(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092253
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】エア抜き装置
(51)【国際特許分類】
B65B 31/04 20060101AFI20240701BHJP
B65B 9/00 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B65B31/04 F
B65B9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208051
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】和田 康弘
【テーマコード(参考)】
3E050
3E053
【Fターム(参考)】
3E050AA01
3E050BA04
3E050DD03
3E050DH10
3E050FA02
3E050FB02
3E053AA06
3E053AA07
3E053BA10
3E053GA07
3E053GA11
(57)【要約】
【課題】内容物にストレスをかけることなく様々な形状の内容物に対して脱気することができるエア抜き装置を提供する。
【構成】 包装機のトップシール装置11の下流側に設置され、トップシール装置の下流側の搬出コンベア18の上にある筒状の包装フィルム31を押さえ、その包装フィルム内の空気を上流側に押し出すエア抜き装置10である。4本の低摩擦シリンダー25と、低摩擦シリンダーのシリンダーロッド25aの先端側に取り付けたプッシャー部材27を備える。低摩擦シリンダーは、シリンダーロッドの往復移動によりプッシャー部材が搬出コンベアに向けて接近離反移動可能に配置され、プッシャー部材が搬出コンベアに接近した際に、包装フィルムの表面を搬出コンベア側に向けて付勢して押し潰し可能に構成する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装機のトップシール装置の下流側に設置され、前記トップシール装置の下流側の搬送路の上にある筒状の包装フィルムを押さえ、その包装フィルム内の空気を上流側に押し出すエア抜き装置であって、
複数の低摩擦シリンダーと、
前記低摩擦シリンダーのシリンダーロッドの先端側に取り付けたプッシャー部材を備え、
前記低摩擦シリンダーは、前記シリンダーロッドの往復移動により前記プッシャー部材が前記搬送路に向けて接近離反移動可能に配置され、
前記プッシャー部材が前記搬送路に接近した際に、前記包装フィルムの表面を前記搬送路側に向けて付勢して押し潰し可能に構成するエア抜き装置。
【請求項2】
前記プッシャー部材は円盤状である請求項1に記載のエア抜き装置。
【請求項3】
前記包装フィルムは、伸縮性のないフィルムであり、隣接する前記プッシャー部材を結ぶ線上に、前記包装フィルム内に内容物が存在しない場合、その隣接する前記プッシャー部材に接触する部位と共にその結ぶ線上のフィルム部位も潰されるように構成する請求項1に記載のエア抜き装置。
【請求項4】
包装サイクル毎に前記低摩擦シリンダーの動作の有無を切り換える制御機能を備える請求項1に記載のエア抜き装置。
【請求項5】
前記搬送路の左右両サイド側にそれぞれ少なくとも2個ずつ前記低摩擦シリンダーを配置する請求項1~4のいずれか1項に記載のエア抜き装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エア抜き装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばピロー包装機を用いてピロー包装体を製造するにあたり、筒状の包装フィルムをトップシール装置でシールカットする際に脱気する機能を備えたものがある。係る機能を備えると、袋体の内容積に比べて収納する内容物が小さい場合などにおいて袋体内の空気の残存量を少なくし、包装する内容物に応じた形状の包装体を製造することができる。係る脱気を行う装置として、例えば特許文献1に開示されたエア抜き装置がある。このエア抜き装置は、内容物の形状に沿った表面形状を有するスポンジ等の押さえ部材を、トップシール装置の下流側に昇降可能に配置する。そして、その押さえ部材をトップシール装置の下流側に位置するトップシールされる前の内容物を内包する包装フィルムの上面側のフィルム部位に接触させるとともに下降移動させ、その状態でトップシーラにて包装フィルムを挟み込んでシールカットする。これにより、包装フィルムは潰されて内容物の周囲の空気は上流側に押し出されて脱気される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、野菜や果物などのように包装する内容物の大きさや形状が都度異なる場合、スポンジの表面形状と内容物の形状が付合しないケースが生じ、包装フィルムをうまく押さえることができない。
【0005】
また、例えば包装する内容物が通販の商品で、その商品の配達用の袋体に当該商品を供給し包装する際に、エア抜きをしようとすると、袋体内に収納する商品の種類自体や、個数が包装体毎に異なることから、従来のスポンジタイプの押さえ部材を用いて包装フィルムを押さえてもうまく脱気できない。さらに、通販等の場合、包装する商品の種類が多数存在することから、例えば商品が壊れやすいもの場合、強い力で押さえると破損したり損傷したりするおそれがある。また、柔らかいスポンジを用いて押したとしても、商品が不定形であるため、商品のどの部分にどの程度負荷がかかるが不明であり、また、スポンジの場合、包装フィルムひいては商品を押していきスポンジが圧縮変形するほど反力が増加し商品に加わる力が大きくなるため、より壊れやすい。
【0006】
このように、包装する商品の寸法形状や、収納する個数にばらつきがある場合、適切にエア抜きができない。
【0007】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できればよい。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明のエア抜き装置は、(1)包装機のトップシール装置の下流側に設置され、前記トップシール装置の下流側の搬送路の上にある筒状の包装フィルムを押さえ、その包装フィルム内の空気を上流側に押し出すエア抜き装置であって、複数の低摩擦シリンダーと、前記低摩擦シリンダーのシリンダーロッドの先端側に取り付けたプッシャー部材を備え、前記低摩擦シリンダーは、前記シリンダーロッドの往復移動により前記プッシャー部材が前記搬送路に向けて接近離反移動可能に配置され、前記プッシャー部材が前記搬送路に接近した際に、前記包装フィルムの表面を前記搬送路側に向けて付勢して押し潰し可能に構成した。
【0009】
複数の低摩擦シリンダーのシリンダーロッドに取り付けたプッシャー部材により、包装フィルムの複数箇所が搬送路側に向けて付勢される。プッシャー部材が接触した包装フィルムのフィルム部位の内側に包装される内容物が存在していない場合には、そのフィルム部位はそのまま押し潰され、内部の空気は上流側に押し出されてエア抜きされる。一方、プッシャー部材が、内容物が存在している部分を付勢した場合、低摩擦シリンダーによる小さい圧力で押しているため、内容物に接触した位置で留まると共に内容物が損傷等することがない。これにより、内容物の寸法形状等に応じて包装フィルムを押し潰すことができ、内容物にストレスをかけることなく様々な形状の内容物に対して脱気することができる。
【0010】
(2)前記プッシャー部材は円盤状とするとよい。このようにすると、シリンダーロッドが軸周りに回転し、それにともないプッシャー部材が回転しても、プッシャー部材の外周縁の存在位置が不変となる。よって、プッシャー部材により包装フィルムの表面を押す部位の条件が変わらないようにできる。
【0011】
(3)前記包装フィルムは、伸縮性のないフィルムであり、隣接する前記プッシャー部材を結ぶ線上に、前記包装フィルム内に内容物が存在しない場合、その隣接する前記プッシャー部材に接触する部位と共にその結ぶ線上のフィルム部位も潰されるように構成するとよい。このようにすると、低摩擦シリンダーの設置個数が少なくても包装フィルムの内容物が存在しない部分を効率よく押し潰すことができる。伸縮性のないフィルムは、例えば実施形態に示す紙製フィルムを用いると良いが、その他の材質からなるフィルムでもよい。
【0012】
(4)包装サイクル毎に前記低摩擦シリンダーの動作の有無を切り換える制御機能を備えるとよい。このようにすると、包装処理する毎にエア抜きを行ったり、エア抜きを行わなかったりするように切り替えることができる。
【0013】
(5)前記搬送路の左右両サイド側にそれぞれ少なくとも2個ずつ前記低摩擦シリンダーを配置するとよい。このようにすると、包装フィルムの内容物が存在しない部分を効率よく押し潰すことができる。
【0014】
また、上述した(1)から(5)に示す構成は、適宜組み合わせて構成することができ、そのように組み合わせた構成を前提として、実施形態や図面に記載の構成要素を組み合わせるとよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、内容物にストレスをかけることなく様々な形状の内容物に対して脱気することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係るエア抜き装置の好適な一実施形態を示す斜視図(その1)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0018】
図1~
図6は、本実施形態のエア抜き装置10の全体構成を示し、
図7は一部を拡大して示している。このエア抜き装置10は、ピロー包装機のトップシール装置11の下流側に配置される。ピロー包装機は、内容物として通販で配送する商品31を収納する配送用の包装体を製造するもので、袋体を構成する包装フィルム30は紙製フィルムを用いている(
図7参照)。
【0019】
包装対象の商品31は、包装体毎に種類が異なったり、収納する個数が異なったりすることから、商品或いは複数の商品からなる商品群(以下、単に「商品」と称する)の高さや、包装体内における占有箇所がばらつく。また、ピロー包装機で順次製造される包装体は、同じ包装フィルム30を用いて形成されることから、その横幅は同一である。そして、本実施形態のピロー包装機は、収納する商品31の前後長に応じて包装フィルム30の送り量を変更調整可能に構成される。よって、前後長が短い商品31を包装する場合には、包装フィルム30の送り量も短く、前後長の短い包装体が製造され、前後長が長い商品31を包装する場合には、包装フィルム30の送り量も長く、前後長の長い包装体が製造される。
【0020】
さらに本実施形態の包装体は、そのまま郵送や宅配業者により配達されるため、その表面の所定位置には宛名ラベルが貼り付けられる。宛名ラベルは例えば感熱紙を用いており、適宜のタイミングで包装フィルム30に貼り付けられ、その後に包装処理される。
【0021】
トップシール装置11は、各種の構成のものを用いることができ、例えばシール面が上下に対向配置される上側トップシーラ13と下側トップシーラ14を相対的に接近離反移動可能に配置し、駆動モータやシリンダーその他の駆動源からの動力を受けて上側トップシーラ13と下側トップシーラ14を昇降させて上記の接近離反移動を行う構成とするとよい。そして接近した際には互いのシール面同士が接触し、間に包装フィルム30が存在する場合にはその包装フィルム30を熱シールする。また、
図7に拡大して示すように、下側トップシーラ14内にはカッター刃20が内蔵され、包装フィルム30の熱シールした部位をカットし、上流側の包装フィルム30から分離させて包装体を製造する。
【0022】
また、トップシール装置11の下流側には、搬出コンベア18、プッシャー装置19がその順で配置される。搬出コンベア18は、左右に配置されるエンドレスベルト18aと、その間に配置される下ガイド板18b等を備える。左右のエンドレスベルト18aと下ガイド板18bにて搬送路が構成され、トップシール装置11を通過した包装フィルム30は、回転駆動するエンドレスベルト18aにより搬送される。またトップシール装置11の上流側に配置される図示省略する包装機本体側の機能により、包装フィルム30の前進移動が制御され、一時停止したタイミングで上側トップシーラ13と下側トップシーラ14が接近移動して包装フィルム30をシールカットし、包装体を製造する。そして、製造された包装体は、エンドレスベルト18aの回転により下流側に搬出される。そして、プッシャー装置19に至った包装体は、プッシャー装置19により下流側の搬送ラインに移載される。
【0023】
本実施形態のエア抜き装置10は、上下開放する矩形の支持フレーム21の下面側に取り付けられる平板状のベースプレート22の上面の所定位置に複数の低摩擦シリンダー25を起立配置する。低摩擦シリンダー25のシリンダーロッド25aは、ベースプレート22より下方に突出した状態で存在する。そして、シリンダーロッド25aの先端には、プッシャー部材27を備える。
【0024】
低摩擦シリンダー25は、低い圧力でも動作するエアシリンダーであり、優しい力で押せるシリンダーである。この低摩擦シリンダー25は、例えば0.05MPa以下でも動作する。なお、上述した駆動シリンダー17などの通常のシリンダーの圧力は、0.2MPa程度以上となり、低摩擦シリンダー25は、それよりも充分に弱い圧力で動作し、接触する対象物を付勢する力も弱いため、上述したように優しい力で押すことができる。
【0025】
複数本の低摩擦シリンダー25は、本実施形態では4箇所に配置する。具体的には、搬出コンベア18の搬送方向に対する左右両サイド付近の前後方向に所定の間隔をおいた位置に対向する箇所に1本ずつ配置する。また、本実施形態では、4つの低摩擦シリンダー25は仮想の長方形の各頂点に位置しており、搬出コンベア18の左サイド付近の前後に配置した2本の低摩擦シリンダー25は搬送方向に対して平行に配置され、同様に搬出コンベア18の右サイド付近の前後に配置した2本の低摩擦シリンダー25は搬送方向に対して平行に配置される。さらに、搬送方向に沿って前側に位置する左右の低摩擦シリンダー25は搬送方向に対して直交する方向に配置され、搬送方向に沿って後側に位置する左右の低摩擦シリンダー25は搬送方向に対して直交する方向に配置される。
【0026】
そして、シリンダーロッド25aは、搬出コンベア18の搬送面、すなわち、エンドレスベルト18aのベルト面に対して直交方向に往復移動する。そして、複動作により上昇した待機位置では、プッシャー部材27がエンドレスベルト18aのベルト面から所定距離離れ、商品31を内包する筒状の包装フィルム30に干渉することなく、当該包装フィルム30の通過を許容するように設定される。また、低摩擦シリンダー25の往動作により最も突出した状態の下降位置では、先端に取り付けたプッシャー部材27がエンドレスベルト18aのベルト面に近接する。
【0027】
これにより、プッシャー部材27が待機位置にあり、上側トップシーラ13と下側トップシーラ14が離反した待機位置にある状態で、商品31が収納された筒状の包装フィルム30が前進移動すると、その商品31が収納された部分がトップシール装置11を通過して搬出コンベア18上に至る(
図8(a)参照)。そして、ピロー包装機は、商品31の後端が上側トップシーラ13と下側トップシーラ14の下流側の所定位置に至ると包装フィルム30の搬送を一時停止するように制御する。
【0028】
そして、一時停止した状態で4つの低摩擦シリンダー25を往動作させ、プッシャー部材27を下降移動させる。これにより4つのプッシャー部材27は、それぞれ包装フィルムに接近移動し、包装フィルムに接触した状態でさらに下降移動することで包装フィルム30を下方に付勢する。これに伴い、包装フィルム30も押された部分が下降する。さらに、包装フィルムは紙製フィルムであり、著しく伸び縮みはしないため、プッシャー部材27が接触される部分及びその周辺のみならず、前後或いは左右に隣接するプッシャー部材27間及びその延長部分が全体的に下がる(
図8(b),(c)参照)。そして、本実施形態では、4点で押すことで包装フィルム30は面状に全体が下がっていき、包装フィルム30内の空気は上流側に押し出され、商品31の寸法形状に応じて脱気することができる。
【0029】
さらに、プッシャー部材27に対向する位置に商品31が存在していると、プッシャー部材27が包装フィルム30を介して商品31に接触し、それ以上の下降移動が抑止され、その位置に留まる。このとき商品31に加わる圧力は小さいため、商品31に過大な負荷がかからず商品31を潰したり破損したりしない。そして、商品31に対向しないプッシャー部材27は、原則として下降位置まで至る。これにより、包装フィルムはしっかり潰され、脱気することができる。例えば、商品31が左右方向の片側に寄っている場合(図では搬送方向左側)、その左側に存在する低摩擦シリンダー25により動作するプッシャー部材27(
図8(c)では向かって右側)は、商品31にあたりそれ以上の下降移動が抑止される。その左側のプッシャー部材27は、低摩擦シリンダー25の小さい圧力で商品31を優しく押すため、商品31の損傷を抑制できる。また、搬送方向の右側に存在する低摩擦シリンダー25により動作するプッシャー部材27(
図8(c)では向かって左側)は、商品31にあたることなく下方位置に至り、しっかりと包装フィルム30を押しつぶすことができる。
【0030】
また、例えば横幅が小さい商品31が左右方向の中央に位置している場合は、
図9に示すように、4つの低摩擦シリンダー25により動作するプッシャー部材27は、それぞれ包装フィルム30を下降位置までしっかりと押しつぶし、包装フィルム30を面で下方に向けて押さえることができ、包装フィルム30のうち商品31が存在する中央部分のフィルム部位は、商品31に当たりそれ以上の下降移動が抑止される。この包装フィルム30により商品31を押さえる力は、低摩擦シリンダー25の圧力に基づくため小さく、商品31を潰したり、損傷させたりすることが抑制できる。
【0031】
また、本実施形態では、プッシャー部材27は、円盤状のものを用いる。これにより、シリンダーロッド25aが軸周りに回転し、それにともないプッシャー部材27が回転しても、プッシャー部材27の外周縁の存在位置が不変となる。よって、プッシャー部材27により包装フィルムの表面を押す部位の条件が変わらないようにできる。さらにプッシャー部材27は円盤状で角がないため、包装フィルムや商品31を傷つける虞が可及的に抑制される。
【0032】
また本実施形態では、宛名ラベル33は包装フィルム30の幅方向の中央に貼り付けるようにしている。そして、低摩擦シリンダー25を搬出コンベア18の左右両サイド側に配置したため、一時停止した際の包装フィルム30の先端位置がどこにあっても、プッシャー部材27が宛名ラベル33に接触することがなく、感熱紙からなる宛名ラベル33に力が加わり汚してしまうおそれが可及的に抑制できる。
【0033】
また、エア抜き装置10は、包装サイクル毎に低摩擦シリンダー25の動作を行う/行わないを切り換える制御機能を備えるとよい。例えば、商品の種類に応じて行うとよい。例えば、低摩擦シリンダー25を動作させずに脱気しないと、袋がパンパンに膨らんだ状態でエアクッションのようになり、商品の保護ができる効果が期待できる。そこで、例えば精密機器・部品等の場合、商品サイズが小さくても動作させずにエア抜きしない制御を行えるようにするとよい。一方、例えばゴミ袋などのように商品サイズは大きくても押しても問題がなく、包装体の全体を薄く省スペース化したいものの場合、商品サイズが大きくても低摩擦シリンダー25を動作させエア抜きを全体的にしっかり行えるようにするとよい。
【0034】
さらに、通販の場合、複数の配送業者を利用することがあり、配送業者によっても脱気の有無を変えたいという要求がある。そこで、製造される包装体を配達する配送業者に合わせ、任意の包装体を製造するものに対して低摩擦シリンダー25の動作を行う/行わない(プッシャー部材27で押す/押さない)を指定できるようにするとよい。
【0035】
上述した実施形態では、4本の低摩擦シリンダー25を仮想矩形状の頂点に配置するようにしたが本発明はこれに限ることはなく、設置本数や設置する場合の相対位置関係は各種のものをとることができる。
【0036】
また、上述した実施形態では、包装フィルム30として、紙製フィルムを用いたがその材質はこれに限ることはなく各種のものを用いると良い。但し、紙製フィルムは伸縮性がないためより好ましい。
【0037】
以上、本発明の様々な側面を実施形態を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0038】
10 :エア抜き装置
11 :トップシール装置
13 :上側トップシーラ
14 :下側トップシーラ
18 :搬出コンベア
18a :エンドレスベルト
18b :下ガイド板
21 :支持フレーム
22 :ベースプレート
25 :低摩擦シリンダー
25a :シリンダーロッド
27 :プッシャー部材
30 :包装フィルム
31 :商品
33 :宛名ラベル