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特開2024-92377情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092377
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240701BHJP
   G06T 7/11 20170101ALI20240701BHJP
   G06T 7/90 20170101ALI20240701BHJP
【FI】
G06Q30/0601 320
G06T7/11
G06T7/90 A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208265
(22)【出願日】2022-12-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】504301432
【氏名又は名称】株式会社カカクコム
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 怜
(72)【発明者】
【氏名】寺部 圭彦
(72)【発明者】
【氏名】大和田 匡
(72)【発明者】
【氏名】渡部 智之
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L096
【Fターム(参考)】
5L030BB58
5L049BB58
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA08
5L096BA18
5L096CA02
5L096DA01
5L096EA35
5L096EA43
5L096FA15
5L096FA52
5L096FA62
5L096FA69
5L096GA17
5L096GA40
5L096GA41
(57)【要約】
【課題】商品に関するサイトやアプリの画面においてカラーチップを表示させるための実装負担を軽減しながら、当該サイトやアプリの利用者の利便性を向上すること。
【解決手段】情報処理装置は、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を取得する取得部と、前記取得部によって取得された各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、前記各商品画像から抽出される部分領域を決定する決定部と、前記決定部によって決定された前記部分領域に対応する部分領域画像を出力する出力部と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、前記各商品画像から抽出される部分領域を決定する決定部と、
前記決定部によって決定された前記部分領域に対応する部分領域画像を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記決定部は、
前記第1色情報に基づいて、前記各商品画像における各色のスコアである色スコアを決定し、
前記色スコアと前記第2色情報とに基づいて、前記各部分領域のスコアである部分領域スコアを決定し、
前記部分領域スコアに基づいて、前記各商品画像から抽出される部分領域を決定する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記各商品画像内で前記部分領域スコアが最も高い部分領域を、前記各商品画像から抽出される部分領域として決定する、
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1色情報は、前記各商品画像における各色の割合、及び、前記各商品画像における各色の画素の位置に関する情報の少なくとも一つを含む、
請求項1から請求項3のいずれか記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2色情報は、前記各部分領域に含まれる色を識別する情報、前記各部分領域に含まれる色の数に関する情報、前記各部分領域における各色の割合に関する情報、及び、前記各商品画像における前記各部分領域の位置に関する情報の少なくとも一つを含む、
請求項1から請求項3のいずれか記載の情報処理装置。
【請求項6】
同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像をアップロードするアップロード部と、
前記アップロード部によってアップロードされた各商品画像から抽出された部分領域に対応する部分領域画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記部分領域画像を表示部に表示させ、入力部から入力されるユーザの要求に応じて、前記部分領域の再抽出用画面を前記表示部に表示させる制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記再抽出用画面において、前記各商品画像内における前記部分領域の位置を示す情報を表示させ、
前記アップロード部は、前記入力部から入力される前記ユーザの指示に基づいて、前記再抽出用画面において再抽出された部分領域に関する情報をアップロードする、
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記入力部から入力される前記ユーザの指示に基づいて、前記同一形状の商品に対応する前記一つ又は複数の商品画像の一覧画面において、前記各商品画像とともに前記部分領域画像を表示させるか否かを制御する、
請求項6又は請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記部分領域は、前記各商品画像全体に含まれる色に関する第1色情報と前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて決定される、
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が、
同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を取得する工程と、
前記取得部によって取得された各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、前記各商品画像から抽出される部分領域を決定する工程と、
決定された前記部分領域に対応する部分領域画像を出力する工程と、
を有する情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置が、
同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像をアップロードする工程と、
前記アップロード部によってアップロードされた各商品画像から抽出された部分領域に対応する部分領域画像を取得する工程と、
取得された前記部分領域画像を表示部に表示させる工程と、
入力部から入力されるユーザからの要求に応じて、前記部分領域の再抽出用画面を前記表示部に表示させる工程と、
を有する情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を取得する工程と、
前記取得部によって取得された各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、前記各商品画像から抽出される部分領域を決定する工程と、
決定された前記部分領域に対応する部分領域画像を出力する工程と、
を実行させるための情報処理プログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像をアップロードする工程と、
前記アップロード部によってアップロードされた各商品画像から抽出された部分領域に対応する部分領域画像を取得する工程と、
取得された前記部分領域画像を表示部に表示させる工程と、
入力部から入力されるユーザの要求に応じて、前記部分領域の再抽出用画面を前記表示部に表示させる工程と、
を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、EC(Electronic Commerce)サイトでは、商品を示す商品画像とともに、当該商品の色のバリエーションを示す画像(以下、「カラーチップ」という)を表示させることで、当該ECサイトの利用者が商品を選択する際の利便性を向上させることが知られている。例えば、特許文献1には、マルチモーダル深層学習を用いて、商品画像と商品を説明するテキストをモダリティとして、商品の属性である商品の色や部分的な形状を識別すること、ECサイトにおいて、当該商品画像とともに、マルチモーダル深層学習を用いて識別された色や部分的な形状を表示させること、が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7087220号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、マルチモーダル深層学習を事前に行う必要があるため、ECサイト等、商品に関するサイトやアプリ画面においてカラーチップを表示させるための実装負担が増大する恐れがある。
【0005】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであって、商品に関するサイトやアプリ画面においてカラーチップを表示させるための実装負担を軽減しながら、サイトやアプリの利用者の利便性を向上可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を取得する取得部と、前記取得部によって取得された各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、前記各商品画像から抽出される部分領域を決定する決定部と、前記決定部によって決定された前記部分領域に対応する部分領域画像を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本開示の他の態様に係る情報処理方法は、情報処理装置が、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を取得する工程と、前記取得部によって取得された各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、前記各商品画像から抽出される部分領域を決定する工程と、決定された前記部分領域に対応する部分領域画像を出力する工程と、を有する。
【0008】
本開示の他の態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を取得する工程と、前記取得部によって取得された各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、前記各商品画像から抽出される部分領域を決定する工程と、決定された前記部分領域に対応する部分領域画像を出力する工程と、
を実行させる。
【0009】
本開示の他の態様に係る情報処理装置は、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像をアップロードするアップロード部と、前記アップロード部によってアップロードされた各商品画像から抽出された部分領域に対応する部分領域画像を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記部分領域画像を表示部に表示させ、入力部から入力されるユーザの要求に応じて、前記部分領域の再抽出用画面を前記表示部に表示させる制御部と、を備える。
【0010】
本開示の他の態様に係る情報処理方法は、情報処理装置が、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像をアップロードする工程と、前記アップロード部によってアップロードされた各商品画像から抽出された部分領域に対応する部分領域画像を取得する工程と、取得された前記部分領域画像を表示部に表示させる工程と、入力部から入力されるユーザからの要求に応じて、前記部分領域の再抽出用画面を前記表示部に表示させる工程と、を有する。
【0011】
本開示の他の態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像をアップロードする工程と、前記アップロード部によってアップロードされた各商品画像から抽出された部分領域に対応する部分領域画像を取得する工程と、取得された前記部分領域画像を表示部に表示させる工程と、入力部から入力されるユーザの要求に応じて、前記部分領域の再抽出用画面を前記表示部に表示させる工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様によれば、商品に関するサイトやアプリの画面においてカラーチップを表示させるための実装負担を軽減しながら、サイトやアプリの利用者の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1の概要の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る利用者端末30で表示されるECサイトの画面の一例である。
図3】本実施形態に係る情報処理システム1を構成する各装置の物理構成の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る店舗側装置20の機能構成の一例を示す図である。
図6図6(a)~(c)は、本実施形態に係る店舗側装置20の表示画面の一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る店舗側装置20の表示画面の他の例を示す図である。
図8】本実施形態に係る情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
図9図9(a)~(c)は、本実施形態に係る各商品画像から抽出される部分領域の決定動作を説明するための図である。
図10】本実施形態に係る店舗側装置20の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の一実施形態における情報処理システムについて、図面を参照して詳細に説明する。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0015】
なお、以下では、1つのECサイト上に複数の店舗(例えば、複数の会社の店舗)が仮想的に設けられ、店舗毎に商品が販売されるECサイト(以下、「モール型ECサイト」という)を提供する情報処理システムを一例として説明するが、本実施形態に係る情報処理システムはこれに限られない。本実施形態に係る情報処理システムは、例えば、1つのECサイト上で自社の商品が販売されるECサイト(以下、「自社ECサイト」という)等、どのようなECサイトを提供してもよい。また、本実施形態は、ECサイトの画面に限られず、商品に関するサイトやアプリの画面に適用し得る。
【0016】
(概要)
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概要の一例を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、店舗側装置20と、利用者端末30と、これらの少なくとも二つを接続するネットワーク40と、を備える。
【0017】
情報処理装置10は、ECサイト(例えば、モール型ECサイト)を提供する情報処理装置である。情報処理装置10は、例えば、一つ又は複数のサーバで構成されてもよい。情報処理装置10は、ネットワーク40を介して利用者端末30と接続される。また、情報処理装置10は、ネットワーク40を介して店舗側装置20と接続されてもよい。
【0018】
店舗側装置20は、情報処理装置10によって提供されるECサイト上に仮想的に設けられる各店舗に対応する情報処理装置である。店舗側装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット又はサーバ等であってもよい。店舗側装置20は、店舗側のユーザによって使用される。
【0019】
利用者端末30は、情報処理装置10によって提供されるECサイトの利用者の端末である。利用者端末30は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等である。利用者端末30は、ECサイトの画面を表示させる。
【0020】
ネットワーク40は、例えば、イントラネット及び/又はインターネット等である。また、ネットワーク40は、無線及び/又は有線のネットワークである。
【0021】
図2は、本実施形態に係る利用者端末30で表示されるECサイトの画面の一例である。図2に示すように、ECサイトの画面I1には、商品画像I11とともに、カラーチップI12が表示される。カラーチップI12は、商品画像I11が示す商品の色のバリエーションを示す画像である。例えば、図2には、商品「Tシャツ#001」の色のバリエーションを示す3つのカラーチップI12が示されている。
【0022】
図2に示すように、商品画像I11とともにカラーチップI12を画面I1に表示させることにより、ECサイトの利用者は、商品画像I11が示す「Tシャツ#001」と同一形状で色が異なる商品を容易に認識可能となるので、当該利用者の利便性の向上に寄与できる。なお、商品は、一つのSKU(Stock Keeping Unit)に対応してもよいし、同一形状で色が異なる複数のSKUに対応してもよい。なお、SKUはアイテムと言い換えられてもよい。また、同一形状の商品とは、同一の外形の形状の商品であればよく、同一の外形の形状で異なるサイズ(例えば、XSサイズ、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ等)の商品を含んでもよい。また、同一形状とは、略同一の外形の形状を有することを意味し、厳密な同一性を要求するものではない。
【0023】
本実施形態に係る情報処理システム1では、情報処理装置10は、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を取得し、各商品画像から抽出された部分的な領域(以下、「部分領域」という)に対応する画像(以下、「部分領域画像」という)を図1に示すカラーチップI12として出力する。なお、各商品画像から部分領域を「抽出すること」は、各商品画像から部分領域を「切り抜く」、「抜き出す」、「選択する」こと等を含んでもよい。これにより、情報処理装置10がカラーチップI12を簡便に生成できる。したがって、ECサイトの画面I1においてカラーチップI12を表示させるための実装負担を軽減しながら、当該ECサイトの利用者の利便性を向上できる。また、情報処理装置10は、各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、各商品画像から抽出される部分領域を決定するので、カラーチップI12の生成精度を向上でき、ECサイトの利用者の商品選択性を向上できる。
【0024】
また、本実施形態に係る情報処理システム1では、店舗側装置20は、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を情報処理装置10に対してアップロードし、アップロードされた各商品画像から抽出された部分領域に対応する部分領域画像をカラーチップI12として情報処理装置10から取得するので、ECサイト上に出店する店舗側装置20の負担なしに、カラーチップI12を簡便に生成できる。したがって、ECサイトの画面I1においてカラーチップI12を表示させるための実装負担を軽減しながら、当該ECサイトの利用者の利便性を向上できる。また、店舗側装置20に表示された部分領域画像に基づいて部分領域の再抽出の要求を受け付けることで、各商品画像から抽出される部分領域を調整できるので、カラーチップI12の生成精度を向上でき、ECサイトの利用者の商品選択性を向上できる。
【0025】
(構成)
<物理構成>
図3は、本実施形態に係る情報処理システム1を構成する各装置の物理構成の一例を示す図である。各装置(例えば、情報処理装置10、店舗側装置20及び利用者端末30)は、演算部に相当するプロセッサ10aと、記憶部に相当するRAM(Random Access Memory)10bと、記憶部に相当するROM(Read Only Memory)10cと、通信部10dと、入力部10eと、表示部10fと、を有する。これらの各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続される。なお、図3で示す構成は一例であり、各装置はこれら以外の構成を有してもよいし、これらの構成のうち一部を有さなくてもよい。また、情報処理装置10は、単体の装置で構成されてもよいし、複数の装置を含んで構成されてもよい。
【0026】
プロセッサ10aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ10aは、RAM10b又はROM10cに記憶されているプログラムを実行することにより、各装置における各種処理を制御する。プロセッサ10aは、各装置が備える他の構成と、プログラムとの協働により、各装置の機能を実現し、処理の実行を制御する。プロセッサ10aは、入力部10eや通信部10dから種々のデータを受け取り、データの演算結果を表示部10fに表示したり、RAM10bに格納したりする。
【0027】
RAM10b及びROM10cは、各種処理に必要なデータ及び処理結果のデータを記憶する。各装置は、RAM10b及びROM10c以外に、ハードディスクドライブ等の大容量の記憶部を備えてもよい。RAM10b及びROM10cは、例えば、半導体記憶素子で構成されてもよい。
【0028】
通信部10dは、各装置を他の機器に接続するインターフェースである。通信部10dは、他の機器と通信する。通信部10dは、送信部、受信部、又は、送受信部と言い換えられてもよい。
【0029】
入力部10eは、ユーザからデータの入力を受け付けるためのデバイスや、各装置の外部からデータを入力するためのデバイスである。入力部10eは、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル及びカメラ等を含んでよい。表示部10fは、プロセッサ10aによる制御に従って、情報を表示するデバイスである。表示部10fは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されてよい。
【0030】
各装置の機能を実現させるためのプログラムは、RAM10bやROM10c等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、通信部10dにより接続されるネットワークを介して提供されてもよい。各装置では、プロセッサ10aが当該プログラムを実行することにより、各装置を制御するための様々な機能が実現される。なお、これらの物理的な構成は例示であって、必ずしも独立した構成でなくてもよい。例えば、各装置は、プロセッサ10aとRAM10bやROM10cが一体化したLSI(Large-Scale Integration)を備えていてもよい。
【0031】
<機能構成>
≪情報処理装置10≫
図4は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の一例を示す図である。図4に示すように、情報処理装置10は、記憶部101、取得部102、決定部103及び出力部104を備える。記憶部101の機能は、情報処理装置10のRAM10b及びROM10cの少なくとも一部によって実現され、取得部102及び出力部104の機能は、情報処理装置10のプロセッサ10a及び通信部10dの少なくとも一部によって実現され、決定部103の機能は情報処理装置10のプロセッサ10aの少なくとも一部によって実現されてもよい。
【0032】
記憶部101は、取得部102によって取得される同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を記憶する。記憶部101は、決定部103によって決定された部分領域に対応する部分領域画像を記憶してもよい。
【0033】
取得部102は、同一形状の商品に対応する一以上の商品画像を取得する。具体的には、取得部102は、店舗側装置20からアップロードされる当該一以上の商品画像を取得してもよい。
【0034】
また、取得部102は、後述する再抽出用画面において、店舗側装置20の入力部10eから入力されるユーザの指示に基づいて、商品画像から再抽出された部分領域に関する情報(以下、「再抽出情報」という)を取得してもよい。
【0035】
決定部103は、取得部102によって取得された各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、各商品画像から抽出される部分領域を決定する。なお、決定部103は、取得部102によって同一形状の商品に対応する複数の商品画像が取得された場合、上記第1色情報及び第2色情報に基づいて、当該複数の商品画像間で共通する位置の部分領域を、各商品画像から抽出される部分領域として決定してもよい。
【0036】
ここで、第1色情報は、各商品画像における各色の割合に関する情報(以下、「色割合情報」という)、及び、各商品画像における各色の画素の位置に関する情報(以下、「画素位置情報」という)の少なくとも一つを含んでもよい。
【0037】
また、第2色情報は、各商品画像内の各部分領域に含まれる色を識別する情報(以下、「色識別情報」という)、各商品画像内の各部分領域に含まれる色の数に関する情報(以下、「色数情報」という)、各商品画像内の各部分領域における各色の割合に関する情報(以下、「部分領域色割合情報」という)、及び、前記商品画像における前記各部分領域の位置に関する情報(以下、「部分領域位置情報」という)の少なくとも一つを含んでもよい。部分領域位置情報は、例えば、当該位置を示す座標であってもよいし、又は、当該位置を導出するための情報(例えば、探索窓のスライド開始位置等の初期値、添え字等の変数、探索窓のスライド幅等の各種パラメータ)であってもよい。
【0038】
具体的には、決定部103は、上記第1色情報に基づいて、各商品画像における各色のスコア(以下、「色スコア」という)を決定してもよい。また、決定部103は、当該色スコアと上記第2色情報とに基づいて、各商品画像内の各部分領域のスコア(以下、「部分領域スコア」という)を決定してもよい。また、決定部103は、当該部分領域スコアに基づいて、各商品画像から抽出される部分領域を決定してもよい。また、決定部103は、各商品画像内で前記部分領域スコアが最も高い部分領域を、前記各商品画像から抽出される部分領域として決定してもよい。
【0039】
また、決定部103は、各商品画像から抽出される部分領域を決定するための種々の処理を行ってもよい。例えば、当該種々の処理は、各商品画像のリサイズ、減色、及び、赤(red)、緑(green)及び青(blue)からなる色空間(以下、RGB空間という)から、色相(Hue)、彩度(Saturation)及び明度(Value)からなる色空間(以下、HSV空間という)への変換の少なくとも一つを含んでもよい。例えば、決定部103は、図8のステップS102~S107を参照して後述するように、各商品画像から抽出される部分領域を決定してもよい。
【0040】
また、決定部103は、取得部102によって取得された再抽出情報に基づいて、各商品画像から抽出される部分領域を決定(再決定)してもよい。
【0041】
出力部104は、決定部103によって決定された部分領域に対応する部分領域画像を出力する。具体的には、出力部104は、当該部分領域画像を、情報処理装置10の通信部10dを介して利用者端末30に送信する。例えば、出力部104は、図2のECサイトの画面I1に示されるように、商品画像と対応付けられた態様で部分領域画像を出力してもよい。また、出力部104は、当該部分領域画像を、情報処理装置10の通信部10dを介して、店舗側装置20に送信してもよい。例えば、出力部104は、後述する図6(b)の店舗側装置20の表示画面I2に示されるように、商品画像と対応付けられた態様で部分領域画像を出力してもよい。
【0042】
≪店舗側装置20≫
図5は、本実施形態に係る店舗側装置20の機能構成の一例を示す図である。図5に示すように、店舗側装置20は、アップロード部201、取得部202、制御部203及び入力受付部204を備える。アップロード部201及び取得部202の機能は、店舗側装置20のプロセッサ10a及び通信部10dの少なくとも一部によって実現され、制御部203の機能は店舗側装置20のプロセッサ10a及び表示部10fの少なくとも一部によって実現されてもよい。入力受付部204は、店舗側装置20のプロセッサ10a及び入力部10eの少なくとも一部によって実現されてもよい。
【0043】
アップロード部201は、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像をアップロードする。具体的には、アップロード部201は、店舗側装置20の通信部10dを介して、情報処理装置10に対して当該商品画像を送信する。
【0044】
また、アップロード部201は、後述する再抽出用画面において、店舗側装置20の入力部10eから入力されるユーザの指示に基づいて、商品画像から再抽出された部分領域に関する再抽出情報をアップロードしてもよい。具体的には、アップロード部201は、店舗側装置20の通信部10dを介して、情報処理装置10に対して当該再抽出情報を送信する。例えば、アップロード部201は、店舗側装置20に接続される他の装置(例えば、外部データベースや端末等)から取得された各商品画像をアップロードしてもよいし、店舗側装置20の記憶部に記憶された各商品画像をアップロードしてもよいし、又は、店舗側装置20の入力部10e(例えば、カメラ)により撮像された各商品画像をアップロードしてもよい。
【0045】
取得部202は、アップロード部201によってアップロードされた各商品画像から再抽出された部分領域に対応する部分領域画像を取得する。当該部分領域は、上記の通り、各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、決定されてもよい。
【0046】
制御部203は、店舗側装置20の表示部10fに対する表示を制御する。具体的には、制御部203は、アップロード部201によってアップロードされる同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像の選択画面を当該表示部10fに表示させてもよい。
【0047】
図6(a)は、本実施形態に係る一つ又は複数の商品画像の選択画面の一例を示す図である。図6(a)に示すように、当該選択画面I2では、当該一つ又は複数の商品画像の選択ボタンI21が表示される。当該選択ボタンI21の押下が入力受付部204によって受け付けられた場合、店舗側装置20の入力部10eから入力されたユーザの指示に基づいて抽出された一つ又は複数の商品画像I22がアップロード部201によってアップロードされてもよい。
【0048】
また、制御部203は、取得部202によって取得された部分領域画像を当該表示部10fに表示させてもよい。図6(b)は、本実施形態に係る部分領域画像の表示画面の一例を示す図である。例えば、図6(b)に示す表示画面I3では、部分領域の抽出に用いられた商品画像I31と、当該部分領域に対応する部分領域画像I32と、当該部分領域の再抽出を要求するボタンI33と、が表示される。
【0049】
また、制御部203は、店舗側装置20の入力部10eから入力されるユーザの要求に応じて、当該部分領域の再抽出用画面を当該表示部10fに表示させてもよい。例えば、制御部203は、図6(b)の表示画面I3のボタンI33の押下が入力受付部204によって受け付けられた場合、部分領域の再抽出用画面を表示部10fに表示させてもよい。
【0050】
また、制御部203は、当該再抽出用画面において、各商品画像内における当該部分領域の位置を示す情報(以下、「位置情報」という)を表示させてもよい。図6(c)は、本実施形態に係る部分領域の再抽出用画面の一例を示す図である。図6(c)に示すように、再抽出用画面I4には、部分領域の抽出に用いられた商品画像I41と、当該部分領域の位置情報I42と、当該位置情報I42に基づいて修正された部分領域の抽出(又は再抽出)を指示するボタンI43と、が表示されてもよい。再抽出用画面I42において、入力部10eから入力されるユーザの指示(例えば、カーソル移動による部分領域の修正指示)が入力受付部204によって受け付けられた場合、当該指示に基づいて位置情報I42を移動させ、ユーザによるボタンI43の押下に応じて、修正された部分領域に関する再抽出情報が、アップロード部201によってアップロードされてもよい。
【0051】
また、アップロード部201によって同一形状の商品に対応する複数の商品画像がアップロードされ、当該複数の商品画像間で共通する位置の部分領域に対応する部分領域画像が取得部202によって取得された場合、制御部203は、図6(c)に示す再抽出用画面I4において指示された部分領域を当該複数の商品画像全てに反映させてもよいし、又は、商品画像毎に個別に部分領域の修正が指示可能としてもよい。
【0052】
また、制御部203は、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像の一覧画面を当該表示部10fに表示させてもよい。図7は、本実施形態に係る一覧画面の一例を示す図である。図7に示すように、一覧画面I5では、同一形状の商品「Tシャツ#001」に対応する複数の商品画像(ここでは、商品画像I511及びI521)と、当該複数の商品画像の各々から抽出された部分領域に対応する部分領域画像(ここでは、部分領域画像I512及びI522)と、が表示される。また、一覧画面I5では、各商品画像に対応する各色の商品のサイズのバリエーションと、色毎及びサイズ毎の商品の管理コード(アイテム管理コード)が表示されてもよい。
【0053】
また、制御部203は、店舗側装置20の入力部10eから入力されるユーザの指示に基づいて、上記一覧画面において、各商品画像とともに部分領域画像を表示させるか否かを制御してもよい。
【0054】
入力受付部204は、店舗側装置20の入力部10eを用いたユーザからの入力情報を受け付ける。当該入力情報は、例えば、図6(a)のボタンI21の押下、図6(b)のボタンI33の押下、図6(c)のボタンI43の押下、再抽出情報、及び、図に示す一覧画面において部分領域画像を表示させるか否かの指示情報の少なくとも一つを含んでもよい。
【0055】
(動作)
図8~10を参照し、情報処理システム1の動作を説明する。
<情報処理装置10の動作>
図8は、本実施形態に係る情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図8は、例示にすぎず、不図示のステップが実施されてもよいし、一部のステップ(例えば、ステップS102~S104)が省略されてもよい。例えば、図8では、同一の形状の商品に対応する複数の商品画像が取得される場合の一例を説明するが、同一の形状の商品に対応する一つの商品画像が取得される場合にも適宜適用可能である。
【0056】
図8に示すように、ステップS101において、情報処理装置10は、同一の形状の商品に対応する複数の商品画像を取得する。具体的には、情報処理装置10は、店舗側装置20からアップロードされた複数の商品画像を取得してもよい。例えば、情報処理装置10は、図9(a)に示す商品画像I61~I64を取得してもよい。図9(a)に示すように、商品画像I61~I64は、同一の形状の商品「セーター」の色、柄及び模様の少なくとも一つのバリエーションを示す画像である。
【0057】
図8のステップS102において、情報処理装置10は、ステップS101で取得された複数の商品画像の各々に対してリサイズ及び減色を行う。例えば、情報処理装置10は、各商品画像のサイズを所定サイズ(例えば、150×150)としてもよい。また、情報処理装置10は、各商品画像の階調(例えば、各チャンネルの階調)の数を削減してもよい。例えば、情報処理装置10は、0~255階調の256色から0~7階調の8色に各商品画像を減色してもよい。なお、ステップS102における減色は、ステップS103におけるマスクの生成精度を向上させるためのものであり、省略されてもよい。
【0058】
ステップS103において、情報処理装置10は、ステップS102においてリサイズ及び減色が行われてた複数の商品画像間の差分に基づいて、マスクを生成する。具体的には、情報処理装置10は、複数の商品画像のうちで同一の画素値を有する商品画像の数に基づいて画素毎に前景又は背景を判定して、当該マスクを生成してもよい。例えば、情報処理装置10は、n(n≧1)個の商品画像にそれぞれ含まれるn個の同じ位置の画素iのうちn*b個以上(又はn*b個より大きい)の画素が同一の画素値を有する場合、当該画素iを背景と判定してもよい。一方、情報処理装置10は、n個の商品画像の画素iにおいてn*f個未満(又はn*f個以下)の商品画像が同一の画素値を有する場合、当該画素iを背景と判定してもよい。なお、例えば、b=0.8、f=0.25であるが、これに限られない。なお、ステップS103におけるマスクの生成は、省略されてもよい。
【0059】
ステップS104において、情報処理装置10は、ステップS102でリサイズ及び減色が行われた複数の商品画像の各々に対して、減色を行う。例えば、情報処理装置10は、当該複数の商品画像の各々の色をRGB空間から、HSV空間に変換し、HSV空間の各チャンネル(すなわち、H、S及びVの3チャンネルそれぞれ)について二値化処理(例えば、大津の二値化)を行うことで、HSV空間を8単位に分割し、8単位で当該複数の商品画像の色を識別する。また、情報処理装置10は、ステップS103で作成されたマスクを用いて、当該複数の商品画像の各々について画素毎に前景又は背景を区別してもよい。情報処理装置10は、前景と判定された各画素について、色を識別し、背景と判定された各画素を黒色としてもよい。なお、ステップS104における減色は、各商品画像内の各画素の色を識別しやすくするためのものであり、省略されてもよい。
【0060】
ステップS105において、情報処理装置10は、上記第1色情報に基づいて、当該複数の商品画像の各々に含まれる各色の色スコアを決定する。上記の通り、第1色情報は、各商品画像における色割合情報(例えば、HSV空間を分割した8単位の色(8色)の割合)、及び、各商品画像における各色の画素の位置に関する画素位置情報の少なくとも一つを含んでもよい。当該各色の割合は、各商品画像内の全画素に含まれる色の割合であってもよいし、ステップS103で背景と判定された画素を含まず、前景と判定された画素の色の割合であってもよい。なお、色スコアは、ステップS104においてHSV空間を分割した8単位の色(8色)について付されてもよい。
【0061】
例えば、情報処理装置10は、各商品画像における割合が多い色ほど色スコアの値を高く決定し、各商品画像における割合が低い色ほど色スコアの値を低く決定してもよい。また、情報処理装置10は、各商品画像の中心を含む所定領域(以下、「中心領域」という)内の画素に多い色ほど色スコアの値を高く決定し、当該中心領域に少ない色ほど色スコアの値を低く決定してもよい。或いは、色スコアは、各商品画像における各色の割合(例えば、HSV空間を分割した8単位の色(8色)の割合)そのものであってもよい。
【0062】
図9(a)の商品画像I61に示されるセーターでは、各色の色スコアは、{黄色:0.15,赤色:0.2,水色:0.3,紫色:0.1,…}である。一方、図9(b)の商品画像I62に示されるセーターでは、各色の色スコアは、{黄色:0.35,赤色:0.35,水色:0.05,紫色:0.05,…}である。なお、ここでは、4色の色スコアを明示しているが、色スコアは4色に限られず、所定数の色(例えば、HSV空間を分割した8色)について付されればよい。
【0063】
ステップS106において、情報処理装置10は、ステップS105で決定された色スコアと、上記第2色情報とに基づいて、複数の商品画像の各々に含まれる各部分領域の部分領域スコアを決定する。具体的には、情報処理装置10は、探索窓を用いて複数の商品画像の各々を走査し、当該複数の商品画像の各々に含まれる各部分領域に探索窓の位置が対応(例えば、一致)するように当該探索窓をスライドしてもよい。情報処理装置10は、上記色スコアと、探索窓の位置に対応する部分領域に含まれる色に関する第2色情報に基づいて、当該部分領域の部分領域スコアを決定し、複数の商品画像の各々全体を探索窓で走査することにより、当該複数の商品画像の各々に含まれる各部分領域の部分領域スコアを決定してもよい。上記の通り、第2色情報は、例えば、各商品画像内の各部分領域についての色識別情報、色数情報、部分領域色割合情報及び部分領域位置情報の少なくとも一つを含んでもよい。
【0064】
ここで、探索窓の大きさは、商品画像の1/n(例えば、n=6)であってもよい。また、探索窓のスライド幅は、探索窓の高さの1/m(例えば、m=10)であってもよい。なお、探索窓の形状は、例えば、四角又は丸形(内接円)であってもよい。探索窓の形状をカラーチップI12と同一の形状(例えば、図2では、丸形)とすることにより、商品画像から抽出される部分領域の精度を向上できる。
【0065】
例えば、図9(b)の商品画像I71の探索窓SW1には、無地部分に対応する画素と模様部分に対応する画素が含まれており、探索窓SW1内の各色の割合は、{黄色:0.1,赤色:0.3,水色:0.4,紫色:0.1,…}であるものとする。ここで、探索窓SW1に含まれる赤色及び水色以外の黄色及び紫色等は、閾値p(例えば、p=0.25)より小さい色割合が小さいノイズ色であるものとする。ステップS105で決定された商品画像I61の各色の色スコアは、{黄色:0.15,赤色:0.2,水色:0.3,紫色:0.1,…}であるので、探索窓SW1に含まれるノイズ色(ここでは、黄色及び紫色等)を除いた赤色及び水色それぞれの色スコア「0.15」及び「0.2」を加算した値「0.35」を、探索窓SW1に対応する部分領域スコアとしてもよい。
【0066】
一方、図9(b)の商品画像I71の探索窓SW2には、無地部分に対応する画素だけが含まれており、探索窓SW2内の各色の割合は、{黄色:0.1,赤色:0.1,水色:0.4,紫色:0.1,…}であるものとする。ここで、探索窓SW1に含まれる水色以外の赤色、黄色及び紫色等は、閾値p(例えば、p=0.25)より小さい色割合が小さいノイズ色であるものとする。ステップS105で決定された商品画像I61の各色の色スコアは、{黄色:0.15,赤色:0.2,水色:0.3,紫色:0.1,…}であるので、探索窓SW2に含まれるノイズ色(ここでは、黄色、赤色及び紫色等)を除いた水色の色スコア「0.3」が、探索窓SW2に対応する部分領域スコアとなる。同様に、情報処理装置10は、探索窓SWを用いて商品画像I71を走査し、商品画像I71内の各部分領域の部分領域スコアを決定する。同様に、商品画像I72~I74内の各部分領域の部分領域スコアが決定される。
【0067】
図8のステップS107において、情報処理装置10は、ステップS106で決定された各部分領域の部分領域スコアに基づいて、複数の商品画像の各々から抽出される部分領域を決定する。例えば、上記の通り、図9(b)の商品画像I71において探索窓SW1に対応する部分領域スコアは「0.35」であるのに対して、探索窓SW2に対応する部分領域スコアは「0.3」である。商品画像I71内の他の部分領域の部分領域スコアを含めて、探索窓SW1に対応する部分領域スコア「0.35」が最高値である。この場合、情報処理装置10は、探索窓SW1に対応する部分領域を商品画像I71から抽出することを決定する。また、情報処理装置10は、複数の商品画像間で同じ位置の部分領域の部分領域スコアに所定の演算を施した値を用いて、当該複数の商品画像の各々から抽出される部分領域を当該複数の商品画像間で共通に決定してもよい。例えば、図9(b)の商品画像I71~I74内の探索窓SW1に対応する部分領域の部分領域スコアの平均値を算出し、当該平均値が最も高い部分領域を、商品画像I71~I74の各々から抽出される部分領域として当該商品画像I71~I74間で共通に決定してもよい。なお、情報処理装置10は、複数の商品画像間で同じ位置の部分領域を抽出するものとするが、これにかぎられず、当該複数の商品画像の各々に含まれる各部分領域の部分領域スコアに基づいて、当該複数の商品画像の各々から抽出される部分領域を当該複数の商品画像間で個別に決定してもよい。例えば、複数の商品画像間で異なる部分領域が抽出されてもよい。
【0068】
図8のステップS108において、情報処理装置10は、ステップS107で決定された部分領域に対応する部分領域画像を出力する。例えば、図9(c)に示される部分領域画像I81~I84は、それぞれ、図9(b)の商品画像I71~I74に示される探索窓SW1の部分領域に対応する。
【0069】
図8に示す動作によると、情報処理装置10は、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を取得し、各商品画像から抽出された部分領域に対応する部分領域画像をECサイトの画面上に(例えば、図1に示すカラーチップI12として)出力する。したがって、ECサイトの画面においてカラーチップを表示させるための実装負担を軽減しながら、当該ECサイトの利用者の利便性を向上できる。また、情報処理装置10は、各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、各商品画像から抽出される部分領域を決定するので、カラーチップの生成精度を向上でき、ECサイトの利用者の商品選択性を向上できる。
【0070】
<店舗側装置20の動作>
図10は、本実施形態に係る店舗側装置20の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図10は、例示にすぎず、不図示のステップが実施されてもよいし、一部のステップが省略されてもよい。
【0071】
図10に示すように、ステップS201において、店舗側装置20は、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を情報処理装置10に対してアップロードする。例えば、店舗側装置20は、店舗側装置20に接続される他の装置(例えば、外部データベースや端末等)から取得された各商品画像をアップロードしてもよいし、店舗側装置20の記憶部に記憶された各商品画像をアップロードしてもよいし、又は、店舗側装置20の入力部10e(例えば、カメラ)により撮像された各商品画像をアップロードしてもよい。
【0072】
ステップS202において、店舗側装置20は、ステップS201でアップロードされた各商品画像から抽出された部分領域に対応する部分領域画像を情報処理装置10から取得する。
【0073】
ステップS203において、店舗側装置20は、ステップS202によって取得された部分領域画像を店舗側装置20の表示部10fに表示させる。例えば、店舗側装置20は、図6(b)に示すように、画面I3において部分領域画像I32を表示部10fに表示させてもよい。
【0074】
ステップS204において、店舗側装置20は、店舗側装置20の入力部eを用いたユーザからの部分領域の再抽出の要求の入力を受け付けたか否かを判定する。当該要求が受け付けられた場合(ステップS204;YES)、ステップS205において、店舗側装置20は、部分領域の再抽出用画面を表示部10fに表示させる。例えば、店舗側装置20は、図6(c)に示す再抽出用画面I4を表示部10fに表示させてもよい。なお、図示しないが、再抽出が必要でないことを示す情報が受け付けられた場合、店舗側装置20は、その旨を情報処理装置10に対して通知してもよい。
【0075】
ステップS205において、店舗側装置20は、店舗側装置20の入力部eを用いたユーザからの部分領域の再抽出情報の入力を受け付けたか否かを判定する。当該再抽出情報が受け付けられた場合(ステップS206;YES)、ステップS207において、店舗側装置20は、再抽出情報を情報処理装置10に対してアップロードする。
【0076】
図10に示す動作によると、店舗側装置20は、同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を情報処理装置10に対してアップロードし、アップロードされた各商品画像から抽出された部分領域に対応する部分領域画像を情報処理装置10から取得するので、ECサイトの画面においてカラーチップを表示させるための実装負担を軽減しながら、当該ECサイトの利用者の利便性を向上できる。また、店舗側装置20に表示された部分領域画像に基づいて部分領域の再抽出の要求を受け付けることで、各商品画像から抽出される部分領域を調整できるので、カラーチップの生成精度を向上でき、ECサイトの利用者の商品選択性を向上できる。
【0077】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、ECサイトの画面においてカラーチップを表示させるための実装負担を軽減しながら、当該ECサイトの利用者の利便性を向上できる。
【0078】
(その他の実施形態)
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0079】
例えば、上記実施形態では、モール型ECサイトを提供する情報処理システムについて説明したが、上記の通り、自社ECサイトを提供する情報処理システムにも適宜適用可能である。自社ECサイトに提供する場合、店舗側装置20は、省略され、情報処理装置10に含まれてもよいし、又は、情報処理装置10とは別の自社の情報処理装置に置き換えられてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…情報処理システム、10…情報処理装置、20…店舗側装置、30…利用者端末、40…ネットワーク、10a…プロセッサ、10b…RAM、10c…ROM、10d…通信部、10e…入力部、10f…表示部、101…記憶部、102…取得部、103…決定部、104…出力部、201…アップロード部、202…取得部、203…制御部、204…入力受付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、前記各商品画像から抽出される部分領域を決定する決定部と、
前記決定部によって決定された前記部分領域に対応する部分領域画像を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記決定部は、
前記第1色情報に基づいて、前記各商品画像における各色のスコアである色スコアを決定し、
前記色スコアと前記第2色情報とに基づいて、前記各部分領域のスコアである部分領域スコアを決定し、
前記部分領域スコアに基づいて、前記各商品画像から抽出される部分領域を決定する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記各商品画像内で前記部分領域スコアが最も高い部分領域を、前記各商品画像から抽出される部分領域として決定する、
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1色情報は、前記各商品画像における各色の割合、及び、前記各商品画像における各色の画素の位置に関する情報の少なくとも一つを含む、
請求項1から請求項3のいずれか記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2色情報は、前記各部分領域に含まれる色を識別する情報、前記各部分領域に含まれる色の数に関する情報、前記各部分領域における各色の割合に関する情報、及び、前記各商品画像における前記各部分領域の位置に関する情報の少なくとも一つを含む、
請求項1から請求項3のいずれか記載の情報処理装置。
【請求項6】
同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像をアップロードするアップロード部と、
前記アップロード部によってアップロードされた各商品画像から抽出された部分領域に対応する部分領域画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記部分領域画像を表示部に表示させ、入力部から入力されるユーザの要求に応じて、前記部分領域の再抽出用画面を前記表示部に表示させる制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記再抽出用画面において、前記各商品画像内における前記部分領域の位置を示す情報を表示させ、
前記アップロード部は、前記入力部から入力される前記ユーザの指示に基づいて、前記再抽出用画面において再抽出された部分領域に関する情報をアップロードする、
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記入力部から入力される前記ユーザの指示に基づいて、前記同一形状の商品に対応する前記一つ又は複数の商品画像の一覧画面において、前記各商品画像とともに前記部分領域画像を表示させるか否かを制御する、
請求項6又は請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記部分領域は、前記各商品画像全体に含まれる色に関する第1色情報と前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて決定される、
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が、
同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を取得する工程と、
記取得された各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、前記各商品画像から抽出される部分領域を決定する工程と、
決定された前記部分領域に対応する部分領域画像を出力する工程と、
を有する情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置が、
同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像をアップロードする工程と、
記アップロードされた各商品画像から抽出された部分領域に対応する部分領域画像を取得する工程と、
取得された前記部分領域画像を表示部に表示させる工程と、
入力部から入力されるユーザからの要求に応じて、前記部分領域の再抽出用画面を前記表示部に表示させる工程と、
を有する情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像を取得する工程と、
記取得された各商品画像に含まれる色に関する第1色情報と、前記各商品画像内の各部分領域に含まれる色に関する第2色情報とに基づいて、前記各商品画像から抽出される部分領域を決定する工程と、
決定された前記部分領域に対応する部分領域画像を出力する工程と、
を実行させるための情報処理プログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
同一形状の商品に対応する一つ又は複数の商品画像をアップロードする工程と、
記アップロードされた各商品画像から抽出された部分領域に対応する部分領域画像を取得する工程と、
取得された前記部分領域画像を表示部に表示させる工程と、
入力部から入力されるユーザの要求に応じて、前記部分領域の再抽出用画面を前記表示部に表示させる工程と、
を実行させるための情報処理プログラム。