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特開2024-92483作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092483
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240701BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208439
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 海都
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】作業現場の生産性の低下を抑制すること。
【解決手段】作業現場の管理システムは、作業現場の複数の無人車両のそれぞれを停止させる停止指令を出力する停止指令部と、作業現場の有人車両を基準とする所定範囲の外側に存在する無人車両を再起動させる第1再起動指令を出力する第1再起動指令部と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場の複数の無人車両のそれぞれを停止させる停止指令を出力する停止指令部と、
前記作業現場の有人車両を基準とする所定範囲の外側に存在する無人車両を再起動させる第1再起動指令を出力する第1再起動指令部と、を備える、
作業現場の管理システム。
【請求項2】
前記停止指令部は、前記有人車両に設けられた停止操作装置からの停止信号に基づいて、前記停止指令を出力する、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項3】
前記第1再起動指令部は、入力装置からの入力データに基づいて、前記第1再起動指令を出力する、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項4】
前記第1再起動指令の出力により、前記所定範囲の外側に存在する複数の無人車両が一斉に再起動する、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項5】
前記所定範囲の内側に存在する無人車両を再起動させる第2再起動指令を出力する第2再起動指令部を備える、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項6】
前記第2再起動指令部は、前記有人車両に設けられた入力装置からの入力データに基づいて、前記第2再起動指令を出力する、
請求項5に記載の作業現場の管理システム。
【請求項7】
前記第2再起動指令部は、前記入力装置からの入力データに基づいて前記所定範囲の内側に存在する複数の無人車両から選択された特定の無人車両を再起動させる、
請求項6に記載の作業現場の管理システム。
【請求項8】
前記第2再起動指令部は、前記所定範囲の外側に存在する無人車両が再起動した後に、前記第2再起動指令を出力する、
請求項7に記載の作業現場の管理システム。
【請求項9】
前記所定範囲の内側に再起動していない無人車両が存在する場合、前記所定範囲の外側から内側に進入するように走行する無人車両の走行が制限される、
請求項8に記載の作業現場の管理システム。
【請求項10】
前記第1再起動指令部は、前記所定範囲の内側に存在する無人車両が全て再起動した後に、前記制限を解除する、
請求項9に記載の作業現場の管理システム。
【請求項11】
入力装置からの入力データに基づいて、前記所定範囲を設定する範囲設定部を備える、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項12】
前記所定範囲を表示装置に表示させる表示制御部を備える、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項13】
作業現場の複数の無人車両のそれぞれを停止させる停止指令を出力することと、
前記作業現場の有人車両を基準とする所定範囲の外側に存在する無人車両を再起動させる第1再起動指令を出力することと、を含む、
作業現場の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉱山のような広域の作業現場において、無人車両が稼働する。特許文献1には、鉱山を自律走行する運搬車両の全てを非常停止させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-072946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば無人車両の近くに有人車両が存在する場合、非常停止した複数の無人車両が一斉に再起動されると、不測の事態が発生する可能性がある。不測の事態の発生により、作業現場の生産性が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、作業現場の生産性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、作業現場の複数の無人車両のそれぞれを停止させる停止指令を出力する停止指令部と、作業現場の有人車両を基準とする所定範囲の外側に存在する無人車両を再起動させる第1再起動指令を出力する第1再起動指令部と、を備える、作業現場の管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業現場の生産性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る作業現場の管理システムを模式的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係る作業現場の管理システムを示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る管理装置のハードウエア構成図である。
図4図4は、実施形態に係る無人ダンプトラックの走行データを説明するための模式図である。
図5図5は、実施形態に係る作業現場を模式的に示す図である。
図6図6は、実施形態に係る作業現場の管理方法を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係る作業現場において非常停止した無人ダンプトラックを模式的に示す図である。
図8図8は、実施形態に係る表示装置に表示された表示データの一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る作業現場において第1再起動指令に基づいて再起動した無人ダンプトラックを模式的に示す図である。
図10図10は、実施形態に係る表示装置に表示された表示データの一例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る作業現場において第2再起動指令に基づいて再起動した無人ダンプトラックを模式的に示す図である。
図12図12は、実施形態に係る所定範囲が解除された作業現場を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[管理システム]
図1は、実施形態に係る作業現場の管理システム11を模式的に示す図である。作業現場として、鉱山又は採石場が例示される。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。採石場とは、石材を採掘する場所又は事業所をいう。鉱山として、金属を採掘する金属鉱山、石灰石を採掘する非金属鉱山、又は石炭を採掘する石炭鉱山が例示される。
【0011】
作業現場において、有人車両1と無人車両2とが稼働する。有人車両1に運転者が搭乗する。無人車両2に運転者は搭乗しない。有人車両1とは、運転者による運転操作に基づいて稼働する車両をいう。無人車両2とは、運転者による運転操作によらずに無人で稼働する車両をいう。実施形態において、有人車両1は、作業現場を走行する軽量車両である。有人車両1は、作業現場を巡視したり作業者を移送したりすることに使用される。実施形態においては、有人車両1を適宜、有人ライトビークル1、と称する。実施形態において、無人車両2は、無人で作業現場を走行する重量車両である。無人車両2は、積荷を運搬する運搬作業を実施する運搬車両である。実施形態においては、無人車両2を適宜、無人ダンプトラック2、と称する。
【0012】
管理システム11は、管理装置12と、通信システム13とを備える。管理装置12は、有人ライトビークル1及び無人ダンプトラック2の外部に配置される。管理装置12は、作業現場の管制施設14に設置される。管理装置12は、コンピュータシステムを含む。通信システム13として、インターネット(internet)、携帯電話通信網、衛星通信網、又はローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)が例示される。
【0013】
有人ライトビークル1は、車体101と、走行装置102と、制御装置15と、無線通信機13Aとを有する。車体101は、車体フレームを含む。車体101は、走行装置102に支持される。走行装置102は、車体101を支持して走行する。走行装置102は、車輪と、車輪に装着されるタイヤと、エンジンと、ブレーキ装置と、ステアリング装置とを含む。制御装置15は、コンピュータシステムを含む。無線通信機13Aは、制御装置15に接続される。
【0014】
無人ダンプトラック2は、車体201と、走行装置202と、ダンプボディ203と、制御装置16と、無線通信機13Bとを有する。車体201は、車体フレームを含む。車体201は、走行装置202に支持される。走行装置202は、車体201を支持して走行する。走行装置202は、車輪と、車輪に装着されるタイヤと、エンジンと、ブレーキ装置と、ステアリング装置とを含む。ダンプボディ203は、積荷が積載される部材である。ダンプボディ203は、車体201に支持される。ダンプボディ203は、ダンプ動作及び下げ動作する。ダンプ動作とは、ダンプボディ203を車体201から離隔させてダンプ方向に傾斜させる動作をいう。下げ動作とは、ダンプボディ203を車体201に接近させる動作をいう。積込作業が実施される場合、ダンプボディ203は、下げ動作する。排土作業を実施する場合、ダンプボディ203は、ダンプ動作する。制御装置16は、コンピュータシステムを含む。無線通信機13Bは、制御装置16に接続される。
【0015】
通信システム13は、制御装置15に接続される無線通信機13Aと、制御装置16に接続される無線通信機13Bと、管理装置12に接続される無線通信機13Cとを含む。管理装置12と有人ライトビークル1の制御装置15とは、通信システム13を介して無線通信する。管理装置12と無人ダンプトラック2の制御装置16とは、通信システム13を介して無線通信する。
【0016】
図2は、実施形態に係る作業現場の管理システム11を示すブロック図である。管制施設14に、管理装置12、無線通信機13C、入力装置31、及び表示装置32が配置される。無線通信機13C、入力装置31、及び表示装置32のそれぞれは、管理装置12に接続される。管制施設14に管理者が存在する。入力装置31が管理者により操作されると、入力データが生成される。入力装置31として、タッチパネル、コンピュータ用キーボード、又は入力ボタンが例示される。表示装置32は、表示データを出力して管理者に提供する。表示装置32として、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのようなフラットパネルディスプレイが例示される。管理装置12は、走行データ生成部121と、停止指令部122と、第1再起動指令部123と、範囲設定部124と、表示制御部125とを有する。
【0017】
走行データ生成部121は、無人ダンプトラック2の走行条件を示す走行データを生成する。走行データ生成部121は、通信システム13を介して無人ダンプトラック2に走行データを送信する。
【0018】
停止指令部122は、作業現場の複数の無人ダンプトラック2のそれぞれを停止させる停止指令を出力する。停止指令部122から停止指令が出力されると、作業現場において稼働する無人ダンプトラック2の全てが非常停止する。有人ライトビークル1の非常停止ボタン18が運転者により操作されると、非常停止信号が生成される。非常停止ボタン18の操作により生成された非常停止信号は、通信システム13を介して管理装置12に送信される。停止指令部122は、有人ライトビークル1に設けられた非常停止ボタン18からの非常停止信号に基づいて、停止指令を出力する。
【0019】
第1再起動指令部123は、非常停止した複数の無人ダンプトラック2のうち、少なくとも一部の無人ダンプトラック2を再起動させる第1再起動指令を出力する。実施形態において、第1再起動指令部123は、作業現場の有人ライトビークル1を基準とする所定範囲10の外側に存在する無人ダンプトラック2を再起動させる第1再起動指令を出力する。第1再起動指令部123からの第1再起動指令の出力により、所定範囲10の外側に存在する複数の無人ダンプトラック2が一斉に再起動する。第1再起動指令部123は、管理装置12に接続された入力装置31からの入力データに基づいて、第1再起動指令を出力する。
【0020】
範囲設定部124は、所定範囲10を設定する。範囲設定部124は、入力装置31からの入力データに基づいて、所定範囲10を設定する。管理者は、入力装置31を操作することにより、所定範囲10を任意に設定することができる。範囲設定部124は、入力装置31からの入力データに基づいて、所定範囲10の形状及び大きさを設定することができる。
【0021】
表示制御部125は、表示装置32を制御する。表示制御部125は、表示データを表示装置32に表示させる。実施形態において、表示制御部125は、少なくとも所定範囲10を表示装置32に表示させる。
【0022】
有人ライトビークル1は、制御装置15と、無線通信機13Aと、自己位置センサ17と、非常停止ボタン18と、入力装置19と、表示装置20とを有する。無線通信機13A、自己位置センサ17、非常停止ボタン18、入力装置19、及び表示装置20のそれぞれは、制御装置15と通信することができる。
【0023】
自己位置センサ17は、有人ライトビークル1の位置を検出する。有人ライトビークル1の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して検出される。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。全地球航法衛星システムは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定されるグローバル座標系の位置を検出する。グローバル座標系とは、地球に固定された座標系をいう。自己位置センサ17は、GNSS受信機を含み、グローバル座標系における有人ライトビークル1の位置を示す有人ライトビークル1の絶対位置を検出する。非常停止ボタン18は、有人ライトビークル1の車内に配置される。非常停止ボタン18が運転者により操作されると、作業現場において稼働する無人ダンプトラック2の全てが非常停止する。入力装置19は、有人ライトビークル1の車内に配置される。入力装置19が運転者により操作されると、入力データが生成される。入力装置19として、タッチパネル、コンピュータ用キーボード、又は入力ボタンが例示される。表示装置20は、有人ライトビークル1の車内に配置される。表示装置20は、表示データを出力して運転者に提供する。表示装置20として、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのようなフラットパネルディスプレイが例示される。制御装置15は、通信部151と、第2再起動指令部152と、選択部153と、表示制御部154とを有する。
【0024】
通信部151は、自己位置センサ17の検出データを管理装置12に送信する。通信部151は、非常停止ボタン18において生成された非常停止信号を管理装置12に送信する。通信部151は、第2再起動指令部152から出力された第2再起動指令を無人ダンプトラック2に送信する。
【0025】
第2再起動指令部152は、非常停止した複数の無人ダンプトラック2のうち、少なくとも一部の無人ダンプトラック2を再起動させる第2再起動指令を出力する。実施形態において、第2再起動指令部152は、作業現場の有人ライトビークル1を基準とする所定範囲10の内側に存在する無人ダンプトラック2を再起動させる第2再起動指令を出力する。第2再起動指令部152は、有人ライトビークル1に設けられた入力装置19からの入力データに基づいて、第2再起動指令を出力する。第2再起動指令部152は、第1再起動指令に基づいて所定範囲10の外側に存在する無人ダンプトラック2が再起動した後に、所定範囲10の内側に存在する無人ダンプトラック2を再起動させる第2再起動指令を出力する。
【0026】
選択部153は、入力装置19からの入力データに基づいて、所定範囲10の内側に存在する複数の無人ダンプトラック2から再起動させる無人ダンプトラック2を選択する。第2再起動指令部152は、選択部153により選択された特定の無人ダンプトラック2を再起動させる。第2再起動指令部152からの第2再起動指令の出力により、所定範囲10の内側に存在する複数の無人ダンプトラック2が選択的に再起動する。
【0027】
表示制御部154は、表示装置20を制御する。表示制御部154は、表示データを表示装置20に表示させる。実施形態において、表示制御部154は、少なくとも所定範囲10を表示装置20に表示させる。
【0028】
無人ダンプトラック2は、制御装置16と、無線通信機13Bと、自己位置センサ22と、方位センサ23と、速度センサ24と、走行装置202とを有する。無線通信機13B、自己位置センサ22、方位センサ23、及び速度センサ24のそれぞれは、制御装置16と通信することができる。走行装置202は、制御装置16に制御される。
【0029】
自己位置センサ22は、無人ダンプトラック2の位置を検出する。自己位置センサ22は、GNSS受信機を含み、グローバル座標系における無人ダンプトラック2の位置を示す無人ダンプトラック2の絶対位置を検出する。方位センサ23は、無人ダンプトラック2の方位を検出する。方位センサ23として、ジャイロセンサが例示される。速度センサ24は、無人ダンプトラック2の走行速度を検出する。速度センサ24として、無人ダンプトラック2の車輪の回転を検出するパルスセンサが例示される。制御装置16は、走行データ取得部161と、指令取得部162と、センサデータ取得部163と、走行制御部164とを有する。
【0030】
走行データ取得部161は、走行データ生成部121において生成された無人ダンプトラック2の走行データを、通信システム13を介して取得する。指令取得部162は、停止指令部122から出力された停止指令を、通信システム13を介して取得する。指令取得部162は、第1再起動指令部123から出力された第1再起動指令又は第2再起動指令部152から出力された第2再起動指令を、通信システム13を介して取得する。センサデータ取得部163は、自己位置センサ22の検出データ、方位センサ23の検出データ、及び速度センサ24の検出データを取得する。
【0031】
走行制御部164は、走行データ取得部161により取得された無人ダンプトラック2の走行データと、センサデータ取得部163により取得された検出データとに基づいて、走行装置202を制御する。走行制御部164は、停止指令部122により取得された停止指令に基づいて、走行装置202を非常停止させる。走行制御部164は、停止指令部122により取得された第1再起動指令又は第2再起動指令に基づいて、非常停止している走行装置202を再起動させる。
【0032】
図3は、実施形態に係る管理装置12のハードウエア構成図である。管理装置12は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインタフェース1004とを有する。上述の管理装置12の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。制御装置15及び制御装置16のそれぞれも、図3に示すようなコンピュータシステム1000を含む。上述の制御装置15及び制御装置16のそれぞれの機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。
【0033】
[走行データ]
図4は、実施形態に係る無人ダンプトラック2の走行データを説明するための模式図である。無人ダンプトラック2の走行データは、無人ダンプトラック2の走行条件を規定する。無人ダンプトラック2の走行データは、走行点41、走行パス42、無人ダンプトラック2の目標位置、無人ダンプトラック2の目標方位、及び無人ダンプトラック2の目標走行速度を含む。走行パス42を含む無人ダンプトラック2の走行データは、走行データ生成部121において生成される。
【0034】
走行点41は、作業現場に複数設定される。走行点41は、無人ダンプトラック2の目標位置を規定する。複数の走行点41のそれぞれに、無人ダンプトラック2の目標方位及び無人ダンプトラック2の目標走行速度が設定される。複数の走行点41は、間隔をあけて設定される。走行点41の間隔は、均一でもよいし、不均一でもよい。走行パス42とは、無人ダンプトラック2の目標走行経路を示す仮想線をいう。走行パス42は、複数の走行点41を通過する軌跡によって規定される。無人ダンプトラック2は、走行パス42に従って作業現場を走行する。無人ダンプトラック2は、無人ダンプトラック2の車幅方向において、無人ダンプトラック2の中心と走行パス42とが一致するように走行する。無人ダンプトラック2の目標位置とは、走行点41を通過するときの無人ダンプトラック2の目標位置をいう。無人ダンプトラック2の目標位置は、無人ダンプトラック2のローカル座標系において規定されてもよいし、グローバル座標系において規定されてもよい。無人ダンプトラック2の目標方位とは、走行点41を通過するときの無人ダンプトラック2の目標方位をいう。無人ダンプトラック2の目標走行速度とは、走行点41を通過するときの無人ダンプトラック2の目標走行速度をいう。
【0035】
[作業現場]
図5は、実施形態に係る作業現場を模式的に示す図である。作業現場は、積込場3、排土場4、及び走行路7を含む。積込場3とは、無人ダンプトラック2に積荷を積載する積込作業が実施されるエリアをいう。積荷として、積込場3において掘削された掘削物が例示される。積込場3において、積込機8が稼働する。積込機8として、油圧ショベルが例示される。積込機8に操作者が搭乗する。積込機8は、操作者による操作に基づいて稼働する有人車両である。排土場4とは、無人ダンプトラック2から積荷が排出される排土作業が実施されるエリアをいう。走行路7とは、無人ダンプトラック2が走行するエリアをいう。走行路7は、少なくとも積込場3と排土場4とを繋ぐように設けられる。有人ライトビークル1は、積込場3、排土場4、及び走行路7のそれぞれを走行することができる。無人ダンプトラック2は、積込場3、排土場4、及び走行路7のそれぞれを走行することができる。無人ダンプトラック2は、例えば積込場3と排土場4とを往復するように走行路7を走行する。
【0036】
図5は、無人ダンプトラック2が通常稼動している状態を模式的に示す。通常稼動において、無人ダンプトラック2は、走行データに基づいて作業現場を走行する。走行制御部164は、無人ダンプトラック2の走行データと、センサデータ取得部163により取得された検出データとに基づいて、無人ダンプトラック2が走行パス42に従って走行するように、走行装置202を制御する。走行制御部164は、走行点41を通過するときに自己位置センサ22により検出された無人ダンプトラック2の検出位置と走行点41に設定されている無人ダンプトラック2の目標位置との偏差が小さくなるように、走行装置202を制御する。走行制御部164は、走行点41を通過するときに方位センサ23により検出された無人ダンプトラック2の検出方位と走行点41に設定されている無人ダンプトラック2の目標方位との偏差が小さくなるように、走行装置202を制御する。走行制御部164は、走行点41を通過するときに速度センサ24により検出された無人ダンプトラック2の検出走行速度と走行点41に設定されている無人ダンプトラック2の目標走行速度との偏差が小さくなるように、走行装置202を制御する。
【0037】
[管理方法]
図6は、実施形態に係る作業現場の管理方法を示すフローチャートである。有人ライトビークル1及び無人ダンプトラック2のそれぞれが作業現場において通常稼動している状態で、無人ダンプトラック2の非常停止を要する事象の発生を有人ライトビークル1の運転者が確認した場合、有人ライトビークル1の運転者は、非常停止ボタン18を操作する。有人ライトビークル1の運転者により非常停止ボタン18が操作されると、通信部151は、非常停止ボタン18の操作により生成された非常停止信号を管理装置12に送信する(ステップSC1)。停止指令部122は、有人ライトビークル1に設けられた非常停止ボタン18からの非常停止信号に基づいて、作業現場の複数の無人ダンプトラック2の全てを非常停止させる停止指令を出力する(ステップSB1)。
【0038】
図7は、実施形態に係る作業現場において非常停止した無人ダンプトラック2を模式的に示す図である。無人ダンプトラック2の指令取得部162は、管理装置12からの停止指令を取得する。走行制御部164は、停止指令に基づいて、走行装置202を非常停止させる。複数の無人ダンプトラック2のそれぞれは、停止指令を受信したときの位置に停車する。図7に示すように、作業現場において通常稼動している複数の無人ダンプトラック2のそれぞれは、停止指令に基づいて非常停止する(ステップSA1)。
【0039】
管制施設14に存在する管理者は、入力装置31を操作して、所定範囲10を設定する。管理者は、入力装置31を操作して、所定範囲10の形状及び大きさを設定することができる。範囲設定部124は、入力装置31からの入力データに基づいて、所定範囲10を設定する(ステップSB2)。表示制御部125は、所定範囲10を表示装置32に表示させる(ステップSB3)。
【0040】
図8は、実施形態に係る表示装置32に表示された表示データの一例を示す図である。図8に示すように、範囲設定部124により設定された所定範囲10を示す画像データ10Gが表示装置32に表示される。管理者は、表示装置32に表示された画像データ10Gを確認しながら、入力装置31を操作して、所定範囲10を設定することができる。実施形態において、表示装置32には、作業現場のマップデータと、有人ライトビークル1を示すシンボルと、複数の無人ダンプトラック2のそれぞれを示すシンボルとが表示される。表示制御部125は、自己位置センサ17の検出データに基づいて、作業現場のマップデータにおいて有人ライトビークル1の実際の位置に相当する位置に有人ライトビークル1のシンボルを表示させることができる。表示制御部125は、自己位置センサ22の検出データに基づいて、作業現場のマップデータにおいて無人ダンプトラック2の実際の位置に相当する位置に無人ダンプトラック2のシンボルを表示させることができる。表示制御部125は、作業現場のマップデータ、有人ライトビークル1を示すシンボル、及び無人ダンプトラック2のシンボルに重畳するように、画像データ10Gを表示させることができる。所定範囲10は、所定範囲10の内側に有人ライトビークル1が配置されるように設定される。所定範囲10は、有人ライトビークル1を基準に設定される。実施形態において、所定範囲10は、所定範囲10の中心に有人ライトビークル1が配置されるように設定される。所定範囲10は、有人ライトビークル1を中心とする円形状に設定される。所定範囲10の直径は、例えば50m以上500m以下に設定される。
【0041】
管理者は、無人ダンプトラック2の非常停止を要する事象の解消を確認した後、所定範囲10の外側の無人ダンプトラック2を再起動させるために、入力装置31を操作する。第1再起動指令部123は、入力装置31からの入力データに基づいて、所定範囲10の外側に存在する無人ダンプトラック2を再起動させる第1再起動指令を無人ダンプトラック2に出力する(ステップSB4)。無人ダンプトラック2の指令取得部162は、管理装置12からの第1再起動指令を取得する。
【0042】
ステップSB2において設定された所定範囲10の位置データは、範囲設定部124から無人ダンプトラック2の制御装置16に送信される。複数の無人ダンプトラック2のそれぞれの走行制御部164は、自己位置センサ22の検出データと所定範囲10の位置データとに基づいて、無人ダンプトラック2(自車両)が所定範囲10の内側に存在するか否かを判定する(ステップSA2)。ステップSA2において、無人ダンプトラック2が所定範囲10の外側に存在すると判定した場合(ステップSA2:Yes)、走行制御部164は、走行装置202による走行を再開させる。走行制御部164は、走行データに基づいて、走行装置202を走行させる。所定範囲10の外側に存在する無人ダンプトラック2は、再起動される(ステップSA3)。
【0043】
図9は、実施形態に係る作業現場において第1再起動指令に基づいて再起動した無人ダンプトラック2を模式的に示す図である。図9に示すように、所定範囲10の外側の無人ダンプトラック2は、第1再起動指令に基づいて再起動する。第1再起動指令の出力により、所定範囲10の外側に存在する複数の無人ダンプトラック2が一斉に再起動する。第1再起動指令が出力されても、第2再起動指令が出力されない場合、所定範囲10の内側に存在する複数の無人ダンプトラック2は、再起動しない。
【0044】
所定範囲10の外側に存在する無人ダンプトラック2が再起動した後、有人ライトビークル1の運転者は、有人ライトビークル1の周囲の状況を確認する。有人ライトビークル1の運転者は、所定範囲10の内側に存在する無人ダンプトラック2を再起動させてもよい状況であることを確認した後、所定範囲10の内側の無人ダンプトラック2を再起動させるために、入力装置19を操作する。第2再起動指令部152は、所定範囲10の内側に存在する無人ダンプトラック2を再起動させる第2再起動指令を所定範囲10の内側に存在する無人ダンプトラック2に出力する(ステップSC2)。無人ダンプトラック2の指令取得部162は、制御装置15からの第2再起動指令を取得する。
【0045】
図10は、実施形態に係る表示装置20に表示された表示データの一例を示す図である。図10に示すように、範囲設定部124により設定された所定範囲10を示す画像データ10Gが表示装置20に表示される。表示装置20には、所定範囲10及び所定範囲10の近傍の作業現場のマップデータと、有人ライトビークル1を示すシンボルと、複数の無人ダンプトラック2のそれぞれを示すシンボルとが表示される。表示制御部154は、自己位置センサ17の検出データに基づいて、作業現場のマップデータにおいて有人ライトビークル1の実際の位置に相当する位置に有人ライトビークル1のシンボルを表示させることができる。表示制御部154は、自己位置センサ22の検出データに基づいて、作業現場のマップデータにおいて無人ダンプトラック2の実際の位置に相当する位置に無人ダンプトラック2のシンボルを表示させることができる。表示制御部154は、作業現場のマップデータ、有人ライトビークル1を示すシンボル、及び無人ダンプトラック2のシンボルに重畳するように、画像データ10Gを表示させることができる。
【0046】
表示制御部154は、所定範囲10の内側に存在する複数の無人ダンプトラック2から再起動させる無人ダンプトラック2を運転者に選択させるための選択画面を表示装置20に表示される。実施形態において、所定範囲10の内側に、第1無人ダンプトラック2A、第2無人ダンプトラック2B、及び第3無人ダンプトラック2Cが存在することとする。表示装置20には、所定範囲10の内側に存在する3台の無人ダンプトラック2(2A,2B,2C)の中から再起動させる無人ダンプトラック2を運転者に選択させるための選択画面が表示される。運転者は、有人ライトビークル1の周囲の状況を確認しながら、入力装置19を操作して、再起動させる無人ダンプトラック2を選択する。例えば第1無人ダンプトラック2Aが選択されるように入力装置19が運転者により操作された場合、選択部153は、入力装置19からの入力データに基づいて、所定範囲10の内側に存在する複数の無人ダンプトラック2(2A,2B,2C)から再起動させる第1無人ダンプトラック2Aを選択する。第2再起動指令部152は、選択部153により選択された第1無人ダンプトラック2Aが再起動するように、第2再起動指令を出力する。第1無人ダンプトラック2Aの指令取得部162は、制御装置15からの第2再起動指令を取得する。第1無人ダンプトラック2Aの走行制御部164は、第2再起動指令に基づいて、走行装置202による走行を再開させる。走行制御部164は、走行データに基づいて、走行装置202を走行させる。所定範囲10の内側に存在する第1無人ダンプトラック2Aは、再起動される(ステップSA5)。
【0047】
図11は、実施形態に係る作業現場において第2再起動指令に基づいて再起動した無人ダンプトラック2を模式的に示す図である。図11に示すように、所定範囲10の内側の第1無人ダンプトラック2Aは、第2再起動指令に基づいて再起動する。所定範囲10の内側の第2,第3無人ダンプトラック2B,2Cは、選択部153により選択されていないので、再起動しない。
【0048】
実施形態において、所定範囲10の内側に再起動していない無人ダンプトラック2が存在する場合、所定範囲10の外側から内側に進入する無人ダンプトラック2の走行が制限される。図11に示す例において、第1再起動指令に基づいて再起動した第4無人ダンプトラック2Dが、所定範囲10に向かって走行する。所定範囲10の内側に再起動していない第2,第3無人ダンプトラック2B,2Cが存在するので、所定範囲10の外側から内側に進入するように走行する第4無人ダンプトラック2Dの走行が制限される。すなわち、第4無人ダンプトラック2Dが所定範囲10の内側に進入しないように、第4無人ダンプトラック2Dの走行が制限される。上述のように、ステップSB2において設定された所定範囲10の位置データは、範囲設定部124から無人ダンプトラック2の制御装置16に送信される。第4無人ダンプトラック2Dの走行制御部164は、自己位置センサ22の検出データと所定範囲10の位置データとに基づいて、第4無人ダンプトラック2D(自車両)と所定範囲10との相対位置を算出する。第4無人ダンプトラック2Dの走行制御部164は、第4無人ダンプトラック2Dの前方に所定範囲10が存在するか否かを判定する(ステップSA4)。ステップSA4において、第4無人ダンプトラック2Dの前方に所定範囲10が存在し、第4無人ダンプトラック2Dが所定範囲10に接近していると判定した場合(ステップSA4:Yes)、走行制御部164は、第4無人ダンプトラック2Dの走行装置202の走行を制限する(ステップSA6)。走行制御部164は、第4無人ダンプトラック2Dが所定範囲10に進入しないように、所定範囲10の手前で第4無人ダンプトラック2Dを停車させる。なお、ステップSA4において、第4無人ダンプトラック2Dの前方に所定範囲10が存在しないと判定された場合(ステップSA4:No)、走行制御部164は、走行データに基づいて、第4無人ダンプトラック2Dの走行を継続させる。
【0049】
運転者は、第1無人ダンプトラック2Aを再起動させた後、有人ライトビークル1の周囲の状況を確認しながら、所定範囲10の内側に存在する複数の無人ダンプトラック2が1台ずつ再起動するように、入力装置19を操作する。第2再起動指令部152は、入力装置19からの入力データに基づいて所定範囲10の内側に存在する複数の無人ダンプトラック2から選択された特定の無人ダンプトラック2を1台ずつ再起動させる。例えば、入力装置19からの入力データに基づいて、第1無人ダンプトラック2Aの次に再起動させる無人ダンプトラック2が第2無人ダンプトラック2Bに選択された場合、第2再起動指令部152は、第2無人ダンプトラック2Bが再起動するように、第2再起動指令を出力する。第2無人ダンプトラック2Bの次に再起動させる無人ダンプトラック2が第3無人ダンプトラック2Cに選択された場合、第2再起動指令部152は、第3無人ダンプトラック2Cが再起動するように、第2再起動指令を出力する。
【0050】
範囲設定部124は、所定範囲10の内側に存在する無人ダンプトラック2が全て再起動した後に、所定範囲10を解除する。第1再起動指令部123は、所定範囲10の内側に存在する無人ダンプトラック2Bが全て再起動した後に、第4無人ダンプトラック2Dの走行の制限を解除する解除指令を第4無人ダンプトラック2Dに出力する(ステップSB5)。
【0051】
図12は、実施形態に係る所定範囲10が解除された作業現場を模式的に示す図である。図12に示すように、所定範囲10の内側に存在する無人ダンプトラック2が全て再起動した後に、所定範囲10が解除される。ステップSA6において走行を制限された第4無人ダンプトラック2Dの走行制御部164は、第1再起動指令部123からの解除指令に基づいて、走行装置202による走行を再開させる。走行制御部164は、走行データに基づいて、第4無人ダンプトラック2Dの走行装置202を走行させる(ステップSA7)。
【0052】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、管理システム11は、作業現場の複数の無人ダンプトラック2のそれぞれを非常停止させる停止指令を出力する停止指令部122と、作業現場の有人ライトビークル1を基準とする所定範囲10の外側に存在する無人ダンプトラック2を再起動させる第1再起動指令を出力する第1再起動指令部123と、を備える。
【0053】
実施形態によれば、作業現場の複数の無人ダンプトラック2の全てが非常停止した後、有人ライトビークル1を基準とする所定範囲10の外側に存在する無人ダンプトラック2が再起動し、所定範囲10の内側に存在する無人ダンプトラック2は再起動しない。有人ライトビークル1から遠い位置に存在する無人ダンプトラック2が再起動し、有人ライトビークル1の近くに存在する無人ダンプトラック2は再起動しないので、不測の事態の発生が抑制される。不測の事態の発生が抑制されるので、作業現場の生産性の低下が抑制される。
【0054】
停止指令部122は、有人ライトビークル1に設けられた非常停止ボタン18からの停止信号に基づいて、停止指令を出力する。無人ダンプトラック2の非常停止を要する事象の発生を有人ライトビークル1の運転者が確認した場合、運転者により非常停止ボタン18が操作される。停止指令部122は、運転者の意思に基づいて、無人ダンプトラック2を非常停止させることができる。
【0055】
第1再起動指令部123は、入力装置31からの入力データに基づいて、第1再起動指令を出力する。無人ダンプトラック2の非常停止を要する事象を管理者が確認した場合、管理者により入力装置31が操作される。第1再起動指令部123は、管理者の意思に基づいて、所定範囲10の外側の無人ダンプトラック2を再起動させることができる。
【0056】
第1再起動指令の出力により、所定範囲10の外側に存在する複数の無人ダンプトラック2が一斉に再起動する。所定範囲10の外側に存在する複数の無人ダンプトラック2が一斉に再起動するので、作業現場の生産性の低下が抑制される。また、所定範囲10の外側に存在する無人ダンプトラック2を1台ずつ再起動させる手間が省かれる。
【0057】
第2再起動指令部152は、所定範囲10の内側に存在する無人ダンプトラック2を再起動させる第2再起動指令を出力する。所定範囲10の外側に存在する無人ダンプトラック2が再起動した後に、所定範囲10の内側に存在する無人ダンプトラック2が再起動するので、不測の事態の発生が抑制され、且つ、作業現場の生産性の低下が抑制される。
【0058】
第2再起動指令部152は、有人ライトビークル1に設けられた入力装置19からの入力データに基づいて、第2再起動指令を出力する。所定範囲10の内側に存在する無人ダンプトラック2を再起動させてもよい状況であることを有人ライトビークル1の運転者が確認した場合、運転者により入力装置19が操作される。第2再起動指令部152は、運転者の意思に基づいて、所定範囲10の内側の無人ダンプトラック2を再起動させることができる。
【0059】
第2再起動指令部152は、入力装置19からの入力データに基づいて所定範囲10の内側に存在する複数の無人ダンプトラック2から選択された特定の無人ダンプトラック2を再起動させる。所定範囲10の内側の複数の無人ダンプトラック2が一斉に再起動すると、不測の事態が発生する可能性がある。有人ライトビークル1の周囲の状況が確認されながら、所定範囲10の内側の無人ダンプトラック2が1台ずつ再起動されることにより、不測の事態の発生が抑制される。
【0060】
所定範囲10の内側に再起動していない無人ダンプトラック2が存在する場合、所定範囲10の外側から内側に進入するように走行する無人ダンプトラック2の走行が制限される。これにより、所定範囲10の内側で停止している無人ダンプトラック2と既に再起動している無人ダンプトラック2とが接近又は接触することが抑制される。
【0061】
第1再起動指令部123は、所定範囲10の内側に存在する無人ダンプトラック2が全て再起動した後に、走行を制限されていた無人ダンプトラック2の制限を解除する。これにより、不測の事態の発生が抑制されつつ、作業現場の生産性の低下が抑制される。
【0062】
範囲設定部124は、入力装置31からの入力データに基づいて、所定範囲10を設定する。管理者により入力装置31が操作される。範囲設定部124は、管理者の意思に基づいて、所定範囲10を設定することができる。所定範囲10を表示装置32に表示されるので、管理者は、表示装置32に表示された所定範囲10(画像データ10G)を確認しながら所定範囲10を設定することができる。
【0063】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、非常停止ボタン18を有する有人車両は、有人ライトビークルであることとした。非常停止ボタン18を有する有人車両は、積込機8でもよいし、積込機8とは別の作業機械でもよい。
【0064】
上述の実施形態において、無人車両は、無人ダンプトラック2であることとした。無人車両は、例えば無人散水トラックでもよい。
【0065】
上述の実施形態において、制御装置15の機能の少なくとも一部が管理装置12に設けられてもよいし、管理装置12の機能の少なくとも一部が制御装置15に設けられてもよい。例えば、上述の実施形態において、管理装置12が、第2再起動指令部152及び選択部153の機能を有してもよい。制御装置15が、停止指令部122、第1再起動指令部123、及び範囲設定部124の機能を有してもよい。同様に、制御装置16の機能の少なくとも一部が管理装置12に設けられてもよいし、管理装置12の機能の少なくとも一部が制御装置16に設けられてもよい。
【0066】
上述の実施形態において、管理装置12の複数の機能が別々のハードウエアにより構成されてもよい。すなわち、走行データ生成部121、停止指令部122、第1再起動指令部123、範囲設定部124、及び表示制御部125のそれぞれが、別々のハードウエアにより構成されてもよい。同様に、制御装置15の複数の機能が別々のハードウエアにより構成されてもよいし、制御装置16の複数の機能が別々のハードウエアにより構成されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1…有人ライトビークル(有人車両)、2…無人ダンプトラック(無人車両)、2A…第1無人ダンプトラック、2B…第2無人ダンプトラック、2C…第3無人ダンプトラック、2D…第4無人ダンプトラック、3…積込場、4…排土場、7…走行路、8…積込機、10…所定範囲、10G…画像データ、11…管理システム、12…管理装置、13…通信システム、13A…無線通信機、13B…無線通信機、13C…無線通信機、14…管制施設、15…制御装置、16…制御装置、17…自己位置センサ、18…非常停止ボタン(停止操作装置)、19…入力装置、20…表示装置、22…自己位置センサ、23…方位センサ、24…速度センサ、31…入力装置、32…表示装置、41…走行点、42…走行パス、101…車体、102…走行装置、121…走行データ生成部、122…停止指令部、123…第1再起動指令部、124…範囲設定部、125…表示制御部、151…通信部、152…第2再起動指令部、153…選択部、154…表示制御部、161…走行データ取得部、162…指令取得部、163…センサデータ取得部、164…走行制御部、201…車体、202…走行装置、203…ダンプボディ、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インタフェース。
図1
図2
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図10
図11
図12