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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092430
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】吹出構造体および毛髪乾燥機
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
A45D20/12 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208340
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健志
(72)【発明者】
【氏名】中村 凌
(72)【発明者】
【氏名】下田 卓也
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CH03
3B040CH04
(57)【要約】
【課題】風の送出方向を簡単に変更することのできる吹出構造体、およびヘアドライヤを提供する。
【解決手段】ヘアドライヤ1は、吹出構造体(アタッチメント)10を備えている。吹出構造体10は、内部に風路32を有する。吹出構造体10は、表面20aから突出する複数の突起11および12を備えている。突起11には、風の第1吹出口13が設けられており、突起12には、風の第1吹出口14が設けられている。表面20aには、風の第2吹出口22および23が設けられている。吹出構造体10では、第1吹出口13および14から風が送出される第1モードと、第2吹出口22および23から風が送出される第2モードとが切り替え可能に構成されている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に風路を有し、表面から突出する複数の突起を備えている吹出構造体であって、
前記突起には、風の第1吹出口が設けられており、
前記表面には、風の第2吹出口が設けられており、
前記第1吹出口から風が送出される第1モードと、前記第2吹出口から風が送出される第2モードとが切り替え可能に構成されている、
吹出構造体。
【請求項2】
前記第1吹出口からの風は、前記突起の突き出し方向に対して略90°以下の角度で送出される、
請求項1に記載の吹出構造体。
【請求項3】
前記第1吹出口からの風は、前記表面に略平行な方向に、または、前記表面側に向かって送出される、
請求項2に記載の吹出構造体。
【請求項4】
複数の前記突起は、
前記表面の第1方向の両端部に、前記第1方向と直交する第2方向に並んでそれぞれ配置されているか、あるいは
前記表面の前記第1方向の略中央部に、前記第2方向に並んで配置されている、
請求項1に記載の吹出構造体。
【請求項5】
前記第1吹出口は、前記第1方向の一方の側へ向けて風を送出する第1吹出口Aと、前記第1方向の他方の側へ向けて風を送出する第1吹出口Bとを含み、
前記第1吹出口Aおよび前記第1吹出口Bの何れか一方から選択的に風を送出するように構成されている、
請求項4に記載の吹出構造体。
【請求項6】
並んで配置されている前記複数の突起同士の間に、前記第2吹出口が配置されている、
請求項4に記載の吹出構造体。
【請求項7】
複数の前記突起は、前記表面の第1方向の何れか一方の端部に、前記第1方向と直交する第2方向に並んでそれぞれ配置されている、
請求項1に記載の吹出構造体。
【請求項8】
並んで配置されている前記複数の突起同士の間に、前記第2吹出口が配置されている、
請求項7に記載の吹出構造体。
【請求項9】
前記第1モードと前記第2モードとを切り替える駆動部をさらに備えている、
請求項1に記載の吹出構造体。
【請求項10】
請求項1から9の何れか1項に記載の吹出構造体を備えている毛髪乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪乾燥機などの送風装置の吹出構造体、およびこの吹出構造体を備えている毛髪乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪乾燥機には、吹き出す風の種類を変更することのできる仕様のものがある。例えば、特許文献1には、吹出風のパターンや吹出面積を変更自在にするノズルおよびシャッタを備えたヘアードライヤが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-130915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているヘアードライヤでは、ノズル20に設けられているシャッタ21を回転させることで、ノズルから吹き出される風の吹き出し幅を広げたり狭めたりしている。しかし、特許文献1の構成では、風の送出方向を変更することはできない。
【0005】
本発明では、風の送出方向を簡単に変更することのできる吹出構造体、およびヘアドライヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面にかかる吹出構造体は、内部に風路を有し、表面から突出する複数の突起を備えている。この吹出構造体において、前記突起には、風の第1吹出口が設けられており、前記表面には、風の第2吹出口が設けられており、前記第1吹出口から風が送出される第1モードと、前記第2吹出口から風が送出される第2モードとが切り替え可能に構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一局面によれば、風の送出方向を変更することのできる吹出構造体、およびヘアドライヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態にかかるヘアドライヤの外観構成を示す斜視図である。
図2図1に示すヘアドライヤをドライヤモードに変更したときの外観構成を示す斜視図である。
図3図1に示すヘアドライヤのアタッチメントの外観構成を示す斜視図である。
図4図3に示すアタッチメントの外観構成を示す平面図である。
図5図3に示すアタッチメントのスタイラーモードの状態を示す正面図である。
図6図3に示すアタッチメントのスタイラーモードの状態を示す側面図である。
図7図3に示すアタッチメントのスタイラーモードの状態を示す断面図である。
図8図3に示すアタッチメントのドライヤモードの状態を示す正面図である。
図9図3に示すアタッチメントのドライヤモードの状態を示す側面図である。
図10図3に示すアタッチメントのドライヤモードの状態を示す断面図である。
図11図3に示すアタッチメントからの風の吹き出し方向を説明するための模式図である。
図12図3に示すアタッチメントの左側吹出モードの状態を示す断面図である。
図13図3に示すアタッチメントの右側吹出モードの状態を示す断面図である。
図14図3に示すアタッチメントの両側吹出モードの状態を示す断面図である。
図15図1に示すヘアドライヤに取り付けられるアタッチメントの他の構成例を示す斜視図である。
図16】第2の実施形態にかかるヘアドライヤのアタッチメントの外観構成を示す斜視図である。
図17図16に示すアタッチメントの外観を示す正面図である。
図18図16に示すアタッチメントの外観を示す側面図である。
図19】第3の実施形態にかかるヘアドライヤの外観構成を示す斜視図である。
図20】第4の実施形態にかかるヘアドライヤの外観構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<第1の実施形態>
本実施形態では、本発明にかかる吹出構造体の一構成例を備えているヘアドライヤ1を例に挙げて説明する。本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、本発明にかかる毛髪乾燥機の一例である。ヘアドライヤ1は、毛髪のスタイリングを行う目的や毛髪を乾燥させる目的で使用することができる。例えば、毛髪のスタイリングを行う目的でヘアドライヤ1を使用する場合には、スタイラーモード(第1モード)が選択される。また、毛髪を乾燥させる目的でヘアドライヤ1を使用する場合には、ドライヤモード(第2モード)が選択される。
【0011】
(ヘアドライヤの全体構成)
先ず、本実施の形態にかかるヘアドライヤ1の全体構成について説明する。図1および図2には、ヘアドライヤ1の外観を示す。図1では、ヘアドライヤ1がスタイラーモードの状態を示しており、図2では、ヘアドライヤ1がドライヤモードの状態を示している。図3には、アタッチメント10の外観構成を示す。図4は、アタッチメント10を下方側(Y2側)から見た場合の平面図である。
【0012】
本明細書では、ヘアドライヤ1およびアタッチメント10の各構成要素の形状および位置関係などを説明するにあたって、便宜上、ヘアドライヤ1を図1および図2などに示すようなX(X1-X2)方向(左右方向)、Y(Y1-Y2)方向(上下方向)、Z(Z1-Z2)方向(前後方向)という三方向の座標軸で規定する。なお、上記X方向は、第1方向と言い換えることもでき、上記Y方向は、第2方向と言い換えることもでき、上記Z方向は、第3方向と言い換えることもできる。
【0013】
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、主として、把持部30と、アタッチメント(吹出構造体)10とで構成されている。アタッチメント10は、把持部30から取り外し可能(着脱可能)な構成となっている。
【0014】
把持部30には、アタッチメント10とは異なる種類の別のアタッチメントを取り付けることもできる。これにより、ヘアドライヤ1をより幅広い用途に用いることができる。なお、別の実施形態では、アタッチメント10は、把持部30と一体型の構成(すなわち、着脱できない構成)であってもよい。
【0015】
把持部30は、Y方向(上下方向)に沿って延びる柱状の形状を有している。一例では、把持部30の横断面(XZ断面)の形状は、略円形となっている。
【0016】
把持部30の外周面には、操作部(図示せず)が設けられている。ヘアドライヤ1の使用時に、使用者が操作部を操作することで、ヘアドライヤ1が動作を開始したり停止したりする。また、操作部が操作されることで、吹出口(例えば、第1吹出口13および14、第2吹出口22および23)から吹き出す風の種類(温風/冷風)および風量などが調節されるようにしてもよい。
【0017】
把持部30の下方側(Y2側)の端部には、電源コード(図示せず)が設けられている。また、別の実施形態では、ヘアドライヤ1はコードレスタイプであってもよい。
【0018】
把持部30の内部には、送風ファン(図示せず)、ヒータ(図示せず)、イオン供給部(帯電微粒子発生装置ともいう)(図示せず)、および制御部(図示せず)などが備えられている。把持部30の下方側(Y2側)の端部には、吸気口35が設けられている。
【0019】
アタッチメント10は、その下端(Y2側)に位置する接続部28が把持部30の上端部に取り付けられる。アタッチメント10は、内部に風路32を有している。風路32は、把持部30内の風路と連通している。アタッチメント10のXY面に概ね沿った表面(Z1側の面)20aには、複数の突起11および12が形成されている。各突起11および12は、表面20aからZ1方向に突出している。
【0020】
把持部30内の送風ファンを稼働させると、吸気口35から把持部30内に空気が流入し、把持部30内に下方(Y2側)から上方(Y1側)へと向かう空気の流れ(風)が形成される。この風は、アタッチメント10内の風路32へ流入し、各突起11または12に設けられている第1吹出口13および14、あるいは、表面20aに設けられている第2吹出口22および23から風が吹き出される。
【0021】
そして、本実施形態にかかるヘアドライヤ1においては、第1吹出口13および14から風が送出されるスタイラーモード(第1モード)と、第2吹出口22および23から風が送出されるドライヤモード(第2モード)とが切り替え可能に構成されている。これにより、アタッチメント10から吹き出される風の送出方向を、表面20aに沿った方向(すなわち、X方向)と、表面20aの前方方向(すなわち、Z1方向)との間で変更することができる。
【0022】
(アタッチメントの構成)
続いて、アタッチメント10のより詳細な構成について説明する。上述したように、ヘアドライヤ1は、スタイラーモード(第1モード)、および、ドライヤモード(第2モード)という少なくとも2つの動作モードでの運転が可能となっている。
【0023】
図5から図7には、スタイラーモードの状態のアタッチメント10を示す。図8から図10には、ドライヤモードの状態のアタッチメント10を示す。図7および図10は、アタッチメント10の内部構成を示す断面図である。これらの図は、アタッチメント10の突起12が形成されている部分をYZ面で切断した場合の断面図である。
【0024】
アタッチメント10は、本体部10aと、前面部材20とを有している。本体部10aは、アタッチメント10の後方側(Z2側)の外形を形成している。前面部材20は、アタッチメント10の前方側(Z1側)の外形を形成している。前面部材20は、上下方向(Y方向)にスライド移動可能な構成となっている。アタッチメント10の内部には、風路32が設けられている。
【0025】
前面部材20の表面20aには、複数の突起11および12が形成されている。各突起11および12は、表面20aからZ1方向に突出している。
【0026】
本実施形態では、複数の突起11および12は、表面20aの第1方向(すなわち、X方向)の両端部に、第1方向と直交する第2方向(すなわち、Y方向)に並んでそれぞれ配置されている。具体的には、複数の突起11は、表面20aの左側(すなわち、X1側)の端部近傍(あるいは、左端部)に、第2方向(すなわち、Y方向)に並んで配置されている。また、複数の突起12は、表面20aの右側(すなわち、X2側)の端部近傍(あるいは、右端部)に、第2方向(すなわち、Y方向)に並んで配置されている。
【0027】
各突起11は、第1a吹出口(第1吹出口A)13を有している。第1a吹出口13は、突起11の右側(X2側)の側面に設けられている。この構成により、第1a吹出口13は、第1方向(すなわち、X方向)の一方の側(例えば、右側(X2側))へ向けて風を送出することができる。
【0028】
また、各突起12は、第1b吹出口(第1吹出口B)14を有している。第1b吹出口14は、突起12の左側(X1側)の側面に設けられている。この構成により、第1b吹出口14は、第1方向(すなわち、X方向)の他方の側(例えば、左側(X1側))へ向けて風を送出することができる。
【0029】
本明細書では、突起に設けられている吹出口を総称して、第1吹出口(例えば、第1吹出口13および14など)と呼ぶ。そして、第1吹出口のうち、第1方向の一方の側へ向けて風を送出する吹出口を第1吹出口A(具体的には、第1a吹出口13)と呼び、第1方向の他方の側へ向けて風を送出する吹出口を第1吹出口B(具体的には、第1b吹出口14)と呼ぶ。
【0030】
各第1吹出口13および14からの風は、本体部10aの表面20aに略平行な方向に、あるいは、表面20a側に向かって送出される。例えば、各第1吹出口13および14の開口部が表面20a側へ向くように傾斜していることで、表面20a側に向かって風を送出させることができる(図4参照)。
【0031】
また、アタッチメント10には、第1吹出口13および14とは別の吹出口が設けられている。具体的には、アタッチメント10の表面20aには、第2a吹出口22および第2b吹出口23が設けられている。第2a吹出口22は、並んで配置されている複数の突起11同士の間に配置されている。第2b吹出口23は、並んで配置されている複数の突起12同士の間に配置されている。
【0032】
本明細書では、表面に設けられている吹出口を総称して、第2吹出口(例えば、第2吹出口22および23など)と呼ぶ。そして、本実施形態では、第2吹出口のうち、突起11側に設けられている吹出口を第2吹出口A(具体的には、第2a吹出口22)と呼び、突起12側に設けられている吹出口を第2吹出口B(具体的には、第2b吹出口23)と呼ぶ。
【0033】
なお、前面部材20の表面20aには、複数のブラシ毛(ブリッスル)が設けられていてもよい。各ブラシ毛は、例えば、表面20aにおける左右両側の突起11および12に挟まれた領域に配置することができる。このとき、各ブラシ毛の先端の位置は、アタッチメント10の上面視または下面視(Y1側またはY2側からアタッチメント10を見た状態)で、突起11および12の先端の位置よりも低くなっていることが好ましい。
【0034】
すなわち、ブラシ毛の表面20aからの長さ(高さ)は、突起11および12の表面20aからの長さ(高さ)以下となっている。これにより、ヘアドライヤ1の使用時に、ブラシ毛に捕捉された毛髪を、左右両側の突起11および12で挟まれた領域内に収めた状態で、ヘアドライヤ1を毛髪の伸長方向に沿って動かすことができる。これにより、毛髪がアタッチメント10の左右方向(X方向)に飛び出すことを抑えることができるため、毛髪がまとまった状態のスタイリングを実現することができる。
【0035】
なお、一例では、各ブラシ毛のうち、側面視で突起11および12の配置領域と重なる位置に設けられているブラシ毛よりも、側面視で各突起11同士(あるいは、各突起12同士)の間の領域と重なる位置に設けられているブラシ毛の方がより密度が高くなるように配置されている。この領域により多くのブラシ毛を配置することで、ブラシ毛が毛髪を捕捉しやすくなり、ブラシ毛による毛髪のブラッシング効果を高めることができる。
【0036】
アタッチメント10において、前面部材20は、本体部10aに対して上下方向(Y方向)にスライド移動するように構成されている(図5および図8の矢印A参照)。前面部材20を上下方向にスライド移動させることで、ヘアドライヤ1の動作モードを、スタイラーモードとドライヤモードとの間で切り替えることができる。前面部材20は、例えば、本体部10aの側面に設けられているモード切換え抓み25(図6など参照)を操作することで、スライド移動させることができる。
【0037】
具体的には、スタイラーモードでは、前面部材20が図5から図7に示す位置にある。すなわち、前面部材20の下方側(Y2側)の端部は接続部28の近傍に位置している。この場合には、表面20aに設けられている第2a吹出口22および第2b吹出口23は、前面部材20の一部である遮蔽部26によって塞がれた状態となる。そして、風路32は、各突起11および12内の空間と連通する。これにより、図7において矢印で示すように、風路32内の風は各突起11および12内へ流入し、各突起11および12に設けられている第1吹出口13および14から風が送出される。
【0038】
上記のスタイラーモードの状態から前面部材20を上方側(Y1)へスライドさせると、ドライヤモードに切り替わる。ドライヤモードでは、前面部材20が図8から図10に示す位置にある。すなわち、前面部材20の下方側(Y2側)の端部は接続部28から離間した位置している。この場合には、各突起11および12内の空間は、前面部材20の一部である遮蔽部26によって塞がれた状態となる(図10参照)。そして、表面20aに設けられている第2a吹出口22および第2b吹出口23は開口し、風路32と連通した状態となる。これにより、図10において矢印で示すように、風路32内の風は、表面20aに設けられている第2a吹出口22および第2b吹出口23から外部へ吹き出される。
【0039】
(各動作モードでの風の送出方向について)
続いて、スタイラーモードおよびドライヤモードの各モードにおける、アタッチメント10からの風の送出方向について、図11を参照しながら説明する。図11では、スタイラーモードにおける風の送出方向を実線の矢印で示し、ドライヤモードにおける風の送出方向を破線の矢印で示している。
【0040】
スタイラーモードでは、各突起11または12に設けられている第1吹出口13および14から風が吹き出される。第1吹出口13および14からの風は、アタッチメント10の表面20aに略平行な方向に、あるいは、表面20a側に向かって送出される。
【0041】
すなわち、第1吹出口13および14からの風は、突起11または12の突き出し方向(すなわち、Z1方向、または第3方向)に対して略90°以下の角度で送出される。これは、ヘアドライヤ1の左右方向(X方向)を0°と規定した場合に、吹出口からの風が、0°以下の方向に吹き出されることを意味する。
【0042】
これにより、スタイリング対象となる毛髪が、突起11および12の先端よりも上側に飛び出さない(すなわち、Z1方向に飛び出さない)ようにしつつ、毛髪を表面20aに沿わせるようにブラッシングすることができる。また、風が、頭皮に直接当たることを回避することができる。なお、各第1吹出口13および14から送出される風の吹き出し角度は、アタッチメントのサイズ、構造、および用途などに応じて適宜決めることができる。
【0043】
なお、Y方向に並んで配置されている各突起11および12は、ブラシの役割も担うことができる。例えば、並んで配置されている複数の突起の間に毛髪を入り込ませて、ヘアドライヤ1の把持部30をY方向の軸を中心に回転させることで、毛髪をカールした状態にスタイリングすることができる。
【0044】
ドライヤモードでは、表面20aに設けられている第2吹出口22および23から風が送出される。これにより、表面20aから前方方向(Z1方向)へ向かって風が吹き出される。これにより、アタッチメント10内の風路32から、乾燥対象となる毛髪へ向けて直接風を送出することができる。第2吹出口22および23から送出される風は、第1吹出口13および14から送出される風と比較して強い傾向にあるため、ドライヤモードでヘアドライヤ1を使用すると、より短時間で毛髪を乾燥させることができる。
【0045】
本体部10aの表面20aは、ヘアドライヤ1の使用者の毛髪に対して向けられるため、表面20aは、毛髪との対向面ということもできる。また、表面20aは、突起11の配置面、あるいは、(表面20aにブラシ毛が設けられている場合には)ブラシ面ということもできる。
【0046】
なお、第2a吹出口22は、並んで配置されている複数の突起11同士の間に配置されているため、第2a吹出口22から送出される風は、突起11の形状に沿って前方方向(Z1方向)へ規制される。同様に、第2b吹出口23は、並んで配置されている複数の突起12同士の間に配置されているため、第2b吹出口23から送出される風は、突起12の形状に沿って前方方向(Z1方向)へ規制される。このように、各突起11および12は、各第2吹出口22および23からの風をガイドする機能を果たす。
【0047】
上記の構成によれば、一つのアタッチメント10において、前面部材20をスライド移動させるという簡単な操作で、アタッチメント10から吹き出される風の送出方向を変更することができる。
【0048】
さらに、本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、アタッチメント10の左側の突起11に設けられている第1a吹出口13、および、アタッチメント10の右側の突起12に設けられている第1b吹出口14の何れか一方から選択的に風を送出するように構成されていてもよい。この場合の構成について、図12および13を参照しながら説明する。
【0049】
図12および図13は、アタッチメント10の内部構成を示す断面図である。図12および図13は、アタッチメント10をXY面で切断した場合の断面図である。
【0050】
アタッチメント10は、風が送出される吹出口を切り替えるための風路切替え部27を有していてもよい。風路切替え部27は、風路32内に配置されている板状の構造体であり、風路32内をX方向にスライド移動する(図12および図13の矢印B参照)。風路切替え部27は、例えば、アタッチメント10の上端部または裏面(Z2側の面)などに設けられている風路切替え抓み(図示せず)などを操作することによって、スライド移動させることができる。
【0051】
例えば、風路切替え部27が図12に示す位置(すなわち、突起12側)にある場合には、本体部10a内の主たる風路32と、第1b吹出口14側へと分岐する分岐流路32bとの間は、風路切替え部27によって塞がれる。そして、本体部10a内の主たる風路32は、第1a吹出口13側へと分岐する分岐流路32aと連通する。これにより、第1b吹出口14側からは風が送出されず、第1a吹出口13側から風が送出される。この状態を、左側吹出モードと呼ぶ。
【0052】
また、風路切替え部27が図13に示す位置(すなわち、突起11側)にある場合には、本体部10a内の主たる風路32と、第1a吹出口13側へと分岐する分岐流路32aとの間は、風路切替え部27によって塞がれる。そして、本体部10a内の主たる風路32は、第1b吹出口14側へと分岐する分岐流路32bと連通する。これにより、第1a吹出口13側からは風が送出されず、第1b吹出口14側から風が送出される。この状態を、右側吹出モードと呼ぶ。
【0053】
以上のような構成により、ヘアドライヤ1は、左側の第1a吹出口13と右側の第1b吹出口14との間の何れか一方から選択的に風を送出することができる。これにより、ヘアドライヤ1の使用者は、スタイリング対象となる使用者の毛髪とヘアドライヤ1との位置関係などに応じて、切替え抓みを適宜操作して、第1a吹出口13および第1b吹出口14のうちの所望の吹出口の方から風を送出させることができる。したがって、使用者の毛髪などに対して適切に風を送出することができる。
【0054】
なお、別の実施形態にかかるヘアドライヤでは、第1a吹出口13のみから風を送出するモードおよび第1b吹出口14のみから風を送出するモードに加えて、第1a吹出口13および第1b吹出口14の両方から風を送出するモード(すなわち、両側吹出モード)を有していてもよい。
【0055】
図14には、両側吹出モードの状態のアタッチメント10の内部構成を示す。両側吹出モードでは、風路切替え部27は、左側吹出モードの場合と右側吹出モードの場合の中間の位置にある。
【0056】
(変形例)
上述の実施形態では、スタイラーモードとドライヤモードとの切替え、および、左側吹出モードと右側吹出モードとの切替えを、手動で行っている。しかし、モードの切替えは、ヘアドライヤ1内に備えられている駆動部(例えば、電動モータ、アクチュエータなど)が行ってもよい。
【0057】
図15には、アタッチメント10内に駆動部150を備えている構成例を示す。この構成例では、例えば、把持部30の操作部に設けられているモード切替えスイッチなどを使用者が操作することで、駆動部150が、前面部材20を本体部10aに対して矢印A方向にスライド移動させることができる。これにより、スタイラーモードとドライヤモードとの切替えを自動で行うことができる。
【0058】
さらに、例えば、把持部30の操作部に設けられている風路切替えスイッチなどを使用者が操作することで、駆動部150が、風路切替え部27をスライド移動させることができる。これにより、左側吹出モードと右側吹出モードとの切替えを自動で行うことができる。
【0059】
さらに別の実施形態では、アタッチメント10にセンサなどを設け、毛髪とヘアドライヤ1との位置関係をセンシングすることにより、駆動部150が自動でモードの切替えを行ってもよい。例えば、ヘアドライヤ1が毛髪との距離を測定するセンサを有しており、アタッチメント10の表面20aが毛髪に近づいたらスタイラーモードの設定となり、アタッチメント10の表面20aが毛髪から離れたらドライヤモードの設定となるようにしてもよい。判定距離の基準は、例えば、表面20aからの突起の高さ未満とすればよい。この場合、突起の高さ未満に毛髪が存在する場合はスタイラーモードとなり、存在しない場合は、ドライヤモードとなる。
【0060】
(第1の実施形態のまとめ)
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、アタッチメント(吹出構造体)10を備えている。アタッチメント10は、内部に風路32を有する。アタッチメント10は、表面20aから突出する複数の突起11および12を備えている。突起11には、風の第1a吹出口(第1吹出口A)13が設けられており、突起12には、風の第1b吹出口(第1吹出口B)14が設けられている。表面20aには、風の第2吹出口22および23が設けられている。
【0061】
アタッチメント10では、第1吹出口13および14から風が送出される第1モード(すなわち、スタイラーモード)と、第2吹出口22および23から風が送出される第2モード(すなわち、ドライヤモード)とが切り替え可能に構成されている。
【0062】
上記の構成によれば、一つのアタッチメント10において、風の送出方向を、表面20aに沿った方向(すなわち、X方向)と、表面20aの前方方向(すなわち、Z1方向)との間で変更することができる。これにより、一つのアタッチメント10で、毛髪のスタイリングを行う目的と毛髪を乾燥させる目的との両方の用途に使用できる汎用性の高いヘアドライヤ1が得られる。
【0063】
<第2の実施形態>
続いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態にかかるヘアドライヤ1は、アタッチメントの構成が第1の実施形態とは異なっている。把持部30の構成は、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0064】
図16から図18には、第2の実施形態にかかるヘアドライヤ1に備えられているアタッチメント210の外観構成を示す。図18は、アタッチメント210を右側(X2側)から見た場合の側面図である。
【0065】
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、主として、把持部30と、アタッチメント(吹出構造体)210とで構成されている。アタッチメント210は、把持部30から取り外し可能(着脱可能)な構成となっている。別の実施形態では、アタッチメント210は、把持部30と一体型の構成(すなわち、着脱できない構成)であってもよい。
【0066】
把持部30は、第1の実施形態で説明した把持部30と同様の構成を有しているため、詳しい説明は省略する。
【0067】
アタッチメント210は、本体部10aと、前面部材20とを有している。前面部材20は、上下方向(Y方向)にスライド移動可能な構成となっている。アタッチメント10の内部には、風路32が設けられている。
【0068】
前面部材20の表面20aには、複数の突起211が形成されている。各突起211は、表面20aからZ1方向に突出している。
【0069】
本実施形態では、突起211は、X方向の幅がY方向の幅よりも大きい略直方体形状となっている。直方体形状の突起211の天面には、X方向に沿って長手方向に延びる三角柱状の突起が設けられていてもよい。この三角柱状の突起は、設けられていなくてもよい。なお、突起211の形状は、略直方体形状に限定はされず、例えば、円柱形状、楕円柱形状などであってもよい。
【0070】
本実施形態では、複数の突起211は、表面20aの第1方向(すなわち、X方向)の略中央部に、第1方向と直交する第2方向(すなわち、Y方向)に並んで配置されている。
【0071】
各突起211は、第1a吹出口(第1吹出口A)213と、第1b吹出口(第1吹出口B)214とを有している。第1a吹出口213は、突起211の左側(X1側)の側面に設けられており、第1b吹出口214は、突起211の右側(X2側)の側面に設けられている。
【0072】
上記の構成により、第1a吹出口213は、第1方向(すなわち、X方向)の一方の側(例えば、左側(X1側))へ向けて風を送出することができる。また、第1b吹出口214は、第1方向(すなわち、X方向)の他方の側(例えば、右側(X2側))へ向けて風を送出することができる。
【0073】
第1の実施形態では、第1方向(すなわち、X方向)のX2(すなわち、右側)を一方の側とし、第1方向(すなわち、X方向)のX1(すなわち、左側)を他方の側としている。これに対して、本実施形態では、第1方向(すなわち、X方向)のX1(すなわち、左側)を一方の側とし、第1方向(すなわち、X方向)のX2(すなわち、右側)を他方の側としている。
【0074】
各第1吹出口213および214からの風は、前面部材20の表面20aに略平行な方向に、あるいは、表面20a側に向かって送出される。
【0075】
また、アタッチメント210には、第1吹出口213および214とは別の吹出口が設けられている。具体的には、アタッチメント210の表面20aには、第2吹出口222が設けられている。第2吹出口222は、並んで配置されている複数の突起211同士の間に配置されている。なお、本体部10aの表面20aには、複数のブラシ毛が設けられていてもよい。
【0076】
このとき、各ブラシ毛の先端の位置は、アタッチメント210の上面視または下面視(Y1側またはY2側からアタッチメント10を見た状態)で、突起211の先端の位置よりも低くなっていることが好ましい。すなわち、ブラシ毛の表面20aからの長さ(高さ)は、突起211の表面20aからの長さ(高さ)以下となっている。
【0077】
これにより、ヘアドライヤ1の使用時に、ブラシ毛に捕捉された毛髪を、中央部の突起211の左右領域内に収めた状態で、ヘアドライヤ1を毛髪の伸長方向に沿って動かすことができる。これにより、毛髪がアタッチメント210の左右方向(X方向)に飛び出すことを抑えることができるため、毛髪がまとまった状態のスタイリングを実現することができる。
【0078】
なお、一例では、各ブラシ毛のうち、側面視で突起211の配置領域と重なる位置に設けられているブラシ毛よりも、側面視で各突起211同士の間の領域と重なる位置に設けられているブラシ毛の方がより密度が高くなるように配置されている。この領域により多くのブラシ毛を配置することで、ブラシ毛が毛髪を捕捉しやすくなり、ブラシ毛による毛髪のブラッシング効果を高めることができる。
【0079】
アタッチメント210において、前面部材20は、本体部10aに対して上下方向(Y方向)にスライド移動するように構成されている(図17の矢印A参照)。前面部材20を上下方向にスライド移動させることで、ヘアドライヤ1の動作モードを、スタイラーモードとドライヤモードとの間で切り替えることができる。前面部材20は、例えば、本体部10aの側面または裏面(Z2側の面)などに設けられているモード切換え抓み25(図18など参照)を操作することで、スライド移動させることができる。
【0080】
スタイラーモードでは、表面20aに設けられている第2吹出口222は、前面部材20の一部である遮蔽部26によって塞がれた状態となる。そして、風路32は、各突起211内の空間と連通する。これにより、風路32内の風は各突起211内へ流入し、各突起211に設けられている第1吹出口213および214から風が送出される。
【0081】
ドライヤモードでは、各突起211内の空間は、前面部材20の一部である遮蔽部26によって塞がれた状態となる。そして、表面20aに設けられている第2吹出口222は開口し、風路32と連通した状態となる。これにより、第1の実施形態の図10に示す状態と同様に、風路32内の風は、表面20aに設けられている第2吹出口222から外部へ吹き出される。
【0082】
なお、第1の実施形態と同様に、ヘアドライヤ1は、左側の第1a吹出口213と右側の第1b吹出口214との間の何れか一方から選択的に風を送出することができる。これにより、ヘアドライヤ1の使用者は、スタリング対象となる使用者の毛髪とヘアドライヤ1との位置関係などに応じて、切替え抓みを適宜操作して、第1a吹出口213および第1b吹出口214のうちの所望の吹出口の方から風を送出させることができる。したがって、使用者の毛髪などに対して適切に風を送出することができる。
【0083】
<第3の実施形態>
続いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態にかかるヘアドライヤ1は、アタッチメントの構成が第1の実施形態とは異なっている。把持部30の構成は、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0084】
図19には、第3の実施形態にかかるヘアドライヤ1の外観構成を示す。本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、主として、把持部30と、アタッチメント(吹出構造体)310とで構成されている。アタッチメント310は、把持部30から取り外し可能(着脱可能)な構成となっている。別の実施形態では、アタッチメント310は、把持部30と一体型の構成(すなわち、着脱できない構成)であってもよい。
【0085】
把持部30は、第1の実施形態で説明した把持部30と同様の構成を有しているため、詳しい説明は省略する。
【0086】
アタッチメント310の表面20aには、複数の突起12が形成されている。本実施形態では、複数の突起12は、表面20aの第1方向(すなわち、X方向)の右端部(あるいは、右端部近傍)に、第1方向と直交する第2方向(すなわち、Y方向)に並んで配置されている。突起12は、第1の実施形態で説明した突起12と同様の構成を有している。
【0087】
各突起12は、第1吹出口14を有している。第1吹出口14は、突起12の左側(X1側)の側面に設けられている。この構成により、第1吹出口14は、第1方向(すなわち、X方向)の一方の側(本実施形態では、左側(X1側))へ向けて風を送出することができる。すなわち、第1吹出口14は、表面20aの中央側へ向けて風を送出することができる。
【0088】
また、アタッチメント310には、第1吹出口14とは別の吹出口が設けられている。具体的には、アタッチメント310の表面20aには、第2吹出口23が設けられている。第2吹出口23は、並んで配置されている複数の突起12同士の間に配置されている。なお、アタッチメント310の表面20aには、複数のブラシ毛が設けられていてもよい。
【0089】
第1の実施形態などと同様に、アタッチメント310においては、前面部材20が本体部10aに対して上下方向(Y方向)にスライド移動するように構成されている。前面部材20を上下方向にスライド移動させることで、ヘアドライヤ1の動作モードを、スタイラーモードとドライヤモードとの間で切り替えることができる。
【0090】
以上のように、本実施形態にかかるアタッチメント310には、本体部10aの表面20aの右側(X2側)の端部にのみ複数の突起12が形成されている。本体部10aの表面20aの左側(X1側)の端部には、突起は形成されていない。なお、別の実施形態では、アタッチメント310の表面20aの左側(X1側)の端部(あるいは、左端部近傍)にのみ複数の突起が形成されていてもよい。
【0091】
<第4の実施形態>
続いて、第4の実施形態について説明する。第1の実施形態などでは、アタッチメントの表面20aにブラシ毛が設けられていない構成を例に挙げて説明したが、アタッチメントの表面20aにはブラシ毛が設けられていてもよい。
【0092】
図20には、第4の実施形態にかかるヘアドライヤ1の外観構成を示す。本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、主として、把持部30と、アタッチメント(吹出構造体)410とで構成されている。
【0093】
アタッチメント410の表面20aには、複数のブラシ毛421が設けられている。各ブラシ毛421は、例えば、樹脂製の1つの棒状体で形成されていてもよいし、複数の極細の毛状体の集合体で形成されていてもよい。各ブラシ毛421は、表面20aにおける左右両側の突起11および12に挟まれた領域に配置されている。ブラシ毛以外の構成については、第1の実施形態などと同様の構成が適用できる。
【0094】
なお、各ブラシ毛421の先端の位置は、アタッチメント410の上面視または下面視(Y1側またはY2側からアタッチメント410を見た状態)で、突起11および12の先端の位置よりも低くなっていることが好ましい。すなわち、ブラシ毛421の表面20aからの長さ(高さ)は、突起11および12の表面20aからの長さ(高さ)以下となっている。
【0095】
これにより、ヘアドライヤ1の使用時に、ブラシ毛421に捕捉された毛髪を、左右両側の突起11および12で挟まれた領域内に収めた状態で、ヘアドライヤ1を毛髪の伸長方向に沿って動かすことができる。これにより、毛髪がアタッチメント410の左右方向(X方向)に飛び出すことを抑えることができるため、毛髪がまとまった状態のスタイリングを実現することができる。
【0096】
なお、一例では、各ブラシ毛421のうち、側面視で突起11および12の配置領域と重なる位置に設けられているブラシ毛よりも、側面視で各突起11同士(あるいは、各突起12同士)の間の領域と重なる位置に設けられているブラシ毛の方がより密度が高くなるように配置されている。この領域により多くのブラシ毛を配置することで、ブラシ毛が毛髪を捕捉しやすくなり、ブラシ毛による毛髪のブラッシング効果を高めることができる。
【0097】
また、図20においては、ブラシ毛421が配置されている領域の中央部にはブラシ毛が配置されておらず、長方形状の開口部が設けられている。ドライヤモード時にはこの開口部からも風が吹き出され、スタイラーモード時にはこの開口部からは風が吹き出されない構造となっている。なお、中央部に開口部を設けずに、ブラシ毛を配置するようにしてもよい。
【0098】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1 :ヘアドライヤ(毛髪乾燥機)
10 :アタッチメント(吹出構造体)
10a :(アタッチメントの)本体部
11 :突起
12 :突起
13 :第1a吹出口(第1吹出口A)
14 :第1b吹出口(第1吹出口、第1吹出口B)
20 :(アタッチメントの)前面部材
20a :(アタッチメントの)表面
22 :第2a吹出口(第2吹出口A)
23 :第2b吹出口(第2吹出口B)
25 :モード切換え抓み
26 :遮蔽部
27 :風路切替え部
30 :把持部
32 :風路
35 :吸気口
150 :駆動部
210 :アタッチメント
211 :突起
213 :第1a吹出口(第1吹出口A)
214 :第1b吹出口(第1吹出口B)
222 :第2吹出口
310 :アタッチメント
410 :アタッチメント
421 :ブラシ毛
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20