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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092274
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】吐出器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20240701BHJP
   B05B 11/00 20230101ALI20240701BHJP
   B05B 11/10 20230101ALI20240701BHJP
【FI】
B65D47/34 200
B05B11/00 101G
B05B11/00 101E
B05B11/10 101E
B05B11/10 101G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208087
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】前田 信也
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB01
3E084CA01
3E084DA01
3E084FA09
3E084GB11
3E084HD01
3E084KB01
3E084LB02
3E084LD22
(57)【要約】
【課題】利便性を向上させた上で、内容液が予期せず吐出されることを抑制できる吐出器を提供する。
【解決手段】本発明に係る態様の吐出器は、内容液が収容される容器本体の口部に取り付けられる装着筒と、内容液が吐出される吐出口を有し、装着筒に対して上下方向に移動可能に配設された押下ヘッドと、押下ヘッドの下降に伴い、容器本体内の内容液を吐出口に向けて送り出すポンプ部と、押下ヘッドを押し下げ操作する操作部材と、操作部材の移動を規制する規制位置、及び操作部材の移動を許容する許容位置間を、上下方向に移動可能な規制部材と、装着筒に対する回転操作に伴い、規制位置及び許容位置の間で規制部材を上下方向に移動させる回転部材と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容液が収容される容器本体の口部に取り付けられる装着筒を有するベース部材と、
内容液が吐出される吐出口を有し、前記装着筒に対して上下方向に移動可能に配設された押下ヘッドと、
前記押下ヘッドの下降に伴い、前記容器本体内の内容液を前記吐出口に向けて送り出すポンプ部と、
前記押下ヘッドの上方において上下方向に交差する第1方向に沿う軸線回りに回転可能に前記ベース部材に支持された軸部、上下方向から見て前記第1方向に交差する第2方向に前記軸部から延びる操作片及び前記操作片から下方に突出するとともに前記軸線回りの回転に伴い前記押下ヘッドを押し下げる押込部を有する操作部材と、
前記操作部材の移動を規制する規制位置、及び前記操作部材の移動を許容する許容位置間を、上下方向に移動可能な規制部材と、
前記装着筒に対する回転操作に伴い、前記規制位置及び前記許容位置の間で前記規制部材を上下方向に移動させる回転部材と、を備えている吐出器。
【請求項2】
前記規制部材は、前記規制位置において、前記押下ヘッドの周囲を上下方向に交差する方向から全周に亘って取り囲んでいる請求項1に記載の吐出器。
【請求項3】
前記規制部材は、前記規制位置にあるとき、少なくとも前記操作部材とともに前記押下ヘッドを前記押下ヘッドの上方から覆っている請求項1又は請求項2に記載の吐出器。
【請求項4】
前記操作部材は、下方移動に伴い前記押下ヘッドを押し下げ可能に構成され、
前記規制部材は、前記規制位置において、前記操作部材を下方から支持している請求項3に記載の吐出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出器に関する。
【背景技術】
【0002】
吐出器として、容器本体の口部に取り付けられるベース筒と、内容液を吐出する吐出口を有し、ベース筒に対して上下動可能な押下ヘッドと、押下ヘッドの下方移動により容器本体内の内容液を吐出口向けて送り出すポンプと、を備えた構成が知られている。この種の吐出器では、押下ヘッドの周囲を覆う有頂筒状のオーバーキャップが、ベース筒に着脱可能に設けられている(例えば、下記特許文献1参照)。
この構成によれば、吐出器の非使用状態において、オーバーキャップを装着しておくことで、内容液の予期せぬ吐出等が抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-059097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術にあっては、吐出器の使用状態と非使用状態とを切り替える際に、オーバーキャップの着脱操作が必要であった。また、吐出器の使用状態でオーバーキャップを取り外した場合に、オーバーキャップの保管場所に悩んだり、オーバーキャップを紛失したりする可能性もあった。
【0005】
本発明は、利便性を向上させた上で、内容液が予期せず吐出されることを抑制できる吐出器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係る吐出器は、内容液が収容される容器本体の口部に取り付けられる装着筒を有するベース部材と、内容液が吐出される吐出口を有し、前記装着筒に対して上下方向に移動可能に配設された押下ヘッドと、前記押下ヘッドの下降に伴い、前記容器本体内の内容液を前記吐出口に向けて送り出すポンプ部と、前記押下ヘッドの上方において上下方向に交差する第1方向に沿う軸線回りに回転可能に前記ベース部材に支持された軸部、上下方向から見て前記第1方向に交差する第2方向に前記軸部から延びる操作片及び前記操作片から下方に突出するとともに前記軸線回りの回転に伴い前記押下ヘッドを押し下げる押込部を有する操作部材と、前記操作部材の移動を規制する規制位置、及び前記操作部材の移動を許容する許容位置間を、上下方向に移動可能な規制部材と、前記装着筒に対する回転操作に伴い、前記規制位置及び前記許容位置の間で前記規制部材を上下方向に移動させる回転部材と、を備えている。
【0007】
本態様によれば、回転部材の回転操作により規制部材を規制位置及び許容位置間で移動させる。これにより、非使用状態及び使用状態間で吐出器を移行させるにあたって、規制部材の着脱作業が不要になる。そのため、吐出器の使用状態と非使用状態とを切り替える際に、従来のようにオーバーキャップの着脱を行う必要がないので、取り外したオーバーキャップの保管場所に悩んだり、オーバーキャップを紛失したりすることがない。よって、利便性を向上させた上で、操作部材が予期せず操作されることを抑制し、内容液が予期せず吐出されることを抑制できる。
しかも、本態様では、操作部材が軸部を支点に回転可能に構成されているため、押下ヘッドを下方に向けて真っすぐ押し下げる場合に比べ、操作部材(押込部)から押下ヘッドに付与される押し下げ力を確保し易い。そのため、例えば大容量のシリンダを備えるポンプ部のように、押下ヘッドの操作時に比較的大きな押し下げ力が必要な場合であっても、簡単に吐出操作を行うことができる。
【0008】
上記態様に係る吐出器において、前記規制部材は、前記規制位置において、前記押下ヘッドの周囲を上下方向に交差する方向から全周に亘って取り囲んでいることが好ましい。
本態様によれば、規制部材が規制位置にあるとき、押下ヘッドが直接操作されることを抑制できる。これにより、規制部材が規制位置にあるときに、予期せず内容液が吐出されることを抑制できる。
【0009】
上記態様に係る吐出器において、前記規制部材は、前記規制位置にあるとき、少なくとも前記操作部材とともに前記押下ヘッドを前記押下ヘッドの上方から覆っていることが好ましい。
本態様によれば、規制部材が規制位置にあるとき、押下ヘッドに対して上方からアクセスされることを抑制できる。これにより、規制部材が規制位置にあるときに、押下ヘッドを介して内容液が吐出されることを抑制できる。
【0010】
上記態様に係る吐出器において、前記操作部材は、下方移動に伴い前記押下ヘッドを押し下げ可能に構成され、前記規制部材は、前記規制位置において、前記操作部材を下方から支持していることが好ましい。
本態様によれば、操作部材を下方から支持することで、操作部材の移動方向と規制部材とを向い合せることができる。これにより、操作部材が押し下げ操作されることをより確実に抑制できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様によれば、利便性を向上させた上で、内容液が予期せず吐出されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る吐出容器の断面図である。
図2】実施形態に係る吐出器の平面図である。
図3】実施形態に係る回転部材の断面図である。
図4】実施形態に係る吐出容器の動作説明図であって、図1に対応する断面図である。
図5】実施形態に係る吐出容器の動作説明図であって、図1に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の吐出容器1は、内容液が収容される有底筒状の容器本体2と、容器本体2の口部2aに着脱可能に取り付けられる有頂筒状の吐出器5と、を備えている。容器本体2及び吐出器5は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置している。以下、容器本体2及び吐出器5の中心軸をまとめて容器軸O1という。その上で、容器軸O1に沿う方向を上下方向といい、上下方向に沿う吐出器5側を上方、容器本体2側を下方とする。また、上下方向から見た平面視において、容器軸O1に交差する方向を径方向といい、容器軸O1回りに周回する方向を周方向という。さらに、径方向のうち、一方向を前後方向(第2方向)L1といい、前後方向L1に直交する方向を左右方向(第1方向)L2という。
【0014】
容器本体2は、口部2a、肩部2b、胴部2c及び底部(不図示)が上方から順に連なって形成されている。本実施形態において、容器本体2内に収容される内容液としては、例えば化粧料や薬剤、香料、消臭剤、洗浄剤、食品等が挙げられる。
【0015】
吐出器5は、吐出口13aを通じて容器本体2内の内容液を外部に吐出する。吐出器5は、ベース部材11と、ポンプ部12と、押下ヘッド13と、操作部材14と、回転部材15と、規制部材16、を備えている。
【0016】
ベース部材11は、吐出器5のベースを構成する部分であって、口部2aに着脱可能に取り付けられる。ベース部材11は、ベース本体21と、カバー部材22と、を備えている。
【0017】
ベース本体21は、装着筒31と、内フランジ部32と、外フランジ部33と、外装筒34と、囲繞筒35と、支持筒36と、を備えている。本実施形態において、ベース本体21は、一体に形成されている。
装着筒31は、容器軸O1と同軸に配置されている。装着筒31は、口部2aに着脱可能に装着されている。
内フランジ部32は、装着筒31の上端開口縁から径方向の内側に張り出している。
外フランジ部33は、装着筒31の下端開口縁から径方向の外側に張り出している。
【0018】
外装筒34は、外フランジ部33の外周縁から上下方向の両側に延びている。外装筒34は、容器軸O1と同軸に配置されている。外装筒34の下端縁は、肩部2bの上方から肩部2bに近接又は当接している。外装筒34には、径方向の内側に向けて開放された周溝34aが形成されている。周溝34aは、外装筒34の全周に亘って延びている。
囲繞筒35は、外フランジ部33のうち、外装筒34よりも径方向の内側に位置する部分から上方に延びている。囲繞筒35は、容器軸O1と同軸に配置されている。囲繞筒35の上端縁は、内フランジ部32よりも上方に位置している。囲繞筒35における周方向の一部には、縦溝35aが形成されている。縦溝35aは、囲繞筒35の外周面上で開口するとともに、上下方向に延びている。なお、図2の例において、縦溝35aは、周方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0019】
図1図2に示すように、支持筒36は、ベース本体21のうち容器軸O1に対して前後方向L1の一方側(以下、前方という。)であって、容器軸O1に対して左右方向L2の両側に一対で設けられている。各支持筒36は、下端縁が装着筒31、内フランジ部32、外フランジ部33及び囲繞筒35に跨った状態で上方に突出している。各支持筒36の上端縁は、囲繞筒35の上端縁よりも上方に位置している。各支持筒36は、平面視において、外周面の一部が囲繞筒35の外周面と面一をなす扇状に形成されている。各支持筒36のうち、左右方向L2で向かい合う部分(以下、対向壁36aという。)は、左右方向L2に間隔をあけた状態で配置されている。各対向壁36aは、平面視において、前後方向L1に沿って直線状に延びる平坦壁である。
【0020】
カバー部材22は、各支持筒36間を左右方向L2に跨って配置されている。カバー部材22は、一対の蓋部22aと、接続部22bと、を備えている。
各蓋部22aは、各支持筒36の上端開口部を各別に閉塞している。
接続部22bは、各蓋部22aの前端縁同士を周方向に接続している。
【0021】
図1に示すように、ポンプ部12は、容器本体2内の内容液を吐出口13aに向けて送り出す。ポンプ部12は、主ポンプ部41と、蓄圧機構42と、を備えている。
主ポンプ部41は、シリンダ51と、弁体52と、位置決め筒53と、ピストン54と、ステム55と、第1付勢部材56と、を備えている。
【0022】
シリンダ51は、容器軸O1と同軸に配置された筒状に形成されている。シリンダ51は、上端部に設けられたシリンダフランジ51aを介して装着筒31に取り付けられている。吐出器5が容器本体2に装着された状態において、シリンダフランジ51aは、口部2aの上端縁と内フランジ部32との間にパッキンを介して上下方向で挟まれている。これにより、シリンダ51は、口部2aの内側を上下方向に貫通した状態で配置されている。シリンダ51の下端部には、吸上筒57が取り付けられている。吸上筒57は、容器本体2内を底部に向けて延びている。シリンダ51は、吸上筒57を通じて容器本体2内に連通可能である。
【0023】
弁体52は、例えばシリンダ51内に設けられたボール弁である。弁体52は、シリンダ51の下端開口部を開閉可能に構成されている。弁体52は、シリンダ51内の加圧時に容器本体2内とシリンダ51内との連通を遮断する一方、シリンダ51内の減圧時に容器本体2内とシリンダ51内とを連通させる。
【0024】
位置決め筒53は、容器軸O1と同軸に配置されている。位置決め筒53は、シリンダ51内の上端部に嵌め込まれている。
ピストン54は、容器軸O1と同軸に配置された筒状に形成されている。ピストン54の外周面は、シリンダ51の内周面上を上下方向に密に摺動可能である。
【0025】
ステム55は、ステム筒55aと、保持筒55bと、を備えている。
ステム筒55aは、ピストン54の上方において、容器軸O1と同軸に配置されている。
保持筒55bは、容器軸O1と同軸に配置された二重筒状に形成されている。保持筒55bは、ステム筒55aの周囲を取り囲んでいる。保持筒55bは、周方向に並ぶ複数の連結片55cを介してステム筒55aに接続されている。
【0026】
第1付勢部材56は、例えば上下方向に弾性変形可能なコイルばねである。第1付勢部材56は、ステム筒55aの周囲を取り囲んだ状態で、位置決め筒53と保持筒55bとの間に介在している。これにより、第1付勢部材56は、ステム55を上方付勢状態で下方移動可能に支持している。
【0027】
蓄圧機構42は、ステム55とシリンダ51との間に配置されている。蓄圧機構42は、シリンダ51内の内容液を加圧して、吐出口13aに向けて送り出すものである。蓄圧機構42は、蓄圧シリンダ61と、蓄圧ピストン62と、蓄圧弁体63と、第2付勢部材64と、を備えている。すなわち、本実施形態のポンプ部12は、シリンダ51及び蓄圧シリンダ61を備えた大容量タイプとなっている。
【0028】
蓄圧シリンダ61は、ピストン54の上方において、容器軸O1と同軸に配置された筒状に形成されている。蓄圧シリンダ61は、位置決め筒53を上下方向に貫通している。蓄圧シリンダ61の下端開口部は、シリンダ61内に開放されている。蓄圧シリンダ61の下端縁は、位置決め筒53よりも下方に位置する部分において、ピストン54に連なっている。蓄圧シリンダ61の上端部は、ステム筒55aと保持筒55bとの間に進入している。図示の例において、蓄圧シリンダ61の上端縁と連結片55cとの間には、上下方向に隙間を有している。なお、蓄圧シリンダ61とピストン54とは、別体で形成されていてもよい。
【0029】
蓄圧ピストン62は、蓄圧シリンダ61及びステム筒55a間を上下方向に跨って配置されている。蓄圧ピストン62は、容器軸O1と同軸に配置されるとともに、上方に位置するものほど外径が小さい多段筒状に形成されている。蓄圧ピストン62は、上方に位置するピストン小径部62aがステム筒55aの下端開口部を通じてステム筒55a内に挿入され、下方に位置するピストン大径部62bが蓄圧シリンダ61内に嵌め込まれている。蓄圧ピストン62(ピストン大径部62b)は、蓄圧シリンダ61に対して上下動する際、蓄圧シリンダ61の内周面上を上下方向に密に摺動する。
【0030】
蓄圧弁体63は、ステム筒55a及び蓄圧ピストン62間を上下方向に跨って配置されている。蓄圧弁体63は、柱体63aと、着座部63bと、を備えている。
柱体63aは、容器軸O1と同軸に配置された円柱状に形成されている。柱体63aの上端部は、ステム筒55a内に固定されている。すなわち、蓄圧弁体63は、ステム55と一体で上下動可能である。なお、ステム筒55aのうち、柱体63aとの固定部分には、連通溝55dが形成されている。連通溝55dは、上下方向に延びるとともに、周方向に間隔をあけて複数形成されている。ステム筒55a内は、連通溝55dを通じて上下方向に連通している。
【0031】
着座部63bは、柱体63aにおける上下方向の中間部から径方向の外側に張り出している。着座部63bは、蓄圧ピストン62に対する上下動に伴い、ピストン小径部62aの下端縁に対して接離可能に構成されている。すなわち、着座部63bがピストン小径部62aの下端縁に着座することで、蓄圧ピストン62を通じた蓄圧シリンダ61内とステム筒55a内との連通を遮断する。一方、着座部63bがピストン小径部62aの下端縁から下方に離間することで、蓄圧シリンダ61内とステム筒55a内とが連通する。
【0032】
第2付勢部材64は、例えば上下方向に弾性変形可能なコイルばねである。第2付勢部材64は、蓄圧シリンダ61内において、ステム筒55a及びピストン小径部62aの周囲を取り囲んだ状態で、ステム筒55a及び蓄圧ピストン62間に介在している。これにより、第2付勢部材64は、蓄圧ピストン62を下方(着座部63b)に向けて付勢している。
【0033】
押下ヘッド13は、ポンプ部12から送り出される内容液を吐出する吐出口13aを有している。押下ヘッド13は、左右方向L2で向かい合う対向壁36a間に位置する部分に、前後方向L1の両側に露呈した状態で配置されている。押下ヘッド13は、ヘッド本体13bと、連結筒13cと、ノズル部13dと、を備えている。
【0034】
ヘッド本体13bは、容器軸O1に対して前方に偏心した位置にヘッド軸を有する有頂筒状に形成されている。ヘッド本体13bの頂壁部13b1は、平面視において、矩形状に形成されている(図2参照)。図2の例において、頂壁部13b1の前端縁は、前方に向けて突の円弧状を呈している。ヘッド本体13bの頂壁部13b1には、一対のガイドリブ13eが形成されている。ガイドリブ13eは、左右方向L2に間隔をあけた状態で、ヘッド本体13bの頂壁部から上方に突出している。ガイドリブ13eは、前後方向L1に互いに平行に延びている。
ヘッド本体13bの周壁部13b2は、頂壁部13b1の外周縁の全周から下方に延びている。周壁部13b2の下端縁は、連結片55cよりも下方に位置している。
【0035】
連結筒13cは、ヘッド本体13b内において、容器軸O1と同軸となる位置に上下方向に延びている。連結筒13cは、周壁部13b2のうち後壁部分に一体に連なっている。連結筒13c内には、ステム筒55aの上部が嵌め込まれている。これにより、押下ヘッド13は、ステム55と一体で上下動可能に構成されている。なお、連結筒13cの下端縁は、周壁部13b2の下端縁と同等の高さ、又は上方に位置している。これにより、周壁部13b2は、連結筒13cやステム55の周囲を取り囲んでいる。
【0036】
ノズル部13dは、ヘッド本体13b内において連結筒13cの上端部から前方に向けて延びている。ノズル部13dの前端部は、ヘッド本体13bの外周面上で前方に向けて開口する吐出口13aを構成している。本実施形態において、ステム筒55a内は、連結筒13c及びノズル部13dを通じて吐出口13aに連通している。
【0037】
操作部材14は、押下ヘッド13の上方に配置されて、押下ヘッド13を間接的に押下操作するためのものである。操作部材14は、ベース板14aと、軸部14bと、舌片部14cと、押込部14dと、を備えている。図示の例において、操作部材14は、一体に形成されている。なお、ベース板14a及び舌片部14cによって本実施形態の操作片が構成されている。
【0038】
ベース板14aは、平面視において、カバー部材22の内側(向かい合う蓋部22a間に位置する部分)に配置されている。ベース板14aは、上下方向を厚さ方向として前後方向に延びている。
軸部14bは、ベース板14aから左右方向L2の両側に向けて突出している。軸部14bは、対向壁36aの上端縁と蓋部22aとの間に、左右方向L2に沿う軸線O2回りに回転可能に支持されている。これにより、操作部材14は、軸線O2回りに回転可能に構成されている。図示の例において、軸線O2は、容器軸O1に対して前方に位置している。
【0039】
舌片部14cは、ベース板14aから後方に延びている。具体的に、舌片部14cは、ベース板14aよりも薄板状に形成されている。舌片部14cは、後方に向かうに従い下方に向けて湾曲しながら延びている。
押込部14dは、ベース板14a及び舌片部14cを前後方向L1に跨って形成されている。押込部14dは、ベース板14a及び舌片部14cに対して下方に向けて突出している。押込部14dは、側面視において、下方に向けて突の半円形状に形成されている。押込部14dの一部は、一対のガイドリブ13e間に進入している。これにより、押下ヘッド13に対する操作部材14の左右方向L2への移動が規制されている。押込部14dの最下端は、容器軸O1上において押下ヘッド13に対して押下ヘッド13の上方から近接又は当接している。これにより、操作部材14は、軸線O2回りにおける下方への回転操作に伴い、押込部14dを介して押下ヘッド13を押し下げ可能となる。なお、押込部14dの最下端は、容器軸O1に対してずれて配置されていてもよい。
【0040】
回転部材15は、外装筒34に対して容器軸O1回りに回転可能に取り付けられている。具体的に、回転部材15は、基筒部15aと、ガイド突起15bと、抜け止め部15cと、を備えている。
基筒部15aは、容器軸O1と同軸に配置された筒状に形成されている。基筒部15aの下端部は、他の部分に対して外径が縮小している。基筒部15aの下端部は、外装筒34の内側に挿入されている。これにより、回転部材15は、外装筒34に回転可能に支持されている。基筒部15aは、囲繞筒35の周囲を取り囲んでいる。図示の例において、基筒部15aの上端縁は、囲繞筒35の上端縁よりも上方、かつ支持筒36の上端縁よりも下方に位置している。
【0041】
ガイド突起15bは、基筒部15aの下端部から径方向の外側に突出している。ガイド突起15bは、外装筒34の周溝34a内に収容されている。これにより、ベース本体21に対する回転部材15の上下方向の移動が規制されている。なお、ガイド突起15bは、基筒部15aの全周に亘って連続的に形成されていてもよく、周方向に間欠的に形成されていてもよい。
抜け止め部15cは、基筒部15aの上端縁から径方向の内側に張り出している。図示の例において、抜け止め部15cは、基筒部15aの全周に亘って連続的に形成されている。
【0042】
図1図3に示すように、基筒部15aの内周面には、一対のガイド機構71が形成されている。一対のガイド機構71は、周方向に間隔(例えば、180°)をあけて形成されている。各ガイド機構71は、何れも同様の形状をなしている。そのため、以下では一のガイド機構71を例にしてガイド機構71の詳細について説明する。
ガイド機構71は、ガイド溝71aと、上端乗り越え突起71bと、を備えている。
【0043】
ガイド溝71aは、基筒部15aの内周面上で開口するとともに、周方向に連続的に延びている。具体的に、ガイド溝71aは、上側移行部71a1と、中間移行部71a2と、下側移行部71a3と、を備えている。
上側移行部71a1は、基筒部15aの上端部において、周方向に直線状に延びている。
中間移行部71a2は、上側移行部71a1における周方向の一方側端部に連なっている。中間移行部71a2は、周方向の一方側に向かうに従い下方に向けてらせん状に延びている。
下側移行部71a3は、中間移行部71a2における周方向の一方側端部に連なっている。下側移行部71a3は、基筒部15aの下端部において、周方向に直線状に延びている。
【0044】
本実施形態において、上側移行部71a1及び下側移行部71a3における周方向の長さは、同等になっている。中間移行部71a2における周方向の長さは、上側移行部71a1及び下側移行部71a3における周方向の長さよりも長くなっている。本実施形態において、ガイド溝71aは、容器軸O1に対して回転対称(2回対称)となる位置に一対で配置されている。
【0045】
上端乗り越え突起71bは、上側移行部71a1と中間移行部71a2との境界部分に設けられている。上端乗り越え突起71bは、ガイド溝71aの底面から径方向の内側に向けて突出するとともに、ガイド溝71a内を上下方向に延びている。
【0046】
図1図2に示すように、規制部材16は、ベース部材11に対して容器軸O1回りの回転が規制された上で、ベース部材11に対して上下動可能に構成されている。規制部材16は、容器軸O1と同軸に配置された有頂筒状に形成されている。具体的に、規制部材16は、周壁部16aと、天壁部16bと、を備えている。なお、以下の説明では、特に記載がない限り、規制部材16が最上端位置(規制位置)にある状態を基準にして説明する。
【0047】
周壁部16aは、上方に位置するものほど外径が縮小する多段筒状に形成されている。周壁部16aは、少なくとも一部が基筒部15aの上端開口部を通じて基筒部15aの内側に挿入されている。周壁部16aの上端縁のうち、容器軸O1に対して前方に位置する部分(以下、上端前縁部という。)は、一様な高さに形成されている。平面視において、周壁部16aの前縁部は、カバー部材22の外周縁に倣って配置されている。周壁部16aの上端縁のうち、容器軸O1に対して後方に位置する部分(以下、上端後縁部という。)は、後方に向かうに従い下方に向けて延びている。周壁部16aの後縁部は、側面視において、舌片部14cに倣って延びている。
【0048】
周壁部16aのうち、大径部16a1及び小径部16a2の境界部分は、抜け止め部15cに対して抜け止め部15cの下方から近接又は当接している。抜け止め部15cは、大径部16a1及び小径部16a2の境界部分が下方から当接することで、回転部材15に対する規制部材16の上方への移動を規制している。
【0049】
大径部16a1には、一対の可動突起16cが形成されている。各可動突起16cは、一対のガイド溝71aに対応して大径部16a1から径方向の外側に突出している。各可動突起16cは、対応するガイド溝71a内に収容されている。可動突起16cは、規制部材16が規制位置にあるとき、上側移行部71a1内に位置している。規制部材16は、可動突起16cが上側移行部71a1の下端縁に当接することで、回転部材15に対する下方への移動が規制されている。
周壁部16aのうち、径方向から見て縦溝35aと重なり合う部分には、突条部16dが形成されている。突条部16dは、周壁部16aから径方向の内側に突出するとともに、上下方向に延びている。突条部16dは、縦溝35a内に収容されている。これにより、規制部材16は、縦溝35a内に沿って上下方向の移動が許容されるとともに、縦溝35aのうち周方向で向かい合う内側面によってベース部材11に対する容器軸O1回りの回転が規制されている。
【0050】
天壁部16bは、周壁部16aの後縁部から径方向の内側に張り出している。具体的に、天壁部16bは、平面視において、周壁部16aの上端後縁部と、舌片部14cと、カバー部材22とで囲まれた部分を埋めるように形成されている。これにより、天壁部16b、カバー部材22及び操作部材14は、周壁部16aの上端開口部を閉塞するとともに、押下ヘッド13を上方から覆っている。
【0051】
天壁部16bの内周縁のうち、前後方向L1から見て舌片部14cと重なり合う位置には、規制片16eが形成されている。規制片16eは、天壁部16bの内周縁のうち下部から前方に向けて張り出している。規制片16eは、舌片部14cの後端部に舌片部14cの下方から近接又は当接している。規制片16eは、舌片部14cが上方から当接することで、操作部材14の軸線O2回りにおける下方への回転を規制している。
【0052】
ここで、図1図3に示すように、規制部材16は、ベース部材11に対する回転部材15の回転操作に伴い、可動突起16cがガイド溝71a内を移動することで、ベース部材11に対して上下動可能に構成されている。具体的に、規制部材16は、可動突起16cが上側移行部71a1内に位置する規制位置と、可動突起16cが下側移行部71a3内に位置する許容位置と、の間を上下動する。規制位置においては、上述したように規制片16eによって操作部材14の下方への回転が規制される。また、規制位置において、周壁部16aは押下ヘッド13を径方向の外側から取り囲んでいる。これにより、吐出口13aは、周壁部16aによって径方向の外側から覆われている。
一方、図3図5に示すように、許容位置においては、規制部材16の全体が回転部材15の内側に進入している。これにより、規制片16eが舌片部14cに対して下方に退避することで、操作部材14の下方への回転が許容される。また、周壁部16aが押下ヘッド13に対して下方に退避することで、押下ヘッド13の周囲が開放される。なお、許容位置において、少なくとも回転部材15の回転が許容され、かつ吐出口13aの前方が開放される位置であれば、規制部材16の一部が回転部材15よりも上方に突出していてもよい。
【0053】
次に、吐出容器1の使用方法について説明する。以下の説明では、規制部材16が規制位置にある状態を初期状態とした上で、規制部材16による規制位置及び許容位置間の切替動作、及び内容液の吐出動作について主に説明する。
まず、図1に示すように、初期状態の吐出容器1に対して、規制部材16を規制位置から許容位置に移行させる。例えば、外装筒34と回転部材15とを把持した状態で、ベース部材11に対して回転部材15を周方向の他方側に向けて回転させる。回転部材15を周方向の他方側に向けて回転させると、可動突起16cが上端乗り越え突起71bを乗り越え、中間移行部71a2内に進入する(図3参照)。回転部材15を周方向の他方側にさらに回転させると、可動突起16cが中間移行部71a2の上端縁上を摺動することで、可動突起16cを介して規制部材16が押し下げられる。これにより、図3図4に示すように、規制部材16が回転部材15に対して下降する。その後、可動突起16cは、下側移行部71a3内に進入することで、規制部材16が許容位置に到達する。これにより、操作部材14の下方への回転が許容されるとともに、吐出口13aの前方が開放される。なお、許容位置においては、可動突起16cが下側移行部71a3の上端縁に当接することで、回転部材15に対する規制部材16の上昇が規制されている。また、下側移行部71a3と中間移行部71a2との境界部分に、下端乗り越え突起が設けられていてもよい。これにより、可動突起16cが許容位置にあるとき、可動突起16cに対する回転部材15の周方向の一方側への移動を規制することもできる。
【0054】
続いて、図4図5に示すように、容器本体2内の内容液を吐出するには、操作部材14(ベース板14a又は舌片部14c)を下方に押し下げる。すると、操作部材14は、軸線O2回りの下方に回転することで、押込部14dを介して押下ヘッド13が下方に押し下げられる。押下ヘッド13が下降すると、押下ヘッド13とともにステム55及び蓄圧ピストン62が一体となって下降する。この際、ステム55及び蓄圧ピストン62は、蓄圧シリンダ61と連結片55cとの隙間分、蓄圧シリンダ61に対して下降する。このように、ピストン54よりも前に、ピストン54よりも径の小さい蓄圧ピストン62が下降(作動)するため、押下ヘッド13を下降させる際の初期押し下げ力を小さくすることができる。
【0055】
連結片55cが蓄圧シリンダ61の上端縁に接触した後、ステム55及び蓄圧シリンダ61を介してピストン54が下降する。これにより、ピストン54がシリンダ51の内周面上を摺動することで、シリンダ51内が加圧される。シリンダ51内の圧力上昇に伴い、蓄圧シリンダ61内の圧力が上昇すると、蓄圧ピストン62が第2付勢部材64の付勢力に抗して上昇する。これにより、ピストン小径部62aの下端縁が着座部63bに対して上方に離間する。すると、シリンダ51内の内容液は、蓄圧シリンダ61内、蓄圧ピストン62と蓄圧弁体63との隙間、連通溝55dを通じてステム筒55a内に流入する。その後、内容液は、ノズル部13dを通過した後、吐出口13aを通じて前方に吐出される。なお、内容液の吐出に伴い、シリンダ51内の圧力が低下すると、蓄圧ピストン62は第2付勢部材64の付勢力によって下降する。その結果、ピストン小径部62aの下端縁が着座部63bに当接することで、シリンダ51内とステム筒55a内との連通が遮断される。
【0056】
操作部材14による押し下げを解除すると、ステム55が第1付勢部材56の付勢力によって上方に押し上げられる。これにより、ステム55、蓄圧シリンダ61及びピストン54がシリンダ51に対して上昇する。すると、シリンダ51内が負圧になることで、シリンダ51の下端開口部が開放される。その結果、容器本体2内の内容液が吸上筒57を通じてシリンダ51内に流入することで、次の吐出操作に備えることができる。
【0057】
図1図3図4に示すように、内容液を吐出した後、規制部材16を規制位置に戻すには、例えば、外装筒34と回転部材15とを把持した状態で、ベース部材11に対して回転部材15を周方向の一方側に向けて回転させる。回転部材15を周方向の一方側に向けて回転させると、可動突起16cが中間移行部71a2内に進入する。回転部材15を周方向の一方側にさらに回転させると、可動突起16cが中間移行部71a2の下端縁上を摺動することで、可動突起16cを介して規制部材16が押し上げられる。これにより、規制部材16が回転部材15に対して上昇する。その後、可動突起16cは、上端乗り越え突起71bを乗り越えた後、上側移行部71a1内に進入する。これにより、可動突起16cに対する回転部材15の周方向の他方側への移動が上端乗り越え突起71bによって規制された状態で、規制部材16が規制位置に到達する。これにより、操作部材14の下方への回転が規制されるとともに、吐出口13aの前方が周壁部16aによって遮断される。
【0058】
本実施形態の吐出器5は、押下ヘッド13を押し下げ操作する操作部材14と、操作部材14の移動を規制する規制位置、及び操作部材14の移動を許容する許容位置間を、上下方向に移動可能な規制部材16と、装着筒31(ベース部材11)に対する回転操作に伴い、規制位置及び許容位置の間で規制部材16を上下方向に移動させる回転部材15と、を備える構成とした。
この構成によれば、回転部材15の回転操作により規制部材16を規制位置及び許容位置間で移動させる。これにより、非使用状態及び使用状態間で吐出器5を移行させるにあたって、規制部材16の着脱作業が不要になる。そのため、吐出器5の使用状態と非使用状態とを切り替える際に、従来のようにオーバーキャップの着脱を行う必要がないので、取り外したオーバーキャップの保管場所に悩んだり、オーバーキャップを紛失したりすることがない。よって、利便性を向上させた上で、操作部材14が予期せず操作されることを抑制し、内容液が予期せず吐出されることを抑制できる。
しかも、操作部材14が軸部14bを支点に回転可能に構成されているため、押下ヘッド13を下方に向けて真っすぐ押し下げる場合に比べ、操作部材14から押下ヘッド13に付与される押し下げ力を確保し易い。そのため、本実施形態のポンプ部12のようにシリンダ51及び蓄圧シリンダ61を備えた大容量タイプで、押下ヘッド13の操作時に比較的大きな押し下げ力が必要な場合であっても、簡単に吐出操作を行うことができる。
【0059】
本実施形態の吐出器5において、規制部材16は、規制位置にあるとき、押下ヘッド13の周囲を径方向の外側から全周に亘って取り囲む構成とした。
この構成によれば、規制部材16が規制位置にあるとき、押下ヘッド13が直接操作されることを抑制できる。これにより、規制部材16が規制位置にあるときに、予期せず内容液が吐出されることを抑制できる。
【0060】
本実施形態の吐出器5において、規制部材16は、規制位置にあるとき、操作部材14及びカバー部材22とともに、押下ヘッド13を上方から覆っている構成とした。
この構成によれば、規制部材16が規制位置にあるとき、押下ヘッド13に対して上方からアクセスされることを抑制できる。これにより、規制部材16が規制位置にあるときに、押下ヘッド13を介して内容液が吐出されることを抑制できる。
【0061】
本実施形態の吐出器5において、規制部材16は、規制位置にあるとき、操作部材14を下方から支持している構成とした。
この構成によれば、操作部材14を下方から支持することで、操作部材14の移動方向と規制部材16(規制片16e)とを向い合せることができる。これにより、操作部材14が押し下げ操作されることをより確実に抑制できる。
【0062】
本実施形態の吐出器5において、押下ヘッド13がステム55の周囲を取り囲む周壁部13b2を備える構成とした。
この構成によれば、周壁部13b2がステム55や連結筒13cのカバーとして機能することで、規制部材16が許容位置にある場合であっても、ステム55等が外部に露出することを抑制できる。これにより、外観の体裁を向上させることができる。なお、周壁部13b2は、押下ヘッド13のうち支持筒36と向かい合わない部分(例えば、前側部分)のみに設けられていてもよい。
【0063】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、規制部材16が操作部材14等とともに押下ヘッド13を上方から覆う構成について説明したが、この構成に限られない。規制部材16が規制位置にあるときであっても、押下ヘッド13の上方が開放されていてもよい。
上述した実施形態では、吐出口13aが前方に向けて開口する構成について説明したが、この構成に限られない。吐出口13aは、上方等に開口していてもよい。
上述した実施形態では、ポンプ部12がシリンダ51及び蓄圧シリンダ61を備える構成について説明したが、シリンダ51のみを備える構成であってもよい。
上述した実施形態では、規制部材16が規制位置にあるとき、操作部材14を直接支持することで、操作部材14の移動を規制する構成について説明したが、この構成に限られない。規制部材16は、例えば押下ヘッド13等を支持することで、操作部材14の移動を間接的に規制する構成等であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
2:容器本体
2a:口部
5:吐出器
11:ベース部材
12:ポンプ部
13:押下ヘッド
13a:吐出口
14:操作部材
14a:ベース板(操作片)
14b:軸部
14c:舌片部(操作片)
14d:押込部
15:回転部材
16:規制部材
16a:周壁部(対向部)
31:装着筒
O2:軸線
図1
図2
図3
図4
図5