(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092454
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】医療機器梱包体
(51)【国際特許分類】
A61B 50/00 20160101AFI20240701BHJP
【FI】
A61B50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208384
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】本田 紘太
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医療機器梱包体の大型化によって、医療機器梱包体を製造するための材料量及び製造コストが増大すると共に、倉庫、病院又は手術室近辺で医療機器梱包体の保管スペース確保が困難となるという問題を解決する医療機器梱包体を提供する。
【解決手段】医療機器梱包体10は、医療機器12を内部に収容する箱体16を備える。箱体が、複数の第1~第3外壁361、362、363によって囲まれて医療機器が収容される収容部と、収容部から医療機器を取り出すための開口部40とを備える。開口部の開口方向から見たとき、箱体の断面形状が三角形である。外壁36(第3外壁363)に設けられた傾斜部46同士が向き合うように2つの医療機器梱包体を隣接して並べる。2つの医療機器梱包体によって構造体54が構成され、構造体の断面形状が四角形である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器と、前記医療機器を内部に収容する箱体とを備えた医療機器梱包体であって、
前記箱体は、
複数の外壁と、
前記複数の外壁によって囲まれて前記医療機器が収容される収容部と、
前記収容部から前記医療機器を取り出すための開口部と、
前記開口部を閉じる蓋部と、
を備え、
前記開口部の開口方向から見たとき、前記外壁のうちの1つは傾斜部を有し、前記箱体の断面形状が三角形又は台形であり、
前記傾斜部同士が向き合うように2つの前記医療機器梱包体を隣接して並べたときに、2つの前記医療機器梱包体によって構成される構造体の前記開口方向から見た断面形状が四角形である、医療機器梱包体。
【請求項2】
請求項1記載の医療機器梱包体において、
前記箱体の前記断面形状は、隣接する2つの前記外壁が直角で接続された直角三角形である、医療機器梱包体。
【請求項3】
請求項1又は2記載の医療機器梱包体において、
前記箱体は、前記開口部の前記開口方向に沿って長尺に形成され、
前記医療機器は、可撓性を有したカテーテル本体を含むカテーテルである、医療機器梱包体。
【請求項4】
請求項3記載の医療機器梱包体において、
前記開口部は、前記箱体の前記開口方向に沿った端部に設けられ、
前記蓋部は、前記開口部の配置される前記箱体の前記端部に設けられ、前記蓋部には、前記蓋部が前記開口部を閉じるときに前記箱体の内部に挿入されて前記外壁に支持される支持部を有する、医療機器梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器を収容するための医療機器梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カテーテルを保持可能なカテーテル保持台紙が開示されている。カテーテル保持台紙は、長手方向に長尺なシート材を有し、シート材の長手方向に沿って複数のタブが配置される。カテーテルをシート材の長手方向に沿ってカテーテルを配置し、複数のタブによって、カテーテルのシャフトをシート材との間に保持する。特許文献1のカテーテル保持台紙を保管するとき、例えばカテーテル保持台紙を箱状の医療機器梱包体の内部に収容することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カテーテル及びカテーテル保持台紙が長手方向に長尺であるため、医療機器梱包体の全体が長手方向に大きくなり、それに伴って、医療機器梱包体を保管するために大きなスペースが必要となる。医療機器梱包体の大型化によって、医療機器梱包体を製造するための材料量及び製造コストが増大すると共に、倉庫、病院又は手術室近辺で医療機器梱包体の保管スペース確保が困難となる。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の態様は、医療機器と、前記医療機器を内部に収容する箱体とを備えた医療機器梱包体であって、前記箱体は、複数の外壁と、前記複数の外壁によって囲まれて前記医療機器が収容される収容部と、前記収容部から前記医療機器を取り出すための開口部と、前記開口部を閉じる蓋部と、を備え、前記開口部の開口方向から見たとき、前記外壁のうちの1つは傾斜部を有し、前記箱体の断面形状が三角形又は台形であり、前記傾斜部同士が向き合うように2つの前記医療機器梱包体を隣接して並べたときに、2つの前記医療機器梱包体によって構成される構造体の前記開口方向から見た断面形状が四角形である、医療機器梱包体である。
【0007】
この医療機器梱包体によれば、医療機器の収容された2つの箱体を隣接して並べたとき、断面形状が四角形の構造体とすることで、断面形状が矩形状の2つの箱体を隣接して並べた場合と比較し、医療機器梱包体の保管スペースを抑制することができる。医療機器梱包体の保管スペースの抑制に伴って、医療機器を収容した医療機器梱包体の輸送効率を高めることができる。断面矩形状の箱体と比較し、箱体を製造するための材料量及び製造コストを削減できると共に医療機器梱包体の保管スペースの確保が容易となる。断面矩形状の箱体と比較し、断面三角形状又は断面台形状の箱体を構成することで、箱体の強度を高めることができるため箱体内の医療機器をより強固に保護することが可能である。
【0008】
(2)上記の(1)記載の医療機器梱包体において、前記箱体の前記断面形状は、隣接する2つの前記外壁が直角で接続された直角三角形であってもよい。
【0009】
この構成により、医療機器の収容された2つの箱体を隣接して並べたとき、断面形状が矩形状の構造体とすることができるため、2つの医療機器梱包体の保管スペースをより効果的に抑制することができる。
【0010】
(3)上記の(1)又は(2)記載の医療機器梱包体において、前記箱体は、前記開口部の前記開口方向に沿って長尺に形成され、前記医療機器は、可撓性を有したカテーテル本体を含むカテーテルであってもよい。
【0011】
この構成により、開口方向に長尺に形成された箱体に対し、長手方向に長尺なカテーテルを好適に収容することが可能である。長手方向に長尺な箱体であっても、2つの箱体を隣接して並べたときの保管スペースを抑制可能である。
【0012】
(4)上記の(1)~(3)のいずれか1つに記載の医療機器梱包体において、前記開口部は、前記箱体の前記開口方向に沿った端部に設けられ、前記蓋部は、前記開口部の配置される前記箱体の前記端部に設けられ、前記蓋部には、前記蓋部が前記開口部を閉じるときに前記箱体の内部に挿入されて前記外壁に支持される支持部を有してもよい。
【0013】
この構成により、箱体の端部に開口した開口部を通じて、箱体の収容部に医療機器を容易に収容することができ、しかも開口部を通じて収容部から医療機器を容易に取り出すことができる。箱体の収容部に医療機器を収容した状態で蓋部を閉じたとき、支持部によって蓋部の閉じた状態を効果的に維持することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、箱体の開口部の開口方向から見たとき、箱体の断面形状が三角形又は台形に形成され、外壁のうちの1つに設けられた傾斜部同士が向き合うように2つの医療機器梱包体を隣接して並べたとき、2つの医療機器梱包体によって構成される構造体の断面形状が四角形である。これにより、断面形状が矩形状の2つの箱体を隣接して並べた場合と比較し、医療機器梱包体の保管スペースを抑制することができる。医療機器梱包体の保管スペースの抑制に伴って、医療機器を収容した医療機器梱包体の輸送効率を高めることができる。断面矩形状の箱体と比べて、箱体を製造するための材料量及び製造コストを削減でき、しかも箱体の強度をより強固に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る医療機器梱包体の一部断面平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の医療機器梱包体の箱体から医療機器を取り出した状態を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図1のIII-III線に沿った断面図である。
【
図4】
図4は、複数の医療機器梱包体からなる構造体を示す断面図である。
【
図5】
図5は、第1変形例に係る医療機器梱包体からなる構造体を示す断面図である。
【
図6】
図6は、第2変形例に係る医療機器梱包体からなる構造体を示す断面図である。
【
図7】
図7は、第3変形例に係る医療機器梱包体からなる構造体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示されるように、本実施形態に係る医療機器梱包体10は、医療機器12を含む医療機器パッケージ14と、医療機器パッケージ14を収容する箱体16とを備える。
【0017】
図2に示すように、医療機器パッケージ14は、医療機器12と、医療機器12を保持する台紙18と、包装容器20とを備える。包装容器20は、例えば透明で密封可能なフィルムと、ガスを透過し且つ細菌等が侵入しない不織布とで構成された袋状である。包装容器20の内部に医療機器12及び台紙18が密封されて医療機器パッケージ14が構成される。包装容器20内において医療機器12は酸化エチレンガス等により滅菌処理される。
【0018】
医療機器12は、本実施形態では、カテーテル22である。カテーテル22は、例えば、血管造影用カテーテル又はガイディングカテーテルである。カテーテル22は、生体の血管内に生じた病変部(狭窄部又は閉塞部等)の治療に用いられる治療カテーテルであってもよい。カテーテル22は、血管以外の管腔、例えば、胆管、気管、食道、尿道、その他の臓器等の生体器官内の病変部を造影又は治療するためのものであってもよい。カテーテル22は、生体の管腔内に挿入され管腔に沿って進行可能である。
【0019】
カテーテル22は、ルーメン24(
図3参照)を有した管状のカテーテル本体26と、カテーテル本体26の基端部に設けられるハブ28とを備える。カテーテル本体26は、可撓性を有する樹脂材料から形成される。カテーテル本体26の先端部には、湾曲形状が付与された先端形状部27が設けられている。カテーテル22は、台紙18に保持される。
【0020】
図2に示すように、台紙18は、例えば厚手の紙から形成され平面視で長方形状に形成される。以下、台紙18における長尺方向を長手方向(矢印A方向)と呼ぶ。長手方向と直交する台紙18の短尺方向を幅方向(矢印B方向)と呼ぶ。
【0021】
台紙18は、台紙本体30と、カテーテル22を保持するための保持部32とを備える。台紙本体30は、台紙18の長手方向(矢印A方向)に延在する。台紙本体30(台紙18)は、長手方向(矢印A方向)に沿って長尺である。
【0022】
保持部32は、台紙本体30の長手方向に沿って間隔を置いて配置された複数のフック34を備える。複数のフック34と台紙本体30の保持面301との間に、カテーテル22のカテーテル本体26が挟持される。これにより、カテーテル22が台紙本体30の保持面301に保持される。カテーテル22は、台紙本体30の長手方向(矢印A方向)に沿って保持される。
【0023】
図3に示すように、箱体16は、例えば厚手の紙から形成される。箱体16は、外壁36と、外壁36によって囲まれて医療機器パッケージ14が収容される収容部38と、収容部38から医療機器パッケージ14を取り出すための開口部40と、開口部40を閉じるための蓋部42とを備える。
図3に示される開口部40の開口方向(以下、箱体16の長手方向ともいう)から見たとき、箱体16の断面形状は直角三角形である。
【0024】
図2に示すように、箱体16の先端部には開口部40が設けられる。開口部40は、直角三角形である。箱体16の基端部は端壁44を備える。端壁44が外壁36の基端部に接続され端壁44によって箱体16の基端部が閉塞される。
【0025】
図3に示すように、外壁36は、複数の第1~第3外壁361、362、363を有する。第1~第3外壁361、362、363の各々は、箱体16の長手方向(
図1中、矢印A方向)に沿って長尺に形成される。箱体16の長手方向は、開口部40の開口方向である。箱体16の長手方向において、第1~第3外壁361、362、363の長手寸法は同じである。以下、蓋部42を有する箱体16の一端部を先端部といい、前記一端部と長手方向の反対側となる箱体16の他端部を基端部という。
【0026】
第1外壁361は、箱体16の一部を構成する。
図3に示される開口部40の開口方向(以下、箱体16の長手方向ともいう)から見たとき、第1外壁361が、箱体16の断面形状における長辺部を構成する。
【0027】
第2外壁362は、箱体16の一部を構成する。第2外壁362は、第1外壁361と直角に配置され第1外壁361の端部に接続される。
図3に示される開口部40の開口方向(以下、箱体16の長手方向ともいう)から見たとき、第2外壁362が、箱体16の断面形状における短辺部を構成する。すなわち、第2外壁362の断面長さは、第1外壁361の断面長さより短い。隣接する第1外壁361の端部と第2外壁362の端部とが直角で接続される。
【0028】
第3外壁363は、箱体16の一部を構成する。第3外壁363は、第1外壁361の端部と第2外壁362の端部とを接続する。第3外壁363と第1外壁361とがなす第1接続角度θ1は鋭角である。第3外壁363と第2外壁362とがなす第2接続角度θ2は鋭角である。第1接続角度θ1は、第2接続角度θ2よりも小さい。第1接続角度θ1は、例えば、10°~40°である。箱体16の長手方向から見たとき、第3外壁363は、第1及び第2外壁361、362の各々に対して傾斜した傾斜部46を有する。
【0029】
収容部38は、第1~第3外壁361、362、363によって囲まれて第1~第3外壁361、362、363の内部に形成される。
図3に示される開口部40の開口方向(以下、箱体16の長手方向ともいう)から見たとき、収容部38の断面は、三角形(直角三角形)である。収容部38は、箱体16の長手方向に沿って設けられる。
図1に示すように、箱体16の長手寸法は、医療機器パッケージ14を内部に収容可能な大きさである。収容部38に医療機器12が収容されるとき、台紙18の幅方向が第1外壁361に沿うように収容される。
【0030】
開口部40は、箱体16の長手方向における先端部に設けられる(
図1参照)。
図3に示される開口部40の開口方向(以下、箱体16の長手方向ともいう)から見たとき、開口部40の断面は、三角形(直角三角形)である。開口部40は、収容部38の先端と連続的に形成される。開口部40と収容部38とが連通する。開口部40を通じて収容部38の内部に医療機器12を収容可能である。収容部38の内部の医療機器12を開口部40を通じて外部に取り出し可能である。
【0031】
蓋部42は、箱体16の開口部40を開閉可能に設けられる。蓋部42は、箱体16の断面形状に対応した三角形状である。蓋部42は、箱体16の先端部に設けられ第1外壁361の先端部に接続される。蓋部42は、第1外壁361に接続される固定端48(
図2参照)と、固定端48から離間する方向の端部である自由端50とを有する。自由端50は、第3外壁363の内面に沿って傾斜しており、自由端50には、蓋部42に対して折曲された支持部52を有する。支持部52は、自由端50に対して固定端48とは反対方向に延出する。支持部52は、自由端50の延在方向に沿った両端よりも短く形成される。支持部52は、蓋部42に対して略直角に形成される。なお、箱体16の第2外壁362に対して差し込むことで箱体16に支持可能な支持部(不図示)を備えてもよい。支持部によって、箱体16の内部への塵埃や虫等の侵入が抑制される。
【0032】
箱体16の第1外壁361に対して固定端48を支点として蓋部42が開閉可能である。固定端48を支点として蓋部42が第1外壁361と略平行となることで開口部40が開放された開放状態となる。固定端48を支点として蓋部42が箱体16の長手方向と直交するように配置されると、蓋部42によって開口部40が塞がれた閉塞状態となる。この閉塞状態において、支持部52が第3外壁363の内面に沿って挿入され第3外壁363によって支持される。これにより、蓋部42が開口部40を塞いだ状態で、箱体16の先端部に対して蓋部42が保持される。
【0033】
次に、医療機器梱包体10の箱体16に医療機器パッケージ14を収容する場合につい て説明する。ここでは、
図3に示すように、箱体16の第1外壁361が下方に配置さ れ、第3外壁363が第1外壁361に対して上方に配置される場合について説明する 。
【0034】
先ず、
図2に示すように、蓋部42が開いて箱体16の開口部40が開放された状態で、開口部40から医療機器パッケージ14を箱体16の基端部に向けて挿入する。医療機器パッケージ14が収容部38に収容される。このとき
図3に示すように、医療機器パッケージ14の台紙18が、包装容器20を介して下方に配置されて第1外壁361の内面に向かい合い、カテーテル22が包装容器20を介して第3外壁363に向かい合う。医療機器パッケージ14が収容部38に収容された後、ユーザが蓋部42を保持して固定端48を支点として蓋部42を箱体16に向けて傾動させる。蓋部42によって開口部40を閉じて塞ぐと共に、支持部52を収容部38に挿入する。これにより、第3外壁363の内面に対して支持部52が当接し、開口部40を閉じた状態で蓋部42が保持される。蓋部42は、開口部40の開口方向と直交する。これにより、
図1に示すように、箱体16の内部に医療機器パッケージ14が収容され医療機器梱包体10が構成される。
【0035】
次に、医療機器パッケージ14が収容された複数の医療機器梱包体10を互いに隣接して並べる場合について、
図4を参照しながら説明する。
【0036】
図4に示すように、1つの医療機器梱包体10(以下、第1医療機器梱包体101ともいう)の第3外壁363と、もう1つの医療機器梱包体10(以下、第2医療機器梱包体102ともいう)の第3外壁363とが互いに向かい合う(当接する)ように、2つの医療機器梱包体10を隣接して並べたとき、断面形状が四角形の構造体54が構成される。
【0037】
2つの第1及び第2医療機器梱包体101、102から構成される構造体54は、第1医療機器梱包体101の第1外壁361と第2医療機器梱包体102の第1外壁361とが互いに平行である。第1医療機器梱包体101の第2外壁362と第2医療機器梱包体102の第2外壁362とが互いに平行である。従って、開口部40の開口方向から見たとき、構造体54の断面形状は、断面形状が三角形の2つの医療機器梱包体10(第1医療機器梱包体101、第1医療機器梱包体101)が合わさった長方形状(矩形状)である。
【0038】
なお、複数の医療機器梱包体10を互いに隣接して並べる方向は、上下方向でもよい。
【0039】
なお、
図4に示す医療機器梱包体10のように、箱体16の収容部38において医療機器パッケージ14が第1外壁361の内面に沿って配置する場合に限定されない。
図5に示すように、台紙18が幅方向に幅広な第1変形例に係る医療機器梱包体100では、箱体16において、傾斜部46を有した第3外壁363の内面に沿うように医療機器パッケージ14が配置される。2つの医療機器梱包体100を隣接して並べて配置したとき、医療機器パッケージ14の各々が傾斜部46に沿って傾斜して互いに並列する。
【0040】
本実施形態は、以下の効果を奏する。
【0041】
図1に示すように、医療機器梱包体10の箱体16は、複数の外壁36と、複数の外壁36によって囲まれて医療機器12が収容される収容部38と、収容部38から医療機器12を取り出すための開口部40と、開口部40を閉じる蓋部42とを備える。開口部40の開口方向から見たとき、外壁36のうちの1つは傾斜部46を有し、箱体16の断面形状が三角形である。傾斜部46同士が向き合うように2つの医療機器梱包体10を隣接して並べたときに、2つの医療機器梱包体10によって構成される構造体54の開口方向から見た断面形状が四角形である。
【0042】
これにより、医療機器12の収容された2つの箱体16を隣接して並べたとき、断面形状が四角形の構造体54とすることで、断面形状が矩形状の2つの箱体を隣接して並べた場合と比較し、医療機器梱包体10の保管スペースを抑制することができる。医療機器梱包体10の保管スペースの抑制に伴って、医療機器梱包体10の輸送効率を高めることができる。断面矩形状の箱体と比較し、箱体16を製造するための材料量及び製造コストを削減できると共に、倉庫、病院又は手術室近辺で医療機器梱包体10の保管スペースの確保が容易となる。断面矩形状の箱体と比較し、断面三角形状の箱体16を構成することで、箱体16の強度を高めることができる。そのため、箱体16内の医療機器12をより強固に保護することが可能である。
【0043】
箱体16の断面形状は、隣接する2つの第1及び第2外壁361、362が直角で接続された直角三角形であるため、医療機器12の収容された2つの箱体16を隣接して並べたとき、断面形状が矩形状の構造体54とすることができる。そのため、2つの医療機器梱包体10の保管スペースをより効果的に抑制することができる。
【0044】
箱体16は、開口部40の開口方向に沿って長尺に形成され、医療機器12が、可撓性を有したカテーテル本体26を含むカテーテル22である。これにより、開口方向(長手方向)に長尺に形成された箱体16に対し、長手方向に長尺なカテーテル22を好適に収容することが可能である。長手方向に長尺な箱体16であっても、2つの箱体16を隣接して並べたときの保管スペースを抑制可能である。
【0045】
開口部40は、箱体16の長手方向に沿った端部に設けられ、蓋部42は、開口部40の配置される箱体16の端部に設けられ、蓋部42には、蓋部42が開口部40を閉じるときに箱体16の内部に挿入されて外壁36に支持される支持部52を有する。
【0046】
これにより、箱体16の端部に開口した開口部40を通じて、箱体16の収容部38に医療機器12を容易に収容することができ、しかも開口部40を通じて収容部38から医療機器12を容易に取り出すことができる。箱体16の収容部38に医療機器12を収容した状態で蓋部42を閉じたとき、支持部52によって蓋部42の閉じた状態を効果的に維持することができる。
【0047】
図6に示す第2変形例に係る医療機器梱包体110は、外壁112を有した箱体114を備える。外壁112は、複数の第1~第4外壁1121、1122、1123、1124を有する。
図6に示される開口部40の開口方向(以下、箱体114の長手方向ともいう)から見たとき、箱体114の断面形状は台形である。
【0048】
第2外壁1122は、箱体114の一部を構成する。第2外壁1122は、第1外壁1121と直角に配置され第1外壁1121の端部に接続される。
図6に示される開口部40の開口方向から見たとき、第2外壁1122の断面長さは、第1外壁1121の断面長さより短い。隣接する第1外壁1121の端部と第2外壁1122の端部とが直角で接続される。
【0049】
第3外壁1123は、箱体114の一部を構成する。第3外壁1123は、第2外壁1122と直角に配置され第2外壁1122の端部に接続される。第3外壁1123と第1外壁1121とが平行である。
図6に示される開口部40の開口方向(以下、箱体114の長手方向ともいう)から見たとき、例えば第3外壁1123の断面長さは、第1外壁1121及び第2外壁1122の断面長さより短い。隣接する第2外壁1122の端部と第3外壁1123の端部とが直角で接続される。
【0050】
第4外壁1124は、第3外壁1123の端部と第1外壁1121の端部とを接続する。第4外壁1124と第1外壁1121とがなす第3接続角度θ3は鋭角である。第4外壁1124と第3外壁1123とがなす第4接続角度θ4は鈍角である。箱体114の長手方向から見たとき、第4外壁1124は、第1外壁1121及び第2外壁1122の各々に対して傾斜した傾斜部116を有する。
【0051】
2つの医療機器梱包体110を並べて配置するとき、1つの医療機器梱包体110(以下、第3医療機器梱包体1103ともいう)の傾斜部116(第4外壁1124)と、もう1つの医療機器梱包体110(以下、第4医療機器梱包体1104ともいう)の傾斜部116(第4外壁1124)とを向かい合わせて互いに当接する。これにより、第3医療機器梱包体1103の上部に第4医療機器梱包体1104が保持された構造体118が構成される。
【0052】
このとき、第3医療機器梱包体1103の第3外壁1123と第4医療機器梱包体1104の第1外壁1121とが面一となり、第3医療機器梱包体1103の第1外壁1121と第4医療機器梱包体1104の第3外壁1123とが面一となる。開口部40の開口方向から見たとき、構造体118の断面形状は、断面形状の台形の2つの医療機器梱包体110(第3医療機器梱包体1103、第4医療機器梱包体1104)が合わさった長方形状(四角形状)となる。
【0053】
第2変形例によれば、医療機器梱包体110の箱体114が、複数の第1~第4外壁1121、1122、1123、1124と、第1~第4外壁1121、1122、1123、1124によって囲まれて医療機器12が収容される収容部38と、収容部38から医療機器12(医療機器パッケージ14)を取り出すための開口部40と、開口部40を閉じる蓋部42とを備える。開口部40の開口方向から見たとき、第4外壁1124は傾斜部116を有し、箱体114の断面形状が台形である。傾斜部116同士が向き合うように2つの医療機器梱包体110(第3医療機器梱包体1103、第4医療機器梱包体1104)を隣接して並べたときに、2つの医療機器梱包体110によって構成される構造体118の開口方向から見た断面形状が四角形である。
【0054】
これにより、医療機器12の収容された2つの箱体114を隣接して並べたとき、断面形状が四角形の構造体118とすることで、断面形状が矩形状の2つの箱体を隣接して並べた場合と比較し、医療機器梱包体110の保管スペースを抑制することができると共に、倉庫、病院又は手術室近辺で医療機器梱包体110の保管スペースの確保が容易となる。医療機器梱包体110の保管スペースの抑制に伴って、医療機器梱包体110の輸送効率を高めることができる。断面矩形状の箱体と比較し、箱体114を製造するための材料量及び製造コストを削減できる。断面矩形状の箱体と比較し、断面台形状の箱体114を構成することで、箱体114の強度を高めることができる。そのため、箱体114内の医療機器12をより強固に保護することが可能である。
【0055】
なお、
図6に示す箱体114の収容部38において、医療機器パッケージ14が第1外壁1121の内面に沿って配置される場合に限定されない。
図7に示すように、第3変形例に係る医療機器梱包体120では、箱体114において、傾斜部116を有した第4外壁1124の内面に沿うように医療機器パッケージ14が配置される。2つの医療機器梱包体120が隣接して並べて配置されたとき、医療機器パッケージ14の各々が傾斜部116に沿って傾斜して互いに並列する。
【0056】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0057】
10、100、110、120…医療機器梱包体
12…医療機器
16、114…箱体
36、112…外壁
38…収容部
40…開口部
42…蓋部
46、116…傾斜部
361、1121…第1外壁
362、1122…第2外壁
363、1123…第3外壁
1124…第4外壁