(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092303
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】電力供給パネルユニット、及び電力供給方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/10 20160101AFI20240701BHJP
F24F 1/0047 20190101ALI20240701BHJP
F24F 13/20 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H02J50/10
F24F1/0047
F24F1/0007 401B
F24F1/0007 401Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208137
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堂前 浩
(72)【発明者】
【氏名】植田 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】花田 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】武内 敏文
(72)【発明者】
【氏名】開発 巳智子
(72)【発明者】
【氏名】島崎 数喜
(72)【発明者】
【氏名】友田 稔
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BA02
(57)【要約】
【課題】対象機器を天井裏で電力を給電すると共に、容易に天井裏から取り出しまたは天井裏に設置可能にする。
【解決手段】電力供給パネルユニットは、天井の開口(63a)に設けられるフレーム(43)と、フレーム(43)の内枠に収まるパネル(45)と、パネル(45)がフレーム(43)内に収まった状態の第1状態と、パネル(45)がフレーム(43)から下方へ離れた状態の第2状態とに変化させる昇降機構(60)と、昇降機構(60)を制御する制御部(70)と、対象機器(M)に給電する電力供給部(80)とを備え、電力供給部(80)は、第1状態においてパネル(45)上に載置された対象機器(M)に電力を供給可能に接続する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井の開口(63a)に設けられるフレーム(43)と、
前記フレーム(43)の内枠に収まるパネル(45)と、
前記パネル(45)が前記フレーム(43)内に収まった状態の第1状態と、前記パネル(45)が前記フレーム(43)から下方へ離れた状態の第2状態とに変化させる昇降機構(60)と、
前記昇降機構(60)を制御する制御部(70)と、
対象機器(M)に給電する電力供給部(80)とを備え、
前記電力供給部(80)は、前記第1状態において前記パネル(45)上に載置された前記対象機器(M)に電力を供給可能に接続する
電力供給パネルユニット。
【請求項2】
前記パネル(45)上に設けられる給電中継部(90)をさらに備え、
前記給電中継部(90)の一端は、前記対象機器(M)の受電部に接続され、前記給電中継部(90)の他端は、前記第1状態になっときに前記電力供給部(80)に接続される
請求項1の電力供給パネルユニット。
【請求項3】
前記電力供給部(80)は、無線給電部(81)を備え、
前記対象機器(M)は、前記第1状態において無線で給電される
請求項1の電力供給パネルユニット。
【請求項4】
前記昇降機構(60)は、前記パネル(45)に固定されたラインを巻き上げる巻上げ機(60)であり、
前記制御部(70)は、ラインを巻き上げることで前記第1状態にし、ラインを繰り出すことで前記第2状態にする
請求項1~3のいずれか1つに記載の電力供給パネルユニット。
【請求項5】
前記制御部(70)は、前記パネル(45)を設定された高さ位置に調節する
請求項4に記載の電力供給パネルユニット。
【請求項6】
前記フレーム(43)は、前記天井に設けられた室内空調機(40)の化粧パネル(43)であり、
前記パネル(45)は、前記化粧パネル(43)内に配置される吸込グリル(45)である
請求項1~3のいずれか1つに記載の電力供給パネルユニット。
【請求項7】
前記第1状態において、前記対象機器(M)が前記電力供給部(80)と電力供給可能に接続された場合、該対象機器(M)に電力供給するスイッチ機構(100)をさらに備える
請求項1~3のいずれか1つに記載の電力供給パネルユニット。
【請求項8】
前記第1状態において、前記パネル(45)が正常に前記フレーム(43)に収納された場合、前記電力供給部(80)は前記対象機器(M)に電力を供給する
請求項1~3のいずれか1つに記載の電力供給パネルユニット。
【請求項9】
前記制御部(70)に通信可能なリモートコントローラ(71)または集中コントローラをさらに備え、
前記リモートコントローラ(71)または集中コントローラは、前記昇降機構(60)の動作を制御する
請求項1~3のいずれか1つに記載の電力供給パネルユニット。
【請求項10】
前記リモートコントローラ(71)または集中コントローラは、前記対象機器(M)の電源をONまたはOFFの制御を行う
請求項9に記載の電力供給パネルユニット。
【請求項11】
天井の開口(63a)
に設けられるフレーム(43)と、
前記フレーム(43)の内枠に収まるパネル(45)と、
前記パネル(45)が前記フレーム(43)内に収まった状態の第1状態と、前記パネル(45)が前記フレーム(43)から下方へ離れた状態の第2状態とに変化させる昇降機構(60)と、
前記昇降機構(60)を制御する制御部(70)と、
対象機器(M)に給電する電力供給部(80)とを備え、
前記電力供給部(80)は、前記第1状態において前記パネル(45)上に載置された前記対象機器(M)に電力を供給可能に接続する電力供給パネルユニットを用いた前記対象機器(M)への給電方法であって
前記パネル(45)を前記第1状態から前記第2状態にする第1工程と、
前記第2状態となった前記パネル(45)上に前記対象機器(M)を載置する第2工程と、
前記パネル(45)を前記第2状態から前記第1状態にする第3工程とを含む
給電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力供給パネルユニット、及び電力供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には昇降式のコンセント装置が開示されている。このコンセント装置は、天井に設けられる給電ケーブル格納体から給電ケーブルが巻き取りまたは繰り出すことで、給電ケーブルの先端に設けられるコンセントが昇降する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では屋内の天井部にはWi-Fiアクセスポイント、人感センサ、防犯カメラ、火災報知器、5G中継器等の様々な小型機器が設置され、電力を確保するために天井裏で各機器専用の工事が行われている。このように天井裏に小型機器を配置してしまうと、修理等のメンテナンス時に小型機器を天井から取り出すのに手間がかかってしまう。
【0005】
本開示の目的は、対象機器を天井裏で電力を給電すると共に、容易に天井裏から取り出しまたは天井裏に設置可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、
天井の開口(63a)に設けられるフレーム(43)と、
前記フレーム(43)の内枠に収まるパネル(45)と、
前記パネル(45)が前記フレーム(43)内に収まった状態の第1状態と、前記パネル(45)が前記フレーム(43)から下方へ離れた状態の第2状態とに変化させる昇降機構(60)と、
前記昇降機構(60)を制御する制御部(70)と、
対象機器(M)に給電する電力供給部(80)とを備え、
前記電力供給部(80)は、前記第1状態において前記パネル(45)上に載置された前記対象機器(M)に電力を供給可能に接続する電力供給パネルユニットである。
【0007】
第1の態様では、対象機器(M)をパネル(45)に載置して上昇させるだけで、対象機器(M)の天井裏への設置できると共に給電できる。また、パネル(45)を降下させるだけで対象機器(M)を回収でき、メンテナンスを行うことができる。これらにより、対象機器(M)を天井裏で電力を給電すると共に、容易に天井裏から取り出しまたは天井裏に設置できる。
【0008】
第2の態様は、第1の態様において、
前記パネル(45)上に設けられる給電中継部(90)を備え、
前記給電中継部(90)の一端は、前記対象機器(M)の受電部に接続され、前記給電中継部(90)の他端は、前記第1状態になっときに前記電力供給部(80)に接続される。
【0009】
第2の態様では、対象機器(M)と電力供給部(80)とを有線で接続できる。また、給電中継部(90)が対象機器(M)と電力供給部(80)との接続を仲介するため、異なる種類の対象機器(M)であっても、給電中継部(90)の一端の形状を対象機器(M)の種類に応じて変更すればよく、電力供給部(80)そのものは変更する必要がない。すなわち、対象機器(M)に応じて電力供給部(80)を変更する必要がないため、省コスト化を実現できる。
【0010】
第3の態様は、第1の態様において、
前記電力供給部(80)は、無線給電部(81)を備え、
前記対象機器(M)は、前記第1状態において無線で給電される。
【0011】
第3の態様では、無線給電であるため、簡便に給電できる。
【0012】
第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、
前記昇降機構(60)は、前記パネル(45)に固定されたライン(61)を巻き上げる巻上げ機(60)であり、
前記制御部(70)は、前記ライン(61)を巻き上げることで前記第1状態にし、前記ライン(61)を繰り出すことで前記第2状態にする。
【0013】
第4の態様では、巻き上げ式であるため簡便な機構でパネル(45)を昇降できる。
【0014】
第5の態様は、前記制御部(70)は、前記パネル(45)を設定された高さ位置に制御する。
【0015】
第5の態様では、第2状態を複数の高さ位置に設定できる。これにより、例えば対象機器が室内の環境検査用のセンサ(例えば特定のガスを検出するガスセンサ)であった場合、規定の高さ位置でデータ収集や環境モニタリングを実施できる。
【0016】
第6の態様は、前記フレーム(43)は、前記天井に設けられた室内空調機(40)の化粧パネル(43)であり、
前記パネル(45)は、前記化粧パネル(43)内に配置される吸込グリル(45)である。
【0017】
第6の態様では、吸込グリル(45)を利用することで、対象機器(M)を設置する専用のスペースを室内に設ける必要がなく室内空間の意匠性を向上できる。空調機の吸込みグリルに載置するため、対象機器は吸込み空気により空冷される。これにより対象機器の作動中の温度上昇を緩和できる。
【0018】
第7の態様は、前記第1状態において、前記対象機器(M)が前記電力供給部(80)と電力供給可能に接続された場合、該対象機器(M)に電力供給するスイッチ機構(100)をさらに備える。
【0019】
第7の態様では、スイッチ機構(100)により、接続が不十分な場合電力供給部(80)から対象機器(M)へ電力は供給されない。このことで、電力供給部(80)から漏電やそれに伴う火災等を防止できる。
【0020】
第8の態様は、前記第1状態において、前記パネル(45)が正常に前記フレーム(43)に収納された場合、前記電力供給部(80)は前記対象機器(M)に電力を供給する。
【0021】
第8の態様では、正常に第1状態となったと判定されたときに電力供給部(80)から対象機器(M)へ給電される。これにより第7の態様と同様の効果が得られる。
【0022】
第9の態様は、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、
前記制御部(70)に通信可能なリモートコントローラ(71)または集中コントローラをさらに備え、
前記リモートコントローラ(71)または集中コントローラは、前記昇降機構(60)の動作を制御する。
【0023】
第9の態様では、遠隔からパネル(45)の動作を制御できる。これにより、人が室内に立ち入れない場合や室内に人がいない場合でもパネル(45)の位置を制御できる。
【0024】
第10の態様は、第9の態様において、
前記リモートコントローラ(71)または集中コントローラは、前記対象機器(M)の電源をONまたはOFFの制御を行う。
【0025】
第10の態様では、対象機器(M)に不具合があれば、遠隔からON/OFF制御できる。
【0026】
第11の態様は、
天井の開口(63a)に設けられるフレーム(43)と、
前記フレーム(43)の内枠に収まるパネル(45)と、
前記パネル(45)が前記フレーム(43)内に収まった状態の第1状態と、前記パネル(45)が前記フレーム(43)から下方へ離れた状態の第2状態とに変化させる昇降機構(60)と、
前記昇降機構(60)を制御する制御部(70)と、
対象機器(M)に給電する電力供給部(80)とを備え、前記電力供給部(80)は、前記第1状態において前記パネル(45)上に載置された前記対象機器(M)に電力を供給可能に接続する電力供給パネルユニットを用いた前記対象機器(M)への給電方法である。給電方法は、
前記パネル(45)を前記第1状態から前記第2状態にする第1工程と、
前記第2状態となった前記パネル(45)上に前記対象機器(M)を載置する第2工程と、
前記パネル(45)を前記第2状態から前記第1状態にする第3工程とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、実施形態に係る空気調和装置の配管系統図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る室内空調機の内部構造を示す縦断面図である。
【
図4】
図4は、電力供給パネルユニットの構成を示す模式図である。
【
図5】
図5は、第1状態の電力供給パネルユニットを示す模式図である。
【
図6】
図6は、変形例1の無線給電部と対象機器との関係を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、変形例2の無線給電部と対象機器との関係を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下に説明する各実施形態、変形例、その他の例等の各構成は、本発明を実施可能な範囲において、組み合わせたり、一部を置換したりできる。
【0029】
(1)空気調和装置の全体構成
図1に示すように、空気調和装置(10)は、室外空調機(20)と室内空調機(40)と液連絡管(12)とガス連絡管(13)とを備える。室外空調機(20)と室内空調機(40)とは、液連絡管(12)及びガス連絡管(13)を介して互いに接続される。これらが接続されることにより、冷媒回路(11)が構成される。
【0030】
冷媒回路(11)には、冷媒が充填される。冷媒回路(11)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。冷媒回路(11)は、主として、圧縮機(21)と室外熱交換器(22)と膨張弁(23)と室内熱交換器(53)と四方切換弁(25)とを有する。
【0031】
(2)室外空調機
室外空調機(20)は、室外に設置される。室外空調機(20)は、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、室外ファン(26)、膨張弁(23)、及び四方切換弁(25)を有する。
【0032】
圧縮機(21)は、吸入された低圧のガス冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機(21)は、インバータ回路から電動機へ電力が供給される、可変容量式である。
【0033】
室外熱交換器(22)は、室外ファン(26)が搬送する室外空気と、冷媒とを熱交換させる。室外ファン(26)は、室外熱交換器(22)を通過する室外空気を搬送する。
【0034】
膨張弁(23)は、冷媒を減圧する。膨張弁(23)は、開度が調節可能な電動膨張弁である。
【0035】
四方切換弁(25)は、4つのポート(P1~P4)を有する。第1ポート(P1)は圧縮機(21)の吐出部に繋がる。第2ポート(P2)は圧縮機(21)の吸入部に繋がる。第3ポート(P3)は室外熱交換器(22)のガス端部に繋がる。第4ポート(P4)はガス連絡管(13)に繋がる。
【0036】
四方切換弁(25)は、第1状態(
図1の実線で示す状態)と、第2状態(
図1の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態では、室内熱交換器(53)を蒸発器とする冷凍サイクルが実行される。第2状態では、室内熱交換器(53)を放熱器とする冷凍サイクルが実行される。
【0037】
(2)室内空調機
図2及び
図3に示すように室内空調機(40)は、天井埋込式である。室内空調機(40)は、ケーシング(41)と、フィルタ(50)と、ベルマウス(51)と、室内ファン(52)と、室内熱交換器(53)と、ドレンパン(54)とを有する。室内空調機(40)は、室内空気を吸い込む吸込口(46)と、室内へ空気を吹き出す吹出口(47)とを有する。
【0038】
(2―1)ケーシング
ケーシング(41)は、室内空間(S)の天井に形成された開口(63a)に配置される。ケーシング(41)内には、吸込口(46)と吹出口(47)とを連通する空気通路(48)が形成される。ケーシング(41)は、ケーシング本体(42)と、化粧パネル(43)と、吸込グリル(45)とを有する。
【0039】
ケーシング本体(42)は、下面が開放された概ね箱状に形成される。ケーシング本体(42)は天井裏の空間に配置される。
【0040】
化粧パネル(43)は、フレーム(43)の一例である。化粧パネル(43)は、ケーシング本体(42)の開口に設けられる。化粧パネル(43)は、枠状に形成される。化粧パネル(43)の内枠は概ね矩形に形成される。化粧パネル(43)には、内枠に沿って吹出口(47)が設けられる。各吹出口(47)には、フラップ(57)が設けられる。フラップ(57)は、吹出口(47)を開閉する。
【0041】
吸込グリル(45)は、パネル(45)の一例である。吸込グリル(45)は、化粧パネル(43)内に配置される。具体的に、吸込グリル(45)は化粧パネル(43)の内枠に収まるように設けられる。吸込グリル(45)は化粧パネル(43)から着脱可能である。吸込グリル(45)は、吸込口(46)に連通する。
【0042】
(2-2)フィルタ
フィルタ(50)は、吸込グリル(45)の上方に配置される。フィルタ(50)は、吸込口(46)から吸い込まれる空気である吸込空気中の塵埃を捕集する。
【0043】
(2-3)ベルマウス
ベルマウス(51)は、空気通路(48)に配置される。ベルマウス(51)は、フィルタ(50)の上方に配置される。ベルマウス(51)は吸込空気を整流する。
【0044】
(2-4)室内ファン
室内ファン(52)は、ベルマウス(51)の上方に配置される。室内ファン(52)は、遠心式である。室内ファン(52)は、空気通路(48)における室内熱交換器(53)の上流側に配置される。室内ファン(52)は、室内熱交換器(53)を通過する空気を搬送する。
【0045】
(2-5)室内熱交換器
室内熱交換器(53)は、室内ファン(52)の周囲に配置される。室内熱交換器(53)では、室内ファン(52)が搬送する空気と、冷媒とが熱交換する。
【0046】
(2-6)ドレンパン
ドレンパン(54)は、室内熱交換器(53)の下側に配置される。ドレンパン(54)は、室内空調機(40)のケーシング(41)の内部で発生した結露水を受ける。ドレンパン(54)に溜まった水は、ドレン管(図示省略)を介して外部へ排出される。
【0047】
(2-7)制御装置
空気調和装置(10)は制御装置(C)を有する(
図1参照)。制御装置(C)は、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイスとが設けられる。制御装置(C)は、空気調和装置(10)の各種の機器を制御する。
【0048】
(3)電力供給パネルユニット
図4に示すように、本実施形態の電力供給パネルユニット(U)は、対象機器(M)を天井裏に収容すると共に、該対象機器(M)に電力を供給する。対象機器(M)は、wifiのアクセスポイント、5G中継機や所定のセンサなどである。所定のセンサは、例えば室内の空気成分を測定するセンサである。対象機器(M)は、該対象機器(M)に電力が供給される受電部を備える。対象機器(M)がバッテリーを備える場合、該バッテリーは受電部を介して充電される。
【0049】
電力供給パネルユニット(U)は、化粧パネル(43)、吸込グリル(45)、巻上げ機(60)、制御部(70)、および電力供給部(80)を有する。化粧パネル(43)は、フレーム(43)の一例である。吸込グリル(45)は、パネル(45)の一例である。
【0050】
(3-1)巻上げ機
巻上げ機(60)は、吸込グリル(45)が化粧パネル(43)内に収まった状態の第1状態と、吸込グリル(45)が化粧パネル(43)から下方へ離れた状態の第2状態とに変化させる。具体的に、巻上げ機(60)は、化粧パネル(43)に固定される。巻上げ機(60)は、ライン(61)を有する。ラインの先端は吸込グリル(45)に接続されており、巻上げ機(60)がラインを繰り出すことで吸込グリル(45)は降下し、ライン(61)を巻き上げることで吸込グリル(45)は上昇する。巻上げ機(60)は昇降機構(60)の一例である。ライン(61)は、吸込グリル(45)を昇降させるためのみに用いられる。
【0051】
(3-2)制御部
電力供給パネルユニット(U)は、制御部(70)を有する。制御部(70)は、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイスとが設けられる。
【0052】
制御部(70)は、巻上げ機(60)を制御する。具体的に、制御部(70)は、ライン(61)を巻き上げることで第1状態にし、ライン(61)を繰り出すことで第2状態にする。また、制御部(70)は、ライン(61)の繰り出し量を調節したり、ライン(61)の巻き上げ量を調節することで、吸込グリル(45)を予め設定された床面からの高さ位置に制御調節する。吸込グリル(45)は、任意の高さ位置に調節されてもよいし、予め設定された複数の高さ位置に調節されてもよい。
【0053】
(3-3)リモートコントローラ
電力供給パネルユニット(U)は、リモートコントローラ(71)を有する。リモートコントローラ(71)は、制御部(70)と無線の通信線(
図4の一点鎖線)で接続される。リモートコントローラ(71)は、ユーザの操作に基づいて所定の信号を制御部(70)に送信する。例えば、リモートコントローラ(71)から、吸込グリル(45)を第1状態にする旨の信号が送信されると、それを受信した制御部(70)は、吸込グリル(45)を第1状態にする。また、リモートコントローラ(71)から、吸込グリル(45)の高さ位置を所定の位置にする旨の信号が送信されると、それを受信した制御部(70)は、巻上げ機(60)を制御してライン(61)の繰り出し量または巻上げ量を調整する。
【0054】
(3-4)電力供給部
電力供給部(80)は、対象機器(M)に給電する。電力供給部(80)は、化粧パネル(43)の上面に配置される。電力供給部(80)は、後述する給電中継部(90)の第2端部(90b)が接続する端子(80a)を有する。電力供給部(80)は、天井裏の商用電源、または室内空調機(40)内の電源端子に接続される。電力供給部(80)は、第1状態において吸込グリル(45)上に載置された対象機器(M)に電力を供給可能に接続する。
【0055】
(3-5)給電中継部
吸込グリル(45)の上面には、給電中継部(90)が設けられる。給電中継部(90)は、第1状態において、電力供給部(80)が対象機器(M)に電力を供給可能な状態にする部材である。対象機器(M)は、給電中継部(90)を介して電力供給部(80)から給電される。具体的に、給電中継部(90)の一端である第1端部(90a)は、対象機器(M)の受電部に接続する。給電中継部(90)の他端である第2端部(90b)は、第1状態になっときに電力供給部(80)に接続する(
図5参照)。
【0056】
(3-6)スイッチ機構
図5に示すように、スイッチ機構(100)は、第1状態において、対象機器(M)が電力供給部(80)と電力供給可能に接続された場合、該対象機器(M)に電力供給する。具体的に、吸込グリル(45)が第1状態になったときに、例えば電力供給部(80)と給電中継部(90)との間に埃が挟まることで接触不良が生じた場合、電力供給部(80)は給電中継部(90)に正常に接続されずスイッチ機構(100)はOFF状態のままとなり、電力供給部(80)と給電中継部(90)とは通電しない。
【0057】
一方、吸込グリル(45)が第1状態になったときに、電力供給部(80)が給電中継部(90)に正常に接触すると、スイッチ機構(100)はON状態のままとなり、電力供給部(80)と給電中継部(90)とが通電する。
【0058】
(4)対象機器への給電方法
電力供給パネルユニット(U)による対象機器(M)への給電方法について説明する。吸込グリル(45)は、予め化粧パネル(43)内に収容されている(第1状態である)とする。給電方法は、第1工程と第2工程と第3工程とを有する。
【0059】
第1工程では、吸込グリル(45)を第1状態から第2状態にする。具体的に、ユーザの操作によりリモートコントローラ(71)から第2状態にする旨の信号が送信されると、制御部(70)は、巻上げ機(60)からラインを繰り出して吸込グリル(45)を降下させる。ラインが所定の長さまで繰り出された時点で巻上げ機(60)は運転を停止する。このとき、吸込グリル(45)は、床面から所定の高さに位置する。
【0060】
第2工程では、ユーザの作業によって、吸込グリル(45)上に対象機器(M)が載置される。このとき、対象機器(M)の給電の端子が給電中継部(90)の端子に接続される。
【0061】
第3工程では、吸込グリル(45)を第2状態から第1状態にする。具体的に、ユーザの操作によりリモートコントローラ(71)から第1状態にする旨の信号が送信されると、制御部(70)は、巻上げ機(60)からラインを巻き上げて吸込グリル(45)を上昇させる。吸込グリル(45)が化粧パネル(43)に収まった時点で巻上げ機(60)は運転を停止する。このとき、給電中継部(90)の電力供給部(80)に接続される端子は、電力供給部(80)に接続される。これにより、スイッチ機構(100)がONとなり、給電中継部(90)を介して電力供給部(80)と対象機器(M)とが通電して、対象機器(M)への給電が開始される。それと同時に、対象機器(M)の運転が開始される。
【0062】
(5)特徴
(5-1)特徴1
本実施形態の電力供給パネルユニット(U)は、吸込グリル(45)(パネル)が化粧パネル(43)(フレーム)内に収まった状態の第1状態と、吸込グリル(45)が化粧パネル(43)から下方へ離れた状態の第2状態とに変化させる巻上げ機(60)(昇降機構)と、巻上げ機(60)を制御する制御部(70)と、対象機器(M)に給電する電力供給部(80)とを備える。電力供給部(80)は、第1状態において吸込グリル(45)上に載置された対象機器(M)に電力を供給可能に接続する。
【0063】
吸込グリル(45)を降下させて、対象機器(M)を吸込グリル(45)に載置した後、吸込グリル(45)を上昇させるだけで、容易に天井部に対象機器(M)を設置できる。加えて、対象機器(M)に不具合が生じても吸込グリル(45)を降下させるだけで対象機器(M)を簡便に回収できる。
【0064】
このように対象機器(M)を比較的容易にメンテナンスできる。加えて、第1状態になったときに電力供給部(80)は対象機器(M)に給電可能となるため、特許文献1のコンセント装置のように電源ケーブルを昇降させる必要がない。すなわち、電源ケーブルを不要にできる。このため電源ケーブルを収容するスペースを不要にできパネルを小型化できる。
【0065】
加えて、対象機器(M)は、吸込グリル(45)の上面に配置されるため、室内に露出しない。このため室内の意匠性が向上する。
【0066】
(5-2)特徴2
本実施形態の電力供給パネルユニット(U)は、パネル(45)上に設けられる給電中継部(90)をさらに備える。給電中継部(90)の一端は、対象機器(M)の受電部に接続され、給電中継部(90)の他端は、第1状態になっときに前記電力供給部(80)に接続される。
【0067】
これにより、給電中継部(90)が対象機器(M)と電力供給部(80)との接続を仲介する。異なる種類の対象機器(M)に対して、給電中継部(90)の一端の形状を対象機器(M)に応じて変更すればよい。すなわち、対象機器(M)の種類に合わせて、電力供給部(80)をわざわざ変更する手間を省くことができる。
【0068】
(5-3)特徴3
本実施形態の電力供給パネルユニット(U)は、昇降機構(60)として吸込グリル(45)に固定されたライン(61)を巻き上げる巻上げ機(60)であり、制御部(70)は、ライン(61)を巻き上げることで第1状態にし、ライン(61)を繰り出すことで前記第2状態にする。このように、ライン(61)を巻き上げたり繰り出しすることで、簡便な機構でパネルを昇降できる。
【0069】
(5-4)特徴4
本実施形態の電力供給パネルユニット(U)では、制御部(70)は、吸込グリル(45)を設定された高さ位置に調節する。これにより、吸込グリル(45)の高さ位置を複数の高さ位置に設定できる。
【0070】
(5-5)特徴5
本実施形態の電力供給パネルユニット(U)は、天井に設けられた室内空調機(40)の化粧パネル(43)と、化粧パネル(43)内に配置される吸込みグリルを有する。このように、吸込グリル(45)を利用することで、対象機器(M)を設置する専用のスペースを室内に設ける必要がなく室内空間の意匠性を向上できる。加えて、室内空調機(40)の吸込グリル(45)に対象機器(M)が載置されるため、対象機器(M)は吸込み空気により空冷される。これにより対象機器(M)の作動中の温度上昇を緩和できる。
【0071】
(5-6)特徴6
本実施形態の電力供給パネルユニット(U)は、第1状態において、対象機器(M)が電力供給部(80)と電力供給可能に接続された場合、該対象機器(M)に電力供給するスイッチ機構(100)をさらに備える。スイッチ機構(100)により、接続が不十分な場合電力供給部(80)から対象機器(M)へ電力は供給されない。このことで、電力供給部(80)から漏電やそれに伴う火災等を防止できる。
【0072】
(5-7)特徴7
本実施形態の電力供給パネルユニット(U)は、制御部(70)に通信可能なリモートコントローラをさらに備える。リモートコントローラは、昇降機構(60)の動作を制御する。遠隔からパネルの動作を制御できる。これにより、人が室内に立ち入れない場合や室内に人がいない場合でもパネルの位置を制御できる。
【0073】
(5-8)特徴8
本実施形態の電力供給パネルユニット(U)では、リモートコントローラ(71)は、対象機器(M)の電源をONまたはOFFの制御を行う。これにより、対象機器(M)に不具合があれば、遠隔からでもユーザの操作によりON/OFF制御できる。このように室内に入室しなくても対象機器(M)の運転を制御できるため、例えば室内が有毒ガスで充満しているような室内に入室できない状況であっても対象機器(M)を操作できる。加えて、複数の対象機器(M)を環境モニタ等に使用する場合、データ収集の一元化を図ることができ、効率的なデータ収集が可能となる。
【0074】
(6-1)変形例1
本変形例の電力供給パネルユニット(U)は、無線で対象機器(M)に電力を供給する。
図6に示すように、電力供給部(80)は、無線給電部(81)を備える。無線給電部(81)は、電波の送信により電力を伝送する空間伝送型のワイヤレス電力伝送装置である。対象機器(M)は、無線で給電できる無線受電部(65)を備える。
【0075】
無線給電部(81)は、送電回路(81a)とアンテナ(81b)とを有する。送電回路(81a)は、電波の周波数及び電力の少なくとも一方に基づいて、アンテナ(81b)から対象機器(M)に向かって出力される電波強度を制御する。電波強度は、吸込グリル(45)が第2状態になった時に吸込グリル上に載置された対象機器(M)が給電される程度の強さであってもよい。
【0076】
このように、無線給電であれば吸込グリル(45)上に対象機器(M)を配置するだけで簡便に給電できる。また、給電中継部(90)を設ける必要がないため電力供給パネルユニット(U)の部品点数や製造コストを抑えることができる。
【0077】
(6-2)変形例2
本変形例の電力供給パネルユニット(U)は、上記実施形態のスイッチ機構(100)を有していない。本変形例の電力供給パネルユニット(U)は、第1状態において、吸込グリル(45)が正常に化粧パネル(43)に収納された場合、電力供給部(80)は対象機器(M)に電力を供給する。
【0078】
具体的に、
図7に示すように本変形例の電力供給パネルユニット(U)は、位置センサ(95)と給電制御部(200)とを有する。位置センサ(95)は、吸込グリル(45)に設けられ、吸込グリル(45)の床面からの高さ位置を検出する。給電制御部(200)は、位置センサ(95)及び電力供給部(80)と有線または無線で接続される。
【0079】
給電制御部(200)は、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイスとが設けられる。給電制御部(200)は、位置センサ(95)から送信される検出結果に基づいて、吸込グリル(45)が正常に化粧パネル(43)に収納されたか否かを判定する。吸込グリル(45)が化粧パネル(43)と同じ高さ位置にあることを位置センサ(95)が検出すると、吸込グリル(45)が正常に化粧パネル(43)に収納されたと判定する。給電制御部(200)は、吸込グリル(45)が正常に化粧パネル(43)に収納されたと判定すると、電力供給部(80)を制御して、対象機器(M)への給電を実行する。
【0080】
(7)その他の実施形態
上記実施形態及び各変形例については、以下のような構成としてもよい。
【0081】
電力供給パネルユニット(U)は、天井の開口(63a)に設けられるフレーム(43)と、フレーム(43)の内枠に収まるパネル(45)を有していればよく、室内空調機(40)以外の空気処理装置(例えば換気装置)に設けられてもよいし、電力供給パネルユニット(U)単独で設けられてもよい。
【0082】
対象機器(M)は、室内空間(S)の気体成分を測定するセンサであってもよい。床面から所定の高さ位置で室内空間(S)の特定の気体の濃度を測定することが所定の公定法等で決められている場合、吸込グリル(45)をその高さ位置に調節することで該公定法に則った方法で気体成分を測定できる。このように、電力供給パネルユニット(U)を用いれば予め設定された高さ位置に吸込グリル(45)を降下させるだけで測定作業の手間を抑え簡便に行うことができるため、センサを所定の高さ位置に設置するための台等を新たに用意する必要がない。この場合、センサ(M)には蓄電部(図示省略)を備え、第1状態においてセンサ(M)に充電される。このようなセンサ(M)を備えた電力供給パネルユニット(U)において、ユーザの操作により吸込グリル(45)を降下させて室内環境を測定してもよいし、予め設定された日時または定期的に吸込グリル(45)が降下して室内環境を測定してもよい。
【0083】
上記実施形態の電力供給パネルユニット(U)は、給電中継部(90)を有さなくてもよい。電力供給パネルユニット(U)の電力供給部(80)は、直接的に対象機器(M)に給電してもよい。
【0084】
上記実施形態の電力供給パネルユニット(U)は、吸込グリル(45)を昇降する昇降機構(60)を有していればよく、巻上げ機(60)でなくてもよい。
【0085】
上記変形例1において、電力供給パネルユニット(U)は、給電中継部(90)が設けられていてもよい。この場合、電力供給パネルユニット(U)は、電力供給部(80)に接続される第1無線給電コイル(図示省略)と、給電中継部(90)に接続される第2無線給電コイル(図示省略)とを備える。第1無線給電コイルは、化粧パネル(43)に設けられるスイッチ機構(100)近傍に配置される。第2無線給電コイルは、給電中継部(90)の第2端部(90b)近傍に配置される。吸込グリル(45)が化粧パネル(43)に収まったとき(第1状態)、第1無線給電コイルと第2無線給電コイルとの距離が最も近くなる。電力供給パネルユニット(U)が第1状態のときに第1無線給電コイルから第2無線給電コイルに無線で送電される。このように、第1給電コイルが無線給電部(81)となり、第2給電コイルが無線受電部(65)となる。このことで、対象機器(M)は、無線受電部(65)を有していなくても、給電中継部(90)を介して無線で電力供給部(80)から給電される。
【0086】
上記変形例2において、位置センサ(95)の代わりに巻き取りセンサ(図示省略)により床面からの高さ位置または天井面から距離を検出してもよい。具体的に、巻き取りセンサは、巻上げ機(60)が巻き上げるライン(61)の長さを検出する。第1状態におけるライン(61)の所定の巻上げ長さが設定される。
【0087】
上記実施形態の電力供給パネルユニット(U)は、リモートコントローラ(71)に替えて集中コントローラであってもよい。集中コントローラは、ビル内に設けられるすべての電力供給パネルユニット(U)を制御する。集中コントローラは、ビル内に設けられるものであってもよいし、ビル外から遠隔で操作するものであってもよい。集中コントローラは、ビル内に設けられる空気調和装置やその他の機器を制御するコントローラを兼ねてもよい。集中コントローラは、ビル エネルギー マネジメント システム(BEMS)であってもよい。
【0088】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0089】
以上説明したように、本開示は、電力供給パネルユニットおよび給電方法について有用である。
【符号の説明】
【0090】
40 室内空調機
43 化粧パネル(フレーム)
45 吸込グリル(パネル)
60 巻上げ機(昇降機構)
61 ライン
63a 開口
65 受電部
70 制御部
71 リモートコントローラ
80 電力供給部
81 無線給電部
90 給電中継部
100 スイッチ機構
M 対象機器
U 電力供給パネルユニット