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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092530
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】安全柵装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/20 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
B65G21/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208539
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000103426
【氏名又は名称】オークラ輸送機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】逸見 真己
(72)【発明者】
【氏名】松岡 勲
(72)【発明者】
【氏名】高野 則秀
(72)【発明者】
【氏名】城井 亮磨
【テーマコード(参考)】
3F025
【Fターム(参考)】
3F025BA02
3F025BB05
3F025BC01
(57)【要約】
【課題】直線状のコンベヤに加えてカーブコンベヤにも適用できる安全柵装置を提供する。
【解決手段】カーブコンベヤ10の幅方向の側部に、レール部材34がカーブコンベヤ10の円弧に沿って配置される。カーブコンベヤ10に取り付けられる支持部材35によりレール部材34がカーブコンベヤ10に支持される。取付部材36がレール部材34の任意の位置に取り付けられる。取付部材36により柵体31がカーブコンベヤ10の幅方向の側部に配置される。カーブコンベヤ10の側方に対する物体の通過を防止する障壁面31aを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーブコンベヤの幅方向の側部に、前記カーブコンベヤの円弧に沿って配置されるレール部材と、
前記カーブコンベヤに取り付けられるとともに前記レール部材を前記カーブコンベヤに支持する支持部材と、
前記レール部材の任意の位置に取り付けられる取付部材と、
前記取付部材に取り付けられ、前記カーブコンベヤの幅方向の側部に配置されて前記カーブコンベヤの側方に対する物体の通過を防止する障壁面を有する柵体と
を備えることを特徴とする安全柵装置。
【請求項2】
前記レール部材は、前記レール部材の円弧角度を等角度に分割されて、複数の分割エリアに区分され、
前記柵体は、平面状に形成された前記障壁面が前記レール部材の前記等角度の二等分線に直交するように、前記分割エリアに配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の安全柵装置。
【請求項3】
前記レール部材は、前記カーブコンベヤの外周側の側部と内周側の側部とに配置され、
前記カーブコンベヤの外周側の前記レール部材と内周側の前記レール部材とには、前記レール部材の円弧角度を等角度に分割されて、複数の分割エリアに区分され、
前記柵体は、前記カーブコンベヤの外周側の側部と内周側の側部ともに、平面状に形成された前記障壁面が前記レール部材の前記等角度の二等分線に直交するように、前記分割エリアに配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の安全柵装置。
【請求項4】
前記柵体は、前記カーブコンベヤの搬送面を上方から平面視したときに、前記レール部材の前記等角度の二等分線が、前記障壁面の中央と直交するように配置されている
ことを特徴とする請求項2または3記載の安全柵装置。
【請求項5】
前記取付部材は、前記レール部材の円弧を前記等角度に分割する各位置に間隔を置いて取り付けられ、前記間隔を置いて隣り合う2つの前記取付部材間に跨るように前記柵体を保持するとともに、隣接する前記柵体の隣り合う端部を一の前記取付部材で保持する
ことを特徴とする請求項2または3記載の安全柵装置。
【請求項6】
コンベヤの幅方向の側部に、前記コンベヤの搬送経路に沿って配置されるレール部材と、
前記コンベヤに取り付けられるとともに前記レール部材を支持する支持部材と、
前記レール部材の任意の位置に取り付けられる取付部材と、
前記取付部材に取り付けられ、前記コンベヤの幅方向の側部に配置されて前記コンベヤの側方に対する物体の通過を防止する障壁面を有する柵体と
を備えることを特徴とする安全柵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤの安全柵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されているように、直方形の枠体の内側にネットを張った安全柵が知られている。このような安全柵においては、例えば、コンベヤ設備において、安全柵をフロアに立設してコンベヤの幅方向の側部を囲んでコンベヤ領域を区画することで、作業者などがこのコンベヤ領域内に不用意に侵入することがないようにして設備の安全性を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7060458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンベヤ設備に設置されるコンベヤの形状としては直線状の他に円弧状のカーブコンベヤもあるため、直線状のコンベヤに加えてこのカーブコンベヤにおいても、同様の安全性確保のため安全柵装置の設置が必要とされることがある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、直線状のコンベヤに加えてカーブコンベヤにも適用できる安全柵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の安全柵装置は、カーブコンベヤの幅方向の側部に、前記カーブコンベヤの円弧に沿って配置されるレール部材と、前記カーブコンベヤに取り付けられるとともに前記レール部材を前記カーブコンベヤに支持する支持部材と、前記レール部材の任意の位置に取り付けられる取付部材と、前記取付部材に取り付けられ、前記カーブコンベヤの幅方向の側部に配置されて前記カーブコンベヤの側方に対する物体の通過を防止する障壁面を有する柵体とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、直線状のコンベヤに加えてカーブコンベヤにも適用できる安全柵装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態を示す安全柵装置を用いたカーブコンベヤの平面図である。
図2図1のA視の拡大断面図である。
図3】同上安全柵装置の安全柵の正面図である。
図4】同上安全柵装置の拡大断面図である。
図5】同上安全柵装置の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1および図2に、搬送方向が90°方向転換するように搬送物を搬送するカーブコンベヤ10を示す。カーブコンベヤ10は、搬送面を上方から見た平面視(図1)で中心点Oを中心とした90°の範囲の円弧状に形成されている。カーブコンベヤ10は、ベルト上に搬送物を搭載して搬送するベルトコンベヤの構成を示すが、円錐形のローラを搬送方向に沿って複数並設して回転駆動するローラコンベヤの構成であってもよく、さらに、搬送物を螺旋経路で上下に搬送するスパイラルコンベヤ、搬送物を積載した台車が円弧経路を走行して搬送物を仕分け位置まで搬送するクロスベルトソータやチルトトレイソータのような仕分けコンベヤであってもよく、一部または全部に円弧状の搬送軌道を有する種々のコンベヤをカーブコンベヤに含むことができる。
【0011】
カーブコンベヤ10は、搬送方向の上流側に配設された上流側コンベヤ11によって搬送されてくる搬送物を受け入れ、搬送方向を90°方向転換して搬送方向の下流側に配置される下流側コンベヤ12に搬出する。上流側コンベヤ11および下流側コンベヤ12は、搬送方向を直線方向とする直線状のベルトコンベヤやローラコンベヤなどで構成される。カーブコンベヤ10と上流側コンベヤ11および下流側コンベヤ12との間には、搬送物を乗り移らせるための乗移りローラ13が回転自在に配設されている。
【0012】
カーブコンベヤ10は、コンベヤフレーム15の搬送方向の上流側および下流側の端部にエンドプーリ16が配設され、これらエンドプーリ16間に無端状の平ベルトであるベルト17が掛け回されている。下流側のエンドプーリ16がモータで回転駆動されることにより、ベルト17の上面側であって搬送面を載せて搬送する搬送面領域17aが搬送方向に移動するようにベルト17が回行される。
【0013】
コンベヤフレーム15は、搬送方向に交差する幅方向の両側に、中心点Oを中心とする円弧状に設けられた外周側の側部フレーム18および内周側の側部フレーム19を備え、これら側部フレーム18,19上にベルト17の搬送面領域17aの下面側を摺動可能に支持する平板状の上部フレーム20が配設されている。コンベヤフレーム15は、脚体により床面から上方に離反した高さ位置に設置される。
【0014】
コンベヤフレーム15の外周側および内周側には、ベルト17で搬送する搬送物の側面をガイドするガイド面部21a,22aを有する円弧状のガイドフレーム21,22が配設されている。外周側のガイドフレーム21は、ガイド面部21aが上部フレーム20との間にベルト17が通過する間隔を空けて配置されるように、外周側の側部フレーム18上に設置されている。外周側のガイドフレーム21には、ガイド面部21aを支える複数のリブ21bが設けられている。リブ21bは、中心点Oを中心とする径方向に沿った板状とし、ガイドフレーム21の円弧に沿って例えば等間隔となる複数箇所に設けられている。リブ21bのガイド面部21aとは反対の外側縁には、傾斜状の傾斜縁部21cが形成されている。また、内周側のガイドフレーム22は、上部フレーム20の上面に設置されている。内周側のガイドフレーム22には、ガイド面部22aを支える複数のリブ22bが設けられている。リブ22bは、中心点Oを中心とする径方向に沿った板状とし、ガイドフレーム22の円弧に沿って例えば等間隔となる複数箇所に設けられている。リブ22bのガイド面部22aとは反対の外側縁には、傾斜状の傾斜縁部22cが形成されている。
【0015】
また、カーブコンベヤ10の幅方向の側部には、作業者などがカーブコンベヤ10の可動部などに接触するのを防止する安全柵装置30が設置されている。安全柵装置30には、カーブコンベヤ10の幅方向の外周側の側部に設置される外周側の安全柵装置30aと、内周側の側部に設置される内周側の安全柵装置30bとが含まれる。
【0016】
安全柵装置30は、平面状の柵体31を用いている。図3に示すように、柵体31は、一方の対向する2辺が他方の対向する2辺よりも長い長方形とし、隣接する2つの辺のなす角度が90°とする直方形に形成されている。柵体31は、例えばアルミニウムなどの金属の枠体である直方形の柵フレーム32と、この柵フレーム32の内側に取り付けられた柵部材33とを備えている。柵部材33は、例えば、複数の孔を有するネットが用いられるが、ビニールなどのシート、メッシュ、金網、アクリル板などであってもよい。柵体31の枠フレーム32と柵部材33は障壁面31aとして、側面視で平面状であり、カーブコンベヤ10の領域内への人物などの侵入つまり、物体の通過を防いでいる。
【0017】
安全柵装置30は、カーブコンベヤ10の幅方向の側部にカーブコンベヤ10の円弧に沿って円弧状に配置されるレール部材34と、レール部材34をカーブコンベヤ10に支持する複数の支持部材35と、レール部材34の任意の位置に取り付けられる複数の取付部材36と、取付部材36によりカーブコンベヤ10の幅方向の側部に配置される直方形の柵体31と、を備えている。
【0018】
レール部材34は、カーブコンベヤ10の円弧に沿った円弧状に曲げ加工されているものであって、中心点Oを中心としてレール部材34の配置位置に対応した円弧に曲げ加工されている。レール部材34には、曲げ加工が容易な円筒状のパイプが用いられるが、断面略Cの字形の棒や、中実の棒でもよい。レール部材34の外周面形状は、円形であるが、楕円形や、四角形などの多角形を含む非円形でもよい。
【0019】
レール部材34は、支持部材35によりカーブコンベヤ10の幅方向の側部に対して上方位置と下方位置との2箇所に配置される。レール部材34は、上流側コンベヤ11の一部からカーブコンベヤ10を経て下流側コンベヤ12の一部に至る領域に対応して配置されているが、少なくともカーブコンベヤ10の領域に対応して配置されていればよい。レール部材34は、長手方向に一体に構成されていてもよいし、長手方向に複数に分割されていて連結部材などを介して一体的に連結されてもよい。
【0020】
支持部材35は、ガイドフレーム21,22のリブ21b,22bに取り付けられ、レール部材34を支持する。図4および図5には、外周側の安全柵装置30aの支持部材35を示す。支持部材35は、ガイドフレーム21のリブ21bに取り付けられる第1ブラケット40と、この第1ブラケット40に対して上下方向および中心点Oを中心とする径方向に位置調整可能に取り付けられる第2ブラケット41とを備えている。
【0021】
第1ブラケット40は、横断面略Lの字形に形成され、一端側に取り付けられた2つの取付ブロック42によってリブ21bに取り付けられている。取付ブロック42にはリブ21bの傾斜縁部21cが挿入される取付溝43が設けられ、取付ブロック42の一側部に螺合されるボルトが取付溝43内に突出してリブ21bを取付ブロック42の他側部との間に挟み込むことで、取付ブロック42がリブ21bの傾斜縁部21cに取り付けられる。リブ21bの傾斜縁部21cの傾斜に沿って取付ブロック42の取付位置を調整することで、第1ブラケット40の上下方向および中心点Oを中心とする径方向の位置を調整可能とする。なお、取付ブロック42の両側部からボルトを螺合し、これらボルト間で取付溝43内のリブ21bを挟み込んで取り付けてもよい。また、第1ブラケット40の他端側には、第2ブラケット41の取付領域に、上下方向に長い2つの長孔44が上下に離間して設けられている。
【0022】
第2ブラケット41は、上下方向に長い横断面略Lの字形に形成され、上下方向の中間部に水平方向に長い2つの長孔45が上下に離間して設けられている。そして、第1ブラケット40の長孔44および第2ブラケット41の長孔45にボルト46が挿通されることで第2ブラケット41が第1ブラケット40に支持され、ボルト46に対する上下方向の長孔44および水平方向の長孔45の位置が調整されることで第2ブラケット41の位置が調整され、ボルト46とこのボルト46の先端側に螺合されるナットとの間で第2ブラレット41を第1ブラケット40に締め付けることで第2ブラケット41が第1ブラケット40に固定される。
【0023】
第2ブラケット41の上下端部には、レール部材34を取り付ける係合部材47が取り付けられている。係合部材47は、平面視の形状が略コの字形で、中間部がボルト48で第2ブラケット41に取り付けられ、一端側の係合部49がレール部材34の上面側に係合され、他端側の係合部50がレール部材34の下面側に係合され、これら両端の係合部49,50が係合した状態でレール部材34を支持する。係合部材47がレール部材34を支持した状態では、係合部材47に対してレール部材34が長手方向(円弧方向)に摺動して位置調整可能とする。
【0024】
内周側の安全柵装置30bの支持部材35についても、外周側の安全柵装置30aの支持部材35と同様に構成されている。
【0025】
なお、レール部材34がカーブコンベヤ10の上流側コンベヤ11および下流側コンベヤ12の側部まで延設されている場合には、レール部材34を支持する支持部材35が各コンベヤ11,12に取り付けられる。
【0026】
また、取付部材36は、取付板53と、この取付板53の一端側をレール部材34に取り付ける取付具である略Uの字形のUボルト54とを備えている。上方位置のレール部材34に対しては、このレール部材34の上面側に取付板53が配置され、レール部材34に対して下方から跨るように係合するUボルト54の両端が取付板53を挿通して上面側に突出され、Uボルト54の両端にナット55が螺合されることで、取付板53とUボルト54との間でレール部材34を締め付けて固定されている。下方位置のレール部材34に対しては、このレール部材34の下面側に取付板53が配置され、レール部材34に対して上方から跨るように係合されるUボルト54の両端が取付板53を挿通して下面側に突出され、Uボルト54の両端にナット55が螺合されることで、取付板53とUボルト54との間でレール部材34を締め付けて固定されている。そして、ナット55が緩められている状態では、レール部材34の長手方向(円弧方向)に取付板53を移動させることができて取付位置を調整可能とする。
【0027】
レール部材34に取り付けられる取付板53の一端側とは反対の他端側には、柵体31を取り付けるため柵体取付部である長孔56が設けられている。長孔56は、取付板53がUボルト54によってレール部材34に取り付けられた状態で、中心点Oを中心とする径方向に沿った方向に対応して長く形成されている。上方位置のレール部材34に取り付けられた取付板53の下面側と下方位置のレール部材34に取り付けられた取付板53の上面側との間に柵体31の端部が配置され、上下の各取付板53の長孔56を通じて締結具であるボルト57が柵体31の柵フレーム32に螺着されることで、上下の取付板53間に柵体31の端部が取り付けられる。レール部材34の長手方向(円弧方向)に隣り合う2つの取付部材36間に跨るように柵体31が取り付けられる。なお、一つの取付部材36には、隣り合う柵体31の下流側端部と上流側端部とが取り付けられており、一つの取付部材36で隣り合う柵体31の2つの端部を保持しており、取付部材36は隣り合う柵体31に対して共用される部材である。
【0028】
取付部材36は、レール部材34の円弧角度を同じ角度θ毎であって例えば30°毎に等分割する等角度の各位置に取り付けられる。この取付部材36により取り付けられる柵体31は、レール部材34が分割された角度θである30°の二等分線(図1の1点鎖線)に直交するレール部材34の円弧の接線(レール部材34の中心の円弧の接線、またはレール部材34の最外径部の円弧の接線)に沿った位置に配置されている。分割された角度θである30°の二等分線は、カーブコンベヤ10を上方から平面視したとき、柵体31の障壁面31aの中央に対して直交している。なお、レール部材34は、角度θ毎に複数の分割エリアに区分されており、分割エリアに対して柵体31が一対一で配置されることになる。
【0029】
また、角度θの二等分線に直交するレール部材34の円弧の接線に沿った位置には、その接線に柵体31の一部(中央部分)が重なる位置(レール部材34に柵体31が接触する位置)と、その接線に柵体31が重ならないがその平行な位置とが含まれる。つまり、柵体31は、レール部材34の接線と平行な状態でレール部材34から離して配置することも可能であり、カーブンベヤ10の領域を側面に向けて拡げて設定することもできる。なお、上述の中央、直交、重なる、平行、等角度などは、厳密な直交などだけではなく、略中央、略直交、略重なる、略平行、略等角度などの加工、組立および設置などによる誤差を含むものである。
【0030】
取付部材36によりカーブコンベヤ10の円弧方向に沿って複数の柵体31が連続的に配置されるため、カーブコンベヤ10の幅方向の側部が複数の柵体31で覆われる。
【0031】
なお、レール部材34がカーブコンベヤ10の上流側コンベヤ11および下流側コンベヤ12の側部まで延設されている場合には、レール部材34の任意の位置に取り付けられる取付部材36により各コンベヤ11,12の側部に柵体31が連続して配置される。各コンベヤ11,12の側部に柵体31は、カーブコンベヤ10の側部に配置される柵体31と共通でもよいし、寸法や形状などが別の構成でもよい。
【0032】
また、安全柵装置30は、カーブコンベヤ10と柵体31との間の下面側を覆うように、例えばネットなどを用いた下面側覆い部を配置してもよく、例えばカーブコンベヤ10の内側または外側の一方が設備の壁面近くにある場合など、カーブコンベヤ10の設置状況や使用環境に応じて内側または外側の片側だけに安全柵装置30を設置してもよい。
【0033】
なお、安全柵装置30はカーブコンベヤ10の搬送領域への侵入を防止するのみならず、カーブコンベヤ10の下方まで覆うように設置することもでき、柵体31の上下方向長さを変更することによってカーブコンベヤ10の上下方向の領域を任意に区画することができる。
【0034】
また、上流側コンベヤ11および下流側コンベヤ12にもカーブコンベヤ10と同様に、これらコンベヤ11,12の幅方向の側部に支持部材35が取り付けられ、コンベヤ11,12の搬送経路に沿って配置されたレール部材34が支持部材35に支持されており、レール部34の任意の位置に取付部材36が取り付けられており、コンベヤ11,12の領域に対する物体の通過を防止する障壁面31aを有する柵体31が取付部材36に取り付けられていることから、安全柵装置30は直線状の上流コンベヤ11および下流コンベヤ12に対しても設置することができる。これにより、直線状のコンベヤであっても、搬送方向に沿ったレール部材34に対して取付部材36を任意の場所に付けることができるため、直線状の上流コンベヤ11および下流コンベヤ12に対しても取付部材36の位置や配置に応じた形状(寸法)の柵体31を取り付けることができ、設計、製造などの自由度も確保される。
【0035】
そして、安全柵装置30においては、カーブコンベヤ10に対して同形状の直方形の柵体31を使用し、この柵体31をカーブコンベヤ10の側部に沿って配置できるため、カーブコンベヤ10に対して直線状のコンベヤの場合と同様にカーブコンベヤ領域に対して、作業者等の物体の通過を防ぐことで安全性確保が可能となる。
【0036】
カーブコンベヤ10の円弧に沿って円弧状のレール部材34が配置されるため、このレール部材34の任意の位置に取付部材36を取り付けることができ、取付部材36の位置の自由度が確保される。カーブコンベヤ10に対して取付部材36の位置が固定されている場合、取付部材36の位置によっては柵体31の寸法を変更しなければならず、1つのカーブコンベヤ10に対して複数種類の寸法の柵体31を用いる必要があるが、円弧状のレール部材34に対する取付部材36の位置の自由度が確保されることにより、同寸法(同形状)の直方形の柵体31を使用でき、コストおよび組立工数の削減の点で有利な構成にできる。
【0037】
また、柵体31を同形状の直方体とすることで、柵体31の製造が容易となり、様々な大きさや形状の異なるカーブコンベヤ10への設置であっても安全柵装置30の設置コストが低減できる。
【0038】
レール部材34は、レール部材34の円弧角度を等角度に分割されて、複数の分割エリアに区分され、柵体31は、平面状に形成された障壁面31aがレール部材34の等角度の二等分線に直交するように、分割エリアに配置されているため(言い換えれば、障壁面31aがレール部材34の円弧の接線と平行または重なるようレール部材34の分割エリアに配置されているため)、柵体31の設置によってカーブコンベヤ10の周囲のスペースを大きく取るようなことがなく、柵体31を省スペースで設置できる。
【0039】
カーブコンベヤ10の外周側の側部と内周側の側部とには、レール部材34の円弧角度を等角度に分割されて、複数の分割エリアに区分され、柵体31は、カーブコンベヤ10の外周側の側部と内周側の側部ともに、平面状に形成された障壁面31aがレール部材34の等角度の二等分線に直交するように、分割エリアに配置されることにより(言い換えれば、障壁面31aがレール部材34の円弧の接線と平行または重なるようにレール部材34の分割エリアに配置されることにより)、カーブコンベヤ10の外周側の柵体31と内周側の柵体31との間の上面側を蓋部材で覆う場合、同形状の台形状の蓋部材を使用することができ、コストおよび組立工数の削減の点で有利な構成にできる。なお、蓋部材は、柵体31と同様に、柵フレームの内側にネットやアクリル板などの柵部材を配置したものが用いられる。
【0040】
柵体31は、カーブコンベヤ10の搬送面を上方から平面視したときに、レール部材34の等角度の二等分線が、障壁面31aの中央と直交するように配置されるため、レール部材34の複数の分割エリアに配置できる。
【0041】
取付部材36は、レール部材34の円弧を等角度に分割する各位置に間隔を置いて取り付けられ、間隔を置いて隣り合う2つの取付部材36間に跨るように柵体31を保持するとともに、隣接する柵体31の隣り合う端部を一の取付部材36で保持するため、枠体31の取り付けに用いられる取付部材36の数を削減できる。
【0042】
なお、取付部材36を取り付けるためのカーブコンベヤ10の外周側のレール部材34の円弧を等分割する角度と、カーブコンベヤ10の内周側のレール部材34の円弧を等分割する角度θとは異なっていてもよい。例えば、外周側の角度は30°、内周側の角度は45°としてもよく、この場合、内周側に使用される同形状の直方形の柵体31は2つだけで済み、それに伴って取付部材36の使用数や組立工数を削減できる。
【0043】
支持部材35により上下方向に離間した位置にレール部材34がそれぞれ支持され、これら上下のレール部材34にそれぞれ取り付けられる上下の取付部材36の間に柵体31が取り付けられるため、柵体31をカーブコンベヤ10に対して確実に支持できる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態およびその変形例について説明したが、種々の構成の組み合わせ、一部の省略、置き換えおよび変更も可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 カーブコンベヤ
30 安全柵装置
31 柵体
31a 障壁面
34 レール部材
35 支持部材
36 取付部材
図1
図2
図3
図4
図5