(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092292
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】知識情報管理装置及び知識情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240701BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208124
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000214272
【氏名又は名称】長瀬産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】折井 靖光
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 修一
(72)【発明者】
【氏名】森下 夏希
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB26
5L030BB53
5L049BB26
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】知識情報に関する場の活性化を促すことを可能にした知識情報管理装置及び知識情報提供方法を提供する。
【解決手段】ナレッジグラフの作成者及び利用者が用いる各ユーザ端末5に対して通信可能に接続されたグラフ管理サーバ1は、作成者が作成したナレッジグラフのグラフを作成者のユーザ端末5から受信し、受信したグラフをグラフ記憶部に登録し、グラフ記憶部に記憶されたグラフを示すグラフIDを、利用者のユーザ端末5から閲覧可能に出力し、グラフIDに対応したグラフを利用可能に、利用者のユーザ端末5に提供し、グラフの提供状況を取得し、取得したグラフの提供状況に応じて、グラフに対応する作成者に報酬を付与する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
知識間のつながりをグラフの構造で表現するナレッジグラフ及び前記ナレッジグラフの作成に用いられる知識辞書を含む、前記ナレッジグラフに関連する知識情報の作成者が用いる作成者端末と、前記知識情報の利用者が用いる利用者端末との各々に対して通信可能に接続された知識情報管理装置であって、
前記作成者が作成した前記知識情報を、前記作成者端末から受信する知識情報受信手段と、
前記知識情報受信手段が受信した前記知識情報を知識情報記憶部に登録する知識情報登録手段と、
前記知識情報記憶部に記憶された前記知識情報を示す表示情報を、前記利用者端末から閲覧可能に出力する情報閲覧手段と、
前記情報閲覧手段が出力する前記表示情報に対応した前記知識情報を利用可能に、前記利用者端末に提供する知識情報提供手段と、
前記知識情報提供手段による前記知識情報の提供状況を取得する提供状況取得手段と、
前記提供状況取得手段が取得した前記知識情報の提供状況に応じて、前記知識情報に対応する前記作成者に報酬を付与する報酬付与手段と、
を備える、知識情報管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の知識情報管理装置において、
前記知識情報提供手段は、前記知識情報の利用に係る価値情報を前記利用者が支払うことに応じて、前記知識情報を利用可能にして前記利用者端末に提供する、知識情報管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の知識情報管理装置において、
前記報酬付与手段は、前記利用者が支払った前記価値情報のうち少なくとも一部を前記報酬として、前記作成者に付与する、知識情報管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の知識情報管理装置において、
前記知識情報受信手段は、前記知識情報と、前記知識情報の内容及び/又は使用方法に係る説明情報とを受信し、
前記知識情報記憶部は、前記知識情報と前記説明情報とを対応付けて記憶し、
前記情報閲覧手段は、前記説明情報を、前記利用者端末から閲覧可能に出力する、知識情報管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の知識情報管理装置において、
前記知識情報受信手段が前記ナレッジグラフを受信した場合に、受信した前記ナレッジグラフからタグ情報を取得するタグ情報取得手段を備え、
前記知識情報記憶部は、前記タグ情報取得手段が取得した前記タグ情報を、前記知識情報に対応付けて記憶し、
前記情報閲覧手段は、前記タグ情報を、前記利用者端末から閲覧可能に出力する、知識情報管理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の知識情報管理装置において、
前記情報閲覧手段は、前記タグ情報取得手段が取得した前記タグ情報に基づいて類似する前記ナレッジグラフを同一のグループにグループ化して、前記利用者端末から閲覧可能に出力する、知識情報管理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載の知識情報管理装置において、
前記情報閲覧手段は、前記知識情報に対応するシンボルを、前記利用者端末から閲覧可能に出力し、
前記シンボルに対する所定の操作を受け付けた場合に、前記シンボルに対応する前記知識情報のうち少なくとも一部のデータを出力する詳細出力手段を備える、知識情報管理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載の知識情報管理装置において、
前記知識情報受信手段は、前記知識情報提供手段が前記利用者端末に利用可能に提供した前記知識情報である前記ナレッジグラフに対して他のナレッジグラフを結合した新たなナレッジグラフを、前記作成者端末から受信する、知識情報管理装置。
【請求項9】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載の知識情報管理装置において、
前記知識情報受信手段が受信した前記知識情報の検証を、検証者が用いる検証者端末に依頼する検証依頼手段を備え、
前記知識情報登録手段は、前記検証依頼手段により依頼された前記検証者による前記知識情報の検証ができた場合に、前記知識情報を前記知識情報記憶部に登録する、知識情報管理装置。
【請求項10】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載の知識情報管理装置において、
前記利用者端末から前記知識情報の利用に係る照会情報を受信する照会受信手段と、
前記照会受信手段が受信した前記照会情報に対する回答を、助言者が用いる助言者端末に依頼する回答依頼手段と、
前記回答依頼手段が依頼した前記助言者による回答情報を、前記助言者端末から受信する回答受信手段と、
前記回答受信手段が受信した前記回答情報を、前記利用者端末に送信する回答送信手段と、
備える、知識情報管理装置。
【請求項11】
知識間のつながりをグラフの構造で表現するナレッジグラフ及び前記ナレッジグラフの作成に用いられる知識辞書を含む、前記ナレッジグラフに関連する知識情報の作成者が用いる作成者端末と、前記知識情報の利用者が用いる利用者端末との各々に対して通信可能に接続されたコンピュータが実行する知識情報提供方法であって、
前記作成者が作成した前記知識情報を、前記作成者端末から受信する知識情報受信ステップと、
前記知識情報受信ステップが受信した前記知識情報を知識情報記憶部に登録する知識情報登録ステップと、
前記知識情報記憶部に記憶された前記知識情報を示す表示情報を、前記利用者端末から閲覧可能に出力する情報閲覧ステップと、
前記情報閲覧ステップが出力する前記表示情報に対応した前記知識情報を利用可能に、前記利用者端末に提供する知識情報提供ステップと、
前記知識情報提供ステップによる前記知識情報の提供状況を取得する提供状況取得ステップと、
前記提供状況取得ステップが取得した前記知識情報の提供状況に応じて、前記知識情報に対応する前記作成者に報酬を付与する報酬付与ステップと、
を含む、知識情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、知識情報管理装置及び知識情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを使用した電子商取引が、様々な分野で行われている。電子商取引では、買い手が必要とするものを売る(提供する)場が必要になる。また、売り手にとっても、売るための場があると便利である。
化合物、医薬、バイオといった化学系の分野は、その種類が多種にわたり、また、構造的に類似した類似化合物等が多く存在する。そのため、買い手が必要とするものが提供する場にあるとは限らない。
そこで、顧客からの化合物の問合せに関して有用な情報を複数の売り手先に提示し、顧客と売り手先との間の商取引を仲介するシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在では、MI(マテリアルズインフォマティクス)という新たな試みがなされている。MIとは、最先端のデータ処理技術と材料科学を融合した材料開発技術であり、特に、材料や化学の分野において、膨大な実験データや論文等のデータを、コンピュータを用いて分析することをいう。
そして、分析結果から作成されるナレッジグラフは、例えば、革新的な新材料の発見等、未知の材料や用途を教示してくれる。作成したナレッジグラフは、使用方法によっては、さらに新たな発見等をすることができるものであり、広く一般に使用されることが望まれ、このようなナレッジグラフを含む、ナレッジグラフの作成に用いる知識情報についての交流の場があると便利である。
【0005】
本発明は、知識情報に関する場の活性化を促すことを可能にした知識情報管理装置及び知識情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、知識間のつながりをグラフの構造で表現するナレッジグラフ及び前記ナレッジグラフの作成に用いられる知識辞書を含む、前記ナレッジグラフに関連する知識情報の作成者が用いる作成者端末と、前記知識情報の利用者が用いる利用者端末との各々に対して通信可能に接続された知識情報管理装置であって、前記作成者が作成した前記知識情報を、前記作成者端末から受信する知識情報受信手段と、前記知識情報受信手段が受信した前記知識情報を知識情報記憶部に登録する知識情報登録手段と、前記知識情報記憶部に記憶された前記知識情報を示す表示情報を、前記利用者端末から閲覧可能に出力する情報閲覧手段と、前記情報閲覧手段が出力する前記表示情報に対応した前記知識情報を利用可能に、前記利用者端末に提供する知識情報提供手段と、前記知識情報提供手段による前記知識情報の提供状況を取得する提供状況取得手段と、前記提供状況取得手段が取得した前記知識情報の提供状況に応じて、前記知識情報に対応する前記作成者に報酬を付与する報酬付与手段と、を備える、知識情報管理装置に関する。
【0007】
また、知識情報管理装置において、前記知識情報提供手段は、前記知識情報の利用に係る価値情報を前記利用者が支払うことに応じて、前記知識情報を利用可能にして前記利用者端末に提供してもよい。
【0008】
また、知識情報管理装置において、前記報酬付与手段は、前記利用者が支払った前記価値情報のうち少なくとも一部を前記報酬として、前記作成者に付与してもよい。
【0009】
また、知識情報管理装置において、前記知識情報受信手段は、前記知識情報と、前記知識情報の内容及び/又は使用方法に係る説明情報とを受信し、前記知識情報記憶部は、前記知識情報と前記説明情報とを対応付けて記憶し、前記情報閲覧手段は、前記説明情報を、前記利用者端末から閲覧可能に出力してもよい。
【0010】
また、知識情報管理装置において、前記知識情報受信手段が前記ナレッジグラフを受信した場合に、受信した前記ナレッジグラフからタグ情報を取得するタグ情報取得手段を備え、前記知識情報記憶部は、前記タグ情報取得手段が取得した前記タグ情報を、前記知識情報に対応付けて記憶し、前記情報閲覧手段は、前記タグ情報を、前記利用者端末から閲覧可能に出力してもよい。
【0011】
また、知識情報管理装置において、前記情報閲覧手段は、前記タグ情報取得手段が取得した前記タグ情報に基づいて類似する前記ナレッジグラフを同一のグループにグループ化して、前記利用者端末から閲覧可能に出力してもよい。
【0012】
また、知識情報管理装置において、前記情報閲覧手段は、前記知識情報に対応するシンボルを、前記利用者端末から閲覧可能に出力し、前記シンボルに対する所定の操作を受け付けた場合に、前記シンボルに対応する前記知識情報のうち少なくとも一部のデータを出力する詳細出力手段を備えてもよい。
【0013】
また、知識情報管理装置において、前記知識情報受信手段は、前記知識情報提供手段が前記利用者端末に利用可能に提供した前記知識情報である前記ナレッジグラフに対して他のナレッジグラフを結合した新たなナレッジグラフを、前記作成者端末から受信してもよい。
【0014】
また、知識情報管理装置において、前記知識情報受信手段が受信した前記知識情報の検証を、検証者が用いる検証者端末に依頼する検証依頼手段を備え、前記知識情報登録手段は、前記検証依頼手段により依頼された前記検証者による前記知識情報の検証ができた場合に、前記知識情報を前記知識情報記憶部に登録してもよい。
【0015】
また、知識情報管理装置において、前記利用者端末から前記知識情報の利用に係る照会情報を受信する照会受信手段と、前記照会受信手段が受信した前記照会情報に対する回答を、助言者が用いる助言者端末に依頼する回答依頼手段と、前記回答依頼手段が依頼した前記助言者による回答情報を、前記助言者端末から受信する回答受信手段と、前記回答受信手段が受信した前記回答情報を、前記利用者端末に送信する回答送信手段と、備えてもよい。
【0016】
また、本発明は、知識間のつながりをグラフの構造で表現するナレッジグラフ及び前記ナレッジグラフの作成に用いられる知識辞書を含む、前記ナレッジグラフに関連する知識情報の作成者が用いる作成者端末と、前記知識情報の利用者が用いる利用者端末との各々に対して通信可能に接続されたコンピュータが実行する知識情報提供方法であって、前記作成者が作成した前記知識情報を、前記作成者端末から受信する知識情報受信ステップと、前記知識情報受信ステップが受信した前記知識情報を知識情報記憶部に登録する知識情報登録ステップと、前記知識情報記憶部に記憶された前記知識情報を示す表示情報を、前記利用者端末から閲覧可能に出力する情報閲覧ステップと、前記情報閲覧ステップが出力する前記表示情報に対応した前記知識情報を利用可能に、前記利用者端末に提供する知識情報提供ステップと、前記知識情報提供ステップによる前記知識情報の提供状況を取得する提供状況取得ステップと、前記提供状況取得ステップが取得した前記知識情報の提供状況に応じて、前記知識情報に対応する前記作成者に報酬を付与する報酬付与ステップと、を含む、知識情報提供方法に関する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、知識情報に関する場の活性化を促すことを可能にした知識情報管理装置及び知識情報提供方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係るグラフ提供システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るグラフ管理サーバの機能ブロックを示す図である。
【
図3】本実施形態に係るグラフ管理サーバの各記憶部の項目例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係るデータ記憶装置の各記憶部の項目例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るグラフ管理サーバにおけるユーザアクセス処理を示すフローチャートである。
【
図6】本実施形態に係るユーザ端末に出力される画面例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るユーザ端末に出力される画面例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係るユーザ端末に出力される画面例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係るグラフ管理サーバにおけるグラフ登録処理を示すフローチャートである。
【
図10】本実施形態に係るグラフ管理サーバにおけるグラフ利用処理を示すフローチャートである。
【
図11】本実施形態に係るグラフ管理サーバにおける照会処理を示すフローチャートである。
【
図12】本実施形態に係るグラフ管理サーバにおける履歴処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
(実施形態)
〔グラフ提供システム100の全体構成〕
図1は、本実施形態に係るグラフ提供システム100の全体構成を示す図である。
図2は、本実施形態に係るグラフ管理サーバ1の機能ブロックを示す図である。
図3は、本実施形態に係るグラフ管理サーバ1の各記憶部の項目例を示す図である。
図4は、本実施形態に係るデータ記憶装置4の各記憶部の項目例を示す図である。
【0020】
図1に示すグラフ提供システム100は、会員登録をしたユーザ(者)に対して、ナレッジグラフ(知識情報)の投稿や利用の場を提供するシステムである。
ナレッジグラフは、対象とするデータに係る知識とその関連性を体系化することで、新たな知見を得ることができる、事実相関を表現したグラフである。ナレッジグラフは、技術文書データと、知識辞書とを用いて作成することができる。
技術文書データとは、技術論文や技術資料、公共データベースのデータ等をいい、技術資料には、例えば、特許文献、百科事典、実験データ、SDS(Safety Data Sheet)、商品カタログ、COA(Certificate of Analysis)等を含む。
【0021】
また、知識辞書とは、専門用語辞書と、カテゴリ及びその関連性を示すモデルとにより生成され、専門用語をカテゴリによりまとめたものであり、各カテゴリに対する関連付けをも含む。知識辞書は、1以上の技術分野に係る技術文書データを解析し、解析結果に基づく技術文書データへのタグ付けに用いられる。
そして、ナレッジグラフは、知識辞書を用いて付与された技術文書データのタグ及び関連性情報をノード及びエッジによって示すことで、データ間の関係性を視覚的に表したものである。
以降において、ナレッジグラフを、単にグラフという。
【0022】
グラフ提供システム100は、グラフ管理サーバ1(知識情報管理装置)と、データ記憶装置4(知識情報管理装置)と、ユーザ端末5(作成者端末、利用者端末、検証者端末、助言者端末)とを備える。
グラフ管理サーバ1とデータ記憶装置4とは、直接接続がされていてもよいし、通信ネットワーク(図示せず)を介して接続されていてもよい。
また、グラフ管理サーバ1とユーザ端末5とは、各々通信ネットワークを介して通信可能になっている。通信ネットワークは、例えば、インターネット等の通信回線網等である。通信ネットワークは、構内通信網(LAN)や、仮想プライベートネットワーク(VPN)や、広域通信網(WAN)等を含むものであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0023】
〔グラフ管理サーバ1〕
グラフ管理サーバ1は、ユーザ(作成者)が作成して投稿したグラフを登録し、ユーザ(利用者)によるグラフに対する利用を管理する。また、グラフ管理サーバ1は、ユーザが投稿したグラフを含む、グラフ管理サーバ1の管理対象であるグラフのグラフID(IDentification)(表示情報)及びアイコン(シンボル)を配置した一覧ページを、各ユーザ端末5に出力する。さらに、グラフ管理サーバ1は、グラフを利用したいユーザのユーザ端末5に、グラフを提供する。
グラフ管理サーバ1は、例えば、ウェブサーバである。グラフ管理サーバ1は、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、複数台のコンピュータで構成されていてもよい。複数台のコンピュータを用いる場合には、これらのコンピュータは、例えば、通信ネットワークを介して接続される。また、グラフ管理サーバ1は、例えば、クラウド上に設けられる仮想サーバ(仮想マシン)として構成してもよい。
【0024】
図2に示すように、グラフ管理サーバ1は、制御部10と、記憶部30と、通信IF(インタフェース)部39とを備える。
制御部10は、グラフ管理サーバ1の全体を制御する中央処理装置(CPU)である。制御部10は、記憶部30に記憶されているオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
【0025】
具体的には、本実施形態では、プログラムをコンピュータに実行させることによって、グラフ管理サーバ1を実現する態様を例にあげて説明する。プログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、ROM(Read Only Memory)、EEOPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的(non-transitory)情報記録媒体に記録することができる。この情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布及び販売することができる。
【0026】
一般には、コンピュータは、非一時的情報記録媒体に記録されたプログラムを、記憶部30に含まれる一時的(temporary)記憶装置であるRAM(Random Access Memory)に読み出してから、制御部10としてのCPUが読み出されたプログラムに含まれる指令を実行する。
なお、プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、通信ネットワーク等の一時的伝送媒体を介して、プログラム配布サーバ等(図示せず)からコンピュータ等へ配布及び販売することができる。
【0027】
また、プログラムを、電子回路の動作レベル記述用のプログラミング言語によって記述することも可能である。この場合には、電子回路の動作レベル記述用のプログラミング言語によって記述されるプログラムから、電子回路の配線図やタイミングチャート等、各種の設計図が生成され、当該設計図に基づいて、上記のグラフ管理サーバ1を構成する電子回路を作成することができる。例えば、電子回路の動作レベル記述用のプログラミング言語によって記述されるプログラムから、FPGA(Field Programmable Gate Array)技術によって再プログラム可能なハードウェア上に、上記グラフ管理サーバ1を、構成することができるほか、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)技術によって、特定用途専用の電子回路を構成することも可能である。
【0028】
グラフ管理サーバ1は、制御部10が以下に示す各構成部を制御することにより、本実施形態に説明する各処理を実行するように構成される。
制御部10は、ログイン処理部11と、一覧ページ出力部12(情報閲覧手段)と、登録操作受付部13と、グラフ登録処理部14(知識情報受信手段、タグ情報取得手段、検証依頼手段、知識情報登録手段)と、詳細出力処理部15(情報閲覧手段、詳細出力手段)と、利用操作受付部16と、グラフ提供処理部17(知識情報提供手段)と、照会操作受付部18と、回答提供処理部19(照会受信手段、回答依頼手段、回答受信手段、回答送信手段)と、報酬付与部20(提供状況取得手段、報酬付与手段)と、推薦情報提供部21とを備える。
【0029】
ログイン処理部11は、グラフ管理サーバ1が提供するサービスを利用するユーザ端末5からのログインに係る処理を行う。ログイン処理部11は、ユーザ端末5を使用するユーザ(作成者、利用者、検証者及び助言者)を認証する。
一覧ページ出力部12は、データ記憶装置4に記憶されたグラフに対応するグラフID及びアイコンを配置した一覧ページを、ユーザ端末5に出力する。
登録操作受付部13は、ユーザ端末5からグラフの登録に係る操作を受け付ける。
【0030】
グラフ登録処理部14は、作成者が作成して投稿したグラフを、ユーザ端末5から受信する。ここで、作成者は、例えば、化学品メーカ企業のOBや、大学の准教授、学生等が該当し、グラフ作成技術を有した、グラフを作成可能な者である。また、グラフ登録処理部14は、グラフと共に、グラフを説明する説明情報を、ユーザ端末5から受信してもよい。説明情報は、例えば、グラフの内容及び/又は使用方法についての情報である。より詳細には、説明情報は、例えば、作成者のバックグラウンドやキーワード等であってよい。さらに、グラフ登録処理部14は、グラフを分析して、グラフからタグ情報を取得してもよい。
【0031】
グラフ登録処理部14は、受信したグラフを、検証者のユーザ端末5に依頼する。グラフ登録処理部14は、作成者からの依頼に応じて、検証者に検証を依頼してもよいし、特定の作成者が投稿した場合に、検証者に検証を依頼してもよい。ここで、検証者とは、例えば、グラフに関する知識を有する専門家をいう。検証者は、1人でもよいし、複数人であってもよい。
【0032】
そして、グラフ登録処理部14は、受信したグラフを、データ記憶装置4のグラフ記憶部41(知識情報記憶部)に記憶させる。また、グラフ登録処理部14は、検証者にグラフの検証を依頼した場合には、検証者による検証ができたグラフを、データ記憶装置4のグラフ記憶部41に記憶させる。
グラフ登録処理部14によって登録されるグラフは、作成者のグラフ作成の技量によって様々なレベルのものが存在することになる。他方、検証者による検証を経たグラフは、一定以上の信頼性を有するものになる。
詳細出力処理部15は、グラフの詳細データをユーザ端末5に出力する。
【0033】
利用操作受付部16は、利用者のユーザ端末5からグラフの利用に係る操作を受け付ける。ここで、利用者は、グラフの作成者と同じであってもよいし、他の者であってもよい。他の者としては、例えば、企業の研究者や、ナレッジグラフを扱い各種の処理を行うソフトウェアを利用する者であってもよい。
【0034】
グラフ提供処理部17は、受け付けた操作に対応したグラフを利用可能に、利用者のユーザ端末5に提供する。グラフ提供処理部17は、例えば、グラフに係るデータをユーザ端末5にダウンロードさせてもよい。また、グラフ提供処理部17は、例えば、クラウド上でグラフに係るデータを扱えるようにしてもよい。また、グラフ提供処理部17は、例えば、グラフの利用に係る金額(価値情報)を支払うことで、受け付けた操作に対応したグラフを利用可能に、利用者のユーザ端末5に提供してもよい。
そして、グラフ提供処理部17は、グラフの利用(提供)に係る履歴を、データ記憶装置4の利用者履歴記憶部42に記憶させる。
【0035】
照会操作受付部18は、利用者のユーザ端末5からグラフの利用に係る照会データを受け付ける。照会操作受付部18は、例えば、ある目的を達成するためにどのグラフを用いればよいか、といった質問や、グラフの組み合わせをどのようにしたらよいかといった質問等の照会データを受け付ける。
回答提供処理部19は、ユーザ端末5から受け付けた照会データに対する回答を、助言者のユーザ端末5に依頼する。そして、回答提供処理部19は、助言者のユーザ端末5から回答データを受信すると、照会データの送信元のユーザ端末5に回答データを送信する。
【0036】
報酬付与部20は、ユーザ端末5に提供したグラフの提供状況を、利用者履歴記憶部42から取得し、取得した提供状況に応じた使用料金(価値情報)を作成者に付与する。報酬付与部20は、利用者が支払った金額のうち少なくとも一部を報酬として、使用料金を作成者に付与してもよい。
推薦情報提供部21は、利用者のユーザ端末5にリコメンドを行う。推薦情報提供部21は、例えば、データ記憶装置4の利用者履歴記憶部42に記憶された利用者の利用に係る履歴を分析して利用者ごとのグラフの利用に係る傾向を把握する。そして、推薦情報提供部21は、把握した傾向に対応したレコメンドを、利用者のユーザ端末5に送信する。
【0037】
記憶部30は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部30は、プログラム記憶部31と、ユーザ情報記憶部32と、報酬額記憶部33とを備える。
プログラム記憶部31は、各種のプログラムを記憶する記憶領域である。プログラム記憶部31は、グラフ管理プログラム31aを記憶している。グラフ管理プログラム31aは、上述した制御部10の各機能を実行するためのプログラムである。なお、上記の各プログラムは、一例である。したがって、グラフ管理プログラム31aは、上述した制御部10の各機能を複数のプログラムによって実行してもよい。
【0038】
ユーザ情報記憶部32は、グラフ管理サーバ1が提供するサービスを利用するユーザに関する情報を記憶する記憶領域である。
図3(A)に、ユーザ情報記憶部32の項目例を示す。ユーザ情報記憶部32は、例えば、ユーザIDをキーとして、ユーザ名、所属等の属性情報、権限フラグ等を記憶している。
属性情報とは、例えば、企業名や大学名、研究機関名等をいう。
権限フラグは、例えば、一般会員、特別会員、検証者、助言者等のフラグである。ここで、一般会員とは、例えば、グラフ管理サーバ1が提供するサービスを無料で利用するユーザをいい、特別会員とは、例えば、当該サービスを有料で利用するユーザをいう。利用者は、グラフ管理サーバ1が提供するサービスを利用する際に、有料又は無料のどちらの会員になるかを予め決めて登録する。検証者とは、作成者が投稿したグラフを検証する者をいい、例えば、グラフに関する知識を有する査読者である。助言者とは、利用者の照会に対して回答(助言)を行う者をいい、例えば、グラフに関する知識を有するコンサルタントである。
【0039】
報酬額記憶部33は、作成者に支払う報酬額に関する情報を記憶する記憶領域である。
図3(B)に、報酬額記憶部33の項目例を示す。報酬額記憶部33は、例えば、作成者のユーザIDと、報酬額算出対象期間と、報酬額と、済フラグとを対応付けて記憶している。
作成者のユーザIDは、グラフの作成者を識別する識別情報である。
報酬額算出対象期間は、報酬額の算出に係る期間である。
報酬額は、支払額の一部として算出される額である。
済フラグは、報酬額の支払が済んだか否かを示すフラグである。
通信IF部39は、データ記憶装置4及びユーザ端末5との間での通信を行うためのインタフェースである。
【0040】
〔データ記憶装置4〕
図2に示すデータ記憶装置4は、グラフや利用履歴等を記憶する。
データ記憶装置4は、グラフ記憶部41と、利用者履歴記憶部42とを記憶している。
グラフ記憶部41は、グラフに関する情報を記憶する記憶領域である。
図4(A)に、グラフ記憶部41の項目例を示す。
グラフ記憶部41は、グラフIDと、グラフデータと、各種情報と、作成者のユーザIDと、投稿日と、検証者のユーザIDと、検証完了日との各項目を有する。
【0041】
グラフIDは、グラフを識別する識別情報である。グラフIDは、例えば、作成者によるグラフが投稿された場合に、グラフ管理サーバ1の制御部10が一意になるように識別情報を付与してもよい。
グラフデータは、グラフのデータそのものである。
各種情報は、グラフに関する様々な情報であり、例えば、アイコンや説明情報やタグ情報を含む。アイコンは、例えば、グラフの形状を簡略化して模式的に表したものであってもよい。例えば、グラフにノードが10個ある場合に、アイコンでは、ノードが3個程度に簡略化されたものであってもよい。説明情報は、ユーザ端末5から受け付けたグラフの説明情報である。タグ情報は、グラフを分析して得た情報である。なお、説明情報とタグ情報とは、いずれか一方の情報のみを有していてもよい。
作成者のユーザID及び投稿日は、ユーザ端末5から受信したユーザID及び日付である。
検証者のユーザID及び検証完了日は、検証者による検証を行った場合に情報が登録される。
なお、その他として、利用額を示す情報等を記憶してもよい。
【0042】
利用者履歴記憶部42は、利用者のグラフに対する利用履歴を記憶する記憶領域である。
図4(B)に、利用者履歴記憶部42の項目例を示す。
利用者履歴記憶部42は、利用日時と、利用者のユーザIDと、グラフIDと、支払額とを対応付けて記憶する。
利用日時は、利用者にグラフが提供され、及び/又は、利用がされた日付である。
利用者のユーザIDは、ユーザ端末5から受信したユーザIDである。
グラフIDは、提供及び/又は利用がされたグラフのIDである。
支払額は、グラフの提供及び/又は利用に際して利用者が支払った金額である。
なお、支払額は、無償のグラフである場合には、ブランクである。
【0043】
データ記憶装置4は、複数の記憶装置(ノードという。)により、例えば、セキュリティや信頼性担保等の観点から改ざん防止機能を備えた台帳管理システム(例えばブロックチェーン)を構成する分散型ネットワークであってもよい。その場合、データ記憶装置4は、「ブロック」と呼ばれるデータの単位を一定時間ごとに生成し、鎖のように連結していくことによりデータを保管する。データ記憶装置4は、P2P(Peer to Peer)ネットワークを使用し、各記憶装置が台頭に直接通信を行う。鎖状に保存することによって、ブロック内のデータを一度記憶した場合、該データを遡及的に変更することができないようになっており、改ざん防止と安全性や信頼性が担保できる。複数の記憶装置は、例えば、複数のコンピュータやサーバ等であってよい。
【0044】
〔ユーザ端末5〕
図1に示すユーザ端末5は、各ユーザが使用する端末である。ユーザ端末5は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)である。ユーザ端末5は、その他、タブレット等の携帯端末であってもよい。
ユーザ端末5は、制御部と、記憶部と、通信IF部と、表示部と、入力部(いずれも図示せず)等とを備える。
【0045】
なお、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、グラフ管理サーバ1及びユーザ端末5は、いずれも制御部、記憶部等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
【0046】
〔処理の説明〕
次に、グラフ提供システム100における処理を説明する。
図5は、本実施形態に係るグラフ管理サーバ1におけるユーザアクセス処理を示すフローチャートである。
図6から
図8までは、本実施形態に係るユーザ端末5に出力される画面例を示す図である。
【0047】
ユーザ端末5は、グラフ管理サーバ1に対して接続し、例えば、ログインページ(図示せず)からユーザID等を入力することで、
図5のステップS(以下、「ステップS」を単に「S」という。)11において、グラフ管理サーバ1の制御部10(ログイン処理部11)は、ログイン処理を行う。制御部10は、例えば、ユーザ情報記憶部32を参照して、ユーザを認証する。
ユーザを認証できると、S12において、制御部10(一覧ページ出力部12)は、一覧ページを編集し、ユーザ端末5に送信する。
【0048】
図6に、ユーザ端末5に出力される一覧ページの例を示す。
図6(A)は、ユーザが一般会員の場合にユーザ端末5に出力される一覧ページ51の例であり、
図6(B)は、ユーザが特別会員の場合にユーザ端末5に出力される一覧ページ52の例である。
図6(A)の一覧ページ51は、ログイン情報部51aと、アイコン出力部51bと、投稿ボタン51cと、質問ボタン51dと、掲示板ボタン51eとを含む。
ログイン情報部51aは、ログイン中のユーザに関する情報を出力する。
アイコン出力部51bは、グラフ記憶部41に記憶された複数のグラフの各々に対応する複数のアイコンを出力する。この例では、グラフの形状を簡略化したアイコンと、グラフIDとを出力している。より具体的には、アイコン出力部51bは、グラフ記憶部41に記憶されたグラフの中で、検証者のユーザIDと検証完了日がブランクのグラフに対応するアイコンを出力する。
投稿ボタン51cは、新たにグラフを作成したため投稿したい場合に、作成者が選択するボタンである。
質問ボタン51dは、グラフの使用方法について助言者からアドバイスを受けたい場合に、利用者が選択するボタンである。
掲示板ボタン51eは、各グラフの情報を知りたい場合に、利用者等が選択するボタンである。
【0049】
図6(B)の一覧ページ52は、ログイン情報部52aと、アイコン出力部52bと、投稿ボタン52cと、質問ボタン52dと、掲示板ボタン52eとの他に、専用アイコン出力部52fを含む。
ログイン情報部52aから掲示板ボタン52eまでは、
図5(A)のログイン情報部51aから掲示板ボタン51eまでと同様である。
専用アイコン出力部52fは、グラフのうち、検証者による検証がされたグラフに対応するアイコンを出力する。つまり、専用アイコン出力部52fは、グラフ記憶部41に記憶されたグラフの中で、検証者のユーザIDと検証完了日に値が入力されているグラフに対応するアイコンを出力する。
なお、一覧ページの構成は一例であって、これに限定されない。例えば、一覧ページに広告を表示する領域を設けて、広告収入を得られるようにしてもよい。
【0050】
図5のS13において、制御部10は、ユーザ端末5から操作信号を受け付けたか否かを判断する。操作信号とは、例えば、
図6の各種のボタンをユーザが操作した場合にユーザ端末5から出力される信号や、アイコン出力部51b等においてユーザがアイコンを操作した場合にユーザ端末5から出力される信号をいう。ユーザ端末5から操作信号を受け付けた場合(S13:YES)には、制御部10は、処理をS14に移す。他方、ユーザ端末5から操作信号を受け付けていない場合(S13:NO)には、制御部10は、処理をS24に移す。
【0051】
S14において、制御部10(登録操作受付部13)は、受け付けた操作信号がグラフの投稿であるか否かを判断する。制御部10は、例えば、
図6(A)の一覧ページ51における投稿ボタン51cの操作や、
図6(B)の一覧ページ52における投稿ボタン52cの操作がされた場合に、グラフの投稿であると判断する。受け付けた操作信号がグラフの投稿である場合(S14:YES)には、制御部10は、処理をS15に移す。他方、受け付けた操作信号がグラフの投稿ではない場合(S14:NO)には、制御部10は、処理をS16に移す。
S15において、制御部10(グラフ登録処理部14)は、グラフ登録処理を行う。グラフ登録処理については、後述する。
【0052】
S16において、制御部10は、受け付けた操作信号が掲示板の要求であるか否かを判断する。制御部10は、例えば、
図6(A)の一覧ページ51における掲示板ボタン51eの操作や、
図6(B)の一覧ページ52における掲示板ボタン52eの操作がされた場合に、掲示板の要求であると判断する。受け付けた操作信号が掲示板の要求である場合(S16:YES)には、制御部10は、処理をS17に移す。他方、受け付けた操作信号が掲示板の要求ではない場合(S16:NO)には、制御部10は、処理をS18に移す。
S17において、制御部10は、掲示板出力処理を行う。制御部10は、各グラフの使用方法やグラフの内容を掲示板の形式にした、掲示板ページ(図示せず)を、ユーザ端末5に出力する。
【0053】
S18において、制御部10は、受け付けた操作信号がグラフの詳細要求であるか否かを判断する。グラフの詳細要求は、例えば、
図7に示すように、ポインタP(なお、利用者の指等であってもよい。)を、特定のアイコン51gを選択した状態で右クリックの操作をすることで出力される右メニュー51hから「詳細を見る」を選択することで行うことができる。受け付けた操作信号がグラフの詳細要求である場合(S18:YES)には、制御部10は、処理をS19に移す。他方、受け付けた操作信号がグラフの詳細要求ではない場合(S18:NO)には、制御部10は、処理をS20に移す。
【0054】
S19において、制御部10(詳細出力処理部15)は、詳細情報出力処理を行う。制御部10は、例えば、
図8に例示する詳細ページ61を、ユーザ端末5に出力する。詳細ページ61は、グラフID部61aと、概要部61bと、インプット情報部61cと、グラフ部61dとを含む。グラフID部61aは、選択されたグラフのグラフIDである。概要部61b及びインプット情報部61cとは、グラフ記憶部41に記憶された各種情報に基づく情報である。グラフ部61dは、グラフデータの形状とその内容とを示す。
【0055】
図5のS20において、制御部10(利用操作受付部16)は、受け付けた操作信号がグラフの利用であるか否かを判断する。グラフの利用は、例えば、
図7に示すように、ポインタPを特定のアイコン51gを選択した状態で右クリックの操作をすることで出力される右メニュー51hから「ダウンロード」や「クラウドで使用」を選択することで行うことができる。受け付けた操作信号がグラフの利用である場合(S20:YES)には、制御部10は、処理をS21に移す。他方、受け付けた操作信号がグラフの利用ではない場合(S20:NO)には、制御部10は、処理をS22に移す。
S21において、制御部10(グラフ提供処理部17)は、グラフ利用処理を行う。グラフ利用処理については、後述する。
【0056】
S22において、制御部10(照会操作受付部18)は、受け付けた操作信号が照会であるか否かを判断する。制御部10は、例えば、
図6(A)の一覧ページ51における質問ボタン51dの操作や、
図6(B)の一覧ページ52における質問ボタン52dの操作がされた場合に、照会であると判断する。受け付けた操作信号が照会である場合(S22:YES)には、制御部10は、処理をS23に移す。他方、受け付けた操作信号が照会ではない場合(S22:NO)には、制御部10は、処理をS24に移す。
S23において、制御部10(回答提供処理部19)は、照会処理を行う。照会処理については、後述する。
【0057】
S24において、制御部10は、ログアウトをするか否かを判断する。例えば、ページのクローズがされることで、制御部10は、ログアウトをすると判断する。ログアウトをする場合(S24:YES)には、制御部10は、本処理を終了する。他方、ログアウトをしない場合(S24:NO)には、制御部10は、処理をS13に移す。
【0058】
次に、グラフ登録処理について説明する。
図9は、本実施形態に係るグラフ管理サーバ1におけるグラフ登録処理を示すフローチャートである。
S31において、制御部10は、ユーザ端末5からグラフを受け付ける。
S32において、制御部10は、グラフのタグ情報を取得する。
【0059】
S33において、制御部10は、検証が不要なグラフであるか否かを判断する。ユーザ端末5において、グラフを登録する際に、検証者による検証の有無が選択できるようになっており、制御部10は、作成者による選択によって、検証の有無を判断できる。検証が不要なグラフである場合(S33:YES)には、制御部10は、処理をS34に移す。他方、検証が必要なグラフである場合(S33:NO)には、制御部10は、処理をS35に移す。
【0060】
S34において、制御部10は、受け付けたグラフを、一般会員向けサイトに登録する。具体的には、制御部10は、グラフ記憶部41(
図4参照)にレコードを追加して、投稿日までの各項目にデータを登録する。その後、制御部10は、処理を
図5のS16に移す。
他方、S35において、制御部10は、グラフを仮領域(
図1参照)に登録する。仮領域は、例えば、記憶部30の一時記憶領域が該当する。
【0061】
S36において、制御部10は、グラフの検証を検証者のユーザ端末5に依頼する。ここで、検証者の選定は、任意である。制御部10は、例えば、図示しない検証者の空き状況に基づいて検証者を選定してもよい。また、制御部10は、例えば、検証をするグラフのタグ情報に基づいて検証者を選定してもよい。
S37において、制御部10は、検証者のユーザ端末5から検証結果を取得する。
S38において、制御部10は、検証結果を作成者のユーザ端末5に通知する。
【0062】
S39において、制御部10は、検証結果がOKであるか、つまり、検証者によるグラフの検証ができたか否かを判断する。検証結果がOKである場合、つまり、検証者によるグラフの検証ができた場合(S39:YES)には、制御部10は、処理をS40に移す。他方、検証結果がNGである場合(S39:NO)には、制御部10は、登録することなく、仮領域から該当のグラフを削除して本処理を終了し、処理を
図5のS16に移す。
【0063】
S40において、制御部10は、仮領域に登録されていたグラフを、特別会員向けサイトに登録する。具体的には、制御部10は、グラフ記憶部41(
図4参照)にレコードを追加して、検証完了日までの全ての項目にデータを登録する。その後、制御部10は、処理を
図5のS16に移す。
【0064】
次に、グラフ利用処理について説明する。
図10は、本実施形態に係るグラフ管理サーバ1におけるグラフ利用処理を示すフローチャートである。
S51において、制御部10は、ユーザ端末5から受け付けた利用に係るグラフが有料であるか否かを判断する。例えば、特別会員専用のグラフ領域である専用アイコン出力部52f(
図6(B)参照)にあるアイコンが選択された場合には、制御部10は、利用に係るグラフが有料であると判断する。利用に係るグラフが有料である場合(S51:YES)には、制御部10は、処理をS52に移す。他方、利用に係るグラフが有料ではない場合(S51:NO)には、制御部10は、処理をS54に移す。
【0065】
S52において、制御部10は、利用金額をユーザ端末5に提示する。利用金額は、例えば、一律に同じ金額であってもよいし、作成者や検証者によって決められた金額であってもよい。
S53において、制御部10は、ユーザ端末5から支払情報を受け付ける。
S54において、制御部10は、ユーザ端末5から受け付けた利用に係るグラフの利用方法がダウンロードによるものであるか否かを判断する。ダウンロードである場合(S54:YES)には、制御部10は、処理をS55に移す。他方、ダウンロードではない場合(S54:NO)には、制御部10は、処理をS56に移す。
【0066】
S55において、制御部10は、対象のグラフに係るデータを、ユーザ端末5に送信する。その後、制御部10は、処理をS57に移す。
他方、S56において、制御部10は、対象のグラフに係るデータを、クラウド上での利用が可能に更新する。
S57において、制御部10は、利用者履歴記憶部42に履歴情報を登録する。その後、制御部10は、処理を
図5のS22に移す。
【0067】
次に、照会処理について説明する。
図11は、本実施形態に係るグラフ管理サーバ1における照会処理を示すフローチャートである。
S61において、制御部10は、ユーザ端末5から質問内容を受け付ける。
S62において、制御部10は、質問内容を、助言者のユーザ端末5に送信する。なお、助言者の選定方法は、任意である。
S63において、制御部10は、助言者のユーザ端末5から回答を取得する。
S64において、制御部10は、回答を質問者のユーザ端末5に送信する。その後、制御部10は、処理を
図5のS24に移す。
【0068】
次に、履歴処理について説明する。
図12は、本実施形態に係るグラフ管理サーバ1における履歴処理を示すフローチャートである。
図12に示す履歴処理は、グラフ管理サーバ1の制御部10が、例えば、週に1回や月に1回等の所定のタイミングで繰り返し実行する処理である。
S81において、制御部10(報酬付与部20)は、利用者履歴記憶部42を参照し、グラフごとの所定期間における利用状況を確認する。制御部10は、利用状況として、例えば、グラフの提供状況であるダウンロード数や、クラウドでの使用数を算出する。
【0069】
S82において、制御部10(報酬付与部20)は、利用状況に応じたグラフごとの報酬額を、所定期間で得た利用金額等に基づき算出する。制御部10は、報酬額の原資として、所定期間で得た利用金額の他、例えば、一覧ページに出力される広告の広告費を用いてもよい。
S83において、制御部10(報酬付与部20)は、作成者ごとに報酬額をまとめて報酬額記憶部33に登録する。
【0070】
S84において、制御部10(推薦情報提供部21)は、利用者履歴記憶部42を参照し、利用者ごとの利用傾向を分析する。
S85において、制御部10(推薦情報提供部21)は、分析結果に基づき、利用者に適するグラフを、利用者のユーザ端末5にリコメンドする。なお、リコメンドのタイミングは、例えば、利用者がユーザ端末5からログイン処理を行った後に、一覧ページに出力するものであってもよいし、利用者のユーザ端末5に通知をするものであってもよい。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0071】
このように、本実施形態のグラフ管理サーバ1によれば、以下のような効果がある。
(1)作成者が作成したグラフをユーザ端末5から受信して、グラフ記憶部41に登録し、グラフ記憶部41に記憶されたグラフのグラフIDやアイコンを、利用者のユーザ端末5から閲覧可能に出力する。また、グラフを利用可能に、利用者のユーザ端末5に提供し、グラフの提供状況を取得し、取得したグラフの提供状況に応じて、グラフに対応する作成者に報酬を付与する。
よって、グラフの作成者は、グラフを利用してもらうためのプラットフォームに、自身が作成したグラフを投稿して登録することができる。また、グラフの利用がされることで、提供状況に応じてグラフの作成者に報酬が付与されるので、作成者のグラフ作成に係るモチベーションが向上する。その結果、グラフ管理サーバ1が提供し管理をするグラフの投稿及び利用の場が活性化する。
【0072】
(2)グラフの利用に係る利用金額を利用者が支払うことに応じて、グラフを利用可能にして利用者のユーザ端末5に提供する。よって、利用者は、使用料金の支払をすることで、グラフを利用できる。
(3)利用者が支払った利用金額のうち少なくとも一部を報酬として、作成者に付与する。よって、作成者に支払う報酬の原資に、利用者による利用金額を用いることができる。
【0073】
(4)グラフと、グラフの内容及び/又は使用方法に係る説明情報とを受信して、グラフ記憶部41に、グラフと説明情報とを対応付けて記憶し、説明情報を、利用者のユーザ端末5から閲覧可能に出力する。
よって、作成者は、グラフの内容や使用方法を自ら入力して、登録することができるので、グラフの内容や使用方法を最も熟知した作成者による情報を利用者に提供できる。また、利用者は、説明情報を確認して、グラフの内容や使用方法を理解することができ、グラフに対する利用者の理解を促すことができる。
(5)グラフからタグ情報を取得し、タグ情報をグラフに対応付けて記憶して、利用者のユーザ端末5から閲覧可能に出力する。
よって、グラフから自動的にタグ情報を取得するので、作成者の手間を削減できる。また、利用者は、タグ情報を頼りにグラフの内容を確認することができて便利である。
【0074】
(6)グラフに対応するアイコンを、利用者のユーザ端末5から閲覧可能に出力し、アイコンに対する所定の操作を受け付けた場合に、アイコンに対応するグラフに係るデータを出力する。
よって、グラフをアイコンとして出力するので、見せ方の工夫をしたものにできる。また、アイコンでは分からないグラフの内容を、アイコンに対する所定の操作をすることで出力できるので、ユーザフレンドリーな操作によって、グラフの詳細を出力できて便利である。
【0075】
(7)グラフの検証を、検証者が用いるユーザ端末5に依頼し、検証者によるグラフの検証ができた場合に、グラフをグラフ記憶部41に登録する。
よって、信頼性のあるグラフを登録することができる。
(8)利用者のユーザ端末5からグラフの利用に係る照会情報を受信し、照会情報に対する回答を、助言者のユーザ端末5に依頼し、助言者による回答情報を、助言者のユーザ端末5から受信することで、回答情報を、利用者のユーザ端末5に送信する。
よって、グラフの利用に関する照会の場を提供するので、利用者にとってより使い勝手のよい環境を提供できる。特に、グラフ同士の組み合わせに関する照会については、利用者が閲覧できる詳細データが個々のグラフの詳細であるため不明であり、照会ができることは有用である。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0077】
(変形形態)
(1)本実施形態では、ナレッジグラフに関する投稿及び利用の場について説明したが、これに限定されない。例えば、ナレッジグラフを作成するのに必要な知識辞書の投稿や利用に用いてもよい。
【0078】
(2)本実施形態では、特に説明をしなかったが、利用者がダウンロードをしたグラフに対して他のグラフを結合させたものを、当該利用者が作成者として、データ管理サーバに投稿するものを排除しない。このように、利用者によって工夫がされたグラフをさらに投稿するといった循環ができるので、グラフ管理サーバ1が提供するサービスの活性化を図ることになる。
【0079】
(3)本実施形態では、グラフの利用に際して利用金額を支払うものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、特別会員は、グラフの使用数によらず、定額の使用料金を支払うものであってもよい。
【0080】
(4)本実施形態では、利用状況に応じて作成者に報酬を付与するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、検証者にも報酬を付与してもよい。また、検証者による検証がされたグラフの還元率を、それ以外の還元率より高くする等、付与する報酬額を様々な方法によって決定するようにしてもよい。
【0081】
(5)本実施形態では、一覧ページにおいてグラフのアイコンを並べて出力するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、タグ情報に基づいて類似するグラフを同一のグループにグループ化して出力するようにしてもよい。そのようにすることで、類似するグラフがまとまって出力されるので、利用者に分かりやすい出力をすることができる。
【0082】
(6)本実施形態では、グラフ管理サーバ1に接続されたデータ記憶装置4に、各種のデータを記憶するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、グラフ管理サーバの記憶部に、各種のデータを記憶していてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 グラフ管理サーバ
4 データ記憶装置
5 ユーザ端末
10 制御部
12 一覧ページ出力部
14 グラフ登録処理部
15 詳細出力処理部
17 グラフ提供処理部
19 回答提供処理部
20 報酬付与部
21 推薦情報提供部
30 記憶部
31a グラフ管理プログラム
32 ユーザ情報記憶部
33 報酬額記憶部
41 グラフ記憶部
42 利用者履歴記憶部
51,52 一覧ページ
61 詳細ページ
100 グラフ提供システム