(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092418
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 33/00 20060101AFI20240701BHJP
B65D 75/60 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B65D33/00 C
B65D75/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208324
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 美香
【テーマコード(参考)】
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E064AA03
3E064BA01
3E064BA17
3E064BA27
3E064BA28
3E064BA29
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA37
3E064BA46
3E064BA54
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064HP01
3E064HP02
3E064HU02
3E067BA12A
3E067BB01A
3E067BB12A
3E067BB14A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB25A
3E067BB26A
3E067CA05
3E067CA06
3E067CA24
3E067EB02
3E067EB06
3E067EB07
3E067EE02
3E067EE59
3E067FA01
3E067FB07
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】表裏のシートに設けられた破断予定線で破断したとき、表側シートの破断位置と裏側シートの破断位置とが異なる包装袋であって、しかも、裏側シートの破断位置と表側シートの破断位置との間の段差を充分な長さとすることができる包装袋を提供すること。
【解決手段】表側シートと裏側シートとを重ね、その周縁で互に接合して包装袋を構成する。表裏のシートに破断予定線が設けられている。そして、複数の弱化線11の集合を破断予定単位として、この破断予定単位の多数を線状に並べて前記破断予定線が構成されている。そして、破断予定単位は、破断予定線の破断方向に対して斜め方向に延在する中央弱化線11aを複数本備えており、この複数本の中央弱化線が、前記破断予定線の破断方向に対して交差する方向に並んでいる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表側シートと裏側シートとを重ね、その周縁で互に接合して構成され、その表裏のシートについて、一方の側縁上の始点から他方の側縁に向かって破断予定線が設けられて、この破断予定線で破断することにより開口部を形成する包装袋であって、
複数の弱化線の集合を破断予定単位として、この破断予定単位の多数を線状に並べて前記破断予定線が構成されており、
前記破断予定単位が、前記破断予定線の破断方向に対して斜め方向に延在する中央弱化線と、この中央弱化線の上端の高さに位置し、前記破断予定線の破断方向に対して平行に延在する上側弱化線と、前記中央弱化線の下端の高さに位置し、前記破断予定線の破断方向に対して平行に延在する下側弱化線とを備えて構成されており、かつ、前記破断予定単位が前記中央弱化線を複数本備えており、
この複数本の中央弱化線が、前記破断予定線の破断方向に対して交差する方向に並んでいることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記中央弱化線が、前記破断予定線の破断方向に対して斜め方向に延在する斜め方向中央弱化線と、その両端点のうちいずれか一方又は両方の端点に連続して、前記破断予定線の破断方向に対して平行に延在する開封補助線とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記斜め方向中央弱化線の長さが10.0mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記上側弱化線と下側弱化線とが、破断方向に関して前記中央弱化線を挟んで互に反対側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項5】
前記上側弱化線が、破断予定線の破断方向に対して平行に延在する破断方向上側平行弱化線と、この破断方向上側平行弱化線の両端点のうち中央弱化線側の端点に連続して、前記中央弱化線と平行に延在する上側弱化線開封補助線を備えていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項6】
前記下側弱化線が、破断予定線の破断方向に対して平行に延在する破断方向平行下側弱化線と、この破断方向平行下側弱化線の両端点のうち中央弱化線側の端点に連続して、前記中央弱化線と平行に延在する下側弱化線開封補助線を備えていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項7】
前記破断予定単位が、前記上側弱化線及び下側弱化線のうちいずれか一方又は両方を複数備えており、これら複数の上側弱化線又は下側弱化線が、前記破断予定線の破断方向に対して並列に並んでいることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項8】
前記表側シート及び裏側シートが基材シートとシーラント層とから成ることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項9】
各弱化線が基材シートのみに設けられていることを特徴とする請求項8に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表側シートと裏側シートとを重ね、その周縁で互に接合して構成される包装袋であって、その表裏のシートについて、一方の側縁上の始点から他方の側縁に向かって破断予定線が設けられて、この破断予定線で破断することにより開口部を形成する包装袋に関する。
【0002】
さらに詳しくは、この表裏のシートに設けられた破断予定線で破断したとき、表側シートの破断位置と裏側シートの破断位置とが異なっており、この両破断位置の間に段差が生じ、この段差を摘むことにより、容易に開封することができる包装袋に関する。
【背景技術】
【0003】
一方の側縁から他方の側縁まで破断予定線を設け、この破断予定線で破断することにより開口部を形成することができる包装袋は周知である。
【0004】
このような包装袋においては、一般に、表側シートと裏側シートとは同時に同じ位置で破断されるから、表側シートの破断位置と裏側シートの破断位置とが一致するのが通常である。
【0005】
しかしながら、このように表側シートの破断位置と裏側シートの破断位置とが一致すると、これら表側シートと裏側シートとが密着してしまい、包装袋の開口部を開くことが困難となることがある。
【0006】
特許文献1は、表裏のシートについて同じ破断予定線を設けておきながら、この破断予定線で破断することによって開口部を形成したとき、表側シートの破断位置と裏側シートの破断位置とが異なっており、この両破断位置の間に段差を生じる包装袋を提案している。消費者は、この段差の位置で、他方のシートから外側に突出したシートを摘まむことにより、容易に開口することができるのである。
【0007】
この包装袋30は、
図8~
図12に示すようなものである。すなわち、
図8~9に示すように、この包装袋30は、1枚の矩形状のシートを、中央の二つ折り線で二つ折りして、この二つ折り線の両側の領域を表側シート及び裏側シートとしている。そして、これら表側シートと裏側シートとを重ね、その四方の周縁で互にシールして包装袋30を構成している。
【0008】
包装袋30を構成する矩形状のシートには、破断予定線及びIノッチ32が予め設けられている。
【0009】
破断予定線は、
図9に示すように、前記二つ折り線に直交する方向に延在しており、しかも、この二つ折り線を跨いでその両側に延在している。このため、前記二つ折り線で二つ折りしたとき、表裏のシートの両方にこの破断予定線が形成されており、しかも、その表側シートの破断予定線と裏側シート破断予定線とは互いに位置整合して互に重ねられている。なお、
図8では、表側シートの破断予定線を実線で示し、一方、裏側シートの破断予定線を点線で示している。なお、後述するように、Iノッチ32は、前記二つ折り線上で、しかも、破断予定線のほぼ中央に配置されている。このため、このIノッチ32から破断を開始し、破断予定線で破断することにより、表裏のシートの両方を同時に破断して開口部を形成することができる。
【0010】
ところで、前記破断予定線は、複数の弱化線の集合を破断予定単位31として、この破断予定単位31の多数を線状に並べて構成されたものである。この破断予定単位31は、
図10に示すように5種類の弱化線で構成されている。
【0011】
すなわち、破断予定単位31は、まず、前記破断予定線の破断方向に対して斜め方向に延在する中央弱化線31aを有している。なお、この実施形態では、中央弱化線31aは、図示左上から右下に延在する直線で構成されている。
【0012】
次に、この破断予定単位31は、前記中央弱化線31aの上側に位置し、前記破断予定線の破断方向に対して平行に延在する上側弱化線31bと、中央弱化線31aの下側に位置し、前記破断予定線の破断方向に対して平行に延在する下側弱化線31cとを有している。
【0013】
ところで、前記Iノッチ32は、この中央弱化線31aに突き当たように配置されている。そして、
図11(a)に示すように、この破断予定単位31に対して図示右側から破断するときには、その破断線は、前記中央弱化線31aに突き当たってこれに誘導され、上側弱化線31bに向かう。そして、この上側弱化線31bに沿って破断する。
【0014】
一方、
図11(b)に示すように、この破断予定単位31に対して図示左側から右側に向かって破断するときには、その破断線は、前記中央弱化線31aに突き当たってこれに誘導され、隣接する破断予定単位31の下側弱化線31cに向かう。そして、この下側弱化線31cに沿って破断する。
【0015】
二つ折り線上のIノッチ32から破断を開始した場合、
図12に示すように、裏側シートにおいては、その破断線は破断予定単位31に対して図示右側から左側に向かって破断を開始する。このため、裏側シートは上側弱化線31bに沿って破断される。一方、表側シートにおいては、その破断線は破断予定単位31に対して図示左側から右側に向かって破断を開始する。このため、表側シートは下側弱化線31cに沿って破断される。
【0016】
このように、裏側シートは上側弱化線31bに沿って破断され、一方、表側シートは下側弱化線31cに沿って破断されるから、その両破断位置の間に段差を生じるのである。
【0017】
なお、この破断予定線では、破断線が上側弱化線31bの上方に逸れた場合に備えて、2種類の逸脱防止用弱化線が設けられている。
【0018】
すなわち、まず、上側弱化線31bの上方には、第1の逸脱防止線31dを配置している。この第1の逸脱防止線31dは、上側弱化線31bの上方に位置して、破断予定線の破断方向に対して斜め方向に延在する弱化線であり、その傾斜方向は中央弱化線31aとは逆の方向である。上側弱化線31bの上方に逸れた破断線はこの第1の逸脱防止線31dに突き当たってこれに誘導され、上側弱化線31bに戻るのである。
【0019】
この第1の逸脱防止線31dにも突き当たることがない場合には、その破断線は第2の逸脱防止線31eに突き当たる。この第2の逸脱防止線31eは、第1の逸脱防止線31dのさらに上方に位置して、破断予定線の破断方向に対して平行に延在する弱化線である。このため、この第2の逸脱防止線31eに突き当たった破断線はこれに誘導されて、包装袋を破断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
ところで、前記包装袋においては、裏側シートの破断位置と表側シートの破断位置との間の段差は、中央弱化線の上下方向長さによって規制される。このため、この段差を充分な長さとして、摘まみ易い段差を形成することが難しいという問題を残していた。
【0022】
本発明は、表裏のシートに設けられた破断予定線で破断したとき、表側シートの破断位置と裏側シートの破断位置とが異なる包装袋であって、しかも、裏側シートの破断位置と表側シートの破断位置との間の段差を充分な長さとすることができる包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
すなわち、請求項1に記載の発明は、表側シートと裏側シートとを重ね、その周縁で互に接合して構成され、その表裏のシートについて、一方の側縁上の始点から他方の側縁に向かって破断予定線が設けられて、この破断予定線で破断することにより開口部を形成する包装袋であって、
複数の弱化線の集合を破断予定単位として、この破断予定単位の多数を線状に並べて前記破断予定線が構成されており、
前記破断予定単位が、前記破断予定線の破断方向に対して斜め方向に延在する中央弱化線と、この中央弱化線の上端の高さに位置し、前記破断予定線の破断方向に対して平行に延在する上側弱化線と、前記中央弱化線の下端の高さに位置し、前記破断予定線の破断方向に対して平行に延在する下側弱化線とを備えて構成されており、かつ、前記破断予定単位が前記中央弱化線を複数本備えており、
この複数本の中央弱化線が、前記破断予定線の破断方向に対して交差する方向に並んでいることを特徴とする包装袋である。
【0024】
前記中央弱化線は、前記破断予定線の破断方向に対して斜め方向に延在する斜め方向中央弱化線と、その両端点のうちいずれか一方又は両方の端点に連続して、前記破断予定線の破断方向に対して平行に延在する開封補助線とを備えているものでよい。そして、この斜め方向中央弱化線の長さは10.0mm以下であってよい。
【0025】
また、前記上側弱化線と下側弱化線とは、破断方向に関して前記中央弱化線を挟んで互に反対側に位置していてもよい。
【0026】
また、前記上側弱化線が、破断予定線の破断方向に対して平行に延在する破断方向上側平行弱化線と、この破断方向上側平行弱化線の両端点のうち中央弱化線側の端点に連続して、前記中央弱化線と平行に延在する上側弱化線開封補助線を備えていてもよい。
【0027】
前記下側弱化線も同様であり、下側弱化線が、破断予定線の破断方向に対して平行に延在する破断方向平行下側弱化線と、この破断方向平行下側弱化線の両端点のうち中央弱化線側の端点に連続して、前記中央弱化線と平行に延在する下側弱化線開封補助線を備えていてもよい。
【0028】
さらに、前記破断予定単位が、前記上側弱化線及び下側弱化線のうちいずれか一方又は両方を複数備えており、これら複数の上側弱化線又は下側弱化線が、前記破断予定線の破断方向に対して並列に並んでいてもよい。例えば、2つの上側弱化線が破断方向に対して並列に並んでおり、一方、下側弱化線は1つだけ配置されていてもよい。
【0029】
また、表側シート及び裏側シートは基材シートとシーラント層とを積層して構成するこ
とができる。そして、このとき、各弱化線が基材シートのみに設けることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、複数の弱化線の集合を破断予定単位として、この破断予定単位の多数を線状に並べて破断予定線が構成されており、前記破断予定単位が、前記破断予定線の破断方向に対して斜め方向に延在する中央弱化線と、この中央弱化線の両側に位置し、前記破断予定線の破断方向に対して平行に延在する上側弱化線及び下側弱化線とを備えて構成されており、かつ、前記中央弱化線を複数本備えており、しかも、この複数本の中央弱化線が、前記破断予定線の破断方向に対して交差する方向に並んでいるから、裏側シートの破断位置と表側シートの破断位置との間の段差は、これら複数本の中央弱化線の長さの和にほぼ等しい。このため、この段差を大きくして、充分な長さで、摘まみ易い段差を形成することが可能となる。しかも、それぞれの中央弱化線は、その長さを短くすることができるから、これら各中央弱化線を逸れて破断することは生じにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は本発明の実施形態に係り、その包装袋の説明用正面図である。
【
図2】
図2は本発明の実施形態に係り、包装袋を構成する矩形状のシートの説明用正面図である。
【
図3】
図3は本発明の実施形態に係り、その破断予定単位の説明図である。
【
図4】
図4は本発明の実施形態に係り、その破断予定単位で破断するときの破断線を示す説明図である。なお、
図4(a)は図示右側から左側に向かって破断する場合、
図4(b)は図示左側から右側に向かって破断する場合を示している。
【
図5】
図5は本発明の実施形態に係り、破断予定線で包装袋を破断するときの裏側シートの破断線と表側シートの破断線とを示す説明図である。
【
図6】
図6は本発明の実施形態の変形例の破断予定単位の説明図である。
【
図7】
図7は比較例に係り、その破断予定単位の説明図である。
【
図8】
図8は従来例に係り、その包装袋の説明用正面図である。
【
図9】
図9は従来例に係り、包装袋を構成する矩形状のシートの説明用正面図である。
【
図10】
図10は従来例に係り、その破断予定単位の説明図である。
【
図11】
図11は従来例に係り、その破断予定単位で破断するときの破断線を示す説明図である。なお、
図11(a)は図示右側から左側に向かって破断する場合、
図11(b)は図示左側から右側に向かって破断する場合を示している。
【
図12】
図12は従来例に係り、破断予定線で包装袋を破断するときの裏側シートの破断線と表側シートの破断線とを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施形態に係り、その包装袋の説明用正面図である。
【0033】
本発明の包装袋は表側シートと裏側シートとを重ね、その周縁で互に接合して構成されたものである。説明の便宜上、この実施形態の包装袋10は、1枚の矩形状のシートを、中央の二つ折り線で二つ折りして、この二つ折り線の両側の領域を表側シート及び裏側シートとしている。
【0034】
そして、従来の包装袋30と同様に、包装袋10を構成する矩形状のシートには、破断予定線及びノッチ12が予め設けられている。
【0035】
破断予定線は、
図1~
図2に示すように、前記二つ折り線に直交する方向に延在しており、しかも、この二つ折り線を跨いでその両側に延在している。このため、前記二つ折り
線で二つ折りしたとき、表裏のシートの両方にこの破断予定線が形成されており、しかも、その表側シートの破断予定線と裏側シート破断予定線とは互いに位置整合して互に重ねられている。なお、
図1では、表側シートの破断予定線を実線で示し、一方、裏側シートの破断予定線を点線で示している。ここで、図示された
図1に従い、破断予定線の破断方向を左右方向、これに直交して、包装袋の収容部から破断除去する破片に向かう方向を上方向、その反対に破断除去する破片から収容部に向かう方向を下方向という場合がある。また、高さというとき下部から上部までの長さを意味する。
【0036】
後述するように、ノッチ12は、前記二つ折り線上で、しかも、破断予定線の上端と同じ高さに配置されている。このため、このノッチ12は、包装袋10の側縁に位置しており、このノッチ12から破断を開始し、破断予定線で破断することにより、表裏のシートの両方を同時に破断して開口部を形成することができる。
【0037】
破断予定線は、ノッチ12の設けられた側縁上に始点を有しており、この始点から他方の側縁に向かって線状に延びている。破断予定線は他方の側縁に達していてもよいし、他方の側縁に達することなく、両側縁の間に終点を有していてもよい。なお、この実施形態では、破断予定線は包装袋10の一方の側縁上の始点から他方の側縁に達するまで延在している。
【0038】
ところで、前記破断予定線は、複数の弱化線の集合を破断予定単位11として、この破断予定単位11の多数を線状に並べて構成されたものである。破断予定単位11同士の間の距離は、例えば、5mmでよい。そして、この破断予定単位11は、
図3に示すように、少なくとも3種類の弱化線で構成されている。
【0039】
すなわち、破断予定単位11を構成する第1の弱化線は、前記破断予定線の破断方向に対して斜め方向に延在する中央弱化線11aである。破断予定単位11は中央弱化線11aを複数本備えている。この実施形態では、2本の中央弱化線11a1,11a2を有しているが、3本以上有していてもよい。
【0040】
そして、この複数本の中央弱化線11a1,11a2は、前記破断予定線の破断方向に対して交差する方向に並んでいる。この実施形態では、破断方向は図示左右方向であり、2本の中央弱化線11a1,11a2は、わずかに左右方向にずれた位置で、しかも、上下方向に並んでいる。
【0041】
このように複数本の中央弱化線11a1,11a2を上下方向に並べているから、複数本の中央弱化線11a1,11a2の上下方向の和を大きくして、表側シートの破断位置と裏側シートの破断位置との間の段差を大きくすることができる。しかも、複数本の中央弱化線11a1,11a2のそれぞれは、その長さを短くすることができるから、これら各中央弱化線を逸れて破断することは生じにくくなる。
【0042】
なお、この実施形態では、中央弱化線11a1は、前記破断予定線の破断方向に対して斜め方向に延在する斜め方向中央弱化線11a11と、その中央弱化線11a2側と反対側の端点に連続して延在する中央弱化線上部開封補助線11a12と、前記斜め方向中央弱化線11a11の中央弱化線11a2側の端点に連続して延在する中央弱化線下部開封補助線11a13とを備えて構成されている。斜め方向中央弱化線11a11の長さは10.0mm以下であるこがと望ましい。これが10.0mmを越えると、後述するように破断線を誘導するとき、その破断線が斜め方向中央弱化線11a11を逸脱しやすくなる。また、斜め方向中央弱化線11a11の傾斜角度αは25~45度が好ましい。
【0043】
これら中央弱化線上部開封補助線11a12,中央弱化線下部開封補助線11a13は
、いずれも、前記破断予定線の破断方向に対して平行で、しかも、斜め方向中央弱化線11a11から離れる方向に延びている。これら中央弱化線上部開封補助線11a12及び中央弱化線下部開封補助線11a13の役割は、破断予定線の破断方法の説明と併せて後述する。
【0044】
この実施形態では、同様に、中央弱化線11a2は、前記破断予定線の破断方向に対して斜め方向に延在する斜め方向中央弱化線11a21と、その中央弱化線11a1側の端点に連続して延在する中央弱化線上部開封補助線11a22と、前記斜め方向中央弱化線11a21の中央弱化線11a2側と反対側の端点に連続して延在する中央弱化線下部開封補助線11a23とを備えて構成されている。もっとも、斜め方向中央弱化線11a21は斜め方向中央弱化線11a11より短いことが望ましい。そして、中央弱化線11a1の中央弱化線下部開封補助線11a13の端点と、中央弱化線11a2の中央弱化線上部開封補助線11a22の端点とは近接して配置されており、このため、後述するように、中央弱化線下部開封補助線11a13の端点に達した破断線は、中央弱化線上部開封補助線11a22の端点につながって、これら中央弱化線11a1及び中央弱化線11a2の両者を破断することができる。
【0045】
次に、破断予定単位11を構成する第2の弱化線は、中央弱化線11aのうち、もっとも上方に位置する中央弱化線11aの上端と同じ高さに位置し、前記破断予定線の破断方向に対して平行に延在する上側弱化線11bである。
【0046】
この実施形態では、中央弱化線11aは2本設けられているから、上側弱化線11bは、この2本の中央弱化線11a1,11a2のうち、上方に位置する中央弱化線11a1の上端と同じ高さに位置している。
【0047】
この上側弱化線11bは1本でもよいし、複数本でもよい。この実施形態では、破断予定単位11は、2本の上側弱化線11b1,11b2を備えている。
【0048】
そして、上側弱化線11b1は、破断予定線の破断方向に対して平行に延在する破断方向平行上側弱化線11b11と、この破断方向平行上側弱化線11b11の中央弱化線上部開封補助線11a12側の端点に連続して延在する上側弱化線開封補助線11b12を備えている。この上側弱化線開封補助線11b12は、斜め方向中央弱化線11a11と平行で、しかも、斜め方向中央弱化線11a11、すなわち、中央弱化線11aから離れることのない方向に延在している。破断方向平行上側弱化線11b11の長さは、例えば、1mmである。上側弱化線開封補助線11b12の長さは、例えば、0.5mmである。
【0049】
また、上側弱化線11b2も、上側弱化線11b1と同様に、破断予定線の破断方向に対して平行に延在する破断方向平行上側弱化線11b21と、この破断方向平行上側弱化線11b21の中央弱化線上部開封補助線11a12側の端点に連続して延在する上側弱化線開封補助線11b22を備えている。この上側弱化線開封補助線11b22も、斜め方向中央弱化線11a11と平行で、しかも、斜め方向中央弱化線11a11、すなわち、中央弱化線11aから離れることのない方向に延在している。
【0050】
なお、これら上側弱化線開封補助線11b12,11b22の役割は、破断予定線の破断方法の説明と併せて後述する。
【0051】
次に、破断予定単位11を構成する第3の弱化線は、中央弱化線11aのうち、もっとも下方に位置する中央弱化線11aの下端と同じ高さに位置し、前記破断予定線の破断方向に対して平行に延在する下側弱化線11cである。
【0052】
この実施形態では、中央弱化線11aは2本設けられているから、下側弱化線11cは、この2本の中央弱化線11a1,11a2のうち、下方に位置する中央弱化線11a2の下端と同じ高さに位置している。
【0053】
下側弱化線11cは1本でもよいし、複数本でもよい。この実施形態では、破断予定単位11は、1本の下側弱化線11cを備えている。
【0054】
なお、2本の前記上側弱化線11b1,11b2とこの下側弱化線11cとは、破断方向に関して前記中央弱化線11aを挟んで互に反対側に位置している。
【0055】
そして、下側弱化線11cは、破断予定線の破断方向に対して平行に延在する破断方向平行下側弱化線11c1と、この破断方向平行下側弱化線11c1の中央弱化線11a側の端点の端点に連続して延在する下側弱化線開封補助線11c2を備えている。破断方向平行下側弱化線11c1の長さは、破断方向平行下側弱化線11b11と同様に、例えば、1mmである。なお、下側弱化線開封補助線11c2は、斜め方向中央弱化線11a11と平行で、しかも、斜め方向中央弱化線11a11、すなわち、中央弱化線11aから離れることのない方向に延在している。この下側弱化線開封補助線11c2の役割についても、破断予定線の破断方法の説明と併せて後述する。
【0056】
前述のように、前記ノッチ12は、ノッチ12は、前記二つ折り線上で、しかも、破断予定線の上端と同じ高さに配置されている。そこで、
図4(a)に示すように、破断予定単位11に対して図示右側から左側に向かって破断するときには、その破断線は、この高さにあって、破断方向に延在する各弱化線を通って進行する。この実施形態では、破断予定線の上端と同じ高さにある弱化線は、図示のように、中央弱化線上部開封補助線11a
12、破断方向平行上側弱化線11b
21及び破断方向平行上側弱化線11b
11である。
【0057】
一方、図示左側から右側に向かって破断するときには、
図4(b)に示すように、その破断線は、中央弱化線上部開封補助線11a
11、中央弱化線上部開封補助線11a
12及び中央弱化線上部開封補助線11a
12に誘導されて、斜め方向中央弱化線11a
11に至る。そして、この斜め方向中央弱化線11a
11から中央弱化線下部開封補助線11a
13に誘導される。
【0058】
次に、中央弱化線下部開封補助線11a13の端点に到達した破断線を次に誘導する弱化線は存在しないが、その近傍に中央弱化線11a2の中央弱化線上部開封補助線11a22の端点が存在するため、中央弱化線下部開封補助線11a13の端点を離れた破断線はこの中央弱化線上部開封補助線11a22の端点を通って、斜め方向中央弱化線11a11を通過し、更に中央弱化線下部開封補助線11a23に誘導される。中央弱化線下部開封補助線11a23の端点に到達した破断線は、隣接する破断予定単位11の斜め方向中央弱化線11a21に突き当たる。
【0059】
そして、前述のとおり多数の破断予定単位11が線状に並んで破断予定線を構成しているから、順次、これら破断予定単位11で破断していくことにより、包装袋10は破断予定線で破断され、開口部を形成する。
【0060】
二つ折り線上のノッチ12から破断を開始した場合、
図5に示すように、裏側シートにおいては、その破断線は破断予定単位11に対して図示右側から左側に向かって破断する。このため、裏側シートは上側弱化線11bに沿って破断される。一方、表側シートにおいては、その破断線は破断予定単位11に対して図示左側から右側に向かって破断する。
このため、表側シートは下側弱化線11cに沿って破断される。
【0061】
このように、裏側シートは上側弱化線11bに沿って破断され、一方、表側シートは下側弱化線11cに沿って破断されるから、その両破断位置の間に段差を生じる。その段差は、上側弱化線11bと下側弱化線11cとの間の上下方向の長さに等しい。そして、上側弱化線11bは複数本の中央弱化線11aのうち、もっとも上方に位置する中央弱化線11aの上端と同じ高さに位置し、一方、下側弱化線11cはこれら複数本の中央弱化線11aのうち、もっとも下方に位置する中央弱化線11aの下端と同じ高さに位置に位置するから、これら上側弱化線11bと下側弱化線11cとの間の上下方向の長さは、複数本の中央弱化線の上下方向の長さの和にほぼ等しい。このため、この段差を大きくして、充分な長さで、摘まみ易い段差を形成することが可能となるのである。
【0062】
次に、
図6を参照して、本発明の実施形態の変形例を説明する。
図6その変形例の破断予定単位の説明図である。
【0063】
裏側シートを上側弱化線11bに沿って破断する際に、その破断線が上側弱化線11bをはずれて、逸れてしまうことがある。破断線が上側弱化線11bの下方に逸れた場合には、破断線は隣接する中央弱化線11aに突き当たり、この中央弱化線11aに誘導されて、上側弱化線11bに戻ることができる。
【0064】
他方、破断線が上側弱化線11bの上方に逸れた場合には、この逸れた破断線は隣接する中央弱化線11aに突き当たることがない。
【0065】
図6は、このように破断線が上側弱化線11bの上方に逸れた場合に備えて、2種類の逸脱防止用弱化線を設けたものである。
【0066】
すなわち、まず、上側弱化線11bの上方には、第1の逸脱防止線11dを配置している。この第1の逸脱防止線11dは、上側弱化線11bの上方に位置して、破断予定線の破断方向に対して斜め方向に延在する弱化線であり、その傾斜方向は斜め方向中央弱化線11a11とは逆の方向である。上側弱化線11bの上方に逸れた破断線はこの第1の逸脱防止線11dに突き当たってこれに誘導され、上側弱化線11bに戻るのである。
【0067】
この第1の逸脱防止線11dにも突き当たることがない場合には、その破断線は第2の逸脱防止線11eに突き当たる。この第2の逸脱防止線11eは、第1の逸脱防止線11dのさらに上方に位置して、破断予定線の破断方向に対して平行に延在する弱化線である。このため、この第2の逸脱防止線11eに突き当たった破断線はこれに誘導されて、包装袋を破断する。
【0068】
なお、ノッチ12は破断開始位置を示すものである。この実施形態では、ノッチ12の位置、すなわち、破断開始位置を破断予定線の上端と同じ高さとしているが、これに限られず、この破断開始位置から開始した破断線が複数本の中央弱化線11a1,11a2の斜め方向中央弱化線のいずれかに突き当たる位置であればよい。また、この破断開始位置から開始した破断開始位置が明確であればノッチ12を設ける必要はないが、この破断開始位置を明確にして、しかも、破断を容易に開始するため、ノッチ12を設けることが望ましい。ノッチ12としては任意のノッチでよく、例えば、IノッチやVノッチを利用できる。
【0069】
以上、説明の便宜上、1枚の矩形状のシートを中央の二つ折り線で二つ折りして、この二つ折り線の両側の領域を表側シート及び裏側シートとした包装袋を例として本発明を説明したが、これに限られず、表側シートと裏側シートとを別々のシートで構成し、これら
表側シートと裏側シートとを周縁で接合して包装袋とすることもできる。もっとも、この場合においても、表側シートと裏側シートの両方に破断予定線が設けられている必要があり、表側シートの破断予定線と裏側シートの破断予定線とは互いに位置整合して配置されている必要がある。そして、これら破断予定線は、所定の破断予定単位の多数を線状に並べて構成されているものでなくてはならない。
【0070】
次に、本発明に係る表側シート及び裏側シートは任意のシートでよく、例えば単層構造の基材シートから成るものであってもよいが、この基材シートにシーラント層を積層して構成される多層構造のシートを使用することが好ましい。
【0071】
基材シートとしては、紙やプラスチックシートを使用できる。紙としては、上質紙、模造紙、コート紙等を使用することができる。また、プラスチックシートとしては、例えば、ポリエステルシート、ポリプロピレンシート、ポリスチレンシート、ナイロンシート、ポリカーボネートシート、ポリアクリルニトリルシート、ポリイミドシート等が例示できる。また、これら各種材質のシートを積層し、その他のシートを積層した多層構造のシートであってもよく、更に、蒸着層や印刷層を設けたシートを基材シートとしてもよい。
【0072】
その他のシートとしては、例えば、アルミニウム箔等の金属箔を例示できる。その層構成中に金属箔を含む基材シートは、水蒸気や酸素ガス等のバリア性に優れている。
【0073】
次に、蒸着層としては、アルミニウム等の金属を蒸着して形成した金属蒸着層の他に、無機物を材質とする無機蒸着層を利用することができる。無機物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化錫、酸化ナトリウム、酸化ホウ素、酸化チタン、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムなどの金属の酸化物が使用できる。中でも生産性、価格面から酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどが好ましい。これら金属蒸着層又は無機蒸着層をその層構成中に含む基材シートも、水蒸気や酸素ガス等のバリア性に優れている。
【0074】
印刷層は、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系などのバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料および可塑剤、乾燥剤、安定剤などを添加されてなるインキにより印刷された層である。印刷方法としては、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷などの公知の印刷方法を用いることができる。また基材シートの表面を、前処理として予めコロナ処理またはオゾン処理を施すことにより、印刷層の密着性を向上させることができる。
【0075】
シーラント層としては、ポリオレフィン系樹脂が使用できる。例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EAA)、アイオノマー、ポリプロピレン、あるいはシクロオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂である。また、ヒートシール性のあるポリエステル樹脂をシーラント層として使用することも可能である。これらの樹脂を押出し機により製膜してシート状として使用すればよい。
【0076】
基材シートとシーラント層とは、接着剤を使用して積層することができる。接着剤としてはドライラミネート用接着剤が使用できる。例えば、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤等である。積層方法としてはドライラミネート法にて可能である。このほか、接着性樹脂を溶融押出し製膜して、その接着力を失わない間に基材シートとシーラント層とを圧着して積層することも可能である。
【0077】
各弱化線は基材シートとシーラント層の両方を貫通して設けることもできるが、基材シートに各弱化線を設けて、シーラント層には各弱化線を設けないようにすることもできる。
【0078】
各弱化線を基材シートとシーラント層の両方に設ける場合には、これら基材シートとシーラント層を積層した後、カッターによって機械的に形成することができる。
【0079】
また、各弱化線を基材シートのみに設けて、シーラント層には設けない場合には、まずカッターによって基材シートに各弱化線を設けた後、シーラント層を積層すればよい。また、基材シートとシーラント層を積層した後、炭酸ガスレーザー光等を照射した場合、炭酸ガスレーザー光は一般にシーラント層には吸収されないから、各弱化線を基材シートのみに設けることができる。
【0080】
また、表側シートと裏側シートとを重ね、例えば、その周縁でヒートシールすることにより、互に接合することができる。接着剤によって接合してもよい。
【0081】
次に、ノッチ12は破断開始位置を示すものである。この破断開始位置から開始した破断開始位置が明確であればノッチ12を設ける必要はないが、この破断開始位置を明確にして、しかも、破断を容易に開始するため、ノッチ12を設けることが望ましい。ノッチ12としては任意のノッチでよく、例えば、IノッチやVノッチを利用できる。
【実施例0082】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。なお、これら実施例1~3及び比較例1~2において、表側シート及び裏側シートとして坪量52.3g/m2の上質紙を使用して包装袋を作成した。また、破断予定線はデザインカッターを使用して形成した。
【0083】
そして、この包装袋を破断するにあたっては、破断予定線より下方を片手で把持し、破断予定線より上方を他方の手で持って引裂くことにより、破断予定線で破断した。
【0084】
(実施例1)
この例は、
図3に示す破断予定単位の多数を線状に並べて破断予定線を構成したものである。
図3に示すように、破断予定単位は2本の中央弱化線11a
1,11a
2を有しており、これら2本の中央弱化線11a
1,11a
2は、わずかに左右方向にずれた位置で、しかも、上下方向に並んでいる。各中央弱化線11a
1,11a
2の長さは、それぞれ、3.5mmであり、これら中央弱化線11a
1,11a
2の上下方向の長さの和、すなわち、裏側シートの破断位置と表側シートの破断位置との間の段差は、6mmである。
【0085】
(実施例2)
各中央弱化線11a1,11a2の長さを、それぞれ、10.0mmとし、これら中央弱化線11a1,11a2の上下方向の長さの和、すなわち、裏側シートの破断位置と表側シートの破断位置との間の段差を17mmとした他は、実施例1と同様に包装袋を作成した。
【0086】
(実施例3)
各中央弱化線11a1,11a2の長さを、それぞれ、3.5mmとし、これら中央弱化線11a1,11a2の上下方向の長さの和、すなわち、裏側シートの破断位置と表側シートの破断位置との間の段差を18mmとした他は、実施例1と同様に包装袋を作成した。
【0087】
(比較例1)
この例は、
図7に示す破断予定単位の多数を線状に並べて破断予定線を構成したものである。
図7に示すように、破断予定単位は1本の中央弱化線21aを有しているに過ぎない。中央弱化線21aの長さは10.0mmであり、その上下方向の長さ、すなわち、裏側シートの破断位置と表側シートの破断位置との間の段差は8.6mmである。
【0088】
(比較例2)
中央弱化線21aの長さを15.0mmとし、その上下方向の長さ、すなわち、裏側シートの破断位置と表側シートの破断位置との間の段差を14mmとした他は、比較例1と同様に包装袋を作成した。
【0089】
(評価)
実施例1~3の包装袋及び比較例1,2を破断したときの破断線が中央弱化線から逸れるか否かについて評価した。この結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
以上の結果から、比較的短い中央弱化線を破断予定線の破断方向に対して交差する方向に並べているので、裏側シートの破断位置と表側シートの破断位置との間の段差を大きくしながら、しかも、これら中央弱化線から逸れて破断することを防止できることが分る。