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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092458
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】重量補助支持装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 7/12 20060101AFI20240701BHJP
   A45B 3/00 20060101ALI20240701BHJP
   A45F 3/10 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B65G7/12 A
A45B3/00 B
A45F3/10
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022208388
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】523177920
【氏名又は名称】得圓外骨馳有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】李俊賢
【テーマコード(参考)】
2E181
3B104
【Fターム(参考)】
2E181AA03
3B104AA02
3B104AA03
3B104QA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】移載手段の背負子において、使用者が重量物を背負う際の身体的負担を緩和及び軽減することができる重量補助支持装置を提供する。
【解決手段】重量補助支持装置は、使用者に装着されて物を積載する背負子、杖及び接続ロッドを含む。杖は、本体と、本体の両端にそれぞれ設置される把持部及び接触端を含む。把持部は使用者に把持させるために用いられ、接触端は使用者の歩行時に地面と接触するために用いられる。接続ロッドは、対向する第1端部及び第2端部を有する。第1端部は杖の本体に接続され、第2端部は背負子に連接される。使用者が重量補助支持装置を装着して歩行する状態で、杖は、使用者に制御され、使用者の足取りに合わせて地面に支持されつつ前後に揺動し、後方へ揺動する際に接続ロッドを押し動かして背負子を持ち上げることで、物を上向きに支持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が物を背負う際に補助及び支持するための重量補助支持装置であって、
前記使用者に装着されて前記物を積載するための背負子、
前記使用者により制御され、前記使用者の足取りに合わせて地面に支持されることで支持力を提供するよう、前記使用者に把持させるための杖であって、把持部、本体及び接触端を含み、前記把持部及び前記接触端は前記本体の両端にそれぞれ設置され、前記把持部は前記使用者に把持させるために用いられ、前記接触端は前記使用者の歩行時に地面と接触するために用いられる杖、及び
第1端部と、前記第1端部に対向する第2端部を有し、前記第1端部は前記杖の前記本体に接続され、前記第2端部は前記背負子に連接される接続ロッド、を含み、
前記使用者が前記重量補助支持装置を装着して歩行する状態で、前記杖は、前記使用者に制御され、前記使用者の足取りに合わせて地面に支持されつつ前後に揺動し、前記杖は、後方へ揺動する際に前記接続ロッドを押し動かして前記背負子を持ち上げることで、前記物を上向きに支持する重量補助支持装置。
【請求項2】
前記背負子は導管構造及び固定構造を有し、前記重量補助支持装置はスライダ及び弾性部材を更に含み、前記固定構造は前記導管構造に設置され、前記スライダは前記導管構造に設置されて前記導管構造内で摺動し、且つ、前記スライダは前記接続ロッドの前記第2端部に連接され、前記弾性部材の両端は前記スライダ及び前記固定構造にそれぞれ接続され、前記杖が後方へ揺動する際に、前記杖は前記接続ロッドを押し動かして前記スライダを移動させることで、前記スライダにより前記弾性部材を引き伸ばし/圧縮し、弾性部材により前記固定構造を動かして前記背負子を持ち上げる請求項1に記載の重量補助支持装置。
【請求項3】
前記弾性部材は引っ張りバネであり、前記スライダは前記固定構造の上方に位置し、前記杖が後方へ揺動し、前記接続ロッドを押し動かして前記スライダを移動させる際に、前記引っ張りバネは、前記スライダにより引き伸ばされてバネ復元力を発生させることで、前記固定構造を引き動かして持ち上げる請求項2に記載の重量補助支持装置。
【請求項4】
前記弾性部材は圧縮バネであり、前記スライダは前記固定構造の下方に位置し、前記杖が後方へ揺動し、前記接続ロッドを押し動かして前記スライダを移動させる際に、前記圧縮バネは、前記スライダにより圧縮されてバネ復元力を発生させることで、前記固定構造を押し動かして持ち上げる請求項2に記載の重量補助支持装置。
【請求項5】
更に、クランク部材を含み、前記クランク部材はクランク本体及び回転部を含み、前記回転部は軸心を有し、前記接続ロッドの第2端部は前記クランク本体に枢結され、前記回転部は前記スライダに接続され、前記杖が後方へ揺動して前記接続ロッドを押し動かす際に、前記接続ロッドは、前記クランク本体を前記軸心に沿って回転させて前記スライダを移動させる請求項2に記載の重量補助支持装置。
【請求項6】
前記回転部は軸受であり、前記クランク本体は長孔を有し、前記接続ロッドの第2端部は前記長孔に枢結される請求項5に記載の重量補助支持装置。
【請求項7】
更に、前記背負子の左右両側にそれぞれ設置される2つの前記杖、2つの前記接続ロッド、2つの前記導管構造、2つの前記固定構造、2つの前記スライダ及び2つの前記弾性部材を含み、これらのスライダは左スライダ及び右スライダを含み、左側の前記杖が後方へ揺動する際に、左側の前記杖は左側の前記接続ロッドを押し動かして前記左スライダを移動させることで、左側の前記弾性部材により前記背負子を持ち上げる請求項2に記載の重量補助支持装置。
【請求項8】
これらの杖が使用者に制御され、前記使用者の足取りに合わせて地面に支持されつつ前後に揺動する際に、前記左スライダ及び前記右スライダは、左側及び右側の前記弾性部材を交互に引き伸ばす/圧縮することで前記背負子を持ち上げ続ける請求項7に記載の重量補助支持装置。
【請求項9】
更に、前記背負子に設置される回転位置規制部材を含み、前記回転位置規制部材は前記杖の揺動方向に沿って回転可能であり、且つ、前記回転位置規制部材は、前記接続ロッドを配設するためのホール構造を含み、前記杖が使用者に制御され、前記使用者の足取りに合わせて地面に支持されつつ前後に揺動する際に、前記接続ロッドは、前記ホール構造内で移動するとともに、前記回転位置規制部材を回転させる請求項1に記載の重量補助支持装置。
【請求項10】
前記ホール構造はスリーブである請求項9に記載の重量補助支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量支持装置に関し、特に、杖を組み合わせて、使用者が重量物を背負う際に補助及び支持する重量補助支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背負子は日常生活でよく目にする積載手段の一つである。人々は、背負子によって所持品を携帯及び積載することで、活動の利便性を高めることが可能である。そのため、背負子は、よく野外活動や旅行、登山等に利用される。
【0003】
使用者が背負子を担いで物を背負えるよう、一般的に、背負子は使用者に装着される背面ベルト及び/又は腰ベルトを含む。しかし、使用者が重量物を背負う場合、重量物の重量は大部分が背負子の背面ベルトに集中するため、使用者の肩が大部分の重量を受け止めることになる。よって、使用者が長期にわたり重量物を背負う場合には、猫背や脊椎側弯等の損傷が生じる恐れがある。また、膝関節は人体の上半身を支える重要な部位の一つである。膝関節が人体の上半身の重量を受け止めるだけでなく、人体が背負う重量物も受け止めねばならない場合には、膝関節に相当大きな圧力がかかることで変形性関節炎を発症しやすい。そのため、従来の背負子では、使用者が重量物を背負う際の身体的負担を緩和及び軽減することはできず、ひいては実用性及び安全性が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に鑑みて、従来技術の課題を解決するために、本発明は重量補助支持装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の具体的実施例において、重量補助支持装置は使用者が物を背負う際に補助及び支持するために用いられる。重量補助支持装置は、背負子、杖及び接続ロッドを含む。背負子は、使用者に装着されて物を積載するために用いられる。杖は、使用者により制御され、使用者の足取りに合わせて地面に支持されることで支持力を提供するよう、使用者に把持させるために用いられる。杖は、把持部、本体及び接触端を含む。把持部及び接触端は、本体の両端にそれぞれ設置される。把持部は使用者に把持させるために用いられ、接触端は使用者の歩行時に地面と接触するために用いられる。接続ロッドは、第1端部と、第1端部に対向する第2端部を有する。第1端部は杖の本体に接続され、第2端部は背負子に連接される。使用者が重量補助支持装置を装着して歩行する状態で、杖は、使用者に制御され、使用者の足取りに合わせて地面に支持されつつ前後に揺動する。また、杖は、後方へ揺動する際に接続ロッドを押し動かして背負子を持ち上げることで、物を上向きに支持する。
【0006】
背負子は導管構造及び固定構造を有し、重量補助支持装置はスライダ及び弾性部材を更に含む。固定構造は導管構造に設置される。スライダは導管構造に設置されて導管構造内で摺動する。且つ、スライダは接続ロッドの第2端部に連接される。弾性部材の両端はスライダ及び固定構造にそれぞれ接続される。杖が後方へ揺動する際に、杖は接続ロッドを押し動かしてスライダを移動させることで、スライダにより弾性部材を引き伸ばし/圧縮し、弾性部材により固定構造を動かして背負子を持ち上げる。
【0007】
具体的実施例において、弾性部材は引っ張りバネであり、スライダは固定構造の上方に位置する。杖が後方へ揺動し、接続ロッドを押し動かしてスライダを移動させる際に、引っ張りバネは、スライダにより引き伸ばされてバネ復元力を発生させることで、固定構造を引き動かして持ち上げる。
【0008】
具体的実施例において、弾性部材は圧縮バネであり、スライダは固定構造の下方に位置する。杖が後方へ揺動し、接続ロッドを押し動かしてスライダを移動させる際に、圧縮バネは、スライダにより圧縮されてバネ復元力を発生させることで、固定構造を押し動かして持ち上げる。
【0009】
重量補助支持装置はクランク部材を更に含む。クランク部材はクランク本体及び回転部を含み、回転部は軸心を有する。接続ロッドの第2端部はクランク本体に枢結され、回転部はスライダに接続される。杖が後方へ揺動して接続ロッドを押し動かす際に、接続ロッドは、クランク本体を軸心に沿って回転させてスライダを移動させる。
【0010】
クランク部材の回転部は軸受である。クランク本体は長孔を有し、接続ロッドの第2端部が長孔に枢結される。
【0011】
本発明の重量補助支持装置は、背負子の左右両側にそれぞれ設置される2本の杖、2つの接続ロッド、2つの導管構造、2つの固定構造、2つのスライダ及び2つの弾性部材を含む。これらのスライダは左スライダ及び右スライダを含む。左側の杖が後方へ揺動する際に、左側の杖は左側の接続ロッドを押し動かして左スライダを移動させることで、左側の弾性部材により背負子を持ち上げる。
【0012】
更に、これらの杖が使用者に制御され、使用者の足取りに合わせて地面に支持されつつ前後に揺動する際に、左スライダ及び右スライダは、左側及び右側の弾性部材を交互に引き伸ばす/圧縮することで背負子を持ち上げ続ける。
【0013】
重量補助支持装置は、更に、背負子に設置される回転位置規制部材を含む。回転位置規制部材は杖の揺動方向に沿って回転可能である。且つ、回転位置規制部材は、接続ロッドを配設するためのホール構造を含む。杖が使用者に制御され、使用者の足取りに合わせて地面に支持されつつ前後に揺動する際に、接続ロッドは、ホール構造内で移動するとともに、回転位置規制部材を回転させる。
【0014】
更に、ホール構造はスリーブである。
【発明の効果】
【0015】
以上述べたように、本発明の重量補助支持装置は、背負子、接続ロッド及び杖を結合し、且つ歩行時の足取りに合わせることで、背負子上の物の重量を地面に伝達可能である。更に、本発明の重量補助支持装置は、左右両側の杖及び接続ロッドを通じて背負子上の物の重量を交互に地面に伝達することも可能である。これにより、使用者が重量物を背負う際の負担が軽減されるため、実用性、快適性及び安全性が向上する。そのほか、本発明の重量補助支持装置は、クランク部材及び回転位置規制部材を通じて垂直方向以外の力を分散させることも可能である。これにより、スライダは垂直方向にのみ移動可能となるため、実用性及び持ち上げ効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の具体的実施例に係る重量補助支持装置の概略構造図を示す。
図2図1に係る重量補助支持装置の別の視点からの概略構造図を示す。
図3】使用者が図1の重量補助支持装置を装着した場合の概略図を示す。
図4A】本発明の具体的実施例に係る使用者が重量補助支持装置を装着して歩行する際の概略図を示す。
図4B】本発明の具体的実施例に係る使用者が重量補助支持装置を装着して歩行する際の概略図を示す。
図4C】本発明の具体的実施例に係る使用者が重量補助支持装置を装着して歩行する際の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の利点、精神及び特徴がより容易且つ明確に理解されるよう、以下では、具体的実施例を用いるとともに、図面を参照して詳述及び議論する。注意すべき点として、これらの具体的実施例は本発明を代表する具体的実施例にすぎず、例示する特定の方法、装置、条件、材質等は、本発明を限定するものでも、対応する具体的実施例でもない。また、予め説明しておくが、図中の各装置は、その相対的位置を表すためのものにすぎず、且つ実際の比率に基づき記載しているわけではない。
【0018】
図1図2及び図3を参照する。図1は、本発明の具体的実施例に係る重量補助支持装置1の概略構造図を示す。図2は、図1に係る重量補助支持装置1の別の視点からの概略構造図を示す。図3は、使用者Uが図1の重量補助支持装置1を装着した場合の概略図を示す。図1図3に示すように、本発明の重量補助支持装置1は、使用者Uが物を背負う際に補助するために用いられる。本具体的実施例において、重量補助支持装置1は、背負子11、杖12及び接続ロッド13を含む。背負子11は、使用者Uに装着されて物を積載するために用いられる。杖12は、使用者Uにより制御され、使用者Uの足取りに合わせて地面に支持されるよう、使用者Uに把持させるために用いられる。接続ロッド13は、背負子11及び杖12に接続されて、杖12の揺動に応じて背負子11を動かし、上向きに物を支持するために用いられる。
【0019】
実用において、背負子11は、肩ベルト115及び腰ベルト116を含み得る。使用者Uは、肩ベルト115及び腰ベルト116を装着して背負子11を背負う。背負子11は、懸架や緊締等の方式で物を固定及び積載可能であるが、これに限らない。具体的実施例において、背負子11は、更に、取り外し可能な積載ベース112を含み得る。積載ベース112は、懸架方式で背負子11に固定可能であり、且つ、物を積載ベース112に載置可能である。背負子11は、積載ベース112により物を積載可能である。
【0020】
更に、背負子11は、導管構造1111及び固定構造1112を有する。また、重量補助支持装置1は、スライダ113及び弾性部材114を更に含む。固定構造1112は導管構造1111に設置される。スライダ113は、導管構造1111に設置されて導管構造1111内で摺動する。弾性部材114の両端は、スライダ113と固定構造1112にそれぞれ接続される。実用において、導管構造1111は、Z軸方向に設置されるパイプとすることができる。また、スライダ113は、パイプ内に設置されてZ軸方向に上下に摺動可能である。固定構造1112は円柱ロッドとすることができる。また、円柱ロッドの両端は、パイプの内側壁に跨って固定される。ただし、固定構造の形状はこれに限らない。固定構造の形状は設計に応じて決定すればよい。弾性部材114は、引っ張りバネとすることができ、且つパイプ内に設置可能である。図2に示すように、本具体的実施例において、固定構造1112は導管構造1111の底部に設置され、スライダ113は固定構造1112の上方に設置される。且つ、弾性部材114は、スライダ113と固定構造1112の間に設置される。スライダ113が上方に移動すると(即ち、+Z方向)、引っ張りバネは、スライダ113により引き伸ばされてバネ復元力を発生させる。続いて、引っ張りバネは、バネ復元力により固定構造1112を引き動かして持ち上げることで、固定構造1112に結合されている背負子11を持ち上げる。
【0021】
本具体的実施例において、杖12は、本体121、把持部122及び接触端123を含む。把持部122及び接触端は、本体121の両端にそれぞれ設置される。把持部122は使用者Uに把持させるために用いられ、接触端123は使用者Uの歩行時に地面と接触するために用いられる。実用において、使用者Uが杖12を用いて歩行する場合、使用者Uは、把持部122を把持し、まず、杖12を前方へ揺動させて杖12の接触端123を前方の地面に接触させればよい。続いて、使用者Uは、接触端123を支点とし、後方への推進力を付与して支持力を発生させればよい。これにより、使用者Uは、足を踏み出して前方へ歩行可能となる。更に、使用者Uが杖12の接触端123により地面に支持されて前方へ歩行する際、杖12の接触端123は使用者Uに近接し、杖12がY-Z平面に沿って後方へ揺動する。
【0022】
本具体的実施例において、接続ロッド13は、第1端部131と、第1端部131に対向する第2端部132を有する。第1端部131は杖12の本体121に接続され、第2端部132は背負子11に連接される。実用において、接続ロッド13の第1端部131は、杖12の本体121における固定位置1211に固定可能である。また、接続ロッド13の第2端部132は、背負子11のスライダ113に接続可能である。杖12が使用者Uにより制御されて後方へ揺動する際、杖12は、接続ロッド13を動かして、接続ロッド13の第2端部132を移動させることができる。更に、接続ロッド13の第2端部132は、スライダ113を移動させて、固定構造1112と、それに結合されている背負子11を持ち上げることが可能である。注意すべき点として、接続ロッドの長さは、使用者のニーズに応じて決定すればよい。また、接続ロッドの第1端部が固定される杖の本体上の固定位置も使用者のニーズに応じて決定すればよい。
【0023】
本具体的実施例において、重量補助支持装置1は、更に、背負子11に設置される回転位置規制部材14を含む。回転位置規制部材14は、杖の揺動方向に沿って回転可能であり、且つホール構造141を含む。ホール構造141は、接続ロッド13を配設するために用いられる。実用において、図2に示すように、回転位置規制部材14は、背負子11の底部位置の側辺に設置可能であるが、これに限らない。回転位置規制部材14は回転ベース142を含み得る。また、回転ベース142は、X軸を中心にY-Z平面に沿って自転可能である。ホール構造141はスリーブとすることができる。また、ホール構造141は回転ベース142の外側に設置可能である。つまり、回転ベース142は背負子11とホール構造141の間に位置する。また、回転ベース142はホール構造141を回転可能とする。更に、ホール構造141のホールの中心軸は、回転ベース142が自転する平面(即ち、Y-Z平面)と平行である。そのため、回転位置規制部材14に設置される接続ロッド13は、ホール構造141内で移動可能であるとともに、杖12の揺動方向に沿って回転可能である。
【0024】
また、本具体的実施例において、重量補助支持装置1は、前記接続ロッド13とスライダ113を接続するクランク部材15を更に含む。クランク部材15は、クランク本体151と、軸心1521を有する回転部152を含む。クランク本体151は接続ロッド13の第2端部132に枢結され、回転部152はスライダ113に接続される。実用において、回転部152は軸受とすることができる。また、クランク本体151は、回転部152の端部と対向する長孔1511を有し得る。接続ロッド13の第2端部132は、長孔1511に枢結されて長孔1511内で移動可能である。更に、接続ロッド13の第2端部132は、長孔1511を通じてクランク本体151を軸心1521に沿って回転可能とする。接続ロッド13の第2端部132が上方(即ち、+Z方向)に移動する際、第2端部132は、クランク本体151を軸心1521に沿って回転可能とし、且つ、長孔1511を回転部152の上方に位置させる。そして、接続ロッド13の第2端部132が引き続き上方に移動すると、クランク部材15は、回転部152を通じてスライダ113を上方に移動させることで、固定構造1112と、それに結合されている背負子11を持ち上げる。
【0025】
図1図4を合わせて参照する。図4A図4Cは、本発明の具体的実施例に係る使用者Uが重量補助支持装置1を装着して歩行する際の概略図を示す。図1図2及び図4Aに示すように、使用者Uが歩行する場合、使用者Uは、まず杖12を前方へ揺動させて杖12の接触端123を前方の地面に接触させる。このとき、接続ロッド13の第1端部131は杖12に付随して前方へ移動し、接続ロッド13の第2端部132は回転位置規制部材14に向かって移動する。また、クランク本体151は、軸心1521に沿って回転し、長孔1511を回転部152の下方に位置させる。
【0026】
続いて、図1図2及び図4Bに示すように、使用者Uが接触端123を支点として後方への推進力を付与し、足を踏み出して前方へ歩行する際には、杖12が後方へ揺動するとともに、杖12と使用者Uとの距離が徐々に短くなる。つまり、杖12と背負子11との距離が徐々に短くなり、接続ロッド13の第1端部131と背負子11との距離が徐々に短くなる。このとき、接続ロッド13の第1端部131は回転位置規制部材14に向かって移動し、接続ロッド13の第2端部132は回転位置規制部材14から離間する方向に移動する。即ち、接続ロッド13の第2端部132は、+Z軸の方向に上方へと移動する。更に、接続ロッド13の第2端部132は、クランク本体151を軸心1521に沿って回転させ、長孔1511を回転部152の上方に位置させる。
【0027】
更に、図1図2及び図4Cに示すように、使用者Uが更に足を踏み出して前方へ歩行することで、接続ロッド13の第1端部131と背負子11との距離が最も短くなるとき、接続ロッド13の第2端部132はクランク本体151を上方に移動させ続ける。このとき、クランク部材15は、回転部152を通じて背負子11のスライダ113を上方に移動させ、スライダ113が弾性部材114を引き伸ばすことで、固定構造1112及びそれに結合されている背負子11を持ち上げる。最後に、背負子11に載置されている物の重量の一部が、固定構造1112、弾性部材114、スライダ113、クランク部材15、接続ロッド13及び杖12の接触端123を順に通じて地面に伝達される。そのため、本発明の重量補助支持装置は、背負子、接続ロッド及び杖を結合し、且つ歩行時の足取りに合わせることで、背負子上の物の重量を地面に伝達可能である。これにより、使用者が重量物を背負う際の負担が軽減されるため、実用性、快適性及び安全性が向上する。
【0028】
実用において、杖12が使用者Uに制御され、当該使用者Uの足取りに合わせて後方へ揺動し、且つ接続ロッド13を押し動かす際に、接続ロッド13の第2端部132は、Z軸方向に向かう力を含むだけでなく、杖12の揺動に伴ってY軸方向に向かう力も含む。このとき、第2端部132のY軸方向に向かう力はクランク部材15を回転可能とする。よって、接続ロッド13がクランク部材15を移動させて、クランク部材15によりスライダ113を移動させる際に、スライダ113はZ軸方向にのみ移動可能となり、Y軸方向には移動し得ない。これにより、スライダ113と導管構造1111との摩擦力が減少するため、実用性及び持ち上げ効率が向上する。
【0029】
そのほか、接続ロッド13は回転位置規制部材14のホール構造141内に設置され、且つ接続ロッド13の第1端部131は杖12の本体121に固定される。よって、回転位置規制部材14は、接続ロッド13の第2端部132がY-Z平面内でのみ移動及び回動し、X軸方向には移動しないよう規制可能である。これにより、スライダ113はZ軸方向にのみ摺動可能となる。そのほか、接続ロッド13は、第1端部131と第2端部132の間に位置するナックルジョイント133を更に含み得る。ナックルジョイント133は、ヒンジ構造とすることができ、接続ロッド13の第1端部131をX軸に沿う方向に揺動可能とする。使用者Uの違いによって、杖12を使用する際の習慣や方式は異なる。そのため、使用者Uが杖12を使用して地面に支持されつつ歩行する際に、杖12の接触端がY-Z平面内に位置せずにX軸方向に移動し、接続ロッド13の第1端部131をX軸に沿う方向に移動させることがある。この場合、接続ロッド13の第1端部131は、ナックルジョイント133のみを回転させ、接続ロッド13の第2端部132をX軸方向に移動させることはない。よって、この場合も同様に、スライダ113をZ軸方向にのみ摺動させることができ、スライダ113と導管構造1111との摩擦力が減少するため、実用性及び持ち上げ効率が向上する。
【0030】
再び、図1及び図2を参照する。本発明の重量補助支持装置1は、背負子11の左右両側にそれぞれ設置される2本の杖12、2つの接続ロッド13、2つの導管構造1111、2つの固定構造1112、2つのスライダ113及び2つの弾性部材114を含み得る。スライダ113は、左スライダ113L及び右スライダ113Rを含み得る。また、固定構造1112は、左固定構造1112L及び右固定構造1112Rを含み得る。実用において、使用者Uの両手は2本の杖12をそれぞれ把持可能である。また、左側の弾性部材114は左スライダ113L及び左固定構造1112Lにそれぞれ接続され、右側の弾性部材114は右スライダ113R及び右固定構造1112Rにそれぞれ接続される。左側の杖12が後方へ揺動する際、左側の杖12は左側の接続ロッド13を押し動かして、左スライダ113Lを上方に移動させる。同様に、右側の杖12が後方へ揺動する際、右側の杖12は右側の接続ロッド13を押し動かして、右スライダ113Rを上方に移動させる。更に、使用者Uが2本の杖12を制御し、足取りに合わせて2本の杖12で交互に地面に支持されるとき、左スライダ113L及び右スライダ113Rは、左側及び右側の弾性部材114を交互に引き伸ばし、左固定構造1112Lと右固定構造1112Rを交互に持ち上げることで背負子11を持ち上げ続ける。そのため、本発明の重量補助支持装置は、左右両側の杖及び接続ロッドを通じ、且つ歩行時の足取りに合わせて、背負子上の物の重量を交互に地面に伝達可能である。これにより、使用者が重量物を背負う際の負担が軽減され続けるため、実用性、快適性及び安全性が向上する。
【0031】
注意すべき点として、重量補助支持装置は、左スライダと右スライダ及び左右両側の接続ロッドにそれぞれ接続される2つのクランク部材及び回転位置規制部材を更に含んでもよい。左右両側の杖、接続ロッド、クランク部材、回転位置規制部材、導管構造、固定構造、スライダ及び弾性部材の接続関係及び構造は、前述の具体的実施例とほぼ同じであるため、ここでは改めて詳述しない。
【0032】
背負子のスライダの設置方式は、前述の具体的実施例の態様以外に、その他の態様としてもよい。具体的実施例において、固定構造は導管構造の天井部に設置され、スライダは導管構造の下方に設置される。また、弾性部材は圧縮バネである。且つ、弾性部材は固定構造とスライダの間に位置する。使用者が杖を制御し、足取りに合わせて杖を後方へ揺動させる際に、接続ロッドの第2端部はクランク本体を上方に移動させ、クランク本体によりスライダを上方に移動させる。このとき、圧縮バネはスライダにより圧縮されてバネ復元力を発生させる。続いて、圧縮バネは、バネ復元力により固定構造を押し動かして持ち上げることで、固定構造に結合されている背負子を持ち上げる。また、背負子に載置されている物の重量の一部が、固定構造、弾性部材、スライダ、クランク部材、接続ロッド及び杖の接触端を順に通じて地面に伝達される。
【0033】
以上述べたように、本発明の重量補助支持装置は、背負子、接続ロッド及び杖を結合し、且つ歩行時の足取りに合わせることで、背負子上の物の重量を地面に伝達可能である。更に、本発明の重量補助支持装置は、左右両側の杖及び接続ロッドを通じて背負子上の物の重量を交互に地面に伝達することも可能である。これにより、使用者が重量物を背負う際の負担が軽減されるため、実用性、快適性及び安全性が向上する。そのほか、本発明の重量補助支持装置は、クランク部材及び回転位置規制部材を通じて垂直方向以外の力を分散させることも可能である。これにより、スライダは垂直方向にのみ移動可能となるため、実用性及び持ち上げ効率が向上する。
【0034】
以上の好ましい具体的実施例による詳細な記載は、本発明の特徴及び精神をより明瞭に記載可能とすることを意図しており、上記で開示した好ましい具体的実施例によって本発明の範囲を制限するものではない。むしろ、上記の詳細な記載は、各種の変更や、均等性を有する調整を本発明が出願する権利範囲の範疇に含み得るようにすることを目的としている。従って、本発明が出願する権利範囲の範疇は、全ての可能な変更や、均等性を有する調整を含むよう、上記の説明に基づき最も広く解釈すべきである。
【符号の説明】
【0035】
1 重量補助支持装置
11 背負子
1111 導管構造
1112 固定構造
1112L 左固定構造
1112R 右固定構造
112 積載ベース
113 スライダ
113L 左スライダ
113R 右スライダ
114 弾性部材
115 肩ベルト
116 腰ベルト
12 杖
121 本体
1211 固定位置
122 把持部
123 接触端
13 接続ロッド
131 第1端部
132 第2端部
133 ナックルジョイント
14 回転位置規制部材
141 ホール構造
142 回転ベース
15 クランク部材
151 クランク本体
1511 長孔
152 回転部
1521 軸心
U 使用者
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
【手続補正書】
【提出日】2024-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が物を背負う際に補助及び支持するための重量補助支持装置であって、
前記使用者に装着されて前記物を積載するための背負子であって、前記背負子は導管構造及び固定構造を有し、前記固定構造は前記導管構造に設置され、
前記使用者により制御され、前記使用者の足取りに合わせて地面に支持されることで支持力を提供するよう、前記使用者に把持させるための杖であって、把持部、本体及び接触端を含み、前記把持部及び前記接触端は前記本体の両端にそれぞれ設置され、前記把持部は前記使用者に把持させるために用いられ、前記接触端は前記使用者の歩行時に地面と接触するために用いられる杖、及び
第1端部と、前記第1端部に対向する第2端部を有し、前記第1端部は前記杖の前記本体に接続され、前記第2端部は前記背負子に連接される接続ロッド、を含み、
前記導管構造に設置されて前記導管構造内で摺動するスライダを含み、前記スライダは前記接続ロッドの前記第2端部に隣接され、
前記スライダ及び前記固定構造にそれぞれ接続される弾性部材を含み、
前記使用者が前記重量補助支持装置を装着して歩行する状態で、前記杖は、前記使用者に制御され、前記使用者の足取りに合わせて地面に支持されつつ前後に揺動し、前記杖は、後方へ揺動する際に前記接続ロッドを押し動かして、前記スライダを移動させることで、前記スライダにより前記弾性部材を引き伸ばし/圧縮し、弾性部材により前記固定構造を動かして前記背負子を持ち上げる重量補助支持装置。
【請求項2】
前記弾性部材は引っ張りバネであり、前記スライダは前記固定構造の上方に位置し、前記杖が後方へ揺動し、前記接続ロッドを押し動かして前記スライダを移動させる際に、前記引っ張りバネは、前記スライダにより引き伸ばされてバネ復元力を発生させることで、前記固定構造を引き動かして持ち上げる請求項に記載の重量補助支持装置。
【請求項3】
前記弾性部材は圧縮バネであり、前記スライダは前記固定構造の下方に位置し、前記杖が後方へ揺動し、前記接続ロッドを押し動かして前記スライダを移動させる際に、前記圧縮バネは、前記スライダにより圧縮されてバネ復元力を発生させることで、前記固定構造を押し動かして持ち上げる請求項に記載の重量補助支持装置。
【請求項4】
更に、クランク部材を含み、前記クランク部材はクランク本体及び回転部を含み、前記回転部は軸心を有し、前記接続ロッドの第2端部は前記クランク本体に枢結され、前記回転部は前記スライダに接続され、前記杖が後方へ揺動して前記接続ロッドを押し動かす際に、前記接続ロッドは、前記クランク本体を前記軸心に沿って回転させて前記スライダを移動させる請求項に記載の重量補助支持装置。
【請求項5】
前記回転部は軸受であり、前記クランク本体は長孔を有し、前記接続ロッドの第2端部は前記長孔に枢結される請求項に記載の重量補助支持装置。
【請求項6】
更に、前記背負子の左右両側にそれぞれ設置される2つの前記杖、2つの前記接続ロッド、2つの前記導管構造、2つの前記固定構造、2つの前記スライダ及び2つの前記弾性部材を含み、これらのスライダは左スライダ及び右スライダを含み、左側の前記杖が後方へ揺動する際に、左側の前記杖は左側の前記接続ロッドを押し動かして前記左スライダを移動させることで、左側の前記弾性部材により前記背負子を持ち上げる請求項に記載の重量補助支持装置。
【請求項7】
これらの杖が使用者に制御され、前記使用者の足取りに合わせて地面に支持されつつ前後に揺動する際に、前記左スライダ及び前記右スライダは、左側及び右側の前記弾性部材を交互に引き伸ばす/圧縮することで前記背負子を持ち上げ続ける請求項に記載の重量補助支持装置。
【請求項8】
更に、前記背負子に設置される回転位置規制部材を含み、前記回転位置規制部材は前記杖の揺動方向に沿って回転可能であり、且つ、前記回転位置規制部材は、前記接続ロッドを配設するためのホール構造を含み、前記杖が使用者に制御され、前記使用者の足取りに合わせて地面に支持されつつ前後に揺動する際に、前記接続ロッドは、前記ホール構造内で移動するとともに、前記回転位置規制部材を回転させる請求項1に記載の重量補助支持装置。
【請求項9】
前記ホール構造はスリーブである請求項に記載の重量補助支持装置。
【外国語明細書】