(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092280
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/20 20060101AFI20240701BHJP
B65D 43/06 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B65D77/20 C
B65D43/06 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208098
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 正一
(72)【発明者】
【氏名】眞嶋 大介
【テーマコード(参考)】
3E067
3E084
【Fターム(参考)】
3E067AB01
3E067BA10A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB17A
3E067BB18A
3E067BC02A
3E067BC07A
3E067CA04
3E067EA17
3E067EB27
3E067FA01
3E067FC01
3E067GA01
3E084AA05
3E084AA14
3E084AA24
3E084AB10
3E084BA01
3E084CA03
3E084CC03
3E084DA03
3E084DB13
3E084DC03
3E084FC09
3E084GA08
3E084GB04
3E084GB12
3E084LD30
(57)【要約】
【課題】
不用意に蓋体が外れることを防止する包装用容器を提供する。
【解決手段】
容器本体100と、容器本体100に外嵌合する蓋体200とを備えた包装用容器300であって、蓋体200は、容器本体100の側壁120の上端121の内側に接触する内当部260を備えており、容器本体100は、厚さが1.0~3.0mmのプラスチック製シートから構成されていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、前記容器本体に外嵌合する蓋体とを備えた包装用容器であって、
前記蓋体は、前記容器本体の側壁の上端の内側に接触する内当部を備えており、
前記容器本体は、厚さが1.0~3.0mmのプラスチック製シートから構成されていることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
容器本体と、前記容器本体に外嵌合する蓋体とを備えた包装用容器であって、
前記蓋体は、前記容器本体の側壁の上端の内側に接触する内当部を備えており、
前記容器本体は、発泡プラスチック製シートから構成されていることを特徴とする包装用容器。
【請求項3】
前記発泡プラスチック製シートが、発泡ポリスチレンから構成されていることを特徴とする請求項2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記発泡プラスチック製シートが、発泡倍率が5倍未満の低発泡であることを特徴とする請求項2又は3に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、惣菜や寿司等の食品を収容する包装用容器が、スーパーやコンビニエンスストア等で使用されている。
【0003】
包装用容器には、様々な種類があり、特許文献1や特許文献2の包装用容器は、容器本体と、前記容器本体に外嵌合する蓋体とを備えている。そして、蓋体の天壁を押圧した際の押圧力が、蓋体の側壁及び内当部から嵌合箇所に伝えられ、当該嵌合箇所を弾性変形させることで、嵌合を解除して蓋体を外していた。このように、これらの包装用容器では、蓋体を押圧することで、ワンタッチで蓋体を容易に取り外すことができる。ただ、包装用容器を段積みした際など、蓋体に外力が加わり押圧されると、蓋体が不用意に外れるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3256719号
【特許文献2】特許6605262号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、不用意に蓋体が外れることを防止する包装用容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る包装用容器は、容器本体と、前記容器本体に外嵌合する蓋体とを備えた包装用容器であって、前記蓋体は、前記容器本体の側壁の上端の内側に接触する内当部を備えており、前記容器本体は、厚さが1.0~3.0mmのプラスチック製シートから構成されていることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、容器本体の側壁は適度な剛性を保ちつつ、蓋体を復帰させるのに最適な反発力を生じさせることができるため、容器本体と蓋体との嵌合が維持され、蓋体が不用意に外れることを防止できる。
【0008】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項2に係る包装用容器は、容器本体と、前記容器本体に外嵌合する蓋体とを備えた包装用容器であって、前記蓋体は、前記容器本体の側壁の上端の内側に接触する内当部を備えており、前記容器本体は、発泡プラスチック製シートから構成されていることを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、容器本体の側壁は適度な剛性を保ちつつ、蓋体を復帰させるのに最適な反発力を生じさせることができるため、容器本体と蓋体との嵌合が維持され、蓋体が不用意に外れることを防止できる。
【0010】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項3に係る包装用容器は、前記発泡プラスチック製シートが、発泡ポリスチレンから構成されていることを特徴とする。
【0011】
上記特徴によれば、硬質の発泡ポリスチレンの特性により、側壁の反発力が強くなるため、蓋体をより効率的に復帰させることができる。
【0012】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項4に係る包装用容器は、前記発泡プラスチック製シートが、発泡倍率が5倍未満の低発泡であることを特徴とする。
【0013】
上記特徴によれば、プラスチック製シート内に出来る気泡が、細かく生成されると共に、気泡同士が互いに独立し易い。そのため、側壁の反発力が強くなるため、蓋体をより効率的に復帰させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本願発明の包装用容器は、不用意に蓋体が外れることを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(a)は、本願発明の実施形態1にかかる包装用容器の容器本体の平面図、(b)は、容器本体の側面図、(c)は、A―A端面図である。
【
図2】(a)は、本願発明の実施形態1にかかる包装用容器の蓋体の平面図、(b)は、蓋体の側面図、(c)は、B―B端面図である。
【
図3】(a)は、本願発明の実施形態1にかかる包装用容器の平面図、(b)は、包装用容器の側面図である。
【
図4】(a)は、C-C端面図、(b)は、(a)の状態から蓋体が変形した状態を示す端面図である。
【
図5】(a)は、
図4(b)の状態から蓋体が元の形状に復帰する様子を示した端面図、(b)は、(a)の状態から、蓋体が完全に元の形状に復帰した状態を示した端面図である。
【
図6】(a)は、本願発明の実施形態2にかかる包装用容器の容器本体の平面図、(b)は、容器本体の側面図、(c)は、D―D端面図である。
【
図7】(a)は、本願発明の実施形態2にかかる包装用容器の平面図、(b)は、包装用容器の側面図である。
【
図8】(a)は、E-E端面図、(b)は、(a)の状態から蓋体が変形した状態を示す端面図である。
【
図9】(a)は、
図8(b)の状態から蓋体が元の形状に復帰する様子を示した端面図、(b)は、(a)の状態から、蓋体が完全に元の形状に復帰した状態を示した端面図である。
【符号の説明】
【0016】
100 容器本体
120 側壁
121 上端
200 蓋体
260 内当部
300 包装用容器
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本願発明の各実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、包装用容器を水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことである。
【0018】
<実施形態1>
まず、
図1に、本願発明の実施形態1にかかる包装用容器300の容器本体100を示す。なお、
図1(a)は、容器本体100の平面図、
図1(b)は、容器本体100の側面図、
図1(c)は、A―A端面図である。
【0019】
図1に示すように、容器本体100は、非発泡樹脂シートから構成され、上方に開口した浅皿型で、四隅にコーナー部101を備えた平面視略長方形状をしており、平坦で水平方向に広がる底壁110と、当該底壁110から上方へ向けて連続する側壁120と、側壁120の上端121から外側へ延出する平坦なフランジ部130と、フランジ部130から下方へ延出した容器側嵌合部140とを備える。また、底壁110のコーナー部101には、下方へ突出した脚部150が設けられている。また、側壁120の上端121の下方には、平坦面を備えた段部160が設けられている。そして、側壁120、フランジ部130、及び容器側嵌合部140は、容器本体100の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。また、容器本体100は平面視略長方形状となっているが、これに限定されず、平面視略多角形や平面視略円形等、任意の形状とすることができる。
【0020】
なお、容器本体100は、厚さが1.0mmから3.0mm(ミリメートル)程度の非発泡樹脂のプラスチック(合成樹脂)製シートを用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)されたものであり、例えば、容器本体100の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたものなどを用いることができる。
【0021】
次に、
図2に、本願発明の実施形態1にかかる包装用容器300の蓋体200を示す。なお、
図2(a)は、蓋体200の平面図、
図2(b)は、蓋体200の側面図、
図2(c)は、B―B端面図である。
【0022】
図2に示すように、蓋体200は、非発泡樹脂シートから構成され、下方に開口した浅皿型で、四隅にコーナー部201を備えた平面視略長方形状をしており、平坦で水平方向に広がる天壁210と、当該天壁210から下方へ向けて連続する側壁220と、側壁220の下端221から外側へ延出する平坦なフランジ部230と、フランジ部230から下方へ延出し、内側に凸状の蓋体側嵌合部240とを備える。また、側壁220の下端221は、後述するように容器本体100の側壁120の上端121の内側に接触する内当部260となっている。そして、側壁220、及びフランジ部230は、蓋体200の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。また、蓋体200は平面視略長方形状となっているが、これに限定されず、平面視略多角形や平面視略円形等、任意の形状とすることができる。
【0023】
なお、蓋体200は、厚さが約0.1mmから1.0mm(ミリメートル)程度の非発泡樹脂のプラスチック(合成樹脂)製シートを用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)されたものであり、例えば、蓋体200の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたものなどを用いることができる。
【0024】
次に、
図3から
図5に、蓋体200を容器本体100に取り付けた状態の包装用容器300を示す。なお、
図3(a)は、包装用容器300の平面図、
図3(b)は、包装用容器300の側面図、
図4(a)は、C-C端面図、
図4(b)は、
図4(a)の状態から蓋体200が変形した状態を示す端面図、
図5(a)は、
図4(b)の状態から蓋体200が元の形状に復帰する様子を示した端面図、
図5(b)は、
図5(a)の状態から、蓋体200が完全に元の形状に復帰した状態を示した端面図である。
【0025】
図3及び
図4(a)に示すように、蓋体200が容器本体100の上から被せられるように取り付けられ、包装用容器300は密閉される。その際、蓋体200の蓋体側嵌合部240が、容器本体100の容器側嵌合部140に外嵌合している。また、蓋体200のフランジ部230と容器本体100のフランジ部130が上下に重なっているので、包装用容器300内にゴミ等が侵入することを効果的に防止している。また、蓋体200が容器本体100に取り付けられた状態では、蓋体200の側壁220の下端に設けられた内当部260は、容器本体100の側壁120の上端121の内面に接触するか、又は、極めて近接した状態となっている。
【0026】
次に、
図4(b)に示すように、包装用容器300を段積みした際など、蓋体200の天壁210に外力Fが加わり押圧されると、蓋体200の側壁220が側方へ広がるようにして、蓋体200は潰れる。すると、蓋体200の内当部260は側方へ押し出され、容器本体100の側壁120の上端121の内面に強く接触した状態となる。そして、側壁120の上端121側は、蓋体200の内当部260に押されて、外側に僅かに弾性変形させられた状態となる。
【0027】
そのため、
図5(a)に示すように、外側に弾性変形した側壁120が内側に反発して復帰するため、側壁120の上端121に接触している内当部260は、側壁120の反発力によって内側に押される。すると、側壁220は、内側及び上方へ向けて次第に復帰する。そして、
図5(b)に示すように、蓋体200は、潰れる前の形状に完全に戻るのである。よって、蓋体200が潰れても、蓋体200が元の形状に確実に復帰するため、容器本体100と蓋体200との嵌合が維持され、蓋体200が不用意に外れることを防止できる。
【0028】
このように、本願発明の包装用容器300では、容器本体100を、厚さが1.0mmから3.0mmのプラスチック製シートから構成しているので、容器本体100の側壁120は適度な剛性を保ちつつ、蓋体200を復帰させるのに最適な反発力を生じさせることができる。そのため、容器本体100と蓋体200との嵌合が維持され、蓋体200が不用意に外れることを防止できる。
【0029】
なお、容器本体100を、厚さが1.0mm未満(例えば、0.25~0.4mm)のプラスチック製シートから構成すると、容器本体100の側壁120の剛性が低くなり過ぎるため、反発力が弱く、蓋体200を復帰させるのが難しくなる。逆に、容器本体100を、厚さ3.0mmを超えるプラスチック製シートから構成すると、容器本体100の側壁120の剛性が高くなり過ぎるため、側壁120が適度に弾性変形できず反発力が生じにくいため、蓋体200を復帰させるのが難しくなる。そのため、容器本体100を、厚さが1.0mmから3.0mmのプラスチック製シートから構成するのが、最適である。
【0030】
また、
図4及び
図5に示すように、側壁220の上端と天壁210の間には、側壁220と傾斜角度が異なる補助面部225が設けられている。そのため、補助面部225周辺の剛性が高くなり、蓋体200がより容易に復元できるようになる。また、
図4及び
図5に示すように、蓋体200の内当部260は、容器本体100の段部160の上方に位置している。そのため、蓋体200の内当部260が下側へ押されて、容器本体100の側壁120が外側へ弾性変形しても、蓋体200の内当部260は、容器本体100の段部160によって下側から支持され、内当部260と側壁120の上端121との接触状態を維持できる。これにより、蓋体200の内当部260は、側壁120の上端121から、より確実に反発力を受けることができ、蓋体200はより効果的に元の形状に復帰できる。
【0031】
なお、
図4及び
図5では、蓋体200の片方の側壁220側が潰れているが、これに限定されず、蓋体200の両方の側壁220が潰れてもよい。両方の側壁220が潰れた場合であっても、両側の内当部260のそれぞれが、相対する容器本体100の側壁120の上端121に接触して反発力を受けるため、蓋体200は元の形状に復帰できる。
【0032】
<実施形態2>
次に、
図6に、本願発明の実施形態2にかかる包装用容器300Aの容器本体100Aを示す。なお、
図6(a)は、容器本体100Aの平面図、
図6(b)は、容器本体100Aの側面図、
図6(c)は、D―D端面図である。また、実施形態2にかかる包装用容器300Aは、容器本体100Aの構成が実施形態1にかかる包装用容器300と異なるだけで、他の構成は、実施形態1にかかる包装用容器300と基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。
【0033】
図6に示すように、容器本体100Aは、合成樹脂発泡シートから構成され、上方に開口した浅皿型で、四隅にコーナー部101Aを備えた平面視略長方形状をしており、平坦で水平方向に広がる底壁110Aと、当該底壁110Aから上方へ向けて連続する側壁120Aと、側壁120Aの上端121Aから外側へ延出する平坦なフランジ部130Aと、フランジ部130Aから側方へ延出した容器側嵌合部140とを備える。また、底壁110Aのコーナー部101Aには、下方へ突出した脚部150Aが設けられている。そして、側壁120A、フランジ部130A、及び容器側嵌合部140Aは、容器本体100Aの周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。また、容器本体100Aは平面視略長方形状となっているが、これに限定されず、平面視略多角形や平面視略円形等、任意の形状とすることができる。
【0034】
また、容器本体100Aは、厚さが約0.1mmから4.0mm程度の発泡プラスチック(合成樹脂)製シートを用いて熱成形されたものであり、例えば、容器本体100Aの素材としては、発泡させたポリプロピレン、発泡させたポリスチレン(すなわち、発泡ポリスチレン(PSP))などを用いることができ、発泡倍率は、5倍未満となっている。なお、発泡倍率は、発泡後の成型体の体積(V2)の、発泡前の原料であるプラスチック(合成樹脂)の体積(V1)に対する比で求められ、発泡倍率は、V2/V1となる。発泡シートの発泡倍率は、JIS K7222に準拠し、発泡シートから試験片を切り出し、試験片重量(g)を、該試験片の外形寸法から求められる体積(cm3)で割って、発泡シートの見掛け密度を求めた。更に、ポリスチレンの密度(0.059~0.200g/cm3)を、発泡シートの見掛け密度で割ることにより、発泡倍率を算出した。
【0035】
次に、
図7から
図9に、蓋体200Aを容器本体100Aに取り付けた状態の包装用容器300Aを示す。蓋体200Aは、
図2に示す実施形態1に係る蓋体200と同一の構成である。なお、
図7(a)は、包装用容器300Aの平面図、
図7(b)は、包装用容器300Aの側面図、
図8(a)は、E-E端面図、
図8(b)は、
図8(a)の状態から蓋体200Aが変形した状態を示す端面図、
図9(a)は、
図8(b)の状態から蓋体200Aが元の形状に復帰する様子を示した端面図、
図9(b)は、
図9(a)の状態から、蓋体200Aが完全に元の形状に復帰した状態を示した端面図である。
【0036】
図7及び
図8(a)に示すように、蓋体200Aが容器本体100Aの上から被せられるように取り付けられ、包装用容器300Aは密閉される。その際、蓋体200Aの蓋体側嵌合部240Aが、容器本体100Aの容器側嵌合部140Aに外嵌合している。また、蓋体200Aのフランジ部230Aと容器本体100Aのフランジ部130Aが上下に重なっているので、包装用容器300A内にゴミ等が侵入することを効果的に防止している。また、蓋体200Aが容器本体100Aに取り付けられた状態では、蓋体200Aの側壁220Aの下端に設けられた内当部260Aは、容器本体100Aの側壁120Aの上端121Aの内面に接触するか、又は、極めて近接した状態となっている。
【0037】
次に、
図8(b)に示すように、包装用容器300Aを段積みした際など、蓋体200Aの天壁210Aに外力Fが加わり押圧されると、蓋体200Aの側壁220Aが側方へ広がるようにして、蓋体200Aは潰れる。すると、蓋体200Aの内当部260Aは側方へ押し出され、容器本体100Aの側壁120Aの上端121Aの内面に強く接触した状態となる。そして、側壁120Aの上端121A側は、蓋体200Aの内当部260Aに押されて、外側に僅かに弾性変形させられた状態となる。
【0038】
そのため、
図9(a)に示すように、外側に弾性変形した側壁120Aが内側に反発して復帰するため、側壁120Aの上端121Aに接触している内当部260Aは、側壁120Aの反発力によって内側に押される。すると、側壁220Aは、内側及び上方へ向けて次第に復帰する。そして、
図9(b)に示すように、蓋体200Aは、潰れる前の形状に完全に戻るのである。よって、蓋体200Aが潰れても、蓋体200Aが元の形状に確実に復帰するため、容器本体100Aと蓋体200Aとの嵌合が維持され、蓋体200Aが不用意に外れることを防止できる。
【0039】
このように、本願発明の包装用容器300Aでは、容器本体100Aを、発泡プラスチック製シートから構成しているので、容器本体100Aの側壁120Aは適度な剛性を保ちつつ、蓋体200Aを復帰させるのに最適な反発力を生じさせることができる。そのため、容器本体100Aと蓋体200Aとの嵌合が維持され、蓋体200Aが不用意に外れることを防止できる。
【0040】
さらに、発泡プラスチック製シートは、発泡ポリスチレン(PSP)から構成されているので、硬質の発泡ポリスチレンの特性により、側壁120Aの反発力が強くなるため、蓋体200Aをより効率的に復帰させることができる。
【0041】
さらに、発泡プラスチック製シートの発泡倍率を5倍未満と低発泡にしているので、プラスチック製シート内に出来る気泡が、細かく生成されると共に、気泡同士が互いに独立し易い。そのため、側壁120Aの反発力が強くなるため、蓋体200Aをより効率的に復帰させることができる。なお、発泡プラスチック製シートの発泡倍率を5倍以上にすると、プラスチック製シート内に出来る気泡が、大きく生成されると共に、気泡同士が互いに連続し易い。そのため、側壁120Aがしなやかに弾性変形し易くなり、側壁120Aの反発力が弱くなるため、蓋体200Aを効率的に復帰させることが難しくなる。
【0042】
なお、
図8及び
図9では、蓋体200Aの片方の側壁220A側が潰れているが、これに限定されず、蓋体200Aの両方の側壁220Aが潰れてもよい。両方の側壁220Aが潰れた場合であっても、両側の内当部260Aのそれぞれが、相対する容器本体100Aの側壁120Aの上端121Aに接触して反発力を受けるため、蓋体200Aは元の形状に復帰できる。
【0043】
なお、本願発明の包装用容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。