(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092275
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】成形型、樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/26 20060101AFI20240701BHJP
B29C 45/02 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B29C45/26
B29C45/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208090
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】是永 康晴
(72)【発明者】
【氏名】井上 卓真
(72)【発明者】
【氏名】真木 晃汰
(72)【発明者】
【氏名】吉田 圭吾
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AA36
4F202AD07
4F202AH33
4F202AH37
4F202CA12
4F202CB01
4F202CB12
4F202CB17
4F202CC01
4F202CL02
4F202CL42
4F202CL46
4F202CQ01
4F202CQ05
4F202CQ10
4F206AA36
4F206AD07
4F206AH33
4F206AH37
4F206JA02
4F206JB12
4F206JB17
4F206JL02
4F206JM06
4F206JN35
4F206JQ81
(57)【要約】
【課題】短時間で中間型を製造することが可能な成形型、樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】成形型は、成形対象物を保持し、樹脂材料が供給されるキャビティを有する成形型本体を備え、成形型本体は、上型と、樹脂材料が充填されるポットが形成されたポットブロックを含む下型と、上型と下型との間に配置され、成形対象物と対向する第1面81を有する中間型IMと、を有している。中間型IMは、キャビティに樹脂材料を供給するゲート84を有する本体部材86と、本体部材86の周縁に配置された外枠部材87と、本体部材86を外枠部材87に保持する保持機構88と、を有し、本体部材86と外枠部材87とは分離可能である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形対象物を保持し、樹脂材料が供給されるキャビティを有する成形型本体を備え、
前記成形型本体は、
上型と、
前記樹脂材料が充填されるポットが形成されたポットブロックを含む下型と、
前記上型と前記下型との間に配置され、前記成形対象物と対向する第1面を有する中間型と、を有し、
前記中間型は、前記キャビティに前記樹脂材料を供給するゲートを有する本体部材と、前記本体部材の周縁に配置された外枠部材と、前記本体部材を前記外枠部材に保持する保持機構と、を有し、
前記本体部材と前記外枠部材とは分離可能である成形型。
【請求項2】
前記保持機構は、前記外枠部材に固定されて前記本体部材を保持する保持部材と、前記外枠部材から前記本体部材に亘って形成され前記保持部材を収容する溝部と、を含む請求項1に記載の成形型。
【請求項3】
前記本体部材は、前記外枠部材に固定された前記保持部材に対して上下方向に移動可能である請求項2に記載の成形型。
【請求項4】
前記保持部材は、ボルトにより前記外枠部材に固定されており、
前記ボルトの頭部は、前記外枠部材のうち、前記第1面と反対側の第2面に形成された凹部に収容されている請求項2又は3に記載の成形型。
【請求項5】
前記外枠部材には、前記本体部材が取付けられる矩形状の開口部、及び前記ポットに繋がる貫通孔が形成されており、
前記開口部を構成する四つの内側面のうち前記貫通孔に隣り合う一つの前記内側面を除く三つの前記内側面の少なくとも一つには、テーパが形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の成形型。
【請求項6】
前記本体部材は、止めねじによって、前記外枠部材の前記開口部のうち前記貫通孔に隣り合う一つの前記内側面に押し付けられている請求項5に記載の成形型。
【請求項7】
前記本体部材は、前記第1面に前記キャビティを有し、前記第1面と反対側の第2面にランナを有する請求項1から6のいずれか一項に記載の成形型。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の成形型と、
前記成形型を型締めする型締め機構と、を備える樹脂成形装置。
【請求項9】
請求項8に記載の樹脂成形装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、
前記成形型に前記成形対象物及び前記樹脂材料を供給する供給工程と、
前記型締め機構により前記成形型を型締めする型締め工程と、
前記ポットから前記ゲートを介して前記キャビティに、溶融した前記樹脂材料を流動させることにより、前記成形対象物の樹脂成形を行う成形工程と、を含む樹脂成形品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形型、樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップが固定された基板等は、一般的に樹脂封止することにより電子部品として用いられる。従来、基板等を樹脂封止するための樹脂成形装置としてトランスファ成形用の金型を備えたものが知られている。トランスファ成形には、基板等に対して垂直な方向から樹脂材料を供給するトップゲート方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されたトップゲート方式のトランスファ成形用の金型においては、上型と下型とそれらの間の中間型(特許文献1においては中型)とで構成されている。特許文献1に開示された金型において、上型にはランナが形成され、中間型にはキャビティやゲートが形成され、下型にはキャビティが形成される。ランナは中間型に形成される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トップゲート方式のトランスファ成形の金型においては、中間型にキャビティ、ゲート、ランナ等が形成されるため、金型の製造時には中間型の加工に長時間を要する。また、中間型の加工誤差や中間型の一部に損傷が発生した場合には、中間型の全体が使用できなくなる。
【0006】
そこで、短時間で中間型を製造することが可能な成形型、樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る成形型の特徴構成は、成形対象物を保持し、樹脂材料が供給されるキャビティを有する成形型本体を備え、前記成形型本体は、上型と、前記樹脂材料が充填されるポットが形成されたポットブロックを含む下型と、前記上型と前記下型との間に配置され、前記成形対象物と対向する第1面を有する中間型と、を有し、前記中間型は、前記キャビティに前記樹脂材料を供給するゲートを有する本体部材と、前記本体部材の周縁に配置された外枠部材と、前記本体部材を前記外枠部材に保持する保持機構と、を有し、前記本体部材と前記外枠部材とは分離可能である点にある。
【0008】
本発明に係る樹脂成形装置の特徴構成は、上記に記載の成形型と、前記成形型を型締めする型締め機構と、を備える点にある。
【0009】
本発明に係る樹脂成形品の製造方法の特徴は、上記に記載の樹脂成形装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、前記成形型に前記成形対象物及び前記樹脂材料を供給する供給工程と、前記型締め機構により前記成形型を型締めする型締め工程と、前記ポットから前記ゲートを介して前記キャビティに、溶融した前記樹脂材料を流動させることにより、前記成形対象物の樹脂成形を行う成形工程と、を含む点にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、短時間で中間型を製造することが可能な成形型、樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る樹脂成形装置を表す模式図である。
【
図2】樹脂成形装置の型締め機構を表す模式図である。
【
図3】型締め工程を含む成形工程を表す模式図である。
【
図4】型締め工程を含む成形工程を表す模式図である。
【
図5】第1実施形態に係る中間型の分解斜視図である。
【
図8】
図7のVIII-VIII線矢視断面図である。
【
図14】第2実施形態に係る中間型を表す断面図である。
【
図15】第2実施形態に係る中間型を表す断面図である。
【
図16】第3実施形態に係る中間型を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る成形型、樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法の実施形態について、図面に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0013】
〔装置全体の構成〕
半導体チップ(以下、単に「チップ」と称する場合がある)が固定された基板等の成形対象物は樹脂封止することにより電子部品として用いられる。この電子部品は、例えば、携帯通信端末用の高周波モジュール基板、電力制御用モジュール基板、機器制御用基板等として用いられる。成形対象物を樹脂封止する技術の一つとして、BGA(Ball Grid Array)基板等を樹脂封止して半導体パッケージを製造するトランスファ方式がある。このトランスファ方式は、チップが固定された基板等を成形型のキャビティに収容し、成形型のポットに粉粒体状樹脂を固めた樹脂タブレットを供給して加熱,溶融した後、該成形型を型締めした状態で樹脂タブレットが溶融した溶融樹脂をキャビティに供給して硬化させ、型開きして樹脂成形品を製造する方式である。なお、本実施形態におけるトランスファ方式には、トップゲート方式を用いている。
【0014】
粉粒体状樹脂は、粉粒体状の樹脂だけでなく、粉粒体状の樹脂を押し固めた固形樹脂で形成される樹脂タブレットを含んでおり、いずれも加熱により溶融して液状の溶融樹脂となる。この粉粒体状樹脂は、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でも良い。熱硬化性樹脂は、加熱すると粘度が低下し、更に加熱すると重合して硬化し、硬化樹脂となる。本実施形態における粉粒体状樹脂は、取扱いの容易性から固形樹脂で形成される樹脂タブレットが好ましい。また、微粒子化したフィラーを含む高流動性の熱硬化性樹脂であることが好ましい。
【0015】
図1には、本実施形態に係る樹脂成形装置100の概略構成を示している。樹脂成形装置100は、成形型Cを用いて樹脂成形前基板Sa(成形対象物の一例)を樹脂で成形する装置である。本実施形態において、樹脂成形前基板Saは矩形状であり、半導体チップが予め固定されている。
【0016】
樹脂成形装置100は、中央制御装置としてのCPU1、制御プログラム等の制御情報を記憶する記憶部8、成形型Cを有する成形機構2、後述の各部を駆動する駆動機構、及び操作者から動作指令や異常処理関連情報の入力を受け付け、且つ樹脂成形装置100の各種出力情報の表示を行うタッチパネル9を備えている。CPU1は、記憶部8に記憶されたプログラムなどの実行により、樹脂成形装置100の各部の動作を制御する制御部10を構成している。
【0017】
以下で説明する樹脂成形装置100の動作は、特段の説明のない限り、制御部10の動作指令に基づいて行われる。以下の説明において、制御部10の動作指令については原則的に説明を省略し、必要に応じて制御部10の動作指令について説明する。
【0018】
樹脂成形装置100は、複数の樹脂成形前基板Saを収容するインマガジン7などを有する供給モジュールM1、成形型Cを有する成形モジュールM2、及び樹脂成形前基板Saが樹脂で成形された後の樹脂成形済基板Sb(樹脂成形品の一例)を収納するアウトマガジン72を有する収容モジュールM3の各モジュールを、この順に一体の装置として連結して構成される。供給モジュールM1、成形モジュールM2、及び収容モジュールM3には、これら各モジュールのそれぞれに亘り直線状に配設されたガイドGが設けられている。ガイドGは、後述するローダ40及びアンローダ44を走行させるレール状の部材である。ガイドGは、各モジュールのそれぞれにおける背面側に配設されている。
【0019】
各モジュールは互いに着脱可能で、増減可能に構成されている。本実施形態の樹脂成形装置100は、二つの成形モジュールM2を有する。樹脂成形装置100は、成形モジュールM2を一つだけ有する場合も、三つ以上有する場合もあり得る。
【0020】
〔駆動機構〕
駆動機構には、ローダ40、基板供給ユニット42、アンローダ44、型締め機構35、及び後述するトランスファ機構が含まれる。
【0021】
ローダ40は、樹脂成形前基板Saを成形型Cに搬入する搬送機構である。基板供給ユニット42は、インマガジン7から樹脂成形前基板Saを押し出して整列機構70に渡す搬送機構である。アンローダ44は、樹脂成形済基板Sbを成形型Cから搬出する搬送機構である。トランスファ機構は、成形型Cにおいて、ポットからキャビティに樹脂タブレットT(樹脂材料の一例)が溶融した樹脂を供給する機構である。型締め機構35は、成形型Cを型締めする機構である。トランスファ機構は、型締め機構35とは独立して駆動される。
【0022】
ローダ40、基板供給ユニット42、及びアンローダ44はそれぞれ、アクチュエータ40b、アクチュエータ42b、及びアクチュエータ44bを有する。アクチュエータ40b、アクチュエータ42b及びアクチュエータ44bは、例えば、それぞれの設置場所や各部を駆動させる距離などに応じたエアシリンダである。
【0023】
〔基板供給ユニット〕
基板供給ユニット42は、複数の樹脂成形前基板Saを鉛直方向に間隔を空けて収容する収容容器であるインマガジン7から樹脂成形前基板Saを一枚ずつ押し出して整列機構70へ搬送する機構である。基板供給ユニット42は、アクチュエータ42bを有する。本実施形態では、基板供給ユニット42は、アクチュエータ42bにより樹脂成形前基板Saをインマガジン7から押し出して、インマガジン7に隣接して配置されている整列機構70に移動させる。整列機構70は、回転円盤70aを有し、樹脂成形前基板Saが載置されると、回転円盤70aを回転させて、ローダ40による樹脂成形前基板Saのピックアップに適した状態になるように、樹脂成形前基板Saを整列させる。基板供給ユニット42、インマガジン7、及び整列機構70は、供給モジュールM1に設けられている。基板供給ユニット42、インマガジン7、及び整列機構70は、供給モジュールM1において、ガイドGよりも正面側に配置されている。
【0024】
〔ローダ〕
ローダ40は、樹脂成形前基板Saを成形型Cに搬入する搬送機構である。ローダ40は、ガイドGに沿い、供給モジュールM1から成形モジュールM2に亘って移動可能である。ローダ40は、樹脂成形前基板Saと樹脂タブレットTをピックアップするローダピックアップ部40aを有する。
【0025】
ローダピックアップ部40aは、下方に向けて延出する一対の爪(不図示)を複数対備えている。ローダピックアップ部40aは、不図示のアクチュエータにより当該一対の爪を駆動して整列機構70から樹脂成形前基板Saを拾い上げ、成形型Cの下型LM上まで搬送して下型LMに載せる(搬入する)。以下では、ローダピックアップ部40aによる拾い上げ動作を単にピックアップと記載する。
【0026】
またローダピックアップ部40aは、他の不図示のアクチュエータにより樹脂材料保持用の爪を駆動して、樹脂供給装置79から樹脂タブレットTをピックアップする。樹脂タブレットTのピックアップも樹脂成形前基板Saのピックアップと同様に行う。ただし、本実施形態では、一つの爪につき、一つの樹脂タブレットTをピックアップする。
【0027】
ローダピックアップ部40aは、アクチュエータ40bにより、
図1における背面側から正面側に向けて進退可能である。ローダ40は、ローダピックアップ部40aを進退させて、整列機構70から樹脂成形前基板Saをピックアップし、その後、ガイドGに沿って供給モジュールM1から成形モジュールM2に亘って移動し、樹脂成形前基板Saを成形型Cに搬入する。また、ローダ40は、ローダピックアップ部40aを進退させて、樹脂供給装置79から樹脂タブレットTを受け取って、供給モジュールM1から成形モジュールM2に亘り移動し、樹脂タブレットTを成形型Cに搬入する。
【0028】
〔アンローダ〕
アンローダ44は、樹脂成形済基板Sbを成形型Cから搬出する搬送機構である。アンローダ44は、ガイドGに沿い、成形モジュールM2から収容モジュールM3に亘って移動可能である。アンローダ44は、樹脂成形済基板Sbなどをピックアップするアンローダピックアップ部44aを有する。アンローダピックアップ部44aは、アクチュエータ44bにより、
図1における背面側から正面側に向けて進退可能である。アンローダ44は、アンローダピックアップ部44aを進退させて、成形型Cの下型LMから樹脂成形済基板Sbをピックアップし、成形モジュールM2から収容モジュールM3に亘って移動し、樹脂成形済基板Sbを収容モジュールM3のアウトマガジン72に搬送して収容する。
【0029】
なお、アンローダピックアップ部44aはローダピックアップ部40aと同様に下方に向けて延出する一対の爪(不図示)を複数対備えている。アンローダピックアップ部44aのピックアップは、ローダピックアップ部40aのピックアップと同様に行われる。
【0030】
〔成形モジュール〕
次に、成形モジュールM2について、
図2を用いて詳述する。
図2に示されるように、成形モジュールM2は、平面視矩形状の下部固定盤31の四隅にタイバー32が立設されており、タイバー32の上端付近には平面視矩形状の上部固定盤33が設けられている。下部固定盤31と上部固定盤33の間には平面視矩形状の可動プラテン34が設けられている。可動プラテン34は、四隅にタイバー32が貫通する孔が設けられており、タイバー32に沿って上下に移動可能である。下部固定盤31の上には、可動プラテン34を上下に移動させる装置である型締め機構35が設けられている。この型締め機構35は、駆動源としてサーボモータ等で構成される電動モータMaと、成形型Cの型締め力(以下、「クランプ力」と称する)を計測するためのひずみゲージやロードセル等で構成される荷重センサWaとを含んでいる。型締め機構35は、可動プラテン34を上方に移動させることにより成形型Cの型締めを行い、可動プラテン34を下方に移動させることにより成形型Cの型開きを行うことができる。
【0031】
成形型Cは下型LMと、上型UMと、中間型IMとを有する成形型本体Mを含んで構成される。下型LM、上型UM、及び中間型IMは、下型LMと上型UMの間に中間型IMが配置され、金型等で構成されている。
【0032】
下型LMは、可動プラテン34の上に載置された下型プレート38の上に載置されている。下型LMは、ベースブロック51と、ベースブロック51上に配置された下型エジェクタブロック52及び下型キャビティブロック53と、ポットブロック54とを備えている。下型エジェクタブロック52は、ベースブロック51及び下型キャビティブロック53に対して上下方向(以下、鉛直方向ともいう)に移動可能である。下型エジェクタブロック52は、不図示の複数の下型エジェクタピンが収容されており、下型エジェクタピンにより樹脂成形済基板Sbを下型キャビティブロック53からエジェクトする。下型キャビティブロック53は、下型プレート38から上方に延出している下型保持ブロック38a及び複数の下型サポートピラー51aにより保持されている。下型保持ブロック38aは、中間型IMを下型LMに保持するための下型保持爪38bを有している。
【0033】
樹脂成形前基板Saは、半導体チップSc等が固定されている面を上にして下型キャビティブロック53の上面に載置されている。本実施形態では、一度の成形操作で二枚の樹脂成形前基板Saを成形できるように、下型LMは、左右に並設された二つの下型キャビティブロック53,53を有しており、該二つの下型キャビティブロック53,53に挟まれる位置にポットブロック54が配置されている。ポットブロック54には、円筒状の凹部であるポット54bが形成されており、ポット54bの内部に樹脂タブレットT(加熱により溶融する樹脂)が充填されている。ポットブロック54の下方には、サーボモータ等の電動モータMbにより駆動されるプランジャ54aが上下移動可能に内挿されている。プランジャ54aの支持部には弾性部材(不図示)が設けられており、プランジャ54aは弾性部材の弾性力により僅かに変位して過剰な押圧力を逃がすと共に、保圧時には樹脂タブレットTの溶融時の樹脂量のばらつきに順応することができるようになっている。また、下型LMは、プランジャ54aが溶融樹脂Ta(樹脂材料の一例)を押し出す力を計測するためのひずみゲージやロードセル等で構成される荷重センサWbを有している。
【0034】
上型UMは、間に中間型IMを挟んで下型LMと対向して配置されている。上型UMは、上部固定盤33の下面に固定されたホルダベース61、ホルダベース61の下に配置された第1上型エジェクタブロック62、第2上型エジェクタブロック63、上型キャビティブロック64、及びカルブロック65を備えている。カルブロック65は上型キャビティブロック64の下面68に取付けられている。第1上型エジェクタブロック62と第2上型エジェクタブロック63は、ホルダベース61及び上型キャビティブロック64に対して上下方向に移動可能である。第1上型エジェクタブロック62は、不図示の複数の第1上型エジェクタピンが収容されている。なお、第1上型エジェクタピンは、Z形状を有し、型開き時に、カルランナ83a、ランナ83、及びゲート84に残存して硬化した不要な樹脂(以下、残存樹脂Tbともいう)を上型UMに保持し、その後、残存樹脂Tbを樹脂成形済基板Sbと分離して上型キャビティブロック64からエジェクトする。第2上型エジェクタブロック63は、不図示の複数の第2上型エジェクタピンが収容されている。第2上型エジェクタピンにより樹脂成形済基板Sbを中間型IMからエジェクトする。上型キャビティブロック64は、ホルダベース61の両端から下方に延出している上型保持ブロック61a及び複数の上型サポートピラー61bにより保持されている。上型保持ブロック61aには、中間型IMを上型UMに保持するための上型保持爪61cが形成されている。
【0035】
中間型IMは、板形状を有しており、上型UMと対向する側の第2面82にランナ83が形成され、下型LMと対向する側の第1面81にキャビティMCが形成されている。ここで、中間型IMにおいて、樹脂成形前基板Saと対向する側の面を成形面といい、その反対側の面を非成形面という。本実施形態では、第2面82が非成形面となり、第1面81が成形面となる。中間型IMは、第2面82から第1面81にかけて、ランナ83を流通する溶融樹脂TaをキャビティMCに供給するゲート84が形成されている。
図2において、中間型IMは、樹脂封止前基板Saに固定されている複数の半導体チップSc等を収容するキャビティMCを有しており、ポットブロック54のポット54bに対応する部分に、ポット54bからの溶融樹脂Taが流通する貫通孔85が形成されている。本実施形態の成形型本体Mは、キャビティMCの上方にゲート84が配置されたトップゲート方式に構成されている。
【0036】
〔樹脂成形品の製造方法〕
次に、
図1~
図4を用いて樹脂成形品の製造方法について説明する。樹脂成形品(樹脂成形済基板Sb)の製造方法は、樹脂成形前基板Sa及び樹脂タブレットTを成形型Cに供給する供給工程と、成形型Cを型締めする型締め工程と、ゲート84から供給された溶融樹脂TaをキャビティMCに充填することにより、樹脂成形前基板Saの樹脂成形を行う成形工程とを含んでいる。この成形工程は、樹脂成形前基板Saの成形モジュールM2への搬入から樹脂成形済基板Sbの成形モジュールM2からの搬出までの間において、成形モジュールM2が樹脂成形前基板Saを樹脂成形する工程であり、当該成形工程には型締め工程が含まれている。成形工程における成形型C及び型締め機構35の作動は、制御部10により制御される。
【0037】
まず、供給工程について説明する。
図1に示されるように、樹脂タブレットTの収容空間を断熱した状態で、ローダ40を予め加熱しておく。また、不図示のヒータに通電して、予め成形型本体Mを加熱しておく(
図2も参照)。そして、インマガジン7から取り出した二枚の樹脂成形前基板Saを整列機構70に載置する。整列機構70は、回転円盤70aを有し、樹脂成形前基板Saが載置されると、回転円盤70aを回転させて、ローダ40による樹脂成形前基板Saのピックアップに適した状態になるように樹脂成形前基板Saを整列させる。ローダピックアップ部40aは、アクチュエータ40bにより整列機構70から樹脂成形前基板Saを拾い上げてローダ40に載置すると共に、樹脂供給装置79から樹脂タブレットTを受け取ってローダ40の樹脂タブレットTの収容空間に収容する。そして、ローダ40は、樹脂成形前基板Saを成形モジュールM2まで搬送し、半導体チップが固定された側を上方に向けた樹脂成形前基板Saを下型LMの基板セット部に載置すると共に、樹脂タブレットTをポットブロック54のポット54b内に収容する(
図2参照)。樹脂タブレットTをポットブロック54のポット54b内に収容することにより、下型LMに内蔵された不図示のヒータが樹脂タブレットTを加熱して、溶融樹脂Taとなる。
【0038】
図2に示されるように、中間型IMは、上型保持爪61cにより保持され、第2面82と上型キャビティブロック64の下面68とが接触している。これにより、中間型IMは上型キャビティブロック64と一体化されている。また、このとき、中間型IMの貫通孔85に、上型キャビティブロック64に取付けられたカルブロック65が入り込んでおり、貫通孔85の内周面とカルブロック65の外周面との間に溶融樹脂Taが流通するカルランナ83a(カル部の樹脂通路)が形成されている。
【0039】
次に型締め工程を含む成形工程について説明する。まず、
図2に示される状態から型締め機構35により可動プラテン34を上方に移動させて下型LMを上型UM及び中間型IMの方向(鉛直方向)に移動させ、
図3に示されるように、下型キャビティブロック53と中間型IMの第1面81とを接触させる。さらに、型締め機構により可動プラテン34を上方に移動させて下型LMを上型UMの方向に更に移動させ、型締めする。型締めが完了した後、電動モータMbによりプランジャ54aを上方に移動させて、溶融樹脂Taを、ポット54bからカルランナ83aとランナ83とを介してゲート84に流通させる。そして、ゲート84からキャビティMCに溶融樹脂Taの供給を開始する。この後、さらに、プランジャ54aを含むトランスファ機構39が上昇し、ポット54b内の溶融樹脂TaがキャビティMC内に充填されていく。そして、溶融樹脂TaのキャビティMC内への充填が完了した後、所定の時間を経過させ、溶融樹脂Taを硬化させる。
【0040】
溶融樹脂Taが硬化した後に、制御部10は、型締め機構により可動プラテンを下方に移動させて成形型Cの型開きを行う。このとき、中間型IMは下型保持爪38bにより保持されているので下型LMと一体となって下方に移動し、残存樹脂Tbは中間型IMから離型して上型キャビティブロック64に密着した状態が維持される。すなわち、中間型IMが上型UMから離れることにより、残存樹脂Tbは、樹脂成形済基板Sbから切り離される(
図4参照)。
【0041】
その後、上型キャビティブロック64に密着した残存樹脂Tbは、第1上型エジェクタブロック62の下方への移動に伴って上型キャビティブロック64から下方に突出する不図示の複数の第1上型エジェクタピンにより、上型キャビティブロック64から離型されてアンロードされる。
【0042】
次に、再び型締め機構35により可動プラテン34を上方に移動させて下型LMを上型UM及び中間型IMの方向に移動させ、下型キャビティブロック53と中間型IMとを接触させる。そして、中間型IMの保持を下型保持爪38bから上型保持爪61cに切替える。これにより、中間型IMは再び上型UMと一体化される。
【0043】
その後、制御部10は、可動プラテンを下方に移動させて成形型Cの型開きを行う。このとき、中間型IMは上型保持爪61cにより保持されているので下型LMだけが下方に移動する。下型LMの下方移動に連動して不図示の第2上型エジェクタブロック63も下方に移動し、第2上型エジェクタピンが樹脂成形済基板Sbに接触したまま中間型IMから下方に突出する。これにより、樹脂成形済基板Sbは、中間型IMから離型して下型キャビティブロック53に密着した状態が維持される。
【0044】
下型LMが下方に移動した後、下型エジェクタブロック52が相対的に上方へ移動し、それに伴い、不図示の下型エジェクタピンも上昇する。これにより、樹脂成形済基板Sbを下型LMから離型させて樹脂成形を終了する。その後、樹脂成形済基板Sbをアンローダ44のアンローダピックアップ部44aによりピックアップし、アンローダ44により樹脂成形済基板Sbを成形モジュールM2から収容モジュールM3に亘って移動させる。そして、収容モジュールM3において、アウトマガジン72に収容する(
図1参照)。
【0045】
〔中間型の構成〕
〔第1実施形態〕
本実施形態の中間型IMは、
図5、
図6に示されるように、複数(本実施形態では二つ)の本体部材86と、本体部材86の周縁に配置された外枠部材87とを含んでいる。本体部材86は、キャビティMCが形成される本体成形面81a(第1面の一例)、本体成形面81aの反対の面である本体非成形面82a(第2面の一例)、ランナ83、及びゲート84を有する。外枠部材87は、外枠成形面81b(第1面の一例)、外枠非成形面82b(第2面の一例)、及び貫通孔85(カルランナ83a)を有する。外枠部材87は二つの矩形状の開口部87aを有し、二つの本体部材86はそれぞれ開口部87aに装着された状態で保持機構88に保持される。本体部材86と外枠部材87とは分離可能である。
【0046】
〔外枠部材〕
外枠部材87は、平面視(第1面81に対して垂直な方向視。以下同様。)で矩形状の開口部87aを二つ有する板状である。外枠部材87は、外枠部材87の外枠を構成する二つの短フレーム87c及び二つの長フレーム87d、二つの短フレーム87cにかけ渡されている一つの中央フレーム87eを有している。各開口部87aは、二つの短フレーム87c、一つの長フレーム87d、及び一つの中央フレーム87eにより区画されている。中央フレーム87eには、複数(本実施形態では五つ)の貫通孔85とランナ83とが形成されている。二つの開口部87aは同じ形状であるため、以下では、一方の開口部87aについてのみ説明する。
【0047】
開口部87aは、四つの内側面を有して構成されている。具体的には、二つの短フレーム87cのそれぞれにより構成される二つの第1内側面87f(内側面の一例)、長フレーム87dにより構成される第2内側面87g(内側面の一例)、及び中央フレーム87eにより構成される第3内側面87h(内側面の一例)である。このうち、二つの第1内側面87fのそれぞれには、段部87iが形成されている。具体的には、第1内側面87fのうち外枠成形面81bに隣接している面は、外枠非成形面82bに隣接している面よりも開口部87aの内側に突出して段部87iを構成している。
【0048】
図7に示されるように、外枠部材87の外枠非成形面82bに隣接している二つの第1内側面87fと第2内側面87gには、開口部87aへの本体部材86の装着を容易にするテーパ87jが形成されている(
図8も参照)。つまり、テーパ87jは開口部87aに三つ形成されている。また、
図9に示されるように、外枠部材87の第2内側面87gには、第2内側面87gから開口部87aの内側に突出可能な態様で、複数(本実施形態では四つ)の六角穴付きボルト87k(止めねじの一例)が取付けられている(
図5も参照)。開口部87aに本体部材86を装着した状態で、六角穴付きボルト87kを締めて第2内側面87gから開口部87aの内側に突出させることにより、本体部材86を第3内側面87hに向けて押し付ける。これにより、本体部材86の本体非成形面82aと外枠部材87の中央フレーム87eの外枠非成形面82bとの間の隙間がなくなり、樹脂成形品(樹脂成形済基板Sb)の製造時に、本体部材86と中央フレーム87eとの間からランナ83を流動する溶融樹脂Taが漏出することがない。
【0049】
〔本体部材〕
図5、
図6に示されるように、本体部材86は、平面視で矩形状の板状であり、本体成形面81aにキャビティMCが形成されており、本体非成形面82aにランナ83が形成されている。ランナ83からキャビティMCにかけて本体部材86を厚み方向に貫通してゲート84が形成されている。本体部材86において、外枠部材87の短フレーム87cの第1内側面87fに対向する外側面86bは、第1内側面87fの段部87iに対応する段部86cが形成されている。具体的には、外側面86bのうち本体成形面81aに隣接している面は、本体非成形面82aに隣接している面よりも窪んでいる。そのため、本体成形面81aを下向きにした状態で本体部材86を外枠部材87の開口部87aに対して下方に移動させて装着したときに、本体部材86の段部86cが外枠部材87の段部87iに接触する。これにより、本体成形面81aが外枠部材87に対して保持される(
図11も参照)。なお、本体部材86の段部86cが外枠部材87の段部87iに接触した状態で、本体部材86の本体成形面81aと外枠部材87の外枠成形面81bは面一になり、本体部材86の本体非成形面82aと外枠部材87の外枠非成形面82bは面一になる。
【0050】
〔保持機構〕
本実施形態における保持機構88は、
図5に示されるように、第1保持部材88a(保持部材の一例)、第2保持部材88b(保持部材の一例)、本体溝部86a(溝部の一例)、及び外枠溝部87b(溝部の一例)を有する。第1保持部材88a及び第2保持部材88bは、外枠部材87に固定されて本体部材86を保持する。本体溝部86aは本体部材86に形成され、外枠溝部87bは本体溝部86aから連続する位置であって外枠部材87に形成されている。第1保持部材88aは本体部材86の第1面81側に配置され、第2保持部材88bは本体部材86の第2面82側に配置されている。第1保持部材88aと第2保持部材88bとで本体部材86を挟むことにより、本体部材86を外枠部材87に対して保持する。
【0051】
図8、
図10、
図11に示されるように、第1保持部材88a及び第2保持部材88bは、本体溝部86aから外枠溝部87bに亘って収容されている。本体溝部86aの本体成形面81a及び本体非成形面82aからの深さは、外枠溝部87bの外枠成形面81b及び外枠非成形面82bからの深さよりも少し深い。また、外枠溝部87bは、第1保持部材88a及び第2保持部材88bをそれぞれ収容した状態で、第1保持部材88aが外枠成形面81bよりも突出せず、第2保持部材88bが外枠非成形面82bよりも突出しない程度の深さである。
【0052】
第1保持部材88aと第2保持部材88bは、それぞれ
図12、
図13に示されるように、後述する貫通孔の形状が異なるだけで、他は同じ形状を有している。よって、以下では、第1保持部材88aについてのみ説明し、第2保持部材88bについての説明は省略する。貫通孔の形状については、第1保持部材88aと第2保持部材88bのそれぞれについて説明する。
【0053】
第1保持部材88aは、
図12に示されるように、固定部88cと固定部88cから延出する保持部88dとを有する。固定部88cは外枠溝部87bに収容される箇所であり、保持部88dは本体溝部86aに収容される箇所である(
図8も参照)。第1保持部材88aは平面視で略d字状を有しており、固定部88cに上述した貫通孔が形成されている。第1保持部材88aの固定部88cに形成された貫通孔は雌ねじ88eである。一方、第2保持部材88bの固定部88cの貫通孔は、
図13に示されるように、座ぐり穴88fである(
図10、
図11も参照)。固定部88cの保持部88dとは反対側の端部、及び保持部88dの固定部88cとは反対側の端部には、それぞれC面取りが形成されている。第1保持部材88aと第2保持部材88bは、
図8、
図10、
図11に示されるように、それぞれ頭部付きボルト87l(ボルトの一例。以下、単にボルト87lという)により外枠部材87に固定されている。なお、第1保持部材88aの固定部88c及び保持部88dにおける貫通孔(雌ねじ88e)の中心軸心に沿う方向の厚さは同じである。
【0054】
図8に示されるように、第1保持部材88aが収容される外枠成形面81b側の外枠溝部87bの底部には、収容された第1保持部材88aの雌ねじ88eと同軸心になり、雌ねじ88eに締結可能なボルト87lが貫通可能な貫通孔87mが形成されている。また、貫通孔87mの外枠非成形面82b側には、ボルト87lの頭部87pが収容可能な座ぐり87o(凹部の一例)が形成されている。座ぐり87oの深さはボルト87lの頭部87pの厚さよりも深い。また、
図10、
図11に示されるように、第2保持部材88bが収容される外枠非成形面82b側の外枠溝部87bの底部には、収容された第2保持部材88bにおいてボルト87lが貫通可能な座ぐり穴88fと同軸心になり、ボルト87lに締結可能な雌ねじ87nが形成されている。本実施形態において、雌ねじ87nは第1面81まで貫通していないが、貫通させてもよい。第2保持部材88bの座ぐり穴88fにおける座ぐりの深さはボルト87lの頭部87pの厚さよりも深い。
【0055】
図5、
図6に示されるように、第1保持部材88aは、外枠成形面81bの長フレーム87dの二箇所に取付けられる。また、第2保持部材88bは、
図5、
図7に示されるように、外枠非成形面82bにおいて、二つの短フレーム87cのそれぞれに一箇所ずつ、長フレーム87dの二箇所、中央フレーム87eの二箇所にそれぞれ取り付けられる。第1面81側においては、上述したように、本体部材86の段部86cが短フレーム87cの段部87iに保持されているので、第1面81側の短フレーム87cには、第1保持部材88aを必要としない。なお、
図5において、中央フレーム87eの二箇所に取付けられた第2保持部材88bの描写は省略している。
【0056】
図8、
図10、
図11に示されるように、第1面81側に収容される第1保持部材88aと第2面82側に収容される第2保持部材88bは、いずれも、第2面82側(外枠非成形面82b)からボルト87lを挿入して締結する。このように、第2面82側からボルト87lを挿入して締結することにより、締結等の際に第1面81に形成されたキャビティMCを誤って傷つけるおそれが抑制される。
【0057】
本体部材86と外枠部材87は同じ厚みである。すなわち、本体成形面81aと本体非成形面82aの間の距離と、外枠成形面81bと外枠非成形面82bの間の距離とは同じである。また、
図8、
図10、
図11に示されるように、第1保持部材88a、第2保持部材88bにおける、固定部88cと保持部88dの貫通孔(雌ねじ88e、座ぐり穴88f)の中心軸心に沿う方向の厚さは同じである。さらに、本体溝部86aの本体成形面81a及び本体非成形面82aからの深さは、外枠溝部87bの外枠成形面81b及び外枠非成形面82bからの深さよりも少し深い。そのため、本体部材86を外枠部材87に装着して第1保持部材88a、第2保持部材88bで保持した状態で、本体部材86の本体成形面81aと外枠部材87の外枠成形面81bとを面一にしたときに、第1保持部材88a、第2保持部材88bのそれぞれの固定部88cの底面と本体溝部86aの底部との間には間隙dが存在する。間隙dの存在により、本体部材86は外枠部材87(第1保持部材88a、第2保持部材88b)に対して上下方向(本体部材86の厚み方向)に間隙dだけそれぞれ相対移動可能となる。
【0058】
もし、本体溝部86aの本体成形面81a及び本体非成形面82aからの深さと、外枠溝部87bの外枠成形面81b及び外枠非成形面82bからの深さとが同じであれば、本体部材86は、外枠部材87に対して間隙なく固定される。その場合、本体部材86と外枠部材87の厚みが同じであっても、第1面81及び第2面82における本体溝部86a及び外枠溝部87bの深さのばらつきにより、本体部材86の本体成形面81aと外枠部材87の外枠成形面81bとが面一にならないおそれがある。その場合、中間型IMの表面に本体部材86と外枠部材87とによる段差が生じることとなり、型締め機構による成形型の型締めを正しく行うことができない。しかし、本実施形態のように、本体部材86が外枠部材87に対して上下方向に相対移動可能であれば、本体部材86と外枠部材87とが同じ厚みになるように加工するだけで、型締め機構35による型締めの際に、中間型IMが上型と下型とに挟まれることにより、本体部材86が外枠部材87に対して本体成形面81aと外枠成形面81bとが面一になるように上下方向に移動し、成形型の型締めを正しく行うことができる。
【0059】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る中間型IMの構成について
図14、
図15を用いて説明する。本実施形態においては、外枠部材87の短フレーム87cの第1内側面87fで本体部材86の本体成形面81aを保持する方法が第1実施形態とは異なっており、それ以外は第1実施形態と同様の構成を有している。そのため、本実施形態の説明においては、第1実施形態と同様の構成の箇所については同じ符号を付し、同様の構成に関する詳細な説明を省略する。
【0060】
図14は、短フレーム87cの延出方向に対して垂直に第1保持部材88aを切断する箇所における中間型IMの断面図であり、本体部材86から外枠部材87の短フレーム87cにかけての断面を示す。
図15は、短フレーム87cの延出方向に対して垂直に第2保持部材88bを切断する箇所における中間型IMの断面図であり、本体部材86から外枠部材87の短フレーム87cにかけての断面を示す。本実施形態においては、外枠部材87の短フレーム87cの第1内側面87fには段部87iが形成されておらず、第1内側面87fは平面状である。また、本体部材86の外側面86bにも段部86cが形成されておらず、外側面86bは平面状である。そして、本実施形態の短フレーム87cにおいては、本体成形面81aは第1保持部材88aにより保持され、本体非成形面82aは第2保持部材88bに保持される。
【0061】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態に係る中間型IMの構成について
図16を用いて説明する。本実施形態においては、外枠部材87の短フレーム87cの第1内側面87fで本体部材86の本体非成形面82aを保持する方法が第1実施形態とは異なっており、それ以外は第1実施形態と同様の構成を有している。そのため、本実施形態の説明においては、第1実施形態と同様の構成の箇所については同じ符号を付し、同様の構成に関する詳細な説明を省略する。
【0062】
図16は、短フレーム87cの延出方向に対して垂直にボルト87lを切断する箇所における中間型IMの断面図であり、本体部材86から外枠部材87の短フレーム87cにかけての断面を示す。本実施形態における本体成形面81aは、外枠部材87の短フレーム87cの第1内側面87fに形成された段部87iと、本体部材86の外側面86bに形成された段部86cとが接触することにより保持されている。また、本体非成形面82aは、段部86cと段部87iとを締結する複数のボルト87lにより外枠部材87に固定されている。ボルト87lは、本体非成形面82aの側から本体成形面81aに向けて挿入されている。ボルト87lの頭部87pは座ぐり87oに収容されている。
【0063】
〔別実施形態〕
以下、上述した実施形態の別実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同様の部材については、理解を容易にするため、同一の用語、符号を用いて説明する。
【0064】
<1>上述した実施形態においては、一度の成形操作で二枚の樹脂成形前基板Saを成形する成形型であり、中間型IMは本体部材86を二つ有しているが、一度の成形操作で一枚の樹脂成形前基板Saを成形する成形型で、中間型IMが有する本体部材86は一つであってもよい。
【0065】
<2>上述した実施形態においては、中間型IMの本体部材86は矩形状であったが、これに限られるものではない。例えば円形状など、任意の形状を用いることができる。また、本体部材86のサイズも限定されない。
【0066】
<3>上述した実施形態においては、中間型IMだけにキャビティMCが形成されていたが、これに限られるものではない。キャビティMCは、中間型IMと下型LMの両方に形成されてもよいし、下型LMだけに形成されてもよい。
【0067】
<4>上述した実施形態においては、中間型IMだけにランナ83が形成されていたが、これに限られるものではない。ランナ83は中間型IMと上型UMとに亘って形成されてもよいし、上型UMだけに形成されてもよい。
【0068】
<5>上述した実施形態の本体部材86においては、本体溝部86aの本体成形面81a及び本体非成形面82aからの深さは、外枠溝部87bの外枠成形面81b及び外枠非成形面82bからの深さよりも少し深く形成されていた。また、第1保持部材88a、第2保持部材88bにおける、固定部88cと保持部88dの貫通孔(雌ねじ88e、座ぐり穴88f)の中心軸心に沿う方向の厚さは同じであったがこれに限られるものではない。本体溝部86aの深さと外枠溝部87bの深さとを同じにして、第1保持部材88a及び第2保持部材88bにおける、保持部88dの厚さを固定部88cの厚さよりも薄くしてもよい。また、本体溝部86aの深さを外枠溝部87bの深さよりも深くして、かつ第1保持部材88a及び第2保持部材88bにおける、保持部88dの厚さを固定部88cの厚さよりも薄くしてもよい。外枠部材87に対して本体部材86が上下方向に相対移動可能に構成されていれば、本体溝部86aの深さと外枠溝部87bの深さの関係、及び第1保持部材88a、第2保持部材88bにおける保持部88dの厚さと固定部88cの厚さとの関係については任意の構成を採用することができる。
【0069】
<6>上述した実施形態において本体部材86を保持する第1保持部材88a、第2保持部材88bの個数は、実施形態で開示した個数に限られない。実施形態で開示した個数より多くても少なくてもよい。また、上述した実施形態の第1保持部材88a、第2保持部材88bの形状は、平面視で略d字状の形状を有しているが、本体溝部86aと外枠溝部87bに亘って配置される形状であれば特に限定されず、例えば、平面視で矩形形状であってもよい。
【0070】
<7>上述した実施形態においては、本体部材86が外枠部材87に装着された状態で、本体部材86の段部86cが外枠部材87の段部87iに接触していたが、これに限られるものではない。本体部材86の段部86cと外枠部材87の段部87iとの間に、間隙d程度の隙間を有していてもよい。
【0071】
<8>外枠部材87の短フレーム87cの第1内側面87fで本体部材86を保持する構成として、第1実施形態においては、第1内側面87fに段部87iを設けて本体部材86の段部86cを保持することにより本体成形面81aを保持し、本体非成形面82aを第2保持部材88bで保持した。第2実施形態においては、本体部材86の本体成形面81aを第1保持部材88aで保持し、本体非成形面82aを第2保持部材88bで保持した。第3実施形態においては、第1内側面87fに段部87iを設けて本体部材86の段部86cを保持することにより本体成形面81aを保持し、本体非成形面82aをボルト87lで締結することにより保持した。しかし、本体成形面81aと本体非成形面82aを保持する方法はこれだけに限られない。外枠部材87においては、第1内側面87fに代えて又は第1内側面87fと共に、第2内側面87g、第3内側面87hにも段部を設けてもよい。また、段部で本体部材86の本体成形面81aを保持したときの本体非成形面82aを保持する方法も、第2保持部材88b、ボルト87lのいずれか若しくは両方で保持してもよい。これらの方法は可能な限り、自由に組み合わせて本体部材86を保持することができる。
【0072】
<9>上述した実施形態においては、外枠部材87の外枠非成形面82bに隣接している二つの第1内側面87fと第2内側面87g(開口部87aの三つの内面)に、テーパ87jが形成されていたが、これに限られるものではない。テーパ87jは二つの第1内側面87fと第2内側面87gの三つの内面の少なくとも一つに形成されていればよい。
【0073】
<10>上述した実施形態においては、トップゲート方式のトランスファ成形用の成形型であり、キャビティの上方にゲートが形成されていたが、これに限られるものではない。例えば、キャビティの下方にゲートが形成されていている成形型でもよい。
【0074】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上述の実施形態において説明した成形型C、樹脂成形装置100及び樹脂成形品(樹脂成形済基板Sb)の製造方法の概要について説明する。
【0075】
(1)成形型Cの特徴構成は、成形対象物(樹脂成形前基板Sa)を保持し、樹脂材料(樹脂タブレットT、溶融樹脂Ta)が供給されるキャビティMCを有する成形型本体Mを備え、成形型本体Mは、上型UMと、樹脂材料(樹脂タブレットT)が充填されるポット54bが形成されたポットブロック54を含む下型LMと、上型UMと下型LMとの間に配置され、成形対象物(樹脂成形前基板Sa)と対向する第1面81を有する中間型IMと、を有し、中間型IMは、キャビティMCに樹脂材料(溶融樹脂Ta)を供給するゲート84を有する本体部材86と、本体部材86の周縁に配置された外枠部材87と、本体部材86を外枠部材87に保持する保持機構88と、を有し、本体部材86と外枠部材87とは分離可能である点にある。
【0076】
本特徴構成に係る成形型Cにおいては、中間型IMが本体部材86と外枠部材87とから構成されている。本体部材86は外枠部材87に対して保持機構88により保持されると共に、本体部材86と外枠部材87とは互いに分離可能である。そのため、本体部材86と外枠部材87とを並行して製造することができるので、中間型IMを製造する時間を短縮することができる。また、本体部材86と外枠部材87とを別々に製造するので、一方の製造工程において不良が発生して廃棄されるような場合でも、他方にはその影響が及ばない。そのため、中間型IMを効率的に製造することができる。
【0077】
(2)上記(1)に記載の成形型Cにおいて、保持機構88は、外枠部材87に固定されて本体部材86を保持する保持部材(第1保持部材88a、第2保持部材88b)と、外枠部材87から本体部材86に亘って形成され保持部材(第1保持部材88a、第2保持部材88b)を収容する溝部(本体溝部86a、外枠溝部87b)と、を含んでもよい。
【0078】
本構成であれば、保持部材(第1保持部材88a、第2保持部材88b)を溝部(本体溝部86a、外枠溝部87b)に収容するだけで、外枠部材87に対して本体部材86を保持することができる。
【0079】
(3)上記(2)に記載の成形型Cにおいて、本体部材86は、外枠部材87に固定された保持部材(第1保持部材88a、第2保持部材88b)に対して上下方向に移動可能であってもよい。
【0080】
本構成であれば、本体部材86と外枠部材87とが同じ厚みになるように加工するだけで、型締め機構35による型締めの際に、中間型IMが上型UMと下型LMとに挟まれることにより、本体部材86の第1面81が外枠部材87の第1面81とが面一になるように本体部材86が外枠部材87に対して上下方向に移動する。これにより、成形型Cの型締めを正しく行うことができる。
【0081】
(4)上記(2)又は(3)に記載の成形型Cにおいて、保持部材(第1保持部材88a、第2保持部材88b)は、ボルト(頭部付きボルト87l)により外枠部材87に固定されており、ボルト(頭部付きボルト87l)の頭部87pは、外枠部材87のうち、第1面81と反対側の第2面82に形成された凹部(座ぐり87o)に収容されてもよい。
【0082】
本構成であれば、ボルト(頭部付きボルト87l)の頭部87pが凹部(座ぐり87o)に収容されているので、型締め機構35による型締めの際に、ボルト(頭部付きボルト87l)の頭部87pが型締めを妨げることがない。
【0083】
(5)上記(1)から(4)のいずれか一つに記載の成形型Cにおいて、外枠部材87には、本体部材86が取付けられる矩形状の開口部87a、及びポット54bに繋がる貫通孔85が形成されており、開口部87aを構成する四つの内側面(第1内側面87f、第2内側面87g、第3内側面87h)のうち貫通孔85に隣り合う一つの内側面を除く三つの内側面(第1内側面87f、第2内側面87g、第3内側面87h)の少なくとも一つには、テーパ87jが形成されている。
【0084】
本構成であれば、テーパ87jに沿って本体部材86をスムーズに外枠部材87に装着することができる。
【0085】
(6)上記(5)に記載の成形型Cにおいて、本体部材86は、止めねじ(六角穴付きボルト87k)によって、外枠部材87の開口部87aのうち貫通孔85に隣り合う一つの内側面に押し付けられてもよい。
【0086】
本構成であれば、本体部材86が止めねじ(六角穴付きボルト87k)によって外枠部材87の開口部87aのうち貫通孔85に隣り合う一つの内側面に押し付けられるので、本体部材86と外枠部材87との間の隙間がなくなり、樹脂成形品(樹脂成形済基板Sb)の製造時に、本体部材86と外枠部材87との間から溶融樹脂Taが漏出することがない。
【0087】
(7)上記(1)から(6)のいずれか一つに記載の成形型Cにおいて、本体部材86は、第1面81(本体成形面81a)にキャビティMCを有し、第1面81と反対側の第2面82(本体非成形面82a)にランナ83を有してもよい。
【0088】
本構成であれば、本体部材86の加工だけで、トップゲート方式の成形型Cを構成することができる。
【0089】
(8)樹脂成形装置100の特徴構成は、上記(1)から(7)のいずれか一つに記載の成形型Cと、成形型Cを型締めする型締め機構35と、を備える点にある。
【0090】
本特徴構成に係る樹脂成形装置100であれば、上記(1)から(7)のいずれか一つに記載の成形型Cを用いて樹脂成形品(樹脂成形済基板Sb)を製造することができる。
【0091】
(9)上記(8)に記載の樹脂成形装置100を用いた樹脂成形品(樹脂成形済基板Sb)の製造方法の特徴は、成形型Cに成形対象物(樹脂成形前基板Sa)及び樹脂材料(樹脂タブレットT)を供給する供給工程と、型締め機構35により成形型Cを型締めする型締め工程と、ポット54bからゲート84を介してキャビティMCに、溶融した樹脂材料(溶融樹脂Ta)を流動させることにより、成形対象物(樹脂成形前基板Sa)の樹脂成形を行う成形工程と、を含む点にある。
【0092】
本特徴を有する樹脂成形品(樹脂成形済基板Sb)の製造方法においては、供給工程で成形型Cに成形対象物(樹脂成形前基板Sa)及び樹脂材料(樹脂タブレットT)を供給した後、型締め工程で樹脂材料(樹脂タブレットT)を加熱した状態で型締め機構35により成形型Cを型締めする。そして、成形工程でポット54bからゲート84を介してキャビティMCに樹脂材料(溶融樹脂Ta)を流動させて成形対象物(樹脂成形前基板Sa)の樹脂成形を行うことにより、成形型Cを用いて樹脂成形品(樹脂成形済基板Sb)を製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、成形型、樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法に利用可能である。
【符号の説明】
【0094】
35 :型締め機構
54 :ポットブロック
54b :ポット
81 :第1面
81a :本体成形面(第1面)
81b :外枠成形面(第1面)
82 :第2面
82a :本体非成形面(第2面)
82b :外枠非成形面(第2面)
83 :ランナ
84 :ゲート
85 :貫通孔
86 :本体部材
86a :本体溝部(溝部)
87 :外枠部材
87a :開口部
87b :外枠溝部(溝部)
87f :第1内側面(内側面)
87g :第2内側面(内側面)
87h :第3内側面(内側面)
87j :テーパ
87k :六角穴付きボルト(止めねじ)
87l :頭部付きボルト(ボルト)
87o :座ぐり(凹部)
87p :頭部
88 :保持機構
88a :第1保持部材(保持部材)
88b :第2保持部材(保持部材)
100 :樹脂成形装置
C :成形型
IM :中間型
LM :下型
M :成形型本体
MC :キャビティ
Sa :樹脂成形前基板(成形対象物)
Sb :樹脂成形済基板(樹脂成形品)
T :樹脂タブレット(樹脂材料)
Ta :溶融樹脂(樹脂材料)
UM :上型
【手続補正書】
【提出日】2022-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形対象物を保持し、樹脂材料が供給されるキャビティを有する成形型本体を備え、
前記成形型本体は、
上型と、
前記樹脂材料が充填されるポットが形成されたポットブロックを含む下型と、
前記上型と前記下型との間に配置され、前記成形対象物と対向する第1面を有する中間型と、を有し、
前記中間型は、前記キャビティに前記樹脂材料を供給するゲートを有する本体部材と、前記本体部材の周縁に配置された外枠部材と、前記本体部材を前記外枠部材に保持する保持機構と、を有し、
前記本体部材と前記外枠部材とは分離可能である成形型。
【請求項2】
前記保持機構は、前記外枠部材に固定されて前記本体部材を保持する保持部材と、前記外枠部材から前記本体部材に亘って形成され前記保持部材を収容する溝部と、を含む請求項1に記載の成形型。
【請求項3】
前記本体部材は、前記外枠部材に固定された前記保持部材に対して上下方向に移動可能である請求項2に記載の成形型。
【請求項4】
前記保持部材は、ボルトにより前記外枠部材に固定されており、
前記ボルトの頭部は、前記外枠部材のうち、前記第1面と反対側の第2面に形成された凹部に収容されている請求項2に記載の成形型。
【請求項5】
前記外枠部材には、前記本体部材が取付けられる矩形状の開口部、及び前記ポットに繋がる貫通孔が形成されており、
前記開口部を構成する四つの内側面のうち前記貫通孔に隣り合う一つの前記内側面を除く三つの前記内側面の少なくとも一つには、テーパが形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の成形型。
【請求項6】
前記本体部材は、止めねじによって、前記外枠部材の前記開口部のうち前記貫通孔に隣り合う一つの前記内側面に押し付けられている請求項5に記載の成形型。
【請求項7】
前記本体部材は、前記第1面に前記キャビティを有し、前記第1面と反対側の第2面にランナを有する請求項1に記載の成形型。
【請求項8】
請求項1に記載の成形型と、
前記成形型を型締めする型締め機構と、を備える樹脂成形装置。
【請求項9】
請求項8に記載の樹脂成形装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、
前記成形型に前記成形対象物及び前記樹脂材料を供給する供給工程と、
前記型締め機構により前記成形型を型締めする型締め工程と、
前記ポットから前記ゲートを介して前記キャビティに、溶融した前記樹脂材料を流動させることにより、前記成形対象物の樹脂成形を行う成形工程と、を含む樹脂成形品の製造方法。