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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092379
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20240701BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
G02F1/1368
G02F1/1335
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208270
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(72)【発明者】
【氏名】岡田 訓明
【テーマコード(参考)】
2H192
2H291
【Fターム(参考)】
2H192AA24
2H192BC42
2H192CB02
2H192CB05
2H192CB08
2H192CB37
2H192EA13
2H192EA15
2H192EA42
2H192EA56
2H192EA67
2H192FB03
2H192FB05
2H192FB15
2H291FA02Y
2H291FA13Y
2H291FA32Y
2H291FD20
2H291GA04
2H291GA19
2H291LA21
(57)【要約】
【課題】COA構造を備え、より表示品位の高い液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置は、基板と、基板上に位置するソースバスラインSL、ゲートバスラインGLおよび画素PXとを含むアクティブマトリクス基板を備える。画素は、基板10とゲートバスラインの間に位置する半導体層30とゲートバスライン上に位置する第2絶縁体22と、第2絶縁体に位置し、平面視において、前記ゲートバスラインの少なくとも一部と重なっている透光性金属層33と、透光性金属層上に位置するカラーフィルタ層24と、カラーフィルタ層に設けられた第2コンタクトホール42とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブマトリクス基板と、前記アクティブマトリクス基板と対向する対向基板と、前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板との間に位置する液晶層と、を備えた液晶表示装置であって、
前記アクティブマトリクス基板は、
表示領域を有する基板と、
前記表示領域において、第1方向に延びるソースバスラインと、
前記表示領域において、前記第1方向と交差する第2方向に延びるゲートバスラインと、
前記基板の表示領域上に位置し、前記ソースバスラインおよび前記ゲートバスラインに接続された画素と、
を備え、前記画素は、
前記基板と前記ゲートバスラインの間に位置し、平面視において、前記ゲートバスラインと部分的に重なる半導体層と、
前記半導体層と前記ゲートバスラインとの間に位置し、前記半導体層を覆う第1絶縁体と、
少なくとも前記ゲートバスライン上に位置する第2絶縁体と、
前記第2絶縁体上に配置され、平面視において前記ゲートバスラインの少なくとも一部と重なり、入射光の一部を透過させる透光性金属層と、
少なくとも前記第1絶縁体を貫通して、前記半導体層の一部を露出させる第1コンタクトホールと、
前記第1コンタクトホール内の少なくとも一部に位置し、前記半導体層と接続された引き出し電極であって、平面視において一部が前記ゲートバスラインと重なっている引き出し電極と、
前記引き出し電極を覆って前記画素内に配置されたカラーフィルタ層と、
前記カラーフィルタ層を貫通し、前記ゲートバスライン上において前記引き出し電極を露出させる第2コンタクトホールと、
前記カラーフィルタ層上および前記第2コンタクトホール内の少なくとも一部に位置し、前記引き出し電極と接続された画素電極と、
を備えた、液晶表示装置。
【請求項2】
前記画素は、
前記基板と前記半導体層との間に位置し、平面視において、前記ゲートバスラインと重なる遮光層と、
前記遮光層と前記半導体層との間に位置し、前記遮光層を覆って前記基板上に位置する第4絶縁体と、
をさらに備える、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記対向基板は、平面視において前記ゲートバスラインと重なるブラックマトリクスを有する、請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記遮光層の前記第1方向に沿った幅が前記第2コンタクトホールの開口の前記第1方向に沿った幅よりも大きい、請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記ブラックマトリクスの前記第1方向に沿った幅が前記遮光層の前記第1方向に沿った幅よりも小さい、請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記アクティブマトリクス基板は、前記表示領域において、前記第2方向に延び、平面視において前記ゲートバスラインと重なる他のゲートバスラインであって、前記半導体層と、前記基板との間に位置する他のゲートバスラインをさらに備え、
前記画素は、前記半導体層と前記他のゲートバスラインとの間に位置し、前記他のゲートバスラインを覆う第4絶縁体を含み、
前記半導体層は、前記ゲートバスラインと前記他のゲートバスラインとの間に位置している、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
アクティブマトリクス基板と、前記アクティブマトリクス基板と対向する対向基板と、前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板との間に位置する液晶層と、を備えた液晶表示装置であって、
前記アクティブマトリクス基板は、
表示領域を有する基板と、
前記表示領域において、第1方向に延びるソースバスラインと、
前記表示領域において、前記第1方向と交差する第2方向に延びるゲートバスラインと、
前記基板の表示領域上に位置し、前記ソースバスラインおよび前記ゲートバスラインに接続された画素と、
を備え、前記画素は、
前記表示領域において、前記第2方向に延び、平面視において前記ゲートバスラインと重なる遮光層と、
前記遮光層と前記ゲートバスラインとの間に位置し、平面視において、前記ゲートバスラインと部分的に重なる半導体層と、
前記半導体層と前記ゲートバスラインとの間に位置し、前記ゲートバスラインを覆って前記基板上に位置する第1絶縁体と、
少なくとも前記遮光層上に位置する第2絶縁体と、
前記遮光層と前記半導体層との間に位置し、前記半導体層を覆って前記第1絶縁体上に位置する第4絶縁体と、
前記第2絶縁体上に配置され、平面視において前記遮光層の少なくとも一部と重なり、入射光の一部を透過させる透光性金属層と、
前記第2絶縁体および前記第4絶縁体を貫通して、前記半導体層の一部を露出させる第1コンタクトホールと、
前記第1コンタクトホール内の少なくとも一部に位置し、前記半導体層と接続された引き出し電極であって、平面視において一部が前記ゲートバスラインと重なっている引き出し電極と、
前記引き出し電極を覆って前記画素内に配置されたカラーフィルタ層と、
前記カラーフィルタ層を貫通し、前記遮光層上において前記引き出し電極を露出させる第2コンタクトホールと、
前記カラーフィルタ層上および前記第2コンタクトホール内の少なくとも一部に位置し、前記引き出し電極と接続された画素電極と、
を備えた、液晶表示装置。
【請求項8】
前記画素は、前記カラーフィルタ層上に位置する平坦化層をさらに備え、
前記第2コンタクトホールは、前記平坦化層および前記カラーフィルタ層を貫通し、
前記画素電極の一部は前記平坦化層上に位置している、請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記透光性金属層は、可視光に対して、10%以上90%以下の透過率を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記透光性金属層は、1nm以上5nm以下の厚さを有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記透光性金属層はTi、Al、MoおよびWからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記第2絶縁体は、窒化ケイ素を含み、前記第2絶縁体の厚さは40nm以上60nm以下である、請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記第2絶縁体は、前記第1絶縁体と接していない、請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記画素は、前記透光性金属層を覆って前記第1絶縁体または前記第2絶縁体上に位置する第3絶縁体を更に備え、
前記第1コンタクトホールは、前記第3絶縁体を貫通しており、
前記引き出し電極は、前記第3絶縁体上に位置しており、
前記カラーフィルタ層は、前記第3絶縁体上に位置している、請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記第2絶縁体は、屈折率nおよび厚さTを有し、入射光の中心波長をλ、mを1以上の奇数として、nおよびTは、下記不等式を満たしている、
0.8×(mλ/2)≦2・nT≦1.2×(mλ/2)
請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記半導体層が酸化物半導体層である、請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高精細な液晶表示装置では、対向基板とTFT基板との位置ずれによる表示品位の低下を抑制するため、カラーフィルタがTFT基板に配置されたCOA(Color filter on Array)構造が採用される場合がある。特許文献1は、このような構造を備え、表示品位の改善が可能な液晶表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-68016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、COA構造を備え、より表示品位の高い液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係る液晶表示装置は、アクティブマトリクス基板と、前記アクティブマトリクス基板と対向する対向基板と、前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板との間に位置する液晶層と、を備えた液晶表示装置であって、前記アクティブマトリクス基板は、表示領域を有する基板と、前記表示領域において、第1方向に延びるソースバスラインと、前記表示領域において、前記第1方向と交差する第2方向に延びるゲートバスラインと、前記基板の表示領域上に位置し、前記ソースバスラインおよび前記ゲートバスラインに接続された画素と、を備え、前記画素は、前記基板と前記ゲートバスラインの間に位置し、平面視において、前記ゲートバスラインと部分的に重なる半導体層と、前記半導体層と前記ゲートバスラインとの間に位置し、前記半導体層を覆う第1絶縁体と、少なくとも前記ゲートバスライン上に位置する第2絶縁体と、前記第2絶縁体上に配置され、平面視において前記ゲートバスラインの少なくとも一部と重なり、入射光の一部を透過させる透光性金属層と、少なくとも前記第1絶縁体を貫通して、前記半導体層の一部を露出させる第1コンタクトホールと、前記第1コンタクトホール内の少なくとも一部に位置し、前記半導体層と接続された引き出し電極であって、平面視において一部が前記ゲートバスラインと重なっている引き出し電極と、前記引き出し電極を覆って前記画素内に配置されたカラーフィルタ層と、前記カラーフィルタ層上に位置する平坦化層と、前記平坦化層および前記カラーフィルタ層を貫通し、前記ゲートバスライン上において前記引き出し電極を露出させる第2コンタクトホールと、前記平坦化層上および前記第2コンタクトホール内の少なくとも一部に位置し、前記引き出し電極と接続された画素電極と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一実施形態によれば、より表示品位の高い液晶表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態の液晶表示装置の構成例を示す模式的断面図である。
図2図2は、第1実施形態のアクティブマトリクス基板の平面構造の一例を示す模式図である。
図3図3は、アクティブマトリクス基板の画素の回路構成を示す模式図である。
図4図4は、第1実施形態のアクティブマトリクス基板の各画素の構造を示す平面図である。
図5図5は、図4におけるA-A線断面におけるアクティブマトリクス基板の構造を示す模式図である。
図6図6は、第1実施形態のアクティブマトリクス基板のゲートバスラインにおける外光の反射を説明する模式図である。
図7図7は、シミュレーションによって求めたゲートバスラインにおける反射率分光特性を示す。
図8図8は、第2実施形態の液晶表示装置のアクティブマトリクス基板の模式的断面図である。
図9A図9Aは、第2実施形態のアクティブマトリクス基板の製造工程を示す工程断面図である。
図9B図9Bは、第2実施形態のアクティブマトリクス基板の製造工程を示す工程断面図である。
図10図10は、第3実施形態の液晶表示装置の模式的断面図である。
図11図11は、第4実施形態の液晶表示装置のアクティブマトリクス基板の模式的断面図である。
図12図12は、第5実施形態の液晶表示装置のアクティブマトリクス基板の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
COA構造を備えた液晶表示装置の用途の1つとして、ヘッドマウントディスプレイが挙げられる。ヘッドマウントディスプレイは、一般的には、眼鏡のように目の直前に配置されるため、液晶表示装置と目との間の距離が短く、液晶表示装置には非常に高い解像度(例えば、1000ppi以上)が求められる。
【0009】
ヘッドマウントディスプレイは頭部に装着されるものであるため、内部電源で駆動されることが好ましい。このため、画素を駆動するTFTには、低リーク性能に優れる酸化物半導体層を有するTFTを用いることが好ましい。また、例えば1000ppi以上の超高解像度の液晶表示装置を実現する場合、各画素のサイズが小さくなるため、開口率を大きくして白表示の輝度を高めることが好ましい。例えば、酸化物半導体層が透明であることを利用して、画素電極と酸化物半導体層との間にカラーフィルタ層を配置し、画素電極と酸化物半導体層とを、コンタクトホールを介して透明な引き出し電極で接続することが考えられる。この場合、開口率を確保するためには、コンタクトホールをゲートバスライン上に配置することが好ましい。
【0010】
しかし、カラーフィルタ層にコンタクトホールを設けると、コンタクトホール内のカラーフィルタ層は取り除かれる。上述した構造によれば、ゲートバスライン上にカラーフィルタ層がない領域が生じてしまう。このため、対向基板から入射する光、例えば、液晶表示装置から出射し、ヘッドマウントディスプレイセット内のレンズ面で反射された光が、再び液晶表示装置に戻り、カラーフィルタ層が配置されていないゲートバスラインで反射される。この反射光は、ゴースト像となって液晶表示装置の表示品位を低下させる。
【0011】
このような課題は、上記構造に限られない。ボトムゲート型の液晶表示装置であっても、半導体層上には金属からなる遮光層が設けられるため、同様の課題が生じ得る。また、TFTが、酸化物半導体層以外の半導体、例えば、低温多結晶シリコン半導体層を含む場合、つまり、液晶表示装置が、LTPS-TFTを含み、コンタクトホールがゲートバスライン上に位置するCOA構造を備えている場合にも同様の課題が生じる。
【0012】
このような課題に鑑み、ゲートバスライン等で反射される光を抑制し得る液晶表示装置を想到した。以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、実施形態及び変形例に記載された各構成は、本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。直交および平行とは、辺あるいは面が、厳密に90°または180°の関係で配置されている場合に限らず、許容される誤差(例えば±3°程度)の範囲、つまり、例えば、87°~93°、および177°~183°の範囲で2つの辺や2つの面あるいは、辺と面とが配置されている場合を含む。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の液晶表示装置301の構成例を示す模式的断面図である。液晶表示装置301は、アクティブマトリクス基板201と対向基板210と、液晶層220と、偏光板230および偏光板240とを備える。
【0014】
対向基板210は、スペーサ250によってアクティブマトリクス基板201の主面と所定の間隙を隔てて配置され、液晶層220はアクティブマトリクス基板201と対向基板210とに挟まれて位置する。後述するように、カラーフィルタ層は、対向基板210には配置されておらず、アクティブマトリクス基板201に配置されている。
【0015】
偏光板230および偏光板240は、少なくとも液晶層220を介して互いに対向している。より具体的には、偏光板230および偏光板240は、対向基板210、液晶層220およびアクティブマトリクス基板201を挟むように位置している。一対の偏光板230、240は、クロスニコルに配置されている。
【0016】
図2は、本実施形態の液晶表示装置のアクティブマトリクス基板201の平面構造の一例を示す模式図である。アクティブマトリクス基板201は、主面に表示領域DRと表示領域以外の非表示領域FRとを含む基板10を備えている。表示領域DRは、例えば、x方向(第2方向)、および、x方向に直交するy方向(第1方向)のマトリクス状に配列された複数の画素PXを含む。非表示領域FRは、表示領域DRの周縁に位置し、表示に寄与しない領域である。
【0017】
アクティブマトリクス基板201は、表示領域DRに、複数のソースバスラインSLと、複数のゲートバスラインGLとを備えている。例えば、複数のソースバスラインSLは、y方向に延びており、複数のゲートバスラインGLは、x方向に延びている。
【0018】
図3は、アクティブマトリクス基板201の画素PXの回路構成を示す模式図である。各画素PXは、画素TFT101と画素電極PEとを含む。図3に示すように、各画素PXは、複数のゲートバスラインGLの1つおよび複数のソースバスラインSLの1つと接続されている。より具体的には、画素TFT101のゲートGがゲートバスラインGLと接続され、ソースSがソースバスラインSLと接続されている。また、ドレインDは画素電極PEに電気的に接続されている。
【0019】
図2に示すように、アクティブマトリクス基板201は、ゲートドライバGDおよびソースドライバSDを含む駆動回路を、基板10の非表示領域FRに備える。
【0020】
上述したように、アクティブマトリクス基板201が、例えば、ヘッドマウントディスプレイ用の表示装置に用いられる場合、画素を駆動するTFTには、低リーク性能に優れる酸化物半導体層を有することが好ましい。一方、駆動回路は、駆動電流が大きいTFTによって構成されていることが好ましい。例えば、駆動回路は、低温ポリシリコン(多結晶シリコン)半導体層を有する複数のTFTを含むことが好ましい。
【0021】
図4は、アクティブマトリクス基板201の画素PXの主要な構成要素を示す平面図であり、図5は、図4のA-A線断面におけるアクティブマトリクス基板201の構造を示す。図4において、構成要素の重なりを分かりやすく示すため、一部の構成要素は、その下の構造が見えるように示している。また、図4において、後述するコモン電極、カラーフィルタ層および種々の絶縁層は示していない。
【0022】
アクティブマトリクス基板201の画素PXは、前述した画素TFT101および画素電極PEに加えて、第1絶縁体21と、第2絶縁体22と、第3絶縁体23と、カラーフィルタ層24と、第1平坦化層25と、第2平坦化層26と、誘電体層27と、引き出し電極31と、コモン電極32とを含む。また、画素TFT101は、酸化物半導体層30と、ゲートバスラインGLの一部であるゲート電極とを含む。
【0023】
基板10は、例えば、透光性を有するガラス基板である。本願明細書において透光性とは、少なくとも可視光の波長帯域の光を透過する。
【0024】
図4に示すように、平面視において、ゲートバスラインGLと交差するように酸化物半導体層30が基板10上に配置されている。酸化物半導体層30は、ソース領域30sと、ドレイン領域30dと、ソース領域30sおよびドレイン領域30dに挟まれたチャネル領域30cとを含む。ソース領域30sおよびドレイン領域30dはy軸に平行に伸びている。チャネル領域30cは、ゲートバスラインGLの下方に位置しており、y方向に斜めに伸びている。ソース領域30sの一部は、ソースバスラインSLの下方に位置している。
【0025】
酸化物半導体層30は、アモルファス酸化物半導体であってもよいし、結晶質部分を有する結晶質酸化物半導体であってもよい。結晶質酸化物半導体としては、多結晶酸化物半導体、微結晶酸化物半導体、c軸が層面に概ね垂直に配向した結晶質酸化物半導体などが挙げられる。
【0026】
酸化物半導体層30は、単層であってもよいし、2層以上の積層構造を有していてもよい。酸化物半導体層30が積層構造を有する場合には、酸化物半導体層は、アモルファス酸化物半導体層と結晶質酸化物半導体層とを含んでいてもよい。あるいは、結晶構造の異なる複数の結晶質酸化物半導体層を含んでいてもよい。また、複数の非晶質酸化物半導体層を含んでいてもよい。酸化物半導体層が上層と下層とを含む2層構造を有する場合、上層に含まれる酸化物半導体のエネルギーギャップは、下層に含まれる酸化物半導体のエネルギーギャップよりも大きいことが好ましい。ただし、これらの層のエネルギーギャップの差が比較的小さい場合には、下層の酸化物半導体のエネルギーギャップが上層の酸化物半導体のエネルギーギャップよりも大きくてもよい。酸化物半導体層は、例えば特開2014-007399号公報に詳述されており、その記載は参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
酸化物半導体層30は、例えば、In、GaおよびZnのうち少なくとも1種の金属元素を含んでもよい。本実施形態では、酸化物半導体層は、例えば、In-Ga-Zn-O系の半導体(例えば酸化インジウムガリウム亜鉛)を含む。ここで、In-Ga-Zn-O系の半導体は、In、Ga、Znの三元系酸化物であって、In、GaおよびZnの組成比は特に限定されず、例えばIn:Ga:Zn=2:2:1、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=1:1:2等であってもよい。このような酸化物半導体層は、In-Ga-Zn-O系の半導体を含む酸化物半導体膜から形成され得る。
【0028】
酸化物半導体層30は、In-Ga-Zn-O系半導体の代わりに、他の酸化物半導体を含んでいてもよい。例えばIn-Sn-Zn-O系半導体(例えばIn-SnO2-ZnO;InSnZnO)を含んでもよい。In-Sn-Zn-O系半導体は、In(インジウム)、SnおよびZnの三元系酸化物である。あるいは、酸化物半導体層は、In-Al-Zn-O系半導体、In-Al-Sn-Zn-O系半導体、Zn-O系半導体、In-Zn-O系半導体、Zn-Ti-O系半導体、Cd-Ge-O系半導体、Cd-Pb-O系半導体、CdO(酸化カドミウム)、Mg-Zn-O系半導体、In-Ga-Sn-O系半導体、In-Ga-O系半導体、Zr-In-Zn-O系半導体、Hf-In-Zn-O系半導体、Al-Ga-Zn-O系半導体、Ga-Zn-O系半導体などを含んでいてもよい。
【0029】
ソース領域30sおよびドレイン領域30dは、導電性を有する。ソース領域30sおよびドレイン領域30dは、例えば、ゲートバスラインGLをマスクとして用い、レーザ光を酸化物半導体層30に照射し、酸化物半導体を低抵抗化することによって形成してもよい。あるいは、酸化物半導体層30にアルゴンプラズマ処理を施してソース領域30sおよびドレイン領域30dを形成してもよい。または、酸化物半導体層30上にAl膜を形成し、酸化物半導体層30とAl膜とを反応させることによって、ソース領域30sおよびドレイン領域30dを形成してもよい。
【0030】
画素PXは、基板10と酸化物半導体層30との間に遮光層を備えていてもよい。この場合、遮光層は、少なくとも酸化物半導体層30のチャネル領域30cの下方に位置していることが好ましい。遮光層によって、酸化物半導体層30のチャネル領域30cに光が入射し、リーク電流が発生するのを抑制することができる。遮光層は、例えば、ゲートバスラインGLに用いられる金属材料によって構成することができる。
【0031】
酸化物半導体層30を覆って、基板10上に第1絶縁体21が配置されている。第1絶縁体21の一部は酸化物半導体層30とゲートバスラインGLとの間に位置しており、この部分がゲート絶縁層として機能する。第1絶縁体21は、例えば、酸化ケイ素などによって構成されている。
【0032】
第1絶縁体21上にゲートバスラインGLが位置している。ゲートバスラインGLは、アルミニウム、銅、チタン、モリブデン、クロム、これらの合金等の金属材料によって構成されている。ゲートバスラインGLは、これら金属材料からなる層を1つまたは複数含む。
【0033】
ゲートバスラインGLを覆って、第1絶縁体21上に第2絶縁体22が配置されている。第2絶縁体22は、例えば、窒化ケイ素膜から構成されている。第2絶縁体22の厚さは、40nm以上60nm以下であることが好ましく、45nm以上55nm以下であることがより好ましい。第2絶縁体22の厚さは50nm程度であることがさらに好ましい。
【0034】
また、第2絶縁体22上には、透光性金属層33が位置している。透光性金属層33は、ゲートバスラインGLと同様x方向に伸びており、平面視において、透光性金属層33は、ゲートバスラインGLの少なくとも一部と重なっている。好ましくは、透光性金属層33のy方向の幅はゲートバスラインGLのy方向の幅と同じである。
【0035】
透光性金属層33は入射光の一部を透過させる。つまり、透光性金属層33はハーフミラーである。透光性金属層33の可視光に対する透過率は、0.1以上0.9以下であることが好ましく、0.3以上0.8以下であることがより好ましく、0.6以上0.7以下であることがさらに好ましい。透光性金属層33は、例えばチタン、アルミニウム、モリブデンおよびタングステンからなる群から得られる少なくとも一種を含む。また、透光性金属層33の厚さは、1nm以上5nm以下であることが好ましく、2nm以上4nm以下であることがより好ましく、3nm程度であることがさらに好ましい。
【0036】
第3絶縁体23は、透光性金属層33を覆って、第2絶縁体22上に位置している。本実施形態では、第3絶縁体23は、第1無機絶縁層23Aと、第2無機絶縁層23Bとを含む。第1無機絶縁層23Aは、透光性金属層33を覆って、第2絶縁体22上に位置している。第1無機絶縁層23Aは、例えば、酸化ケイ素または窒化ケイ素によって構成されている。
【0037】
第1無機絶縁層23A上には、ソースバスラインSLが位置している。ソースバスラインSLは、平面視において酸化物半導体層30と重なっている。ソースバスラインSLは、第1無機絶縁層23A、第1絶縁体21および第2絶縁体22に設けられた第3コンタクトホール43によって、酸化物半導体層30のソース領域30sと接続されている。ソースバスラインSLは、アルミニウム、銅、チタン、モリブデン、クロム、これらの合金等の金属材料によって構成されている。ソースバスラインSLは、これら金属材料からなる層を1つまたは複数含む。
【0038】
第2無機絶縁層23Bは、ソースバスラインSLを覆って、第1無機絶縁層23A上に位置している。第1無機絶縁層23Aは、例えば、酸化ケイ素または窒化ケイ素によって構成されている。
【0039】
第1絶縁体21、第2絶縁体22および第3絶縁体23には、厚さ方向に貫通する第1コンタクトホール41が設けられている。第1コンタクトホール41は、底部において酸化物半導体層30のドレイン領域30dの一部を露出させている。
【0040】
引き出し電極31は、第3絶縁体23上および第1コンタクトホール41内の少なくとも一部に位置している。第1コンタクトホール41内において、引き出し電極31は、酸化物半導体層30と接続されている。また、平面視において、引き出し電極31は、ゲートバスラインGLと重なっている。引き出し電極31は、ITOやIZOなどの透明な導電体によって構成されている。
カラーフィルタ層24は、引き出し電極31を覆って第3絶縁体23上に位置している。カラーフィルタ層24は、例えば、赤色に着色されたカラーフィルタ、青色に着色されたカラーフィルタまたは緑色に着色されたカラーフィルタであり、画素PXごとにいずれかの色のカラーフィルタが配置されている。例えば、y方向に配列された複数の画素PXには、同じ色のカラーフィルタが配置され、x方向に配列された複数の画素PXには、赤、青、緑のカラーフィルタが順番に配置されている。
【0041】
第1平坦化層25は、カラーフィルタ層24上に配置されている。第1平坦化層25は、カラーフィルタ層24の表面の凹凸を平坦化する平坦化膜であり、第1平坦化層25の上面は概ね平坦である。第1平坦化層25は、例えば、感光性アクリル樹脂などの有機絶縁体によって構成されている。
【0042】
第2コンタクトホール42は、第1平坦化層25に設けられている。第2コンタクトホール42は、第1平坦化層25およびカラーフィルタ層24を貫通しており、ゲートバスラインGL上において底部が、引き出し電極31の一部を露出させている。
【0043】
画素電極PEは、第1平坦化層25上および第2コンタクトホール42内に位置している。画素電極PEは、第2コンタクトホール42の底部において引き出し電極31と接続されている。画素電極PEは、ITOやIZOなどの透明な導電体によって構成されている。
【0044】
第2平坦化層26は、第2コンタクトホール42内に位置している。第2平坦化層26は、第2コンタクトホール42内に配置された画素電極PEを覆って第2コンタクトホール42の空間を満たしており、上面が平坦化されている。第2平坦化層26の上面と、第1平坦化層25の上面とは同じ高さに位置している。第2平坦化層26は、例えば、感光性アクリル樹脂などの有機絶縁体によって構成されている。
【0045】
誘電体層27は、画素電極PEを覆って第1平坦化層25および第2平坦化層26上に位置している。誘電体層27は絶縁性を有し、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素などの無機材料によって構成されている。
【0046】
コモン電極32は、誘電体層27上に位置し、アクティブマトリクス基板201の表示領域DR全体を覆っている。コモン電極32は、ITOなどの透明な導電体によって構成されている。
【0047】
本実施形態のアクティブマトリクス基板201は、一般的なアクティブマトリクス基板と同様の方法によって製造することができる。透光性金属層33は、スパッタ装置や蒸着装置など、公知の薄膜形成装置を用いて形成することができる。
【0048】
本実施形態のアクティブマトリクス基板201によれば、透光性金属層33がゲートバスラインGL上に配置されていることによって、対向基板側から入射する光によって生じるゴースト像を抑制することができる。この理由を図5および図6を参照して詳細に説明する。
【0049】
図6は、アクティブマトリクス基板201のゲートバスラインGLにおける外光の反射を説明する模式図である。第2コンタクトホール42内に入射した入射光Liは、第2平坦化層26、画素電極PEおよび引き出し電極31および第3絶縁体23を透過し、透光性金属層33に入射する。透光性金属層33は、ハーフミラーであるので、入射光Liの一部が透光性金属層33の表面で反射し、反射光Lrが対向基板側へ出射する。透光性金属層33を透過した入射光Liの残りは、第2絶縁体22を透過し、ゲートバスラインGLの表面で反射して、反射光Lrが生じる。反射光Lrは、第2絶縁体22および透光性金属層33を透過し、対向基板側へ出射する。ここで、反射光Lrは、反射光Lrと混じり合う。透光性金属層33の厚さが十分に小さければ、反射光Lrと反射光Lrとの光路差Dは、第2絶縁体22の厚さTと屈折率nから以下の式で示される。
D=2・nT ・・・ (1)
入射光Liの中心波長をλとすると、この光路差Dがλ/2の奇数倍であれば、反射光Lrと反射光Lrとの位相は逆転し、互いに弱めあう。その結果、反射光Lrと反射光Lrとが混合された反射波Lrは抑制される。つまり、下記式(2)の条件を満たせば、ゲートバスラインGLにおける外光の反射を抑制できる。
【0050】
2・nT=mλ/2(mは1以上の奇数) ・・・ (2)
ここで、入射光Liおよび入射光Liの中心波長λは、液晶表示装置の用途に依存する。一般的な画像等を表示する用途の液晶表示装置では、入射光Liは可視光であり、中心波長は、例えば、550nmである。
【0051】
反射光Lrと反射光Lrとの位相が完全に逆転(位相差がπ)していなくても、位相差がπに近い範囲であれば、十分に弱めあうことができる。したがって、実用上、式(3)を満たせば、ゲートバスラインGLにおける外光の反射を十分に抑制することができる。
【0052】
0.8×(mλ/2)≦2・nT≦1.2×(mλ/2) ・・・ (3)
図7は、ゲートバスラインにおけるゲートバスラインGLの反射率分光特性を示す。実線は本実施形態のアクティブマトリクス基板201による反射率分光特性を示し、破線は、透光性金属層33および第2絶縁体22を備えないことを除いて本実施形態と同様の構成を有するアクティブマトリクス基板による反射率分光特性を示す。反射率分光特性は、以下に示す条件を設定したシミュレーションによって求めている。
【0053】
第3絶縁体23:SiO
透光性金属層33:Mo、厚さ3nm、
第2絶縁体22:SiN、厚さ50nm、屈折率2.0
ゲートバスラインGL:Ti
図7に示すように、表1に示す条件では、透光性金属層33および第2絶縁体22がない場合(参考例)、550nmの波長において、反射率は38%程度であるが、本実施形態の構造を備えることによって反射率がほぼ0%になっている。また、この時、約480nm以上560nm以下の波長で反射率は0%になっている。さらにほぼ可視光全域の範囲である400nmから700nmの範囲において、反射率が10%程度以下に抑制されている。
【0054】
このように本実施形態によれば、ゲートバスラインGL上に第2絶縁体22を介して透光性金属層33を配置することによって、透光性金属層33とゲートバスラインGLとの間に位置する第2絶縁体22を干渉膜として利用することができる。
【0055】
本実施形態のアクティブマトリクス基板201および液晶表示装置301によれば、画素TFTが酸化物半導体層を含み、画素電極と酸化物半導体層とがコンタクトホールを介して透明な引き出し電極で接続されているため、高い開口率を実現することができる。また、第2コンタクトホールの側面の一部を第2引き出し電極で覆わないことによって黒表示の際の光漏れを抑制することができる。
【0056】
(第2実施形態)
図8は、本実施形態の液晶表示装置におけるアクティブマトリクス基板202の構造を示す模式的断面図である。本実施形態のアクティブマトリクス基板202は、第2絶縁体22が第1絶縁体21に接していない点で、第1実施形態のアクティブマトリクス基板201と異なる。
【0057】
図8に示すように、第2絶縁体22は、y方向にゲートバスラインGLとほぼ同じ幅を有しており、ゲートバスラインGL上のみに位置している。透光性金属層33も、y方向にゲートバスラインGLとほぼ同じ幅を有していてもよい。つまり、透光性金属層33、第2絶縁体22およびゲートバスラインGLは、y方向に同じ幅を有していてもよい。
【0058】
このような構造を有するアクティブマトリクス基板202は、ゲートバスラインGL、第2絶縁体22および透光性金属層33を一括してパターニングすることにより形成できる。例えば、まず、図9Aに示すように、ゲートバスラインGLとなる金属層51、第2絶縁体22となる絶縁層52および透光性金属層33となる金属層53をそれぞれの材料を用いて堆積する。さらに、ゲートバスラインGLを規定するマスクパターン56をフォトレジストおよびフォトリソグラフィ技術を用いて金属層53上に形成する。その後、マスクパターン56をマスクとして、金属層53、絶縁層52および金属層51をドライエッチングなどでエッチングすることにより図9Bに示すように、透光性金属層33、第2絶縁体22およびゲートバスラインGLを一括して形成することができる。
【0059】
このような方法によれば、透光性金属層33とゲートバスラインGLとの位置ずれを抑制し、効率的に透光性金属層33を形成することができる。
【0060】
(第3実施形態)
図10は、本実施形態の液晶表示装置303の構造を示す模式的断面図である。液晶表示装置303は、遮光層55、第4絶縁体28およびブラックマトリクス211をさらに備えている点で、第1実施形態の液晶表示装置301と異なる。
【0061】
図10に示すように画素PXは、基板10と酸化物半導体層30との間に位置し、平面視において、ゲートバスラインGLと重なる遮光層55を有する。また、第4絶縁体28は、酸化物半導体層30と遮光層55との間に位置し、遮光層55を覆って基板10上に配置されている。遮光層55は、例えば、ゲートバスラインGLに用いられる金属材料と同じ金属材料などによって構成することができ、少なくとも可視光を透過しない。遮光層55のy方向に沿った幅は、第2コンタクトホール42の開口のy方向に沿った幅よりも大きいことが好ましい。
【0062】
一方、対向基板210は、平面視においてゲートバスラインGLと重なるブラックマトリクス211を有する。ブラックマトリクス211はゲートバスラインGLに沿って伸びており、黒色樹脂などによって構成されている。ブラックマトリクス211のy方向に沿った幅は、遮光層55のy方向に沿った幅よりも小さいことが好ましい。対向基板210にはブラックマトリクス211を覆ってオーバーコート層212が配置されている。
【0063】
液晶表示装置303によれば、対向基板210にブラックマトリクス211が配置されていることによって、対向基板210側から第2コンタクトホール42に光が入射することが抑制される。また、第1実施形態で説明したように、第2コンタクトホール42に入射した光は、透光性金属層33における反射光と、ゲートバスラインGLにおける反射光との干渉によって対向基板210側へ反射するのが抑制される。さらに、対向基板210側へ反射した光はブラックマトリクス211によって液晶表示装置303の外部へ出射するのが抑制される。
【0064】
さらに、ブラックマトリクス211のy方向に沿った幅が、遮光層55のy方向に沿った幅よりも小さい。このため、対向基板210と、アクティブマトリクス基板203とを貼り合わせる際、位置ずれが生じたとしても、平面視において、ブラックマトリクス211の位置ずれは、遮光層55と平面視で重なる範囲に留まることが可能となる。このため、対向基板210と、アクティブマトリクス基板203との貼り合わせ時の位置ずれによって開口率が低下するのを抑制することができる。
【0065】
(第4実施形態)
図11は、本実施形態の液晶表示装置のアクティブマトリクス基板204の構造を示す模式的断面図である。本実施形態の液晶表示装置は、ボトムゲート型の液晶表示装置である点で、第1実施形態の液晶表示装置301と異なる。
【0066】
アクティブマトリクス基板204の画素において、ゲートバスラインGLは、酸化物半導体層30よりも基板10側、つまりゲートバスラインGLは、酸化物半導体層30と基板10との間に位置している。第1絶縁体21は、酸化物半導体層30とゲートバスラインGLとの間に位置し、酸化物半導体層を覆って基板10上に位置する。
【0067】
各画素は、遮光層55と、第4絶縁体28とをさらに備えている。
遮光層55は、x方向に延び、平面視においてゲートバスラインGLと重なっており、遮光層55とゲートバスラインGLとの間に、酸化物半導体層30が位置している。酸化物半導体層30の一部は平面視において、ゲートバスラインGLと重なっている。
【0068】
遮光層55のy方向の幅は、ゲートバスラインGLよりも大きくてもよいし小さくてもよい。しかし、遮光層55のy方向の幅またはゲートバスラインGLのy方向の幅は、第2コンタクトホール42の開口のy方向に沿った幅よりも大きいことが好ましい。遮光層55の電位は固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。
【0069】
遮光層55上には、第2絶縁体22が配置されており、透光性金属層33が、第2絶縁体22上に配置されている。
【0070】
第4絶縁体28は、遮光層55と酸化物半導体層30との間に位置し、酸化物半導体層30を覆って第1絶縁体21上に位置している。
【0071】
第1コンタクトホール41は、第4絶縁体28、第2絶縁体22および第3絶縁体23を貫通して、酸化物半導体層30の一部を露出させている。
【0072】
本実施形態の液晶表示装置は、ボトムゲート型液晶表示装置であるため、酸化物半導体層の上方に遮光層55が配置されている。遮光層55が金属で構成されていることによっって、遮光層55でもゲートバスラインGLと同様の外部から入射する光によるゴーストが問題になる場合がある。しかし、本実施形態の液晶表示装置によれば、第1実施形態と同様、遮光層55での光の反射によるゴーストが発生するのを抑制することができる。
【0073】
(第5実施形態)
図12は、本実施形態の液晶表示装置のアクティブマトリクス基板205の構造を示す模式的断面図である。本実施形態の液晶表示装置は、ダブルゲート構造を備えている点で、第1実施形態の液晶表示装置301と異なる。
【0074】
図12に示すように、アクティブマトリクス基板205は、酸化物半導体層30の上側にゲートバスラインGL1を有し、下側にゲートバスライン(他のゲートバスライン)GL2を備えている。ゲートバスラインGL1は、第1から第4実施形態のゲートバスラインGLに対応している。ゲートバスラインGL2は、ゲートバスラインGL1と同様、x方向に延び、平面視においてゲートバスラインGL1と重なっている。ゲートバスラインGL1と酸化物半導体層30との間に第4絶縁体28が位置している。ゲートバスラインGL1とゲートバスラインGL2とは同じ電位で駆動される。
【0075】
本実施形態の液晶表示装置によれば、ゲートバスラインGL1およびゲートバスラインGL2が酸化物半導体層30の上下に位置しているため、酸化物半導体層30に光が入射するのを抑制することができる。また、第1実施形態と同様、ゲートバスラインGL1での光の反射によるゴーストが発生するのを抑制することができる。
【0076】
[他の形態]
上記実施形態で説明したアクティブマトリクス基板の構造は、一例であって、本開示のアクティブマトリクス基板の構造はこれらの実施形態で説明した構造に限られない。具体的には、画素TFTの位置や構造は、ここに開示した実施形態に限られないし、絶縁体などの厚さ、材料などの構成もここに開示した実施形態には限られない。
【0077】
また、上述したように、TFTは、酸化物半導体層以外の半導体層によって構成されていてもよい。具体的には、TFTの半導体層は透光性を有していない半導体層であってもよく、例えば、低温多結晶シリコン半導体層であってもよい。つまり、液晶表示装置が、LTPS-TFTを含み、コンタクトホールがゲートバスライン上に位置するCOA構造を備えていてもよい。
【0078】
本開示のアクティブマトリクス基板および液晶表示装置は、以下のようにも説明することができる。
【0079】
第1の構成に係る液晶表示装置は、アクティブマトリクス基板と、アクティブマトリクス基板と対向する対向基板と、アクティブマトリクス基板と対向基板との間に位置する液晶層と、を備えた液晶表示装置であって、
アクティブマトリクス基板は、
表示領域を有する基板と、
表示領域において、第1方向に延びるソースバスラインと、
表示領域において、第1方向と交差する第2方向に延びるゲートバスラインと、
基板の表示領域上に位置し、ソースバスラインおよびゲートバスラインに接続された画素と、
を備え、画素は、
基板とゲートバスラインの間に位置し、平面視において、ゲートバスラインと部分的に重なる半導体層と、
半導体層とゲートバスラインとの間に位置し、半導体層を覆う第1絶縁体と、
少なくともゲートバスライン上に位置する第2絶縁体と、
第2絶縁体上に配置され、平面視においてゲートバスラインの少なくとも一部と重なり、入射光の一部を透過させる透光性金属層と、
少なくとも第1絶縁体を貫通して、半導体層の一部を露出させる第1コンタクトホールと、
第1コンタクトホール内の少なくとも一部に位置し、半導体層と接続された引き出し電極であって、平面視において一部がゲートバスラインと重なっている引き出し電極と、
引き出し電極を覆って画素内に配置されたカラーフィルタ層と、
カラーフィルタ層を貫通し、ゲートバスライン上において引き出し電極を露出させる第2コンタクトホールと、
カラーフィルタ上および第2コンタクトホール内の少なくとも一部に位置し、引き出し電極と接続された画素電極と、
を備える。
【0080】
第1の構成によれば、ゲートバスラインの上方に透光性金属層が配置されていることによって、外部から入射した光は、透光性金属層およびゲートバスラインで反射する。このため、透光性金属層とゲートバスラインとの間に位置する第2絶縁体を干渉膜として機能させ、2つの反射光の位相をずらせることで、2つの反射光は互いに弱め合う。よって、アクティブマトリクス基板から出射する反射光を抑制することができる。
【0081】
第2の構成の液晶表示装置は、第1の構成において、アクティブマトリクス基板は、基板と半導体層との間に位置し、平面視において、ゲートバスラインと重なる遮光層と、と、遮光層と半導体層との間に位置し、遮光層を覆って基板上に位置する第4絶縁体と、をさらに備えていてもよい。
【0082】
第3の構成の液晶表示装置は、第2の構成において、対向基板は、平面視においてゲートバスラインと重なるブラックマトリクスを有していてもよい。
【0083】
第4の構成の液晶表示装置は、第3の構成において、遮光層の第1方向に沿った幅が第2コンタクトホールの開口の第1方向に沿った幅よりも大きくてもよい。
【0084】
第5の構成の液晶表示装置は第3の構成において、ブラックマトリクスの第1方向に沿った幅が遮光層の第1方向に沿った幅よりも小さくてもよい。 第6の構成の液晶表示装置は、第1の構成において、アクティブマトリクス基板は、表示領域において、第2方向に延び、平面視においてゲートバスラインと重なる他のゲートバスラインであって、半導体層と、基板との間に位置する他のゲートバスラインをさらに備え、画素は、半導体層と他のゲートバスラインとの間に位置し、他のゲートバスラインを覆う第4絶縁体を含み、半導体層は、ゲートバスラインと他のゲートバスラインとの間に位置していてもよい。
【0085】
第7の構成に係る液晶表示装置は、アクティブマトリクス基板と、アクティブマトリクス基板と対向する対向基板と、アクティブマトリクス基板と対向基板との間に位置する液晶層と、を備えた液晶表示装置であって、
アクティブマトリクス基板は、
表示領域を有する基板と、
表示領域において、第1方向に延びるソースバスラインと、
表示領域において、第1方向と交差する第2方向に延びるゲートバスラインと、
基板の表示領域上に位置し、ソースバスラインおよびゲートバスラインに接続された画素と、
を備え、画素は、
表示領域において、第2方向に延び、平面視においてゲートバスラインと重なる遮光層と、
遮光層とゲートバスラインとの間に位置し、平面視において、ゲートバスラインと部分的に重なる半導体層と、
半導体層とゲートバスラインとの間に位置し、ゲートバスラインを覆って基板上に位置する第1絶縁体と、
少なくとも遮光層上に位置する第2絶縁体と、
遮光層と半導体層との間に位置し、半導体層を覆って第1絶縁体上に位置する第4絶縁体と、
第2絶縁体上に配置され、平面視において遮光層の少なくとも一部と重なり、入射光の一部を透過させる透光性金属層と、
第2絶縁体および第4絶縁体を貫通して、半導体層の一部を露出させる第1コンタクトホールと、
第1コンタクトホール内の少なくとも一部に位置し、半導体層と接続された引き出し電極であって、平面視において一部がゲートバスラインと重なっている引き出し電極と、
引き出し電極を覆って画素内に配置されたカラーフィルタ層と、
カラーフィルタ層を貫通し、遮光層上において引き出し電極を露出させる第2コンタクトホールと、
カラーフィルタ層上および第2コンタクトホール内の少なくとも一部に位置し、引き出し電極と接続された画素電極と、
を備えている。
【0086】
第6の構成によれば、遮光層の上方に透光性金属層が配置されていることによって、外部から入射した光は、透光性金属層および遮光層で反射する。このため、透光性金属層と遮光層との間に位置する第2絶縁体を干渉膜として機能させ、2つの反射光の位相をずらせることで、2つの反射光は互いに弱め合う。よって、アクティブマトリクス基板から出射する反射光を抑制することができる。
【0087】
第8の構成の液晶表示装置は第1~第7の構成のいずれか1つにおいて、画素は、カラーフィルタ層上に位置する平坦化層をさらに備え、第2コンタクトホールは、平坦化層およびカラーフィルタ層を貫通し、画素電極の一部は平坦化層上に位置していてもよい。
【0088】
第9の構成の液晶表示装置は第1~第8の構成のいずれか1つ~第7の構成のいずれか1つの構成において、透光性金属層は、可視光に対して、10%以上90%以下の透過率を有していてもよい。
【0089】
第10の構成の液晶表示装置は第1~第9の構成のいずれか1つにおいて、透光性金属層は、1nm以上5nm以下の厚さを有していてもよい。
【0090】
第11の構成の液晶表示装置は第1~第10の構成のいずれか1つにおいて、透光性金属層はTi、Al、MoおよびWからなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0091】
第12の構成の液晶表示装置は第1~第11の構成のいずれか1つにおいて、第2絶縁体は、窒化ケイ素を含み、第2絶縁体の厚さは40nm以上60nm以下であってもよい。
【0092】
第13の構成の液晶表示装置は第1~第12の構成のいずれか1つにおいて、第2絶縁体は、第1絶縁体と接していなくてもよい。
【0093】
第14の構成の液晶表示装置は第1~第13の構成のいずれか1つにおいて、ブラックマトリクスの第1方向に沿った幅が遮光層の第1方向に沿った幅よりも小さくてもよい。
【0094】
第15の構成の液晶表示装置は第1~第14の構成のいずれか1つにおいて、画素は、透光性金属層を覆って第1絶縁体または第2絶縁体上に位置する第3絶縁体を更に備え、
第1コンタクトホールは、第3絶縁体を貫通しており、
引き出し電極は、第3絶縁体上に位置しており、
カラーフィルタ層は、第3絶縁体上に位置していてもよい。
【0095】
第12の構成の液晶表示装置は第1~第11の構成のいずれか1つにおいて、第2絶縁体は、屈折率nおよび厚さTを有し、入射光の中心波長をλ、mを1以上の奇数として、nおよびTは、下記不等式
0.8×(mλ/2)≦2・nT≦1.2×(mλ/2)
を満たしていてもよい。
【0096】
第16の構成の液晶表示装置は第1~第15の構成のいずれか1つにおいて、半導体層が酸化物半導体層であってもよい。
【符号の説明】
【0097】
10…基板、21…第1絶縁体、22…第2絶縁体、23…第3絶縁体、23A…第1無機絶縁層、23B…第2無機絶縁層、24…カラーフィルタ層、25…第1平坦化層、26…第2平坦化層、27…誘電体層、28…第4絶縁体、30…酸化物半導体層、30d…ドレイン領域、30s…ソース領域、30c…チャネル領域、31…引き出し電極、32…コモン電極、33…透光性金属層、41…第1コンタクトホール、42…第2コンタクトホール、43…第3コンタクトホール、51,…金属層、52…絶縁層、55…遮光層、56…マスクパターン、201,202,203…アクティブマトリクス基板、210…対向基板、211…ブラックマトリクス、220…液晶層、230,240…偏光板、250…スペーサ、301,303…液晶表示装置
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12