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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092429
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】手持型電気送風機器
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
A45D20/12 C
A45D20/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208339
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 昌臣
(72)【発明者】
【氏名】下田 卓也
(72)【発明者】
【氏名】小柳 智裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 凌
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CF02
3B040CF03
3B040CG00
(57)【要約】
【課題】吊り下げ用の通し穴を有し、利便性をより向上させた手持型電気送風機器を提供する。
【解決手段】手持型電気送風機器の一例であるヘアドライヤ1は、内部に送風ファンを有する本体部20を備えている。本体部20は、その長手方向(例えば、Y方向)の一端側に、本体部20を貫通する吸気用の貫通孔21を有している。貫通孔21の壁面には、吸気口41が設けられている。貫通孔21は、吊り下げ用の通し穴となっており、フック90などの吊り下げ部材に吊り下げられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に送風ファンを有する本体部を備え、
前記本体部は、その長手方向の一端側に、前記本体部を貫通する吸気用の貫通孔を有し、
前記貫通孔の壁面には、吸気口が設けられており、
前記貫通孔は、吊り下げ用の通し穴となっている、
手持型電気送風機器。
【請求項2】
前記手持型電気送風機器の吊り下げ時に吊り下げ部材と接触する部分の強度が、前記貫通孔の他の部分の強度よりも高くなっている、
請求項1に記載の手持型電気送風機器。
【請求項3】
前記貫通孔における前記吊り下げ部材と接触する部分には、前記吸気口は形成されていない、
請求項2に記載の手持型電気送風機器。
【請求項4】
前記貫通孔における前記吊り下げ部材と接触する部分を含む前記貫通孔の一壁面には、前記吸気口は形成されていない、
請求項3に記載の手持型電気送風機器。
【請求項5】
前記貫通孔の側面視の形状は、前記本体部の前記長手方向の少なくとも何れか一方の端部側の幅が、前記貫通孔の他の部分の幅よりも狭くなっている、
請求項2から4の何れか1項に記載の手持型電気送風機器。
【請求項6】
前記手持型電気送風機器の吊り下げ時に前記吊り下げ部材が当たる前記貫通孔の一壁面に、凹部が設けられている、
請求項2から4の何れか1項に記載の手持型電気送風機器。
【請求項7】
前記手持型電気送風機器の吊り下げ時に前記吊り下げ部材が当たる前記貫通孔の一壁面に、凹部が設けられている、
請求項5に記載の手持型電気送風機器。
【請求項8】
電源プラグのケーシングをさらに備え、
前記ケーシングは、吊り下げ用の貫通孔を有している、
請求項2から4の何れか1項に記載の手持型電気送風機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ヘアドライヤなどのようにユーザが手に持って使用する手持型電気送風機器に関する。
【背景技術】
【0002】
内部に送風ファンを有する電気送風機器には、本体部に吸気用の孔が設けられている。例えば、特許文献1に開示されているヘアドライヤーは、空気吹出部1の後端部に連接され左右側面に空気吸込口3が設けられた空気吸込部4を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3237519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
手持型の電気機器には、非使用時にフックなどの吊り下げ部材などに吊り下げて保管できるようにするために、吊り下げ用のフックの通し穴が設けられているものがある。この吊り下げ用のフックの通し穴は、例えば、特許文献1に開示されているヘアドライヤーなどのように、機器の端部の電源コードプロテクタに設けられていることが多い。しかし、蛇腹形状の電源コードプロテクタに吊り下げ用のフックの通し穴を設けると、蛇腹形状の特性である柔軟性が損なわれる可能性がある。
【0005】
本発明では、吊り下げ用の通し穴を有し、利便性をより向上させた手持型電気送風機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面にかかる手持型電気送風機器は、内部に送風ファンを有する本体部を備えている。前記本体部は、その長手方向の一端側に、前記本体部を貫通する吸気用の貫通孔を有し、前記貫通孔の壁面には、吸気口が設けられており、前記貫通孔は、吊り下げ用の通し穴となっている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一局面によれば、吊り下げ用の通し穴を有し、利便性をより向上させた手持型電気送風機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態にかかるヘアドライヤの外観構成を示す斜視図である。
図2図1に示すヘアドライヤの外観構成を示す正面図である。
図3図1に示すヘアドライヤの内部構成を示す断面図である。
図4図1に示すヘアドライヤの上方側を拡大して示す斜視図である。
図5図1に示すヘアドライヤの上方側を拡大して示す断面図である。
図6図1に示すヘアドライヤに設けられている吸気口形成部材の構成を示す斜視図である。
図7図1に示すヘアドライヤに設けられている吸気口形成部材の他の構成例を示す斜視図である。
図8】第2の実施形態にかかるヘアドライヤの外観構成を示す側面図である。
図9図8に示すヘアドライヤから吸気口形成部材を取り外した状態を示す斜視図である。
図10】第3の実施形態にかかるヘアドライヤの一部分の構成を示す側面図である。
図11】第4の実施形態にかかるヘアドライヤの一部分の構成を示す斜視図である。
図12図11に示すヘアドライヤの一部分の内部構成を示す断面図である。
図13図11に示すヘアドライヤに設けられている吸気口形成部材の構成を示す斜視図である。
図14】第5の実施形態にかかるヘアドライヤの外観構成を示す側面図である。
図15図14に示すヘアドライヤの一部分の構成を示す斜視図である。
図16図14に示すヘアドライヤの一部分の内部構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
本実施形態では、本発明にかかる手持型電気送風機器の一例であるヘアドライヤを例に挙げて説明する。但し、本発明にかかる手持型電気送風機器は、ヘアドライヤに限定はされず、手持式の小型ブロワーなどのように、本体部内に送風ファンを備えている送風機器などにも適用できる。
【0011】
<第1の実施形態>
(ヘアドライヤの全体構成)
先ず、第1の実施形態にかかるヘアドライヤ1の全体構成について説明する。図1は、ヘアドライヤ1の斜視図である。図2は、ヘアドライヤ1の正面図である。図3は、ヘアドライヤ1の断面図である。
【0012】
本明細書では、ヘアドライヤ1の各構成要素の形状および位置関係などを説明するにあたって、便宜上、ヘアドライヤ1を図1などに示すようなX(X1-X2)方向(左右方向)、Y(Y1-Y2)方向(上下方向)、Z(Z1-Z2)方向(前後方向)という三方向の座標軸で規定する。なお、上記Y方向は、把持部(本体部)20の長手方向または軸方向と言い換えることもできる。
【0013】
ヘアドライヤ1は、主として、風吹出部10と、把持部(本体部)20とで構成されている。
【0014】
風吹出部10は、XY面に沿った表面(Z1側の面)に複数の突起11を有している。各突起11には、風の吹出口12が設けられている。把持部20内の送風ファン22(図3参照)を稼働させると、各吹出口12から風が吹き出される。なお、風吹出部10の構成は一例であり、ヘアドライヤ1には、異なる構成の風吹出部10を取り付けることができる。
【0015】
把持部20は、Y方向(上下方向)に沿って延びる柱状の形状を有している。一例では、把持部20の横断面(XZ断面)の形状は、略円形となっている。
【0016】
把持部20の上方側(Y1側)の端部には、電源コード31が設けられている。把持部20と電源コード31との接続部には、電源コード31を保護するために蛇腹形状のコードプロテクタ32が設けられている。電源コード31の先端部には、電源プラグ50(図1では図示せず)が設けられている。図1図2図3、および図4では、ヘアドライヤ1を吊り下げられた状態で図示しているため、電源コード31側(Y1側)が上方となっている。なお、別の実施態様では、ヘアドライヤ1はコードレスタイプであってもよい。
【0017】
把持部20の内部には、送風ファン22、ヒータ部23、イオン供給部(帯電微粒子発生装置ともいう)(図示せず)、および制御部(図示せず)などが備えられている(図3参照)。
【0018】
把持部20は、その長手方向(すなわち、Y方向)の一端側(具体的には、Y1側の端部近傍)に、把持部20を貫通する吸気用の貫通孔21を有している。本実施形態では、貫通孔21は、把持部20を貫通するようにX方向に延びている。但し、貫通孔21の延伸方向は、X方向(左右方向、すなわち、側面方向)に限定はされない。別の例では、例えば、貫通孔21は、Z方向(前後方向、すなわち、正面背面方向)に延びていてもよい。
【0019】
貫通孔21の壁面(例えば、側壁面40cなど)には、複数の吸気口41が設けられている。これにより、送風ファン22の稼働時に、吸気口41から把持部20内に空気が流入する。そして、送風ファン22によって生成された風は、風吹出部10の各吹出口12から吹き出される。
【0020】
なお、貫通孔21は、吊り下げ用の通し穴としても利用される。すなわち、図1などに示すように、貫通孔21には、フック90などの吊り下げ部材が差し込まれる。これにより、ヘアドライヤ1を洗面所や部屋の壁などに取り付けられているフックなどに吊り下げることができる。なお、本実施形態におけるフック90の形状は、英文字のJ字状であるが、フックの形状はこれに限定されない。例えば、フックは、横棒型のフック、L字状のフックなどであってもよい。
【0021】
本実施形態では、貫通孔21は、吸気口形成部材40によって形成されている。吸気口形成部材40は、把持部20から取り外すことができる。すなわち、吸気口形成部材40は、把持部20に対して着脱可能となっている。本実施形態では、吸気口形成部材40を把持部20の外装部材とは別部材で形成しているが、別の実施態様では、貫通孔21は、把持部20の外装部材の一部を用いて形成してもよい。
【0022】
(貫通孔の構成)
続いて、把持部20に設けられている貫通孔21のより詳細な構成について説明する。図4および図5には、貫通孔21が設けられているヘアドライヤ1の上方側(すなわち、Y1側)を拡大して示す。図5は、貫通孔21の延伸方向に沿って把持部20を切断した場合のヘアドライヤ1のXY面の断面図である。また、図6には、吸気口形成部材40の構成を示す。
【0023】
本実施形態では、貫通孔21は、把持部20の長手方向(すなわち、Y方向)に沿って縦長の略直方体の外形を有している。本実施形態では、貫通孔21は、X方向に延びて把持部20内を貫通している。一例では、ヘアドライヤ1をフック90に吊り下げるときには、貫通孔21の一方の開口部(図5に示す例では、X2側の開口部)側からフック90が差し込まれ、貫通孔21の他方の開口部(図5に示す例では、X1側の開口部)側からフック90の先端部を飛び出させる。別の例では、貫通孔21における図5とは反対側の開口部からフック90を挿入してもよい。
【0024】
吸気口形成部材40は、貫通孔21の各壁面を形成している。吸気口形成部材40は、例えば、金属材料、樹脂材料などで形成することができる。吸気口形成部材40を金属材料で形成することで、貫通孔21の各壁面の強度を向上させることができる。
【0025】
吸気口形成部材40は、上壁面40a、下壁面40b、2つの側壁面40c・40c、およびフランジ部44を有している。吸気口形成部材40が把持部20に取り付けられた状態で、上壁面40aは、貫通孔21の上方側(すなわち、Y1側)の壁面を形成する。吸気口形成部材40が把持部20に取り付けられた状態で、下壁面40bは、貫通孔21の下方側(すなわち、Y2側)の壁面を形成する。吸気口形成部材40が把持部20に取り付けられた状態で、各側壁面40cは、貫通孔21のXY面に沿った壁面をそれぞれ形成する。
【0026】
各壁面40a・40b・40cには、多数の吸気口41が形成されている。図6に示す例では、側壁面40cに形成された吸気口41は略円形状を有しており、上壁面40aおよび下壁面40bに形成された吸気口41は縦長の開口形状を有している。なお、吸気口41の形状はこれに限定はされない。
【0027】
フランジ部44は、貫通孔21の一方の開口部(図4に示す例では、X1側の開口部)に設けられている。このようなフランジ部44が設けられていることで、吸気口形成部材40の強度を高めることができる。また、把持部(本体部)20から吸気口形成部材40を着脱する際に、フランジ部44を持って着脱を行うことができるため、着脱時の作業性を向上させることができる。
【0028】
図5に示すように、ヘアドライヤ1をフック90に吊り下げた状態では、貫通孔21の上方側(すなわち、Y1側)の角部分にフック90の棒状体が当たる。この部分を、吸気口形成部材40におけるフック当たり部42と呼ぶ。このフック当たり部42には、ヘアドライヤ1のフック吊り下げ時により多くの負荷がかかる。
【0029】
そこで、本実施形態では、フック当たり部42の強度を、吸気口形成部材40の他の部分の強度よりも高くしている。具体的には、フック当たり部42の肉厚を、吸気口形成部材40の他の部分の肉厚よりも大きくしている。これにより、フック吊り下げ時の吸気口形成部材40の耐久性を向上させることができる。なお、フック当たり部42の強度を他の部分の強度よりも高くする他の方法としては、例えば、フック当たり部42の裏面側にリブを設けるなどの方法が挙げられる。
【0030】
また、本実施形態では、フック当たり部42には、吸気口41が形成されていない。これにより、フック当たり部42の強度をより高めることができ、フック吊り下げ時の吸気口形成部材40の耐久性を向上させることができる。
【0031】
(吸気口形成部材の他の構成例)
図7には、吸気口形成部材40とは異なる構成を有する吸気口形成部材140の構成を示す。吸気口形成部材140は、吸気口形成部材40と同様に、上壁面40a、下壁面40b、2つの側壁面40c・40c、およびフランジ部44を有している。
【0032】
吸気口形成部材140の下壁面40bおよび側壁面40cには、吸気口形成部材40と同様に、多数の吸気口41が形成されている。一方、吸気口形成部材140の上壁面40aには、吸気口は形成されていない。
【0033】
このように、吸気口形成部材140においては、貫通孔21におけるフック90と接触する部分(すなわち、フック当たり部42)を含む貫通孔21の一壁面(すなわち、上壁面40a)の面全体には、吸気口は形成されていない。これにより、ヘアドライヤ1をフック90に吊り下げる際に、フック90の先端が上壁面40aに接触し、上壁面40aの吸気口41に引っかかることにより、吸気口41が破損することがなくなる。すなわち、フック吊り下げ時の吸気口形成部材140の耐久性をより向上させることができる。
【0034】
また、フック90の先端が上壁面40aに接触し、上壁面40aの吸気口41に引っかかることによる、吊り下げ動作のし辛さを低減することができる。なお、上壁面40aの肉厚を、吸気口形成部材40の他の部分の肉厚よりも大きくしてもよい。これにより、フック吊り下げ時の吸気口形成部材40の耐久性を向上させることができる。なお、上壁面40aの強度を他の部分の強度よりも高くする他の方法としては、例えば、上壁面40aの裏面にリブを設けるなどの方法が挙げられる。
【0035】
(第1の実施形態のまとめ)
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、内部に送風ファン22を有する把持部(本体部)20を備えている。把持部20は、その長手方向(例えば、Y方向)の一端側(例えば、Y1側)に、把持部20を貫通する吸気用の貫通孔21を有している。貫通孔21の壁面には、吸気口41が設けられている。貫通孔21は、吊り下げ用の通し穴を兼用しており、フック90などの吊り下げ部材にヘアドライヤ1を吊り下げることができる。
【0036】
上記の構成によれば、貫通孔21の壁面(例えば、側壁面40cなど)に、複数の吸気口41を設けることで、吸気口が把持部20の外周面に露出しない構成とすることができ、ヘアドライヤ1の意匠性を向上させることができる。また、把持部20を持った時に吸気口41が手で塞がれることを回避することができる。さらに、この貫通孔21を吊り下げ用の通し穴として利用することで、ヘアドライヤ1を部屋の壁などに取り付けられているフック90などに吊り下げることができる。これにより、より保管しやすく、利便性の高いヘアドライヤ1が得られる。
【0037】
また、上記の構成によれば、コードプロテクタ32に吊り下げ用のフックの通し穴を設ける必要がなくなる。そのため、蛇腹状のコードプロテクタ32の屈曲性が低減することを避けることができる。
【0038】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態にかかるヘアドライヤ1は、貫通孔の構成が第1の実施形態とは異なっている。貫通孔以外の構成は、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0039】
図8には、第2の実施形態にかかるヘアドライヤ1の外観構成を示す。図9には、ヘアドライヤ1の把持部20から吸気口形成部材240を取り外した状態を示す。
【0040】
第1の実施形態と同様に、本実施形態にかかるヘアドライヤ1の把持部20には、吸気口41を有する貫通孔221が設けられている。この貫通孔221は、吊り下げ用の通し穴としても利用される。これにより、ヘアドライヤ1を部屋の壁などに取り付けられているフックなどに吊り下げることができる。なお、吸気口形成部材240は、把持部20に対して着脱可能となっている。
【0041】
図8に示すように、貫通孔221は、把持部20の長手方向(すなわち、Y方向)の一端側(具体的には、Y1側の端部近傍)に設けられている。貫通孔221は、吸気口形成部材240によって形成されている。
【0042】
第1の実施形態では、貫通孔21は、把持部20の長手方向(すなわち、Y方向)に沿って縦長の略直方体の外形を有している。これに対して、本実施形態では、貫通孔221の側面視の形状は、把持部20の長手方向(すなわち、Y方向)の上方端部側(すなわち、Y1側)221aが円形を有し、下方端部側(すなわち、Y2側)221bが方形を有する形状となっている。そして、上方端部側(すなわち、Y1側)221aの貫通孔21の径(すなわち、円の直径)よりも、下方端部側(すなわち、Y1側)221bの貫通孔21の径(すなわち、長方形の短辺の径)の方が小さくなっている。
【0043】
このように、本実施形態では、貫通孔221の側面視での横幅(すなわち、Z方向の孔の幅)は、上方端部側(すなわち、Y1側)の部分221aに比べて下方端部側(すなわち、Y2側)の部分221bの方が狭くなっている。これにより、貫通孔21の下方端部側(すなわち、Y2側)における把持部20内の空間をより大きくすることができる。したがって、例えば、回路基板などの部品を把持部20内のより上方側(すなわち、Y1側)にまで配置することができる。すなわち、下方端部側(すなわち、Y2側)の部分221bに、回路基板の一部が隣り合うように回路基板を配置することができる。これにより、ヘアドライヤ1の長手方向の大きさを縮小することができる。
【0044】
なお、図9に示すように、本実施形態にかかるヘアドライヤ1においては、把持部20側の貫通孔221の形成位置に、吸気口形成部材240に形成されている各吸気口41と同様の形状の吸気口241が形成されている。吸気口241は、吸気口形成部材240を取り付けた状態で各吸気口41と重なる位置に形成されている。これにより、吸気口形成部材240を取り付けた場合に、吸気口の開口面積が減少することを低減させることができる。
【0045】
また、吸気口形成部材240を把持部20から取り外した場合には、貫通孔221の形成領域が完全な開口状態とはならないため、把持部20の内部に異物などが入り込むことを抑制することができる。なお、第1の実施形態にかかるヘアドライヤ1においても、これと同様の構成を適用することができる。
【0046】
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態にかかるヘアドライヤ1は、貫通孔の構成が第2の実施形態とは異なっている。貫通孔以外の構成は、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0047】
上述の第2の実施形態では、側面視において、上方端部側(すなわち、Y1側)の部分221aよりも下方端部側(すなわち、Y2側)の部分221bの方が幅の狭い貫通孔221を有するヘアドライヤ1について説明した。しかし、貫通孔の側面視の形状は、把持部20の長手方向(すなわち、Y方向)の少なくとも何れか一方の端部側の幅(すなわち、Z方向の孔の大きさ)が、貫通孔の他の部分の幅よりも狭くなっていればよい。
【0048】
図10には、第3の実施形態にかかるヘアドライヤ1の上方部分(すなわち、Y1側の部分)の外観構成を示す。図10に示すヘアドライヤ1は、貫通孔321を有している。この貫通孔321は、吊り下げ用の通し穴として利用される。
【0049】
貫通孔321の側面視での横幅(すなわち、Z方向の孔の大きさ)は、下方端部側(すなわち、Y2側)の部分321bに比べて上方端部側(すなわち、Y1側)の部分321aの方が狭くなっている。すなわち、貫通孔321の各部分321aおよび321bの横幅の大小関係は、第2の実施形態で説明した貫通孔221の各部分221aおよび221bの横幅の大小関係とは逆になっている。
【0050】
上記の構成によれば、ヘアドライヤ1をフック90に吊り下げたときに、貫通孔321におけるより幅の狭い箇所(すなわち、上方端部側の部分321a)にフック90を配置することができる(図10参照)。これにより、フック吊り下げ時のヘアドライヤ1のガタツキを抑え、ヘアドライヤ1をより安定した状態で吊り下げることができる。
【0051】
なお、さらに別の例では、貫通孔の側面視の形状は、把持部20の長手方向(すなわち、Y方向)の両側の端部側の横幅が、貫通孔の中央部分の幅よりも狭くなっていてもよい。
【0052】
<第4の実施形態>
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態にかかるヘアドライヤ1は、貫通孔の構成が第1の実施形態とは異なっている。貫通孔以外の構成は、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0053】
図11には、第4の実施形態にかかるヘアドライヤ1の上方部分(すなわち、Y1側の部分)の外観構成を示す。図12には、図11に示すヘアドライヤ1の上方部分(すなわち、Y1側の部分)の内部構成を示す。図12は、貫通孔21の延伸方向に沿って把持部20を切断した場合のヘアドライヤ1のXY面の断面図である。
【0054】
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、貫通孔21を有している。この貫通孔21は、吊り下げ用の通し穴として利用される。貫通孔21の側面視の形状は、第1の実施形態で説明した貫通孔21と同様である。
【0055】
本実施形態では、貫通孔21は、吸気口形成部材440によって形成されている。吸気口形成部材440は、把持部20から取り外すことができる。すなわち、吸気口形成部材440は、把持部20に対して着脱可能となっている。図13には、吸気口形成部材440の構成を示す。
【0056】
吸気口形成部材440は、貫通孔21の各壁面を形成している。第1の実施形態で説明した吸気口形成部材40などと同様に、吸気口形成部材440は、例えば、金属材料、樹脂材料などで形成することができる。
【0057】
吸気口形成部材40などと同様に、吸気口形成部材440は、上壁面40a、下壁面40b、2つの側壁面40c・40c、およびフランジ部44を有している。吸気口形成部材440の下壁面40bおよび側壁面40cには、吸気口形成部材40と同様に、多数の吸気口41が形成されている。
【0058】
一方、吸気口形成部材440の上壁面40aには、吸気口は形成されていない。そして、吸気口形成部材440の上壁面40aには、凹部445が設けられている。本実施形態では、凹部445は、上壁面40aの一部を打ち抜いた開口部の形状を有している。
【0059】
この凹部445には、ヘアドライヤ1を略J字状のフック90に吊り下げたときに、フック90の先端が入り込む(図12参照)。本実施形態では、吸気口形成部材440の上壁面40aと把持部20の内部空間との間に、把持部20の外装部材の一部27で仕切られた小空間28が形成されている。図12に示すように、フック90の先端は、この小空間28内に入り込む。外装部材の一部27によって小空間28が仕切られていることで、凹部445から塵埃などが入り込んだとしても小空間28内に留まるため、把持部20内の他の部分に塵埃が入り込むことを防止することができる。
【0060】
以上のように、本実施形態では、ヘアドライヤ1の吊り下げ時にフック90が当たる貫通孔21の一壁面(具体的には、吸気口形成部材440の上壁面40a)に、凹部445が設けられている。この構成によれば、ヘアドライヤ1の吊り下げ時にフック90の先端をこの凹部445内に配置することで、ヘアドライヤ1をより安定した状態で吊り下げることができる。言い換えれば、ヘアドライヤ1の吊り下げ時にフック90の先端をこの凹部445内に配置することで、フック90からヘアドライヤ1が滑り落ちてしまうことを低減できる。より詳しく言えば、フック90の湾曲部の直径が、貫通孔21のX方向の長さよりも小さい場合であっても、そのフック90先端が凹部445に入り込むことで、フック90からヘアドライヤ1が滑り落ちてしまうことを低減させることができる。
【0061】
なお、本実施形態では、凹部445は開口部の形状を有しているが、別の実施態様では、凹部445は、有底凹部であってもよい。例えば、凹部445は、上壁面40aの一部を抉った凹みの形状であってもよい。この場合には、上壁面40aをより肉厚とし、小空間28は設けない構成とするのがよい。
【0062】
また、吸気口形成部材440の上壁面40aに、貫通孔21の延伸方向(例えば、X方向)に沿って複数個の凹部を設けてもよい。様々なサイズのフック90に対してヘアドライヤ1をより安定した状態で吊り下げることができる。
【0063】
また、吸気口形成部材440の上壁面40aに設けられている凹部は、貫通孔21の延伸方向(例えば、X方向)に沿って延びる溝であってもよい。ヘアドライヤ1の吊り下げ時にフック90の先端を溝の任意の位置に配置させることで、様々なサイズのフック90に対してヘアドライヤ1をより安定した状態で吊り下げることができる。なお、この溝のX方向の両端は閉じられていることが好ましい。これにより、ヘアドライヤ1が溝に沿ってフック90の先端を滑ってしまったとしても、溝の両端でフック90の先端を引っ掛けることができる。そのため、ヘアドライヤ1がフック90から落下することを低減することができる。
【0064】
本実施形態にかかる構成は、第2の実施形態で説明した貫通孔221を有するヘアドライヤ1、および第3の実施形態で説明した貫通孔321を有するヘアドライヤ1に適用することもできる。
【0065】
<第5の実施形態>
続いて、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態では、電源コードの先端に設けられている電源プラグのケーシングに、吊り下げ用の貫通孔が設けられている構成について説明する。
【0066】
図14には、第5の実施形態にかかるヘアドライヤ1の外観構成を示す。図15には、図14に示すヘアドライヤ1の上方部分(すなわち、Y1側の部分)の外観構成を示す。図16には、図14に示すヘアドライヤ1の上方部分(すなわち、Y1側の部分)の内部構成を示す。図16は、貫通孔21の延伸方向に沿って把持部20および電源プラグ50を切断した場合のヘアドライヤ1のXY面の断面図である。なお、図14から図16では、電源コード31の中間部分の図示は省略している。
【0067】
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、主として、風吹出部10と、把持部20と、電源プラグ50とで構成されている。風吹出部10および把持部20の構成は、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0068】
電源プラグ50は、電源コード31の先端側(コードプロテクタ32とは反対側)に設けられている。電源プラグ50は、プラグ部51と、ケーシング52とを有している。なお、電源プラグ50の内部に、ヘアドライヤ1の回路基板の一部を設けてもよい。これにより、把持部20のY方向の長さを短くすることも可能となる。
【0069】
ケーシング52には、貫通孔53が設けられている。貫通孔53は、ケーシング52におけるプラグ部51の配置面からその対向面へ向けて、電源プラグ50を貫通するように設けられている。この貫通孔53は、吊り下げ用の通し穴として利用される。
【0070】
図14から図16には、本実施形態にかかるヘアドライヤ1を吊り下げ収納用のフック90に吊り下げた状態を示す。図16に示すように、本実施形態にかかるヘアドライヤ1をフック90に吊り下げる場合には、電源プラグ50に設けられている貫通孔53を、把持部20に設けられている貫通孔21に連通するように配置する。そして、一つのフック90の先端部を、各貫通孔21および53に順次差し込む。これにより、図14に示すような状態で、ヘアドライヤ1を吊り下げ保管することができる。
【0071】
なお、貫通孔21をフック90に通してヘアドライヤ1をフック90に吊り下げた後に、貫通孔53をフック90に通して電源プラグ50をフック90に吊り下げるようにしてもよい。あるいは、貫通孔53にフック90に通して電源プラグ50をフック90に吊り下げた後に、貫通孔21をフック90に通してヘアドライヤ1をフック90に吊り下げるようにしてもよい。
【0072】
以上のように、本実施形態にかかる構成によれば、電源プラグ50を有するヘアドライヤ1において、ヘアドライヤ1の本体部分をフック90に吊り下げる時に、電源プラグ50も本体部分と一緒にフック90に吊り下げることができる。これにより、ヘアドライヤ1の吊り下げ収納時に、電源プラグ50の重みで電源コード31の付け根部分(すなわち、コードプロテクタ32およびその周辺部)に負荷がかかることを軽減することができる。
【0073】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1 :ヘアドライヤ(手持型電気送風装機器)
10 :風吹出部
11 :突起
12 :吹出口
20 :把持部(本体部)
21 :貫通孔
22 :送風ファン
31 :電源コード
32 :コードプロテクタ
40 :吸気口形成部材
40a :(吸気口形成部材の)上壁面
40b :(吸気口形成部材の)下壁面
40c :(吸気口形成部材の)側壁面
41 :吸気口
42 :フック当たり部
44 :フランジ部
50 :電源プラグ
51 :プラグ部
52 :ケーシング
53 :貫通孔
90 :フック(吊り下げ部材)
140 :吸気口形成部材
221 :貫通孔
240 :吸気口形成部材
321 :貫通孔
440 :吸気口形成部材
445 :凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16