(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092369
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】シート集合包装体、及びシート包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 77/26 20060101AFI20240701BHJP
B65D 83/08 20060101ALI20240701BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B65D77/26 D
B65D83/08 A
B65D77/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208252
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】塚田 里夏
【テーマコード(参考)】
3E014
3E067
【Fターム(参考)】
3E014LA08
3E067AA12
3E067AA16
3E067AB75
3E067AB76
3E067AB77
3E067AC15
3E067BA06C
3E067BA12B
3E067BB01B
3E067BB02C
3E067BB05B
3E067BB06B
3E067BB15B
3E067BB16B
3E067CA07
3E067CA16
3E067EA04
3E067FA04
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】収容されるシート包装体の生産性を向上させながら、積載効率を維持することができるシート集合包装体を提供すること。
【解決手段】複数枚のシートが積層された直方体状のシート積層体と、前記シート積層体を収容する樹脂フィルム製の包装袋と、前記包装袋の天面に形成されて前記シートが引き出される取出口とを有するシート包装体と、複数の前記シート包装体を収容する段ボール製の包装箱と、を有するシート集合包装体であって、前記シート積層体は、前記シートがマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものであり、前記シート包装体は、前記シート積層体がキャラメル包装されたものであり、前記シート包装体は、前記シート包装体の高さ方向に5個の前記シート包装体を積み重ねた集合体の前記高さ方向の堅さ(ARH)が2.8%以上7.2%以下である、シート集合包装体。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のシートが積層された直方体状のシート積層体と、前記シート積層体を収容する樹脂フィルム製の包装袋と、前記包装袋の天面に形成されて前記シートが引き出される取出口とを有するシート包装体と、
複数の前記シート包装体を収容する段ボール製の包装箱と、を有するシート集合包装体であって、
前記シート積層体は、前記シートがマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものであり、
前記シート包装体は、前記シート積層体がキャラメル包装されたものであり、
前記シート包装体は、前記シート包装体の高さ方向に5個の前記シート包装体を積み重ねた集合体の前記高さ方向の堅さ(ARH)が2.8%以上7.2%以下である、シート集合包装体。
【請求項2】
前記シート積層体は、前記シートが引き出される方向がCD方向となるように積層されたものである、請求項1に記載のシート集合包装体。
【請求項3】
前記シート包装体は、前記シート積層体の積層方向が前記シート包装体の高さ方向となるように、前記シート積層体が前記包装袋に収容されたものである、請求項1に記載のシート集合包装体。
【請求項4】
前記シート包装体は、前記シート包装体の高さ方向が前記包装箱の高さ方向となるように複数積み重ねられて前記包装箱に収容されている、請求項3に記載のシート集合包装体。
【請求項5】
前記シート包装体は、前記シート積層体の長側面が対向する方向に複数並んで前記包装箱に収容されている、請求項3に記載のシート集合包装体。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシート集合包装体の前記包装箱に収容される、シート包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート集合包装体、及びシート包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ティシューペーパー等の衛生薄葉紙は、そのウェブが厚紙の箱に収容されたカートンタイプが普及しているが、運搬、保管、廃棄、環境負荷、コスト等の観点から、近年は、樹脂フィルム製の包装袋にウェブが収容されたフィルムパックの需要が高まっている。
【0003】
フィルムパックの製造では、ウェブを包装袋に収容する際にウェブのコンパクションによる衛生薄葉紙の取出性低下を防ぐため、収容されるウェブの側面が揃いやすいロータリー式インターフォルダが用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、フィルムパックは、段ケースに複数収容された状態で、輸送、保管される(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-102858号公報
【特許文献2】実用新案登録第3233887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ロータリー式インターフォルダを用いたフィルムパックの製造では、ウェブの供給能力が低いため、フィルムパックの生産性を高めることができない。
【0007】
また、ロータリー式インターフォルダに代えてウェブの供給能力が高いマルチスタンド式インターフォルダを用いると、フィルムパックの生産性は向上するものの、ウェブの側面が揃わないため、その分だけフィルムパックの容量が大きくなる。その結果、輸送や保管の際に、複数のフィルムパックを梱包する従来のケースに、同じ数量のフィルムパックが梱包できない(積載効率が低下する)。
【0008】
本発明の課題は、収容されるシート包装体の生産性を向上させながら、積載効率を維持することができるシート集合包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る第1の態様は、複数枚のシートが積層された直方体状のシート積層体と、前記シート積層体を収容する樹脂フィルム製の包装袋と、前記包装袋の天面に形成されて前記シートが引き出される取出口とを有するシート包装体と、複数の前記シート包装体を収容する段ボール製の包装箱と、を有するシート集合包装体であって、前記シート積層体は、前記シートがマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものであり、前記シート包装体は、前記シート積層体がキャラメル包装されたものであり、前記シート包装体は、前記シート包装体の高さ方向に5個の前記シート包装体を積み重ねた集合体の前記高さ方向の堅さ(ARH)が2.8%以上7.2%以下である、シート集合包装体を提供する。
【0010】
本明細書において、マルチスタンド式インターフォルダは、1つの折り板でシートを折り込みながら交互に重ねてウェブを製造する装置を示す。シートがマルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体は、シート積層体が直方体状の場合は、一対の長側面が不揃いとなりやすい(シートの折り目が積層方向にずれやすい)。
【0011】
キャラメル包装は、筒状のフィルムの両端部が折り畳まれて接着または封止された包装袋に包装されることを示す。
【0012】
シート包装体の高さ方向に5個の前記シート包装体を積み重ねた集合体の高さ方向の堅さ(ARH)とは、集合体の上面に所定の重さ(例えば600g)の重りを載せて荷重したときの、集合体の荷重前の高さ(A)に対する荷重前の高さ(A)と荷重後の高さ(B)の差(A-B)の割合[(A-B)/(A)]×100(%)を示す。
【0013】
第1の態様では、樹脂フィルム製の包装袋に収容されたシート積層体が、シートの供給能力が高いマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものであるため、シート集合包装体を構成するシート包装体の生産性を向上させることができる。
【0014】
また、第1の態様では、シート積層体がキャラメル包装されることで、シート積層体は、シート積層体の高さ方向、シート積層体の長側面が対向する方向およびシート積層体の短側面が対向する方向のいずれにも締め付けられた状態で包装袋に収容される。これにより、シート積層体全体にコンパクション(圧縮)がかけられた状態でシート包装体を包装箱に収容することができる。
【0015】
また、第1の態様では、シート積層体の長側面が対向する方向にシート積層体は、締め付けられた状態で包装袋に収容されるため、マルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体の不揃いになりやすい長側面にコンパクションをかけることができる。そのため、シート積層体の長側面が対向する方向に包装箱に収容される各シート包装体の容量の増大を防ぐことができ、シート集合包装体の積載効率を維持することができる。
【0016】
また、第1の態様では、不揃いの長側面にコンパクションがかけられた結果、シート積層体は高さ方向に膨れるが、キャラメル包装される際に、シート積層体の高さ方向にも締め付けられているため、シート積層体の高さ方向にもコンパクションをかけることができる。そのため、シート積層体の高さ方向にも包装箱に収容される各シート包装体の容量の増大を防ぐことができ、シート集合包装体の積載効率を維持することができる。
【0017】
さらに、第1の態様では、シート包装体の集合体の高さ方向の堅さ(ARH)が2.8%以上7.2%以下であることで、包装箱に収容される各シート包装体に適度なコンパクションがかけられた状態となっている。そのため、シート積層体の長側面が不揃いであっても、包装袋に収容されたシート積層体の長側面が押し潰されないため、シート包装体の使用時にシートの取出性の低下を防ぐことができる。
【0018】
本発明に係る第2の態様は、前記シート積層体は、前記シートが引き出される方向がCD方向となるように積層されたものである、第1の態様に記載のシート集合包装体を提供する。
【0019】
本明細書において、CD方向とは、シートを構成する繊維の流れ方向(MD方向)と直交する方向を示す。「シートが引き出される方向がCD方向となる」とは、シート包装体の取出口からシートが引き出される場合のシートの移動方向がCD方向であり、また包装体内の積層状態においてもシートの移動方向がCD方向であることを意味する。
【0020】
シートがマルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体は、通常、シートが引き出される方向がCD方向となるように積層されたシート積層体を構成する。
【0021】
第2の態様では、シートが引き出される方向がCD方向となるように積層されたシート積層体が、供給能力が高いマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものであるため、シート集合包装体を構成する個々のシート包装体の生産性を向上させることができる。
【0022】
本発明に係る第3の態様は、前記シート包装体は、前記シート積層体の積層方向が前記シート包装体の高さ方向となるように、前記シート積層体が前記包装袋に収容されたものである、第1または第2の態様に記載のシート集合包装体を提供する。
【0023】
第3の態様では、シート積層体の積層方向がシート包装体の高さ方向となることで、シート積層体は、キャラメル包装される際に、マルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体の不揃いの長側面に確実にコンパクションをかけることができる。また、不揃いの長側面にコンパクションがかけられた結果、シート積層体が膨れる高さ方向にも確実にコンパクションをかけることができる。
【0024】
本発明に係る第4の態様は、前記シート包装体は、前記シート包装体の高さ方向が前記包装箱の高さ方向となるように複数積み重ねられて前記包装箱に収容されている、第3の態様に記載のシート集合包装体を提供する。
【0025】
第4の態様では、シート包装体の高さ方向が包装箱の高さ方向となることで、シート積層体の積層方向が包装箱の高さ方向となる。また、シート包装体は、シート積層体の高さ方向にコンパクションがかけられているため、シート包装体の高さ方向が包装箱の高さ方向となるように複数のシート包装体が積み重ねられて包装箱に収容されていても、包装箱の高さ方向に包装箱が膨らむことを防ぐことができる。
【0026】
本発明に係る第5の態様は、前記シート包装体は、前記シート積層体の長側面が対向する方向に複数並んで前記包装箱に収容されている、第3の態様に記載のシート集合包装体を提供する。
【0027】
第5の態様では、シート包装体は、シート積層体の長側面が対向する方向にコンパクションがかけられているため、シート積層体の長側面が対向する方向に複数のシート包装体が並んで包装箱に収容されていても、包装箱の高さ方向と直交する方向に包装箱が膨らむことを防ぐことができる。
【0028】
本発明に係る第6の態様は、第1乃至5の態様のいずれか一つのシート集合包装体の前記包装箱に収容される、シート包装体である。
【0029】
第6の態様では、シート包装体が上述のシート集合包装体を構成することで、上述のシート集合包装体に用いられるシート包装体の効果がそのまま得られる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一態様によれば、収容されるシート包装体の生産性を向上させながら、積載効率を維持することができるシート集合包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】シート包装体(個包装体)に収容されたシート積層体を示す図である。
【
図3】包装前のシート積層体を一方の妻面側から見た拡大図である。
【
図4】シート包装体の集合体の堅さ(ARH)を測定する状態(荷重前)を示す図である。
【
図5】シート包装体の集合体の堅さ(ARH)を測定する状態(荷重後)を示す図である。
【
図7】包装前のシート積層体を一方の妻面側から見た拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、各図面における各部材の縮尺は、実際とは異なる場合がある。
【0033】
本明細書では、図の方向を3軸方向(X方向、Y方向、Z方向)の3次元直交座標系を用いて説明する。各図において、左右方向(シート包装体またはシート集合包装体の長手方向)をX方向とし、前後方向(シート包装体またはシート集合包装体の短手方向)をY方向とし、上下方向(シート包装体または包装箱の高さ方向)をZ方向とする。
【0034】
また、本明細書において、各方向には、実施形態の作用、効果を損なわない程度のずれが許容される。また、直交には、略直交が含まれてもよい。
【0035】
<シート包装体>
図1は、実施形態に係るシート包装体(個包装体)を示す。
図2は、シート包装体(個包装体)に収容されたシート積層体を示す。
図3は、包装前のシート積層体を一方の妻面側から見た拡大図である。
【0036】
本実施形態に係るシート包装体100は、シート積層体10、包装袋20を有する。本実施形態では、シート10Aの積層方向(SD方向)が高さ方向(Z方向)となるようにシート積層体10が包装袋20に収容される(
図1、
図2)。なお、シート包装体100は、本実施形態に係るシート包装体の一例である。
【0037】
シート積層体10は、複数枚(または複数組)のシート10Aが積層されたものである(
図2)。シート積層体10の形状は、直方体状である。シート積層体10は、包装袋20の天面21に形成される取出口21Aを通してシート10Aが1枚ずつ(または1組ずつ)引き出せるようになっている(
図1参照)。
【0038】
シート10Aの材質は、特に限定されず、例えば、紙、不織布又は布等であり、好ましくは薄葉紙である。シートが薄葉紙の場合、パルプ組成は、薄葉紙における公知の組成を用いることができる。パルプの配合割合は、例えば、50質量%以上にすることができ、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%である。
【0039】
また、シート10Aの坪量は、特に限定されないが、プライ数に応じて、紙の場合は5g/m2以上80g/m2以下、不織布の場合は20g/m2以上100g/m2以下のものが望ましい。なお、坪量は、JIS P 8124(2011)の規定に準拠して測定される。
【0040】
また、シート10Aの厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、シートが薄葉紙の場合、薄葉紙の紙厚は、1プライ(2プライの場合は2プライ)あたり、50μm以上500μm以下にすることができ、好ましくは60μm以上330μm以下である。
【0041】
なお、シート積層体10は、シート10Aを1枚または1組ずつ引き出す観点から、各シート10Aが折り込まれた状態で互い違いに積層されたもの(いわゆるポップアップ式のシート積層体10)であることが好ましい。また、シート積層体10の形態は、ポップアップ式に引き出せるものに限定されず、複数枚(または複数組)のシート10Aが単に積層されたもの、各シート10Aが折り畳まれた状態で積層されたものでもよい。
【0042】
また、シート積層体10の寸法は、シート包装体100の長手方向(X方向)の長さを155mm以上230mm以下、シート包装体100の長手方向(X方向)に直交する短手方向または奥行方向(Y方向)の長さを90mm以上120mm以下、高さ方向または厚み方向(Z方向)の厚みを30mm以上100mm以下とすることができる。
【0043】
シート積層体10を構成するシート10Aの態様は、特に限定されず、例えば、ティシューペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオル等の衛生薄葉紙に適用可能である。なお、ティシューペーパー、ペーパータオル等の衛生薄葉紙には、保湿成分を含んだ衛生薄葉紙(例えば、ローションティシュー等)も含まれる。また、シート10Aの用途は、特に限定されず、産業用、家庭用、携帯用のいずれにも適用できる。これらの中でも、家庭用のティシューペーパーに好適に用いられる。
【0044】
シート積層体は、シート10Aがマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものである。ここで、マルチスタンド式インターフォルダは、1つの折り板でシートを折り込みながら交互に重ねてウェブを製造する装置である。
【0045】
シートがマルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体10は、シート積層体10が直方体状の場合は、
図2に示すように、シート積層体10の一方の短側面15から長手方向(X方向)に見た一対の長側面13、14が不揃いとなりやすい(シートの折り目が積層方向にずれやすい)。
【0046】
また、シート積層体10は、シート10Aが引き出される方向がCD方向(シート10Aを構成する繊維の流れ方向(MD方向)と直交する方向)となるように積層されたものである。
【0047】
シート10Aが引き出される方向がCD方向となることは、シート包装体100の取出口21Aからシート10Aが引き出される場合のシート10Aの移動方向がCD方向であり、またシート包装体100内のシート積層体10の状態においてもシート10Aの移動方向がCD方向であることを意味する。
【0048】
シート10Aの引き出し方向がCD方向となるように積層されたシート積層体10は、シート10Aがマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものであることが好ましい。シートがマルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体10は、通常、シートが引き出される方向がCD方向となるように積層されたシート積層体を構成する。
【0049】
なお、従来のロータリー式インターフォルダで積層されたシート積層体10は、通常、シートが引き出される方向がMD方向となるように積層されたシート積層体となる。また、ロータリー式インターフォルダで積層されたシート積層体10は、シート積層体10が直方体状の場合は、
図7に示すように、シート積層体10の一方の短側面15´から長手方向(X方向)に見た一対の長側面13´、14´が揃いやすい(シートの折り目が積層方向SDにずれにくい)。
【0050】
包装袋20は、シート積層体10を収容する。
【0051】
包装袋20は、シート積層体10が収容された状態で、天面21、底面22、正面23、背面24、側面25、側面26を有する。包装袋20では、天面21と底面22が上下方向(Z方向)に対向し、正面23と背面24が前後方向(Y方向)に対向し、側面25と側面26が左右方向(X方向)に対向する。側面25および側面26は、天面21、底面22、正面23、および背面24のいずれにも連続する(
図1参照)。
【0052】
包装袋20の天面21には、取出口21Aが設けられている。取出口21Aは、シート10Aが引き出せるようになっている。取出口21Aの形態は、特に限定されず、例えば、連続する切込み、細長い開口等で構成することができる。開口の形状は、特に限定されず、直線、波線、長方形、楕円、ダンベル型等の形状にすることができる。なお、これらの切込みや開口は、ミシン目(断続的な切込み)を破ることで構成してもよい(
図1参照)。
【0053】
取出口21Aの長手方向(X方向)の長さは、特に限定されず、例えば、シート包装体100の包装袋20の天面21の長手方向(X方向)の全長に対して40%以上100%以下であり、好ましくは45%以上90%以下、より好ましくは50%以上80%以下である。
【0054】
包装袋20は、樹脂フィルム製である。包装袋20を構成する樹脂フィルムは、可撓性である。樹脂フィルムに用いられる樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド(PA)等の樹脂を用いることができる。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等を用いることができる。
【0055】
なお、これらの中でも、柔軟で取扱い性に優れ、ヒートシールした場合のシール性も高いこと、安価であること等の点で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等が好ましい。また、無臭であり、耐水性・耐薬品性に優れ、低コストで大量生産が可能である点で、ポリエチレンが好ましい。また、堅牢であり、成形しやすく、印刷時の発色がよく、また光沢を付与できること等の観点からは、ポリプロピレンが好ましい。
【0056】
なお、包装袋20を形成する材質には、生分解性材料(ポリ乳酸などの生分解性プラスチック等)、バイオマス材料(バイオマスフィルム等の再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの)を用いることができる。
【0057】
包装袋20を形成する樹脂フィルムの形態は、特に限定されず、上述の樹脂が単層で形成された単層フィルム、上述の樹脂を積層したラミネートフィルム、または上述の2種類以上の樹脂の混合物で形成された混合フィルムであってもよい。
【0058】
包装袋20を形成する樹脂フィルムの厚みは、特に限定されず、好ましくは20μm以上100μm以下、より好ましくは25μm以上70μm以下である。樹脂フィルムの厚みを20μm以上とすることで、シート10Aが収容される包装袋20としての十分な強度を確保することができる。また、樹脂フィルムの厚みを100μm以下とすることで、包装袋20の柔軟性及び軽量性を確保できるとともに、コストが抑えられる。
【0059】
シート包装体100は、シート積層体10がキャラメル包装されたものである。ここで、キャラメル包装は、筒状の樹脂フィルムの両端部を折り畳んでシール(封止)する包装形態である。キャラメル包装は、シート積層体10に対するコンパクションの制御が容易である(
図1参照)。
【0060】
キャラメル包装では、シート積層体10を樹脂フィルムで長手方向(X方向)の両端が開口する筒型に巻き込むようにして包み、その巻き込み方向に重畳する部分を融着処理や接着剤によって接着する。次に、筒型の樹脂フィルムの長手方向(X方向)の両端を、シート積層体10の端面側に折り込み、その際に形成される略三角形又は略台形の片の少なくとも各先端縁部同士を重ねて融着処理や接着剤によって接着して、筒型の開口を封止する。本実施形態では、筒状の樹脂フィルムの両端部(包装袋20の側面25、26)が折り畳まれてシールされている(
図1参照)。
【0061】
シート包装体100では、シート積層体10の積層方向SDがシート包装体100の高さ方向(Z方向)となるように、シート積層体10が包装袋20に収容されている。具体的には、包装袋20に収容されたシート積層体10が、シート積層体10の天面11、底面12、長側面13、長側面14、短側面15、短側面16が、包装袋20の天面21、底面22、正面23、背面24、側面25、側面26にそれぞれ対面する。
【0062】
シート包装体100では、シート積層体10がキャラメル包装される際に、シート積層体10の全体が締め付けられた状態でシート積層体10が包装袋20に収容される。
【0063】
具体的には、シート積層体10がキャラメル包装されることで、シート積層体10の高さ方向(Z方向)にコンパクション(圧縮)C1がかけられ、シート積層体10の長側面13、14が対向する方向(Y方向)にコンパクション(圧縮)C2がかけられ、シート積層体の短側面15、16が対向する方向(X方向)にコンパクション(圧縮)C3がかけられる。
【0064】
シート包装体100は、シート包装体100の高さ方向(Z方向)に5個のシート包装体100を積み重ねた集合体30の高さ方向(Z方向)の堅さ(ARH)が2.8%以上7.2%以下であり、好ましくは3.0%以上7.0%以下であり、より好ましくは3.2%以上6.8%以下である。
【0065】
ここで、シート包装体100の高さ方向(Z方向)に5個のシート包装体100を積み重ねた集合体30の高さ方向(Z方向)の堅さ(ARH)とは、集合体30の上面に所定の重さ(例えば600g)の重りを載せて荷重したときの、集合体30の荷重前の高さ(A)に対する荷重前の高さ(A)と荷重後の高さ(B)の差(A-B)の割合[(A-B)/(A)]×100(%)を示す。
【0066】
具体的には、集合体30(5個のシート包装体100を積み重ねた集合体)の天面31に4か所に印(印61~64)をつけたアクリル板60を載せた状態を集合体30の荷重前とする(
図4)。また、アクリル板60の上から600gの重り70を載せた状態を集合体30の荷重後とする(
図5)。そして、印61~64を付けた4か所における荷重前の高さの平均と荷重後の高さの平均とを上式に当てはめて堅さ(ARH)を算出する。
【0067】
集合体30の堅さ(ARH)は、シート積層体10がキャラメル包装される際にコンパクションC1~C3を調整することにより制御することができる。
【0068】
<シート集合包装体>
図6は、シート集合包装体を示す。シート集合包装体200は、複数のシート包装体100と包装箱40とを有する。本実施形態では、30個のシート包装体100が、包装箱40に収容されている。
【0069】
シート包装体100の高さ方向(Z方向)が包装箱の高さ方向(Z方向)となるように複数のシート包装体100が積み重ねられて包装箱40に収容されている。本実施形態では、上述のシート包装体100が、シート包装体100の包装袋20の天面21と底面22が対面するように、上下方向(Z方向)に5個積まれた集合体30を構成する(
図6)。
【0070】
また、シート包装体100は、シート積層体10の長側面13、14が対向する方向(Y方向)に複数並んで包装箱40に収容されている。本実施形態では、3つの集合体30が、シート積層体10の長側面14と別のシート積層体10の長側面13とが対面するように包装箱40の前後方向(Y方向)に並ぶように包装箱40に収容されている(
図6)。
【0071】
さらに、シート包装体100は、シート積層体10の短側面15、16が対向する方向(Y方向)に複数並んで包装箱40に収容されている。本実施形態では、2つの集合体30が、シート積層体10の短側面16と別のシート積層体10の短側面15とが対面するように包装箱40の左右方向(X方向)に並ぶように包装箱40に収容されている(
図6)。
【0072】
なお、包装箱40に収容されるシート包装体100の個数は、限定されず、2個以上であればよい。ただし、既存の輸送設備を利用する観点から、包装箱40に収容されるシート包装体100の個数は、10個以上100個以下であることが好ましく、20個以上36個以下であることがより好ましい。
【0073】
包装箱40は、段ボール製である。包装箱40を構成する段ボールは、波形に成形した中芯の片面又は両面にライナを貼り合せたものである。段ボールは、特に限定されず、例えば、片面段ボール、両面段ボール、複両面段ボール、複々両面段ボール等が挙げられる。本実施形態では、段ボールとして、A式段ボールが用いられる。
【0074】
また、包装箱40の寸法は、特に限定されず、収容されるシート包装体の個数に応じて、変更することができる。
【0075】
包装箱40は、複数のシート包装体100が収容された状態で、天面41、底面42、正面43、背面44、側面45、側面46を有する。包装箱40では、天面41と底面42が上下方向(Z方向)に対向し、正面43と背面44が前後方向(Y方向)に対向し、側面45と側面46が左右方向(X方向)に対向する。側面45および側面46は、天面41、底面42、正面43、および背面44のいずれにも連続する(
図6参照)。
【0076】
包装箱40の天面41は、一対のフラップと蓋(いずれも図示せず)で構成され、複数のシート包装体100が収容される前は解放された開口になっている。天面41の開口は、複数のシート包装体100が収容された後、一対のフラップと蓋によって閉じられる。
【0077】
本実施形態のシート集合包装体200では、上述のように、樹脂フィルム製の包装袋20に収容されたシート積層体10が、シート10Aの供給能力が高いマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものであるため、シート集合包装体200を構成するシート包装体100の生産性を向上させることができる。
【0078】
また、本実施形態では、上述のように、シート積層体10がキャラメル包装されることで、シート積層体10は、シート積層体10の高さ方向(Z方向)、シート積層体10の長側面13、14が対向する方向(Y方向)およびシート積層体10の短側面15、16が対向する方向(X方向)のいずれにも締め付けられた状態で包装袋20に収容される。これにより、シート積層体10全体にコンパクション(圧縮)がかけられた状態でシート包装体100を包装箱40に収容することができる。
【0079】
また、本実施形態では、上述のように、シート積層体10の長側面13、14が対向する方向(Y方向)にシート積層体10は、締め付けられた状態で包装袋20に収容されるため、マルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体10の不揃いになりやすい長側面13、14にコンパクションをかけることができる。そのため、シート積層体10の長側面13、14が対向する方向(Y方向)に包装箱40に収容される各シート包装体100の容量の増大を防ぐことができ、シート集合包装体200の積載効率を維持することができる。
【0080】
また、本実施形態では、上述のように、不揃いの長側面13、14にコンパクションがかけられた結果、シート積層体10は高さ方向(Z方向)に膨れるが、キャラメル包装される際に、シート積層体10の高さ方向(Z方向)にも締め付けられているため、シート積層体10の高さ方向(Z方向)にもコンパクションをかけることができる。そのため、シート積層体10の高さ方向(Z方向)にも包装箱40に収容される各シート包装体100の容量の増大を防ぐことができ、シート集合包装体200の積載効率を維持することができる。
【0081】
さらに、本実施形態では、上述のように、シート包装体100の集合体30の高さ方向(Z方向)の堅さ(ARH)が2.8%以上7.2%以下であることで、包装箱40に収容される各シート包装体100に適度なコンパクションがかけられた状態となっている。そのため、シート積層体10の長側面13、14が不揃いであっても、包装袋20に収容されたシート積層体10の長側面13、14が押し潰されないため、シート包装体100の使用時にシート10Aの取出性の低下を防ぐことができる。
【0082】
本実施形態では、上述のように、シート10Aが引き出される方向がCD方向となるように積層されたシート積層体10が、供給能力が高いマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものであるため、シート集合包装体200を構成する個々のシート包装体100の生産性を向上させることができる。
【0083】
本実施形態では、上述のように、シート積層体10の積層方向SDがシート包装体100の高さ方向(Z方向)となることで、シート積層体10は、キャラメル包装される際に、マルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体10の不揃いの長側面13、14に確実にコンパクションをかけることができる。また、不揃いの長側面13、14にコンパクションがかけられた結果、シート積層体10が膨れる高さ方向(Z方向)にも確実にコンパクションをかけることができる。
【0084】
本実施形態では、上述のように、シート包装体100の高さ方向(Z方向)が包装箱40の高さ方向(Z方向)となることで、シート積層体10の積層方向SDが包装箱40の
高さ方向(Z方向)となる。また、シート包装体100は、シート積層体10の高さ方向(Z方向)にコンパクションがかけられているため、シート包装体100の高さ方向(Z方向)が包装箱40の高さ方向(Z方向)となるように複数のシート包装体100が積み重ねられて包装箱40に収容されていても、包装箱40の高さ方向(Z方向)に包装箱40が膨らむことを防ぐことができる。
【0085】
本実施形態では、上述のように、シート包装体100は、シート積層体10の長側面13、14が対向する方向(Y方向)にコンパクションがかけられているため、シート積層体10の長側面13、14が対向する方向(Y方向)に複数のシート包装体100が並んで包装箱40に収容されていても、包装箱40の高さ方向(Z方向)と直交する方向に包装箱40が膨らむことを防ぐことができる。
【0086】
また、本実施形態のシート包装体100は、上述のように、本実施形態のシート集合包装体200を構成するため、シート集合包装体200に用いられるシート包装体100の効果がそのまま得られる。
【0087】
具体的には、本実施形態のシート包装体100では、上述のように、樹脂フィルム製の包装袋20に収容されたシート積層体10が、シート10Aの供給能力が高いマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものであるため、シート集合包装体200を構成するシート包装体100の生産性を向上させることができる。
【0088】
また、本実施形態のシート包装体100では、上述のように、シート積層体10がキャラメル包装されることで、シート積層体10は、シート積層体10の高さ方向(Z方向)、シート積層体10の長側面13、14が対向する方向(Y方向)およびシート積層体10の短側面15、16が対向する方向(X方向)のいずれにも締め付けられた状態で包装袋20に収容される。これにより、シート積層体10全体にコンパクション(圧縮)がかけられた状態でシート包装体100を包装箱40に収容することができる。
【0089】
また、本実施形態のシート包装体100では、上述のように、シート積層体10の長側面13、14が対向する方向(Y方向)にシート積層体10は、締め付けられた状態で包装袋20に収容されるため、マルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体10の不揃いになりやすい長側面13、14にコンパクションをかけることができる。そのため、シート積層体10の長側面13、14が対向する方向(Y方向)に包装箱40に収容される各シート包装体100の容量の増大を防ぐことができ、シート集合包装体200の積載効率を維持することができる。
【0090】
また、本実施形態のシート包装体100では、上述のように、不揃いの長側面13、14にコンパクションがかけられた結果、シート積層体10は高さ方向(Z方向)に膨れるが、キャラメル包装される際に、シート積層体10の高さ方向(Z方向)にも締め付けられているため、シート積層体10の高さ方向(Z方向)にもコンパクションをかけることができる。そのため、シート積層体10の高さ方向(Z方向)にも包装箱40に収容される各シート包装体100の容量の増大を防ぐことができ、シート集合包装体200の積載効率を維持することができる。
【0091】
また、本実施形態のシート包装体100では、上述のように、シート包装体100の集合体30の高さ方向(Z方向)の堅さ(ARH)が2.8%以上7.2%以下であることで、包装箱40に収容される各シート包装体100に適度なコンパクションがかけられた状態となっている。そのため、シート積層体10の長側面13、14が不揃いであっても、包装袋20に収容されたシート積層体10の長側面13、14が押し潰されないため、シート包装体100の使用時にシート10Aの取出性の低下を防ぐことができる。
【0092】
また、本実施形態のシート包装体100では、上述のように、シート10Aが引き出される方向がCD方向となるように積層されたシート積層体10が、供給能力が高いマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものであるため、シート集合包装体200を構成する個々のシート包装体100の生産性を向上させることができる。
【0093】
さらに、本実施形態のシート包装体100では、上述のように、シート積層体10の積層方向SDがシート包装体100の高さ方向(Z方向)となることで、シート積層体10は、キャラメル包装される際に、マルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体10の不揃いの長側面13、14に確実にコンパクションをかけることができる。また、不揃いの長側面13、14にコンパクションがかけられた結果、シート積層体10が膨れる高さ方向(Z方向)にも確実にコンパクションをかけることができる。
【実施例0094】
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の条件で行った。
【0095】
[シート包装体(個包装体)]
シート積層体10としてシート10Aが交互に折り畳まれてポップアップ式に1組ずつ引き出せるように積層されたティシューペーパー(シート積層体)を、厚み約40μmのポリエチレンで形成された包装袋20(天面21にダンベル形状の取出口21Aが形成された)でキャラメル包装したシート包装体100(個包装体)を用意した(
図1、
図2参照)。
【0096】
[生産性]
シート積層体の折り態様からシート包装体の生産性を評価した。取出性の評価は、以下の基準で行った。評価基準は、以下の基準で行った。
〔評価基準〕
〇:生産性が高い(マルチスタンド式インターフォルダ(スタンド式)で積層した場合)
×:生産性が低い(ロータリー式インターフォルダ(ロータリー式)で積層した場合)
【0097】
[コンパクション率(コンパクト性)]
個包装体の包装前の高さに対する包装後の高さの割合をコンパクション率として測定した。コンパクション率からコンパクト性を評価した。コンパクト性の評価は、以下の基準で行った。
〔評価基準〕
〇:良好(コンパクション率が82%~91%の場合)
×:不良(コンパクション率が82%未満の場合(きつい場合)またはコンパクション率が92%以上の場合(緩い場合))
【0098】
[集合体の堅さ(ARH)]
シート包装体100の高さ方向(Z方向)に5個のシート包装体100を積み重ねた集合体30の高さ方向の堅さ(ARH)を測定する。堅さ(ARH)の測定では、厚さ(Z方向)2mm、縦(Y方向)165mm、横(X方向)320mmのアクリル板60の4辺の各中央部に印61~64を付けたものを、集合体30の天面31に置き、集合体30を置いた地面からアクリル板60の4か所(印61~64)までの高さを測定し、該4か所までの高さの平均値を荷重前の高さHAとする(
図4)。アクリル板60の中央に重さ600gの重り70を置き、集合体30を置いた地面からアクリル板60の4か所(印61~64)までの高さを測定し、4か所までの高さの平均値を荷重後の高さHBとする。荷重前の高さHAから荷重後の高さHBを差し引いた押し込み量DHを求める。そして、(押し込み量DH/荷重前の高さHA)×100を堅さ(ARH)とする。
【0099】
[取出性]
個包装体(包装袋20の天面21に形成された取出口21A)からシート積層体10のシート10Aを1組ずつ引き出したときのシートの破れを確認した。取出性の評価は、以下の基準で行った。
〔評価基準〕
〇:良好(取り出し時のシート破れなし)
×:不良(取り出し時のシート破れあり)
【0100】
実施例1~4、比較例1~6について、個包装体の坪量、紙厚(2プライ)、プライ数、組数、シート寸法(縦(MD方向)、横(CD方向))シート面積、ウェブ嵩(高さ)、コンパクション率、個包装体寸法(幅、奥行、高さ)、パック容量、パック内重量、パック密度、ウェブの折り態様(折り)、および包装形態、並びに集合包装体の5パック高さ、荷重600g高さ、高さ差異、堅さARH、各個包装体の取出性を、それぞれ表1に示す。
【0101】
【0102】
表1より、マルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体がキャラメル包装された個包装体の集合体30の高さ方向(Z方向)の堅さ(ARH)が2.8%以上7.2%以下の場合、個包装体の生産性が高く、コンパクト性および取出性はいずれも良好であった(実施例1~4)。
【0103】
一方、集合体30の高さ方向(Z方向)の堅さ(ARH)が7.2%を超える場合は、個包装体のコンパクト性が不良であり(比較例1、2)、2.8%未満の場合は、個包装体のコンパクト性および取出性のいずれも不良であった(比較例3)。また、ロータリー式インターフォルダで積層されたシート積層体が包装された個包装体の集合体30は生産性が低いものとなった(比較例4~6)。さらに、ピロー包装された個包装体の集合体30はコンパクションがかかっていないためコンパクト性が不良であった(比較例6)。
【0104】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。