(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092302
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/317 20210101AFI20240701BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20240701BHJP
H01G 11/12 20130101ALI20240701BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20240701BHJP
H01G 11/14 20130101ALI20240701BHJP
H01M 50/555 20210101ALI20240701BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20240701BHJP
【FI】
H01M50/317 101
H01M50/548 101
H01G11/12
H01G11/78
H01G11/14
H01M50/555
H01M50/103
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208136
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【弁理士】
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】坂口 誠
(72)【発明者】
【氏名】前田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】田丸 耕二郎
【テーマコード(参考)】
5E078
5H011
5H012
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA11
5E078AB02
5E078HA05
5E078HA24
5E078JA02
5E078JA06
5H011AA13
5H011CC02
5H012AA07
5H012BB08
5H012DD11
5H043AA02
5H043BA12
5H043BA16
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA13
5H043CA22
5H043FA10
(57)【要約】
【課題】最外セルのガス透過量と中間セルのガス透過量との差を低減できる蓄電モジュールを提供する。
【解決手段】蓄電モジュールの枠体は、最外セルに連通された第1連通孔と、中間セルに連通された第2連通孔と、を有する。圧力調整弁は、第1連通孔に第1中間空間を介して連通された第3連通孔、及び、第2連通孔に第1中間空間とは隔たれた第2中間空間を介して連通された第4連通孔、を含む壁体を有する。壁体は、第1中間空間に臨む第1壁部と、第2中間空間に臨む第2壁部と、を含む。第1壁部における第2方向の厚みは、第2壁部における第2方向の厚みよりも大きくなるように形成されている。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に積層された複数の電極を備える電極積層体、及び、前記電極積層体を取り囲むように配置されて前記第1方向に隣り合う前記複数の電極の間に形成された内部空間のそれぞれを封止する枠体、を有するモジュール本体と、
前記枠体に取り付けられた圧力調整弁と、を備える蓄電モジュールであって、
前記複数の電極は、前記第1方向の両端に位置する一対の終端電極と、前記第1方向において前記一対の終端電極の間に配置された複数の中間電極と、を含み、
前記枠体は、前記一対の終端電極の一方の前記終端電極と当該一方の終端電極に隣り合う前記中間電極との間に形成された第1内部空間に連通されて前記枠体の外周面に開口した第1連通孔と、隣り合う前記中間電極の間に形成された第2内部空間に連通されて前記枠体の外周面に開口した第2連通孔と、を有し、
前記圧力調整弁は、
前記第1連通孔に連通する第3連通孔、及び、前記第2連通孔に連通する第4連通孔、を含み、前記枠体の前記外周面に対向する壁体と、
前記第1方向に交差する第2方向に押圧された状態で、前記第3連通孔及び前記第4連通孔をそれぞれ塞ぐ複数の弁体と、を有し、
前記枠体の前記外周面と前記壁体との間には、前記第1連通孔と前記第3連通孔との間に介在する第1中間空間と、前記第2連通孔と前記第4連通孔との間に介在する第2中間空間とのそれぞれを隔てて形成する枠部が設けられ、
前記壁体は、前記第1中間空間に臨み前記第2方向から見て前記弁体と重複しない第1壁部と、前記第2中間空間に臨み前記第2方向から見て前記弁体と重複しない第2壁部と、を含み、
前記第1壁部における前記第2方向の厚みは、前記第2壁部における前記第2方向の厚みよりも大きくなるように形成されている、蓄電モジュール。
【請求項2】
前記第1壁部における前記第1中間空間に臨む壁面と前記第2壁部における前記第2中間空間に臨む壁面とは、互いに同じ平面上に形成されている、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記第2壁部における前記第2方向の厚みは、前記第2方向から見て前記弁体と重複する前記壁体の領域における前記第2方向の厚みよりも小さくなるように形成されている、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記枠体には複数の前記圧力調整弁が設けられ、
前記枠体は、前記一対の終端電極の他方の前記終端電極と当該他方の終端電極に隣り合う前記中間電極との間に形成された第3内部空間と連通された第5連通孔をさらに含み、
前記複数の前記圧力調整弁は、前記第3連通孔を含む第1圧力調整弁と、前記第5連通孔に連通する第6連通孔を含む第2圧力調整弁とを少なくとも含み、
前記第1圧力調整弁と前記第2圧力調整弁とのそれぞれは、前記第2方向に沿った回転軸を中心に互いに反転して前記枠体に取り付けられた同一形状の部材であって、前記第2方向に交差する方向に沿って外方に突出した突起を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、蓄電モジュールが開示されている。この蓄電モジュールは、複数の電極が積層方向に積層された電極積層体と、隣り合う電極間に形成される内部空間を封止するシール部材と、を備える。シール部材には電界液を注入する注液口が設けられており、この注液口は、圧力調整弁によって封止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような蓄電モジュールでは、隣り合う一対の電極によってセルが形成されている。セル内で発生するガスは、電極の周縁を封止する樹脂製のシール部材を介して外部に透過し得る。上記のような蓄電モジュールにおけるセル内部からセル外部へのガス透過についてみてみると、積層方向の中間に位置するセル(中間セル)では、積層方向と交差する方向にガスが透過し得るのに対し、積層方向の端部に位置するセル(最外セル)では、中間セルと同じ積層方向と交差する方向へのガス透過に加えて、積層方向の隣接セルが存在しない側へのガス透過が存在し得る。したがって、最外セルから単位時間当たりで外部に透過するガスの量は、中間セルから単位時間当たりで外部に透過するガスの量に比べて多くなる。同一の蓄電モジュールにおいて、複数のセル間でガス透過量の差が大きくなることは、電極寿命に影響が出る虞があり望ましくない。
【0005】
本開示は、最外セルからセル外部へのガス透過量と中間セルからセル外部へのガス透過量との差を低減できる蓄電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る蓄電モジュールは、第1方向に積層された複数の電極を備える電極積層体、及び、電極積層体を取り囲むように配置されて第1方向に隣り合う複数の電極の間に形成された内部空間のそれぞれを封止する枠体、を有するモジュール本体と、枠体に取り付けられた圧力調整弁と、を備える。複数の電極は、第1方向の両端に位置する一対の終端電極と、第1方向において一対の終端電極の間に配置された複数の中間電極と、を含む。枠体は、一対の終端電極の一方の終端電極と当該一方の終端電極に隣り合う中間電極との間に形成された第1内部空間に連通されて枠体の外周面に開口した第1連通孔と、隣り合う中間電極の間に形成された第2内部空間に連通されて枠体の外周面に開口した第2連通孔と、を有する。圧力調整弁は、第1連通孔に連通する第3連通孔、及び、第2連通孔に連通する第4連通孔、を含み、枠体の外周面に対向する壁体と、第1方向に交差する第2方向に押圧された状態で、第3連通孔及び第4連通孔をそれぞれ塞ぐ複数の弁体と、を有する。枠体の外周面と壁体との間には、第1連通孔と第3連通孔との間に介在する第1中間空間と、第2連通孔と第4連通孔との間に介在する第2中間空間とのそれぞれを隔てて形成する枠部が設けられている。壁体は、第1中間空間に臨み第2方向から見て弁体と重複しない第1壁部と、第2中間空間に臨み第2方向から見て弁体と重複しない第2壁部と、を含む。第1壁部における第2方向の厚みは、第2壁部における第2方向の厚みよりも大きくなるように形成されている。
【0007】
上記の蓄電モジュールでは、終端電極と当該終端電極に隣り合う中間電極とによって第1内部空間を有する最外セルが構成され、隣り合う中間電極によって第2内部空間を有する中間セルが構成される。第1内部空間は、第1連通孔によって第1中間空間と連通しており、第2内部空間は、第2連通孔によって第2中間空間と連通している。そのため、最外セルを構成する第1内部空間で発生したガスの一部は、第1中間空間に臨む第1壁部を透過し得る。同様に、中間セルを構成する第2内部空間で発生したガスの一部は、第2中間空間に臨む第2壁部を透過し得る。第1壁部における第2方向の厚みが第2壁部における第2方向の厚みよりも大きくなっているため、第2壁部を単位時間当たりで透過するガスの量に比べて、第1壁部を単位時間当たりで透過するガスの量は少なくなる。したがって、最外セルのガス透過量と中間セルのガス透過量との差を低減できる。
【0008】
第1壁部における第1中間空間に臨む壁面と第2壁部における第2中間空間に臨む壁面とは、互いに同じ平面上に形成されてもよい。この構成では、第1中間空間の容積と第2中間空間の容積とを同一にし易い。この場合、同量のガスが発生した際に最外セルと中間セルと間で内圧の差を生じ難くすることができる。
【0009】
第2壁部における第2方向の厚みは、第2方向から見て弁体と重複する壁体の領域における第2方向の厚みよりも小さくなるように形成されてもよい。この構成では、壁体における弁体が押圧される領域について強度を確保しつつ、第2壁部からのガスの透過量を増大することができる。
【0010】
枠体には複数の圧力調整弁が設けられ得る。枠体は、一対の終端電極の他方の終端電極と当該他方の終端電極に隣り合う中間電極との間に形成された第3内部空間と連通された第5連通孔をさらに含み得る。複数の圧力調整弁は、第3連通孔を含む第1圧力調整弁と、第5連通孔に連通する第6連通孔を含む第2圧力調整弁とを少なくとも含み、第1圧力調整弁と第2圧力調整弁とのそれぞれは、第2方向に沿った回転軸を中心に互いに反転して枠体に取り付けられた同一形状の部材であって、第2方向に交差する方向沿って外方に突出した突起を有していてよい。この構成では、第1圧力調整弁と第2圧力調整弁とで部品の共通化が可能であり、コストの低減を図ることができる。また、突起の位置を外部から検出器等で確認することにより、圧力調整弁の取付方向(回転位置)を間違えることが抑制される。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、最外セルのガス透過量と中間セルのガス透過量との差を低減できる蓄電モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一例の蓄電装置を示す断面図である。
【
図3】
図3は、一例の蓄電モジュールを示す断面図である。
【
図4】
図4は、一例の蓄電モジュールを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、一例の蓄電モジュールを構成する本体の側面を示す平面図である。
【
図6】
図6は、一例の蓄電モジュールの一部を示す分解斜視図である。
【
図7】
図7は、一例の圧力調整弁の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。図中には、必要に応じてXYZ直交座標系が示される。Z軸方向は、一例として鉛直方向であり、X軸方向(第2方向及び第3方向)及びY軸方向(第1方向)は、一例として水平方向である。
【0014】
図1及び
図2は、一実施形態に係る蓄電モジュールを備えた蓄電装置を示す断面図である。
図1には、X軸方向に直交する断面が示されている。
図2には、
図1のII-II線に沿った断面、すなわちY軸方向に直交する断面が示されている。
図1及び
図2に示される蓄電装置1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられ得る。蓄電装置1は、Z軸方向に沿って積層された複数の蓄電モジュール4を含むモジュール積層体2と、モジュール積層体2に対してZ軸方向に沿って拘束荷重を付加する拘束部材3と、を備えている。
【0015】
モジュール積層体2は、複数(ここでは3つ)の蓄電モジュール4と、複数(ここでは2つ)の導電板5と、を含む。蓄電モジュール4は、例えばバイポーラ電池であり、Z軸方向から見て矩形状をなしている。一例の蓄電モジュール4は、Z軸方向から見て長辺と短辺とを有する長方形状である。蓄電モジュール4は、例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、鉛電池等の二次電池、又は、電気二重層キャパシタである。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
【0016】
導電板5は、Z軸方向に沿って隣り合う蓄電モジュール4同士の間に配置されている。これにより、複数の蓄電モジュール4が導電板5を介して電気的に接続されている。例えば、各蓄電モジュール4は、Z軸方向の一方の端面に正極端子面を備え、Z軸方向の他方の端面に負極端子面を備えており、導電板5を介して積層される複数の蓄電モジュール4は直列接続される。モジュール積層体2のZ軸方向の一端に位置する蓄電モジュール4の外側には、正極端子6aが引き出された集電板6が配置されている。集電板6は、当該蓄電モジュール4に電気的に接続されている。また、モジュール積層体2のZ軸方向の他端に位置する蓄電モジュール4の外側には、負極端子7aが引き出された集電板7が配置されている。集電板7は、当該蓄電モジュール4に電気的に接続されている。これらの正極端子6a及び負極端子7aを用いることにより、蓄電装置1の充放電が行われる。
【0017】
導電板5の内部には、空気等の冷媒を流通させる複数の流路5aが設けられている。流路5aは、例えば、Z軸方向と、正極端子6a及び負極端子7aの引き出し方向と、にそれぞれ交差(直交)する方向(ここではX軸方向)に沿って延在している。導電板5は、蓄電モジュール4同士を電気的に接続する接続部材としての機能のほか、これらの流路5aに冷媒を流通させることにより、蓄電モジュール4で発生した熱を放熱する放熱部材としての機能を有する。
【0018】
拘束部材3は、モジュール積層体2を積層方向に挟む一対の拘束板8と、拘束板8同士を締結することにより接続するボルト等の複数の締結具9と、締結具9の本体部(例えばボルトの軸部)を収容する支柱10と、を含む。拘束板8は、第1方向から見た蓄電モジュール4及び導電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。拘束板8は、Z軸方向から見て長辺と短辺とを有する長方形状である。拘束板8の内側面(モジュール積層体2側の面)には、板状の絶縁部材Fが設けられている。すなわち、モジュール積層体2と拘束板8との間には、集電板6又は集電板7と絶縁部材Fが介在される。これにより、拘束板8とモジュール積層体2(集電板6,7)との間が絶縁される。
【0019】
一方の拘束板8の縁部には、Z軸方向から見てモジュール積層体2よりも外側となる位置に挿通孔8aが設けられ、他方の拘束板8の縁部には、挿通孔8aに対向する位置においてネジ穴8bが設けられている。締結具9は、一方の拘束板8の挿通孔8aから他方の拘束板8のネジ穴8bに向かって通され、他方の拘束板8のネジ穴8bに螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5が拘束板8によって挟持されてモジュール積層体2としてユニット化されると共に、モジュール積層体2に対してZ軸方向に沿って拘束荷重が付加される。
【0020】
このように、締結具9は、モジュール積層体2の外側に配置され、Z軸方向に沿って延在するとともにZ軸方向に沿って一対の拘束板8を互いに締結することにより、モジュール積層体2を拘束する。支柱10は、一対の拘束板8の間に介在され、締結具9と共にZ軸方向に沿って延在している。支柱10は、Z軸方向についての一対の拘束板8の距離を規定することにより、モジュール積層体2への拘束力を規定する。蓄電装置1では、1つの締結具9と当該締結具9を収容する1つの支柱10とが、Z軸方向から見て、拘束板8の長辺に沿って複数配列されている。また、締結具9及び支柱10は、Z軸方向から見たときに、拘束板8の短辺に沿う方向に互いに対向している。
【0021】
次に、蓄電モジュール4の構成について詳細に説明する。
図3は、蓄電モジュールを示す断面図である。
図4は、蓄電モジュールを示す斜視図である。蓄電モジュール4は、Z軸方向を積層方向として、複数のセル(例えば24セル)が積層された構造(複数セル構造)を有している。蓄電モジュール4は、モジュール本体4Aと、モジュール本体4Aに取り付けられた複数(ここでは2つ)の圧力調整弁22とを備える。モジュール本体4Aは、電極積層体11と、電極積層体11を取り囲むように配置された枠体25とを備える。電極積層体11は、セパレータ13を介して、Z軸方向に沿って積層された複数の電極を含む。図示例の電極積層体11は、複数の電極として、一つの負極終端電極18と、一つの正極終端電極19と、負極終端電極18と正極終端電極19との間に配置された複数のバイポーラ電極14(中間電極)と、を有している。電極の積層方向はモジュール本体4Aの積層方向と一致していてよい。
【0022】
バイポーラ電極14は、第1面15a及び第1面15aの反対の第2面15bを含む電極板15と、第1面15aに設けられた正極活物質層16と、第2面15bに設けられた負極活物質層17と、を含んでいる。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の正極活物質層16は、セパレータ13を挟んでZ軸方向に隣り合う別のバイポーラ電極14の負極活物質層17と対向している。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極活物質層17は、セパレータ13を挟んでZ軸方向に隣り合うさらに別のバイポーラ電極14の正極活物質層16と対向している。
【0023】
負極終端電極18は、電極板15、及び電極板15の第2面15bに設けられた負極活物質層17を含んでいる。負極終端電極18の電極板15の第1面15aには、活物質層が設けられていない。負極終端電極18は、その第2面15bが電極積層体11の内側(Z軸方向についての中心側)になるように、電極積層体11のZ軸方向の一端に配置されている。負極終端電極18の負極活物質層17は、セパレータ13を介して、Z軸方向の一端のバイポーラ電極14の正極活物質層16と対向している。
【0024】
正極終端電極19は、電極板15、及び電極板15の第1面15aに設けられた正極活物質層16を含んでいる。正極終端電極19の電極板15の第2面15bには、活物質層が設けられていない。正極終端電極19は、その第1面15aが電極積層体11の内側になるように、電極積層体11のZ軸方向の他端に配置されている。正極終端電極19の正極活物質層16は、セパレータ13を介して、Z軸方向の他端のバイポーラ電極14の負極活物質層17と対向している。
【0025】
負極終端電極18の電極板15の第1面15aは、電極積層体11の外側に臨む面である。負極終端電極18の第1面15aには、金属板50を介して、導電板5が電気的に接続されている。また、正極終端電極19の電極板15の第2面15bは、電極積層体11の外側に臨む面である。正極終端電極19の第2面15bには、金属板50を介して、別の導電板5が電気的に接続されている。
【0026】
電極板15は、例えば、ニッケル又はニッケルメッキ鋼板といった金属からなる。一例として、電極板15は、ニッケルからなる矩形の金属箔である。電極板15の周縁部(バイポーラ電極14、負極終端電極18、及び、正極終端電極19の周縁部)15cは、矩形枠状をなし、正極活物質層16及び負極活物質層17が形成されていない領域となっている。正極活物質層16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極活物質層17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。
【0027】
セパレータ13は、例えばシート状に形成されている。セパレータ13としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。
【0028】
枠体25は、例えば絶縁性の樹脂によって、全体として矩形の筒状に形成されている。枠体25は、電極板15の周縁部15cを包囲するように電極積層体11に設けられている。枠体25は、電極板15の周縁部15cに接合された複数の第1シール部21と、積層方向Dに沿って延在し、第1シール部21のそれぞれに接合された第2シール部12とを有している。第1シール部21及び第2シール部12は、例えば、絶縁性の樹脂であって、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等から構成され得る。
【0029】
複数の第1シール部21は、それぞれ、第1部分21aと第2部分21bと第3部分21cとを含む。第1部分21aは、Z軸方向からみて矩形枠状に形成されており、電極板15の周縁部15cに接合(例えば溶着)されている。第2部分21bは、Z軸方向からみて矩形枠状を呈しており、第1部分21aの一部の上に配置されている。Z軸方向からみて、第2部分21bの内縁は、第1部分21aの内縁よりも外側に位置している。セパレータ13は、その周縁部が、第1部分21aの第2部分21bから露出された部分に配置されて接合(例えば溶着されている)。
【0030】
第3部分21cは、Z軸方向に沿って延びる矩形筒状を呈しており、複数の第1部分21a及び複数の第2部分21bを互いに接合して一体化している。第1部分21a及び第2部分21bは、例えば、1枚のシート状の部材を折り重ねることにより形成され得る。この場合、第3部分21cは、例えば、当該シート状の部材の折り曲げ箇所(第1部分21a及び第2部分21bの外側の端部)を溶着することにより形成される溶着端部である。
【0031】
第2シール部12は、例えば絶縁性の樹脂によって、全体として矩形筒状に形成されている。第2シール部12は、Z軸方向から見て、電極積層体11を包囲するように電極積層体11の周囲に設けられている。第2シール部12は、第1シール部21を外側から包囲するように第1シール部21に接合(例えば溶着)されている。第2シール部12は、例えば、樹脂の射出成型によって形成され、Z軸方向に沿って電極積層体11の全長にわたって延在している。第2シール部12は、例えば、射出成型時の熱によって第1シール部21の外表面に溶着されている。
【0032】
第1シール部21及び第2シール部12は、Z軸方向に沿って隣り合うバイポーラ電極14同士の間、負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び、正極終端電極19とバイポーラ電極14との間をそれぞれ封止している。これにより、バイポーラ電極14同士の間、負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び、正極終端電極19とバイポーラ電極14との間には、それぞれ気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。すなわち、電極積層体11を取り囲むように配置された枠体25は、Z軸方向に隣り合う複数の電極板15の間に内部空間Vを形成するとともに、内部空間Vのそれぞれを封止する。この内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液からなる電解液(不図示)が収容されている。電解液の少なくとも一部は、セパレータ13、正極活物質層16及び負極活物質層17内に含浸され得る。なお、一例のモジュール本体4Aは、24カ所の内部空間Vを有している。以下の説明では、正極終端電極19と正極終端電極19に隣り合うバイポーラ電極14との間に形成された内部空間Vを第1内部空間V1といい、隣り合うバイポーラ電極14同士の間に形成された内部空間Vを第2内部空間V2といい、負極終端電極18と負極終端電極18に隣り合うバイポーラ電極14との間に形成された内部空間Vを第3内部空間V3という場合がある。
【0033】
図1~
図4に示されるように、第2シール部12は、蓄電モジュール4の長辺に沿った一対の外周面12sと、外周面12s同士を接続する一対の外周面12rと、を含む。外周面12s及び外周面12rは、Z軸方向に沿って延びる面である。ここでは、外周面12sがX軸方向に交差(直交)する面であり、外周面12rがY軸方向に交差(直交)する面である。また、外周面12sのY軸方向の長さは、外周面12rのX軸方向の長さよりも長い。上述した導電板5において、流路5aは、X軸方向に沿って延在し、導電板5のX軸方向に交差する一対の表面に開口している。
【0034】
したがって、隣り合う蓄電モジュール4の第2シール部12の外周面12s側の隙間は、流路5aに対する冷媒の導入及び導出に利用される(冷媒が通過する)。一方、隣り合う蓄電モジュール4の第2シール部12の外周面12r側の隙間は、流路5aに対する冷媒の導入及び導出に利用されない。このため、モジュール積層体2では、隣り合う蓄電モジュール4の第2シール部12の外周面12s側の隙間は開放されており、外周面12r側の隙間は封止材Eにより封止されている。
【0035】
ここで、蓄電モジュール4は、一対の金属板50を備えてもよい。本実施形態では、金属板50は、Z軸方向における電極積層体11の一端(負極終端電極18側の端部)及び他端(正極終端電極19側の端部)に設けられている。一対の金属板50のうちの一方は、負極終端電極18の電極板15の第1面15aと導電板5とに接触する。一対の金属板50の他方は、正極終端電極19の電極板15の第2面15bと別の導電板5とに接触する。このように、蓄電モジュール4では、負極終端電極18及び正極終端電極19のさらに外側に金属板50が設けられることになる。Z軸方向における一端に配置された金属板50(負極終端電極18)は、蓄電モジュール4の負極端子面を構成する。また、Z軸方向における他端に配置された金属板50(正極終端電極19)は、蓄電モジュール4の正極端子面を構成する。
【0036】
一対の金属板50の一方の周縁部は、負極終端電極18の電極板15に設けられた第1シール部21の第1部分21aと、当該第1部分21aの反対側に設けられた別の第1部分21aとによって挟持されている。これらの一対の第1部分21aは、第3部分21cによって接合(例えば溶着)されて一体化されている。一対の金属板50の他方の周縁部は、正極終端電極19の電極板15に設けられた第1シール部21の第1部分21aと、当該第1部分21aの反対側に設けられた別の第1部分21aとによって挟持されている。これらの一対の第1部分21aについても、第3部分21cによって接合(例えば溶着)されて一体化されている。金属板50は、活物質層が形成されていない電極板15といった金属箔(未塗工箔)である。
【0037】
図5は、モジュール本体4Aを構成する枠体25における1つの壁部25aを示す。
図6は、蓄電モジュール4の一部を示す分解斜視図である。
図4~
図6に示されるように、壁部25a(第2シール部12の外周面12r)には、圧力調整弁22を取り付けるための複数(ここでは4つ)の取付領域24が設けられている。複数の取付領域24は、X軸方向において互いに離間している。一例においては、X軸方向において隣り合う2つの取付領域24に対して1つの圧力調整弁22が取り付けられる。
【0038】
各取付領域24において、枠体25は、内部空間V(
図3参照)に連通された連通孔24aを有する。各取付領域24には、複数(ここでは6つ)の連通孔24aが設けられている。連通孔24aは、各取付領域24において3列2段(Y軸方向に3列、Z軸方向に2段)に配列されている。したがって、連通孔24aは、壁部25aにおいて12列2段に配列されている。各連通孔24aは、異なるセルの内部空間Vとそれぞれ連通されており、外周面12rに開口している。
【0039】
具体的には、
図5において紙面に向かって左端に設けられた取付領域24は、連通孔24a1(第1連通孔)と、複数(ここでは5つ)の連通孔24a2(第2連通孔)とをそれぞれ有する。
図5において、X軸方向の内側に設けられた2つの取付領域24は、複数(ここでは6つ)の連通孔24a2のみを有する。
図5において、紙面に向かって右端に設けられた取付領域24は、連通孔24a3(第5連通孔)と、複数(ここでは5つ)の連通孔24a2とをそれぞれ有する。連通孔24a1は、積層方向Dの最も負側の第1内部空間V1に連通されている。各連通孔24a2は、積層方向Dの中間に配置された複数の第2内部空間V2のうちのいずれか1つに連通されている。連通孔24a3は、積層方向Dの最も正側の第3内部空間V3に連通されている。
【0040】
各連通孔24aは、第1シール部21に設けられた貫通孔21hと、第2シール部12に設けられた貫通孔12hとを含む。連通孔24aは、内部空間Vに電解液を注入するための注液孔として機能する。また、連通孔24aは、電解液が注入された後は、内部空間Vで発生したガス(例えば水素ガス)が流れる流路となる。
【0041】
各取付領域24において、第2シール部12は、略枠状の接合用の突起27を有している。突起27は、モジュール本体4Aと圧力調整弁22とを熱溶着により接合するのに用いられるとともに、各内部空間Vからのガスがそれぞれ流れる複数(ここでは6つ)の中間空間28を形成する。中間空間28は、注液孔やガスが流れる流路の一部を構成し得る。中間空間28は、X軸方向に垂直な面に沿った断面において矩形状を有している。突起27は、Y軸方向から見て、格子状に形成されている。
【0042】
図5において紙面に向かって左端に設けられた取付領域24の複数の中間空間28は、連通孔24a1に連通する中間空間281(第1中間空間)と、連通孔24a2に連通する中間空間282(第2中間空間)とを含む。
図5においてX軸方向の内側に設けられた2つの取付領域24の複数の中間空間28は、連通孔24a2に連通する中間空間282のみによって構成される。
図5において紙面に向かって右端に設けられた取付領域24の複数の中間空間28は、連通孔24a3に連通する中間空間283と、連通孔24a2に連通する中間空間282とを含む。
【0043】
次に、モジュール本体4Aに取り付けられる圧力調整弁22の構成について詳細に説明する。
図7は、圧力調整弁の分解斜視図である。
図8は、カバーの平面図である。
図9は、ケースの平面図である。
図10は、ケースの底面図である。
図11は、
図9のXI-XI線に沿った断面図である。
【0044】
図6~
図11に示されるように、圧力調整弁22は、ハウジング23と、複数(ここでは12個)の弁体30と、を有している。ハウジング23は、ケース29と、カバー31とを含んでいる。ケース29は、例えばPP、PPS、変性PPE等の樹脂で形成されている。ケース29は、ケース29とカバー31とが対向する対向方向から見て略矩形状に形成されている。対向方向は、モジュール本体4Aの外周面12rに対する圧力調整弁22の取付方向であり、弁体30の圧縮方向でもある。圧力調整弁22は、外周面12rに垂直な方向に、モジュール本体4Aに取り付けられる。このため、ケース29とカバー31との対向方向は、Y軸方向と一致している。
【0045】
ケース29は、底壁32(壁体)を有している。底壁32は、モジュール本体4Aの外周面12rとY軸方向において対向(対面)する。底壁32には、底壁32をY軸方向において貫通する複数(ここでは12個)の貫通孔33(連通孔)が設けられている。貫通孔33は、モジュール本体4Aに対面する外壁面32aからカバー31に対面する内壁面32bに至っている。
【0046】
図6及び
図7に示されるように、ケース29は、それぞれ底壁32からカバー31側に突出した外周壁36及び隔壁37を有している。本実施形態では、外周壁36及び隔壁37は、底壁32と一体的に形成されている。外周壁36は、複数(ここでは12個)の弁体30を一括して包囲するように、底壁32の内壁面32bの縁部に立設されている。具体的には、外周壁36は、底壁32の外周縁部の全周にわたって形成されており、ケース29の外壁を構成している。より具体的には、外周壁36は、Y軸方向から見て、略矩形状に形成された底壁32の外周縁部に沿って、略矩形枠状に形成されている。
【0047】
隔壁37は、各弁体30の側面30cを覆うように底壁32の内壁面32bに立設されている。一例において、隔壁37は、各弁体30が収容される円柱状の収容空間S1を形成している。本実施形態では、隔壁37と外周壁36の一部とが弁体30の側面30cを包囲することによって、収容空間S1が形成されている。また、本実施形態では、一の弁体30を収容する隔壁37と当該一の弁体30に隣接する位置に配置された他の弁体30を収容する隔壁37とは、一体的に形成されている。このように、互いに異なる弁体30を収容する隔壁37同士は、共有する部分を有していてもよい。
【0048】
本実施形態では、底壁32の内壁面32bを基準として、外周壁36のカバー31側の端面36aは、隔壁37のカバー31側の端面37aよりもY軸方向において高い位置にある。したがって、ケース29にカバー31が固定された状態において、カバー31が外周壁36の端面36aに接する一方で、カバー31と隔壁37の端面37aとは互いに離間している。すなわち、カバー31と隔壁37の端面37aとの間には空間S2が形成されている。当該空間S2は、内部空間Vから圧力調整弁22の内部に流入したガスや電解液の流路として機能する。
【0049】
弁体30は、貫通孔33を塞ぐようにハウジング23内の収容空間S1に収容されている。複数の弁体30は、対応する貫通孔33を塞ぐようにX軸方向において並んで配置されている。弁体30は、ゴム等の弾性部材によって形成された円柱状部材である。弁体30は、底壁32の内壁面32b側において貫通孔33を塞ぐ第1端面30aと、第1端面30aとは逆側に位置する第2端面30bと、第1端面30a及び第2端面30bを接続する側面30cとを有している。第2端面30bは、カバー31によって押圧される被押圧面である。
【0050】
弁体30は、第1端面30aが底壁32の内壁面32bに対して押し付けられた状態で配置されることにより、貫通孔33を塞いでいる。弁体30は、内部空間Vの圧力に応じて、貫通孔33を開閉させる。弁体30の側面30cと隔壁37の内壁面37b又は外周壁36の内壁面36bとの間には、隙間Gが設けられている。
【0051】
図7及び
図9に示されるように、隔壁37の内壁面37bには、弁体30を位置決めするための突出部38が形成されている。突出部38は、隔壁37の内壁面37bから内周に向かって突出している。突出部38は、貫通孔33の中心軸線の延びる方向(Y軸方向)に沿って隔壁37の内壁面37b全体にわたって設けられている。突出部38は、弁体30の側面30cと接触するように形成されている。突出部38が弁体30と接触することにより、弁体30の中心位置と貫通孔33の中心軸線とが互いに一致し得る。このような突出部38により、弁体30の位置ずれを一定の範囲内に抑えることができる。本実施形態では、複数(ここでは6つ)の突出部38が、貫通孔33の中心軸線回りに等ピッチで形成されている。
【0052】
図6及び
図9に示されるように、収容空間S1において、底壁32の内壁面32bには、当該内壁面32bから外方に突出する突起であるシール部39が形成されている。すなわち、シール部39は、Y軸方向から見たときに、隔壁37に囲まれている。複数のシール部39は、一括して外周壁36によって囲まれている。一例においては、上述のとおり、2つの取付領域24に対して1つの圧力調整弁22が取り付けられる構成であるため、複数のシール部39は、X軸方向の中央から一方側と他方側とに分けて配置されている。X軸方向の中央から一方側に配置されたシール部39を囲む隔壁37と、他方側に配置されたシール部39を囲む隔壁37とは、X軸方向の中央において互いに離間している。また、X軸方向に隣り合うシール部39同士では、Z方向における位置が互いにずれている。
【0053】
シール部39は、当該シール部39に対して押し付けられた弁体30の第1端面30aと接触することで、貫通孔33と隙間Gとの間を開閉可能に閉塞している。シール部39は、内壁面32bにおける貫通孔33の開口端を囲むように形成されている。シール部39は、貫通孔33の縁部に沿って、貫通孔33の中心軸線を中心とする円環状に形成されている。シール部39は、貫通孔33の全周を隙間無く囲むように形成されている。これにより、シール部39は、弁体30の第1端面30aと隙間なく接触しており、気密性が確保されている。
【0054】
図10に示されるように、底壁32の外壁面32aには、略枠状の一対の接合用の突起34が設けられている。一対の突起34は、突起27に対応する間隔でX軸方向に離間して形成されている。一対の突起34は、モジュール本体4Aと圧力調整弁22とを接合するとともに、各内部空間Vからのガスや電解液がそれぞれ流れる複数(ここでは12個)の中間空間35を形成する。突起34は、モジュール本体4Aの突起27と接合される。突起34は、突起27に対応する形状及び寸法を有しており、Y軸方向から見て、格子状に形成されている。
【0055】
モジュール本体4Aと圧力調整弁22とは、例えば熱板溶着によって接合される。具体的には、モジュール本体4Aと圧力調整弁22との間に熱板を配置し、突起27及び突起34の先端を熱板に当接させる。これにより、突起27及び突起34の先端が溶融する。続いて、突起27及び突起34が溶融している間に、突起27の先端に対して突起34の先端を押し付けることにより、突起27と突起34とを溶着(接合)する。その結果、モジュール本体4Aと圧力調整弁22とが接合される。突起27と突起34とが互いに溶着されることにより、Y軸方向から見て対応する位置に配置された中間空間28と中間空間35とが連結される。突起27と突起34とが互いに溶着された状態において、各貫通孔33は、モジュール本体4Aの各連通孔24aにそれぞれ接続される。
【0056】
中間空間35は、中間空間351(第1中間空間)と中間空間352(第2中間空間)とに分類され得る。中間空間351は、
図10の紙面を正面から見たとき、右端の下段に配置されている。
図5の紙面左側の2つの取付領域24に対して圧力調整弁22が接合される場合、中間空間351は、連通孔24a1に連通する中間空間281に接続される。
図5の紙面右側の2つの取付領域24に対して圧力調整弁22が接合される場合、圧力調整弁22の天地が反転されることにより、中間空間351は、連通孔24a3に連通する中間空間283に接続される。中間空間352は、連通孔24a2に連通する中間空間282に接続される。
【0057】
図6~
図8に示すように、カバー31は、ケース29の開口を塞ぐ部材である。カバー31は、側壁40を有している。側壁40は、複数の弁体30を挟んでケース29の底壁32とY軸方向で対向している。側壁40及び底壁32は、Y軸方向で互いに対向するハウジング23の一対の壁を構成している。カバー31は、例えばPP、PPSまたは変性PPE等の樹脂で形成されている。一例において、カバー31は射出成形によって製造され得る。Y軸方向から見て、カバー31の外周縁部の位置は、ケース29の外周縁部(外周壁36の外側縁部)の位置と略一致している。
【0058】
カバー31は、例えば、超音波溶着等の溶着によりケース29の開口端面に接合されている。具体的には、側壁40の外周縁部は、ケース29の外周壁36の端面36aに溶着されている。側壁40には、側壁40をY軸方向において貫通する第1孔41及び第2孔42が設けられている。第2孔42は、第1孔41よりも鉛直上方に位置している。第1孔41及び第2孔42は、Y軸方向から見て弁体30と重ならないように配置されている。第1孔41及び第2孔42は、Y軸方向から見て、Z軸方向において弁体30と隣り合うように配置されている。第1孔41と第2孔42とは、鉛直方向(Z軸方向)において互いに重ならないように配置されている。第1孔41と第2孔42とは、Z軸方向から見て、互いに重ならならないようにX軸方向に離間して配置されている。
【0059】
第1孔41及び第2孔42は、圧力調整弁22の内部のガスを圧力調整弁22の外部に排気(排出)するための排気口、又は、圧力調整弁22の内部の電解液を圧力調整弁22の外部に排出するための排出口、として機能し得る。一例として、第1孔41及び第2孔42は、Y軸方向に直交する断面において、X軸方向を長手方向とする長円形状を有している。第1孔41及び第2孔42は、互いに同じ形状を有している。
【0060】
側壁40には、複数(ここでは6個)の第1孔41及び複数(ここでは6個)の第2孔42が設けられている。複数の第1孔41は、X軸方向において一列に並んで配置されている。複数の第2孔42は、X軸方向において一列に並んで配置されている。複数の第1孔41及び複数の第2孔42は、X軸方向において交互に配置されている。第1孔41及び第2孔42は、各取付領域24に対して3個ずつ設けられている。
【0061】
ケース29の構成について、さらに説明する。
図9及び
図10に示すように、ケース29に形成された複数の貫通孔33は、貫通孔331(第3連通孔)と貫通孔332(第4連通孔)とを含む。貫通孔331は、Y軸方向から見て連通孔24a1が形成された位置に対応しており、中間空間351及び中間空間281を介して、連通孔24a1に連通される。貫通孔332は、Y軸方向から見て連通孔24a2が形成された位置に対応しており、中間空間352及び中間空間282を介して、連通孔24a2に連通され得る。
【0062】
図11に示すように、底壁32は、中間空間351に臨む外壁面32a1を有する第1壁部321と、中間空間352に臨む外壁面32a2を有する複数の第2壁部322とを含む。第1壁部321及び第2壁部322は、Y軸方向から見て弁体30と重複していない。すなわち、第1壁部321及び第2壁部322は、隔壁37よりも外側の領域であってよい。第1壁部321の外壁面32a1と第2壁部322の外壁面32a2とは突起34によって互いに隔たれている。また、複数の第2壁部322の外壁面32a2同士も突起34によって互いに隔たれている。
【0063】
第1壁部321におけるY軸方向の厚みW1は、第2壁部322におけるY軸方向の厚みW2よりも大きくなるように形成されている。一例において第1壁部321におけるY軸方向の厚みW1は、隔壁37の厚さと同じになっている。そのため、
図9では、第1壁部321における隔壁37の外周が描画されていない。また、前述の通りY軸方向から見て弁体30と重複する底壁32の領域には、Y軸方向に突出するシール部39が形成されている。したがって、第2壁部322におけるY軸方向の厚みW2は、Y軸方向から見て弁体30と重複する底壁32の領域におけるY軸方向の厚みW3(シール部39の厚みを含む底壁32の厚み)よりも小さくなるように形成されている。
【0064】
第1壁部321における中間空間351に臨む外壁面32a1と第2壁部322における中間空間352に臨む外壁面32a2とは、互いに同じ平面上に形成されている。すなわち、
図11に示されるように、外壁面32a1と外壁面32a2とは、Y軸方向において同じ位置に形成されている。
【0065】
上述のとおり、一例の蓄電モジュール4は、同一の形状(構造)を有する2つの圧力調整弁22(第1圧力調整弁22A、第2圧力調整弁22B)を含んでいる(
図4参照)。
図4の斜視図では、紙面の左(手前)に第1圧力調整弁22Aが配置され、紙面の右(奥)に第2圧力調整弁22Bが配置されている。
【0066】
図7及び
図8に示すように、一例の圧力調整弁22は、Y軸方向に交差する方向に突出する突起49を有している。例えば、突起49は、カバー31の外周においてX軸方向に突出するように設けられている。一つのモジュール本体4Aに取付けられる第1圧力調整弁22Aと第2圧力調整弁22Bとは、Y軸方向に沿った回転軸を中心に互いに反転した状態で枠体25に取り付けられている。すなわち、第1圧力調整弁22Aと第2圧力調整弁22Bとは、天地が逆になっている。そのため、第1圧力調整弁22Aの突起49は、Y軸方向から見て、カバー31の左下部からX軸方向に沿って突出しており、第2圧力調整弁22Bの突起49は、Y軸方向から見て、カバー31の右上部からX軸方向に沿って突出している。なお、第2圧力調整弁22Bでは、貫通孔331(第6連通孔)が、中間空間351及び中間空間283を介して、第3内部空間V3に連通された連通孔24a3(
図5参照)に連通されることになる。
【0067】
以上説明したように、蓄電モジュール4は、Z軸方向に積層された複数の電極(バイポーラ電極14、負極終端電極18、正極終端電極19)を備える電極積層体11と、電極積層体11を取り囲むように配置されてZ軸方向に隣り合う複数の電極の間に形成された内部空間Vのそれぞれを封止する枠体25とを有するモジュール本体4Aと、枠体25に取り付けられた圧力調整弁22と、を備える。電極積層体11は、正極終端電極19と正極終端電極19に隣り合うバイポーラ電極14との間に形成された第1内部空間V1と、隣り合うバイポーラ電極14同士の間に形成された第2内部空間V2と、負極終端電極18と負極終端電極18に隣り合うバイポーラ電極14との間に形成された第3内部空間V3と、を含む。枠体25は、第1内部空間V1に連通された連通孔24a1と、第2内部空間V2に連通された連通孔24a2と、第3内部空間V3に連通された連通孔24a3と、を有する。圧力調整弁22は、連通孔24a1に連通された貫通孔331、及び、連通孔24a2に連通された貫通孔332、を含む底壁32と、Y軸方向に押圧された状態で、貫通孔331及び貫通孔332をそれぞれ塞ぐ複数の弁体30と、を有する。枠体25の外周面12rと底壁32との間には、連通孔24a1と貫通孔331との間に介在する中間空間351と、連通孔24a2と貫通孔332との間に介在する中間空間352とのそれぞれを隔てて形成する突起34(枠部)が設けられている。底壁32は、中間空間351に臨みY軸方向から見て弁体30と重複しない第1壁部321と、中間空間352に臨みY軸方向から見て弁体30と重複しない第2壁部322と、を含む。第1壁部321におけるY軸方向の厚みW1は、第2壁部322におけるY軸方向の厚みW2よりも大きくなるように形成されている。
【0068】
上記の蓄電モジュール4は、第1内部空間V1(または第3内部空間V3)を有する最外セルと、第2内部空間V2を有する中間セルとを有している。セル内で発生するガスは、電極積層体11の周縁を封止する枠体25を介して外部に透過し得る。積層方向の中間に位置する中間セルでは、X軸方向及びY軸方向に沿うように枠体25をガスが透過しやすい。一方、積層方向の最も外側に位置する最外セルでは、X軸方向及びY軸方向に加えて、Z軸方向にも沿うようにガスが枠体25を透過し得る。そのため、最外セルから単位時間当たりで透過するガスの量は、中間セルから単位時間当たりで透過するガスの量に比べて多くなる傾向にある。
【0069】
上記の蓄電モジュール4では、第1内部空間V1が、連通孔24a1によって中間空間351と連通しており、第2内部空間V2は、連通孔24a2によって中間空間352と連通している。そのため、最外セルを構成する第1内部空間V1で発生したガスの一部は、中間空間351に臨む第1壁部321を透過し得る。同様に、中間セルを構成する第2内部空間V2で発生したガスの一部は、中間空間352に臨む第2壁部322を透過し得る。第1壁部321におけるY軸方向の厚みが第2壁部322におけるY軸方向の厚みよりも大きく形成されているため、第2壁部322を単位時間当たりで透過するガスの量に比べて、第1壁部321を単位時間当たりで透過するガスの量は少なくなる。したがって、最外セルのガス透過量と中間セルのガス透過量との差を低減できる。
【0070】
例えば、最外セルと中間セルとで異なる形状の弁体を利用することにより、各セルのガス透過量を調整することが可能であると考えられる。しかしながら、弁体の形状は開弁圧に影響し得るため、最外セルと中間セルとで異なる形状の弁体を利用した場合には、セル間で開弁圧にバラツキが生じる虞がある。上記の蓄電モジュール4では、全てのセルにおいて同形状の弁体30が利用されているため、開弁圧のバラツキが抑制されている。
【0071】
第1壁部321における中間空間351に臨む外壁面32a1と第2壁部322における中間空間352に臨む外壁面32a2とは、互いに同じ平面上に形成されている。この構成では、中間空間351の容積(中間空間351と中間空間351に連通する第1内部空間V1とを合わせた空間の容積)と中間空間352の容積(中間空間352と中間空間352に連通する第2内部空間V2とを合わせた空間の容積)とを同一にし易い。例えば、中間空間351の容積と中間空間352の容積とが互いに異なっている場合、最外セルと中間セルとで同量のガスが発生した際に、最外セルと中間セルとの間で圧力差が生じ得る。上記構成では、中間空間351の容積と中間空間352の容積とが同じであるため、最外セルと中間セルと間で圧力差を生じ難くすることができる。
【0072】
第2壁部322におけるY軸方向の厚みW2は、Y軸方向から見て弁体30と重複する底壁32の領域におけるY軸方向の厚みW3よりも小さくなるように形成されている。この構成では、底壁32における弁体30が押圧される領域について強度を確保しつつ、第2壁部322からのガスの透過量を増大することができる。
【0073】
蓄電モジュール4は、連通孔24a1に連通する貫通孔331を含む第1圧力調整弁22Aと、連通孔24a3に連通する貫通孔331(第6連通孔)を含む第2圧力調整弁22Bとを少なくとも含み、第1圧力調整弁22Aと第2圧力調整弁22Bとのそれぞれは、Y軸方向に沿った回転軸を中心に互いに反転して枠体25に取り付けられた同一形状の部材であって、Y軸方向に交差する方向に伸びる突起49を有している。この構成では、第1圧力調整弁22Aと第2圧力調整弁22Bとで部品の共通化が可能であり、コストの低減を図ることができる。また、突起49の位置を確認することにより、圧力調整弁22の取付方向(回転位置)を間違えることが防止される。例えば、蓄電モジュール4が製造される工程において、圧力調整弁22が取付られた蓄電モジュールをコンベア等によって搬送する際に、光電センサ等を用いた検出器によって突起49の有無を判定することで、取付方向を判定してもよい。なお、一例においては、突起がX軸方向に沿って外方に突出しているため、蓄電装置1が製造された際に、積層された他の蓄電モジュール4と突起49との干渉を抑制できる。
【0074】
以上、本開示の一例の形態について詳細に説明されたが、本開示は上記形態に限定されない。
【0075】
例えば、中間セルに対応する中間空間352に臨む複数の第2壁部322の厚さが互いに同じである例を示したが、複数の第2壁部322の厚さは互いに異なっていてもよい。一例においては、最外セルに近い順に、複数の第2壁部322の厚さが第1壁部321の厚さ未満の範囲で段階的に大きく形成されていてもよい。
【0076】
突起27と突起34とが互いに接続されることで、外周面12rと底壁32との間で延在する中間空間が構成される例を示したが、このような中間空間は、外周面12rに設けられた突起または底壁32に設けられた突起のいずれかのみによって構成されてもよい。
【0077】
第1壁部321における中間空間351に臨む外壁面32a1と第2壁部322における中間空間352に臨む外壁面32a2とが、互いに同じ平面上に形成されている例を示したが、外壁面32a1と外壁面32a2とは、同じ平面上に形成されてなくてもよい。
【0078】
第2壁部322におけるY軸方向の厚みW2が、Y軸方向から見て弁体30と重複する底壁32の領域におけるY軸方向の厚みW3よりも小さい例を示したが、厚みW2は、厚みW3と同じであってもよいし、大きくてもよい。例えば、シール部39は、省略されてもよい。
【0079】
第1圧力調整弁22Aと第2圧力調整弁22Bとが同一形状である例を示したが、第1圧力調整弁22Aと第2圧力調整弁22Bとは互いに異なる形状であってもよい。
【0080】
1つの蓄電モジュールに複数(図示例では2つ)の圧力調整弁22が設けられている例を示したが、蓄電モジュールは一つの圧力調整弁のみ有してもよい。この場合、一つの圧力調整弁に第1連通孔に連通する第3連通孔と、第5連通孔に連通する貫通孔(第6連通孔に相当)とが設けられる。
【0081】
本開示の要旨は、以下のように記載され得る。
[1]
第1方向に積層された複数の電極を備える電極積層体、及び、前記電極積層体を取り囲むように配置されて前記第1方向に隣り合う前記複数の電極の間に形成された内部空間のそれぞれを封止する枠体、を有するモジュール本体と、
前記枠体に取り付けられた圧力調整弁と、を備える蓄電モジュールであって、
前記複数の電極は、前記第1方向の両端に位置する一対の終端電極と、前記第1方向において前記一対の終端電極の間に配置された複数の中間電極と、を含み、
前記枠体は、前記一対の終端電極の一方の前記終端電極と当該一方の終端電極に隣り合う前記中間電極との間に形成された第1内部空間に連通されて前記枠体の外周面に開口した第1連通孔と、隣り合う前記中間電極の間に形成された第2内部空間に連通されて前記枠体の外周面に開口した第2連通孔と、を有し、
前記圧力調整弁は、
前記第1連通孔に連通する第3連通孔、及び、前記第2連通孔に連通する第4連通孔、を含み、前記枠体の前記外周面に対向する壁体と、
前記第1方向に交差する第2方向に押圧された状態で、前記第3連通孔及び前記第4連通孔をそれぞれ塞ぐ複数の弁体と、を有し、
前記枠体の前記外周面と前記壁体との間には、前記第1連通孔と前記第3連通孔との間に介在する第1中間空間と、前記第2連通孔と前記第4連通孔との間に介在する第2中間空間とのそれぞれを隔てて形成する枠部が設けられ、
前記壁体は、前記第1中間空間に臨み前記第2方向から見て前記弁体と重複しない第1壁部と、前記第2中間空間に臨み前記第2方向から見て前記弁体と重複しない第2壁部と、を含み、
前記第1壁部における前記第2方向の厚みは、前記第2壁部における前記第2方向の厚みよりも大きくなるように形成されている、蓄電モジュール。
[2]
前記第1壁部における前記第1中間空間に臨む壁面と前記第2壁部における前記第2中間空間に臨む壁面とは、互いに同じ平面上に形成されている、[1]に記載の蓄電モジュール。
[3]
前記第2壁部における前記第2方向の厚みは、前記第2方向から見て前記弁体と重複する前記壁体の領域における前記第2方向の厚みよりも小さくなるように形成されている、[1]または[2]に記載の蓄電モジュール。
[4]
前記枠体には複数の前記圧力調整弁が設けられ、
前記枠体は、一対の終端電極の他方の前記終端電極と当該他方の終端電極に隣り合う前記中間電極との間に形成された第3内部空間と連通された第5連通孔をさらに含み、
前記複数の前記圧力調整弁は、前記第3連通孔を含む第1圧力調整弁と、前記第5連通孔に連通する第6連通孔を含む第2圧力調整弁とを少なくとも含み、
前記第1圧力調整弁と前記第2圧力調整弁とのそれぞれは、前記第2方向に沿った回転軸を中心に互いに反転して前記枠体に取り付けられた同一形状の部材であって、前記第2方向に交差する方向に沿って外方に突出した突起を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の蓄電モジュール。
【符号の説明】
【0082】
4…蓄電モジュール、4A…モジュール本体、11…電極積層体、14…バイポーラ電極(電極、中間電極)、18…負極終端電極(電極、終端電極)、19…正極終端電極(電極、終端電極)、22…圧力調整弁、24a1…連通孔(第1連通孔)、24a2…連通孔(第2連通孔)、24a3…連通孔(第5連通孔)、25…枠体、30…弁体、32…底壁(壁体)、321…第1壁部、322…第2壁部、331…貫通孔(第3連通孔、第6連通孔)、332…貫通孔(第4連通孔)、49…突起、V…内部空間、V1…第1内部空間、V2…第2内部空間、V3…第3内部空間。