(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092468
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】刈払機
(51)【国際特許分類】
A01D 34/46 20060101AFI20240701BHJP
A01D 34/90 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
A01D34/46
A01D34/90 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208409
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】522501926
【氏名又は名称】太郎良 俊英
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】太郎良 俊英
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA02
2B083CA28
2B083CA30
2B083DA02
2B083DA03
(57)【要約】
【課題】草木等の根元よりやや上方とその根元を一度の操作で刈り払うことが可能な刈払機の提供。
【解決手段】上下2段に設けられた回転式の上刈刃2Aおよび下刈刃2Bを有する刈刃部2であり、上刈刃2Aが下刈刃2Bよりも大径である刈刃部2と、上刈刃2Aおよび下刈刃2Bを駆動する動力を発生する動力部3と、動力部3が一端部に設けられ、他端部に刈刃部2が設けられた中空シャフト4と、中空シャフト4に内蔵され、動力部3の動力を上刈刃2Aおよび下刈刃2Bに伝達する動力伝達軸とを含む刈払機1である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下2段に設けられた回転式の上刈刃および下刈刃を有する刈刃部であり、前記上刈刃が前記下刈刃よりも大径である刈刃部と、
前記上刈刃および前記下刈刃を駆動する動力を発生する動力部と、
前記動力部が一端部に設けられ、他端部に前記刈刃部が設けられた中空シャフトと、
前記中空シャフトに内蔵され、前記動力部の動力を前記上刈刃および前記下刈刃に伝達する動力伝達軸と
を含む刈払機。
【請求項2】
前記上刈刃と前記下刈刃とが互いに逆方向に回転するものである請求項1記載の刈払機。
【請求項3】
前記刈刃部は、
前記動力伝達軸の端部に設けられた駆動歯車と、
前記上刈刃を回転させる第1の回転軸であり、前記駆動歯車の回転軸と交差する第1の回転軸と、
前記第1の回転軸の端部に設けられ、前記駆動歯車と上方で噛み合う第1の従動歯車と、
前記下刈刃を回転させる第2の回転軸であり、前記駆動歯車の回転軸と交差する第2の回転軸と、
前記第2の回転軸の端部に設けられ、前記駆動歯車と下方で噛み合う第2の従動歯車とを有する請求項1記載の刈払機。
【請求項4】
前記駆動歯車の回転軸と前記第1の回転軸とは斜めに交差し、
前記駆動歯車の回転軸と前記第2の回転軸とは直交する
請求項3記載の刈払機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草木等の刈払作業に用いられる刈払機に関する。
【背景技術】
【0002】
刈払機は、草木等を刈り払うための機械である。一般に刈払機は、回転式の刈刃と、刈刃を駆動する動力部を、動力伝達軸を内蔵した操作アームの両端部に有し、作業者は、操作アームの中間部に固定されたハンドルに設けられた操作部を操作し、先端の刈刃を左右に振るようにして作業を行う(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般に作業者は、草木等を刈り払う場合、草木等の根元から一度に刈り払うのではなく、先端の刈刃を一方向に振って草木等の根元よりやや上方を一度刈り払った後、先端の刈刃を逆方向に振って草木等の根元を二度目に刈り払うようにする。
【0005】
本発明は、草木等の根元よりやや上方とその根元を一度の操作で刈り払うことが可能な刈払機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の刈払機は、上下2段に設けられた回転式の上刈刃および下刈刃を有する刈刃部であり、上刈刃が下刈刃よりも大径である刈刃部と、上刈刃および下刈刃を駆動する動力を発生する動力部と、動力部が一端部に設けられ、他端部に刈刃部が設けられた中空シャフトと、中空シャフトに内蔵され、動力部の動力を上刈刃および下刈刃に伝達する動力伝達軸とを含むものである。
【0007】
本発明の刈払機によれば、上下2段に設けられた回転式の上刈刃および下刈刃のうち大径な上刈刃が草木等に先に接触し、草木等の根元よりやや上方が刈り払われ、続いて下刈刃が草木等に接触し、草木等の根元が刈り払われる。
【0008】
本発明の刈払機は、上刈刃と下刈刃とが互いに逆方向に回転するものであることが望ましい。これにより、互いに逆回転する上刈刃と下刈刃が互いの反作用トルクを打ち消し合うようになる。
【0009】
刈刃部は、動力伝達軸の端部に設けられた駆動歯車と、上刈刃を回転させる第1の回転軸であり、駆動歯車の回転軸と交差する第1の回転軸と、第1の回転軸の端部に設けられ、駆動歯車と上方で噛み合う第1の従動歯車と、下刈刃を回転させる第2の回転軸であり、駆動歯車の回転軸と交差する第2の回転軸と、第2の回転軸の端部に設けられ、駆動歯車と下方で噛み合う第2の従動歯車とを有するものであることが望ましい。
【0010】
これにより、動力部の動力を動力伝達軸により駆動歯車に伝達すると、第1の従動歯車と第2の従動歯車とが互いに逆方向に回転し、それぞれ第1の回転軸および第2の回転軸を互いに逆方向に回転させるので、上刈刃と下刈刃とが互いに逆方向に回転する。
【発明の効果】
【0011】
(1)上下2段に設けられた回転式の上刈刃および下刈刃を有する刈刃部であり、上刈刃が下刈刃よりも大径である刈刃部と、上刈刃および下刈刃を駆動する動力を発生する動力部と、動力部が一端部に設けられ、他端部に刈刃部が設けられた中空シャフトと、中空シャフトに内蔵され、動力部の動力を上刈刃および下刈刃に伝達する動力伝達軸とを含む刈払機によれば、一度の操作で草木等の根元よりやや上方が先に上刈刃により刈り払われ、続けて草木等の根元が下刈刃により刈り払われるので、刈払作業を効率的に行うことが可能となる。
【0012】
(2)上刈刃と下刈刃とが互いに逆方向に回転するものであることにより、互いに逆回転する上刈刃と下刈刃が互いの反作用トルクを打ち消し合い、安定するので、刈払作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態における刈払機の側面図である。
【
図3】
図1のギヤボックス内の構成を示す側面図である。
【
図4】本発明の刈払機の別の実施形態を示す側面図である。
【
図5】
図4のギヤボックス内の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明の実施の形態における刈払機の側面図、
図2は
図1の刈刃部の平面図である。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施の形態における刈払機1は、上下2段に設けられた回転式の上刈刃2Aおよび下刈刃2Bを有する刈刃部2と、上刈刃2Aおよび下刈刃2Bを駆動する動力を発生する動力部3と、動力部3が一端部に設けられ、他端部に刈刃部2
が設けられた中空シャフト4とを有する。中空シャフト4の下端部は、刈刃部2のギヤボックス5に接続されている。
【0016】
上刈刃2Aおよび下刈刃2Bは円盤状の回転刃である。上刈刃2Aは下刈刃2Bよりも大径となっている。例えば、上刈刃2Aの直径が10インチ(255mm)である場合、下刈刃2Bの直径を9インチ(230mm)等の小径とする。上刈刃2Aと下刈刃2Bとは互いに逆方向に回転する。
【0017】
動力部3は、エンジンやモーターなど原動機により構成される。中空シャフト4には、動力部3の動力を上刈刃2Aおよび下刈刃3Bに伝達する動力伝達軸(図示せず。)が内蔵されている。また、中空シャフト4の中途部には、操作者が把持するためのハンドル7が設けられている。
【0018】
図3は
図1のギヤボックス5内の構成を示す側面図である。
ギヤボックス5には、動力伝達軸の端部に設けられた回転軸6周りに回転する駆動歯車としてのかさ歯車10と、上刈刃2Aを回転させる第1の回転軸11Aと、下刈刃2Bを回転させる第2の回転軸11Bと、第1の回転軸11Aの端部に設けられ、かさ歯車10と上方で噛み合う第1の従動歯車としてのかさ歯車12Aと、第2の回転軸11Bの端部に設けられ、かさ歯車10と下方で噛み合う第2の従動歯車としてのかさ歯車12Bとが設けられている。第1の回転軸11Aおよび第2の回転軸11Bは、かさ歯車10の回転軸6と直交している。
【0019】
上記構成の刈払機1によれば、作業者がハンドル7を握って先端の刈刃部2を一方向F(
図2参照。)に振ると、上下2段に設けられた回転式の上刈刃2Aおよび下刈刃2Bのうち大径な上刈刃2Aが接触点F
1において草木等に先に接触し、草木等の根元よりやや上方が刈り払われ、続いて小径の下刈刃2Bが接触点F
2において草木等に接触し、草木等の根元が刈り払われる。すなわち、作業者は先端の刈刃部2を一方向Fに振るだけで、接触点F
1および接触点F
2の2段階の刈払作業を行うことができる。
【0020】
また、上記構成の刈払機1では、上刈刃2Aと下刈刃2Bとが互いに逆方向に回転するので、互いに逆回転する上刈刃2Aと下刈刃2Bが互いの反作用トルクを打ち消し合い、安定するので、振動が少なく、刈払作業が容易である。
【0021】
なお、
図1に示すように、本実施形態における刈払機1では、中空シャフト4が上刈刃2Aおよび下刈刃2Bに対して斜め上方へ向かって延びている。そのため、上刈刃2Aと下刈刃2Bとの間隔が狭い場合、上刈刃2Aの大きさによっては上刈刃2Aが中空シャフト4と干渉することになる。
【0022】
そこで、
図4および
図5に示すように、上刈刃2Aを回転させる第1の回転軸11Aを駆動歯車であるかさ歯車10の回転軸6と斜めに交差する向きとした刈払機1Aとすることも可能である。下刈刃2Bを回転させる第2の回転軸11Bは、かさ歯車10の回転軸6と直交している。こうすることで、上刈刃2Aと中空シャフト4との隙間が広くなり、上刈刃2Aが中空シャフト4と干渉することを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の刈払機は、草木等の刈払作業に用いられる刈払機として有用であり、特に、草木等の根元よりやや上方とその根元を一度の操作で刈り払うことが可能な刈払機として好適である。
【符号の説明】
【0024】
1,1A 刈払機
2 刈刃部
2A 上刈刃
2B 下刈刃
3 動力部
4 中空シャフト
5 ギヤボックス
6 回転軸
10,12A,12B かさ歯車
11A 第1の回転軸
11B 第2の回転軸