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特開2024-92503精算装置、精算システム、精算方法、及び、精算プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092503
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】精算装置、精算システム、精算方法、及び、精算プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240701BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240701BHJP
   G06Q 20/00 20120101ALI20240701BHJP
【FI】
G07B15/00 N
G07B15/00 510
G06Q50/10
G06Q20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208479
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】591069086
【氏名又は名称】パーク二四株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 浩輔
【テーマコード(参考)】
3E127
5L020
5L049
5L050
5L055
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA12
3E127CA12
3E127CA21
3E127CA35
3E127CA47
3E127DA33
3E127DA42
3E127EA04
3E127EA18
3E127EA42
3E127EA43
3E127EA46
3E127FA03
3E127FA53
3E127FA61
5L020AA00
5L049CC13
5L050CC13
5L055AA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用できる精算方法がない利用者を救済して、車両等が出入口付近において拘束状態となるのを解放できる精算方法を提供する。
【解決手段】精算装置は、サービスの利用料金をサービス時間に応じて算出し、利用料金の精算を行う精算部と対象物を拘束する拘束部と利用料金を利用者に対して表示する表示部と利用料金を終了時刻の終期において精算する第一の精算方法、又は終期より後となるタイミングにおいて精算する第二の精算方法のうち、利用者に選択された精算方法を示す情報を取得する選択部と第二の精算方法が選択された場合、第二の精算方法の選択に伴う利用料金の支払債務の発生を利用者が承諾したことを担保するために利用者からの承諾行為を受け付ける承諾部と承諾行為が受け付けられた場合、第二の精算方法に用いるコードを利用者に対して出力し、かつ拘束部に対して対象物の解放を指示する指示情報を出力する出力部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス対象となる対象物が特定の領域の占有をするサービスの利用料金を、前記サービスを開始する開始時刻から前記サービスを終了する終了時刻までのサービス時間に応じて算出し、算出された前記利用料金の精算を行う精算部と、
前記対象物を拘束する拘束部と、
前記利用料金を利用者に対して表示する表示部と、
前記利用料金を前記終了時刻の終期において精算する第一の精算方法、又は、前記終期より後となるタイミングにおいて精算する第二の精算方法のうち、前記利用者に選択された精算方法を示す情報を取得する選択部と、
前記第二の精算方法が選択された場合、当該第二の精算方法の選択に伴う前記利用料金の支払債務の発生を、当該利用者が承諾したことを担保するために、当該利用者からの承諾行為を受け付ける承諾部と、
前記承諾行為が受け付けられた場合、前記第二の精算方法に用いるコードを前記利用者に対して出力し、かつ、前記拘束部に対して前記対象物の解放を指示する指示情報を出力する出力部と
を備える精算装置。
【請求項2】
前記利用者を撮影した利用者画像、前記対象物を撮影した対象物画像、又は、前記利用者の個人情報を取得する取得部と、
前記利用者を一意に識別する利用者識別情報として、前記利用者画像、前記対象物画像、又は、前記個人情報のうち少なくとも1つを前記利用料金の履歴情報に関連付けて記憶する記憶部と
を更に備える請求項1に記載の精算装置。
【請求項3】
前記コードは、
前記第二の精算方法において前記利用料金の精算に用いる精算情報に基づいて生成される2次元バーコード又はバーコードである
請求項1又は2に記載の精算装置。
【請求項4】
前記対象物が車両であり、
前記領域は、前記車両の駐車領域であり、
前記利用料金は、当該車両を当該駐車領域に駐車を開始した前記開始時刻から前記車両の駐車を終了する前記終了時刻までの前記サービス時間に応じて算出される費用であり、
前記拘束部は、
前記車両が前記駐車領域へ進入する際に解放され、当該車両が当該駐車領域から退出する際に前記第一の精算方法によって前記利用料金が精算終了、又は、前記第二の精算方法が選択されると前記車両を解放するゲートを有し、
前記第一の精算方法は、キャッシュレス方式であり、
前記第二の精算方法が選択された後に前記承諾部が受け付ける前記承諾行為は、前記利用料金を前記利用者が所定期間内に精算しない場合に対する警告を前記利用者が認識可能な形式で出力した後に当該警告に対する承諾を示す、前記承諾部に対する操作であり、
前記出力部は、
記録媒体に前記コードを印刷、前記コードを電磁的方法により前記利用者へ通知、又は、前記コードを前記利用者が認識可能な形式かつ前記第二の精算方法において利用可能な形式で表示し、
前記コードの印刷、前記コードの通知、又は、前記コードの表示のうち少なくとも1つが行われた後に、前記指示情報を前記拘束部に出力し、
前記拘束部は、
前記指示情報を入力すると、前記ゲートを開放して前記車両を解放する
請求項1に記載の精算装置。
【請求項5】
精算装置と、前記精算装置と接続する情報処理装置とを有する精算システムであって、
前記精算装置は、
サービス対象となる対象物が特定の領域の占有をするサービスの利用料金を、前記サービスを開始する開始時刻から前記サービスを終了する終了時刻までのサービス時間に応じて算出し、算出された前記利用料金の精算を行う精算部と、
前記対象物を拘束する拘束部と、
前記利用料金を利用者に対して表示する表示部と、
前記利用料金を前記終了時刻の終期において精算する第一の精算方法、又は、前記終期より後となるタイミングにおいて精算する第二の精算方法のうち、前記利用者に選択された精算方法を示す情報を取得する選択部と、
前記第二の精算方法が選択された場合、当該第二の精算方法の選択に伴う前記利用料金の支払債務の発生を、当該利用者が承諾したことを担保するために、当該利用者からの承諾行為を受け付ける承諾部と、
前記承諾行為が受け付けられた場合、前記第二の精算方法に用いるコードを前記利用者に対して出力し、かつ、前記拘束部に対して前記対象物の解放を指示する指示情報を出力する出力部と
を備える
精算システム。
【請求項6】
精算装置が行う精算方法であって、
サービス対象となる対象物が特定の領域の占有をするサービスの利用料金を、前記サービスを開始する開始時刻から前記サービスを終了する終了時刻までのサービス時間に応じて算出し、算出された前記利用料金の精算を行う精算手順と、
前記対象物を拘束する拘束手順と、
前記利用料金を利用者に対して表示する表示手順と、
前記利用料金を前記終了時刻の終期において精算する第一の精算方法、又は、前記終期より後となるタイミングにおいて精算する第二の精算方法のうち、前記利用者に選択された精算方法を示す情報を取得する選択手順と、
前記第二の精算方法が選択された場合、当該第二の精算方法の選択に伴う前記利用料金の支払債務の発生を、当該利用者が承諾したことを担保するために、当該利用者からの承諾行為を受け付ける承諾手順と、
前記承諾行為が受け付けられた場合、前記第二の精算方法に用いるコードを前記利用者に対して出力し、かつ、前記拘束手順による拘束から前記対象物の解放を指示する指示情報を出力する出力手順と
を含む精算方法。
【請求項7】
請求項6に記載の精算方法を実行するための精算プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精算装置、精算システム、精算方法、及び、精算プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場の利用料金を精算するのに、駐車車両を駐車スペースから出す前に駐車料金を精算する「出庫前精算」に対し、駐車車両を駐車スペースから出した後でも所定の許容時間内に駐車料金を精算する「出庫後精算」も行えるようにする。このようにして、利用者が駐車料金の精算をその場で行い易くし、管理者による駐車料金回収の負担を削減する技術が知られている(例えば、特許文献1等を参照)。
【0003】
ほかに、車両が出庫する際に、利用者が駐車料金を未精算の状態で車両を出庫させると、精算金額等を含む未精算出庫情報が生成されて、データベースに記憶される。そして、以降に精算を行う場合に、過去分の精算を行う。このようにして、精算方法を複数用意して、利用者にとって料金精算に関する利便性を向上させ、並びに、管理者における料金回収の負担を低減する技術が知られている(例えば、特許文献2、及び、特許文献3等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-168850号公報
【特許文献2】特開2018-010443号公報
【特許文献3】特開2021-108210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術による「出庫後精算」は、精算を事後的に行う手続きに変更するだけにすぎず、精算時点で車両等の拘束を解くものではない。例えば、キャッシュレス方式のみにしか対応しない精算機であるのに現金しか所持していない利用者が精算する場合や、出庫前に事前に精算する精算方式において利用者が事前の精算を忘れた場合等には、同じくキャッシュレス方式をし得ない利用者では、出入口付近に設置する精算機での精算ができない場合がある。このような場合には、出入口付近において車両とともに行動が拘束されてしまう課題がある。
【0006】
本発明は、利用できる精算方法がない利用者を救済して、車両等が出入口付近において拘束状態となるのを解放する精算方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様における、精算装置は、
サービス対象となる対象物が特定の領域の占有をするサービスの利用料金を、前記サービスを開始する開始時刻から前記サービスを終了する終了時刻までのサービス時間に応じて算出し、算出された前記利用料金の精算を行う精算部と、
前記対象物を拘束する拘束部と、
前記利用料金を利用者に対して表示する表示部と、
前記利用料金を前記終了時刻の終期において精算する第一の精算方法、又は、前記終期より後となるタイミングにおいて精算する第二の精算方法のうち、前記利用者に選択された精算方法を示す情報を取得する選択部と、
前記第二の精算方法が選択された場合、当該第二の精算方法の選択に伴う前記利用料金の支払債務の発生を、当該利用者が承諾したことを担保するために、当該利用者からの承諾行為を受け付ける承諾部と、
前記承諾行為が受け付けられた場合、前記第二の精算方法に用いるコードを前記利用者に対して出力し、かつ、前記拘束部に対して前記対象物の解放を指示する指示情報を出力する出力部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用できる精算方法がない利用者を救済して、車両等が出入口付近において拘束状態となるのを解放できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】全体構成例を示す図である。
図2】全体処理例を示す図である。
図3】UIの例を示す図である。
図4】コードの出力例を示す図である。
図5】事後精算の処理例を示す図である。
図6】事後精算DBの例を示す図である。
図7】不正防止情報を取得する第1例を示す図である。
図8】不正防止情報を取得する第2例を示す図である。
図9】拘束状態の第1例を示す図である。
図10】拘束状態の第2例を示す図である。
図11】ハードウェア構成例を示す図である。
図12】第2実施形態の全体構成例を示す図である。
図13】機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付する図面を参照して、具体例を説明する。なお、以下の説明において、図面に記載する符号は、同一の要素を指す。また、実施形態は、下記の具体例に限られない。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、全体構成例を示す図である。以下、精算機11とサーバ13で構成する精算システム10を具体例にして説明する。また、精算機11とサーバ13は、ネットワーク12を介して接続する構成である。なお、精算システム10は、これら以外の装置を備えてもよい。以下、精算装置の例を精算機11とし、かつ、情報処理装置の例をサーバ13とする。また、サービス対象となる対象物は車両であるとする。
【0012】
精算機11は、例えば、駐車場等に設置され、利用者14が操作を入力する。具体的には、利用者14は、スマートフォン等の情報処理装置(以下「端末15」という。)を所有する。そして、端末15は、精算機11に対する操作において、いわゆるキャッシュレス方式を行うのに用いられる。このように、利用者14は、端末15を用いて精算機11を操作して精算を行う。
【0013】
精算システム10は、各データをデータベース(以下「事後精算DB16」という。)に記憶する構成が望ましい。事後精算DB16は、精算機11による処理の履歴、及び、各顧客の様々な情報を記憶する。事後精算DB16の詳細は後述する。
【0014】
以下、車両を駐車するための空間を一時的に貸し出す駐車場の提供というサービスを例に説明する。具体的には、サービスは、事前に複数の駐車マスを用意して提供される。
【0015】
「特定の領域」は、この例では駐車マスである。具体的には、駐車マスは、1台の車両の大きさに合わせて区切られた駐車領域である。なお、特定の領域は、駐車マスに限られず、車庫等でもよい。
【0016】
「サービス」は、特定の領域を用いて利用者14に対し、特定の領域を管理する管理会社等が提供する役務である。第1実施形態で提供されるサービスは、駐車マスに車両を駐車させる、いわゆる駐車場サービスである。
【0017】
「対象物」は、サービスを受ける上で特定の領域を占有する有体物である。第1実施形態では、対象物は、車両である。また、以下の例では、利用者14は、車両の所有者、かつ、運転手であるとする。ただし、利用者14は、対象物の所有者でなくともよい。例えば、車両は、いわゆるレンタカー等でもよい。
【0018】
「利用料金」は、サービスを受けた場合に利用者14がサービスの対価として支払う費用である。以下、利用料金は、サービスを受けた時間(以下「サービス時間」という。)によって算出されるとする。ただし、利用料金の算出方法は、サービス時間に基づいて算出されなくともよい。例えば、回数ごとに利用料金が一定等でもよい。
【0019】
「サービス時間」は、サービスを開始する「開始時刻」からサービスを終了する「終了時刻」によって定まる。例えば、「9:00」から駐車マスに車両を駐車するのを開始し、「11:00」に終了させた場合には、「開始時刻」は「9:00」となる。さらに、「終了時刻」は「11:00」となる。そして、「サービス時間」は「2時間」となる。例えば、1時間ごとに料金が加算される設定では、「2時間」に基づいて、利用料金が算出される。なお、「サービス時間」は、「時」単位でなくともよい。例えば、「サービス時間」は、「月」、「週」、又は、「日」単位等でもよい。
【0020】
「拘束」は、例えば、ゲートで実現する。具体的には、ゲートは、駐車場の出入口に設置される。そして、ゲートが開いている状態であると、車両は、拘束されておらず、利用者14の運転に基づき、駐車領域に進入、又は、駐車領域から退出といった移動が自由にできる状態となる。拘束状態の詳細は後述する。
【0021】
一方で、ゲートが閉じた状態であると、車両は、拘束された状態となる。具体的には、ゲートが閉じていると、車両は、ゲートが移動経路上の障害物となるため、ゲートに阻まれて、駐車場から出られない状態となる。
【0022】
このように、ゲートの開閉を制御すると、車両の「拘束」、又は、「解放」といった状態を切り替えることができる。
【0023】
「ゲート」は、例えば、駐車場の出入口に設置される。そして、ゲートが開閉すると、車両の出入りを制限できる。また、「ゲート」は、支払状態の有無に基づいて、開閉を制御する情報(以下「指示情報」という。)で制御される。例えば、指示情報は、精算機11において精算が完了すると、ゲートを開くように指示する指示情報がゲートに出力される。一方で、車両が駐車場に進入した場合には、ゲートを閉じるように指示する指示情報がゲートに出力される。なお、指示情報は、管理者による操作等で出力されてもよい。
【0024】
「ゲート」は、車両の「拘束」、又は、「解放」ができれば、設置位置、機構の種類、制御方法、及び、装置構成を問わない。例えば、ゲートは、駐車マスごとに設置されてもよい。
【0025】
「ゲートの開放」は、例えば、出入口を開閉する機構のゲートでは、ゲートを開けて、車両の出入りが可能な状態をいう。したがって、「ゲートの開放」がされると、車両は拘束状態から「解放」されて、移動が可能な状態となる。
【0026】
「キャッシュレス方式」は、現金以外を用いて精算を行う手法である。例えば、キャッシュレス方式は、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、又は、コードを用いて精算を行う方式である。したがって、端末15は、スマートフォンでなく、カード等でもよい。
【0027】
[全体処理例]
図2は、全体処理例を示す図である。精算システム10は、例えば、以下のような全体処理を行う。なお、ここでは駐車場の敷地内に複数の駐車マスを配置した構成の駐車場において、駐車場の出入り口にゲートを設置した場合を例に説明する。駐車場の構成については他にも様々なものが考えられ、駐車場の構成に応じて全体処理のステップも様々であることはもちろんである。
【0028】
ステップS01では、車両の駐車が開始される。すなわち、サービス時間を算出するための開始時刻が定まるタイミングである。具体的には、車両は、利用者14の運転によって、開いている状態のゲートを通過して駐車マスへ進入する。このようにして、車両が駐車マスの占有を開始する、いわゆる駐車が開始される。
【0029】
ステップS02では、精算機11は、ゲートを閉じる。したがって、ステップS01で車両が駐車場内に入った後にゲートが閉じるため、車両は、ゲートが開かないと駐車場から出ることができない状態となる。実際には、ステップS01で車両がゲートを通過した後、車両が駐車マスに侵入するまでの間にゲートが閉じられることが多い。ここでは、車両の駐車とゲートの制御とを分けて説明するためステップも分けたものであり、これら制御のタイミングは実際の駐車場の設計により様々な態様がとりうることは言うまでもない。
【0030】
ステップS03では、車両が駐車を終了する。具体的には、利用者14は、車両を駐車マスから退出するように運転する。すなわち、サービス時間を算出するための終了時刻が定まるタイミングである。したがって、ステップS01からステップS03までに経過した時間がサービス時間と算出される。
【0031】
ステップS04では、精算機11は、サービス時間に基づき、利用料金を算出する。
【0032】
ステップS05では、精算機11は、精算方法が「即時精算方法」であるか「事後精算方法」であるか否かを判断する。例えば、精算方法は、精算機11が利用者14に対して、選択可能な精算方法を示して利用者14が選択する操作によって決定する。具体的には、精算機11は、精算方法を選択するボタンをタッチパネル上に表示する。そして、利用者14が選択するボタンを押す操作を行うと、精算方法が決定する。
【0033】
なお、精算方法は、「即時精算方法」及び「事後精算方法」以外の方法が更にあってもよい。以下、第一の精算方法として「即時精算方法」、又は、第二の精算方法として「事後精算方法」の2種類の選択肢を提示する例で説明する。なお、第一の精算方法、及び、第二の精算方法は1種類ずつでなく、複数の種類があってもよい。
【0034】
次に、精算方法が「即時精算方法」であると(ステップS05で「即時精算」)、精算システム10は、ステップS06に進む。一方で、精算方法が「事後精算方法」であると(ステップS05で「事後精算」)、精算システム10は、ステップS07に進む。
【0035】
ステップS06では、精算機11は、キャッシュレス方式で精算を行う。したがって、ステップS06が行われると、精算が完了した状態となる。
【0036】
一方で、ステップS06のような精算方法、すなわち、「即時精算方法」ができない利用者14は、「事後精算方法」を選択する。このような選択がされた場合には、以下のように、ステップS07乃至ステップS09が実行される。
【0037】
ステップS07では、精算機11は、利用者14に対して警告を出力する。警告は、ステップS04で算出される利用料金を利用者14が所定期間内に精算しない場合には、利用者14が不正出庫したと判断されるのを利用者14に認識させる表示である。
【0038】
なお、所定期間は、事前に設定する日数等である。
【0039】
ステップS08では、精算機11は、支払債務の発生に対する承諾を利用者14から受け付ける。ステップS07によって、利用者14は、何らかの理由により所定期間内に利用料金の精算ができないと、不正出庫と扱われることを警告で認識する。この内容を利用者14が承諾したことを担保するため、精算機11は、利用者14から承諾行為を受け付ける。
【0040】
「承諾行為」は、利用者14が支払債務の発生を承諾する行為である。具体的には、精算機11が承諾用の押しボタン(以下「承諾ボタン」という。)を表示した場合では、「承諾行為」は、承諾ボタンを押す行為である。なお、「承諾行為」は、承諾ボタンを用いる形式に限られない。すなわち、「承諾行為」は、利用者14が支払債務の発生等を承諾する意思が担保できれば形式を問わない。例えば、「承諾行為」は、サインをさせる、又は、証拠となるデータを記憶する等でもよい。
【0041】
次に、利用者14が承諾すると(ステップS08でYES)、精算システム10は、ステップS09に進む。一方で、利用者14が承諾しないと(ステップS08でNO)、精算システム10は、ステップS05に戻る。
【0042】
ステップS09では、精算機11は、コードを出力し、ゲートを制御する。具体的には、精算機11は、ステップS04で算出される利用料金を利用者14が事後精算方法で精算するのに用いるコードを出力する。詳細は後述する。
【0043】
次に、コードを出力した後、精算機11は、ゲートを開けるように指示する指示情報を出力してゲートを制御する。
【0044】
ステップS10では、精算システム10は、指示情報に基づき、ゲートを開く。そのため、以降、ゲートは開いた状態となる。このように、ステップS05、並びに、ステップS06によって、即時精算方法によって利用料金が精算終了、又は、ステップS05、ステップS07、ステップS08、並びに、ステップS09によって事後精算方法が選択されるとゲートを開いて、車両を解放の状態にする。このように、ゲートが開いた状態で利用者14は、車両を出庫させる。
【0045】
図2に示す全体処理では、ステップS05、ステップS06、及び、ステップS10の順に実行される処理が即時精算方法である。具体的には、ステップS04で算出された利用料金がステップS06で即時的に精算される。
【0046】
一方で、ステップS05、ステップS07、ステップS08、ステップS09、及び、ステップS10の順に実行される処理が事後精算方法である。事後精算方法は、即時精算方法と比較すると、ステップS06のように、終了時刻の終期に即時的に精算するより後のタイミングに精算するタイミングを延ばす(例えば、後日に行う等である。)点が異なる。
【0047】
事後精算方法による救済は、精算するタイミングを後に延ばすが、即時精算方法で精算が完了した場合と同様に、車両を拘束状態から解放する。このように、利用者14が利用できる精算方法がなくとも、事後精算方法による救済により、車両等の出入口付近における拘束状態を解放できる。
【0048】
以上のような全体処理では、精算機11は、以下のようなUI(User Interface)を表示する。
【0049】
図3は、UIの例を示す図である。以下、精算機11が第1画面21、第2画面22、第3画面23、第4画面24の順に表示する画面を遷移させるとする。なお、各画面は、タッチパネルにより、ボタン等によって利用者14による操作を受け付けるUIとする。
【0050】
図2に示す全体処理の場合には、第1画面21、第2画面22、第3画面23、及び、第4画面24は、以下のようなタイミングで表示される。
【0051】
第1画面21は、ステップS04の実行結果として表示する画面である。具体的には、第1画面21は、利用時間、及び、利用料金を示す。第1画面21によって表示される利用時間は、サービス時間を算出した結果である。また、利用料金は、利用時間に基づいて算出された利用料金である。例えば、第1画面21は、利用者14が精算機11において精算開始の操作を行うと表示される画面である。
【0052】
第1画面21に示す例では、「1時間」がサービス時間であるため、「1時間」の利用料金である「〇〇円」の利用料金が利用者14に対して提示請求される。したがって、利用者14は、「〇〇円」を精算するように操作する。次に、精算機11は、表示する画面を第1画面21から第2画面22に遷移させる。
【0053】
第2画面22は、ステップS05の実行結果として表示する画面である。図3に示すように、第2画面22は、利用者14に複数の精算方法から選択させる画面である。具体的には、第2画面22は、第1ボタン221、第2ボタン222、第3ボタン223、及び、第4ボタン224で構成する。そして、第1ボタン221、第2ボタン222、第3ボタン223、及び、第4ボタン224のうち、いずれかのボタンを利用者14が押す操作を行うと、精算方法が選択される。なお、精算方法の選択肢、及び、精算方法の選択方法は、第2画面22の構成に限られない。
【0054】
第1ボタン221は、「事後精算」を選択するためのUIである。したがって、第1ボタン221を利用者14が押す操作を行うと、事後精算方法が選択される(ステップS05で事後精算)。
【0055】
第2ボタン222は、事前に端末15に精算用にインストールするアプリケーションソフトを用いる精算方法を選択するためのUIである。したがって、第2ボタン222を利用者14が押す操作を行うと、即時精算方法が選択される(ステップS05で即時精算)。
【0056】
第3ボタン223は、電子マネーを用いる精算方法を選択するためのUIである。例えば、電子マネーは、Suica(登録商標)、又は、PayPay(登録商標)等のような端末15、又は、カードを用いる精算方法である。したがって、第3ボタン223を利用者14が押す操作を行うと、即時精算方法が選択される(ステップS05で即時精算)。
【0057】
第4ボタン224は、クレジットカードを用いる精算方法を選択するためのUIである。したがって、第4ボタン224を利用者14が押す操作を行うと、即時精算方法が選択される(ステップS05で即時精算)。
【0058】
以上のように、第2ボタン222、第3ボタン223、及び、第4ボタン224のうち、いずれかのボタンを利用者14が押す操作を行うと、精算機11は、キャッシュレス方式で精算する(ステップS06)。このように、キャッシュレス方式による即時精算方法、すなわち、現金を扱わない精算であると、現金の管理等が不要になり、集金業務の削減、及び、コストを削減できる。また、現金を扱わないため、セキュリティも向上する。
【0059】
一方で、利用者14が第1ボタン221を押す操作を行い、事後精算方法が選択されると(ステップS05で事後精算)、精算機11は、表示する画面を第2画面22から第3画面23に遷移させる。
【0060】
第3画面23は、ステップS07の実行結果として表示する画面である。図3に示すように、第3画面23は、警告内容を文字で説明する。具体的には、第3画面23は、利用料金の支払債務の発生が生じることの説明、事後精算方法で所定期間内(この例では「N日以内」である。)に精算しない場合に対する警告、及び、不正出庫と判断されると処罰の対象になる可能性の警告等を示す。次に、第3画面23によって警告が終わると、精算機11は、表示する画面を第3画面23から第4画面24に遷移させる。
【0061】
第4画面24は、ステップS08を実行するのに用いる画面である。図3に示すように、第4画面24は、承諾ボタン26を表示し、利用者14による承諾ボタンを押す承諾行為を受け付ける(ステップS08でYES)。
【0062】
精算機11は、承諾行為を受け付けたことを記憶する。例えば、承諾行為が行われた日時、及び、承諾内容等をデータ(いわゆるログデータである。ただし、データの形式は問わない。)で記憶する。この記憶結果によって、精算機11は、利用者14が警告内容を承諾したことを具体的な証拠として残して担保できる。このような承諾ボタン26で承諾の意思を明確に確認できると、不正出庫への意識を高め、不正出庫をしようとするのを抑制できる。
【0063】
なお、UIは、上記に説明した以外の形式、画面数、又は、種類でもよい。例えば、UIは、タッチパネルでなく、テンキー等のハードウェアを用いる構成でもよい。
【0064】
以上のように、承諾行為を受け付けた場合には、精算機11は、コードの出力とゲートの制御を行う(ステップS09)。例えば、コードの出力は、以下のように行う。
【0065】
図4は、コードの出力例を示す図である。例えば、精算機11は、図4(A)に示すように用紙30等の記録媒体に、コード等の情報を印刷する。
【0066】
具体的には、用紙30には、QRコード(登録商標)等のコード31が印刷される。なお、用紙30には、コード31以外の情報が印刷されてもよい。例えば、利用日、利用時間、利用料金、支払期限、及び、警告内容等の説明記載32があってもよい。そのため、精算機11は、用紙30にコード31等の画像を印刷するための画像形成装置を備える。この場合には、利用者14は、印刷された用紙30を持ち帰って、後となるタイミングにおいて事後精算方法により精算を行う。
【0067】
図4(B)に示すように、精算機11は、端末15にコード31等の情報を通知して、利用者14にコード31を出力してもよい。
【0068】
例えば、精算機11は、端末15にメール、アプリケーションソフト、又は、近距離通信等を用いてコード31等の情報を通知する。なお、メール、アプリケーションソフト、又は、近距離通信等を用いるため、利用者14は、事前に設定を行う。そのため、精算機11は、端末15にコード31等の情報を電磁的方法で通知するための通信装置を備える。この場合には、利用者14は、端末15で受信した情報で、後となるタイミングにおいて事後精算方法により精算を行う。
【0069】
図4(C)に示すように、精算機11は、コード31等の情報を表示して、利用者14にコード31を出力してもよい。
【0070】
例えば、精算機11は、図4(A)で印刷する内容をディスプレイ上に表示する。そして、利用者14は、コード31をカメラで撮影しておく。又は、精算機11は、精算番号33といった形式で表示してもよい。精算番号33は、各精算内容の識別番号である。そして、利用者14は、精算番号33をメモする。そのため、精算機11は、コード31、及び、精算番号33等の画像を表示するため、ディスプレイ等の出力装置を備える。この場合には、利用者14は、表示された情報を持ち帰って、後となるタイミングにおいて事後精算方法により精算を行う。
【0071】
以上のように、コード31が出力されると、利用者14は、事後精算の処理をスムーズに行うことができる。そのため、利用者14の利便性を向上させることができる。特に、コード31は、事後精算方法において利用料金の精算に用いる精算情報に基づいて生成される2次元バーコード、又は、バーコードが望ましい。このような形式であると、リーダで読み取らせることで入力ミス等を少なくできるため、利用者14の利便性を向上させることができる。例えば、利用者14が会員サービスに登録された者でない、いわゆる非会員であっても、2次元バーコード、又は、バーコードを用いると、事後精算の処理をスムーズに行うことができる。
【0072】
なお、出力される内容、及び、形式は、上記に説明するものに限られない。また、出力は、1つに限られず、2つ以上の出力があってもよい。
【0073】
このような出力がされた後、精算機11は、解放を指示する指示情報を出力する。このような指示情報に基づき、ゲートが開く。ゆえに、現時点では、精算が未完了であっても、利用者14は、後のタイミングで精算する手続きをすることで、車両が拘束される状態から解放できる。
【0074】
[事後精算の処理例]
図5は、事後精算の処理例を示す図である。以下、図4(A)に示すコード31が印刷された用紙30を用いて事後精算方法を行う場合の処理例を説明する。
【0075】
第1に、駐車サービスの利用を終了した終期のタイミングでは、利用者14は、事後精算方法を選択して手続きを行う。この結果、利用者14は、図4(A)に示すコード31が印刷された用紙30を受け取る。この後、車両が解放される。
【0076】
次に、利用者14は、「N日以内(例えば、駐車サービスの利用を終了した次の日)」に精算機11を操作して精算を行う。なお、精算は、精算機11に限られず、例えば、コンビニエンスストア、現金自動預払機(ATM)、又は、アプリケーションソフトウェア等で行ってもよい。以下、精算機11を用いる例とする。
【0077】
ステップS21では、精算機11は、コードを入力する。例えば、精算機11は、コード31を読み取るため、カメラを備え、かつ、コード31を解析するソフトウェアが事前にインストールされる。そして、利用者14が用紙30を精算機11に読み取らせる操作を行うと、精算機11にコード31が入力される。
【0078】
ステップS22では、精算機11は、コードを解析する。コード31は、精算情報に基づいて生成されるため、コード31を解析すると、精算対象とする利用料金等が特定される。具体的には、コード31は、精算対象を識別するデータを有する。そして、精算対象は、駐車サービスの終期に、事後精算DB16に記憶される。したがって、コード31を解析した解析結果で事後精算DB16を検索すると、未精算状態にある利用者14の精算対象が特定できる。
【0079】
ステップS23では、精算機11は、精算を行う。例えば、ステップS23は、ステップS06と同様に処理を行う。
【0080】
以上のように、事後精算を行うと、未精算状態にある利用者14の精算対象が精算される。
【0081】
[事後精算DBの例]
図6は、事後精算DBの例を示す図である。例えば、事後精算DB16には「ID(identification)」、「利用料金」、「利用日時」、「支払期限」、「支払状態」、「車両情報」、及び、「個人情報」が記憶される。
【0082】
「ID」は、事後精算を選択した利用者14があった場合に、通番として付与される情報である。
【0083】
「利用料金」は、精算対象となる金額を示す情報である。
【0084】
「利用日時」は、サービスの行われた日時を示す情報である。
【0085】
「支払期限」は、事後精算方法が選択された場合に精算を行う期限を示す情報である。したがって、「支払期限」は、「支払期限」が示す日時を過ぎても精算がされていない場合に、不正出庫と判断する基準となる日時である。
【0086】
「支払状態」は、精算対象の精算が完了した状態か、又は、未精算状態であるかを示す情報である。
【0087】
「車両情報」、及び、「個人情報」は、車両を特定するための情報および利用者を特定するための情報である。
【0088】
「車両情報」は、車両を特定できる情報であればよい。例えば、「車両情報」は、車種、色、重量、メーカ、型番、ナンバープレートの情報、大きさ、その他の特徴、又は、これらの組み合わせである。これに加えて、車両を撮影した画像データを含んでもよい。
【0089】
「個人情報」は、利用者14を一意に識別する利用者識別情報であればよい。この発明が適用されるような時間貸し駐車場にあっては、駐車場を利用するための会員登録を行なっている利用者が多い。利用者14が会員登録をしていれば、その会員登録の際に利用者に付与された会員番号を、このIDとして用いることができる。典型的には、この会員番号に紐づけられ、会員の電話番号、運転免許証の情報、氏名、住所、顔等を撮影した画像、又は、これらの組み合わせが個人情報として用いられる。利用者が会員登録を行なっていない場合は、利用者14の車両ナンバープレートや運転者を撮影した画像を個人情報として記録することができる。
【0090】
「車両情報」、及び、「個人情報」は、前述したように利用者の会員登録の情報としても良いし、利用者14が入力するものでも、精算機11が備える、又は、駐車場に事前に設置するセンサが取得するものでもよい。例えば、以下のように「車両情報」、及び、「個人情報」は取得される。
【0091】
図7は、不正防止情報を取得する第1例を示す図である。図7は、「個人情報」を取得する例である。そのため、情報の取得対象は、利用者14である。例えば、「個人情報」は、利用者14の顔を撮影した画像である。このような画像は、精算機11が備えるカメラ等で取得する。具体的には、精算機11で承諾行為等を行う際に精算機11が撮影を行う。
【0092】
撮影後、「個人情報」は、事後精算DB16に記憶され、利用料金の履歴情報に関連付けされる。そのため、不正出庫等の不正が生じた場合に、どのような利用者14が行ったのか追跡が容易にできる。このような対策がされていると、不正防止が期待できる。
【0093】
図8は、不正防止情報を取得する第2例を示す図である。図8は、「車両情報」を取得する例である。そのため、情報の取得対象は、車両40である。例えば、「車両情報」は、車両40の外観を撮影した画像である。このような画像は、駐車場に事前に設置するカメラ41等で取得する。具体的には、カメラ41は、車両40が駐車されている間に撮影を行う。
【0094】
撮影後、「車両情報」は、事後精算DB16に記憶され、利用料金の履歴情報に関連付けされる。そのため、不正出庫等の不正が生じた場合に、どのような車両40であったかの追跡が容易にできる。このような対策がされていると、不正防止が期待できる。
【0095】
図6に示すように、「車両情報」、及び、「個人情報」は、利用料金の履歴情報に関連付けて記憶されるのが望ましい。「車両情報」、及び、「個人情報」があると、不正があった場合に、利用者14を追跡するのが容易にできる。
【0096】
なお、事後精算DB16には、事前にデータを入力、又は、手動でデータが操作できてもよい。また、事後精算DB16は、上記に説明する以外の項目があってもよい。ほかにも、事後精算DB16は、上記に説明する以外の形式でもよく、例えば、事後精算DB16は、正規化されていてもよい。
【0097】
[拘束状態の例]
図9は、拘束状態の第1例を示す図である。例えば、以下のような状態であると、車両40が拘束状態となる。
【0098】
まず、精算機11がキャッシュレス方式専用である、すなわち、現金による精算が不可能な装置であるとする。
【0099】
一方で、利用者14は、キャッシュレス方式での精算が不可能な者とする。例えば、利用者14は、現金のみしか所有していない者である。精算機11がキャッシュレス方式専用であると周知させる看板等が設置されていても、気が付かない利用者14の場合もある。
【0100】
上記のような精算機11、及び、利用者14の組み合わせで、車両40が精算機11の前まで利用者14の運転により進んでしまうとする。そして、精算機11で利用者14が精算を開始した後に、キャッシュレス方式でしか精算できないことに気づく場合がある。
【0101】
ゲート42付近は、安全のため、車両40をバックさせるのを禁止している場合もある。このような状態では、精算機11で精算しないとゲート42が開かないため、キャッシュレス方式で精算ができない利用者14であると、精算ができずに立往生する状態となってしまう。
【0102】
このような拘束状態は、事後精算方法により、精算を後でするようにして車両40を拘束状態から救済できないと、後続車が詰まる等のトラブルが生じる。一方で、利用者が利用できる精算方法がなく未精算のままでも、精算を後でするように救済すると、車両等の出入口付近における拘束状態を解放できる。
【0103】
図10は、拘束状態の第2例を示す図である。例えば、以下のような状態も、車両40が拘束状態となる。例えば、精算機11が出庫前に精算を行う方式であるとする。
【0104】
図10(A)が示すように、利用者14は、精算機11が出庫前に精算を行う方式であると看板等で周知されていても、忘れたり、又は、気が付かなかったりする場合がある。このような場合には、利用者14は、出庫前に精算をせずに、車両40を出庫させてしまう。
【0105】
その後、図10(B)が示すように、利用者14は、車両40が精算機11の前まで進んでしまうと、精算機11で利用者14が精算を開始した後に、出庫前に精算する方式でしか精算できないことに気づく場合がある。
【0106】
ゲート42付近は、安全のため、車両40をバックさせるのを禁止している場合もある。このような状態では、精算機11で精算しないとゲート42が開かないため、出庫前に精算しない利用者14であると、精算ができずに立往生する状態となってしまう。
【0107】
図9と同様に、このような拘束状態は、事後精算方法により、精算を後でするように救済して、車両40を拘束状態から解放できないと、後続車が詰まり、渋滞のトラブルが生じる。一方で、利用者が利用できる精算方法がなく未精算のままでも、精算を後でするように救済できると、車両等の出入口付近における拘束状態を解放できる。
【0108】
[ハードウェア構成例]
図11は、ハードウェア構成例を示す図である。例えば、精算機11は、Central Processing Unit(以下「CPU50」という。)、記憶装置51、入力装置52、出力装置53、通信装置54、決済装置55、及び、センサ56を備える。一方で、サーバ13は、CPU60、記憶装置61、入力装置62、出力装置63、及び、通信装置64を備える。
【0109】
CPU50、及び、CPU60は、演算装置、及び、制御装置の例である。したがって、CPU50、及び、CPU60は、プログラム等に基づき、各処理、及び、各ハードウェアの制御を行う。
【0110】
記憶装置51、及び、記憶装置61は、データ、及び、プログラム等を記憶する。例えば、記憶装置51、及び、記憶装置61は、メモリ、及び、ハードディスク等である。
【0111】
入力装置52、及び、入力装置62は、操作を受け付ける装置である。例えば、入力装置52、及び、入力装置62は、キーボード、又は、タッチパネル等である。
【0112】
出力装置53、及び、出力装置63は、処理結果等を出力する装置である。例えば、出力装置53、及び、出力装置63は、ディスプレイ、又は、画像形成装置等である。
【0113】
通信装置54、及び、通信装置64は、外部装置とデータを有線、又は、無線で送受信する装置である。
【0114】
決済装置55は、精算を行う装置である。例えば、決済装置55は、電子マネー等で精算を行うための処理を行う装置である。
【0115】
センサ56は、精算機11付近の物体をセンシングする。例えば、センサ56は、カメラ等である。なお、センサ56は、外部装置でもよい。そして、精算機11、又は、サーバ13は、有線、又は、無線によって、センサ56からデータを取得する構成でもよい。
【0116】
なお、ハードウェア構成は、上記の装置に限られない。したがって、精算システム10は、上記以外のハードウェアを備えてもよい。また、各装置は、外部にあってもよい。
【0117】
[第2実施形態]
第2実施形態は、コインロッカーを利用者14に提供するサービスである。このサービスでは、対象物は、利用者14がコインロッカーへ入れる鞄等である。
【0118】
図12は、第2実施形態の全体構成例を示す図である。コインロッカーシステム70は、荷物71をロッカー内に収納するサービスを提供する。
【0119】
第2実施形態でも、利用者14が利用できる精算方法がなく未精算であると、扉72が開かず、荷物71が拘束状態となる。このような拘束状態は、事後精算方法により、精算を後でするように救済して、荷物71を拘束状態から解放できないと、他の者がロッカーを使えない等のトラブルが生じる。
【0120】
一方で、事後精算方法ができると、利用者14が利用できる精算方法がなく未精算のままでも、精算を後でするように処理すると、利用者が支払いできないという状態を救済することができ、荷物71が閉じ込められる拘束状態から解放できる。
【0121】
[機能構成例]
図13は、機能構成例を示す図である。具体的には、精算機11は、精算部100、拘束部101、表示部102、選択部103、承諾部104、及び、出力部105を備える。また、サーバ13は、取得部106、及び、記憶部107を備えるのが望ましい。
【0122】
精算部100は、対象物が特定の領域の占有をするサービスの利用料金を開始時刻から終了時刻までのサービス時間に応じて算出し、算出された利用料金の精算を行う精算手順を行う。例えば、精算部100は、決済装置55等で実現する。
【0123】
拘束部101は、対象物を拘束する拘束手順を行う。例えば、拘束部101は、ゲート42等で実現する。
【0124】
表示部102は、利用料金を利用者に対して表示する表示手順を行う。例えば、表示部102は、出力装置53等で実現する。
【0125】
選択部103は、利用料金を即時精算方法、又は、事後精算方法のうち、利用者14に選択された精算方法を示す情報を取得する選択手順を行う。例えば、選択部103は、出力装置53等で実現する。
【0126】
承諾部104は、事後精算方法が選択された場合、事後精算方法の選択に伴う利用料金の支払債務の発生を利用者14が承諾したことを担保するために、利用者14からの承諾行為を受け付ける承諾手順を行う。例えば、承諾部104は、入力装置52等で実現する。
【0127】
出力部105は、承諾行為が受け付けられた場合、コードを利用者14に対して出力し、かつ、指示情報を出力する出力手順を行う。例えば、出力部105は、出力装置53等で実現する。
【0128】
取得部106は、利用者画像、対象物画像、又は、個人情報を取得する取得手順を行う。例えば、取得部106は、通信装置64等で実現する。
【0129】
記憶部107は、利用者を一意に識別する利用者識別情報として、利用者画像、対象物画像、又は、個人情報のうち少なくとも1つを利用料金の履歴情報に関連付けて記憶する記憶手順を行う。例えば、記憶部107は、記憶装置61等で実現する。
【0130】
なお、機能構成は、上記に説明する構成に限られない。例えば、上記の機能構成、又は、一部は、上記以外の装置が備えてもよい。
【0131】
精算部100は、サービス時間に応じて利用料金を計算し、精算を行う。一方で、利用者14は、精算部100による即時精算方法では精算できない場合がある。このように、即時精算方法では精算できない場合、対象物が拘束されてしまう。このような拘束状態が発生すると、トラブルの原因になりやすい。
【0132】
「出庫後精算」は、このような拘束状態を解放するものではない。「出庫後精算」は、精算部100で精算を行うため、利用者14は、精算方法に対応できない。また、「出庫後精算」をする上で警告に対して利用者14による承諾を得ていないと、不正出庫に対する認識がなかったと主張されるとトラブルの原因になる場合もある。
【0133】
そこで、選択部103で利用者14が事後精算方法を選択できる構成にすると、利用者が利用できる精算方法がなく未精算のままでも、車両等の出入口付近における拘束状態を解放できる。
【0134】
原則、精算が完了し残債がなくなったのを条件に対象物の拘束状態が解放される。しかし、支払が現状では不可能な利用者14が生じる。このような利用者14に対しては、例外的に別の精算方法を許容する救済を行うことにより、拘束状態から解放する。すなわち、利用者14は、精算すべき金額を後に支払う方法を選択することでサービス利用を一旦終了し、後に支払いを行うことで精算を完了する。
【0135】
また、承諾部104によって承諾行為を受け付けると、利用者14が警告を承諾したことを担保できる。
【0136】
[他の本発明による貢献]
本発明は、人と人の非接触化を推進し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染症対策に貢献する。また、本発明は、デジタル化の推進にも貢献する。
【0137】
[その他の実施形態]
なお、各構成は、一体でなくともよい。すなわち、各装置は、複数の装置を組み合わせた構成でもよい。
【0138】
本発明は、上記に例示する精算方法を実現するための処理、又は、上記に示す処理と等価な処理を実行する精算プログラム(ファームウェア、及び、プログラムに準ずるものを含む。以下単に「プログラム」という。)で実現されてもよい。
【0139】
すなわち、本発明は、コンピュータに対して指令を行って所定の結果が得られるように、プログラミング言語等で記載されたプログラム等で実現されてもよい。なお、プログラムは、処理の一部をIC(集積回路、Integrated Circuit)等のハードウェア等で実行する構成であってもよい。
【0140】
プログラムは、コンピュータが有する演算装置、制御装置、及び、記憶装置等を協働させて上記に示す処理等をコンピュータに実行させる。すなわち、プログラムは、主記憶装置等にロードされて、演算装置に命令を発して演算を行わせてコンピュータを動作させる。
【0141】
また、プログラムは、コンピュータが読み込み可能な記録媒体、又は、ネットワーク等の電気通信回線を介して提供されてもよい。
【0142】
本発明は、複数の装置で構成されるシステムで実現されてもよい。すなわち、複数のコンピュータによる情報処理システムは、上記に示す処理を冗長、並列、分散、又は、これらの組み合わせとなるように実行してもよい。したがって、本発明は、上記に示すハードウェア構成以外の装置、及び、上記に示す装置以外のシステムで実現されてもよい。
【0143】
なお、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されない。したがって、本発明は、技術的な要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の追加、又は、変形が可能である。ゆえに、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。なお、上記に例示する実施形態は、実施において好適な具体例である。そして、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現で可能であって、このような変形例は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0144】
10 :精算システム
11 :精算機
13 :サーバ
14 :利用者
15 :端末
16 :事後精算DB
26 :承諾ボタン
30 :用紙
31 :コード
33 :精算番号
40 :車両
41 :カメラ
42 :ゲート
70 :コインロッカーシステム
71 :荷物
72 :扉
100 :精算部
101 :拘束部
102 :表示部
103 :選択部
104 :承諾部
105 :出力部
106 :取得部
107 :記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13