(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092395
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】ロータ、回転電機、および駆動装置
(51)【国際特許分類】
H02K 1/276 20220101AFI20240701BHJP
H02K 1/32 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H02K1/276
H02K1/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208295
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 一平
【テーマコード(参考)】
5H601
5H622
【Fターム(参考)】
5H601AA16
5H601CC01
5H601CC15
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601EE26
5H601GA02
5H601GA22
5H601GA24
5H601GA32
5H601GE02
5H601GE09
5H601GE10
5H601GE11
5H622AA06
5H622CA02
5H622CA07
5H622CA14
5H622CB03
5H622CB05
5H622PP03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マグネットの温度上昇を抑制できるロータ、回転電機、および駆動装置を提供する。
【解決手段】中心軸線を中心として回転可能なロータ10は、複数のマグネット穴50、および冷媒が流れる流路34を有するロータコア30と、複数のマグネット穴のそれぞれに収容される複数のマグネット40と、を備える。複数のマグネット穴および流路は、それぞれ、軸方向に延びる。中心軸線と直交する断面において、流路は、複数のマグネットに囲まれる。複数のマグネットそれぞれの流路側と反対側を向く第1外側面とロータコアとの間の熱抵抗は、複数のマグネットそれぞれの流路側を向く第2外側面とロータコアとの間の熱抵抗よりも大きい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線を中心として回転可能なロータであって、
複数のマグネット穴、および冷媒が流れる流路を有するロータコアと、
複数の前記マグネット穴のそれぞれに収容される複数のマグネットと、
を備え、
複数の前記マグネット穴および前記流路は、それぞれ、軸方向に延び、
前記中心軸線と直交する断面において、前記流路は、複数の前記マグネットに囲まれ、
複数の前記マグネットそれぞれの前記流路側と反対側を向く第1外側面と前記ロータコアとの間の熱抵抗は、複数の前記マグネットそれぞれの前記流路側を向く第2外側面と前記ロータコアとの間の熱抵抗よりも大きい、ロータ。
【請求項2】
周方向に沿って配置される複数の磁極部を備え、
複数の前記マグネットは、第1マグネットと、第2マグネットと、を含み、
複数の前記マグネット穴は、前記第1マグネットを収容する第1マグネット穴と、第1マグネット穴よりも径方向内側に配置され、前記第2マグネットを収容する第2マグネット穴と、を含み、
複数の前記磁極部のそれぞれは、少なくとも一つの前記第1マグネットと、一対の前記第2マグネットと、を有し、
一対の前記第2マグネットは、軸方向に見て、径方向内側から径方向外側に向かうにしたがって互いに周方向に離れる方向に延びる、請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
複数の前記磁極部のそれぞれは、1つの前記第1マグネットを有し、
前記第1マグネットは、軸方向に見て、前記磁極部の周方向の中心を通り径方向に延びる磁極仮想線と直交する方向に延びる、請求項2に記載のロータ。
【請求項4】
複数の前記磁極部のそれぞれは、一対の前記第1マグネットを有し、
一対の前記第1マグネットは、軸方向に見て、径方向内側から径方向外側に向かうにしたがって互いに周方向に離れる方向に延びる、請求項2に記載のロータ。
【請求項5】
複数の前記マグネットそれぞれの前記第1外側面と前記ロータコアとの間には、低熱伝導層が設けられ、
前記低熱伝導層の熱伝導率は、前記ロータコアの熱伝導率よりも小さい、請求項1から4のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項6】
前記低熱伝導層は、複数の前記マグネットそれぞれの前記第1外側面および前記ロータコアと接触する低熱伝導部を有し、
前記低熱伝導部の熱伝導率は、前記ロータコアの熱伝導率よりも小さく、
複数の前記マグネットそれぞれの前記第2外側面は、前記ロータコアと接触する、請求項5に記載のロータ。
【請求項7】
前記低熱伝導層は、空隙部を有し、
複数の前記マグネットそれぞれの前記第1外側面の一部は、前記空隙部に露出する、請求項6に記載のロータ。
【請求項8】
複数の前記マグネットそれぞれの前記第2外側面は、高熱伝導層を介して前記ロータコアと接触し、
前記高熱伝導層の熱伝導率は、前記ロータコアの熱伝導率よりも大きい、請求項6に記載のロータ。
【請求項9】
軸方向に見て、前記低熱伝導部の面積は、前記高熱伝導層の面積よりも小さい、請求項8に記載のロータ。
【請求項10】
前記第2マグネットの前記第2外側面は、高熱伝導層を介して前記ロータコアと接触し、
前記第1マグネットの前記第1外側面は、低熱伝導層を介して前記ロータコアと接触し、
前記第1マグネットの前記第2外側面は、前記ロータコアと直接接触し、
前記低熱伝導層の熱伝導率は、前記ロータコアの熱伝導率よりも小さく、前記高熱伝導層の熱伝導率は、前記ロータコアの熱伝導率よりも大きい、請求項2から4のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項11】
請求項1から4のいずれか一項に記載のロータと、
前記ロータの径方向外側に配置されるステータと、を備える、回転電機。
【請求項12】
請求項11に記載の回転電機と、
前記ロータに接続されるギヤ機構と、を備える、駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータ、回転電機、および駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
永久磁石がロータコアの磁石用孔に収容されるロータが知られている。例えば、特許文献1では、永久磁石と磁石用孔の径方向外側を向く面との間に第1の熱伝導層を、永久磁石と磁石用孔の径方向内側を向く面との間に第1の熱伝導層よりも熱伝導率が小さい第2の熱伝導層を有し、永久磁石の熱をロータコアの中央に配置されるシャフトに放出させることによって、永久磁石の温度上昇を抑制するロータが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のロータでは、永久磁石の熱が第2の熱伝導層およびロータコアを介して、ロータコアの中央に配置されるシャフトに放出されるため、永久磁石とシャフトとの間の距離が長い場合、永久磁石の熱が放出されづらく、永久磁石の温度上昇を充分に抑制できない虞があった。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記事情に鑑みて、マグネットの温度上昇を抑制できるロータ、回転電機、および駆動装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のロータの一つの態様は、中心軸線を中心として回転可能なロータであって、複数のマグネット穴、および冷媒が流れる流路を有するロータコアと、複数の前記マグネット穴のそれぞれに収容される複数のマグネットと、を備える。複数の前記マグネット穴および前記流路は、それぞれ、軸方向に延びる。前記中心軸線と直交する断面において、前記流路は、複数の前記マグネットに囲まれる。複数の前記マグネットそれぞれの前記流路側と反対側を向く第1外側面と前記ロータコアとの間の熱抵抗は、複数の前記マグネットそれぞれの前記流路側を向く第2外側面と前記ロータコアとの間の熱抵抗よりも大きい。
【0007】
本発明の回転電機の一つの態様は、上記のロータと、前記ロータの径方向外側に配置されるステータと、を備える。
【0008】
本発明の駆動装置の一つの態様は、上記の回転電機と、前記ロータに接続されるギヤ機構と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの態様によれば、ロータ、回転電機、および駆動装置において、マグネットの温度上昇を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態における駆動装置を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態におけるロータを示す断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態におけるロータの一部を示す断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態におけるロータの一部を示す断面図であって、
図3の部分拡大図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態におけるロータの一部を示す断面図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態におけるロータの一部を示す断面図である。
【
図7】
図7は、第4実施形態におけるロータの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、実施形態の駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。つまり、以下の実施形態において説明する鉛直方向に対する位置関係は、駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合に満たしていればよい。
【0012】
各図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。+Z側は、鉛直方向上側であり、-Z側は、鉛直方向下側である。以下の説明では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置が搭載される車両の前後方向である。以下の実施形態において、+X側は、車両における前側であり、-X側は、車両における後側である。Y軸方向は、X軸方向およびZ軸方向の両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。以下の実施形態において、+Y側は、車両における左側であり、-Y側は、車両における右側である。以下の説明では、車両における左側を単に「左側」と呼び、車両における右側を単に「右側」と呼ぶ。
【0013】
なお、前後方向の位置関係は、以下の実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、-X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、-Y側は、車両の左側である。また、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向を含み、「直交する方向」は略直交する方向を含む。
【0014】
各図に示す中心軸線Jは、Y軸方向、つまり車両の左右方向に延びる仮想軸線である。以下の説明では、中心軸線Jに平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸線Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸線Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
【0015】
周方向は、各図において矢印θで示される。以下の説明では、周方向のうち矢印θが向く側(+θ側)を「周方向一方側」と呼ぶ。周方向のうち矢印θが向く側と逆側(-θ側)を「周方向他方側」と呼ぶ。周方向一方側は、右側(-Y側)から見て中心軸線J回りに時計回りに進む側である。周方向他方側は、右側から見て中心軸線J回りに反時計回りに進む側である。
【0016】
以下の説明において、「径方向外側」は、ある方向を、径方向を向く成分と周方向を向く成分に分解した場合に、径方向を向く成分が径方向外側を向く場合を含む。同様に、「径方向内側」は、ある方向を、径方向を向く成分と周方向を成分に分解した場合に、径方向を向く成分が径方向内側を向く場合を含む。また、「周方向一方側」とは、ある方向を、径方向を向く成分と周方向を向く成分に分解した場合に、周方向を向く成分が周方向一方側を向く場合を含む。同様に、「周方向他方側」は、ある方向を、径方向を向く成分と周方向を向く成分に分解した場合に、周方向を向く成分が周方向他方側を向く場合を含む。
【0017】
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態の駆動装置100は、車両に搭載され、車軸73を回転させる駆動装置である。駆動装置100が搭載される車両は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)などのモータを動力源とする車両である。駆動装置100は、回転電機60と、回転電機60に接続されるギヤ機構70と、回転電機60およびギヤ機構70を内部に収容するハウジング63と、冷媒流路90と、を備える。本実施形態において回転電機60は、モータである。
【0018】
ハウジング63は、回転電機60およびギヤ機構70を内部に収容する。ハウジング63は、回転電機60を内部に収容するモータハウジング63aと、ギヤ機構70を内部に収容するギヤハウジング63bと、を有する。モータハウジング63aは、ギヤハウジング63bの右側(-Y側)に繋がる。モータハウジング63aは、周壁部63cと、隔壁部63dと、蓋部63eと、を有する。周壁部63cおよび隔壁部63dは、例えば、同一の単一部材の一部である。蓋部63eは、例えば、周壁部63cおよび隔壁部63dと別体である。
【0019】
周壁部63cは、中心軸線Jを囲み、右側(-Y側)に開口する筒状である。周壁部63cは、回転電機60を径方向外側から囲む。隔壁部63dは、周壁部63cの左側(+Y側)の端部に繋がる。隔壁部63dは、モータハウジング63aの内部とギヤハウジング63bの内部とを軸方向に隔てる。隔壁部63dは、モータハウジング63aの内部とギヤハウジング63bの内部とを繋ぐ隔壁開口63fを有する。隔壁部63dには、ベアリング64aが保持される。蓋部63eは、周壁部63cの右側の端部に固定される。蓋部63eは、周壁部63cの右側の開口を塞ぐ。蓋部63eには、ベアリング64bが保持される。
【0020】
ギヤハウジング63bは、冷媒Oを内部に収容する。冷媒Oは、ギヤハウジング63b内の下部領域に貯留される。冷媒Oは、冷媒流路90を循環する。本実施形態において、冷媒Oは、回転電機60を冷却するとともに、ギヤ機構70を潤滑する潤滑油である。冷媒Oとしては、例えば、冷却機能および潤滑機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
【0021】
ギヤ機構70は、回転電機60の後述するロータ10に接続され、ロータ10の中心軸線Jを中心とする回転を車両の車軸73に伝達する。本実施形態において、ギヤ機構70は、ロータ10に接続される減速装置71と、減速装置71に接続される差動装置72と、を有する。差動装置72は、リングギヤ72aを有する。リングギヤ72aには、回転電機60から出力されるトルクが減速装置71を介して伝達される。リングギヤ72aの下側の端部は、ギヤハウジング63b内に貯留される冷媒Oに浸漬する。リングギヤ72aが回転すると、冷媒Oがかき上げられ、かき上げられた冷媒Oは減速装置71および差動装置72を潤滑する。
【0022】
回転電機60は、中心軸線Jを中心として回転可能なロータ10と、ロータ10と径方向に隙間を介して対向するステータ61と、を備える。本実施形態において、ステータ61は、ロータ10の径方向外側に配置される。ステータ61は、ハウジング63の周壁部63cの内周面に固定される。ステータ61は、ステータコア61aと、ステータコア61aに取り付けられるコイルアセンブリ61bと、を有する。
【0023】
ステータコア61aは、中心軸線Jを中心とする略円環状である。ステータコア61aは、ロータ10の後述するロータコア30を径方向外側から囲む。コイルアセンブリ61bは、ステータコア61aに取り付けられる複数のコイル61cを有する。図示は省略するが、コイルアセンブリ61bは、各コイル61cを結束する結束部材などを有してもよいし、各コイル61c同士を繋ぐ渡り線を有してもよい。
【0024】
図示は省略するが、コイルアセンブリ61bは、図示しない外部電源と電気的に接続される。外部電源からコイルアセンブリ61bに電流が供給されると、複数のコイル61cのそれぞれは電磁石を構成する。このとき、複数のコイル61cのそれぞれには、ジュール熱が発生し、係るジュール熱はステータコア61aに伝達する。これにより、ステータコア61aを含むステータ61の温度が上昇する。
【0025】
図2に示すように、ロータ10は、シャフト20と、ロータコア30と、複数のマグネット40と、低熱伝導層80と、を備える。
図1に示すように、シャフト20は、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。シャフト20は、左側(+Y側)および右側(-Y側)に開口する。シャフト20の左側の端部は、ギヤハウジング63b内に突出する。シャフト20には、シャフト20の内部とシャフト20の外部とを繋ぐ孔部20aが設けられる。孔部20aは、周方向に間隔を空けて複数設けられる。
【0026】
ロータコア30は、シャフト20の外周面に固定される。ロータコア30は、中心軸線Jを中心とする略円環状である。ロータコア30は、磁性体製である。図示は省略するが、ロータコア30は、複数の板部材が軸方向に積層されて構成される。当該板部材は、例えば、電磁鋼板である。
図2に示すように、ロータコア30は、貫通孔30aと、複数のマグネット保持部31と、複数のロータ内流路34と、複数のロータ穴部35と、を有する。
【0027】
貫通孔30aは、ロータコア30を軸方向に貫通する。軸方向に見て、貫通孔30aは、中心軸線Jを中心とする略円形状である。貫通孔30aには、シャフト20が軸方向に通される。貫通孔30aの内周面は、シャフト20の外周面に固定される。
【0028】
複数のマグネット保持部31は、ロータコア30のうち径方向外側の部分に設けられる。複数のマグネット保持部31は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。本実施形態において、マグネット保持部31は、8つ設けられる。本実施形態において、各マグネット保持部31には、1つのロータ内流路34および3つのマグネット穴50が設けられる。
【0029】
複数のマグネット穴50は、軸方向に延びる。本実施形態において、各マグネット穴50は、ロータコア30を軸方向に貫通する孔である。各マグネット穴50は、軸方向の端部に底部を有する穴であってもよい。本実施形態において、複数のマグネット穴50は、第1マグネット穴51と、第1マグネット穴51よりも径方向内側に設けられる第2マグネット穴53,54と、を含む。複数のマグネット保持部31のそれぞれには、1つの第1マグネット穴51と一対の第2マグネット穴53,54とが設けられる。
【0030】
複数のマグネット40は、複数のマグネット穴50のそれぞれに1つずつ収容される。本実施形態において、複数のマグネット40のそれぞれは、軸方向に延びる略直方体状である。マグネット40の種類は、特に限定されず、例えば、ネオジム磁石であってもよいし、フェライト磁石であってもよい。各マグネット40は、例えば、ロータコア30の左側(+Y側)の端部から右側(-Y側)の端部まで延びている。
【0031】
図3に示すように、複数のマグネット40は、第1マグネット穴51に収容される第1マグネット41と、一対の第2マグネット穴53,54のそれぞれに収容される一対の第2マグネット43,44と、を含む。各マグネット40は、後述する低熱伝導部81a,83a,84aよって、各マグネット穴50内に固定される。
【0032】
図2に示すように、ロータ10は、複数の磁極部10Pを備える。磁極部10Pは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に複数配置される。本実施形態において、磁極部10Pは、8つ設けられる。複数の磁極部10Pのそれぞれは、ロータコア30の1つのマグネット保持部31と、該1つのマグネット保持部31に設けられるマグネット穴50に収容される複数のマグネット40と、によって構成される。複数の磁極部10Pのそれぞれは、1つの第1マグネット穴51と、一対の第2マグネット穴53,54と、1つの第1マグネット41と、一対の第2マグネット43,44と、を有する。複数の磁極部10Pは、ロータコア30の外周面における磁極がN極の磁極部10Nと、ロータコア30の外周面における磁極がS極の磁極部10Sと、を4つずつ含む。4つの磁極部10Nおよび4つの磁極部10Sは、周方向に沿って交互に配置される。
【0033】
図4に示すように、磁極部10Pにおいて、第2マグネット穴53と第2マグネット穴54とは、磁極仮想線Ldを周方向に挟んで配置される。磁極仮想線Ldは、磁極部10Pの周方向の中心を通り径方向に延びる仮想線である。磁極仮想線Ldは、各磁極部10Pそれぞれに設けられる。軸方向に見て、磁極仮想線Ldは、ロータ10のd軸上を通っている。磁極仮想線Ldが延びる方向は、ロータ10のd軸方向である。磁極仮想線Ldは、一対の第2マグネット穴53,54同士の間における周方向の中心を通る。なお、本実施形態において、磁極部10Pの周方向の中心は、マグネット保持部31の周方向の中心である。
【0034】
第1マグネット穴51は、一対の第2マグネット穴53,54よりも径方向外側に配置される。第1マグネット穴51は、一対の第2マグネット穴53,54同士の周方向の間に配置される。より詳細には、第1マグネット穴51は、一対の第2マグネット穴53,54それぞれの径方向外側の端部同士の間に配置される。軸方向に見て、第1マグネット穴51は、磁極仮想線Ldと直交する方向に延びる。磁極仮想線Ldは、第1マグネット穴51の周方向中心を通る。軸方向に見て、第1マグネット穴51の磁極仮想線Ldよりも周方向一方側(+θ側)の部分と周方向他方側(-θ側)の部分とは、磁極仮想線Ldを対称軸として線対称の形状である。
【0035】
第1マグネット穴51は、マグネット収容穴部51aと、2つの外側穴部51b,51cと、を有する。軸方向に見て、マグネット収容穴部51aは、第1マグネット穴51が延びる方向を長辺とする長方形状である。マグネット収容穴部51aは、ロータ内流路34の径方向外側に配置される。マグネット収容穴部51aは、第1内側面51eと、第2内側面51fと、を有する。第1内側面51eは、マグネット収容穴部51aの内側面のうち、径方向内側を向く面である。第2内側面51fは、マグネット収容穴部51aの内側面のうち、径方向外側を向く面である。
【0036】
第1マグネット41は、第1マグネット穴51に収容される。より詳細には、第1マグネット41は、マグネット収容穴部51aに収容される。軸方向に見て、第1マグネット41は、磁極仮想線Ldと直交する方向に延びる。第1マグネット41は、ロータ内流路34の径方向外側に配置される。第1マグネット41は、第1外側面41aと、第2外側面41bと、を有する。第1外側面41aは、第1マグネット41の外側面のうち、径方向外側、すなわち、ロータ内流路34側と反対側を向く面である。第1外側面41aは、第1内側面51eと対向する。第2外側面41bは、第1マグネット41の外側面のうち、径方向内側、すなわち、ロータ内流路34側を向く面である。第2外側面41bは、第2内側面51fと対向する。
【0037】
外側穴部51bは、マグネット収容穴部51aの周方向一方側(+θ側)の端部と繋がる。外側穴部51cは、マグネット収容穴部51aの周方向他方側(-θ側)の端部と繋がる。外側穴部51b,51cは、例えば、空洞部であり、それぞれフラックスバリア部を構成する。外側穴部51b,51cには、樹脂などの非磁性体が充填されていてもよく、係る非磁性体によってフラックスバリア部が構成されてもよい。本明細書において「フラックスバリア部」は、ロータコア30のうち、磁束の通過を抑制できる部分である。
【0038】
一対の第2マグネット穴53,54は、第1マグネット穴51よりも径方向内側に配置される。軸方向に見て、一対の第2マグネット穴53,54は、径方向内側から径方向外側に向かうにしたがって互いに周方向に離れる方向に延びる。軸方向に見て、一対の第2マグネット穴53,54は、径方向外側に向かうにしたがって周方向に広がるV字形状に沿って配置される。第2マグネット穴53は、ロータ内流路34の周方向一方側(+θ側)に配置される。第2マグネット穴54は、ロータ内流路34の周方向他方側(-θ側)に配置される。軸方向に見て、第2マグネット穴53と第2マグネット穴54とは、磁極仮想線Ldを対称軸として線対称な形状である。
【0039】
第2マグネット穴53は、マグネット収容穴部53aと、内側穴部53bと、外側穴部53cと、を有する。軸方向に見て、マグネット収容穴部53aは、第2マグネット穴53が延びる方向を長辺とする長方形状である。マグネット収容穴部53aは、第1内側面53eと、第2内側面53fと、を有する。第1内側面53eは、マグネット収容穴部53aの内側面のうち、ロータ内流路34側を向く面である。第2内側面53fは、マグネット収容穴部53aの内側面のうち、ロータ内流路34側と反対側を向く面である。軸方向に見て、内側穴部53bは、マグネット収容穴部53aの径方向内側の端部に繋がる。軸方向に見て、外側穴部53cは、マグネット収容穴部53aの径方向外側の端部に繋がる。内側穴部53bおよび外側穴部53cは、フラックスバリア部を構成する。
【0040】
第2マグネット穴54は、マグネット収容穴部54aと、内側穴部54bと、外側穴部54cと、を有する。軸方向に見て、マグネット収容穴部54aは、第2マグネット穴54が延びる方向を長辺とする長方形状である。マグネット収容穴部54aは、第1内側面54eと、第2内側面54fと、を有する。第1内側面54eは、マグネット収容穴部54aの内側面のうち、ロータ内流路34側を向く面である。第2内側面54fは、マグネット収容穴部54aの内側面のうち、ロータ内流路34側と反対側を向く面である。軸方向に見て、内側穴部54bは、マグネット収容穴部54aの径方向内側の端部に繋がる。軸方向に見て、外側穴部54cは、マグネット収容穴部54aの径方向外側の端部に繋がる。内側穴部54bおよび外側穴部54cは、フラックスバリア部を構成する。
【0041】
軸方向に見て、一対の第2マグネット43,44は、径方向内側から径方向外側に向かうにしたがって互いに周方向に離れる方向に延びる。軸方向に見て、一対の第2マグネット43,44は、径方向外側に向かうにしたがって周方向に広がるV字形状に沿って配置される。第2マグネット43は、マグネット収容穴部53a内に配置される。第2マグネット43は、ロータ内流路34の周方向一方側(+θ側)に配置される。第2マグネット44は、マグネット収容穴部54a内に配置される。第2マグネット44は、ロータ内流路34の周方向他方側(-θ側)に配置される。上述のように、第1マグネット41は、ロータ内流路34の径方向外側に配置される。これらにより、中心軸線Jと直交する断面において、ロータ内流路34は、複数のマグネット40に囲まれる。
【0042】
第2マグネット43は、第1外側面43aと、第2外側面43bと、を有する。第1外側面43aは、第2マグネット43の外側面のうち、ロータ内流路34側と反対側を向く面である。第1外側面43aは、第1内側面53eと対向する。第2外側面43bは、第2マグネット43の外側面のうち、ロータ内流路34側を向く面である。第2外側面43bは、第2内側面53fと対向する。
【0043】
第2マグネット44は、第1外側面44aと、第2外側面44bと、を有する。第1外側面44aは、第2マグネット44の外側面のうち、ロータ内流路34側と反対側を向く面である。第1外側面44aは、第1内側面54eと対向する。第2外側面44bは、第2マグネット44の外側面のうち、ロータ内流路34側を向く面である。第2外側面44bは、第2内側面54fと対向する。
【0044】
図1に示すように、本実施形態において、複数のロータ内流路34は、ロータコア30を軸方向に貫通する孔である。複数のロータ内流路34は、冷媒Oが流れる流路である。複数のロータ内流路34は、軸方向に延びる。複数のロータ内流路34の軸方向の略中央部は、シャフト20の複数の孔部20aと径方向に繋がる。
図2に示すように、本実施形態において、ロータ内流路34は、8つ設けられる。各ロータ内流路34は、周方向に沿って一周に亘って等間隔をあけて設けられる。各ロータ内流路34は、各マグネット保持部31に1つずつ設けられる。上述のように、各マグネット保持部31において、ロータ内流路34は、1つの第1マグネット41および一対の第2マグネット43,44に囲まれる。各ロータ内流路34には、冷媒Oが流れる。各ロータ内流路34は、冷媒Oが流れる冷媒流路90の一部を構成する。ロータコア30および複数のマグネット40の熱の一部は、ロータ内流路34を流れる冷媒Oに伝達される。ロータコア30および複数のマグネット40の熱の一部は、冷媒Oを介して放出される。
【0045】
図3に示すように、軸方向に見て、ロータ内流路34は、磁極仮想線Ldと重なる位置に設けられる。軸方向に見て、ロータ内流路34は、磁極仮想線Ldと直交する方向に延びる長穴状である。軸方向に見て、ロータ内流路34の周方向両端部は円弧状である。軸方向に見て、ロータ内流路34は、円形状および矩形状等の他の形状であってもよい。本実施形態において、ロータ内流路34の磁極仮想線Ldよりも周方向一方側(+θ側)の部分と、ロータ内流路34の磁極仮想線Ldよりも周方向他方側(-θ側)の部分とは、磁極仮想線Ldを対称軸として線対称な形状である。
【0046】
複数のロータ穴部35は、ロータコア30を軸方向に貫通する孔である。複数のロータ穴部35は、軸方向に底部を有する穴であってもよい。
図2に示すように、複数のロータ穴部35は、周方向に沿って一周に亘って等間隔をあけて設けられる。本実施形態において、ロータ穴部35は、8つ設けられる。
図3に示すように、軸方向に見て、ロータ穴部35は、周方向に互いに隣り合うマグネット保持部31同士の間における周方向の中心を通り径方向に延びる第2仮想線Lqと重なる位置に設けられる。軸方向に見て、ロータ穴部35は、径方向外側に凸となる角丸の略三角形状である。ロータコア30に複数のロータ穴部35を設けることによって、ロータコア30の軽量化を図ることができる。第2仮想線Lqは、軸方向に見て、ロータ10のq軸上を通っている。第2仮想線Lqが延びる方向は、ロータ10のq軸方向である。
【0047】
低熱伝導層80は、ロータコア30からマグネット40への伝熱を抑制する。低熱伝導層80は、軸方向に延びる。図示は省略するが、本実施形態において、低熱伝導層80は、マグネット40の左側(+Y側)の端部から右側(-Y側)の端部まで設けられる。低熱伝導層80は、複数のマグネット穴50のそれぞれに収容される。低熱伝導層80は、第1低熱伝導層81と、第2低熱伝導層83,84と、を含む。
【0048】
図4に示すように、第1低熱伝導層81は、第1マグネット穴51のうち、第1マグネット41の第1外側面41aと第1内側面51eとの間に設けられる。第2低熱伝導層83は、第2マグネット穴53のうち、第2マグネット43の第1外側面43aと第1内側面53eとの間に設けられる。第2低熱伝導層84は、第2マグネット穴54のうち、第2マグネット44の第1外側面44aと第1内側面54eとの間に設けられる。すなわち、低熱伝導層80は、複数のマグネット40それぞれの第1外側面41a,43a,44aとロータコア30との間に設けられる。第1低熱伝導層81は、低熱伝導部81aと、空隙部81bと、を有する。第2低熱伝導層83は、低熱伝導部83aと、空隙部83bと、を有する。第2低熱伝導層84は、低熱伝導部84aと、空隙部84bと、を有する。空隙部81b,83b,84bには、空気が充填される。
【0049】
本実施形態において、低熱伝導部81a,83a,84aは、シート状の部材である。低熱伝導部81a,83a,84aは、各マグネット40の第1外側面41a,43a,44aに取り付けられた状態で、各マグネット40とともに各マグネット穴50内に挿入される。図示は省略するが、本実施形態において、シート状の低熱伝導部81a,83a,84aのそれぞれは、各低熱伝導部81a,83a,84aの厚さ方向に見て、軸方向に延びる略長方形状である。各マグネット穴50内に配置された低熱伝導部81a,83a,84aは、加熱により発泡して体積が膨張し、膨張した状態で硬化する。低熱伝導部81a,83a,84aの熱伝導率は、ロータコア30の熱伝導率よりも小さい。
【0050】
低熱伝導部81aは、第1マグネット41を第1マグネット穴51の第2内側面51fに押し付ける。低熱伝導部83aは、第2マグネット43を第2マグネット穴53の第2内側面53fに押し付ける。低熱伝導部84aは、第2マグネット44を第2マグネット穴54の第2内側面54fに押し付ける。これらにより、各マグネット40は、各マグネット穴50に固定される。また、これらにより、各マグネット40それぞれの第2外側面41b,43b,44bは、ロータコア30と接触する。
【0051】
本実施形態において、低熱伝導部81a,83a,84aは、例えば、熱硬化性樹脂と、加熱により発泡可能な発泡剤と、を含む。低熱伝導部81a,83a,84aに含まれる発泡剤は、例えば、熱硬化性樹脂の硬化温度よりも低い温度で発泡し、最も膨張した状態に至る発泡剤であることが好ましい。これにより、ロータ10の加熱時に温度が上昇する過程において、発泡剤の発泡が完了した後で熱硬化性樹脂の硬化が始まるため、低熱伝導部81a,83a,84aが安定して膨張する。そのため、低熱伝導部81a,83a,84aによって、複数のマグネット40のそれぞれを複数のマグネット穴50の第2内側面51f,53f,54fに安定して押し付けることができ、複数のマグネット40のそれぞれを、マグネット穴50に安定して固定できる。
【0052】
また、図示は省略するが、本実施形態の低熱伝導部81a,83a,84aの表裏それぞれの面には、接着層が設けられる。これにより、低熱伝導部81a,83a,84aを介して、各マグネット40を、各マグネット穴50に接着固定できる。また、低熱伝導部81a,83a,84aを、複数のマグネット40それぞれの第1外側面41a,43a,44aおよびロータコア30と安定して接触させることができる。なお、低熱伝導部81a,83a,84aは、表裏何れか一方の面のみに接着層が設けられていてもよい。すなわち、低熱伝導部81a,83a,84aは、各マグネット40または各マグネット穴50の一方にのみ接着固定されていてもよい。また、低熱伝導部81a,83a,84aには、接着層が設けられなくてもよい。
【0053】
軸方向に見て、空隙部81bは、低熱伝導部81aの第1外側面41aが延びる方向の両側に配置される。第1外側面41aの一部は、空隙部81bに露出する。軸方向に見て、空隙部83bは、低熱伝導部83aの第1外側面43aが延びる方向の両側に配置される。第1外側面43aの一部は、空隙部83bに露出する。軸方向に見て、空隙部84bは、低熱伝導部84aの第1外側面44aが延びる方向の両側に配置される。第1外側面44aの一部は、空隙部84bに露出する。すなわち、複数のマグネット40それぞれの第1外側面41a,43a,44aの一部は、それぞれ、空隙部81b,83b,84bに露出する。空隙部81b,83b,84bの熱伝導率は、ロータコア30の熱伝導率よりも小さい。空隙部81b,83b,84bの熱伝導率は、低熱伝導部81a,83a,84aの熱伝導率よりも小さい。上述のように、低熱伝導部81a,83a,84aの熱伝導率は、ロータコア30の熱伝導率よりも小さい。したがって、低熱伝導層80の熱伝導率は、ロータコア30の熱伝導率よりも小さい。上述のように、複数のマグネット40の第2外側面41b,43b,44bは、それぞれ、ロータコア30の第2内側面51f,53f,54fと接触する。したがって、複数のマグネット40それぞれのロータ内流路34側と反対側を向く第1外側面41a,43a,44aとロータコア30との間の熱抵抗は、複数のマグネット40それぞれのロータ内流路34側を向く第2外側面41b,43b,44bとロータコア30との間の熱抵抗よりも大きい。
【0054】
ロータ10においては、径方向外側に位置する部分ほどステータ61との距離が近くなるため、ロータ10とステータ61との間を流れる磁束が多く通過する。そのため、第2マグネット43,44よりも径方向外側に配置される第1マグネット41を通過する磁束は、第2マグネット43,44を通過する磁束よりも多い。よって、駆動装置100を駆動する際に、中心軸線Jを中心としてロータ10を回転させると、第1マグネット41を通過する磁束の変化量は、第2マグネット43,44を通過する磁束の変化量よりも大きくなるため、第1マグネット41で発生する渦電流は、第2マグネット43,44で発生する渦電流よりも大きい。したがって、第1マグネット41で発生するジュール熱の熱量は、第2マグネット43,44で発生するジュール熱の熱量よりも大きいため、第1マグネット41は、第2マグネット43,44よりも温度上昇する。
【0055】
また、駆動装置100を駆動すると、ロータコア30の外周面には、ステータコア61aとロータコア30との間の隙間を介してステータ61の熱が伝達され、且つ、ステータコア61aからの輻射によって輻射熱が生じるため、ロータコア30の外周面の温度は上昇する。第2マグネット43,44よりも径方向外側に配置される第1マグネット41は、ロータコア30の外周面との間の距離が短いため、ステータコア61aの熱が伝達し易く、第2マグネット43,44よりも温度が上昇し易い。これらにより、駆動装置100を駆動する際に、第1マグネット41は、第2マグネット43,44よりも温度上昇し易く、また、温度上昇により減磁し易い。
【0056】
冷媒流路90は、ギヤハウジング63b内に貯留された冷媒Oをロータ10およびステータ61に供給する経路である。
図1に示すように、冷媒流路90には、ポンプ97およびクーラ98が設けられる。冷媒流路90は、第1流路部91と、第2流路部92と、第3流路部93と、第4流路部94と、第5流路部95と、シャフト内流路96と、ロータ内流路34と、を有する。
【0057】
第1流路部91、第2流路部92、および第3流路部93は、例えば、ギヤハウジング63bの壁部に設けられる。第1流路部91は、ギヤハウジング63b内の冷媒Oが貯留される下部領域とポンプ97とを繋ぐ。第2流路部92は、ポンプ97とクーラ98とを繋ぐ。第3流路部93は、クーラ98と第4流路部94とを繋ぐ。
【0058】
第4流路部94は、軸方向に延びるパイプである。第4流路部94の軸方向両端は、モータハウジング63aに支持される。第4流路部94は、ステータ61の上側に配置される。第4流路部94は、複数の供給口94aを有する。供給口94aは、第4流路部94を径方向に貫通する孔である。本実施形態において、供給口94aは、第4流路部94内に流入した冷媒Oの一部を、第4流路部94の外部に噴射する噴射口である。第5流路部95は、蓋部63eに設けられる。第5流路部95は、第4流路部94とシャフト内流路96とを繋ぐ。
【0059】
シャフト内流路96は、中空のシャフト20の内側面によって構成される。シャフト内流路96は、軸方向に延びる。シャフト内流路96の左側(+Y側)の端部は、ギヤハウジング63bの内部に位置し、左側に開口する。上述のように、ロータ内流路34は、ロータコア30を軸方向に貫通する孔である。ロータ内流路34の軸方向中央部は、複数の孔部20aと繋がる。ロータ内流路34は、複数の孔部20aを介して、シャフト内流路96と繋がる。
【0060】
ポンプ97が駆動されると、ギヤハウジング63b内の下部領域に貯留された冷媒Oは、第1流路部91を通ってポンプ97に吸い上げられ、第2流路部92を通ってクーラ98内に流入する。クーラ98内に流入した冷媒Oは、クーラ98内で冷却された後、第3流路部93を通って、第4流路部94に流入する。第4流路部94内に流入した冷媒Oの一部は、供給口94aから噴射されて、ステータ61に供給される。第4流路部94に流入した冷媒Oの他の一部は、第5流路部95を通って、シャフト内流路96に流入する。
【0061】
シャフト内流路96に流入した冷媒Oの一部は、複数の孔部20aを介して、ロータ内流路34に流入する。シャフト内流路96を流れる冷媒Oの他の一部は、シャフト20の左側(+Y側)の開口からギヤハウジング63bの内部に流入し、再びギヤハウジング63b内に下部領域に貯留される。
【0062】
ロータ内流路34に流入した冷媒Oは、ロータ内流路34を左側(+Y側)および右側(-Y側)に向けて流れる。ロータ内流路34を流れる冷媒Oは、ロータ内流路34の内側面と接触し、ロータコア30の熱および複数のマグネット40の熱を吸熱する。これにより、ロータコア30の熱および複数のマグネット40の熱は冷媒Oに放出され、ロータコア30および複数のマグネット40は冷却される。ロータ内流路34を流れる冷媒Oは、ロータコア30の軸方向両端から径方向外側に飛散し、ステータ61に供給される。
【0063】
第4流路部94の供給口94a、およびロータ内流路34の軸方向両端からステータ61に供給された冷媒Oは、ステータ61の熱を吸熱することによって、ステータ61を冷却する。ステータ61に供給された冷媒Oは、下側に落下し、モータハウジング63a内の下部領域に溜まる。モータハウジング63a内の下部領域に溜った冷媒Oは、隔壁開口63fを介してギヤハウジング63b内に戻る。
【0064】
本実施形態によれば、中心軸線Jと直交する断面において、ロータ内流路34は、複数のマグネット40に囲まれる。複数のマグネット40それぞれのロータ内流路34側と反対側を向く第1外側面41a,43a,44aとロータコア30との間の熱抵抗は、複数のマグネット40それぞれのロータ内流路34側を向く第2外側面41b,43b,44bとロータコア30との間の熱抵抗よりも大きい。よって、
図4に示す、ロータ内流路34側の反対側から各マグネット40の第1外側面41a,43a,44aに流れ込む熱量T11,T31,T41を小さくでき、各マグネット40の第2外側面41b,43b,44bからロータ内流路34側に放出される熱量T12,T32,T42を大きくできる。これらにより、各マグネット40の第2外側面41b,43b,44bからロータ内流路34側に放出される熱量T12,T32,T42を、ロータ内流路34側の反対側から各マグネット40の第1外側面41a,43a,44aに流れ込む熱量T11,T31,T41よりも相対的に大きくできる。また、ロータ内流路34が複数のマグネット40に囲まれるため、各マグネット40をロータ内流路34に近づけて配置し易く、各マグネット40の熱を冷媒Oに伝達し易い。これらにより、ロータコア30を介して、各マグネット40からロータ内流路34を流れる冷媒Oに伝達される熱量を、ロータコア30から各マグネット40に伝達される熱量よりも大きくできる。したがって、ロータ内流路34を流れる冷媒Oを介して、各マグネット40の熱を安定的に放出できるため、各マグネット40の温度上昇を抑制できる。
【0065】
また、複数のマグネット40のうち、ロータ内流路34よりも径方向外側に配置されるマグネットは、ロータコア30の外周面との間の距離が短いため、上述のように、ステータ61から供給される熱によって、温度上昇し易い。しかしながら、本実施形態では、該マグネットの径方向外側を向く第1外側面とロータコア30との間の熱抵抗を大きくできるため、ロータコア30を介して、ステータ61から該マグネットの第1外側面に伝達される熱量を低減できる。したがって、該マグネットの温度上昇をより好適に抑制できる。
【0066】
また、本実施形態では、各マグネット40の温度上昇を抑制できるため、各マグネット40が減磁することを抑制できる。したがって、回転電機60および駆動装置100の駆動効率が低下することを抑制できる。
【0067】
本実施形態によれば、複数の磁極部10Pのそれぞれは、一つの第1マグネット41と、一対の第2マグネット43,44と、を有し、一対の第2マグネット43,44は、軸方向に見て、径方向内側から径方向外側に向かうにしたがって互いに周方向に離れる方向に延びる。よって、第1マグネット41および一対の第2マグネット43,44それぞれの第2外側面41b,43b,44bからロータ内流路34側に流れる熱量を大きくし易いため、ロータコア30を介して、各マグネット40からロータ内流路34を流れる冷媒Oに伝達される熱量を大きくし易い。したがって、ロータ内流路34を流れる冷媒Oを介して、第1マグネット41および第2マグネット43,44それぞれの熱を安定的に放出できるため、第1マグネット41および第2マグネット43,44それぞれの温度上昇を抑制できる。
【0068】
また、上述のように、第2マグネット43,44よりも径方向外側に配置される第1マグネット41は、ロータコア30の外周面との間の距離が短いため、ステータ61から供給される熱によって、温度上昇し易い。しかしながら、本実施形態では、第1マグネット41の径方向外側を向く第1外側面41aとロータコア30との間の熱抵抗を大きくできるため、ロータコア30を介して、ステータ61から第1外側面41aに伝達される熱量を好適に抑制でき、第1マグネット41の温度上昇をより好適に抑制できる。
【0069】
本実施形態によれば、第1マグネット41は、軸方向に見て、磁極部10Pの周方向の中心を通り径方向に延びる磁極仮想線Ldと直交する方向に延びる。よって、軸方向に見て、第1マグネット41が、磁極仮想線Ldと直交する方向から傾いた方向に延びる場合と比較して、第2外側面41bとロータ内流路34との間の最長距離を短くし易い。したがって、周方向において、第1マグネット41の放熱量のばらつきを抑制し易いため、第1マグネット41の一部の温度が高くなりすぎることを抑制し易い。
【0070】
本実施形態によれば、複数のマグネット40それぞれの第1外側面41a,43a,44aとロータコア30との間には、低熱伝導層80が設けられ、低熱伝導層80の熱伝導率は、ロータコア30の熱伝導率よりも小さい。よって、各マグネット40の第1外側面41a,43a,44aがロータコア30と直接接触する場合と比較して、各マグネット40の第1外側面41a,43a,44aとロータコア30との間の熱抵抗を好適に大きくできるため、ロータコア30から各マグネット40に伝達される熱量を低減できる。したがって、各マグネット40の温度上昇を好適に抑制できる。
【0071】
本実施形態によれば、低熱伝導層80は、複数のマグネット40それぞれの第1外側面41a,43a,44aおよびロータコア30と接触する低熱伝導部81a,83a,84aを有し、低熱伝導部81a,83a,84aの熱伝導率は、ロータコア30の熱伝導率よりも小さく、複数のマグネット40それぞれの第2外側面41b,43b,44bは、ロータコア30と接触する。よって、低熱伝導部81a,83a,84aによって、各マグネット40の第2外側面41b,43b,44bと各マグネット穴50の第2内側面51f,53f,54fとを安定して接触させることができるため、第2外側面41b,43b,44bとロータコア30との間の熱抵抗を安定的に小さくできる。したがって、第2外側面41b,43b,44bからロータ内流路34側に流れる熱量を安定的に大きくできるため、第1マグネット41および第2マグネット43,44それぞれの温度上昇を安定的に抑制できる。
【0072】
また、本実施形態では、上述のように、低熱伝導部81a,83a,84aによって、各マグネット40の第2外側面41b,43b,44bを各マグネット穴50の第2内側面51f,53f,54fに押し付けることができる。そのため、低熱伝導部81a,83a,84aによって、各マグネット40を各マグネット穴50に固定できる。したがって、低熱伝導部81a,83a,84aを、各マグネット40をマグネット穴50に固定する固定材、およびロータコア30から各マグネット40に伝達される熱量を低減する断熱材として利用できるため、固定材および断熱材のそれぞれを別個に設ける場合と比較して、ロータ10、回転電機60、および駆動装置100の製造コストが増大することを抑制できる。
【0073】
本実施形態では、低熱伝導層80は、空隙部81b,83b,84bを有し、複数のマグネット40それぞれの第1外側面41a,43a,44aの一部は、空隙部81b,83b,84bに露出する。上述のように、空隙部81b,83b,84bの熱伝導率は、低熱伝導部81a,83a,84aの熱伝導率よりも小さいため、各低熱伝導層81,83,84それぞれが低熱伝導部のみによって構成される場合と比較して、各マグネット40の第1外側面41a,43a,44aとロータコア30との間の熱抵抗を大きくできる。したがって、ロータコア30から各マグネット40に伝達される熱量をより好適に抑制できるため、各マグネット40の温度上昇をより好適に抑制できる。
【0074】
また、本実施形態では、低熱伝導層80が、低熱伝導部81a,83a,84aおよび空隙部81b,83b,84bによって構成されるため、各低熱伝導層81,83,84それぞれが低熱伝導部のみによって構成される場合と比較して、低熱伝導部81a,83a,84aの体積および重量が増大することを抑制できる。したがって、低熱伝導層80の製造コストが増大することを抑制できるため、ロータ10、回転電機60、および駆動装置100の製造コストが増大することを抑制できる。
【0075】
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態の駆動装置200のロータ210の一部を示す断面図である。以下の説明において、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0076】
本実施形態の回転電機260のロータ210は、高熱伝導層285を備える。高熱伝導層285は、複数のマグネット40それぞれからロータコア30への伝熱を高める。高熱伝導層285は、軸方向に延びる。図示は省略するが、本実施形態において、高熱伝導層285は、マグネット40の左側(+Y側)の端部から右側(-Y側)の端部まで設けられる。高熱伝導層285は、複数のマグネット穴50のそれぞれに収容される。高熱伝導層285の熱伝導率は、ロータコア30の熱伝導率よりも大きい。高熱伝導層285は、第1高熱伝導層286と、第2高熱伝導層287,288と、を含む。
【0077】
第1高熱伝導層286は、第1マグネット穴51のうち、第2外側面41bと第2内側面51fとの間に設けられる。第2高熱伝導層287は、第2マグネット穴53のうち、第2外側面43bと第2内側面53fとの間に設けられる。第2高熱伝導層288は、第2マグネット穴54のうち、第2外側面44bと第2内側面54fとの間に設けられる。すなわち、高熱伝導層285は、複数のマグネット40それぞれの第2外側面41b,43b,44bとロータコア30との間に設けられる。複数のマグネット40それぞれの第2外側面41b,43b,44bは、高熱伝導層285を介してロータコア30と接触する。
【0078】
本実施形態によれば、複数のマグネット40それぞれの第2外側面41b,43b,44bは、高熱伝導層285を介してロータコア30と接触し、高熱伝導層285の熱伝導率は、ロータコア30の熱伝導率よりも大きい。よって、各マグネット40の第2外側面41b,43b,44bが直接ロータコア30と接触する場合と比較して、各マグネット40の第2外側面41b,43b,44bとロータコア30との間の熱抵抗を小さくできる。そのため、各マグネットの第2外側面41b,43b,44bからロータ内流路34側に流れる熱量をより好適に大きくでき、ロータコア30を介して、各マグネット40からロータ内流路34を流れる冷媒Oに伝達される熱量をより好適に大きくできる。したがって、各マグネット40それぞれの熱をより安定的に放出できるため、各マグネット40それぞれの温度上昇をより好適に抑制できる。
【0079】
本実施形態において、第1高熱伝導層286の厚さは、低熱伝導部81aの厚さと略同じである。第1マグネット41が延びる方向において、第1高熱伝導層286の寸法は、低熱伝導部81aの寸法よりも大きい。第2高熱伝導層287の厚さは、低熱伝導部83aの厚さと略同じである。第2マグネット43が延びる方向において、第2高熱伝導層287の寸法は、低熱伝導部83aの寸法よりも大きい。第2高熱伝導層288の厚さは、低熱伝導部84aの厚さと略同じである。第2マグネット44が延びる方向において、第2高熱伝導層288の寸法は、低熱伝導部84aの寸法よりも大きい。したがって、軸方向に見て、低熱伝導部の面積は、高熱伝導層285の面積よりも小さい。なお、本明細書において、低熱伝導部の面積は、軸方向に見た3つの低熱伝導部81a,83a,84aそれぞれの面積を足し合わせた面積である。
【0080】
本実施形態によれば、軸方向に見て、低熱伝導部の面積は、高熱伝導層285の面積よりも小さい。よって、軸方向に見て、低熱伝導部81a,83a,84aの面積に対する空隙部81b,83b,84bの面積を相対的に大きくし易いため、各マグネット40の第1外側面41a,43a,44aとロータコア30との間の熱抵抗を大きくし易い。そのため、ロータコア30から各マグネット40に伝達される熱量を好適に抑制できる。加えて、軸方向に見て、高熱伝導層285の面積を大きくし易いため、各マグネット40の第2外側面41b,43b,44bとロータコア30との間の熱抵抗を小さくし易い。そのため、ロータコア30を介して、各マグネット40からロータ内流路34を流れる冷媒Oに伝達される熱量を好適に増大させることができる。これらにより、各マグネット40の温度上昇をより好適に抑制できる。
【0081】
本実施形態において、高熱伝導層285は、例えば、粉末状の熱伝導フィラーを含有する熱硬化性樹脂によって構成される。熱伝導フィラーとしては、例えば、銀および銅等の電磁鋼板よりも高い熱伝導率を有する金属材料を用いることができる。また、熱硬化性樹脂は、エポキシ系接着剤およびフェノール系接着剤等の熱硬化性接着剤によって構成されることが好ましい。本実施形態では、各マグネット40の第2外側面41b,43b,44bおよび各マグネット穴50の第2内側面51f,53f,54fの少なくとも一方に高熱伝導層285を塗布し、各マグネット40の第1外側面41a,43a,44aに低熱伝導部81a,83a,84aを取り付けた状態で、各マグネット40を各マグネット穴50内に挿入し、ロータ10を加熱することにより、低熱伝導部81a,83a,84aを発泡および硬化するとともに、高熱伝導層285を硬化する。これにより、低熱伝導部81a,83a,84aそれぞれの膨張によって、高熱伝導層285を介して、各マグネット40のそれぞれを各マグネット穴50の第2内側面51f,53f,54fに押し付けつつ、高熱伝導層285を硬化させることができる。したがって、高熱伝導層285を介して、複数のマグネット40それぞれの第2外側面41b,43b,44bとロータコア30と安定して接触させることができる。
【0082】
<第3実施形態>
図6は、第3実施形態の駆動装置300のロータ310の一部を示す断面図である。以下の説明において、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0083】
本実施形態のロータ310は、低熱伝導層380と、高熱伝導層385と、を備える。本実施形態の低熱伝導層380は、第1低熱伝導層81のみを含む。すなわち、低熱伝導層380は、上述の実施形態の低熱伝導層80が有する第2低熱伝導層83,84を有しない。なお、本実施形態の第1低熱伝導層81の構成等は、上述の実施形態の第1低熱伝導層81の構成等と同一である。低熱伝導層380の熱伝導率は、ロータコア30の熱伝導率よりも小さい。
【0084】
本実施形態において、第1マグネット41の第1外側面41aは、第1低熱伝導層81を介して、第1マグネット穴51の第1内側面51eと接触する。すなわち、第1マグネット41の第1外側面41aは、低熱伝導層380を介して、ロータコア30と接触する。第1マグネット41の第2外側面41bは、第2内側面51fと直接接触する。すなわち、第2外側面41bは、ロータコア30と直接接触する。
【0085】
本実施形態の高熱伝導層385は、第2高熱伝導層287,288のみを有する。すなわち、高熱伝導層385は、上述の第2実施形態の高熱伝導層285が有する第1高熱伝導層286を有しない。なお、本実施形態の第2高熱伝導層287,288の構成等は、上述の第2実施形態の第2高熱伝導層287,288の構成等と同一である。高熱伝導層385の熱伝導率は、ロータコア30の熱伝導率よりも大きい。
【0086】
本実施形態において、第2マグネット43の第2外側面43bは、第2高熱伝導層287を介して、第2マグネット穴53の第2内側面53fと接触する。第2マグネット44の第2外側面44bは、第2高熱伝導層288を介して、第2マグネット穴54の第2内側面54fと接触する。すなわち、第2マグネット43,44の第2外側面43b,44bは、高熱伝導層385を介して、ロータコア30と接触する。本実施形態において、第2マグネット43,44の第1外側面43a,44aは、第1内側面53e,54eと直接接触する。
【0087】
本実施形態によれば、第2マグネット43,44の第2外側面43b,44bは、高熱伝導層385を介してロータコア30と接触し、第1マグネット41の第1外側面41aは、低熱伝導層380を介してロータコア30と接触し、第1マグネット41の第2外側面41bは、ロータコア30と直接接触する。低熱伝導層380の熱伝導率は、ロータコア30の熱伝導率よりも小さく、高熱伝導層385の熱伝導率は、ロータコア30の熱伝導率よりも大きい。よって、第2マグネット43,44よりも径方向外側に配置される第1マグネット41では、径方向外側を向く第1外側面41aとロータコア30との間の熱抵抗を大きくできるため、ロータコア30を介して、ステータ61から第1マグネット41の第1外側面41aに伝達される熱量を低減できる。したがって、第1マグネット41の温度上昇を抑制できる。また、第2マグネット43,44では、ロータ内流路34側を向く第2外側面43b,44bとロータコア30との間の熱抵抗を小さくできるため、ロータコア30を介して、第2マグネット43,44からロータ内流路34を流れる冷媒Oに伝達される熱量を大きくできる。したがって、第2マグネット43,44それぞれの熱を安定的に放出できるため、第2マグネット43、44それぞれの温度上昇を好適に抑制できる。
【0088】
また、本実施形態では、第1マグネット41とロータコア30との間には高熱伝導層が設けられず、第2マグネット43,44とロータコア30との間には低熱伝導層が設けられない。したがって、低熱伝導層を構成する低熱伝導部および高熱伝導層の使用量が増大することを抑制できるため、ロータ310、回転電機360、および駆動装置300の製造コストが増大することを抑制できる。
【0089】
<第4実施形態>
図7は、第4実施形態の駆動装置400のロータ410の一部を示す断面図である。以下の説明において、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0090】
本実施形態の回転電機460のロータ410は、シャフト20と、ロータコア430と、複数のマグネット440と、低熱伝導層480と、を備える。ロータコア430は、複数のマグネット保持部431と、複数のロータ内流路34と、を有する。本実施形態の複数のロータ内流路34の構成等は、上述の第1実施形態の複数のロータ内流路34の構成等と同一である。
【0091】
本実施形態において、複数のマグネット保持部431には、1つのロータ内流路34および複数のマグネット穴450が設けられる。本実施形態において、複数のマグネット穴450は、第1マグネット穴451,452と、第1マグネット穴451,452よりも径方向内側に設けられる一対の第2マグネット穴53,54と、を含む。複数のマグネット保持部431のそれぞれには、一対の第1マグネット穴451,452と一対の第2マグネット穴53,54が設けられる。本実施形態の第2マグネット穴53,54の構成等は、上述の実施形態の第2マグネット穴53,54の構成等と同一である。
【0092】
本実施形態において、複数のマグネット440は、一対の第1マグネット穴451,452のそれぞれに収容される一対の第1マグネット441,442と、一対の第2マグネット穴53,54のそれぞれに収容される一対の第2マグネット43,44と、を含む。本実施形態の第2マグネット43,44の構成等は、上述の実施形態の第2マグネット43,44の構成等と同一である。
【0093】
本実施形態において、複数の磁極部410Pのそれぞれは、1つのマグネット保持部431と、該1つのマグネット保持部431に設けられるマグネット穴450に収容される複数のマグネット440と、によって構成される。複数の磁極部410Pのそれぞれは、一対の第1マグネット穴451,452と、一対の第2マグネット穴53,54と、一対の第1マグネット441,442と、一対の第2マグネット43,44と、を有する。複数の磁極部410Pのその他の構成は、上述の実施形態の複数の磁極部10Pのその他の構成と同一である。
【0094】
各磁極部410Pのそれぞれにおいて、第1マグネット穴451と第1マグネット穴452は、磁極仮想線Ldを周方向に挟んで配置される。磁極仮想線Ldは、一対の第1マグネット穴451,452同士の間における周方向の中心を通る。一対の第1マグネット穴451,452は、一対の第2マグネット穴53,54同士の周方向の間に配置される。軸方向に見て、一対の第1マグネット穴451,452は、径方向内側から径方向外側に向かうにしたがって互いに周方向に離れる方向に延びる。軸方向に見て、一対の第1マグネット穴451,452は、径方向外側に向かうにしたがって周方向に広がるV字形状に沿って配置される。軸方向に見て、第1マグネット穴451と第1マグネット穴452とは、磁極仮想線Ldを対称軸として線対称な形状である。
【0095】
第1マグネット穴451は、マグネット収容穴部451aと、内側穴部451bと、外側穴部451cと、を有する。軸方向に見て、マグネット収容穴部451aは、第1マグネット穴451が延びる方向を長辺とする長方形状である。マグネット収容穴部451aは、ロータ内流路34の径方向外側、且つ、周方向一方側(+θ側)に配置される。マグネット収容穴部451aは、第1内側面451eと、第2内側面451fと、を有する。第1内側面451eは、マグネット収容穴部451aの内側面のうち、ロータ内流路34側を向く面である。第2内側面451fは、マグネット収容穴部451aの内側面のうち、ロータ内流路34側と反対側を向く面である。内側穴部451bは、マグネット収容穴部451aの径方向内側の端部に繋がる。外側穴部451cは、マグネット収容穴部451aの径方向外側の端部に繋がる。内側穴部451bおよび外側穴部451cは、フラックスバリア部を構成する。
【0096】
第1マグネット穴452は、マグネット収容穴部452aと、内側穴部452bと、外側穴部452cと、を有する。軸方向に見て、マグネット収容穴部452aは、第1マグネット穴452が延びる方向を長辺とする長方形状である。マグネット収容穴部451aは、ロータ内流路34の径方向外側、且つ、周方向他方側(-θ側)に配置される。マグネット収容穴部452aは、第1内側面452eと、第2内側面452fと、を有する。第1内側面452eは、マグネット収容穴部452aの内側面のうち、ロータ内流路34側を向く面である。第2内側面452fは、マグネット収容穴部452aの内側面のうち、ロータ内流路34側と反対側を向く面である。内側穴部452bは、マグネット収容穴部452aの径方向内側の端部に繋がる。外側穴部452cは、マグネット収容穴部452aの径方向外側の端部に繋がる。内側穴部452bおよび外側穴部452cは、フラックスバリア部を構成する。第1マグネット穴451,452それぞれのその他の構成等は、上述の実施形態の第1マグネット穴51のその他の構成等と同一である。
【0097】
軸方向に見て、一対の第1マグネット441,442は、径方向内側から径方向外側に向かうにしたがって互いに周方向に離れる方向に延びる。軸方向に見て、一対の第1マグネット441,442は、径方向外側に向かうにしたがって周方向に広がるV字形状に沿って配置される。第1マグネット441は、マグネット収容穴部451a内に配置される。第1マグネット441は、ロータ内流路34の径方向外側、且つ、周方向一方側(+θ側)に配置される。第1マグネット442は、マグネット収容穴部452a内に配置される。第1マグネット442は、ロータ内流路34の径方向外側、且つ、周方向他方側(-θ側)に配置される。中心軸線Jと直交する断面において、ロータ内流路34は、複数のマグネット440に囲まれる。
【0098】
第1マグネット441は、第1外側面441aと、第2外側面441bと、を有する。第1外側面441aは、第1マグネット441の外側面のうち、ロータ内流路34側と反対側を向く面である。第1外側面441aは、第1内側面451eと対向する。第2外側面441bは、第1マグネット441の外側面のうち、ロータ内流路34側を向く面である。第2外側面441bは、第2内側面451fと対向する。
【0099】
第1マグネット442は、第1外側面442aと、第2外側面442bと、を有する。第1外側面442aは、第1マグネット442の外側面のうち、ロータ内流路34側と反対側を向く面である。第1外側面442aは、第1内側面452eと対向する。第2外側面442bは、第1マグネット442の外側面のうち、ロータ内流路34側を向く面である。第2外側面442bは、第2内側面452fと対向する。第1マグネット441,442それぞれのその他の構成等は、上述の実施形態の第1マグネット41のその他の構成等と同一である。
【0100】
低熱伝導層480は、複数のマグネット穴450それぞれに収容される。低熱伝導層480は、第1低熱伝導層481,482と、第2低熱伝導層83,84と、を含む。本実施形態の第2低熱伝導層83,84の構成等は、上述の実施形態の第2低熱伝導層83,84の構成等と同一である。
【0101】
第1低熱伝導層481は、第1マグネット穴451のうち、第1外側面441aと第1内側面451eとの間に設けられる。第1低熱伝導層482は、第1マグネット穴452のうち、第1外側面442aと第1内側面452eとの間に設けられる。すなわち、第1低熱伝導層481は、第1マグネット441,442それぞれの第1外側面441a,442aとロータコア430との間に設けられる。第1低熱伝導層481,482の熱伝導率は、ロータコア430の熱伝導率よりも小さい。第1低熱伝導層481は、低熱伝導部481aと、空隙部481bと、を有する。第1低熱伝導層482は、低熱伝導部482aと、空隙部482bと、を有する。
【0102】
低熱伝導部481aは、第1マグネット441を第2内側面451fに押し付ける。低熱伝導部482aは、第1マグネット442を第2内側面452fに押し付ける。これらにより、第1マグネット441,442のそれぞれは、第1マグネット穴451,452に固定される。また、これらにより、第1マグネット441,442それぞれの第2外側面441b,442bは、ロータコア430と接触する。低熱伝導部481a,482aの熱伝導率は、ロータコア430の熱伝導率よりも小さい。低熱伝導部481a,482aのその他の構成等は、上述の実施形態の低熱伝導部81aのその他の構成等と同一である。
【0103】
軸方向に見て、空隙部481bは、低熱伝導部481aの第1外側面441aが延びる方向の両側に配置される。第1マグネット441の第1外側面441aの一部は、空隙部481bに露出する。軸方向に見て、空隙部482bは、低熱伝導部482aの第1外側面442aが延びる方向の両側に配置される。第1マグネット442の第1外側面442aの一部は、空隙部482bに露出する。空隙部481b,482bのその他の構成等は、上述の実施形態の空隙部81bのその他の構成等と同一である。
【0104】
上述のように、第1マグネット441,442の第2外側面441b,442bは、それぞれ、ロータコア430の第2内側面451f,452fと接触する。第1マグネット441,442の第1外側面441a,442aは、それぞれ、ロータコア430よりも熱伝導率が小さい第1低熱伝導層481,482を介してロータコア430の第1内側面451e,452eと接触する。したがって、第1マグネット441,442それぞれのロータ内流路34側と反対側を向く第1外側面441a,442aとロータコア430との間の熱抵抗は、第1マグネット441,442それぞれのロータ内流路34側を向く第2外側面441b,442bとロータコア430との間の熱抵抗よりも大きい。
【0105】
本実施形態によれば、複数の磁極部410Pのそれぞれは、一対の第1マグネット441,442を有し、一対の第1マグネット441,442は、軸方向に見て、径方向内側から径方向外側に向かうにしたがって互いに周方向に離れる方向に延びる。また、一対の第1マグネット441,442それぞれのロータ内流路34側と反対側を向く第1外側面441a,442aとロータコア430との間の熱抵抗は、一対の第1マグネット441,442それぞれのロータ内流路34側を向く第2外側面441b,442bとロータコア430との間の熱抵抗よりも大きい。よって、一対の第1マグネット441,442それぞれの第2外側面441b,442bからロータ内流路34側に放出される熱量T12,T22を、ロータコア430から一対の第1マグネット441,442それぞれの第1外側面441a,442aに流れ込む熱量T11,T21よりも大きくできる。また、ロータ内流路34が複数のマグネット440に囲まれるため、一対の第1マグネット441,442をロータ内流路34に近づけて配置し易く、一対の第1マグネット441,442の熱を冷媒Oに好適に伝達し易い。そのため、ロータコア30を介して、一対の第1マグネット441,442それぞれからロータ内流路34を流れる冷媒Oに伝達される熱量を、ロータコア30から一対の第1マグネット441,442それぞれに伝達される熱量よりも大きくできる。したがって、ロータ内流路34を流れる冷媒Oを介して、一対の第1マグネット441,442それぞれの熱を安定的に放出できるため、一対の第1マグネット441,442それぞれの温度上昇を抑制できる。
【0106】
なお、本実施形態では、複数のマグネット440それぞれの第2外側面441b,442b,43b,44bとロータコア430との間に上述の高熱伝導層を設けてもよく、この場合、複数のマグネット440それぞれの温度上昇をより好適に抑制できる。また、複数のマグネット440それぞれの第2外側面441b,442b,43b,44bのうち1つ以上の第2外側面とロータコア430との間に高熱伝導層を設けてもよい。
【0107】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。ロータ内流路は、軸方向に見て、複数のマグネットに囲まれて配置されるのであれば、どのような形状であってもよいし、どのように配置されてもよい。例えば、軸方向に見て、ロータ内流路は、円形状および矩形状等の形状であってもよい。ロータ内流路内を流れる冷媒の種類は、特に限定されない。ロータ内流路内への冷媒の供給方法は、どのような方法であってもよい。
【0108】
低熱伝導層の構成は、本実施形態に限定されず、例えば、低熱伝導層は空隙部を有さず、低熱伝導層が低熱伝導部のみによって構成されていてもよいし、低熱伝導部が空隙部の第1外側面が延びる方向の両側に配置されていてもよい。また、複数の低熱伝導層の構成はそれぞれ異なっていてもよく、例えば、1つの低熱伝導層は空隙部を有し、他の低熱伝導層は空隙部を有していなくてもよい。
【0109】
1つのマグネット保持部に設けられるロータ内流路の数は、1つ以上であれば、特に限定されない。1つのマグネット保持部にロータ内流路が複数設けられる場合、複数のロータ内流路は、径方向に間隔を空けて並んで配置されてもよいし、周方向に間隔をあけて並んで配置されてもよい。また、ロータ穴部は設けられなくてもよい。
【0110】
本発明が適用される回転電機は、モータに限られず、発電機であってもよい。回転電機の用途は、特に限定されない。回転電機は、車両以外の機器に搭載されてもよい。本発明が適用される駆動装置の用途は、特に限定されない。駆動装置は、例えば、車軸を回転させる用途以外の用途で車両に搭載されてもよいし、車両以外の機器に搭載されてもよい。
回転電機、および駆動装置が用いられる際の姿勢は、特に限定されない。回転電機の中心軸は、鉛直方向と直交する水平方向に対して傾いていてもよいし、鉛直方向に延びてもよい。
【0111】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0112】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 中心軸線を中心として回転可能なロータであって、複数のマグネット穴、および冷媒が流れる流路を有するロータコアと、複数の前記マグネット穴のそれぞれに収容される複数のマグネットと、を備え、複数の前記マグネット穴および前記流路は、それぞれ、軸方向に延び、前記中心軸線と直交する断面において、前記流路は、複数の前記マグネットに囲まれ、複数の前記マグネットそれぞれの前記流路側と反対側を向く第1外側面と前記ロータコアとの間の熱抵抗は、複数の前記マグネットそれぞれの前記流路側を向く第2外側面と前記ロータコアとの間の熱抵抗よりも大きい、ロータ。
(2) 周方向に沿って配置される複数の磁極部を備え、複数の前記マグネットは、第1マグネットと、第2マグネットと、を含み、複数の前記マグネット穴は、前記第1マグネットを収容する第1マグネット穴と、第1マグネット穴よりも径方向内側に配置され、前記第2マグネットを収容する第2マグネット穴と、を含み、複数の前記磁極部のそれぞれは、少なくとも一つの前記第1マグネットと、一対の前記第2マグネットと、を有し、一対の前記第2マグネットは、軸方向に見て、径方向内側から径方向外側に向かうにしたがって互いに周方向に離れる方向に延びる、(1)に記載のロータ。
(3) 複数の前記磁極部のそれぞれは、1つの前記第1マグネットを有し、前記第1マグネットは、軸方向に見て、前記磁極部の周方向の中心を通り径方向に延びる磁極仮想線と直交する方向に延びる、(2)に記載のロータ。
(4) 複数の前記磁極部のそれぞれは、一対の前記第1マグネットを有し、一対の前記第1マグネットは、軸方向に見て、径方向内側から径方向外側に向かうにしたがって互いに周方向に離れる方向に延びる、(2)に記載のロータ。
(5) 複数の前記マグネットそれぞれの前記第1外側面と前記ロータコアとの間には、低熱伝導層が設けられ、前記低熱伝導層の熱伝導率は、前記ロータコアの熱伝導率よりも小さい、(1)から(4)のいずれか一項に記載のロータ。
(6) 前記低熱伝導層は、複数の前記マグネットそれぞれの前記第1外側面および前記ロータコアと接触する低熱伝導部を有し、前記低熱伝導部の熱伝導率は、前記ロータコアの熱伝導率よりも小さく、複数の前記マグネットそれぞれの前記第2外側面は、前記ロータコアと接触する、(5)に記載のロータ。
(7) 前記低熱伝導層は、空隙部を有し、複数の前記マグネットそれぞれの前記第1外側面の一部は、前記空隙部に露出する、(6)に記載のロータ。
(8) 複数の前記マグネットそれぞれの前記第2外側面は、高熱伝導層を介して前記ロータコアと接触し、前記高熱伝導層の熱伝導率は、前記ロータコアの熱伝導率よりも大きい、(6)または(7)に記載のロータ。
(9) 軸方向に見て、前記低熱伝導部の面積は、前記高熱伝導層の面積よりも小さい、(8)に記載のロータ。
(10) 前記第2マグネットの前記第2外側面は、高熱伝導層を介して前記ロータコアと接触し、前記第1マグネットの前記第1外側面は、低熱伝導層を介して前記ロータコアと接触し、前記第1マグネットの前記第2外側面は、前記ロータコアと直接接触し、前記低熱伝導層の熱伝導率は、前記ロータコアの熱伝導率よりも小さく、前記高熱伝導層の熱伝導率は、前記ロータコアの熱伝導率よりも大きい、(2)から(4)のいずれか一項に記載のロータ。
(11) (1)から(10)のいずれか一項に記載のロータと、前記ロータの径方向外側に配置されるステータと、を備える、回転電機。
(12) (11)に記載の回転電機と、前記ロータに接続されるギヤ機構と、を備える、駆動装置。
【符号の説明】
【0113】
10,210,310,410…ロータ、10P,410P…磁極部、30,430…ロータコア、34…ロータ内流路(流路)、40,440…マグネット、41,441,442…第1マグネット、41a,43a,44a,441a,442a…第1外側面、41b,43b,44b,441b,442b…第2外側面、43,44…第2マグネット、50,450…マグネット穴、51,451,452…第1マグネット穴、53,54…第2マグネット穴、60,260,360,460…回転電機、80,380,480…低熱伝導層、81a,83a,84a,481a,482a…低熱伝導部、81b,83b,84b,481b,482b…空隙部、285,385…高熱伝導層、100,200,300,400…駆動装置、J…中心軸線、Ld…磁極仮想線、O…冷媒