドされることで、載置部63の前縁から曲がって垂下する垂下片部65の側部67が、座部39に隣接する切込辺47に当接する。つまり、支持板23は、垂下片部65が切込辺47に当たることにより、スライドが規制される。これにより、支持板23は、まぐさ31におけるまぐさ31の端縁43から所定長さCの位置で設けられた切込辺47にて建物壁17への取付位置として左右方向が位置決めされる。この開閉体収納部の取付構造では、座部39に載置部63を当接して載せるので、支持板23の上下方向を安定した当接状態で位置決めすることができる。すなわち、支持板23が前後左右に傾くことがない。また、支持板23を座部39に載せたままスライドさせ、載置部63から垂下する垂下片部65の側部67を切込辺47に当てるので、支持板23の左右方向を安定した当接状態で位置決めすることができる。つまり、上下左右方向の位置を互いを当接させることで確定させる。このため、2つのマークを目視により合わせる従来の位置決め作業に比べ、目視など作業者の技能に依存する作業の割合が減り、精度がばらつくことを抑制できる。
【0010】
本発明の請求項2記載の開閉体収納部の取付構造は、請求項1記載の開閉体収納部の取付構造であって、
前記まぐさ31は、前記開口部19を幅方向で挟んで前記建物壁17に取り付けられる左右一対の縦枠29における上端同士を連結しており、
前記座部39が、前記縦枠29の上方に位置する前記まぐさ31の端部32に位置することを特徴とする。
【0011】
この開閉体収納部の取付構造では、まぐさ31が、開口部19を幅方向で挟んで建物壁17に取り付けられる左右一対の縦枠29における上端同士を連結して設けられる。これにより、まぐさ31は、開口部19の上で水平に建物壁17に固定される。まぐさ31には、支持板23を載せることのできる座部39が長手方向両側の端部32に形成される。つまり、縦枠29の上方にまぐさ31の端部32を介して支持板23が配置される。
【0012】
本発明の請求項3記載の開閉体収納部の取付構造は、請求項1または2に記載の開閉体収納部の取付構造であって、
前記支持板23は、前記建物壁17に沿って取り付けられるベース板61と、前記ベース板61に設けられ前記収納部13を支持する支持アーム51と、を具備し、
前記載置部63が前記ベース板61の下端から前記建物壁17に対して垂直に延設され、垂下片部65が前記載置部63の前記建物壁17と反対側の前縁から前記建物壁17と平行に曲り形成されることを特徴とする。
【0013】
この開閉体収納部の取付構造では、まぐさ31の座部39に載る支持板23の載置部63は、ベース板61から1回曲げされて形成される構成とすることができるので、2回曲げされた側面視クランク形で形成した垂下片部の下端をまぐさ31と当接する従来構造に比べ、曲げ角度のばらつきによる影響を半減させることができる。これによって、まぐさ31からの支持板23の全高に誤差の生じることを抑制できる。すなわち、支持板23に左右が支持される収納部13の水平精度を高めることができる。
【0014】
本発明の請求項4記載の開閉体収納部の取付構造は、請求項3に記載の開閉体収納部の取付構造であって、
前記支持アーム51には、上縁に係合部55が突設され、前記収納部13のブラケット21に係合することを特徴とする。
【0015】
この開閉体収納部の取付構造では、支持アーム51に凸状に形成されるなどの係合部55が突設される。係合部55は、収納部13のブラケット21に設けられる被係合部57に係合する。収納部13は、座部39に位置決めされて載った支持板23の載置部63の上にさらに載ることとなり、且つ、係合部55に収納部13のブラケット21が係合して支持板23との取付状態が載置だけでなく、係合状態となり、これにより支持板23を介して収納部13が建物壁17に取り付けられる。
【0016】
本発明の請求項5記載の開閉体収納部の取付構造は、請求項1または2に記載の開閉体収納部の取付構造であって、
前記まぐさ31には、前記座部39の近傍に位置し、前記切込辺47より前記まぐさ31の中央寄りにケーブル通過用凹部49が形成されることを特徴とする。
【0017】
この開閉体収納部の取付構造では、まぐさ31の座部39の近傍にケーブル通過用凹部49が設けられる。ケーブル通過用凹部49は、例えば、建物壁17と反対側の座部39の前端から、建物壁17に向かって凹状に切り欠かれ形成される。建物壁17から引き出されたケーブル73は、このケーブル通過用凹部49に通すことで、座部39の下面をまぐさ31に沿って配索してまぐさ31の端部32から外部へ引き出すことが可能となる。つまり、まぐさ31の一部が配線ダクトとして利用される。まぐさ31は、ケーブル73が引き出された状態で、収納部13が座部39の上に載る。ケーブル73は、座部39の下面へ配索されるので収納部13と干渉することがない。座部39に載った収納部13は、両側のブラケット21が支持板23に支持される。このようにして取り付けられた収納部13は、建物壁17に空いたケーブル引出穴71を背面で覆う。まぐさ31の端部32から引き出されたケーブル73は、収納部13の内部に引き込まれ接続されたり、縦枠29に通されたりすることで、外部に露出しなくなる。
【0018】
本発明の請求項6記載の開閉体収納部の取付構造は、請求項3に記載の開閉体収納部の取付構造であって、
前記まぐさ31には、前記座部39の近傍に位置し、前記切込辺47より前記まぐさ31の中央寄りにケーブル通過用凹部49が形成されることを特徴とする。
【0019】
この開閉体収納部の取付構造では、作用が請求項5と同じである。
【0020】
本発明の請求項7記載の開閉体収納部の取付構造は、請求項4に記載の開閉体収納部の取付構造であって、
前記まぐさ31には、前記座部39の近傍に位置し、前記切込辺47より前記まぐさ31の中央寄りにケーブル通過用凹部49が形成されることを特徴とする。
【0021】
この開閉体収納部の取付構造では、作用が請求項5と同じである。
【0022】
本発明の請求項8記載の開閉体収納部の施工方法は、開口部19に設けたまぐさ31を基準に支持板23を建物壁17に取り付け、開閉体を収容可能な収納部13を前記支持板23に支持する開閉体収納部の施工方法であって、
前記まぐさ31に設けられ前記建物壁17から水平に延びる座部39に、前記支持板23に設けられる載置部63を載置する工程と、
前記載置部63を前記座部39に載置したまま前記まぐさ31の長手方向に沿ってスライドさせて、前記載置部63の前縁から垂下する垂下片部65の側部67を、前記座部39に隣接するとともに前記まぐさ31の端縁43から所定長さCに位置し前記建物壁17に垂直な切込辺47に当接させる工程と、
を含むことを特徴とする。
【0023】
この開閉体収納部の施工方法では、開口部19に設けたまぐさ31に設けられる座部39に、支持板23の載置部63を載置する。支持板23は、水平なまぐさ31の座部39に、載置部63が載ることにより、上下方向が位置決めされる。座部39に載置部63が載ることにより上下方向が位置決めされた支持板23は、座部39に載ったまま、まぐさ31の長手方向にスライドされる。スライドされた支持板23は、載置部63の前縁から曲がって垂下する垂下片部65の側部67が、まぐさ31の端縁43から所定距離Cの切込辺47に当接する。つまり、支持板23は、垂下片部65が切込辺47に当たることにより、スライドが規制される。これにより、支持板23は、左右方向が位置決めされる。この開閉体収納部の施工方法では、座部39に載置部63を当接して載せるので、支持板23の上下方向を安定した当接状態で位置決めすることができる。すなわち、支持板23が前後左右に傾くことがない。また、支持板23を座部39に載せたままスライドさせ、載置部63から垂下する垂下片部65の側部67を切込辺47に当てるので、支持板23の左右方向を安定した当接状態としまぐさ端縁43からの距離Cで位置決めすることができる。このため、2つのマークを目視により合わせる従来の位置決め作業に比べ、作業者の技能に依存する作業の割合が減り、精度がばらつくことを抑制できる。そして、収納部13は、傾くことなくまぐさ31に沿って水平に建物壁17へ支持板23を介して取り付けられる。
【0024】
本発明の請求項9記載の開閉体収納部の施工方法は、開口部19に設けたまぐさ31を基準に支持板23を建物壁17に取り付け、開閉体を収容可能な収納部13を前記支持板23に支持する開閉体収納部の施工方法であって、
前記開口部19を幅方向で挟んで左右一対の縦枠29を同一高さで前記建物壁17に取り付ける工程と、
前記縦枠29の上端同士を前記まぐさ31で連結し、前記まぐさ31を前記建物壁17に固定する工程と、
前記まぐさ31に設けられ前記建物壁17から水平に延びる座部39に、前記支持板23に設けられる載置部63を載置する工程と、
前記載置部63を前記座部39に載置したまま前記まぐさ31の長手方向に沿ってスライドさせて、前記載置部63の前縁から垂下する垂下片部65の側部67を、前記座部39に隣接するとともに前記まぐさ31の端縁から所定長さCに位置し前記建物壁17に垂直な切込辺47に当接させる工程と、
を含むことを特徴とする。
【0025】
この開閉体収納部の施工方法では、開口部19を幅方向で挟んで左右一対の縦枠29が、同一高さで建物壁17に取り付けられる。縦枠29の上端同士には、まぐさ31の端部32が連結される。これにより、まぐさ31は、水平に取り付けられる。次いで、まぐさ31に設けられる座部39に、支持板23の載置部63を載置する。支持板23は、水平なまぐさ31の座部39に、載置部63が載ることにより、上下方向が位置決めされる。座部39に載置部63が載ることにより上下方向が位置決めされた支持板23は、座部39に載ったまま、まぐさ31の長手方向にスライドされる。スライドされた支持板23は、載置部63の前縁から曲がって垂下する垂下片部65の側部67が、まぐさ31の端縁43から所定距離Cの切込辺47に当接する。つまり、支持板23は、垂下片部65が切込辺47に当たることにより、スライドが規制される。これにより、支持板23は、左右方向が位置決めされる。この開閉体収納部の施工方法では、平らな座部39に平らな載置部63を平面同士で当接して載せるので、支持板23の上下方向を安定した当接状態で位置決めすることができる。すなわち、支持板23が前後左右に傾くことがない。また、支持板23を座部39に載せたままスライドさせ、載置部63から垂下する垂下片部65の側部67を切込辺47に当てるので、支持板23の左右方向を安定した当接状態としまぐさ端縁43からの距離で位置決めすることができる。このため、2つのマークを目視により合わせる従来の位置決め作業に比べ、作業者の技能に依存する作業の割合が減り、精度がばらつくことを抑制できる。そして、収納部13は、傾くことなくまぐさ31に沿って水平に建物壁17へ支持板23を介して取り付けられる。
【0026】
本発明の請求項10記載の開閉体収納部の施工方法は、開口部19に設けたまぐさ31を基準に支持板23を建物壁17に取り付け、開閉体を収容可能な収納部13を前記支持板23に支持する開閉体収納部の施工方法であって、
前記まぐさ31に設けられ前記建物壁17から水平に延びる座部39に、前記支持板23に設けられる載置部63を載置する工程と、
前記載置部63を前記座部9に載置したまま前記まぐさ31の長手方向に沿ってスライドさせて、前記載置部63の前縁から垂下する垂下片部65の側部67を、前記座部39に隣接するとともに前記まぐさ31の端縁43から所定長さCに位置し前記建物壁17に垂直な切込辺47に当接させる工程と、
前記支持板23のベース板61を前記建物壁17に取り付ける工程と、
前記収納部13を前記支持板23に設けられた支持アーム51に取り付ける工程と、
を含むことを特徴とする。
【0027】
この開閉体収納部の施工方法では、開口部19に設けたまぐさ31に設けられる座部39に、支持板23の載置部63を載置する。支持板23は、建物壁17と平行なベース板61の下端から垂直に曲げられ延設された水平な載置部63が、この座部39に載る。支持板23は、水平なまぐさ31の座部39に、載置部63が載ることにより、上下方向が位置決めされる。座部39に載置部63が載ることにより上下方向が位置決めされた支持板23は、座部39に載ったまま、まぐさ31の長手方向にスライドされる。スライドされた支持板23は、載置部63の前縁から曲がって垂下する垂下片部65の側部67が、まぐさ31の端縁43から所定距離Cの切込辺47に当接する。つまり、支持板23は、垂下片部65が切込辺47に当たることにより、スライドが規制される。これにより、支持板23は、左右方向が位置決めされる。この開閉体収納部の施工方法では、座部39に載置部63を当接して載せるので、支持板23の上下方向を安定した当接状態で位置決めすることができる。すなわち、支持板23が前後左右に傾くことがない。また、支持板23を座部39に載せたままスライドさせ、載置部63から垂下する垂下片部65の側部67を切込辺47に当てるので、支持板23の左右方向を安定した当接状態としまぐさ端縁43からの距離Cで位置決めすることができる。このため、2つのマークを目視により合わせる従来の位置決め作業に比べ、作業者の技能に依存する作業の割合が減り、精度がばらつくことを抑制できる。そして、収納部13は、傾くことなくまぐさ31に沿って水平に建物壁17へ支持板23を介して取り付けられる。
【0028】
本発明の請求項11記載の開閉体収納部の施工方法は、開口部19に設けたまぐさ31を基準に支持板23を建物壁17に取り付け、開閉体を収容可能な収納部13を前記支持板23に支持する開閉体収納部の施工方法であって、
前記開口部19を幅方向で挟んで左右一対の縦枠29を同一高さで前記建物壁17に取り付ける工程と、
前記縦枠29の上端同士を前記まぐさ31で連結し、前記まぐさ31を前記建物壁17に固定する工程と、
前記まぐさ31に設けられ前記建物壁17から水平に延びる座部39に、前記支持板23に設けられる載置部63を載置する工程と、
前記載置部63を前記座部39に載置したまま前記まぐさ31の長手方向に沿ってスライドさせて、前記載置部63の前縁から垂下する垂下片部65の側部67を、前記座部39に隣接するとともに前記まぐさ31の端縁43から所定長さCに位置し前記建物壁17に垂直な切込辺47に当接させる工程と、
前記支持板23のベース板61を前記建物壁17に取り付ける工程と、
前記収納部13を前記支持板23に設けられた支持アーム51に取り付ける工程と、
を含むことを特徴とする。
【0029】
この開閉体収納部の施工方法では、開口部19を幅方向で挟んで左右一対の縦枠29が、同一高さで建物壁17に取り付けられる。縦枠29の上端同士には、まぐさ31の端部32が連結される。これにより、まぐさ31は、水平に取り付けられる。次いで、まぐさ31に設けられる座部39に、支持板23の載置部63を載置する。支持板23は、建物壁17と平行なベース板61の下端から垂直に曲げられ延設された水平な載置部63が、この座部39に載る。支持板23は、水平なまぐさ31の座部39に、載置部63が載ることにより、上下方向が位置決めされる。座部39に載置部63が載ることにより上下方向が位置決めされた支持板23は、座部39に載ったまま、まぐさ31の中央側方向にスライドされる。スライド時、支持板23は、まぐさ31の長手方向に沿い、建物壁17に平行移動となる。スライドされた支持板23は、載置部63の前縁から曲がって垂下する垂下片部65の側部67が、まぐさ31の端縁43から所定距離の切込辺47に当接する。つまり、支持板23は、垂下片部65が切込辺47に当たることにより、スライドが規制される。これにより、支持板23は、左右方向が位置決めされる。この開閉体収納部の施工方法では、平らな座部39に平らな載置部63を平面同士で当接して載せるので、支持板23の上下方向を安定した当接状態で位置決めすることができる。すなわち、支持板23が前後左右に傾くことがない。また、支持板23を座部39に載せたままスライドさせ、載置部63から垂下する垂下片部65の側部67を切込辺47に当てるので、支持板23の左右方向を安定した当接状態としまぐさ端縁43からの距離で位置決めすることができる。このため、2つのマークを目視により合わせる従来の位置決め作業に比べ、作業者の技能に依存する作業の割合が減り、精度がばらつくことを抑制できる。そして、収納部13は、傾くことなくまぐさ31に沿って水平に建物壁17へ支持板23を介して取り付けられる。
【0030】
本発明の請求項12記載の開閉体収納部の施工方法は、請求項8~11のいずれか1つに記載の開閉体収納部の施工方法であって、
前記建物壁17から引き出されたケーブル73を、前記座部39の近傍に位置し前記切込辺47より前記まぐさの中央寄りに形成されるケーブル通過用凹部に引き込み、前記座部の下を通して前記まぐさの端部から導出することを特徴とする。
【0031】
この開閉体収納部の施工方法では、建物壁17から引き出されたケーブル73が、まぐさ31に凹状に形成されたケーブル通過用凹部49に引き込まれる。ケーブル73は、このケーブル通過用凹部49に通すことで、座部39の下面をまぐさ31に沿って配索してまぐさ31の端部32から外部へ引き出すことが可能となる。まぐさ31は、ケーブル73が引き出された状態で、収納部13が座部39の上に載る。座部39に載った収納部13は、両側のブラケット21が支持板23に支持される。支持板23に支持された収納部13は、座部39に載った支持板23における載置部63の上にさらに載ることになる。収納部13は、支持板23に支持されると、建物壁17のケーブル引出穴71を背面で覆う。収納部13が支持板23に支持される前に、まぐさ31の端部32から引き出されたケーブル73は、収納部13の取付時に収納部13と干渉することがない。収納部13の支持が完了した後、ケーブル73は、収納部13の内部に引き込まれ接続されたり、縦枠29に通されたりすることで、外部に露出しなくなる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る請求項1記載の開閉体収納部の取付構造によれば、まぐさに、座部と切込辺とを設け、支持板に、載置部と垂下片部とを設けたので、支持板を、載せる、当てがう、という簡素な動作での上下方向及び左右方向の位置決めが可能となり、収納部を取り付けるための支持板を簡単な作業で誤差を抑制して固定でき、収納部をまぐさに沿わせて取り付けることが可能となる。
【0033】
本発明に係る請求項2記載の開閉体収納部の取付構造によれば、まぐさが左右一対の縦枠における上端同士を連結して設けられ、これにより、まぐさは開口部の上で水平に建物壁に固定することができ、まぐさの両端に配置される支持板によって、収納部をまぐさに沿わせて水平に取り付けることが可能となる。
【0034】
本発明に係る請求項3記載の開閉体収納部の取付構造によれば、まぐさの座部に載る支持板の載置部は、ベース板から1回曲げされて形成される構成とすることができるので、2回曲げされた側面視クランク形で形成した垂下片部の下端をまぐさと当接する従来構造に比べ、曲げ角度のばらつきによる影響を半減させることができる。これによって、まぐさからの支持板の全高に誤差の生じることを抑制できる。すなわち、支持板の支持アームに左右が支持される収納部の水平精度を高めることができる。
【0035】
本発明に係る請求項4記載の開閉体収納部の取付構造によれば、収納部が、座部に位置決めされて載った支持板の載置部の上にさらに載るとともに、支持アームの係合部に収納部のブラケットが係合し、これにより、支持板との取付状態が載置だけでなく、係合状態となり、建物壁に対する仮止めとすることができ、支持板を介して収納部がずれることなく建物壁への固定を行うことが可能となる。
【0036】
本発明に係る請求項5記載の開閉体収納部の取付構造によれば、建物壁から引き出されたケーブルを、まぐさのケーブル通過用凹部に通して座部の下へ配索し、まぐさの端部から引き出すことができ、他との干渉がなく、ケーブルを露出させることなく、見栄えよく収納部等に接続できる。
【0037】
本発明に係る請求項6記載の開閉体収納部の取付構造によれば、請求項5と同じ効果を得ることができる。
【0038】
本発明に係る請求項7記載の開閉体収納部の取付構造によれば、請求項5と同じ効果を得ることができる。
【0039】
本発明に係る請求項8記載の開閉体収納部の施工方法によれば、支持板の載置部をまぐさの座部に載せ、支持板の垂下片部をまぐさの切欠部に当てる、という簡素な動作で支持板の上下方向及び左右方向の位置決めが完了し、収納部を取り付けるための支持板を簡単な作業で誤差を抑制して固定できる。
【0040】
本発明に係る請求項9記載の開閉体収納部の施工方法によれば、支持板の載置部をまぐさの座部に載せ、支持板の垂下片部をまぐさの切欠部に当てる、という簡素な動作で支持板の上下方向及び左右方向の位置決めが完了し、収納部を取り付けるための支持板を簡単な作業で誤差を抑制して固定でき、左右の縦枠の上端に水平に固定されたまぐさに沿って収納部を建物壁に取り付けられる。
【0041】
本発明に係る請求項10記載の開閉体収納部の施工方法によれば、支持板の載置部をまぐさの座部に載せ、支持板の垂下片部をまぐさの切欠部に当てる、という簡素な動作で支持板の上下方向及び左右方向の位置決めが完了し、収納部を取り付けるための支持板を簡単な作業で誤差を抑制して固定でき、ベース板に設けられる支持アームを介して収納部を建物壁に取り付けることができる。
【0042】
本発明に係る請求項11記載の開閉体収納部の施工方法によれば、支持板の載置部をまぐさの座部に載せ、支持板の垂下片部をまぐさの切欠部に当てる、という簡素な動作で支持板の上下方向及び左右方向の位置決めが完了し、収納部を取り付けるための支持板を簡単な作業で誤差を抑制して固定でき、左右の縦枠の上端に水平に固定されたまぐさに沿わせてベース板に設けられる支持アームを介して収納部を建物壁に取り付けることができる。
【0043】
本発明に係る請求項12記載の開閉体収納部の施工方法によれば、建物壁から引き出されたケーブルを、収納部の取り付けに影響されることなく、まぐさのケーブル通過用凹部に通してまぐさの端部から引き出しておけるので、ケーブルを露出させることなく、見栄えよく収納部に接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本実施形態に係る開閉体収納部の取付構造を備える開閉体装置の分解斜視図である。
【
図3】(a)は支持板の斜視図、(b)は支持板の正面図である。
【
図4】端部が縦枠に固定されたまぐさに、支持板が固定される前の要部分解斜視図である。
【
図5】まぐさに支持板が位置決めされた開閉体収納部の取付構造における斜視図である。
【
図6】支持板に支持途中の収納部を表す要部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る開閉体収納部の取付構造を備える開閉体装置の分解斜視図である。
本実施形態に係る開閉体収納部の取付構造は、開閉体装置である窓シャッター11に好適に用いることができる。窓シャッター11は、開閉体収納部である収納部13と、枠体15と、に大別される。収納部13は、建物壁17の開口部19を開閉する開閉体であるシャッターカーテン(不図示)を巻き取り可能に収容する。収納部13は、開口部19の幅方向に長い略直方体形状に形成される。収納部13は、長手方向両側のブラケット21が、建物壁17に固定される一対の支持板23により支持されて建物壁17に取り付けられる。
【0046】
枠体15は、建物壁17の開口部19に取り付けられるサッシ枠25を囲むようにして建物壁17に取り付けられる。枠体15は、サッシ枠25の下で建物壁17に取り付けられる水平な下枠27と、下枠27の左右両端に下端が固定され、開口部19を幅方向で挟んで建物壁17に鉛直方向で取り付けられる左右一対の縦枠29と、左右一対の縦枠29における上端同士を長手方向両側の端部32で固定して連結する上枠であるまぐさ31と、を有する。左右一対の縦枠29は、シャッターカーテンの両側を挿入して昇降をガイドするガイドレールを含んでいる。開閉体収納部の取付構造は、支持板23が、まぐさ31を基準に建物壁17に取り付けられて、収納部13における長手方向両側のブラケット21を支持する。
【0047】
図2は、
図1に示したまぐさ31の斜視図である。
まぐさ31は、板金材等により、開口部19の幅方向に長い長尺材としてプレス加工等にて得られる。まぐさ31は、長手方向に延在して建物壁17に垂直となる水平板部33を有する。水平板部33は、開口部19の上縁に沿って位置する。水平板部33は、建物壁17と反対側の前縁に、水平板部33から垂直に起立するリブ35が形成される。また、水平板部33は、後縁に、水平板部33からリブ35よりも高く起立する垂直板部37が形成される。
【0048】
垂直板部37は、上端に、水平板部33と平行となる基板部38が手前側へ直角に曲り形成される。縦枠29の上方に位置する端部32である基板部38の両端には、座部39が形成される。座部39は、上面が支持板23を載置する部分となる。基板部38の前縁には、直角に垂下する垂下リブ41が形成される。まぐさ31には、これら水平板部33や基板部38に複数の切り欠き加工が施されている。切り欠き加工は、まぐさ31となる素板を打ち抜き作業等する際に同時に行われてもよい。
【0049】
まぐさ31における基板部38の長手方向両側の端部32には、切欠部45が形成される。切欠部45は、座部39の前縁側に形成され、建物壁17に平行な平行切込辺46と、建物壁17に垂直な切込辺としての垂直切込辺47と、でL字形に切り欠くことで形成される。この切欠部45の垂直切込辺47は、座部39に隣接する位置となり、まぐさ31の端縁43から所定長さCの位置に設定されて形成され、後述するように支持板23を位置決めするための機能を有する。また、基板部38には、座部39の近傍に位置して、建物壁17と反対側の前端から凹状に切り欠かれたケーブル通過用凹部49が形成される。ケーブル通過用凹部49は、基板部38におけるそれぞれの端部32において、垂直切込辺47よりもまぐさ31長手方向の中央寄りに配置される。
【0050】
図3(a)は支持板23の斜視図、(b)は支持板23の正面図である。
支持板23は、板金材等により、正面視で縦長の略長方形にプレス加工等にて得られる。支持板23は、収納部13のブラケット21を支持する支持アームを上下に有する。支持アームは、鉛直面に平行でかつ建物壁17に垂直な板状となる。支持アームは、上下に離間する上支持アーム51と、下支持アーム53とにより構成される。上支持アーム51の上縁には凸状に突出する係合部55が形成される。係合部55は、収納部13(
図6参照)のブラケット21に設けられる上段被係合部57(
図6参照)に係合する。下支持アーム53は、上縁が、収納部13のブラケット21に設けられる下段被係合部59(
図6参照)に係合する。
【0051】
支持板23は、支持アーム51、53から建物壁17と平行に曲り建物壁17に取り付けられるベース板61を有する。ベース板61は、上下に長い略長方形で形成される。上支持アーム51と下支持アーム53とは、ベース板61の一方となる外側の長辺部に、上下に離間して設けられている。支持板23には、ベース板61の下端から建物壁17に対して垂直に曲って延出し、まぐさ31の座部39に載る水平な載置部63を有する。載置部63は、下面が、横長長方形の平坦面となる。また、支持板23は、載置部63の建物壁17と反対側の前縁から建物壁17と平行に曲がって垂下する垂下片部65を有する。支持板23は、載置部63がまぐさ31の座部39に載ると、垂下片部65が座部39の前縁から切欠部45を垂下し、垂下片部65の側部67が垂直切込辺47に当接可能となる。
【0052】
支持板23は、座部39に載置される載置部63の下面から上支持アーム51の上縁までの距離Aが、まぐさ31からの収納部13の取付高さとなる。また、支持板23は、側部67と同じ辺となる支持アーム51の設けられていない他方の長辺部から係合部55までの距離Bが、まぐさ31に対する収納部13の左右方向位置となる。支持板23は、これら距離A、距離Bにより、まぐさ31に対する位置が定まる。
【0053】
次に、本実施形態に係る開閉体収納部の施工方法における手順を説明する。
図4は、端部32が縦枠29に固定されたまぐさ31に、支持板23が固定される前の要部分解斜視図である。
収納部13を建物壁17に支持するには、開口部19を幅方向で挟んで左右一対の縦枠29を同一高さで建物壁17に取り付ける。次いで、縦枠29の上端同士をまぐさ31で連結し、まぐさ31の垂直板部37を建物壁17に固定する。まぐさ31は、長手方向両端の端部32が、左右一対の縦枠29の上端に固定されることにより、開口部19の上方で水平となって支持される。
【0054】
次いで、まぐさ31に設けられる座部39に、支持板23の載置部63を載置する。支持板23は、載置部63を座部39に載置したまままぐさ31に沿ってスライドさせる。スライドさせた支持板23は、載置部63の建物壁17と反対側の前縁から建物壁17と平行に垂下する垂下片部65の側部67を、座部39に隣接する切欠部45の垂直切込辺47に当てる。
【0055】
図5は、まぐさ31に支持板23が位置決めされた開閉体収納部の取付構造における斜視図である。
支持板23は、載置部63を座部39に載置して、垂下片部65の側部67を切欠部45の垂直切込辺47に当てた状態で、まぐさ31との相対位置が定まり、所定位置に位置決めされることになる。すなわち、支持板23は、載置部63の下面から上支持アーム51の上縁までの取付高さが距離Aとなり、まぐさ31の端部32における収納部13の左右方向位置が距離Bとなる。この距離Bは、まぐさ31の端縁43から設定された所定の長さCの位置となる垂直切込辺47の位置を基準とした距離となる。支持板23は、この載置部63を「載せ」、垂下片部65を「当て」た状態で、ベース板61が固定具であるビス69等により建物壁17に固定され取り付けられる。これにより、まぐさ31を基準として支持板23が位置決めされて建物壁17に固定される。
【0056】
支持板23の側方でかつまぐさ31の上方、具体的には左右の支持板23間でありまぐさ31の上方となる建物壁17の所定の箇所には、建物壁17に穿設されたケーブル引出穴71からケーブル73が引き出されている。このケーブル73は、好ましくは支持板23を固定する前に、切欠部45の近傍で座部39の前端から凹状に切り欠かれたケーブル通過用凹部49に引き込み、座部39の下を通してまぐさ31の端部32から導出する。なお、ケーブル73は、支持板23を固定した後であっても座部39の下を通してまぐさ31の端部32から導出可能となる。
【0057】
図6は、支持板23に支持途中の収納部13を表す要部分解斜視図である。
ケーブル73がまぐさ31の端部32から引き出されたら、収納部13を建物壁17に支持する。収納部13は、巻胴にシャッターカーテンを巻装し、駆動モータ、減速ギア群、スプロケット等の開閉機構を内蔵する重量物となる。収納部13は、クレーン若しくは複数人の人手により水平方向に支持された状態で、上支持アーム51の係合部55よりも上段被係合部57が上となる高さで、左右一対の支持板23の間に挿入される。
【0058】
左右の支持板23間に挿入された収納部13は、上支持アーム51の係合部55が収納部13のブラケット21に設けられる上段被係合部57に係合する。支持アームは、下支持アーム53が上縁で収納部13の下段被係合部59を支持するとともに、上支持アーム51の係合部55が収納部13のブラケット21に設けられた上段被係合部57に係合する。収納部13は、支持板23に左右のブラケット21が支持された状態で、建物壁17に沿う奥側の段部下面75が、載置部63の上に載ることになる。また、係合部55がブラケット21の被係合部57に係合することで建物壁17に対する収納部13の仮止めとすることができる。その後、支持アーム51,53とブラケット21とは、図示しないがビス止めなどが行われる。これにより、収納部13の建物壁17への取り付けが完了する。
【0059】
次に、上記した構成の作用を説明する。
【0060】
本実施形態に係る開閉体収納部の取付構造では、まぐさ31が、開口部19を幅方向で挟んで建物壁17に取り付けられる左右一対の縦枠29における上端同士を連結して設けられる。これにより、まぐさ31は、開口部19の上で水平に建物壁17に固定される。
【0061】
なお、一対の縦枠29は、開口部19の下で建物壁17に水平に固定される下枠27の長手方向両端に下端が接続される。これにより、同一長で形成された一対の縦枠29は、それぞれの下端が下枠27に当接して鉛直方向に取り付けられることで、まぐさ31を水平に位置決めすることができる。
【0062】
まぐさ31には、支持板23を載せることのできる座部39が長手方向両側の端部32に形成される。支持板23は、建物壁17と平行なベース板61から垂直に曲げられ延設された載置部63が、この座部39に載る。支持板23は、水平なまぐさ31の座部39に、載置部63が載ることにより、上下方向が位置決めされる。
【0063】
座部39に載置部63が載ることにより上下方向が位置決めされた支持板23は、座部39に載ったまま、まぐさ31の中央側にスライドされることで、載置部63の前縁から曲がって垂下する垂下片部65の側部67が、座部39に隣接する垂直切込辺47に当接する。つまり、支持板23は、垂下片部65が垂直切込辺47に当たることにより、スライドが規制される。これにより、支持板23は、左右方向が位置決めされる。
【0064】
この開閉体収納部の取付構造では、平らな座部39に平らな載置部63を平面同士で当接して載せるので、支持板23の上下方向を安定した当接状態で位置決めすることができる。すなわち、支持板23が前後左右に傾くことがない。
【0065】
また、支持板23を座部39に載せたままスライドさせ、載置部63から垂下する垂下片部65の側部67を垂直切込辺47に当てるので、支持板23の左右方向を安定した当接状態で位置決めすることができる。このため、2つのマークを目視により合わせる従来の位置決め作業に比べ、作業者の技能に依存する作業の割合が減り、精度がばらつくことを抑制できる。
【0066】
さらに、まぐさ31の座部39に載る支持板23の載置部63は、ベース板61から1回曲げにて形成することができるので、2回曲げされた側面視クランク形で形成した垂下片部の下端をまぐさ31に当接する従来構造に比べ、曲げ角度のばらつきによる影響を半減させることができる。これによっても、まぐさ31からの支持板23の全高に誤差の生じることを抑制できる。すなわち、支持板23に左右が支持される収納部13の水平精度を高めることができる。
【0067】
また、この開閉体収納部の取付構造では、まぐさ31の座部39の近傍にケーブル通過用凹部49が設けられる。ケーブル通過用凹部49は、建物壁17と反対側の座部39の前端から、建物壁17に向かって凹状に切り欠かれ形成される。建物壁17から引き出されたケーブル73は、このケーブル通過用凹部49に通すことで、座部39の下面をまぐさ31に沿って配索してまぐさ31の端部32から外部へ引き出すことが可能となる。つまり、まぐさ31の一部が配線ダクトとして利用される。まぐさ31は、ケーブル73が引き出された後、収納部13が座部39の上に載る。ケーブル73は、座部39の下面へ配索されるので収納部13と干渉することがない。座部39に載った収納部13は、両側のブラケット21が支持板23に支持される。
【0068】
このようにして取り付けられた収納部13は、建物壁17に空いたケーブル引出穴71を背面で覆う。まぐさ31の端部32から引き出されたケーブル73は、収納部13の内部に引き込まれ接続されたり、縦枠29に通されたりすることで、外部に露出しなくなる。
【0069】
なお、ケーブル通過用凹部49よりも端部32側の座部39の前縁側には、支持板23の垂下片部65が垂下する切欠部45が設けられている。垂下片部65は、支持板23のベース板61から建物壁17と反対側に突出する載置部63の前縁から垂下するので、まぐさ31の奥壁となる垂直板部37との間には空間が形成されることになる。ケーブル通過用凹部49に引き込まれたケーブル73は、まぐさ31の端部32において、座部39の下面とまぐさ31の垂直板部37とこの垂下片部65との間に設けられる空間を横断して端部32から引き出されることになる。その結果、建物壁17から引き出されたケーブル73を、まぐさ31のケーブル通過用凹部49に通してまぐさ31の端部32からまぐさ31の外方へ引き出すことができ、ケーブル73を露出させることなく、見栄えよく、また、他部材に挟まるなど干渉することなく、収納部13等へと接続できる。
【0070】
本実施形態に係る開閉体収納部の施工方法では、開口部19を幅方向で挟んで左右一対の縦枠29が、同一高さで建物壁17に取り付けられる。縦枠29の上端同士には、まぐさ31の端部32が連結される。これにより、まぐさ31は、水平に取り付けられる。
【0071】
なお、一対の縦枠29は、開口部19の下で建物壁17に水平に固定される下枠27の長手方向両端に下端が接続される。これにより、同一長で形成された一対の縦枠29は、それぞれの下端が下枠27に当接して鉛直方向に取り付けられることで、まぐさ31を水平に位置決めすることができる。
【0072】
次いで、まぐさ31に設けられる座部39に、支持板23の載置部63を載置する。支持板23は、建物壁17と平行なベース板61から垂直に曲げられた載置部63が、この座部39に載る。支持板23は、水平なまぐさ31の座部39に、載置部63が載ることにより、上下方向が位置決めされる。
【0073】
座部39に載置部63が載ることにより上下方向が位置決めされた支持板23は、座部39に載ったまま、まぐさ31の中央側にスライドされる。スライド時、支持板23は、まぐさ31の長手方向に沿い、建物壁17に平行移動となる。
【0074】
スライドされた支持板23は、載置部63の前縁から曲がって垂下する垂下片部65の側部67が、まぐさ31の端縁43から所定距離の切込辺47に当接する。つまり、支持板23は、垂下片部65が垂直切込辺47に当たることにより、スライドが規制される。これにより、支持板23は、左右方向が位置決めされる。
【0075】
この開閉体収納部の施工方法では、平らな座部39に平らな載置部63を平面同士で当接して載せるので、支持板23の上下方向を安定した当接状態で位置決めすることができる。すなわち、支持板23が前後左右に傾くことがない。
【0076】
また、支持板23を座部39に載せたままスライドさせ、載置部63から垂下する垂下片部65の側部67を切欠部45の垂直切込辺47に当てるので、支持板23の左右方向を安定した当接状態とし、まぐさ端縁43からの距離で位置決めすることができる。このため、2つのマークを目視により合わせる従来の位置決め作業に比べ、作業者の技能に依存する作業の割合が減り、精度がばらつくことを抑制できる。そして、収納部13は、傾くことなくまぐさ31に沿って水平に建物壁17へ支持板23を介して取り付けられる。
【0077】
この開閉体収納部の施工方法では、建物壁17から引き出されたケーブル73が、まぐさ31における切欠部45の近傍で座部39の前端から凹状に切り欠かれたケーブル通過用凹部49に引き込まれる。ケーブル73は、このケーブル通過用凹部49に通すことで、座部39の下面をまぐさ31に沿って配索してまぐさ31の端部32から外部へ引き出すことが可能となる。
【0078】
まぐさ31は、ケーブル73が引き出された後、収納部13が座部39の上に載る。座部39に載った収納部13は、両側のブラケット21が支持板23に支持される。支持板23に支持された収納部13は、座部39に載った支持板23における載置部63の上にさらに載ることになる。収納部13は、支持板23に支持されると、建物壁17のケーブル引出穴71を背面で覆う。
【0079】
収納部13が支持板23に支持される前に、まぐさ31の端部32から引き出されたケーブル73は、収納部13の取付時に収納部13と干渉することがない。収納部13の支持が完了した後、ケーブル73は、コネクタ77を備えた先端が収納部13の内部に引き込まれて接続されたり、縦枠29に通されたりすることで、外部に露出しなくなる。
【0080】
なお、ケーブル73は、収納部13が支持される前であれば、支持板23が固定される前または固定された後のいずれであってもまぐさ31の端部32から引き出すことができる。垂下片部65は、支持板23のベース板61から建物壁17と反対側に突出する載置部63の前縁から垂下するので、まぐさ31の垂直板部37との間に十分な空間が空く。ケーブル通過用凹部49に引き込まれたケーブル73は、このまぐさ31の垂直板部37と垂下片部65との間と座部39の下に設けられる空間を横断してまぐさ31の端部32から引き出しが可能となる。その結果、建物壁17から引き出されたケーブル73を、収納部13が取り付けられる前に、まぐさ31のケーブル通過用凹部49に通してまぐさ31の端部32から引き出しておけるので、他と干渉せず、ケーブル73を露出させることなく、見栄えよく収納部13に接続できる。
【0081】
したがって、本実施形態に係る開閉体収納部の取付構造によれば、まぐさ31に、座部39と切欠部45とを設け、支持板23に、載置部63と垂下片部65とを設けたので、支持板23を載せる、当てがうという簡素な動作での位置決めが可能となり、収納部13を取り付けるための支持板23を簡単な作業で誤差を抑制して固定することができる。
【0082】
本実施形態に係る開閉体収納部の施工方法によれば、支持板23の載置部63をまぐさ31の座部39に載せ、支持板23の垂下片部65をまぐさ31の切込辺47に当てる簡素な動作で支持板23の位置決めが完了し、収納部13を取り付けるための支持板23を簡単な作業で誤差を抑制して固定できる。
【符号の説明】
【0083】
13…開閉体収納部(収納部)
17…建物壁
19…開口部
21…ブラケット
23…支持板
29…縦枠
31…まぐさ
32…端部
39…座部
43…端縁
47…切込辺(垂直切込辺)
49…ケーブル通過用凹部
51…支持アーム(上支持アーム)
55…係合部
61…ベース板
63…載置部
65…垂下片部
67…側部
73…ケーブル
C…端縁からの距離