(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092521
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/48 20100101AFI20240701BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H01L33/48
G09F9/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208510
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】中井 佑亮
(72)【発明者】
【氏名】石川 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】十文字 伸哉
(72)【発明者】
【氏名】松尾 元一郎
(72)【発明者】
【氏名】川田 寛人
(72)【発明者】
【氏名】飯野 皓宏
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
5C094AA10
5C094BA23
5C094DA12
5C094FA02
5C094FB14
5F142AA01
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD14
5F142CD32
5F142CE06
5F142CE13
5F142CG27
5F142DB12
5F142GA02
(57)【要約】
【課題】発光特性を向上させるようにする。
【解決手段】LEDディスプレイ装置1は、LEDディスプレイ表示部2において、青色の発光素子21B、緑色の発光素子21G及び赤色の発光素子21Rを順次積層し、且つ、各画素部8において、赤色の発光領域24Rを、青色の発光領域24B及び緑色の発光領域24Gよりも大きくなるように形成した。このためLEDディスプレイ装置1は、画素部8を極めて小さくしながらも、発光面8Sから放射される赤色の光の光量を、青色及び緑色と比較して遜色が無い程度まで高めることができる。これによりLEDディスプレイ装置1は、LEDディスプレイ表示部2の各画素部8において青色、緑色及び赤色の何れについても十分な輝度を得ることができ、表示領域2A全体として高精細且つ高品質な画像を表示することができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の発光領域を発光させる第1の発光素子と前記第1の発光素子を覆う第1の透明絶縁部材とを含む第1の層と、
前記第1の層における発光方向側に積層され、第2の発光領域を発光させる第2の発光素子と前記第2の発光素子を覆う第2の透明絶縁部材と含む第2の層と、
前記第2の層における前記発光方向側に積層され、前記発光方向から見た場合に前記第1の発光領域及び前記第2の発光領域と少なくとも一部分が重なる第3の発光領域を発光させる第3の発光素子と前記第3の発光素子を覆う第3の透明絶縁部材を含む第3の層と
を有し、
前記第3の発光領域は、前記発光方向から見た場合の面積が前記第1の発光領域及び前記第2の発光領域よりも大きく形成されている
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第3の発光素子は、前記第1の発光素子および前記第2の発光素子よりも発光効率の低い発光素子である
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第3の発光素子は、窒化ガリウム系の発光層を少なくとも含む
ことを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第3の発光素子は、窒化インジウムガリウムを含む発光層と窒化ガリウムを含むカソード層とを少なくとも有する
ことを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第3の発光素子は、前記第1の発光素子及び前記第2の発光素子のうち少なくとも一方の主波長よりも長い主波長の光を発光する
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1の発光領域及び前記第2の発光領域のうち少なくとも一方は、前記発光方向から見た場合に前記第3の発光領域と重ならない部分を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第3の発光領域は、その内部に、前記第3の発光素子を前記発光方向に沿って貫通する孔部が形成され、
前記第1の発光領域及び前記第2の発光領域のうち少なくとも一方は、前記発光方向から見た場合に、前記第3の発光領域に形成された前記孔部の内側に、その一部分が位置する
ことを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記発光方向に関し前記第1の発光素子及び前記第3の発光素子の間に配置され、前記発光方向から見た場合に、前記第1の発光領域及び前記第2の発光領域と重ならず、且つ前記第3の発光領域の少なくとも一部と重なるように形成された第1の反射層
をさらに具えることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1の反射層は、前記発光方向に関し前記第2の発光素子及び前記第3の発光素子の間に配置され、且つ前記第1の発光素子、前記第2の発光素子及び前記第3の発光素子それぞれに設けられた共通端子と電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第1の発光素子よりも前記発光方向の反対側に配置され、前記発光方向から見た場合に、前記第1の発光領域、前記第2の発光領域及び前記第3の発光領域の少なくとも一部と重なるように形成された第2の反射層
をさらに具えることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第1の層における前記発光方向の反対側に隣接するよう配置された基板
をさらに有し、
前記第1の層及び前記第2の層は、
前記発光方向側に隣接する前記層と前記発光方向の反対側に隣接する前記層又は前記基板との間を電気的に接続する導電柱がそれぞれ設けられ、
前記第1及び前記第2の発光領域は、
前記発光方向から見た場合に、前記第1の層及び前記第2の層にそれぞれ形成された前記導電柱と重ならない位置にそれぞれ形成され、
前記第3の発光領域は、
前記発光方向から見た場合に、前記第1の層及び前記第2の層にそれぞれ形成された前記導電柱の少なくとも一部と重なる位置に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項12】
前記第1の層に設けられ、前記第1の発光素子と前記基板とを電気的に接続する第1の前記導電柱と、
前記第1の層及び前記第2の層に設けられ、前記第2の発光素子と前記基板とを電気的に接続する第2の前記導電柱と、
前記第1の層、前記第2の層及び前記第3の層に設けられ、前記第3の発光素子と前記基板とを電気的に接続する第3の前記導電柱と、
をさらに具え、
前記第1の発光領域及び前記第2の発光領域は、前記発光方向から見た場合に、前記第1の導電柱、前記第2の導電柱及び前記第3の導電柱とそれぞれ重ならない位置に形成され、
前記第3の発光領域は、前記発光方向から見た場合に、前記第1の導電柱及び前記第2の導電柱と重なる位置に形成されている
ことを特徴とする請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第1の発光素子、前記第2の発光素子及び前記第3の発光素子は、発光層、カソード層及びアノード層をそれぞれ有し、
前記第3の発光素子における前記発光層と前記カソード層との接触面積は、前記第1の発光素子及び前記第2の発光素子におけるそれぞれの前記発光層と前記カソード層との接触面積よりも大きい
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項14】
前記第1の層、前記第2の層及び前記第3の層は、
複数の前記第1の発光素子、複数の前記第2の発光素子及び複数の前記第3の発光素子が、それぞれアレイ状に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項15】
前記第3の層における前記発光方向側に配置され、光を屈折させるレンズ
をさらに有し、
前記レンズの焦点は、前記第3の発光素子よりも前記発光方向と反対の方向側に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項16】
第1の発光領域を発光させる第1の発光素子と前記第1の発光素子を覆う第1の透明絶縁部材とを含む第1の層と、
前記第1の層における発光方向側に積層され、第2の発光領域を発光させる第2の発光素子と前記第2の発光素子を覆う第2の透明絶縁部材と含む第2の層と、
前記第2の層における前記発光方向側に積層され、前記発光方向から見た場合に前記第1の発光領域及び前記第2の発光領域と少なくとも一部分が重なる第3の発光領域を発光させる第3の発光素子と前記第3の発光素子を覆う第3の透明絶縁部材を含む第3の層と
を有し、
前記第3の発光素子は、
窒化インジウムガリウム系の発光層と当該発光層に当接する窒化ガリウム系のカソード層とを有し、前記第1の発光素子および前記第2の発光素子よりも発光効率が低い
ことを特徴とする発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光装置に関し、例えば半導体素子が回路基板に実装された発光装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、回路基板にマトリクス状に実装された複数の半導体素子を選択的に駆動して発光させることにより、画像を表示するディスプレイ装置のような発光装置が広く普及している。この発光装置においては、各画素を構成する複数色の半導体素子を、画像面と平行な平面上に並べて配置する方式が一般的であるものの、高密度化が難しいという問題があった。そこで、各画素を構成する複数色の半導体素子を、画像面と垂直な方向に積層させるように配置する積層構造とした発光装置(積層半導体発光装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この発光装置では、半導体素子を構成する材料の特性により、波長が比較的短い色(例えば青色)の光が、波長が比較的長い色の素子(例えば赤色)により吸収される割合が大きくなるため、発光面から出射される光の光量(輝度)が低下することが知られている。そこで上述した積層半導体発光装置では、青色のように波長が比較的短い光を発光する素子を発光方向側に配置することにより、これらの光の光量を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-62351号公報(
図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像を構成する各画素において、複数の色(例えば赤色、緑色及び青色)の半導体素子を組み合わせて所望の色を表す場合、その前提として、例えばCIE(Commission Internationale de l`Eclairage)標準光源D65における白色のような所定の基準色に合わせるよう、各色の発光量の割合を調整する必要がある。
【0006】
しかし、上述した発光装置では、さらなる高密度化を図る目的で半導体素子を微細化した場合、一部の色(例えば赤色)の光を発光する半導体素子において、供給される電力に対する発光量の割合である発光効率が低下する場合がある。また半導体素子では、配線部材の電力容量や発熱等の問題により、供給可能な電力に制限があり、これに応じて発光量も制限される。
【0007】
このため上述した発光装置では、十分な発光量が得られない色に合わせて他の色の光量も抑える必要が生じ、その結果として各画素の明るさを高めることができず、画像の品質を高めることができない、すなわち発光特性が不十分である、という問題があった。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、発光特性を向上させ得る発光装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明の発光装置においては、第1の発光領域を発光させる第1の発光素子と第1の発光素子を覆う第1の透明絶縁部材とを含む第1の層と、第1の層における発光方向側に積層され、第2の発光領域を発光させる第2の発光素子と第2の発光素子を覆う第2の透明絶縁部材と含む第2の層と、第2の層における発光方向側に積層され、発光方向から見た場合に第1の発光領域及び第2の発光領域と少なくとも一部分が重なる第3の発光領域を発光させる第3の発光素子と第3の発光素子を覆う第3の透明絶縁部材を含む第3の層とを設け、第3の発光領域は、発光方向から見た場合の面積が第1の発光領域及び第2の発光領域よりも大きく形成されているようにした。
【0010】
また本発明の発光装置においては、第1の発光領域を発光させる第1の発光素子と第1の発光素子を覆う第1の透明絶縁部材とを含む第1の層と、第1の層における発光方向側に積層され、第2の発光領域を発光させる第2の発光素子と第2の発光素子を覆う第2の透明絶縁部材と含む第2の層と、第2の層における発光方向側に積層され、発光方向から見た場合に第1の発光領域及び第2の発光領域と少なくとも一部分が重なる第3の発光領域を発光させる第3の発光素子と第3の発光素子を覆う第3の透明絶縁部材を含む第3の層とを設け、第3の発光素子は、窒化インジウムガリウム系の発光層と当該発光層に当接する窒化ガリウム系のカソード層とを有し、第1の発光素子および第2の発光素子よりも発光効率が低いようにした。
【0011】
本発明は、第3の発光素子の発光効率が第1及び第2の発光素子の発光効率よりも低かったとしても、当該第3の発光素子により発光され発光方向へ放射される光量を、当該第1の発光素子により発光され第2の層及び第3の層を介して発光方向へ放射される光量と、当該第2の発光素子により発光され第3の層を介して発光方向へ放射される光量と、それぞれ同等程度に高めることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、発光特性を向上させ得る発光装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】LEDディスプレイ装置の構成を示す斜視図である。
【
図2】第1の実施の形態によるLEDディスプレイ表示部の構成を示す略線的平面図及び略線的側面図である。
【
図3】第1の実施の形態による第3の薄膜層及び共通配線層の構成を示す略線的平面図である。
【
図4】第1の実施の形態による第2の薄膜層の構成を示す略線的平面図である。
【
図5】第1の実施の形態による第1の薄膜層及び回路基板の構成を示す略線的平面図である。
【
図6】第1の実施の形態によるLEDディスプレイ表示部の構成を示す略線図であり、
図3におけるA1-A2矢視断面図及びB1-B2矢視断面図である。
【
図7】仮想的なLEDディスプレイ表示部の構成を示す略線的断面図である。
【
図8】第2の実施の形態によるLEDディスプレイ表示部の構成を示す略線的断面図である。
【
図9】第2の実施の形態による中間反射層の構成を示す略線図であり、
図8におけるC1-C2矢視断面図である。
【
図10】第3の実施の形態によるLEDディスプレイ表示部の構成を示す略線的断面図である。
【
図11】第4の実施の形態による第3の薄膜層及び共通配線層の構成を示す略線的平面図である。
【
図12】第4の実施の形態によるLEDディスプレイ表示部の構成を示す略線的断面図である。
【
図13】第5の実施の形態によるLEDディスプレイ表示部の構成を示す略線的断面図である。
【
図14】他の実施の形態による第3の薄膜層の構成を示す略線的平面図である。
【
図15】他の実施の形態によるLEDディスプレイ表示部の構成を示す略線的断面図である。
【
図16】他の実施の形態によるLEDディスプレイ表示部の構成を示す略線的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0015】
[1.第1の実施の形態]
[1-1.LEDディスプレイ装置の構成]
図1及び
図2に示すように、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ装置1は、LEDディスプレイ表示部2、放熱部材3、接続ケーブル4及び接続端子部5等を有している。発光装置としてのLEDディスプレイ装置1は、マイクロLEDディスプレイとも呼ばれており、赤色、緑色及び青色の光をそれぞれ発光する1組のLED素子を1つの画素と対応させたディスプレイデバイスとなっている。
【0016】
LEDディスプレイ表示部2は、
図2(A)及び(B)に模式図を示すように、平板状の回路基板10における+Z方向側の表面(以下ではこれを基板表面10Sとも呼ぶ)に、薄膜層群18が設けられ、その+Z方向側の表面に共通配線層19が積層された構成となっている。
【0017】
制御基板としての回路基板10は、配線層、該配線層に接続される駆動素子や駆動回路等(何れも図示せず)を有しており、各画素のLEDと電気的に接続され当該LEDを選択的に駆動するための基板である。以下では
図1において紙面上で左から右へ向かう方向を+X方向とし、紙面上で左下から右上へ向かう方向を+Y方向とし、紙面上で下から上へ向かう方向を+Z方向とする。また以下では、各部分における+Z方向側の表面を上面とも呼び、-Z方向側の表面を下面とも呼ぶ。
【0018】
薄膜層群18は、-Z方向から+Z方向へ向かって第1の薄膜層20B、第2の薄膜層20G及び第3の薄膜層20Rの3つの薄膜層20が順次積層された構成となっている。また薄膜層群18には、LEDディスプレイ表示部2の表示領域2A内において、各画素を構成する複数の画素部8が、X方向及びY方向に沿って格子状(マトリクス状)に並ぶように形成されている。換言すれば、LEDディスプレイ表示部2では、複数の画素部8がX方向及びY方向に沿ってアレイ状に配置されている。
【0019】
各画素部8は、Z方向側から見て正方形状の領域を占めており、X方向及びY方向に沿って格子状に配置されている。具体的に画素部8は、X方向及びY方向の長さが何れも1[mm]以上であり、且つZ方向の厚さ(すなわち薄膜層群18の厚さ)が100[μm]以下となっている。以下では、画素部8における最もZ方向側の表面、すなわち光が出射される面を発光面8Sとも呼び、また該画素部8におけるX方向及びY方向に関する一辺の長さを画素長8Lとも呼ぶ。
【0020】
図2(B)に示したように、各画素部8には、第1の薄膜層20B内に青色の光を発光する発光素子21Bが形成され、第2の薄膜層20G内に緑色の光を発光する発光素子21Gが形成され、第3の薄膜層20R内に赤色の光を発光する発光素子21Rが形成されている。また各画素部8には、各発光素子21(21B、21G及び21R)にそれぞれ電力を供給する配線等も形成されている。各発光素子21は、それぞれ無機発光ダイオードとして構成されており、配線等を介して供給される電力に応じてそれぞれ発光する。これにより各画素部8は、種々の色や光量でなる光を、それぞれの発光面8SからZ方向へ向けて放射することができる(詳しくは後述する)。
【0021】
このようにLEDディスプレイ表示部2は、アクティブマトリクス回路基板である回路基板10上に、複数の画素部8をマトリクス状に配列した表示装置であり、各画素部8においてそれぞれ所望の色を発光させることにより、表示領域2Aに画像を表示することができる。
【0022】
放熱部材3(
図1)は、例えばアルミニウムのように比較的高い熱伝導性を有する金属材料により、全体として扁平な直方体状に構成されている。この放熱部材3は、LEDディスプレイ表示部2の-Z方向側、すなわち画像等を表示する面の反対側において、該LEDディスプレイ表示部2に当接するように設置されていることにより、回路基板10の熱を放熱する。接続ケーブル4は、接続端子部5を介して所定の制御装置(図示せず)と電気的に接続されることにより、該制御装置から供給される画像信号を伝送して回路基板10に供給する。この結果、LEDディスプレイ装置1は、LEDディスプレイ表示部2の表示領域2Aに、制御装置(図示せず)等から供給される画像信号に基づいた画像を表示する。
【0023】
以下では、第1の薄膜層20Bに関わる部材の符号の末尾には「B」を付し、第2の薄膜層20Gに関わる部材の符号の末尾には「G」を付し、第3の薄膜層20Rに関わる部材の符号の末尾には「R」を付すものとする。また以下では、LEDディスプレイ表示部2の表示領域2Aから出射された光が主に進行する方向を表し、第1の薄膜層20Bの上面と直交する方向(すなわちZ方向)を、発光方向Eとも呼ぶ。さらに以下では、第1の薄膜層20B、第2の薄膜層20G及び第3の薄膜層20Rが積層される方向(すなわちZ方向)を、積層方向とも呼ぶ。
【0024】
[1-2.LEDディスプレイ表示部の全体構成]
次に、LEDディスプレイ表示部2(
図2)の詳細な構成について、
図3~
図6を参照しながら説明する。
図3は、第3の薄膜層20R及び共通配線層19における1個の画素部8に相当する部分を、+Z方向から見た模式的な平面図を示す。
図4は、第2の薄膜層20Gにおける1個の画素部8に相当する部分を、+Z方向から見た模式的な平面図を示す。
図5は、第1の薄膜層20B及び回路基板10における1個の画素部8に相当する部分を、+Z方向から見た模式的な平面図を示す。
図6(A)及び(B)は、
図3におけるA1-A2矢視断面及びB1-B2矢視断面による断面図をそれぞれ表す。
【0025】
また以下では、+X方向及び-Y方向の中間へ向かう方向、すなわち
図3においてA1-A2矢視断面に沿った方向をU方向と呼び、+X方向及び+Y方向の中間へ向かう方向、すなわち
図3においてB1-B2矢視断面に沿った方向をV方向と呼ぶ。
【0026】
図6(A)及び(B)に断面図を示したように、回路基板10は、シリコンプロセスにより製造されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)バックプレーン回路基板である。この回路基板10は、複数種類の材料による積層構造となっており、基材部11やアノード基板パッド12(アノード基板パッド12R、12G及び12B)、ダミー基板パッド13の他、図示しない絶縁層、回路素子及び配線層等を有している。
【0027】
基材部11は、主にシリコン等により構成されており、上述した絶縁層、素子及び配線層等(図示せず)が適宜設けられている。アノード基板パッド12(アノード基板パッド12B、12G及び12R)並びにダミー基板パッド13は、回路基板10における最もZ方向側に位置しており、それぞれのZ方向側の表面が基板表面10Sの一部となっている。1個の画素部8には、アノード基板パッド12B、12G及び12R並びにダミー基板パッド13が1個ずつ含まれている。以下では、アノード基板パッド12R、12G及び12B並びにダミー基板パッド13をまとめて基板パッド群14とも呼ぶ。
【0028】
基板パッド群14の各基板パッドは、金、銅、アルミニウムや酸化インジウムスズ等の導電性材料により構成されている。各基板パッドは、Z方向から見た場合、
図5に示したように、各辺の長さを画素長8L(
図2)の約1/2とした正方形状であり、1個の画素部8内において、X方向及びY方向に沿って2個ずつが並んだマトリクス状(すなわち格子状)に配列されている。また基板パッド群14のうちダミー基板パッド13を除いた各アノード基板パッド12は、回路基板10の内部において、所定の配線材等により回路素子(図示せず)と電気的に接続されている。
【0029】
アノード基板パッド12B(
図5)は、画素部8内における-X方向側且つ-Y方向側、すなわち-V方向側に位置している。またアノード基板パッド12Bは、垂直方向配線23B(
図6(B))の-Z方向側に位置しており、その上面が、該垂直方向配線23Bの下面と当接し、電気的に接続されている。
【0030】
アノード基板パッド12G(
図5)は、画素部8内における+X方向側且つ+Y方向側、すなわち+V方向側に位置している。またアノード基板パッド12Gは、垂直方向配線23G(
図6(B))の-Z方向側に位置しており、その上面が、該垂直方向配線23Gの下面と当接し、電気的に接続されている。
【0031】
アノード基板パッド12R(
図5)は、画素部8内における-X方向側且つ+Y方向側、すなわち-U方向側に位置している。またアノード基板パッド12Rは、垂直方向配線23R(
図6(A))の-Z方向側に位置しており、その上面が、該垂直方向配線23Rの下面と当接し、電気的に接続されている。
【0032】
ダミー基板パッド13(
図5)は、画素部8内における+X方向側且つ-Y方向側、すなわち+U方向側に位置している。またダミー基板パッド13は、垂直方向配線23C(
図6(A))の-Z方向側に位置しているものの、後述する層間絶縁層26Bにより絶縁されている。このためダミー基板パッド13は、第1の薄膜層20B、第2の薄膜層20G及び第3の薄膜層20Rに対し、電気的に接続されていない。
【0033】
また上述したように、回路基板10の基板表面10Sは、極めて平坦な平面状に形成されている。すなわち回路基板10では、基材部11並びにアノード基板パッド12B、12G及び12R、並びダミー基板パッド13の上面が何れも極めて平坦であり、且つそれぞれが互いに平行な平面となっており、さらにそれぞれのZ方向に関する距離(すなわち段差)も極めて小さくなっている。すなわち、基材部11並びにアノード基板パッド12B、12G及び12R並びにダミー基板パッド13の上面は、それぞれ同一平面上に位置している。具体的に回路基板10では、基板表面10Sの表面粗さ、すなわち基材部11並びにアノード基板パッド12B、12G及び12R並びにダミー基板パッド13の上面における表面粗さ(ラフネス、表面最大段差とも呼ぶ)Rpvが、何れも10[nm]以下となっている。
【0034】
共通配線層19(
図3及び
図6)は、導電性を有する材料により構成され、Z方向に薄い薄膜状に形成されており、第3の薄膜層20Rの上面に積層されている。この共通配線層19は、垂直方向配線23Cと当接する位置に設けられるカソード電極部61と、X方向に沿って直線状に形成された画素間接続部62とにより構成されている。画素間接続部62は、各画素部8においてカソード電極部61と接続されると共に、X方向に隣接する画素部8の画素間接続部62とも相互に接続されている。また画素間接続部62は、表示領域2A(
図1)の範囲外において、Y方向に隣接する画素間接続部62との間で電気的に接続され、さらに回路基板10の共通カソード接続端子に接続されている。
【0035】
[1-3.薄膜層群の構成]
次に、LEDディスプレイ表示部2における回路基板10及び薄膜層群18の詳細な構成について、1画素分の領域である画素部8に着目して説明する。
【0036】
[1-3-1.薄膜層群の全体構成]
図2(B)に示したように、薄膜層群18を構成する第1の薄膜層20B、第2の薄膜層20G及び第3の薄膜層20Rには、それぞれ青色(B)、緑色(G)及び赤色(R)の光を発光する発光素子21B、21G及び21Rや各種配線材等が含まれる。すなわち薄膜層群18では、第3の薄膜層20Rから出射される赤色の光における主波長が、第1の薄膜層20Bから出射される青色の光の主波長、及び第2の薄膜層20Gから出射される緑色の光の主波長よりも、長くなっている。以下では、第1の層としての第1の薄膜層20B、第2の層としての第2の薄膜層20G及び第3の層としての第3の薄膜層20Rをまとめて、薄膜層20とも呼ぶ。
【0037】
各薄膜層20は、それぞれが1枚のフィルム状に構成されており、X方向及びY方向の長さがLEDディスプレイ表示部2(
図1)における表示領域2Aよりもやや大きい一方、Z方向の長さ(厚さ)が極めて短く(薄く)構成されている。各薄膜層20における+Z方向側の表面及び-Z方向側の表面、並びに回路基板10における+Z方向側の表面(以下これを基板表面10Sと呼ぶ)は、何れも極めて平坦に形成されている。
【0038】
具体的にこれらの表面は、表面粗さ(ラフネス、表面最大段差とも呼ぶ)Rpvが、何れも10[nm]以下となっている。このためLEDディスプレイ表示部2では、回路基板10及び第1の薄膜層20Bの間、第1の薄膜層20B及び第2の薄膜層20Gの間、並びに第2の薄膜層20G及び第3の薄膜層20Rの間が、何れも分子間力により物理的に接合されており、また各表面において導電性を有する部分同士が、電気的にも接続されている。
【0039】
上述したように、第1の薄膜層20B内、第2の薄膜層20G内及び第3の薄膜層20R内には、各画素部8と対応するそれぞれの位置に形成された発光素子21B、21G及び21Rが、X方向及びY方向に沿った格子状に配置されている。これを換言すれば、LEDディスプレイ表示部2では、薄膜層群18を構成する各薄膜層20において、1画素毎に当該薄膜層20が独立した構成となっているのではなく、1枚の当該薄膜層20内に表示領域2Aの全範囲の画素が格子状に並んで配置された構成となっている。以下では、発光素子21B、21G及び21Rをまとめて発光部22とも呼ぶ。
【0040】
また発光部22は、Z方向から見た場合に、発光素子21B、21G及び21Rにおけるそれぞれの中心がほぼ一致するように配置されており、該中心が画素部8のほぼ中央に、すなわち画素部8のX方向及びY方向に関するほぼ中央に位置している。各発光素子21B、21G及び21Rは、何れも薄膜状のLEDとして構成されており、それぞれアノード及びカソードを有している(詳しくは後述する)。
【0041】
また
図3~
図6に示したように、1個の画素部8には、発光部22の周囲における4箇所に、垂直方向配線23B、23G、23R及び23C(以下これらをまとめて垂直方向配線23と呼ぶ)が設けられている。各垂直方向配線23は、何れもZ方向に沿った中心軸を有する円柱状に形成されており、導電性を有する複数の層がZ方向に適宜積層されることにより、全体として導電性を有している。以下では、垂直方向配線23を導電柱とも呼ぶ。
【0042】
第1の導電柱としての垂直方向配線23Bは、発光部22の-V方向側に位置しており、第1の薄膜層20B内に設けられ、回路基板10のアノード基板パッド12Bと、発光素子21Bのアノードとを電気的に接続する。第2の導電柱としての垂直方向配線23Gは、発光部22の+V方向側に位置しており、第1の薄膜層20B内及び第2の薄膜層20G内に渡って設けられ、回路基板10のアノード基板パッド12Gと、発光素子21Gのアノードとを電気的に接続する。
【0043】
第3の導電柱としての垂直方向配線23Rは、発光部22の-U方向側に位置しており、第1の薄膜層20B内、第2の薄膜層20G内及び第3の薄膜層20R内に渡って設けられ、回路基板10のアノード基板パッド12Rと、発光素子21Rのアノードとを電気的に接続する。すなわち垂直方向配線23B、23G及び23Rは、回路基板10と第1の薄膜層20B、第2の薄膜層20G内及び第3の薄膜層20Rそれぞれとの間を、個別に電気的に接続している。
【0044】
垂直方向配線23Cは、発光部22の+U方向側に位置しており、第1の薄膜層20B内、第2の薄膜層20G内及び第3の薄膜層20R内に渡って設けられ、第3の薄膜層20Rの上面側に形成される共通配線層19と、発光素子21B、21G及び21Rの各カソードとを電気的に接続する。すなわち垂直方向配線23Cは、第1の薄膜層20B、第2の薄膜層20G内及び第3の薄膜層20Rの間を貫通するようにして、互いに電気的に接続された共通端子(いわゆるコモン)として機能する。
【0045】
このように画素部8では、回路基板10及び共通配線層19を介して供給される電力を、4本の垂直方向配線23により発光素子21B、21G及び21Rへそれぞれ供給するようになっている。
【0046】
[1-3-2.第1の薄膜層の構成]
図5並びに
図3(A)及び(B)に示すように、第1の薄膜層20Bは、上述した発光素子21B及び各垂直方向配線23をそれぞれ構成する部分の他、下地絶縁層25B及び層間絶縁層26B等を有している。また第1の薄膜層20Bは、発光素子21Bがカソード層31B、発光層32B及びアノード層33Bにより構成されると共に、発光部22に大きく関わる部分としてカソード引出配線35B、アノード引出配線36B及び絶縁層37Bを有している。
【0047】
さらに第1の薄膜層20Bは、主に各垂直方向配線23に関する部分として、アノード電極パッド42BB、42GB及び42RB、カソード配線パッド43B、アノード配線パッド44BB、44GB及び44RB、カソードピラー45B、並びにアノードピラー46GB及び46RBを有している。
【0048】
下地絶縁層25B(
図6)は、ベース層とも呼ばれており、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の有機絶縁材料や、SiO
2やSiN等の無機絶縁材料からなる透明絶縁材料により構成され、十分な絶縁性を備えている。この下地絶縁層25Bは、全体として一様に平坦な薄膜状に形成されているものの、発光素子21Bの-V方向側、+U方向側及び+V方向側となる3箇所に、すなわち上述した垂直方向配線23B、23G及び23Rに相当する部分に、Z方向に貫通する丸孔がそれぞれ形成されている。
【0049】
第1の発光素子としての発光素子21Bは、下地絶縁層25Bの+Z方向側にカソード層31B、発光層32B及びアノード層33Bが順次積層され、且つZ方向の厚さが3[μm]以下の薄膜として構成されており、全体として薄膜の無機LEDを形成している。カソード層31B、発光層32B及びアノード層33Bは、何れもGaN(窒化ガリウム)、AlGaN及びInGaN(窒化インジウムガリウム)等の材料を含む単層又は複数の層として、上面及び下面が平坦な薄膜状に構成されている。また発光層32BのZ方向に関する長さ(厚さ)は、カソード層31B及びアノード層33Bの厚さと比較して、十分に短く(薄く)なっている。
【0050】
発光層32B及びアノード層33B(
図5)は、Z方向から見て円形状に形成されており、画素部8のX方向及びY方向に関するほぼ中央に位置している。この円の直径は、画素長8L(
図2)の約1/3程度となっている。カソード層31Bは、Z方向から見て、発光層32B及びアノード層33Bよりもひとまわり大きい円形状の部分と、該円の+U方向側において該U方向に沿った辺並びにV方向に沿った辺により囲まれた長方形状の部分とを組み合わせた形状となっている。
【0051】
カソード引出配線35Bは、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の材料により構成された透明導電膜、又はAu、Al、PtやTi等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されている。このカソード引出配線35Bは、概ねU方向に沿って発光素子21Bと垂直方向配線23Cとを結ぶように形成されている。
【0052】
具体的にカソード引出配線35Bは、発光素子21B側においてカソード層31Bと電気的に接続されている。またカソード引出配線35Bは、垂直方向配線23C側においてカソード配線パッド43Bと一体に形成されており、該カソード配線パッド43Bを介してカソードピラー45Bと電気的に接続されている。
【0053】
アノード引出配線36Bは、カソード引出配線35Bと同様に、例えばITO等の材料により構成された透明導電膜、又はAu、Al、PtやTi等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されている。このアノード引出配線36Bは、概ねV方向に沿って発光素子21Bとその-V方向側の垂直方向配線23Bとを結ぶように形成されている。
【0054】
具体的にアノード引出配線36Bは、発光素子21B側においてアノード層33Bの上面を覆うように形成され、当該アノード層33Bと電気的に接続されている。またアノード引出配線36Bは、垂直方向配線23B側においてアノード配線パッド44BBと一体に形成されており、該アノード配線パッド44BBを介してアノード電極パッド42BBと電気的に接続されている。
【0055】
絶縁層37Bは、例えば有機絶縁膜や無機絶縁膜として構成されており、電気的な絶縁性を有している。この絶縁層37Bは、カソード引出配線35Bとカソード層31Bとの間を電気的に絶縁して短絡を防止すると共に、アノード引出配線36Bとカソード層31B、発光層32B及びアノード層33Bとの間を電気的に絶縁して短絡を防止している。
【0056】
第1の透明絶縁部材としての層間絶縁層26Bは、発光素子21B、カソード引出配線35B及びアノード引出配線36Bの+Z方向側部分を埋めるように形成されている。この層間絶縁層26Bは、可視光を透過する性質を有する有機膜や無機膜として形成されており、また電気的な絶縁性を有している。層間絶縁層26Bの上面は、極めて平坦に形成されており、表面粗さRpvが、何れも10[nm]以下となっている。
【0057】
アノード電極パッド42BB、42GB及び42RBは、例えばAu、Al、Pt又はTi等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されており、導電性を有している。またアノード電極パッド42BB、42GB及び42RBは、下地絶縁層25Bに形成された3箇所の丸孔をそれぞれ覆うように形成されており、それぞれの下面が該下地絶縁層25Bの下面と同一の平面を形成している。このアノード電極パッド42BB、42GB及び42RBは、下面を回路基板10のアノード基板パッド12B、12G及び12Rとそれぞれ当接させ電気的に接続させると共に、上面をアノード配線パッド44BB、44GB及び44RBとそれぞれ当接させ電気的に接続させている。
【0058】
カソード配線パッド43Bは、カソード引出配線35Bの一部であり、該カソード引出配線35Bと同一の材料による薄膜層として形成され、垂直方向配線23Cの一部を構成している。このカソード配線パッド43Bは、下面を下地絶縁層25Bと当接させ絶縁させる一方、上面をカソードピラー45Bと当接させ電気的に接続させている。
【0059】
アノード配線パッド44BBは、アノード引出配線36Bの一部であり、該アノード引出配線36Bと同一の材料による薄膜層として、アノード電極パッド42BBの上面を覆うように形成されている。このアノード配線パッド44BBは、下面をアノード電極パッド42BBと当接させ電気的に接続させる一方、上面が層間絶縁層26Bにより覆われ電気的に絶縁されている。
【0060】
アノード配線パッド44GB及び44RBは、アノード配線パッド44BBと同様の材料により構成された薄膜層であり、アノード電極パッド42GB及び42RBの上面をそれぞれ覆うように形成されている。このアノード配線パッド44GB及び44RBは、下面をアノード電極パッド42GB及び42RBとそれぞれ当接させ電気的に接続させると共に、上面をアノードピラー46GB及び46RBとそれぞれ当接させ電気的に接続させている。
【0061】
カソードピラー45Bは、Z方向に沿った中心軸を有する円柱状に形成されており、例えばCuやNi、Ti等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されている。このカソードピラー45Bは、下面をカソード配線パッド43Bと当接させ電気的に接続させている。またカソードピラー45Bは、その上面が層間絶縁層26Bの上面と同一の平面を形成しており、該上面を第2の薄膜層20Gに設けられたカソード電極パッド41G(詳しくは後述する)と当接させ、電気的に接続させている。
【0062】
アノードピラー46GB及び46RBは、カソードピラー45Bと同様、Z方向に沿った中心軸を有する円柱状に形成されており、例えばCuやNi、Ti等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されている。このアノードピラー46GB及び46RBは、下面をアノード配線パッド44GB及び44RBとそれぞれ当接させ電気的に接続させている。またアノードピラー46GB及び46RBは、その上面が層間絶縁層26Bの上面と同一の平面を形成しており、該上面を第2の薄膜層20Gに設けられたアノード電極パッド42GG及び42RG(詳しくは後述する)とそれぞれ当接させ、電気的に接続させている。
【0063】
このように構成された第1の薄膜層20Bは、垂直方向配線23C及び23Bを介して発光素子21Bに電力を供給することにより、当該発光素子21Bを青色の発光素子として機能させる。このとき発光素子21Bは、Z方向から見た場合における発光層32Bに相当する範囲、すなわち発光領域24B(
図5)を発光させることにより、例えば波長が400~490[nm]の光、すなわち青色の光を出射させる。また第1の薄膜層20Bは、垂直方向配線23G及び23Rにより、回路基板10のアノード基板パッド12G及び12Rと、第2の薄膜層20Gに設けられたアノード電極パッド42GG及び42RGとをそれぞれ電気的に接続し、電力の供給を中継する。以下では、発光領域24Bを第1の発光領域とも呼ぶ。
【0064】
[1-3-3.第2の薄膜層の構成]
図4並びに
図3(A)及び(B)に示すように、第2の薄膜層20Gは、第1の薄膜層20B(
図5)と比較して、全体的に類似した構成であるものの、一部が異なった構成となっている。具体的に第2の薄膜層20Gは、上述した発光素子21G及び各垂直方向配線23をそれぞれ構成する部分の他、下地絶縁層25G及び層間絶縁層26G等を有している。また第2の薄膜層20Gは、発光素子21Gがカソード層31G、発光層32G及びアノード層33Gにより構成されると共に、発光部22に大きく関わる部分としてカソード引出配線35G、アノード引出配線36G及び絶縁層37Gを有している。
【0065】
さらに第2の薄膜層20Gは、主に各垂直方向配線23に関する部分として、カソード電極パッド41G、アノード電極パッド42GG及び42RG、カソード配線パッド43G、アノード配線パッド44GG及び44RG、カソードピラー45G、並びにアノードピラー46RGを有している。
【0066】
下地絶縁層25G(
図6)は、ベース層とも呼ばれており、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の有機絶縁材料や、SiO
2やSiN等の無機絶縁材料からなる透明絶縁材料により構成され、十分な絶縁性を備えている。この下地絶縁層25Gは、全体として一様に平坦な薄膜状に形成されているものの、発光素子21Gの+V方向側、-U方向側及び+U方向側となる3箇所に、すなわち上述した垂直方向配線23G、23R及び23Cに相当する部分に、Z方向に貫通する丸孔がそれぞれ形成されている。
【0067】
第2の発光素子としての発光素子21Gは、下地絶縁層25Gの+Z方向側にカソード層31G、発光層32G及びアノード層33Gが順次積層され、且つZ方向の厚さが3[μm]以下の薄膜として構成されており、全体として薄膜の無機LEDを形成している。カソード層31G、発光層32G及びアノード層33Gは、何れもGaN、AlGaN及びInGaN等の材料を含む単層又は複数の層として、上面及び下面が平坦な薄膜状に構成されている。
【0068】
発光層32G及びアノード層33G(
図4)は、Z方向から見て円形状に形成されており、画素部8のX方向及びY方向に関するほぼ中心に位置している。カソード層31Gは、Z方向から見て、発光層32G及びアノード層33Gよりもひとまわり大きい円形状の部分と、該円の+U方向側において該U方向に沿った辺並びにV方向に沿った辺により囲まれた長方形状の部分とを組み合わせた形状となっている。
【0069】
カソード引出配線35Gは、例えばITO等の材料により構成された透明導電膜、又はAu、Al、PtやTi等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されている。このカソード引出配線35Gは、概ねU方向に沿って発光素子21Gと垂直方向配線23Cとを結ぶように形成されている。
【0070】
具体的にカソード引出配線35Gは、発光素子21G側においてカソード層31Gと電気的に接続されている。またカソード引出配線35Gは、垂直方向配線23C側においてカソード配線パッド43Gと一体に形成されており、該カソード配線パッド43Gを介してカソード電極パッド41G及びカソードピラー45Gと電気的に接続されている。
【0071】
アノード引出配線36Gは、カソード引出配線35Gと同様に、例えばITO等の材料により構成された透明導電膜、又はAu、Al、PtやTi等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されている。このアノード引出配線36Gは、概ねV方向に沿って発光素子21Gとその+V方向側の垂直方向配線23Gとを結ぶように形成されている。
【0072】
具体的にアノード引出配線36Gは、発光素子21G側においてアノード層33Gの上面を覆うように形成され、当該アノード層33Gと電気的に接続されている。またアノード引出配線36Gは、垂直方向配線23G側においてアノード配線パッド44GGと一体に形成されており、該アノード配線パッド44GGを介してアノード電極パッド42GGと電気的に接続されている。
【0073】
絶縁層37Gは、例えば有機絶縁膜や無機絶縁膜として構成されており、電気的な絶縁性を有している。この絶縁層37Gは、カソード引出配線35Gとカソード層31Gとの間を電気的に絶縁して短絡を防止すると共に、アノード引出配線36Gとカソード層31G、発光層32G及びアノード層33Gとの間を電気的に絶縁して短絡を防止している。
【0074】
第2の透明絶縁部材としての層間絶縁層26Gは、発光素子21G、カソード引出配線35G及びアノード引出配線36Gの+Z方向側部分を埋めるように形成されている。この層間絶縁層26Gは、可視光を透過する性質を有する有機膜や無機膜として形成されており、また電気的な絶縁性を有している。層間絶縁層26Gの上面は、極めて平坦に形成されており、表面粗さRpvが、何れも10[nm]以下となっている。
【0075】
カソード電極パッド41Gは、例えばAu、Al、Pt又はTi等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されており、導電性を有している。またカソード電極パッド41Gは、下地絶縁層25Gに形成された+U方向側の丸孔を覆うように形成されており、その下面が該下地絶縁層25Gの下面と同一の平面を形成している。このカソード電極パッド41Gは、下面を第1の薄膜層20Bにおけるカソードピラー45Bの上面と当接させ電気的に接続させると共に、上面をカソード配線パッド43Gと当接させ電気的に接続させている。
【0076】
アノード電極パッド42GG及び42RGは、例えばAu、Al、Pt又はTi等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されており、導電性を有している。またアノード電極パッド42GG及び42RGは、下地絶縁層25Gに形成された+V方向側及び-U方向側の丸孔をそれぞれ覆うように形成されており、それぞれの下面が該下地絶縁層25Gの下面と同一の平面を形成している。このアノード電極パッド42GG及び42RGは、下面を第1の薄膜層20Bにおけるアノードピラー46GB及び46RBの上面とそれぞれ当接させ電気的に接続させると共に、上面をアノード配線パッド44GG及び44RGとそれぞれ当接させ電気的に接続させている。
【0077】
カソード配線パッド43Gは、カソード引出配線35Gの一部であり、該カソード引出配線35Gと同一の材料による薄膜層として形成され、垂直方向配線23Cの一部を構成している。このカソード配線パッド43Gは、下面をカソード電極パッド41Gと当接させ電気的に接続させると共に、上面をカソードピラー45Gと当接させ電気的に接続させている。
【0078】
アノード配線パッド44GGは、アノード引出配線36Gの一部であり、該アノード引出配線36Gと同一の材料による薄膜層として、アノード電極パッド42GGの上面を覆うように形成されている。このアノード配線パッド44GGは、下面をアノード電極パッド42GGと当接させ電気的に接続させる一方、上面が層間絶縁層26Gにより覆われ電気的に絶縁されている。
【0079】
アノード配線パッド44RGは、アノード配線パッド44GGと同様の材料により構成された薄膜層であり、アノード電極パッド42RGの上面を覆うように形成されている。このアノード配線パッド44RGは、下面をアノード電極パッド42RGと当接させ電気的に接続させると共に、上面をアノードピラー46RGと当接させ電気的に接続させている。
【0080】
カソードピラー45Gは、Z方向に沿った中心軸を有する円柱状に形成されており、例えばCuやNi、Ti等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されている。このカソードピラー45Gは、下面をカソード配線パッド43Gと当接させ電気的に接続させている。またカソードピラー45Gは、その上面が層間絶縁層26Gの上面と同一の平面を形成しており、該上面を第3の薄膜層20Rに設けられたカソード電極パッド41R(詳しくは後述する)と当接させ、電気的に接続させている。
【0081】
アノードピラー46RGは、カソードピラー45Gと同様、Z方向に沿った中心軸を有する円柱状に形成されており、例えばCuやNi、Ti等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されている。このアノードピラー46RGは、下面をアノード配線パッド44RGと当接させ電気的に接続させている。またアノードピラー46RGは、その上面が層間絶縁層26Gの上面と同一の平面を形成しており、該上面を第3の薄膜層20Rに設けられたアノード電極パッド42RR(詳しくは後述する)と当接させ、電気的に接続させている。
【0082】
このように構成された第2の薄膜層20Gは、垂直方向配線23C及び23Gを介して発光素子21Gに電力を供給することにより、当該発光素子21Gを緑色の発光素子として機能させる。このとき発光素子21Gは、Z方向から見た場合における発光層32Gに相当する範囲、すなわち発光領域24G(
図4)を発光させることにより、例えば波長が491~600[nm]の光、すなわち緑色の光を出射させる。また第2の薄膜層20Gは、垂直方向配線23Gにより、第1の薄膜層20Bのアノードピラー46RBと第3の薄膜層20Rのアノード電極パッド42RRとを電気的に接続し、電力の供給を中継する。以下では、発光領域24Gを第2の発光領域とも呼ぶ。
【0083】
[1-3-4.第3の薄膜層の構成]
図3並びに
図3(A)及び(B)に示すように、第3の薄膜層20Rは、第1の薄膜層20B(
図5)と比較して、全体的に類似した構成であるものの、一部が異なった構成となっている。具体的に第3の薄膜層20Rは、上述した発光素子21R及び各垂直方向配線23をそれぞれ構成する部分の他、下地絶縁層25R及び層間絶縁層26R等を有している。また第3の薄膜層20Rは、発光素子21Rがカソード層31R、発光層32R及びアノード層33Rにより構成されると共に、発光部22に大きく関わる部分としてカソード引出配線35R、アノード引出配線36R及び絶縁層37Rを有している。
【0084】
さらに第3の薄膜層20Rは、主に各垂直方向配線23に関する部分として、カソード電極パッド41R、アノード電極パッド42RR、カソード配線パッド43R、アノード配線パッド44RR、及びカソードピラー45Rを有している。
【0085】
下地絶縁層25R(
図6)は、ベース層とも呼ばれており、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の有機絶縁材料や、SiO
2やSiN等の無機絶縁材料からなる透明絶縁材料により構成され、十分な絶縁性を備えている。この下地絶縁層25Rは、全体として一様に平坦な薄膜状に形成されているものの、発光素子21Rの-U方向側及び+U方向側となる2箇所に、すなわち上述した垂直方向配線23R及び23Cに相当する部分に、Z方向に貫通する丸孔がそれぞれ形成されている。
【0086】
第3の発光素子としての発光素子21Rは、下地絶縁層25Rの+Z方向側にカソード層31R、発光層32R及びアノード層33Rが順次積層され、且つZ方向の厚さが3[μm]以下の薄膜として構成されており、全体として薄膜の無機LEDを形成している。カソード層31R、発光層32R及びアノード層33Rは、何れも単層又は複数の層として構成されており、上面及び下面が平坦な薄膜状となっている。このうち発光層32Rは、InGaN等のような窒化ガリウム系の材料を含む半導体により構成されている。またカソード層31R及びアノード層33Rは、GaNのように光吸収率が比較的低い材料によりそれぞれ構成されている。なお、カソード層31R、発光層32R及びアノード層33Rは、何れもGaN、AlGaN及びInGaN等の材料を用いて構成しても良い。
【0087】
発光層32R及びアノード層33R(
図3)は、Z方向から見て、画素部8のX方向及びY方向に関するほぼ中心に位置する円形状の部分と、この円に対し+V方向側及び-V方向側にそれぞれ位置する正方形状の部分とを組み合わせたような形状に形成されている。このうち円形状の部分における直径の長さは、発光素子21B(
図5)における発光層32B及びアノード層33B、並びに発光素子21G(
図4)における発光層32G及びアノード層33Gと同様に、画素長8L(
図2)の約1/3程度となっている。また、発光層32R及びアノード層33Rにおける正方形状の部分は、各辺の長さが、画素長8Lの約1/2~1/3程度となっている。さらにこの正方形状の部分の一部は、
図6(B)に示したように、垂直方向配線23B及び23GのZ方向側(すなわち上側)に位置している。カソード層31Rは、発光層32R及びアノード層33Rをひとまわり大きくし、さらにU方向側にやや拡張したような形状となっている。
【0088】
このように発光素子21Rは、Z方向側から見た場合に、発光素子21B(
図5)及び21G(
図4)を完全に覆う位置及び形状となるように形成されている。また、発光素子21Rにおけるカソード層31R及び発光層32Rの接触面積は、発光素子21Bにおけるカソード層31B及び発光層32Bの接触面積、並びに発光素子21Gにおけるカソード層31G及び発光層32Gの接触面積よりも大きくなっている。さらに、発光素子21Rにおける発光層32R及びアノード層33の接触面積は、発光素子21Bにおける発光層32B及びアノード層33Bの接触面積、並びに発光素子21Gにおける発光層32G及びアノード層33Gの接触面積よりも大きくなっている。
【0089】
カソード引出配線35Rは、例えばITO等の材料により構成された透明導電膜、又はAu、Al、PtやTi等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されている。このカソード引出配線35Rは、概ねU方向に沿って発光素子21Rと垂直方向配線23Cとを結ぶように形成されている。
【0090】
具体的にカソード引出配線35Rは、発光素子21R側においてカソード層31Rと電気的に接続されている。またカソード引出配線35Rは、垂直方向配線23C側においてカソード配線パッド43Rと一体に形成されており、該カソード配線パッド43Rを介してカソード電極パッド41R及びカソードピラー45Rと電気的に接続されている。
【0091】
アノード引出配線36Rは、カソード引出配線35Rと同様に、例えばITO等の材料により構成された透明導電膜、又はAu、Al、PtやTi等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されている。このアノード引出配線36Rは、概ねU方向に沿って発光素子21Rとその-U方向側の垂直方向配線23Rとを結ぶように形成されている。
【0092】
具体的にアノード引出配線36Rは、発光素子21R側においてアノード層33Rにおける円形状の部分の上側を覆うように形成され、当該アノード層33Rと電気的に接続されている。またアノード引出配線36Rは、垂直方向配線23R側においてアノード配線パッド44RRと一体に形成されており、該アノード配線パッド44RRを介してアノード電極パッド42RRと電気的に接続されている。
【0093】
絶縁層37Rは、例えば有機絶縁膜や無機絶縁膜として構成されており、電気的な絶縁性を有している。この絶縁層37Rは、カソード引出配線35Rとカソード層31Rとの間を電気的に絶縁して短絡を防止すると共に、アノード引出配線36Rとカソード層31R、発光層32R及びアノード層33Rとの間を電気的に絶縁して短絡を防止している。
【0094】
第3の透明絶縁部材としての層間絶縁層26Rは、発光素子21R、カソード引出配線35R及びアノード引出配線36Rの+Z方向側部分を埋めるように形成されている。この層間絶縁層26Rは、可視光を透過する性質を有する有機膜や無機膜として形成されており、また電気的な絶縁性を有している。層間絶縁層26Rの上面は、極めて平坦に形成されており、表面粗さRpvが、何れも10[nm]以下となっている。
【0095】
カソード電極パッド41Rは、例えばAu、Al、Pt又はTi等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されており、導電性を有している。またカソード電極パッド41Rは、下地絶縁層25Rに形成された+U方向側の丸孔を覆うように形成されており、その下面が該下地絶縁層25Rの下面と同一の平面を形成している。このカソード電極パッド41Rは、下面を第1の薄膜層20Bにおけるカソードピラー45Bの上面と当接させ電気的に接続させると共に、上面をカソード配線パッド43Rと当接させ電気的に接続させている。
【0096】
アノード電極パッド42RRは、例えばAu、Al、Pt又はTi等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されており、導電性を有している。またアノード電極パッド42RRは、下地絶縁層25Rに形成された-U方向側の丸孔を覆うように形成されており、その下面が該下地絶縁層25Rの下面と同一の平面を形成している。このアノード電極パッド42RRは、下面を第1の薄膜層20Bにおけるアノードピラー46BRの上面と当接させ電気的に接続させると共に、上面をアノード配線パッド44RRと当接させ電気的に接続させている。
【0097】
カソード配線パッド43Rは、カソード引出配線35Rの一部であり、該カソード引出配線35Rと同一の材料による薄膜層として形成され、垂直方向配線23Cの一部を構成している。このカソード配線パッド43Rは、下面をカソード電極パッド41Rと当接させ電気的に接続させると共に、上面をカソードピラー45Rと当接させ電気的に接続させている。
【0098】
アノード配線パッド44RRは、アノード引出配線36Rの一部であり、該アノード引出配線36Rと同一の材料による薄膜層として、アノード電極パッド42RRの上面を覆うように形成されている。このアノード配線パッド44RRは、下面をアノード電極パッド42RRと当接させ電気的に接続させる一方、上面が層間絶縁層26Rにより覆われ電気的に絶縁されている。
【0099】
カソードピラー45Rは、Z方向に沿った中心軸を有する円柱状に形成されており、例えばCuやNi、Ti等の金属、或いはこれらの合金による、単層又は複数の層による積層構造として構成されている。このカソードピラー45Rは、下面をカソード配線パッド43Rと当接させ電気的に接続させている。またカソードピラー45Rは、その上面が層間絶縁層26Rの上面と同一の平面を形成しており、該上面を共通配線層19のカソード電極部61と当接させ、電気的に接続させている。
【0100】
このように構成された第3の薄膜層20Rは、垂直方向配線23C及び23Rを介して発光素子21Rに電力を供給することにより、当該発光素子21Rを赤色の発光素子として機能させる。このとき発光素子21Rは、Z方向から見た場合における発光層32Rに相当する範囲、すなわち発光領域24R(
図3)を発光させることにより、例えば波長が601~780[nm]の光、すなわち赤色の光を出射させる。以下では、発光領域24Rを第3の発光領域とも呼ぶ。ただし発光素子21Rは、構成材料の特性等により、青色の発光素子21B及び緑色の発光素子21Gと比較して、発光効率(詳しくは後述する)が低くなっている。
【0101】
このように画素部8では、+Z方向(すなわち発光方向E)から見た場合に、発光領域24B(
図5)及び発光領域24G(
図4)と少なくとも一部分が重なるように、発光領域24Rが形成されている。また発光領域24Rは、その一部分が、垂直方向配線23B及び23Gの+Z方向側に位置している(
図6(B))。
【0102】
[1-4.効果等]
一般に、発光素子に関しては、材料特性やその他の理由により、量子効率が異なることが知られている。このため、光の三原色を用い適切な混色比により良質な白色光を出力する場合、各色の発光素子では、必要な電力(電流、電圧、又はその両方)が互いに相違することになる。
【0103】
ここで、非積層状態の単色の発光素子において、供給される電力に対して画素の表面から放射される光量の割合を、発光効率とする。例えば、光の三原色(赤色、緑色及び青色)の発光素子により所望の白色光(例えばCIE標準光源D65の白色光)に混色する際に、必要な電力が他色の発光素子と比較して小さい場合に発光効率が高い(良い)と表現でき、また必要な電力が大きい場合に発光効率が低い(悪い)と表現できる。
【0104】
また、複数色の発光素子を積層させた積層型発光表示装置において、供給される電力に対して画素の表面(発光面)から放射される光量の割合を、光取出効率とする。例えば、この積層型発光表示装置により所望の白色光に混色する際に、必要な電力が他色の発光素子と比較して小さい場合に光取出効率が高い(良い)と表現でき、また必要な電力が大きい場合に光取出効率が低い(悪い)と表現できる。
【0105】
すなわち、三原色の各発光素子による光により所望の白色光に混色する場合、各発光素子の間では、発光効率が相違することが多い。また積層型発光表示装置を構成する場合、各発光素子の構成材料、構造や厚さ等、並びに積層の順序等に応じて、光取出効率が大きく変化することになる。
【0106】
従来、各色の発光素子の間における発光効率の差を縮小させるために、各発光素子に供給する電力量(電流値、電圧値、或いはその両方)や発光時間を調整する手法が知られている。しかし、この方法では、発光効率が低い発光素子に対し電力量を調整するためのレンジを広げる必要がある等、制御が複雑となるためにコストの増加に繋がる恐れがあった。また、発光効率が低い発光素子に対し大きな電力量を供給した場合、当該発熱素子が大きく発熱し、これに伴い発光効率の低下や波長のピークシフト等のような性能の低下を招く場合もあった。
【0107】
一方、積層型発光表示装置において、高精細化等の要求に応じて画素ピッチを極めて狭くし、例えば20[μm]以下とした場合には、各画素を構成する発光素子から当該画素の表面までの距離に対し、当該画素の一辺の長さの割合が極めて小さくなる。これにより、画素の表面から最も遠い下層の発光素子では、幾何学的な関係により、当該発光素子から発散光として出射された光のうち当該画素の表面に到達する角度の範囲、すなわち有効な角度の範囲が小さくなるため、光取出効率が格段に低下することになる。
【0108】
例えば、
図7(A)に示す仮想的なLEDディスプレイ表示部102Aにおいて、発光面108Sの一辺が長さL1であり、最も下層に位置する発光素子121から発光面108Sまでの距離が高さH1であったとする。また、このLEDディスプレイ表示部102Aでは、発光素子121から出射された光のうち発光面108Sに到達する範囲の角度を表す取出角度α1が約90[°]であったとする。この取出角度α1の大きさは、最下層の発光素子121から各方向へ出射された光のうち、発光面108Sから放射される(取り出される)光の割合の大きさと関係する。
【0109】
次に、
図7(A)と対応する
図7(B)に示すように、他の仮想的なLEDディスプレイ表示部102Bにおいて、LEDディスプレイ表示部102Aと同等の高さH1を有する一方、発光面108Sの一辺が、長さL1の約1/2となる長さL2であるものとする。このLEDディスプレイ表示部102Bでは、発光素子121から各方向へ出射された光のうち発光面108Sに到達する範囲を表す取出角度α2が約53[°]と、格段に小さく(狭く)なってしまう。
【0110】
このように、積層型発光表示装置において画素ピッチを小さくした場合、特に下層の発光素子からの光取出効率が格段に低下するため、所望の白色光に混色する場合に、各色の発光素子における量子効率及び発光効率、並びに光取出効率を考慮した構造の設計が必要となる。
【0111】
このような点を踏まえ、第1の実施の形態によるLEDディスプレイ装置1のLEDディスプレイ表示部2は、各画素部8において、-Z方向側から+Z方向側へ向けて青色の発光素子21B、緑色の発光素子21G及び赤色の発光素子21Rを順次重ねるように配置した。
【0112】
またLEDに関しては、発光領域の面積を非常に小さくした場合、例えば正方形状の発光領域における一辺を10[μm]以下とした場合の特性として、発光効率が著しく低下することが知られている。この点を踏まえ、LEDディスプレイ表示部2は、各画素部8において、赤色の発光素子21Rにおける発光領域24R(
図3)を、青色の発光素子21Bにおける発光領域24B(
図5)及び緑色の発光素子21Gにおける発光領域24G(
図4)よりも大きくした。
【0113】
このためLEDディスプレイ表示部2は、発光領域24Rの面積を発光領域24B及び24Gの面積と同等とした場合と比較して、発光効率を格段に高めることができる。すなわちLEDディスプレイ表示部2は、画素部8の大きさを拡大する必要が無く、また供給される電力の増加による発熱量の過剰な増加を招くことも無く、発光面8Sから放射される赤色の光の光量を、青色及び緑色と比較して遜色が無い程度まで高めることができる。
【0114】
これによりLEDディスプレイ装置1は、所望の色(例えばCIE標準光源D65の白色)を実現する際に、緑色及び青色の輝度(発光量)を赤色の輝度に合わせて低下させる必要が無く、各画素部8において十分な輝度を得ることができる。その結果としてLEDディスプレイ装置1は、LEDディスプレイ表示部2の表示領域2A全体において、高精細且つ高品質な画像を表示することができる。
【0115】
ところで赤色の発光素子21Rは、仮にGaAs、AlInGaP等の半導体により構成した場合、可視光領域における透過率が比較的低くなるため、その下側に位置する青色の発光素子21B及び緑色の発光素子21Gからの光を大きく遮ることになる。
【0116】
この点において、本実施の形態による発光素子21Rは、上述したように、Z方向に関し比較的薄い部分である発光層32Rを、InGaNのような窒化ガリウム系の材料の半導体として構成し、Z方向に関し比較的厚い部分であるカソード層31R及びアノード層33Rを、光吸収率が比較的低いGaN等により構成した。すなわち発光素子21Rは、他の色の光を吸収する性質を有する層の厚さを、極力小さく(薄く)するような構成とした。
【0117】
これにより、本実施の形態による発光素子21Rは、青色の発光素子21B及び緑色の発光素子21Gよりも+Z方向側、すなわち発光方向E側に位置しているものの、該発光素子21B及び21Gから出射される青色や緑色の光に対し、十分に高い透過率を実現することができる。
【0118】
またLEDディスプレイ表示部2の各画素部8では、垂直方向配線23B及び23Gにより、回路基板10と第1の薄膜層20B又は第2の薄膜層20Gとを電気的に接続する一方、その+Z方向側(上側)に配線用の部材等を配置する必要が無い。そこで各画素部8では、垂直方向配線23B及び23Gの+Z方向側(上側)となる部分において、赤色の発光領域24Rを、緑色の発光領域24G及び青色の発光領域24Bよりも拡大したため、これらの部分を有効に活用することができる。
【0119】
以上の構成によれば、第1の実施の形態によるLEDディスプレイ装置1は、LEDディスプレイ表示部2において、青色の発光素子21B、緑色の発光素子21G及び赤色の発光素子21Rを順次積層し、且つ、各画素部8において、赤色の発光領域24Rを、青色の発光領域24B及び緑色の発光領域24Gよりも大きくなるように形成した。このためLEDディスプレイ装置1は、画素部8を極めて小さくしながらも、発光面8Sから放射される赤色の光の光量を、青色及び緑色と比較して遜色が無い程度まで高めることができる。これによりLEDディスプレイ装置1は、各画素部8において青色、緑色及び赤色の何れについても十分な輝度を得ることができ、表示領域2A全体として高精細且つ高品質な画像を表示することができる。
【0120】
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態によるLEDディスプレイ装置201(
図1)は、第1の実施の形態によるLEDディスプレイ装置1と比較して、LEDディスプレイ表示部2に代わるLEDディスプレイ表示部202を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。LEDディスプレイ表示部202は、
図6(A)及び(B)と対応する
図8(A)及び(B)に示すように、LEDディスプレイ表示部2と比較して、薄膜層群18に代わる薄膜層群218を有する他、共通配線層19が省略された構成となっている。またLEDディスプレイ表示部202は、LEDディスプレイ表示部2の各画素部8と対応する複数の画素部208が、X方向及びY方向に沿って格子状に配置されている。
【0121】
薄膜層群218は、第1の実施の形態による薄膜層群18における第1の薄膜層20B、第2の薄膜層20G及び第3の薄膜層20Rに代えて、第1の薄膜層220B、第2の薄膜層220G及び第3の薄膜層220Rを有している。
【0122】
第1の薄膜層220Bは、第1の実施の形態による第1の薄膜層20Bと比較して、下部反射層271Bが追加された点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。第2の反射層としての下部反射層271Bは、Z方向に関して下地絶縁層25B及びカソード層31Bの間に設けられており、XY平面上においてカソード引出配線35Bやアノード電極パッド42BB等と重ならない部分に形成されている。
【0123】
この下部反射層271Bは、例えばAu、Ag、Al、Ti又はNi等の金属材料、或いはこれらの合金、又は所定の有機材料若しくは無機材料等により構成されており、可視光の反射率が極めて高くなっている。また下部反射層271Bは、例えばアノード電極パッド42BBと同一の材料により構成しても良い。
【0124】
第2の薄膜層220Gは、第1の実施の形態による第2の薄膜層20Gと比較して、中間反射層272Gが追加された点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。第1の反射層としての中間反射層272Gは、Z方向に関してアノード層33Gよりも+Z方向側であり、第2の薄膜層220G内における最も+Z方向側に設けられている。ここで
図9は、
図8(A)におけるC1-C2断面による断面図である。
【0125】
中間反射層272Gは、この
図9に示したように、アノード層33G及び発光層32Gが形成された範囲(
図4及び
図5)よりもひとまわり大きい円形状の範囲を除き、且つ垂直方向配線23Rの近傍を除き、残った部分を埋めるような広い範囲に渡って形成されている。この中間反射層272Gは、例えばAu、Ag、Al、Ti又はNi等の金属材料、或いはこれらの合金、又は所定の有機材料若しくは無機材料等により構成されており、少なくとも赤色の光に対する反射率が極めて高くなっている。因みに中間反射層272Gでは、中央に形成される円形状の部分の大きさを、発光素子21G及び21Bによる青色及び緑色の光の発光量や、当該中間反射層272Gにおける青色や緑色の光の透過率等を基に、所望の光取出効率が得られるように、適宜定めることができる。
【0126】
さらに中間反射層272Gは、各画素部208内においてカソードピラー45Gと電気的に接続されると共に、X方向及びY方向に隣接する各画素部208同士の間においても、相互に電気的に接続されている。また中間反射層272Gは、表示領域2Aの範囲外において、駆動ドライバ6の共通カソード接続端子に接続されている。これにより中間反射層272Gは、第1の実施の形態における共通配線層19(
図3及び
図6)と同様に、各色の発光素子21におけるカソードと共通に接続される共通配線としての機能を実現している。
【0127】
第3の薄膜層220Rは、第1の実施の形態による第2の薄膜層20Gと比較して、カソードピラー45R(
図6(A))が省略されている点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0128】
以上の構成において、第2の実施の形態によるLEDディスプレイ装置201は、LEDディスプレイ表示部202の各画素部208において、第1の実施の形態と同様に、-Z方向側から+Z方向側へ向けて青色の発光素子21B、緑色の発光素子21G及び赤色の発光素子21Rを順次重ねるように配置した。またLEDディスプレイ表示部202は、各画素部208において、第1の実施の形態と同様に、赤色の発光領域24R(
図3)を、青色の発光領域24B(
図5)及び緑色の発光領域24G(
図4)よりも大きくした。
【0129】
このためLEDディスプレイ装置201は、第1の実施の形態と同様に、発光効率を格段に高めることができため、画素部208の大きさを拡大する必要が無く、また供給される電力の増加による発熱量の過剰な増加を招くことも無く、発光面208Sから放射される赤色の光の光量を、青色及び緑色と比較して遜色が無い程度まで高めることができる。
【0130】
これに加えてLEDディスプレイ表示部202では、主に発光素子21B及び21Gからそれぞれ出射された青色及び緑色の光を下部反射層271Bにより反射させると共に、発光素子21Rから出射された赤色の光を中間反射層272Gにより反射させる。これによりLEDディスプレイ装置201では、第1の実施の形態と比較して、同一の電力を供給した場合における発光面208Sから放射され発光方向Eへ進行する光量を増加させること、すなわち光取出効率を高めることができる。
【0131】
またLEDディスプレイ表示部202は、第1の実施の形態によるLEDディスプレイ表示部2と比較して、第3の薄膜層20Rのカソードピラー45Rを省略すると共に、共通配線層19を省略した。これによりLEDディスプレイ装置201は、各色の発光素子21から出射された光の発光面208Sへの到達を阻害する要因を削減することができ、光取出効率をさらに高めることができる。
【0132】
この結果、第2の実施の形態によるLEDディスプレイ表示部202は、第1の実施の形態によるLEDディスプレイ表示部2と比較して、一段と高い輝度を得ることができる。その結果としてLEDディスプレイ表示部202は、高精細且つ高品質な画像を表示することができる。
【0133】
また第2の実施の形態によるLEDディスプレイ装置201は、その他の点においても、第1の実施の形態によるLEDディスプレイ装置1と同様の作用効果を得ることができる。
【0134】
[3.第3の実施の形態]
第3の実施の形態によるLEDディスプレイ装置301(
図1)は、第1の実施の形態によるLEDディスプレイ装置1と比較して、LEDディスプレイ表示部2に代わるLEDディスプレイ表示部302を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。LEDディスプレイ表示部302は、
図8(B)と対応する
図10に示すように、LEDディスプレイ表示部202と比較して、レンズ381を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。またLEDディスプレイ表示部302は、LEDディスプレイ表示部2の各画素部8と対応する複数の画素部308が、X方向及びY方向に沿って格子状に配置されている。
【0135】
レンズ381は、可視光に対する透過率が比較的高い材料により構成されており、第3の薄膜層220Rの+Z方向側に重なるように設けられている。このレンズ381は、下面が平坦な平面状に形成される一方、上面が球面又は非球面の曲面として形成されている。これによりレンズ381は、光を屈曲させて集光又は発散させる、一般的なレンズと同様の実現できる。またレンズ381は、焦点Fが赤色の発光素子21Rのやや下側に位置するように設計されている。
【0136】
ここで、レンズ381の光学特性について説明する。画素部308では、V方向(すなわち
図10における紙面の左右方向)に関し、レンズ381の長さである長さL381と、発光素子21Rにおける発光層32R及びアノード層33R等の長さである長さL21Rとの差が比較的小さくなっている。
【0137】
このようなレンズ381を設ける場合において、仮に当該レンズ381の焦点Fを発光層32R上に配置した場合を想定する。この場合、発光素子21Rの中央部分から出射された光は、該レンズ381により適切に屈折され、集光される。その一方で、該発光素子21Rにおける中央以外の部分から出射された光は、該レンズ381により拡散する方向へ屈折される。
【0138】
このようにレンズ381の焦点Fを発光層32R上に配置した場合、該レンズ381を有しない第1又は第2の実施の形態と比較して、画素部308をZ方向から見たときの輝度が低下することになる。またこの構成では、レンズ381により光を意図しない方向へ発散させるように進行させ、LEDディスプレイ表示部302により表示する画像の画質を低下させる恐れがある。
【0139】
そこで、第3の実施の形態によるLEDディスプレイ表示部302では、レンズ381の焦点Fを、発光素子21Rの発光層32Rよりも-Z方向側に、すなわち発光方向Eと反対方向側に位置させるよう、当該レンズ381の光学特性を設定した。これによりLEDディスプレイ装置301では、発光素子21Rにおける発光領域24(
図3)の広い範囲から出射される光を、レンズ381によって発散させずに集光できるため、画素部308をZ方向から見たときの輝度を高めることができる。
【0140】
また第3の実施の形態によるLEDディスプレイ装置301は、その他の点においても、第2の実施の形態によるLEDディスプレイ装置201と同様の作用効果を奏し得る。
【0141】
[4.第4の実施の形態]
第4の実施の形態によるLEDディスプレイ装置401(
図1)は、第1の実施の形態によるLEDディスプレイ装置1と比較して、LEDディスプレイ表示部2に代わるLEDディスプレイ表示部402を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0142】
LEDディスプレイ表示部402は、
図3及び
図6(B)と対応する
図11及び
図12に示すように、LEDディスプレイ表示部2と比較して、薄膜層群18に代わる薄膜層群418を有している。またLEDディスプレイ表示部402は、LEDディスプレイ表示部2の各画素部8と対応する複数の画素部408が、X方向及びY方向に沿って格子状に配置されている。
【0143】
薄膜層群418は、第1の実施の形態による薄膜層群18と比較して、第3の薄膜層20Rに代わる第3の薄膜層420Rを有する点において相違するものの、第1の薄膜層20B及び第2の薄膜層20Gについては同様に構成されている。第3の薄膜層420Rは、第1の実施の形態による第3の薄膜層20Rと比較して、発光素子21Rに代わる発光素子421Rを有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0144】
発光素子421Rは、発光素子21Rのカソード層31R、発光層32R及びアノード層33Rに代わるカソード層431R、発光層432R及びアノード層433Rを有している。このカソード層431R、発光層432R及びアノード層433Rは、第1の実施の形態における青色の発光素子21B(
図5)におけるカソード層31B、発光層32B及びアノード層33Bとそれぞれ同等の大きさ及び形状に構成されている。このため発光素子421Rは、発光領域424R(
図11)の形状及び大きさが、第1の実施の形態における青色の発光領域24B(
図5)及び緑色の発光領域24G(
図4)とそれぞれ同様となっている。
【0145】
以上の構成において、第4の実施の形態によるLEDディスプレイ装置401は、LEDディスプレイ表示部402の各画素部408において、第1の実施の形態と同様に、-Z方向側から+Z方向側へ向けて青色の発光素子21B、緑色の発光素子21G及び赤色の発光素子421Rを順次重ねるように配置した。その一方でLEDディスプレイ表示部402は、各画素部408において、第1の実施の形態とは異なり、赤色の発光領域424R(
図11)を、青色の発光領域24B(
図5)及び緑色の発光領域24G(
図4)と同様とした。
【0146】
これによりLEDディスプレイ表示部402は、第1の実施の形態と比較して度合が小さくなるものの、画素部408における発光効率を高めることができ、発光面408Sから放射される赤色の光の光量を十分に高めることができる。
【0147】
また第4の実施の形態によるLEDディスプレイ装置401は、赤色の第3の薄膜層420Rを青色の第1の薄膜層20B及び緑色の第2の薄膜層20Gよりも+Z方向側(上側)に配置したことに関し、第1の実施の形態によるLEDディスプレイ装置1と同様の作用効果を奏し得る。
【0148】
[5.第5の実施の形態]
第5の実施の形態によるLEDディスプレイ装置501(
図1)は、第1の実施の形態によるLEDディスプレイ装置1と比較して、LEDディスプレイ表示部2に代わるLEDディスプレイ表示部502を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0149】
LEDディスプレイ表示部502は、
図6(B)と対応する
図13に示すように、回路基板10、薄膜層群18及び共通配線層19に代わる透明回路基板510、薄膜層群518及び反射層519を有する点において相違するものの、薄膜層群18については同様に構成されている。またLEDディスプレイ表示部502は、LEDディスプレイ表示部2の各画素部8と対応する複数の画素部508が、X方向及びY方向に沿って格子状に配置されている。
【0150】
透明回路基板510は、可視光の透過率が比較的高く絶縁性を有する透明基材部511を中心に構成されており、図示しない配線層が設けられると共に、所定の駆動素子や駆動回路等が配置される。また透明回路基板510は、アノード基板パッド12B及び12G等とそれぞれ対応するアノード基板パッド512R及び512G等を有している。このアノード基板パッド512R及び512Gは、アノード基板パッド12B及び12G等と比較してXY平面における面積が縮小されている。
【0151】
薄膜層群518は、+Z方向側から-Z方向側へ向けて、第1の薄膜層520B、第2の薄膜層20G、第3の薄膜層520Rが順次積層されている。すなわち薄膜層群518は、第4の実施の形態による薄膜層群418(
図12)と比較して、色に関する積層の順序が反対となっている。
【0152】
第1の薄膜層520Bは、第4の実施の形態における第3の薄膜層420R(
図12)と類似した構成であるものの、発光素子421Rに代えて発光素子521Bが設けられている。第2の薄膜層20Gは、第4の実施の形態における第2の薄膜層20G(
図12)と同様に構成されている。第3の薄膜層520Rは、第4の実施の形態における第1の薄膜層20B(
図12)と類似した構成であるものの、発光素子21Bに代えて発光素子521Rが設けられている。
【0153】
反射層519は、第1の実施の形態における共通配線層19(
図3等)と同様に導電性を有する材料により構成されており、第1の薄膜層520Bにおける+Z方向側の全面に渡り、Z方向に薄い薄膜状に形成されている。この反射層519は、下面(-Z方向側の表面)が極めて平坦に形成されており、可視光を高い反射率で反射する性質を有する。
【0154】
以上の構成において、第5の実施の形態によるLEDディスプレイ装置501は、LEDディスプレイ表示部502の各画素部508において、+Z方向側から-Z方向側へ向けて青色の発光素子521B、緑色の発光素子521G及び赤色の発光素子521Rを順次重ねるように配置した。またLEDディスプレイ表示部502は、透明回路基板510における可視光の透過率を高めると共に、反射層519における可視光の反射率を高めた。
【0155】
このためLEDディスプレイ表示部502は、発光素子521B、21G及び521Rからそれぞれ出射された光のうち、+Z方向へ進行した部分を反射層519において反射させて-Z方向へ進行させ、透明回路基板510の下面(-Z方向側の表面)から放出させる。すなわちLEDディスプレイ表示部502は、透明回路基板510の下面を発光面508Sとし、-Z方向を発光方向Eとして発光することができる。これに加えてLEDディスプレイ表示部502は、発光素子521B、21G及び521Rからそれぞれ出射された光のうち、-Z方向へ向かう部分を、そのまま-Z方向へ進行させて透明回路基板510を通過させる。
【0156】
すなわちLEDディスプレイ表示部502は、各色の発光素子521B、21G及び521Rからそれぞれ出射された光について、+Z方向に向かい反射層519において反射された部分と、-Z方向に向かう部分とを重ね合わせた上で、透明回路基板510の下面である発光面508Sから放射方向Eへ向けて放射させることができる。これによりLEDディスプレイ表示部502は、第1の実施の形態よりも光取出効率を高めることができる。
【0157】
また第5の実施の形態によるLEDディスプレイ装置501は、その他の点においても、第4の実施の形態によるLEDディスプレイ装置401と同様の作用効果を得ることができる。
【0158】
[6.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、第3の薄膜層20R(
図3)に関し、Z方向側から見た場合に、発光素子21Rにおける中央付近の円形状の部分のみを覆うようにして、アノード引出配線36Rを形成する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば
図3と対応する
図14(A)に示すLEDディスプレイ表示部602のように、正方形状の部分の一部も覆うように拡張したアノード引出配線636Rを設けても良い。これにより、第1の実施の形態(
図3)と比較して、アノード引出配線636Rとアノード層33Rとの接触面積を拡大することができるので、該アノード層33Rにおける広い範囲に電流を拡散させることができ、発光層32に供給すべき電流を該アノード層33Rにおいて均等に流すことができる。この結果、発光素子21Rにおいては、発光効率をさらに高めることが可能となる。第2~第5の実施の形態についても同様である。
【0159】
また上述した第1の実施の形態においては、発光素子21R(
図5)に関し、Z方向側から見た場合に、発光素子21G(
図4)を完全に覆う位置及び形状となるように形成する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、Z方向側から見た場合に発光素子21B及び発光素子21Gの少なくとも一部を覆わないよう、発光素子21Rの位置及び形状を定めても良い。具体的には、例えば
図3と対応する
図14(B)に示すLEDディスプレイ表示部702のように、発光素子721Rを構成するカソード層731R、発光層732R及びアノード層733Rにおいて、中央の円形状の部分における-X方向側且つ+Y方向側の部分を省略しても良い。赤色の発光領域724Rは、第1の実施の形態における発光領域24Rから、アノード層733R等において省略された部分が欠落したような形状となる。この場合、Z方向側から見たときに、当該省略された部分において、発光素子21Gの一部を発光素子721Rにより覆わないようにすることができる。またこの場合、アノード層733Rにおける正方形状の部分において該アノード層733Rとアノード引出配線736R(図中に破線で示す)との接合面積を確保するよう、該アノード引出配線736Rの形状を設定することができる。
【0160】
また、例えば
図14(B)と対応する
図14(C)に示すLEDディスプレイ表示部802のように、発光素子821Rを構成するカソード層831R、発光層832R及びアノード層833Rにおいて、中央の円形状の部分における中央付近に、Z方向に貫通する孔部を形成しても良い。Z方向から見た孔部の形状は、例えば円形や四角形、或いは六角形や八角形等、種々の形状とすることができる。赤色の発光領域824Rは、第1の実施の形態における発光領域24Rから、アノード層733R等に形成された孔部に相当する部分が欠落したような形状となる。この場合、Z方向側から見たときに、当該孔部において、発光素子21Gの一部を発光素子821Rにより覆わないようにすることができる。またこの場合、アノード引出配線736R(
図14(B))と同様に、アノード層833Rにおける正方形状の部分において該アノード層833Rとアノード引出配線836R(図中に破線で示す)との接合面積を確保するよう、該アノード引出配線836Rの形状を設定することができる。
【0161】
さらには、例えば
図14(C)と対応する
図14(D)に示すLEDディスプレイ表示部902のように、LEDディスプレイ表示部802と同様の発光素子821Rを設けると共に、アノード引出配線836Rと異なる形状のアノード引出配線936Rを設けても良い。このアノード引出配線936Rは、発光素子821Rの孔部と重ならないように形成されている。このためLEDディスプレイ表示部902では、例えば緑色及び青色の光に関する透過率がやや低い材料であっても、アノード引出配線936Rの構成材料として採用することができる。第2~第5の実施の形態についても同様である。
【0162】
さらに上述した第1の実施の形態においては、発光素子21B、21G及び21Rの中心を、画素部8におけるXY平面上の中央に概ね合わせるように配置する形態について述べた(
図3~
図6)。しかし本発明はこれに限らず、例えば
図6(B)と対応する
図15に示すLEDディスプレイ表示部1002のように、発光素子1021B及び1021Gの中心を、画素部1008におけるXY平面上の中央から異なる位置へそれぞれ移動させるように配置しても良い。これにより、最下層となる緑色の光に関し、青色の発光素子21Gを通過する必要が無くなるため、光取出効率を高めることができる。第2~第5の実施の形態についても同様である。
【0163】
さらに上述した第1の実施の形態においては、第1の薄膜層20Bにおける発光層32B及びアノード層33Bを、第2の薄膜層20Gにおける発光層32G及びアノード層33Gと同等の大きさとし、Z方向から見た場合にはみ出すこと無く重なるように構成する形態について述べた(
図4~
図6)。しかし本発明はこれに限らず、例えば第1の薄膜層20Bにおける発光層32B及びアノード層33Bを、第2の薄膜層20Gにおける発光層32G及びアノード層33Gよりもひとまわり大きく形成する等、Z方向から見て少なくとも一部がはみ出すように構成しても良い。これにより、最下層に位置する青色の発光素子21Gから出射される青色の光に関し、発光面8Sからの光取出効率を高めることができる。第2~第5の実施の形態についても同様である。
【0164】
さらに上述した第2の実施の形態においては、LEDディスプレイ表示部202(
図8)において、第1の実施の形態によるLEDディスプレイ表示部2(
図6(B))に設けられていた第3の薄膜層220Rのカソードピラー45R及び共通配線層19を省略する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば第1の実施の形態と同様に、第3の薄膜層220Rにカソードピラー45Rを設けると共に共通配線層19を設けても良い。この場合、第2の薄膜層220Gにおいて、中間反射層272Gをカソードピラー45Gと電気的に接続しなくても良い。
【0165】
さらに上述した第2の実施の形態においては、下部反射層271B及び中間反射層272Gを何れも設ける形態について述べた(
図8及び
図9)。しかし本発明はこれに限らず、下部反射層271B及び中間反射層272Gの何れか一方のみを設けても良い。ただし、中間反射層272Gを省略する場合は、上述した形態と同様に、第3の薄膜層220Rにカソードピラー45Rを設けると共に共通配線層19を設けることが望ましい。また、中間反射層272GのZ方向に関する位置は、第2の薄膜層20G内における最も+Z方向側に限らず、発光素子21Rよりも-Z方向側となる任意の位置としても良い。さらに、下部反射層271BのZ方向に関する位置は、第1の薄膜層20B内における下地絶縁層25B及びカソード層31Bの間に限らず、例えば下地絶縁層25Bの-Z方向側等の任意の位置としても良い。
【0166】
さらに上述した第3の実施の形態においては、画素部308においてレンズ381を
第3の薄膜層220Rの+Z方向側に重なるように設ける形態について述べた(
図10)。しかし本発明はこれに限らず、例えば
図10と対応する
図16に示すLEDディスプレイ表示部1102のように、第3の薄膜層220Rの+Z方向側に可視光を透過する材料により構成されたかさ上げ層1182を設け、該かさ上げ層1182の+Z方向側にレンズ381を重ねるように設けても良い。この場合、かさ上げ層1182におけるZ方向の長さ(すなわち厚さ)を適切に設定することにより、Z方向に関しレンズ381の焦点Fを発光素子21Rに対する所望の位置に合わせることができる。
【0167】
さらに上述した第1の実施の形態においては、最もZ方向側の薄膜層20(第3の薄膜層20R)により赤色の光を発光させると共に、その-Z方向側(下側)の薄膜層(第2の薄膜層20G)により緑色の光を発光させる形態について述べた(
図6)。しかし本発明はこれに限らず、例えば最もZ方向側の薄膜層20により緑色の光を発光させると共に、その-Z方向側の薄膜層20により赤の光を発光させる等、各薄膜層20によりそれぞれ種々の色の光を発光させても良い。発光効率又は光取出効率が最も低い色の光を、最もZ方向側の薄膜層20により発光させることが好ましい。第2~第5の実施の形態についても同様である。
【0168】
さらに上述した第1の実施の形態では、LEDディスプレイ表示部2に第1の薄膜層20B、第2の薄膜層20G及び第3の薄膜層20Rといった3層の薄膜層20をZ方向に沿って積層するように設ける場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば2層又は4層以上の薄膜層20をZ方向に沿って積層した構成としても良い。この場合、最もZ方向側に位置する薄膜層20に設ける発光素子21の発光領域24を、他の薄膜層20に設ける発光素子21の発光領域24よりも大きくすることが望ましい。第2~第5の実施の形態についても同様である。
【0169】
さらに上述した第1の実施の形態においては、赤色の発光素子21Rを構成するカソード層31R、発光層32R及びアノード層33Rを、何れもGaN、AlGaN及びInGaN等のような、窒化ガリウム系又は窒化インジウムガリウム系の材料により構成する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばカソード層31R、発光層32R及びアノード層33Rのうち少なくとも1個を、他の材料により構成しても良い。青色の発光素子21B及び緑色の発光素子21Gについても同様である。また第2~第5の実施の形態についても同様である。
【0170】
さらに上述した第1の実施の形態においては、直視型であるLEDディスプレイ装置1に本発明を適用する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばプロジェクタや光源として使用されるディスプレイ装置に本発明を適用しても良い。第2~第5の実施の形態についても同様である。
【0171】
さらに上述した第1の実施の形態においては、半導体素子として発光素子21(21B、21G及び21R)を用いる場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばフォトダイオードやトランジスタ等、他の種々の半導体素子を用いても良い。第2~第5の実施の形態についても同様である。
【0172】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態にも適用範囲が及ぶものである。また本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態のうち任意の実施の形態に記載された構成の一部を抽出し、上述した各実施の形態及び他の実施の形態のうちの任意の実施の形態の構成の一部と置換・転用した実施の形態や、抽出された構成の一部を任意の実施の形態に追加した実施の形態にも適用範囲が及ぶものである。
【0173】
さらに上述した実施の形態においては、第1の層としての第1の薄膜層20Bと、第2の層としての第2の薄膜層20Gと、第3の層としての第3の薄膜層20Rとによって発光装置としてのLEDディスプレイ装置1を構成する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる第1の層と、第2の層と、第3の層とによって発光装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0174】
本発明は、例えば複数のLEDを平面状に配置したLEDディスプレイ装置で利用できる。
【符号の説明】
【0175】
1、201、301、401、501……LEDディスプレイ装置、2、202、302、402、502……LEDディスプレイ表示部、2A……表示領域、8、208、308、408、508……画素部、8L……画素長、8S、208S、508S……発光面、10……回路基板、10S……基板表面、11……基材部、12、12B、12G、12R、512B……アノード基板パッド、13……ダミー基板パッド、14……基板パッド群、18、218、418……薄膜層群、19……共通配線層、20……薄膜層、20B、220B、520B……第1の薄膜層、20G、220G、520G……第2の薄膜層、20R、220R、420R、520R……第3の薄膜層、21、21B、21G、21R、421R、521B、521G、521R……発光素子、22……発光部、23、23B、23G、23R、23C……垂直方向配線、24、24B、24G、24R、424R……発光領域、25B、25G、25R……下地絶縁層、26B、26G、26R……層間絶縁層、31B、31G、31R、431R……カソード層、32、32B、32G、32R、432R……発光層、33、33B、33G、33R、433R……アノード層、35B、35G、35R……カソード引出配線、36B、36G、36R……アノード引出配線、45B、45G、45R……カソードピラー、46GB、46RB、46RG……アノードピラー、271B……下部反射層、272G……中間反射層、381……レンズ、510……透明回路基板、511……透明基材部、519……反射層、E……発光方向、F……焦点。