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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092361
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20240701BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240701BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20240701BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
A61K8/86
A61Q19/10
A61K8/36
A61K8/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208242
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】306018376
【氏名又は名称】クラシエ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石渡 大貴
(72)【発明者】
【氏名】中島 渉
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AA122
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC532
4C083AC712
4C083AD112
4C083AD202
4C083AD211
4C083AD212
4C083BB41
4C083CC23
4C083DD08
4C083DD47
4C083EE01
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】
石けん系の皮膚洗浄剤組成物において、従来よりもさらに泡弾力及び泡の持続性に優れた皮膚洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】
下記(A)~(C)を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物により、上記課題を解決する。好ましくは、泡吐出用容器に用いるための皮膚洗浄剤組成物である。
(A)高級脂肪酸塩
(B)炭素数10~14の長鎖アルキルアルコールに平均付加モル数が85~150モルのエチレンオキシドを付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル
(C)グリコシルトレハロース
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)~(C)を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物。
(A)高級脂肪酸塩
(B)炭素数10~14の長鎖アルキルアルコールに平均付加モル数が85~150モルのエチレンオキシドを付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル
(C)グリコシルトレハロース
【請求項2】
泡吐出用容器に用いるための請求項1に記載の皮膚洗浄剤組成物。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚洗浄剤組成物に関し、詳しくは泡弾力に優れ、泡の持続性が高い泡吐出容器に用いるための皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ノンガスタイプの泡吐出容器に充填され、使用時にこの容器から泡沫状に吐出される液体洗浄剤組成物については、これまで種々提案されている(例えば、特許文献1~5参照。)。このような液体洗浄剤組成物は、泡吐出容器内部の多孔質膜を通過させることで、組成物と空気を混合して泡沫状とする。一般的に界面活性剤として脂肪酸石けんを用いた場合には、泡質(泡のクリーミーさ、泡の細かさ、等)に優れた泡形成ができると知られている。
【0003】
また、このような製品は、多孔質膜を通過させる必要があることから、組成物が多孔質膜で目詰まりを起すという問題がある。特に界面活性剤として脂肪酸石けんを用いた場合、低温保存時における高級脂肪酸の析出により、目詰まりが生じ易いといった問題があった。
【0004】
近年、消費者の使用性等に対する要求が従来に比べ高まる傾向がみられ、脂肪酸石けんを用いた洗浄剤のより一層の泡質向上、洗浄後の使用感の向上、目詰まり防止等について、従来にもましてより一層の技術の向上が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-132700号公報
【特許文献2】特開平8-311498号公報
【特許文献3】特開2007-275777号公報
【特許文献4】特開2019-094287号公報
【特許文献5】特開2015-107927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、石けん系の皮膚洗浄剤組成物において、従来よりもさらに泡弾力及び泡の持続性に優れた皮膚洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を達成するために鋭意研究した結果、(A)高級脂肪酸塩、(B)炭素数10~14の長鎖アルキルアルコールに平均付加モル数が85~150モルのエチレンオキシドを付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル、(C)グリコシルトレハロースを組み合わせることにより、泡弾力に優れ、泡の持続性が高い洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
下記(A)~(C)を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物である。
(A)高級脂肪酸塩
(B)炭素数10~14の長鎖アルキルアルコールに平均付加モル数が85~150モル
のエチレンオキシドを付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル
(C)グリコシルトレハロース
[2]
泡吐出用容器に用いるための皮膚洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、石けん系の皮膚洗浄剤組成物において、従来よりもさらに泡弾力及び泡の持続性に優れた皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
【0010】
また、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、上記課題の他に洗い流し時のべたつきが抑制できることを見出した。さらに、本発明の皮膚洗浄剤組成物をノンガスタイプの泡吐出容器に充填して用いる場合には、ポンプ内部のメッシュ目詰まりを抑制でき容器からの吐出性が良好であることも見出した。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の皮膚洗浄剤組成物について詳細に説明する。
【0012】
<(A)高級脂肪酸塩>
本発明に用いる(A)成分は高級脂肪酸塩である。高級脂肪酸塩は高級脂肪酸をアルカリ剤で中和することで得られる塩であり、主に洗浄の基剤として用いられる。高級脂肪酸塩を構成する脂肪酸としては、好ましくは炭素数8~22の飽和の脂肪酸である。例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの単一の脂肪酸や、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸などから誘導される脂肪酸、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0013】
高級脂肪酸塩を構成する塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、低級アルカノールアミン塩などが挙げられるが、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩である。
【0014】
本発明に用いる高級脂肪酸塩を具体的に例示すれば、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、イソステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、イソステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、ラウリン酸トリエタノ―ルアミン、ミリスチン酸トリエタノ―ルアミン、パルミチン酸トリエタノ―ルアミン、ステアリン酸トリエタノ―ルアミン、イソステアリン酸トリエタノ―ルアミン、オレイン酸トリエタノ―ルアミン、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、牛脂脂肪酸ナトリウム、ヒマシ油脂肪酸ナトリウム、オリーブ油脂肪酸ナトリウム、パーム油脂肪酸ナトリウム、パーム核油脂肪酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、牛脂脂肪酸カリウム、ヒマシ油脂肪酸カリウム、オリーブ油脂肪酸カリウム、パーム油脂肪酸カリウム、パーム核油脂肪酸カリウム、ヤシ油脂肪酸トリエタノ―ルアミン、牛脂脂肪酸トリエタノ―ルアミン、ヒマシ油脂肪酸トリエタノ―ルアミン、オリーブ油脂肪酸トリエタノ―ルアミン、パーム油脂肪酸トリエタノ―ルアミン、パーム核油脂肪酸トリエタノ―ルアミン等が挙げられる。本発明の洗浄剤組成物には、これら高級脂肪酸塩を1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
本発明の皮膚洗浄剤組成物における(A)成分の配合量は、全組成中1~15質量%が好ましい。配合量が1質量%以上であれば泡弾力が良好となりボリューム、弾力に優れた泡が得られ、15質量%以下であれば泡の形成性が良好で、ポンプ内部のメッシュ目詰まりを抑制できる。
【0016】
<(B)ポリオキシエチレンアルキルエーテル>
本発明に用いる(B)成分は、長鎖アルキルアルコールに平均付加モル数が85~150モルのエチレンオキシドを付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテルである。主に乳化剤として用いられる。
【0017】
本発明においては、(B)成分を(A)成分に組み合わせることで、泡の弾力性が向上し、かつ泡の持続性が向上する。これは、(A)成分に対し、(B)成分を配合することで、(B)成分のエチレンオキシド鎖がポリマーのように働きA成分によってできた泡膜を強固にするためである
【0018】
長鎖アルキルアルコールは、炭素数が10~14の飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖の長鎖アルキルアルコールを使用できる。例えば、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール等が挙げられ、好ましくはラウリルアルコール、ミリスチルアルコールである。これらは、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
本発明の皮膚洗浄剤組成物における(B)成分の配合量は、全組成中0.1~5質量%が好ましく、0.5~3質量%がさらに好ましい。0.1質量%以上であれば泡の弾力、泡の持続性が良好となる、5質量%以下であれば流し時のべたつきを抑制でき、ポンプ内部のメッシュ目詰まりを抑制できる。
【0020】
<(C)グリコシルトレハロース>
本発明に用いる(C)成分はグリコシルトレハロースである、グルコシルトレハロースは保湿剤として用いられることが知られている。グリコシルトレハロースの製品として、例えば林原生物科学研究所製の「トルナーレ」が挙げられる。
【0021】
本発明においては、(C)成分を(A)成分に組み合わせることで、泡の弾力性が向上し、かつ泡の持続性が向上することを見出した。これは、(A)成分に対し、(C)成分を配合することで、溶液全体の粘性が上昇し泡膜内に水溶液が安定的に存在しやすくなったことにより、泡弾力性及び泡の持続性が向上するものと推測され、上述した(B)成分とは異なる作用によるものである。
【0022】
本発明においては、(A)、(B)、(C)の3成分を組み合わせることで、泡の弾力性及び泡の持続性があらに相乗的に向上することも見出した。これは、(B)成分によるポリマー様の作用、(C)成分による粘性が向上する作用に加え、(C)成分の粘性が向上する作用が(B)成分に対しても働き、(B)成分が安定的に泡膜内にとどまることでより強く泡膜を強固にする作用がはたらくようになったためと推測される。
【0023】
また、本発明において、(C)成分を配合することにより、洗い流し時のべたつきを抑制できることを見出した。これは、洗い流し時のべたつきは(B)成分に起因するものであるため、(C)成分を用いることで泡の弾力性及び泡の持続性を維持しつつ、(B)成分の配合量を抑えることができるためである。
【0024】
さらに、本発明において、(C)成分を配合することにより、本発明の皮膚洗浄剤組成物をノンガスタイプの泡吐出容器に充填して用いる場合、ポンプ内部のメッシュ目詰まりを抑制できることを見出した。これは、ポンプ内部のメッシュ目詰まりは(B)成分が比較的大きい分子であり、ポリマー様の物質であるためメッシュ部に残存しやすく、これが過剰になることに起因するものであるため、(C)成分を用いることで泡の弾力性及び泡の持続性を維持しつつ、(B)成分の配合量を抑えることができるためである。
【0025】
本発明の皮膚洗浄剤組成物における(C)成分の配合量は、全組成中0.1~5質量%
が好ましく、0.3~3質量%がさらに好ましい。0.1質量%以上であれば泡の弾力、泡の持続性が良好となり、5質量%以下であれば洗い流し時のべたつきを抑制できる。
【0026】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、水溶性高分子化合物(ノニオン性、アニオン性等を含む)、粉体(顔料、色素、樹脂等)、生理活性成分、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、紫外線吸収剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、中和剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
【0027】
上記アニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えばラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0028】
上記両性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、β-アミノプロピオン酸ナトリウム、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0029】
上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばポリオキシエチレンセチルエーテル、モノステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンジオレイン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0030】
上記水溶性高分子としては、特に限定されるものではないが、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリグルタミン酸、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0031】
また、上記粉体としては、例えば赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状など)に特に制限はない。
【0032】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物
質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
【0033】
上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マドンナリリー花エキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0034】
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、l-メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。
【0035】
本発明の洗浄剤組成物は、洗顔、クレンジング、ボディシャンプー、ハンドソープ、シェービング料、マッサージ料等の皮膚用洗浄剤として好適に使用できる。またそれぞれ、粘性液体、クリーム状等の形態として用いることができ、特に洗顔フォーム、液状ボディシャンプーとして好適に用いられる。
【実施例0036】
次に本発明の洗浄剤組成物について、実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれ
により限定されるものではない。まず、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0037】
(実施例及び比較例)
表1~2に示す組成の皮膚洗浄剤組成物を常法に準じて調製し、容量200mLのポンプフォーマー型容器(200メッシュ2枚使用)に200mL充填し、ノンガスタイプの液体皮膚洗浄剤組成物を得た。得られた皮膚洗浄剤組成物について下記評価を行い、その結果を表1に併せて示す。
【0038】
(1)泡の弾力
室温にてパネラー10名がそれぞれ通常のスクイズ動作を行い、内容物を吐出させて手に取り、泡の弾力を下記評価基準に従って室温にて官能評価した。
<評価基準>
4:泡の弾力が非常に高い
3:泡の弾力がやや弾力高い
2:泡の弾力がやや低い
1:泡の弾力が非常に低い
<判定基準>
◎:評価結果の平均点が3.5以上
〇:評価結果の平均点が2.5以上
△:評価結果の平均点が1.5以上
×:評価結果の平均点が3.5未満
【0039】
(2)泡の持続性
室温にてパネラー10名がそれぞれ通常のスクイズ動作を行い、内容物を吐出させて手に取り、泡吐出から1分経過後に泡の細かさと弾力を下記評価基準に従って室温にて官能評価した。
<評価基準>
4:泡が非常に細かく、非常に弾力が高い
3:泡がやや細かく、やや弾力が高い
2:泡がやや粗く、やや弾力が低い
1:泡が非常に粗く、弾力が低い
<判定基準>
◎:評価結果の平均点が3.5以上
〇:評価結果の平均点が2.5以上
△:評価結果の平均点が1.5以上
×:評価結果の平均点が3.5未満
【0040】
(3)洗い流し時のべたつき
室温にてパネラー10名がそれぞれ実施例及び比較例の皮膚洗浄剤組成物を用いて肌を洗浄し、洗い流した。洗い流し時の肌のべたつきを下記評価基準に従って室温にて官能評価した。
<評価基準>
4:べたつきが全くない
3:べたつきがあまりない
2:べたつきがややある
1:べたつきが非常にある
<判定基準>
◎:評価結果の平均点が3.5以上
〇:評価結果の平均点が2.5以上
△:評価結果の平均点が1.5以上
×:評価結果の平均点が3.5未満
【0041】
(4)ポンプフォーマー容器からの吐出性
0℃で1週間静置し、50回プッシュしたときの目詰まり性について、下記評価基準に従って室温にて官能評価した。
<評価基準>
4:ポンプの目詰まりがなく、泡の吐出が容易にできる
3:部分的に目詰まりにより、泡を吐出するために力を要するが、品質上問題ない
2:部分的に目詰まりにより、泡を吐出するために強い力を要し、品質上問題がある
1:ポンプの目詰まりにより、泡の吐出ができない
<判定基準>
◎:評価結果の平均点が3.5以上
〇:評価結果の平均点が2.5以上
△:評価結果の平均点が1.5以上
×:評価結果の平均点が3.5未満
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
表1~2より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例の洗浄剤組成物は比較例の組成物に比べていずれも優れた性能を見出した。
【0045】
<現行市販品との比較試験>
現在市販されているノンガスタイプの泡吐出容器に充填して用いる皮膚洗浄剤組成物と本発明の皮膚洗浄剤組成物を上記(1)~(4)の評価を実施した。その結果、表3に示すように本発明の皮膚洗浄剤組成物がいずれも良好な結果を得た。
【0046】
【表3】

【0047】
以下、本発明の洗浄剤組成物のその他の処方例を実施例〇として挙げる。なお、これらの実施例の洗浄剤組成物についても、上記の泡の弾力、泡の持続性、ポンプフォーマー容器からの吐出性、洗い流し時のべたつきの各項目を評価した。
【0048】
実施例24 泡ボディソープ (質量%)
・ ミリスチン酸 3.0
・ パルミチン酸 2.0
・ 水酸化カリウム 1.5
・ グリセリン 5.0
・ DPG 3.0
・ ラウレスー100 2.0
・ フェノキシエタノール 0.2
・ ココベタイン 6.0
・ ラウラミドプロピルベタイン 1.0
・ グリコシルトレハロース 1.5
・ モモ葉エキス 0.1
・ モモ果汁 0.1
・ グレープフルーツ果実エキス 0.1
・ チャ葉エキス 0.1
・ ザクロ花エキス 0.05
・ ホホバ油 0.01
・ シア脂 0.01
・ アセチルグルコサミン 0.01
・ EDTA-2NA 0.2
・ 香料 0.2
・ 精製水 残 余
【0049】
常法により上記組成の洗浄剤組成物を調製し、泡弾力、泡の持続性、ポンプフォーマー容器からの吐出性、洗い流し時のべたつきを評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。