IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図1
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図2
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図3
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図4
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図5
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図6
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図7
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図8
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図9
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図10
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図11
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図12
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図13
  • 特開-吹出構造体および毛髪乾燥機 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092428
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】吹出構造体および毛髪乾燥機
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
A45D20/12 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208338
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】中村 凌
(72)【発明者】
【氏名】下田 卓也
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健志
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CH04
(57)【要約】
【課題】使用者の毛髪などの送風対象に対して適切に風を送出することのできる吹出構造体、およびヘアドライヤを提供する。
【解決手段】ヘアドライヤ1は、吹出構造体(アタッチメント)10を備えている。吹出構造体10は、内部に風路を有し、表面20aから突出する複数の突起11を備えている。突起11は、風の吹出口12および13を有している。吹出口12および13からの風は、突起11の突き出し方向に対して略90°以下の角度で送出される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に風路を有し、表面から突出する複数の突起を備えている吹出構造体であって、
前記突起は、風の吹出口を有し、
前記吹出口からの風は、前記突起の突き出し方向に対して略90°以下の角度で送出される、
吹出構造体。
【請求項2】
前記吹出口からの風は、前記表面に略平行な方向に、または、前記表面側に向かって送出される、
請求項1に記載の吹出構造体。
【請求項3】
複数の前記突起は、
前記表面の第1方向の略中央部に、前記第1方向と直交する第2方向に並んで配置されているか、あるいは、
前記表面の前記第1方向の両端部に、前記第2方向に並んでそれぞれ配置されている、
請求項1に記載の吹出構造体。
【請求項4】
複数の前記突起は、
前記表面の第1方向の略中央部に、前記第1方向と直交する第2方向に並んで配置されており、
前記吹出口は、前記第1方向の一方の側へ向けて風を送出する第1吹出口と、前記第1方向の他方の側へ向けて風を送出する第2吹出口とを含み、
前記第1吹出口および前記第2吹出口の何れか一方から選択的に風を送出するように構成されている、
請求項1に記載の吹出構造体。
【請求項5】
前記表面には、ブラシ毛がさらに設けられており、
前記ブラシ毛の前記表面からの長さは、前記突起の前記表面からの長さ以下となっている、
請求項1に記載の吹出構造体。
【請求項6】
前記ブラシ毛の前記表面からの高さは、前記吹出口の上端位置よりも低くなっている、
請求項5に記載の吹出構造体。
【請求項7】
側面視で前記突起の配置領域と重なる位置に設けられている前記ブラシ毛の密度よりも、
側面視で複数の前記突起同士の間の領域と重なる位置に設けられている前記ブラシ毛の密度の方が、密度が高い、
請求項5に記載の吹出構造体。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載の吹出構造体を備えている毛髪乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪乾燥機などの送風装置の吹出構造体、およびこの吹出構造体を備えている毛髪乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪乾燥機には、本体の空気吹出口にブロー用のブラシやカール用のロールブラシなどが着脱可能に取り付けられる仕様のものがある。例えば、特許文献1には、ヘアドライヤー本体の空気吹出口に着脱可能に取り付けられるブラシが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されてるヘアドライヤー用ブラシ10は、内部に送風路7を有するケース1と、送風路7と連通して設けられた複数の空気噴出孔5と、空気噴出孔5の近傍に突設された複数のブリッスル3と、ケース1内に設けられ、ヘアドライヤー本体から送風路7に流入した風を空気噴出孔5へ案内する複数の第1案内壁11a、11bとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-24680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のヘアドライヤーは、ブリッスル3(ブラシ毛)の設置面に空気噴出孔5が設けられており、この空気噴出孔5から主として風が送出される。このような風の吹き出し方では、風が毛髪の束をブリッスル3の先端へ押す方向に吹き出されるため、ブリッスル3から毛髪が外れてしまう可能性があり、毛髪のスタイリング時には不向きなことがある。
【0006】
本発明では、使用者の毛髪などの送風対象に対して適切に風を送出することのできる吹出構造体、およびヘアドライヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面にかかる吹出構造体は、内部に風路を有し、表面から突出する複数の突起を備えている。この吹出構造体において、前記突起は、風の吹出口を有し、前記吹出口からの風は、前記突起の突き出し方向に対して略90°以下の角度で送出される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一局面によれば、使用者の毛髪などの送風対象に対して適切に風を送出することのできる吹出構造体、およびヘアドライヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態にかかるヘアドライヤの外観構成を示す正面図である。
図2図1に示すヘアドライヤのアタッチメントの外観構成を示す斜視図である。
図3図3に示すアタッチメントを示す平面図である。
図4図3に示すアタッチメントの内部構成を示す断面図である。
図5図3に示すアタッチメントの表面の構成を示す平面図である。
図6図1に示すヘアドライヤに取り付けられるアタッチメントの他の構成例を示す斜視図である。
図7】第2の実施形態にかかるヘアドライヤの外観構成を示す正面図である。
図8図7に示すヘアドライヤの外観を示す斜視図である。
図9図7に示すヘアドライヤの外観を示す側面図である。
図10図7に示すヘアドライヤの外観を示す平面図である。
図11図7に示すヘアドライヤのアタッチメントの内部構成を示す断面図である。
図12図7に示すヘアドライヤに取り付けられるアタッチメントの他の構成例を示す斜視図である。
図13】第3の実施形態にかかるヘアドライヤの外観構成を示す正面図である。
図14図13に示すヘアドライヤの外観を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<第1の実施形態>
本実施形態では、本発明にかかる吹出構造体の一構成例を備えているヘアドライヤ1を例に挙げて説明する。本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、本発明にかかる毛髪乾燥機の一例である。ヘアドライヤ1は、毛髪を乾燥させる目的や毛髪のスタイリングを行う目的で使用することができる。
【0012】
(ヘアドライヤの全体構成)
先ず、本実施の形態にかかるヘアドライヤ1の全体構成について説明する。図1は、ヘアドライヤ1の正面図である。図2は、ヘアドライヤ1に備えられているアタッチメント10の外観構成を示す。
【0013】
本明細書では、ヘアドライヤ1およびアタッチメント10の各構成要素の形状および位置関係などを説明するにあたって、便宜上、ヘアドライヤ1またはアタッチメント10を図1および図2などに示すようなX(X1-X2)方向(左右方向)、Y(Y1-Y2)方向(上下方向)、Z(Z1-Z2)方向(前後方向)という三方向の座標軸で規定する。なお、上記X方向は、第1方向と言い換えることもでき、上記Y方向は、第2方向と言い換えることもできる。
【0014】
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、主として、把持部30と、アタッチメント(吹出構造体)10とで構成されている。アタッチメント10は、把持部30から取り外し可能(着脱可能)な構成となっている。
【0015】
把持部30には、アタッチメント10とは異なる種類の別のアタッチメントを取り付けることもできる。これにより、ヘアドライヤ1をより幅広い用途に用いることができる。なお、別の実施形態では、アタッチメント10は、把持部30と一体型の構成(すなわち、着脱できない構成)であってもよい。
【0016】
把持部30は、Y方向(上下方向)に沿って延びる柱状の形状を有している。一例では、把持部30の横断面(XZ断面)の形状は、略円形となっている。
【0017】
把持部30の外周面には、操作部(図示せず)が設けられている。ヘアドライヤ1の使用時に、使用者が操作部を操作することで、ヘアドライヤ1が動作を開始したり停止したりする。また、操作部が操作されることで、吹出口12および13から吹き出す風の種類(温風/冷風)および風量などが調節されるようにしてもよい。
【0018】
把持部30の下方側(Y2側)の端部には、電源コード(図示せず)が設けられている。また、別の実施形態では、ヘアドライヤ1はコードレスタイプであってもよい。
【0019】
把持部30の内部には、送風ファン(図示せず)、ヒータ(図示せず)、イオン供給部(帯電微粒子発生装置ともいう)(図示せず)、および制御部(図示せず)などが備えられている。把持部30の下方側(Y2側)の端部には、吸気口35が設けられている。
【0020】
アタッチメント10は、その下端(Y2側)に位置する接続部28が把持部30の上端部に取り付けられる。アタッチメント10は、内部に風路32を有している。風路32は、把持部30内の風路と連通している。アタッチメント10のXY面に概ね沿った表面(Z1側の面)20aには、複数の突起11が設けられている。各突起11には、風の吹出口12および13が設けられている。
【0021】
把持部30内の送風ファンを稼働させると、吸気口35から把持部30内に空気が流入し、把持部30内に下方(Y2側)から上方(Y1側)へと向かう空気の流れ(風)が形成される。この風は、アタッチメント10内の風路32へ流入し、表面20aに設けられている突起11の吹出口12および13から風が吹き出される。吹出口12および13からの風は、表面20aに略平行な方向に、または、表面20a側に向かって送出される(図4参照)。
【0022】
(アタッチメントの外観構成)
続いて、アタッチメント10のより詳細な構成について説明する。図3は、アタッチメント10を下方側(Y2側)から見た場合の平面図である。図4は、アタッチメント10の内部構成を示す断面図である。図4は、アタッチメント10をXZ面で切断した場合の断面図である。
【0023】
図4では、アタッチメント10内の風路32を通り、第2吹出口13から送出される風の流れを矢印で示している。図5は、アタッチメント10の各吹出口12および13から吹き出される風の流れを説明するための図である。
【0024】
アタッチメント10の外形は、主として本体部20で形成されている。本体部20の内部に、風路32が設けられている。本体部20の表面20aには、複数の突起11が形成されている。各突起11は、表面20aからZ1方向に突出している。
【0025】
本実施形態では、複数の突起11は、表面20aの第1方向(すなわち、X方向)の略中央部に、第1方向と直交する第2方向(すなわち、Y方向)に並んで配置されている。図1に示す例では、アタッチメント10は、上方側(Y1側)から順に、11aから11という8個の突起11を有しているが、突起11の個数はこれに限定はされない。
【0026】
本実施形態では、突起11は、X方向の幅がY方向の幅よりも大きい略直方体形状となっている。直方体形状の突起11の天面には、X方向に沿って長手方向に延びる三角柱状の突起が設けられている。なお、突起11の形状は、略直方体形状に限定はされず、例えば、円柱形状、楕円柱形状などであってもよい。また、突起11の天面の三角柱状の突起は、設けられていなくてもよい。
【0027】
各突起11は、第1吹出口12と、第2吹出口13とを有している。第1吹出口12は、突起11の左側(X1側)の側面に設けられており、第2吹出口13は、突起11の右側(X2側)の側面に設けられている(図4参照)。
【0028】
上記の構成により、第1吹出口12は、第1方向(すなわち、X方向)の一方の側(例えば、左側(X1側))へ向けて風を送出することができる。また、第2吹出口13は、第1方向(すなわち、X方向)の他方の側(例えば、右側(X2側))へ向けて風を送出することができる。図5では、第1吹出口12から送出される風を破線矢印で示し、第2吹出口13から送出される風を実線矢印で示している。
【0029】
図4に示すように、各吹出口12および13からの風は、本体部20の表面20aに略平行な方向に、あるいは、表面20a側に向かって送出される。なお、本実施形態では、本体部20の表面20aは、突起11が配置されている左右方向(すなわち、X方向)の中央部が最も前方側(Z1側)に突出しており、左右両端部側へ向かって後方側(Z2側)へ傾斜した傾斜面となっている(図4参照)。
【0030】
そのため、各吹出口12および13から表面20aに略平行な方向に風が吹き出されるとは、側方側(すなわち、X1側またはX2側)へ向けて風が吹き出されるのではなく、やや後方側(すなわち、Z2側)へ向かって風が吹き出されることを意味する。図4に示すように、各吹出口12および13の開口部は、風の吹き出し方向が表面20a側へ向くように傾斜している。また、本体部20の表面20aがX方向と平行である場合、略平行な方向に風が吹き出されるとは、側方側(すなわち、X1側またはX2側)へ向けて風が吹き出されることになる。
【0031】
本体部20の表面20aには、複数のブラシ毛(ブリッスル)21が設けられている。各ブラシ毛21は、例えば、樹脂製の1つの棒状体で形成されていてもよいし、複数の極細の毛状体の集合体で形成されていてもよい。
【0032】
各ブラシ毛21は、表面20aにおける突起11の形成領域の左側(X1側)および右側(X2側)にそれぞれ配置されている。本実施形態では、側面視(X1側あるいはX2側からアタッチメント10を見た状態)で、各突起11の配置領域と重なる位置に配置されている。なお、ブラシ毛21の配置方法は、これに限定はされない。
【0033】
また、図3に示すように、各ブラシ毛21の先端の位置は、アタッチメント10の上面視または下面視(Y1側またはY2側からアタッチメント10を見た状態)で、突起11の先端の位置よりも低くなっている。これにより、ヘアドライヤ1の使用時に、使用者が突起11の先端を頭皮に接触させた場合に、各ブラシ毛21の先端は頭皮に接触しにくい構成とすることができる。そのため、頭皮と各ブラシ毛21の摩擦により、頭皮に対してヘアドライヤ1を動かしにくくなることを軽減させることができる。また、ブラシ毛21の先端の表面20aからの高さは、吹出口12および13の上端位置よりも低くてもよい。
【0034】
なお、本体部20の表面20aは、ヘアドライヤ1の使用者の毛髪に対して向けられるため、表面20aは、毛髪との対向面ということもできる。また、表面20aは、突起11の配置面あるいはブラシ面ということもできる。
【0035】
(アタッチメントから送出される風の流れについて)
続いて、図4および図5を参照しながら、アタッチメント10から送出される風の流れについて説明する。
【0036】
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、アタッチメント10の第1吹出口12および第2吹出口13の何れか一方から選択的に風を送出するように構成されている。具体的には、アタッチメント10は、風が送出される吹出口を切り替えるための切替え抓み25、および風路切替え部26を有している。
【0037】
切替え抓み25は、アタッチメント10の表面20aからZ1方向に突出するように設けられている。本実施形態では、突起11の配置領域に沿って上方部、中央部、および下方部の3箇所に、切替え抓み25が設けられている(図5参照)。
【0038】
風路切替え部26は、風路32内に配置されている板状の構造体であり、風路32内をX方向にスライド移動する(図4の矢印B参照)。なお、風路切替え部は、例えば、筒状の構造体で形成することもできる。
【0039】
各切替え抓み25は、風路切替え部26と接続されている。これにより、切替え抓み25をX方向にスライドさせる(図5の矢印A参照)と、これに連動して、風路切替え部26が風路32内をX方向にスライド移動する(図4の矢印B参照)。
【0040】
風路切替え部26が本体部20内の一方の側(例えば、X1側)に位置している場合には、本体部20内の主たる風路32と、第1吹出口12側へと分岐する分岐流路32aとの間は、風路切替え部26によって塞がれる。そして、本体部20内の主たる風路32は、第2吹出口13側へと分岐する分岐流路32bと連通する(図4参照)。これにより、第1吹出口12側からは風が送出されず、第2吹出口13側から風が送出される(図5の実線矢印参照)。
【0041】
風路切替え部26が本体部20内の他方の側(例えば、X2側)に位置している場合には、本体部20内の主たる風路32と、第2吹出口13側へと分岐する分岐流路32bとの間は、風路切替え部26によって塞がれる。そして、本体部20内の主たる風路32は、第1吹出口12側へと分岐する分岐流路32aと連通する。これにより、第2吹出口13側からは風が送出されず、第1吹出口12側から風が送出される(図5の破線矢印参照)。
【0042】
以上のような構成により、ヘアドライヤ1は、アタッチメント10の第1吹出口12および第2吹出口13の何れか一方から選択的に風を送出することができる。これにより、ヘアドライヤ1の使用者は、スタイリング対象となる使用者の毛髪とヘアドライヤ1との位置関係などに応じて、切替え抓み25を適宜操作して、第1吹出口12および第2吹出口13のうちの所望の吹出口の方から風を送出させることができる。したがって、使用者の毛髪などに対して適切に風を送出することができる。
【0043】
なお、別の実施形態にかかるヘアドライヤでは、第1吹出口12のみから風を送出するモードおよび第2吹出口13のみから風を送出するモードに加えて、第1吹出口12および第2吹出口13の両方から風を送出するモードを有していてもよい。
【0044】
また、本実施形態にかかるヘアドライヤでは、各吹出口12および13からの風は、本体部20の表面20aに略平行な方向に、あるいは、表面20a側に向かって送出される。すなわち、ブラシ毛21の根元へ向けて風が吹き出される。
【0045】
すなわち、吹出口からの風は、突起11の突き出し方向(すなわち、Z1方向)に対して略90°以下の角度で送出される。これは、ヘアドライヤ1の左右方向(X方向)を0°と規定した場合に、吹出口からの風が、0°以下の方向に吹き出されることを意味する。
【0046】
これにより、スタイリング対象となる毛髪が、アタッチメント10のブラシ毛21の先端よりも上側に飛び出さない(すなわち、Z1方向に飛び出さない)ようにしつつ、毛髪を表面20aに沿わせるようにブラッシングすることができる。なお、突起11の各吹出口12および13から送出される風の吹き出し角度は、アタッチメントのサイズ、構造、および用途などに応じて適宜決めることができる。
【0047】
(アタッチメントの他の構成例)
図6には、ヘアドライヤ1に取り付けられるアタッチメントの他の構成例を示す。図6に示すアタッチメント110は、その表面20aにブラシ毛21が設けられていない。それ以外の構成については、アタッチメント10と同様の構成が適用できる。
【0048】
(第1の実施形態のまとめ)
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、アタッチメント(吹出構造体)10を備えている。アタッチメント10は、内部に風路32を有し、表面20aから突出する複数の突起11を備えている。突起11は、風の吹出口(具体的には、第1吹出口12および第2吹出口13)を有している。吹出口からの風は、突起11の突き出し方向(すなわち、Z1方向)に対して略90°以下の角度で送出される。
【0049】
本実施形態では、吹出口からの風は、表面20aに略平行な方向に、または、表面20a側に向かって送出される。この構成によれば、表面20aから突出した突起から側方へ向けて風を送出することで、毛髪のスタイリングにより適した風を送出することのできるヘアドライヤ1が得られる。
【0050】
第1吹出口12および第2吹出口13は、各突起11の先端側に設けられており、各吹出口からの風の送出方向が表面20a側へ向いている。これにより、表面20aに設けられているブラシ毛21の先端側から根元側へと向かう風の流れを形成することができる。そのため、ヘアドライヤ1を用いて毛髪のブラッシングを行うことで、毛髪の拡散を抑え、まとまりの良いスタイリングに仕上げることができる。
【0051】
<第2の実施形態>
続いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態にかかるヘアドライヤ1は、アタッチメントの構成が第1の実施形態とは異なっている。把持部30の構成は、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0052】
図7から図10には、第2の実施形態にかかるヘアドライヤ1の外観構成を示す。図9は、ヘアドライヤ1を右側(X2側)から見た場合の側面図である。図10は、ヘアドライヤ1を下方側(Y2側)から見た場合の平面図である。図11は、アタッチメント210の内部構成を示す断面図である。図11は、アタッチメント210をXZ面で切断した場合の断面図である。
【0053】
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、主として、把持部30と、アタッチメント(吹出構造体)210とで構成されている。アタッチメント210は、把持部30から取り外し可能(着脱可能)な構成となっている。別の実施形態では、アタッチメント210は、把持部30と一体型の構成(すなわち、着脱できない構成)であってもよい。
【0054】
把持部30は、第1の実施形態で説明した把持部30と同様の構成を有しているため、詳しい説明は省略する。
【0055】
アタッチメント210の外形は、主として本体部20で形成されている。本体部20の内部には、風路32が設けられている。本体部20の表面20aには、複数の突起211Lおよび211Rが形成されている。各突起211Lおよび211Rは、表面20aからZ1方向に突出している。
【0056】
本実施形態では、複数の突起211Lおよび211Rは、表面20aの第1方向(すなわち、X方向)の両端部に、第1方向と直交する第2方向(すなわち、Y方向)に並んでそれぞれ配置されている。具体的には、複数の突起211Lは、表面20aの左側(すなわち、X1側)の端部近傍に、第2方向(すなわち、Y方向)に並んで配置されている。また、複数の突起211Rは、表面20aの右側(すなわち、X2側)の端部近傍に、第2方向(すなわち、Y方向)に並んで配置されている。
【0057】
各突起211Lは、第1吹出口212を有している。第1吹出口212は、突起211Lの右側(X2側)の側面に設けられている。この構成により、第1吹出口212は、第1方向(すなわち、X方向)の一方の側(例えば、右側(X2側))へ向けて風を送出することができる(図11の実線矢印参照)。
【0058】
また、各突起211Rは、第2吹出口213を有している。第2吹出口213は、突起211Rの左側(X1側)の側面に設けられている。この構成により、第2吹出口213は、第1方向(すなわち、X方向)の他方の側(例えば、左側(X1側))へ向けて風を送出することができる(図11の破線矢印参照)。
【0059】
第1の実施形態では、第1方向(すなわち、X方向)のX1(すなわち、左側)を一方の側とし、第1方向(すなわち、X方向)のX2(すなわち、右側)を他方の側としている。これに対して、本実施形態では、第1方向(すなわち、X方向)のX2(すなわち、右側)を一方の側とし、第1方向(すなわち、X方向)のX1(すなわち、左側)を他方の側としている。
【0060】
図11に示すように、各吹出口212および213からの風は、本体部20の表面20aに略平行な方向に、あるいは、表面20a側に向かって送出される。
【0061】
本体部20の表面20aには、複数のブラシ毛21が設けられている。各ブラシ毛21は、表面20aにおける左右両側の突起211Lおよび211Rに挟まれた領域に配置されている。
【0062】
各ブラシ毛21のうち、側面視で突起211Lおよび211Rの配置領域と重なる位置に設けられているブラシ毛を、ブラシ毛21aとする(図7参照)。また、各ブラシ毛21のうち、側面視で各突起211L同士(あるいは、各突起211R同士)の間の領域と重なる位置に設けられているブラシ毛を、ブラシ毛21bとする(図9参照)。
【0063】
本実施形態では、ブラシ毛21aよりも、ブラシ毛21bの方が、より密度が高くなるように配置されている。例えば、図7に示す例では、Y方向に並んで配置されている突起211Lおよび211Rのうちの一組に関して、側面視で当該突起の配置領域と重なる位置には、合計で2個のブラシ毛21aが配置されている。一方、図7に示す例では、側面視で隣接する任意の2つの突起211L(または突起211R)の間の領域と重なる位置には、合計で4個のブラシ毛21aが配置されている。
【0064】
使用者が、ヘアドライヤ1の第2方向(X方向)を毛髪の伸長方向に沿わせるように配置した場合、毛髪は、並んで配置されている複数の突起211L(または22R)同士の間に挟まれた状態となる。すなわち、ヘアドライヤ1の使用時には、側面視で突起の配置領域と重なる位置よりも、各突起211L同士(あるいは、各突起211R同士)の間の領域により多くの毛髪が集まる。この領域により多くのブラシ毛21bを配置することで、ブラシ毛が毛髪を捕捉しやすくなり、ブラシ毛による毛髪のブラッシング効果を高めることができる。
【0065】
また、図10に示すように、各ブラシ毛21の先端の位置は、アタッチメント210の上面視または下面視(Y1側またはY2側からアタッチメント210を見た状態)で、突起211Lおよび211Rの先端の位置よりも低くなっている。すなわち、ブラシ毛21の表面20aからの長さ(高さ)は、突起211Lおよび211Rの表面20aからの長さ(高さ)以下となっている。
【0066】
これにより、ヘアドライヤ1の使用時に、ブラシ毛21に捕捉された毛髪を、左右両側の突起211Lおよび211Rで挟まれた領域内に収めた状態で、ヘアドライヤ1を毛髪の伸長方向に沿って動かすことができる。これにより、毛髪がアタッチメント210の左右方向(X方向)に飛び出すことを抑えることができるため、毛髪がまとまった状態のスタイリングを実現することができる。
【0067】
さらに、本実施形態では、図11に示すように、ブラシ毛21の表面20aからの高さは、吹出口212および213の上端位置よりも低くなっている。そして、各吹出口212および213の開口部は、風の吹き出し方向が表面20a側へ向くように傾斜している。
【0068】
これにより、各吹出口212および213からの風は、本体部20の表面20a側に向かって送出される。すなわち、ブラシ毛21の根元へ向けて風が吹き出される。そして、各ブラシ毛21の両側の端部に突起211Lおよび211Rが設けられていることで、スタイリング対象となる毛髪がアタッチメント210のブラシ毛21の先端よりも飛び出さない(すなわち、Z1方向に飛び出さない)ようにしつつ、毛髪を表面20aに沿わせるようにブラッシングすることができる。
【0069】
なお、Y方向に並んで配置されている各突起211Lおよび211Rは、ブラシの役割も担うことができる。例えば、並んで配置されている複数の突起の間に毛髪を入り込ませて、ヘアドライヤ1の把持部30をY方向の軸を中心に回転させることで、毛髪をカールした状態にスタイリングすることができる。
【0070】
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、アタッチメント210の第1吹出口212および第2吹出口213の何れか一方から選択的に風を送出するように構成されている。具体的には、アタッチメント210は、風が送出される吹出口を切り替えるための風路切替え部225、および風路切替え抓み226を有している。
【0071】
風路切替え抓み226は、アタッチメント210の上端部(Y1側の端部)に設けられている。風路切替え抓み226は、風路切替え部225と接続されている。
【0072】
風路切替え部225は、風路32内に配置されている筒状の構造体であり、円筒形状の風路32内を回転移動する。風路切替え部225には、2つの開口部(すなわち、第1開口部225aおよび第2開口部225b)が設けられている(図11参照)。
【0073】
使用者が風路切替え抓み226を回転させることで、風路切替え部225は風路32内で回転する。これにより、風路切替え部225に設けられている2つの開口部の位置が変更される。
【0074】
例えば、風路切替え部225が図11に示す状態の場合には、本体部20内の主たる風路32と第1吹出口212側へと分岐する分岐流路32aとの間は、第1開口部225aによって連通した状態となる。一方、本体部20内の主たる風路32と第2吹出口213側へと分岐する分岐流路32bとの間は、風路切替え部225の壁によって塞がれた状態となる。これにより、第2吹出口213側からは風が送出されず、第1吹出口212側から風が送出される(図11の実線矢印参照)。
【0075】
一方、風路切替え部225が回転し、主たる風路32と第2吹出口213側へと分岐する分岐流路32bとの間が第2開口部225bによって連通した状態になると、第1吹出口212側からは風が送出されず、第2吹出口213側から風が送出される(図11の破線矢印参照)。
【0076】
以上のような構成により、ヘアドライヤ1は、アタッチメント210の第1吹出口212および第2吹出口213の何れか一方から選択的に風を送出することができる。これにより、ヘアドライヤ1の使用者は、スタリング対象となる使用者の毛髪とヘアドライヤ1との位置関係などに応じて、風路切替え抓み226を適宜操作して、第1吹出口212および第2吹出口213のうちの所望の吹出口の方から風を送出させることができる。
【0077】
上述の実施形態では、使用者が風路切替え抓み226を操作して風路の切替えを行っている。しかし、別の実施形態では、把持部30の操作部に設けられている切替えスイッチなどを使用者が操作し、ヘアドライヤ1に内蔵された駆動部(例えば、電動モータ、アクチュエータなど)が風路の切替えを行ってもよい。さらに別の実施形態では、アタッチメント210にセンサなどを設け、毛髪とヘアドライヤ1との位置関係をセンシングすることにより、駆動部が自動で風路の切替えを行ってもよい。
【0078】
(アタッチメントの他の構成例)
図12には、ヘアドライヤ1に取り付けられるアタッチメントの他の構成例を示す。図12に示すアタッチメント210Aは、その表面20aにブラシ毛21が設けられていない。それ以外の構成については、アタッチメント210と同様の構成が適用できる。
【0079】
<第3の実施形態>
続いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態にかかるヘアドライヤ1は、アタッチメントの構成が第1の実施形態とは異なっている。把持部30の構成は、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0080】
図13および図14には、第3の実施形態にかかるヘアドライヤ1の外観構成を示す。図14は、ヘアドライヤ1を下方側(Y2側)から見た場合の平面図である。
【0081】
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、主として、把持部30と、アタッチメント(吹出構造体)310とで構成されている。アタッチメント310は、把持部30から取り外し可能(着脱可能)な構成となっている。別の実施形態では、アタッチメント310は、把持部30と一体型の構成(すなわち、着脱できない構成)であってもよい。
【0082】
把持部30は、第1の実施形態で説明した把持部30と同様の構成を有しているため、詳しい説明は省略する。
【0083】
アタッチメント310の外形は、主として本体部20で形成されている。本体部20の内部には、風路32が設けられている。本体部20の表面20aには、複数の突起211Rが形成されている。各突起211Rは、表面20aからZ1方向に突出している。
【0084】
本実施形態では、複数の突起211Rは、表面20aの第1方向(すなわち、X方向)の右端部(あるいは、右端部近傍)に、第1方向と直交する第2方向(すなわち、Y方向)に並んで配置されている。突起211Rは、第2の実施形態で説明した突起211Rと同様の構成を有している。
【0085】
各突起211Rは、吹出口213を有している。吹出口213は、突起211Rの左側(X1側)の側面に設けられている。この構成により、吹出口213は、第1方向(すなわち、X方向)の一方の側(本実施形態では、左側(X1側))へ向けて風を送出することができる。すなわち、吹出口213は、表面20aの中央側へ向けて風を送出することができる。
【0086】
以上のように、本実施形態にかかるアタッチメント310には、本体部20の表面20aの右側(X2側)の端部にのみ複数の突起211Rが形成されている。本体部20の表面20aの左側(X1側)の端部には、突起は形成されていない。なお、別の実施形態では、本体部20の表面20aの左側(X1側)の端部(あるいは、左端部近傍)にのみ複数の突起が形成されていてもよい。
【0087】
各吹出口213からの風は、本体部20の表面20a側に向かって送出される。これにより、スタイリング対象となる毛髪が外方向に広がらないようにしつつ、毛髪を表面20aに沿わせるようにブローすることができる。
【0088】
なお、図13などに示すヘアドライヤ1のアタッチメント310は、ブラシ毛21を有していないが、別の実施形態では、本体部20の表面20aにブラシ毛21が設けられていてもよい。
【0089】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1 :ヘアドライヤ(毛髪乾燥機)
10 :アタッチメント(吹出構造体)
11 :突起
12 :第1吹出口(吹出口)
13 :第2吹出口(吹出口)
20 :(アタッチメントの)本体部
20a :(本体部の)表面
21 :ブラシ毛
25 :切替え抓み
26 :風路切替え部
30 :把持部
32 :風路
110 :アタッチメント(吹出構造体)
210 :アタッチメント(吹出構造体)
211L:突起
211R:突起
212 :第1吹出口(吹出口)
213 :第2吹出口(吹出口)
225 :風路切替え部
226 :風路切換え抓み
310 :アタッチメント(吹出構造体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14