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特開2024-92533モビリティ利用者に対するサービス提供装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092533
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】モビリティ利用者に対するサービス提供装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/08 20120101AFI20240701BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20240701BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20240701BHJP
   A61B 5/22 20060101ALI20240701BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20240701BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20240701BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20240701BHJP
   A61B 5/18 20060101ALI20240701BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B60W40/08
A61B5/113
A61B5/16 130
A61B5/22 220
A61B5/02 310J
A61B5/0245 C
B60W50/14
A61B5/18
G08G1/16 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208544
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿形 光敏
(72)【発明者】
【氏名】杉山 孝美
(72)【発明者】
【氏名】中野 潤
(72)【発明者】
【氏名】福島 悠真
【テーマコード(参考)】
3D241
4C017
4C038
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA51
3D241BA60
3D241DD01Z
3D241DD04Z
4C017AA02
4C017AA09
4C017AA10
4C017AA14
4C017AA20
4C017AB07
4C017AC03
4C017AC20
4C017BB12
4C017BC11
4C017BC21
4C017CC02
4C017CC06
4C017CC08
4C017CC10
4C017EE17
4C038VA04
4C038VA15
4C038VA16
4C038VA18
4C038VB01
4C038VB03
4C038VB04
4C038VB12
4C038VB14
4C038VB31
4C038VB32
4C038VB33
4C038VC05
4C038VC20
5H181AA01
5H181BB04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF25
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL20
(57)【要約】
【課題】モビリティ利用者の身体状態に応じた適切なサービスを提供することができるサービス提供装置を提供する。
【解決手段】モビリティ利用者に対するサービス提供装置10は、現在モビリティ2の利用時にモビリティセンサ11により取得された生体情報に基づいて得られるモビリティ利用者の身体状態を表す現在情報を取得する現在情報取得部12と、過去に少なくともモビリティ非利用時におけるモビリティ利用者の身体状態を表す過去情報を記憶する過去情報記憶部32と、現在情報を表す変数および過去情報を表す変数による二次元系において複数象限A1~A4に区分した区分マップM1を用いて、複数象限A1~A4において該当する象限を判定する判定部13と、判定部13により判定された該当する象限に応じて、モビリティ利用者に特定のサービスを提供するサービス提供部14とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モビリティまたはモビリティ利用者に取り付けられ、前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用している際に前記モビリティ利用者の生体情報を取得するモビリティセンサと、
現在前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用している状態において、前記モビリティセンサにより取得された前記生体情報に基づいて得られる前記モビリティ利用者の身体状態を表す現在情報を取得する現在情報取得部と、
過去に少なくとも前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用していない状態における前記モビリティ利用者の身体状態を表す過去情報を記憶する過去情報記憶部と、
前記現在情報として取り得る範囲を複数に区分し、かつ、前記過去情報として取り得る範囲を複数に区分することにより、前記現在情報を表す変数および前記過去情報を表す変数による二次元系において複数象限に区分した区分マップを記憶する区分マップ記憶部と、
前記現在情報取得部により取得された前記現在情報と前記過去情報記憶部に記憶された前記過去情報とに基づいて、前記区分マップの前記複数象限において該当する象限を判定する判定部と、
前記判定部により判定された前記該当する象限に応じて、前記モビリティ利用者に特定のサービスを提供するサービス提供部と、
を備える、モビリティ利用者に対するサービス提供装置。
【請求項2】
前記区分マップは、前記現在情報として取り得る範囲を2以上に区分し、かつ、前記過去情報として取り得る範囲を2以上に区分することにより、前記現在情報を表す変数および前記過去情報を表す変数による二次元系において4個以上の象限に区分されている、請求項1に記載のモビリティ利用者に対するサービス提供装置。
【請求項3】
前記現在情報は、
現在前記モビリティを利用している状態の前記モビリティ利用者についての、
眠気を表す指標値、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値、のうちの1つ、または、これらに基づいて得られる総合値である、請求項1または2に記載のモビリティ利用者に対するサービス提供装置。
【請求項4】
前記モビリティセンサは、心拍信号、呼吸信号、脈波信号、心弾動信号、顔の動作、体動、前記モビリティの操舵部材の把持力のうちの少なくとも1つを、前記生体情報として取得し、
前記現在情報取得部は、前記生体情報に基づいて演算により前記現在情報を取得する、請求項3に記載のモビリティ利用者に対するサービス提供装置。
【請求項5】
前記過去情報は、
過去に前記モビリティを利用していない状態の前記モビリティ利用者についての、
睡眠時における、睡眠状態を表す指標値、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、心拍信号に基づいて得られる0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値、体動の程度を表す指標値、
のうちの少なくとも1つ、または、これらのうちの少なくとも2つ以上に基づいて得られる総合値である、請求項1または2に記載のモビリティ利用者に対するサービス提供装置。
【請求項6】
前記過去情報は、過去に前記モビリティを利用していない状態の前記モビリティ利用者についての、睡眠時における、前記睡眠状態を表す指標値、または、前記睡眠状態を表す指標値に基づいて得られる総合値であり、
睡眠時における前記睡眠状態を表す指標値は、睡眠時間、睡眠深度、睡眠効率、いびき時間、いびきの大きさ、無呼吸時間、呼吸間隔、寝返り回数のうち少なくとも1つに基づいて得られる値である、請求項5に記載のモビリティ利用者に対するサービス提供装置。
【請求項7】
さらに、寝具または前記モビリティ利用者に取り付けられ、前記モビリティ利用者が睡眠時における前記睡眠状態を表す指標値を取得する非利用時センサを備え、
前記過去情報記憶部は、前記非利用時センサにより得られた前記睡眠状態を表す指標値を記憶する、請求項5に記載のモビリティ利用者に対するサービス提供装置。
【請求項8】
前記過去情報は、
過去に前記モビリティを利用していない状態の前記モビリティ利用者についての、
睡眠時における、睡眠状態を表す指標値、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値、体動の程度を表す指標値、
着座時における、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値、体動の程度を表す指標値、
のうちの少なくとも1つ、または、これらのうちの少なくとも2つ以上に基づいて得られる総合値である、請求項1または2に記載のモビリティ利用者に対するサービス提供装置。
【請求項9】
さらに、寝具、座具、または、前記モビリティ利用者に取り付けられ、前記モビリティ利用者が睡眠時または着座時における情報を取得する非利用時センサを備え、
前記過去情報記憶部は、前記非利用時センサにより得られた情報を記憶する、請求項8に記載のモビリティ利用者に対するサービス提供装置。
【請求項10】
前記過去情報は、さらに、
過去に前記モビリティを利用していない状態の前記モビリティ利用者についての、
睡眠時における、睡眠状態を表す指標値、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値、体動の程度を表す指標値、
着座時における、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値、体動の程度を表す指標値、
過去に前記モビリティを利用している状態の前記モビリティ利用者における、
眠気を表す指標値、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値、顔の動作を表す指標値、体動の程度を表す指標値、前記モビリティの操舵部材の把持力、
のうちの少なくとも2つに基づいて得られる総合値である、請求項8に記載のモビリティ利用者に対するサービス提供装置。
【請求項11】
前記モビリティセンサは、前記過去情報として、
過去に前記モビリティを利用している状態の前記モビリティ利用者における、
眠気を表す指標値、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値、顔の動作を表す指標値、体動の程度を表す指標値、前記モビリティの操舵部材の把持力のうちの少なくとも1つを取得する、請求項10に記載のモビリティ利用者に対するサービス提供装置。
【請求項12】
前記サービス提供部により提供される前記サービスは、
前記モビリティに設けられた表示画面に表示する処理、
前記モビリティに設けられたスピーカによる音出力処理、
前記モビリティに設けられた振動部材の振動付与処理、
前記モビリティ利用者に装着されたウエアラブル機器に設けられた表示画面に表示する処理、
前記モビリティ利用者に装着されたウエアラブル機器に設けられたスピーカによる音出力処理、
前記モビリティ利用者に装着されたウエアラブル機器に設けられた振動部材の振動付与処理、
前記モビリティ利用者の携帯端末に設けられた表示画面に表示する処理、
前記モビリティ利用者の携帯端末に設けられたスピーカによる音出力処理、
前記モビリティ利用者の携帯端末に設けられた振動部材の振動付与処理、
の少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載のモビリティ利用者に対するサービス提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モビリティ利用者に対するサービス提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、運転者の過去の睡眠状態や運転時以外の覚醒時の生体状態、運転時の生体状態の情報に基づいて、運転者の生体状態を判断し、運転者の生体状態の報知、生体状態に応じた警告やアドバイスの報知、生体状態に応じて車両を安全に走行するための制御を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-203913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術によれば、運転者の過去の状態から現在の状態までを考慮して、現在運転中である運転者の生体状態を判断している。つまり、上記技術では、過去の状態を加味して、現在運転中である運転者の生体状態を判断しているにすぎない。
【0005】
例えば、現在運転中である運転者において眠気が強い状態であって、運転者の過去の睡眠状態等が不良である場合には、現在運転中である運転者に対して、警告等を行うことが適切である。この場合、過去も現在も不調であるため、上記技術によれば、現在運転中である運転者の身体状態は、不調であると判断される。従って、警告等が行われることになる。
【0006】
また、現在運転中である運転者において眠気が全くなく完全に覚醒している状態であって、運転者の過去の睡眠状態等が良好である場合には、現在運転中である運転者に対して、警告等を行う必要がない。この場合、過去も現在も良好であるため、上記技術によれば、現在運転中である運転者の身体状態は、良好であると判断される。従って、警告等を行うことはない。
【0007】
しかし、上記の態様の他に、現在運転中である運転者の眠気が強い場合であるのに対して、運転者の過去の睡眠状態等は極めて良好な場合がある。さらに、現在運転中である運転者の眠気が全くなく完全に覚醒している状態であるのに対して、運転者の過去の睡眠状態等は不調である場合がある。
【0008】
これらの態様について、上記技術において、現在運転中である運転者の身体状態がどのように判断されるか明らかではない。現在運転中である運転者において眠気が強い状態には、過去の睡眠状態がどのようであれ、警告を行う方が良い場合がある。一方、現在運転中である運転者において眠気が全くなく完全に覚醒している状態であって、運転者の過去の睡眠状態等が良好である場合には、直ちに警告を行う必要がない場合もある。
【0009】
このように、現在運転中である運転者に対する対応を、現在の運転者の身体状態と過去の運転者の身体状態とを区別するのが適切である。しかしながら、上記技術においては、適切に対応できているとは言えない。
【0010】
近年、車両の他に、種々のモビリティが存在する。上記は、モビリティ全般において同様である。
【0011】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、モビリティを利用しているモビリティ利用者の身体状態に応じた適切なサービスを提供することができるモビリティ利用者に対するサービス提供装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、モビリティまたはモビリティ利用者に取り付けられ、前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用している際に前記モビリティ利用者の生体情報を取得するモビリティセンサと、
現在前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用している状態において、前記モビリティセンサにより取得された前記生体情報に基づいて得られる前記モビリティ利用者の身体状態を表す現在情報を取得する現在情報取得部と、
過去に少なくとも前記モビリティ利用者が前記モビリティを利用していない状態における前記モビリティ利用者の身体状態を表す過去情報を記憶する過去情報記憶部と、
前記現在情報として取り得る範囲を複数に区分し、かつ、前記過去情報として取り得る範囲を複数に区分することにより、前記現在情報を表す変数および前記過去情報を表す変数による二次元系において複数象限に区分した区分マップを記憶する区分マップ記憶部と、
前記現在情報取得部により取得された前記現在情報と前記過去情報記憶部に記憶された前記過去情報とに基づいて、前記区分マップの前記複数象限において該当する象限を判定する判定部と、
前記判定部により判定された前記該当する象限に応じて、前記モビリティ利用者に特定のサービスを提供するサービス提供部と、
を備える、モビリティ利用者に対するサービス提供装置にある。
【発明の効果】
【0013】
上記態様によれば、サービス提供装置は、現在情報取得部および過去情報記憶部を備える。現在情報取得部は、現在モビリティ利用者がモビリティを利用している状態におけるモビリティ利用者の身体状態を表す現在情報を取得している。また、過去情報記憶部は、過去に少なくともモビリティ利用者がモビリティを利用していない状態におけるモビリティ利用者の身体状態を表す過去情報を記憶している。つまり、サービス提供装置は、モビリティ利用者の現在情報および過去情報を取得することができる。
【0014】
さらに、サービス提供装置は、区分マップ記憶部を備える。区分マップ記憶部が記憶する区分マップは、現在情報として取り得る範囲を複数に区分し、かつ、過去情報として取り得る範囲を複数に区分することにより、現在情報を表す変数および過去情報を表す変数による二次元系において複数象限に区分したマップである。つまり、区分マップは、現在情報と過去情報とを別変数とした二次元系にて定義した上で、当該二次元系において複数象限に区分されている。換言すると、区分マップにおいて、現在情報を表す変数と過去情報を表す変数とが独立した変数とされている。
【0015】
そして、サービス提供装置の判定部が、現在情報取得部により取得された現在情報と過去情報記憶部に記憶された過去情報とに基づいて、区分マップの複数象限において該当する象限を判定している。この判定結果である該当する象限に応じて、サービス提供部がモビリティ利用者に特定のサービスを提供する。つまり、区分マップにおいて現在情報と過去情報とを独立して評価して、区分マップにおいて現在情報と過去情報との関係性から該当する象限を導出し、該当する象限に応じたサービスを提供している。
【0016】
このように、現在情報である現在のモビリティ利用者の身体状態と、過去情報である過去のモビリティ利用者の身体状態とを区別して、サービス提供を行っている。その結果、例えば、現在情報である現在のモビリティ利用者の身体状態が良好であって、過去情報である過去のモビリティ利用者の身体状態が不調である場合と、現在情報である現在のモビリティ利用者の身体状態が不調であって、過去情報である過去のモビリティ利用者の身体状態が良好である場合とを、区別してサービスを提供することができる。つまり、モビリティ利用者にとって、より適切なサービスを提供することができる。
【0017】
以上のごとく、上記態様によれば、モビリティを利用しているモビリティ利用者の身体状態に応じた適切なサービスを提供することができるモビリティ利用者に対するサービス提供装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態1における、サービス提供システムの構成を示す図。
図2】実施形態1における、サービス提供システムを構成するサービス提供装置の構成を示す図。
図3】現在情報取得部による処理を示すフローチャート。
図4】過去情報取得部による処理を示すフローチャート。
図5】区分マップ記憶部に記憶される区分マップを示す図。
図6】判定部による処理を示すフローチャート。
図7】実施形態2における、現在情報取得部による処理を示すフローチャート。
図8】実施形態3における、現在情報取得部による処理を示すフローチャート。
図9】実施形態4における、区分マップ記憶部に記憶される区分マップを示す図。
図10】実施形態5における、サービス提供装置の構成を示す図。
図11】実施形態5における、過去情報取得部による処理を示すフローチャート。
図12】実施形態6における、サービス提供装置の構成を示す図。
図13】実施形態7における、サービス提供装置の構成を示す図。
図14】実施形態8における、サービス提供システムの構成を示す図。
図15】実施形態8における、サービス提供システムを構成するサービス提供装置の構成を示す図。
図16】実施形態9における、サービス提供装置の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
1.モビリティ利用者に対するサービス提供装置の概要
本形態のサービス提供装置は、モビリティ利用者がモビリティを利用している際に、モビリティ利用者に対して、モビリティ利用者の身体状態に応じた特定のサービスを提供する。例えば、モビリティ利用者がモビリティを利用している際に、サービス提供装置は、モビリティ利用者の身体状態として眠気の程度や健康状態を判定し、判定結果に応じた適切なサービスを提供する。
【0020】
本形態において、モビリティとは、人の関わりによって、人やものを移動させる移動手段である。特に、本形態においては、モビリティは、搭乗した人が操作して移動する手段、搭乗した人が監視しながら移動する手段、人の遠隔操作によって人やものを移動させる手段、人の遠隔監視によって人やものを移動させる手段等を含む。例えば、モビリティには、乗用自動車(四輪車、二輪車、立ち乗り二輪車等を含む)、貨物用自動車、作業用自動車、無人自動車、電車、気動車等の車両、船舶、航空機(飛行機、ヘリコプター、飛行船等を含む)、乗用ドローン、電動車いす等を含む。
【0021】
本形態のモビリティ利用者とは、モビリティに搭乗してモビリティを操作する者、モビリティに搭乗してモビリティの移動を監視する者、モビリティを遠隔操作する者、モビリティを遠隔監視する者等を含む。
【0022】
サービス提供装置は、モビリティ利用者に対して提供するサービスとして、モビリティ利用者の身体状態に応じて、視覚、聴覚、触覚等に作用する処理を行う。例えば、視覚に作用するサービスとして、表示画面に、身体状態の情報を表示したり、身体状態に応じた対策を表示したり、休憩を促す場合にはルート案内をしたりする。聴覚に作用するサービスとして、スピーカより、身体状態の情報を音声で出力したり、身体状態に応じた対策を音声で出力したり、休憩を促す場合にはルート案内を音声で出力したりする。触覚に作用するサービスとしては、身体状態に応じた振動を付与したり、空調を調整したりする。
【0023】
2.サービス提供装置10を適用したサービス提供システム1の構成
本形態のサービス提供装置10を適用したサービス提供システム1の構成について図1を参照して説明する。図1に示すように、サービス提供システム1は、モビリティ2、寝具3、デスクワークスペースに配置されたワークセット4、家の中におけるくつろぎスペースに配置された家具セット5、クラウドサーバ6等を備えて構成される。ただし、ワークセット4、家具セット5は備えない構成とすることもできる。
【0024】
モビリティ2は、上述したように、人の関わりによって、人やものを移動させる移動手段である。本形態では、モビリティ2は、乗用自動車を例にあげる。従って、モビリティ利用者は、モビリティ2の運転者等となる。モビリティ2、寝具3、ワークセット4、家具セット5、クラウドサーバ6は、ネットワークを構成し、インターネット等を介して通信可能に構成されている。
【0025】
モビリティ2、寝具3、ワークセット4、家具セット5のそれぞれには、センサが設けられている。また、モビリティ2には、センサの他に、視覚、聴覚または触覚に作用させるサービス提供装置が設けられている。クラウドサーバ6は、寝具3、ワークセット4、家具セット5等が備えるセンサにより検出された情報等を記憶することができる。
【0026】
3.サービス提供装置10の構成
本形態におけるサービス提供装置10の構成について、図2図7を参照して説明する。以下において、現在とは、モビリティ利用者がモビリティ2を利用している状態を表す。つまり、サービス提供装置10は、モビリティ利用者が現在モビリティ2を利用している際に、特定のサービスを提供する。なお、過去とは、上述した現在よりも前の時間を表す。つまり、過去においては、モビリティ利用者がモビリティ2を利用していない時間帯のみならず、モビリティ2を利用している時間帯も存在する。
【0027】
図2に示すように、サービス提供装置10は、モビリティ2に、モビリティセンサ11、現在情報取得部12、判定部13、サービス提供部14を備える。現在情報取得部12、判定部13、サービス提供部14は、コンピュータのプロセッサにより構成される。
【0028】
モビリティセンサ11は、モビリティ2に取り付けられ、モビリティ利用者がモビリティ2を利用している際にモビリティ利用者の生体情報を取得する。モビリティセンサ11は、モビリティ利用者における、眠気や健康状態に影響を及ぼす生体情報を取得する。具体的には、モビリティセンサ11は、モビリティ利用者における、心拍信号、呼吸信号、脈波信号、心弾動信号、顔の動作、体動、モビリティ2の操舵部材の把持力のうちの少なくとも1つを、生体情報として取得する。
【0029】
モビリティセンサ11は、例えば、座面に設置され、モビリティ利用者の大腿部の振動を検出するセンサを適用することができる。このセンサは、振動に伴う圧力を検出するための静電容量センサまたは圧電センサ等を適用することができる。この場合、モビリティセンサ11は、大腿部の振動信号に基づいて、モビリティ利用者の心拍信号、呼吸信号、脈波信号、心弾動信号、体動の少なくとも1つを検出することができる。また、モビリティセンサ11は、座面の上面に設けられるようにしても良いし、座面クッションの内部、座面クッションの下部に設けられるようにしても良い。モビリティセンサ11が、座面の上面に設けられるタイプの場合には、座面に一体的に構成されるようにしても良いし、座面とは別体に設けても良い。
【0030】
また、モビリティセンサ11は、操舵部材としてのステアリングホイールに設けられたセンサを適用することができる。この場合、モビリティセンサ11は、モビリティ利用者の手による把持力を検出するための静電容量センサまたは圧電センサ等を適用することができる。また、モビリティセンサ11は、操舵部材に接触した手の血管の脈動等を検出するための静電容量センサまたは圧電センサを適用することもできる。この場合のモビリティセンサ11は、モビリティ利用者の心拍信号、呼吸信号、脈波信号、心弾動信号、体動の少なくとも1つを検出することができる。
【0031】
また、モビリティセンサ11は、モビリティ利用者を撮影するための撮影装置を適用することができる。この場合のモビリティセンサ11は、モビリティ利用者の顔の動作、または、体動を検出することができる。顔の動作としては、特に、瞼や目の動きが好適である。この他に、顔の動作として、顔の血管の脈動を検出することにより、心拍信号、呼吸信号、脈波信号、心弾動信号の少なくとも1つを検出することもできる。
【0032】
現在情報取得部12は、現在モビリティ利用者がモビリティ2を利用している状態において、モビリティセンサ11により取得された生体情報に基づいて得られるモビリティ利用者の身体状態を表す現在情報を取得する。
【0033】
現在情報は、現在モビリティ2を利用している状態のモビリティ利用者についての、眠気を表す指標値および健康状態を表す指標値のうちの1つ、または、これらに基づいて得られる総合値である。現在情報取得部12は、モビリティセンサ11により取得された生体情報に基づいて、演算により上述した現在情報を取得する。
【0034】
眠気を表す指標値は、例えば、特開2018-192128号公報に記載されている技術を適用して取得することができる。当該技術は、モビリティ利用者の心拍動間隔の時間変化に基づいて眠気を表す指標値を演算する技術である。また、健康状態を表す指標値は、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる。
【0035】
本形態における現在情報取得部12の処理の一例については図3を参照して説明する。現在情報取得部12は、モビリティセンサ11により取得された生体情報を取得する(S1)。続いて、現在情報取得部12は、取得した生体情報に基づいて、眠気を表す指標値、および、健康状態を表す指標値を演算する(S2)。続いて、現在情報取得部12は、眠気を表す指標値および健康状態を表す指標値に基づいて、現在の身体状態である現在情報の演算を行う(S3)。つまり、本形態において、現在情報は、眠気と健康状態とを総合的に評価された値となる。
【0036】
判定部13およびサービス提供部14は、クラウドサーバ6における過去情報記憶部32および区分マップ記憶部33に記憶されている情報を用いて処理する。そこで、判定部13およびサービス提供部14については、寝具3、ワークセット4、家具セット5およびクラウドサーバ6の各構成について説明した後に、説明する。
【0037】
サービス提供装置10は、寝具3に、非利用時センサとしての寝具センサ21を備える。寝具センサ21は、モビリティ利用者がモビリティ2を利用していない状態としての睡眠時におけるモビリティ利用者の生体情報を取得する。特に、寝具センサ21は、覚醒時における眠気や健康状態に影響を及ぼす生体情報を取得する。寝具センサ21は、取得した生体情報に基づいて演算を行う機能を有するようにしても良い。
【0038】
具体的には、寝具センサ21は、例えば、モビリティ2を利用していない状態のモビリティ利用者についての、睡眠時における、睡眠状態を表す指標値、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、体動の程度を表す指標値のうちの少なくとも1つを、生体情報として取得する。睡眠時における睡眠状態を表す指標値は、睡眠時間、睡眠深度、睡眠効率、いびき時間、いびきの大きさ、無呼吸時間、呼吸間隔、寝返り回数のうち少なくとも1つとしても良いし、これらの少なくとも1つに基づいて得られる値としても良い。また、寝具センサ21は、演算機能を有する場合には、複数の要素について重み付けを行って、総合値を演算しても良い。
【0039】
寝具センサ21は、例えば、ベッドのマットレスにおける上面、内部、下面、敷布団における上面、内部、下面、または、枕における上面、内部、下面等に設けられる。寝具センサ21は、例えば、静電容量センサまたは圧電センサ等を適用することができる。
【0040】
また、サービス提供装置10は、ワークセット4に、非利用時センサとしてのワーク用座具センサ22を備える。ワーク用座具センサ22は、モビリティ利用者がモビリティ2を利用していない状態としてのワーク時におけるモビリティ利用者の生体情報を取得する。特に、ワーク用座具センサ22は、覚醒時における眠気や健康状態に影響を及ぼす生体情報を取得する。ワーク用座具センサ22は、取得した生体情報に基づいて演算を行う機能を有するようにしても良い。
【0041】
具体的には、ワーク用座具センサ22は、例えば、モビリティ2を利用していない状態のモビリティ利用者についての、デスクワークでの着座時における、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、体動の程度を表す指標値のうちの少なくとも1つを、生体情報として取得する。
【0042】
ワーク用座具センサ22は、演算機能を有する場合には、上記の少なくとも2つ以上の生体情報に基づいて総合値を演算しても良い。また、ワーク用座具センサ22は、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値を演算しても良い。さらに、ワーク用座具センサ22は、上記の少なくとも1つ以上の生体情報と、健康状態を表す指標値とを用いて総合値を演算しても良い。また、ワーク用座具センサ22は、演算機能を有する場合には、複数の要素について重み付けを行って、総合値を演算しても良い。
【0043】
ワーク用座具センサ22は、座面上面、座面クッションの内部、座面クッションの下面等に設けられる。ワーク用座具センサ22は、例えば、静電容量センサまたは圧電センサ等を適用することができる。
【0044】
サービス提供装置10は、家具セット5に、非利用時センサとしての家用座具センサ23を備える。家用座具センサ23は、モビリティ利用者がモビリティ2を利用していない状態としてのワーク時におけるモビリティ利用者の生体情報を取得する。特に、家用座具センサ23は、覚醒時における眠気や健康状態に影響を及ぼす生体情報を取得する。家用座具センサ23は、取得した生体情報に基づいて演算を行う機能を有するようにしても良い。
【0045】
具体的には、家用座具センサ23は、例えば、モビリティ2を利用していない状態のモビリティ利用者についての、家内でくつろいで着座している時における、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、体動の程度を表す指標値のうちの少なくとも1つを、生体情報として取得する。
【0046】
家用座具センサ23は、演算機能を有する場合には、上記の少なくとも2つ以上の生体情報に基づいて総合値を演算しても良い。また、家用座具センサ23は、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値を演算しても良い。さらに、家用座具センサ23は、上記の少なくとも1つ以上の生体情報と、健康状態を表す指標値とを用いて総合値を演算しても良い。また、家用座具センサ23は、演算機能を有する場合には、複数の要素について重み付けを行って、総合値を演算しても良い。
【0047】
家用座具センサ23は、ダイニングチェア、ソファ、座椅子、座蒲団、その他の座具等に設けられる。家用座具センサ23は、座面上面、座面クッションの内部、座面クッションの下面等に設けられる。家用座具センサ23は、例えば、静電容量センサまたは圧電センサ等を適用することができる。
【0048】
また、サービス提供装置10は、クラウドサーバ6に、過去情報取得部31、過去情報記憶部32、区分マップ記憶部33を備える。過去情報取得部31は、コンピュータのプロセッサにより構成され、過去情報記憶部32および区分マップ記憶部33は、コンピュータの記憶装置により構成される。
【0049】
本形態における過去情報取得部31の処理の一例について、図4を参照して説明する。過去情報取得部31は、非利用時センサとしての、寝具センサ21、ワーク用座具センサ22および家用座具センサ23から新たな生体情報を取得する(S11)。続いて、過去情報取得部31は、過去情報記憶部32に記憶された過去の生体情報を取得する(S12)。
【0050】
続いて、過去情報取得部31は、非利用時センサとしての、寝具センサ21、ワーク用座具センサ22および家用座具センサ23より取得した過去の生体情報、および、過去情報記憶部32より取得した過去の生体情報に基づいて、過去の身体状態である過去情報を演算する(S13)。ここで、過去情報は、過去にモビリティ2を利用していない状態のモビリティ利用者についての、睡眠時における情報、デスクワークでの着座時における生体情報、家でくつろいで着座している時における生体情報に基づいて得られる総合値である。
【0051】
睡眠時における生体情報は、睡眠時における、睡眠状態を表す指標値、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、心拍信号に基づいて得られる0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値、体動の程度を表す指標値のうちの少なくとも1つである。デスクワークまたは家でくつろいで着座している時における生体情報は、着座時における、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値、体動の程度を表す指標値のうちの少なくとも1つである。
【0052】
例えば、過去情報取得部31は、過去における睡眠状態を表す指標値を、過去情報として演算しても良い。過去情報取得部31は、過去における健康状態を表す指標値を、過去情報として演算しても良い。また、過去情報取得部31は、過去における睡眠状態および健康状態を表す指標値を、過去情報として演算しても良い。
【0053】
また、過去としての期間は、任意に設定することができる。例えば、過去としての期間は、1日、1週間、1か月、半年、1年等、任意の期間とすることができる。例えば、過去情報が、睡眠状態を表す指標値である場合には、1日~1週間程度の比較的短い期間とすることが好適である。また、過去情報が、健康状態を表す指標値である場合には、1日~1週間程度の比較的短い期間としても良いし、1か月~1年のように比較的長い期間としても良い。また、過去情報は、短期間での健康状態と、長期間での健康状態とを、重み付けを行って演算した総合値とすることもできる。
【0054】
続いて、過去情報取得部31は、演算した過去情報、および、新たに取得した生体情報を、過去情報記憶部32に記憶する(S14)。
【0055】
クラウドサーバ6を構成する過去情報記憶部32は、過去に、少なくともモビリティ利用者がモビリティ2を利用していない状態におけるモビリティ利用者の身体状態を表す過去情報を記憶する。本形態においては、過去情報記憶部32は、過去情報取得部31により取得または演算された過去情報を記憶する。さらに、過去情報記憶部32は、過去情報取得部31により取得された過去における生体情報を記憶する。過去情報記憶部32に記憶される過去情報および過去における生体情報は、過去情報取得部31の処理により更新される。
【0056】
区分マップ記憶部33は、図5に示すような区分マップM1を記憶する。区分マップM1は、現在情報として取り得る範囲を複数に区分し、かつ、過去情報として取り得る範囲を複数に区分することにより、現在情報を表す変数および過去情報を表す変数による二次元系において複数象限に区分したマップである。
【0057】
図5に示す区分マップM1は、現在情報として取り得る範囲を2つに区分し、かつ、過去情報として取り得る範囲を2つに区分することにより、現在情報を表す変数および過去情報を表す変数による二次元系において4個の象限に区分されている。
【0058】
図5に示す区分マップM1においては、現在情報を「良好」と「不調」に区分し、過去情報を「良好」と「不調」に区分する。そして、区分マップM1における4個の象限は、A1,A2,A3,A4である。A1は、現在情報が「良好」であり、過去情報が「良好」である場合である。A2は、現在情報が「良好」であり、過去情報が「不調」である場合である。A3は、現在情報が「不調」であり、過去情報が「良好」である場合である。A4は、現在情報が「不調」であり、過去情報が「不調」である場合である。
【0059】
A1~A4は、サービスの内容が特定されている。例えば、A1は、「運転継続対象」に該当し、A2は、「危険予備軍」に該当し、A3は、「要休憩対象」に該当し、A4は、「要休養対象」に該当する。なお、A1~A4のサービスは任意に設定可能である。
【0060】
上述したように、モビリティ2は、モビリティセンサ11および現在情報取得部12に加えて、判定部13およびサービス提供部14を備える。
【0061】
判定部13は、現在情報取得部12により取得された現在情報と過去情報記憶部32に記憶された過去情報とに基づいて、区分マップM1の複数象限A1~A4において該当する象限を判定する。
【0062】
判定部13による処理について、図6を参照して説明する。判定部13は、現在情報取得部12により取得された現在情報を取得する(S21)。続いて、判定部13は、過去情報記憶部32に記憶された過去情報を取得する(S22)。続いて、判定部13は、区分マップ記憶部33に記憶された区分マップM1を取得する(S23)。続いて、判定部13は、現在情報および過去情報に基づいて、区分マップM1において該当する象限の判定を行う(S24)。つまり、判定部13は、現在情報と過去情報とから、区分マップM1におけるA1~A4のいずれかの象限に該当するかを特定する。
【0063】
サービス提供部14は、判定部13により判定された該当する象限に応じて、モビリティ利用者に特定のサービスを提供する。サービス提供部14により提供されるサービスは、モビリティ2に設けられた表示画面に表示する処理、モビリティ2に設けられたスピーカによる音出力処理、モビリティ2に設けられた振動部材の振動付与処理等を行う。また、サービス提供部14は、モビリティ利用者に装着されたウエアラブル機器(図示せず)に設けられた振動部材の振動付与処理、の少なくとも1つを含む。
【0064】
また、サービス提供部14は、上記のようにモビリティ2に設けられた装置を用いた処理に換えて、または、当該処理に追加して、モビリティ利用者に装着されたウエアラブル機器に設けられた装置を用いた処理を行うこともできる。例えば、サービス提供部14は、ウエアラブル機器に設けられた表示画面に表示する処理、ウエアラブル機器に設けられたスピーカによる音出力処理、ウエアラブル機器に設けられた振動部材の振動付与処理、の少なくとも1つを含むようにしても良い。
【0065】
また、サービス提供部14は、上記のようにモビリティ2またはウエアラブル機器に設けられた装置を用いた処理に換えて、または当該処理に追加して、モビリティ利用者の携帯端末に設けられた装置を用いた処理を行うこともできる。例えば、サービス提供部14は、モビリティ利用者の携帯端末に設けられた表示画面に表示する処理、モビリティ利用者の携帯端末に設けられたスピーカによる音出力処理、モビリティ利用者の携帯端末に設けられた振動部材の振動付与処理、の少なくとも1つを含むようにしても良い。
【0066】
以下に、モビリティ2に設けられたナビゲーションシステムの画面に表示する処理の場合を例にあげる。象限「A1」に該当する場合には、「運転継続対象」であるため、サービス提供部14は、現状設定されているルート案内を継続すると共に、例えば、アミューズメント施設等を新規で提案することもできる。提案設定の要否は、予め設定できる。
【0067】
象限「A2」に該当する場合には、「危険予備軍」であるため、サービス提供部14は、現状設定されているルート案内を継続しつつも、マッサージ等のリラクゼーション施設等を新規で提案することもできる。
【0068】
象限「A3」に該当する場合には、「要休憩対象」であるため、サービス提供部14は、現状設定されているルート案内に換えて、モビリティ2の停車を促す表示を行うことができる。この場合、サービス提供部14は、ディーラーラウンジ等の一時休憩等を新規で提案することもできる。
【0069】
象限「A4」に該当する場合には、「要休養対象」であるため、サービス提供部14は、現状設定されているルート案内を中止して、モビリティ2の停車を強く促す表示を行うことができる。特に、この場合には、サービス提供部14は、長期休養所や病院等を新規で提案することもできる。
【0070】
4.作用効果
上記のサービス提供装置10は、モビリティ2に取り付けられ、モビリティ利用者がモビリティ2を利用している際にモビリティ利用者の生体情報を取得するモビリティセンサ11と、現在モビリティ利用者がモビリティ2を利用している状態において、モビリティセンサ11により取得された生体情報に基づいて得られるモビリティ利用者の身体状態を表す現在情報を取得する現在情報取得部12とを備える。
【0071】
サービス提供装置10は、さらに、過去に少なくともモビリティ利用者がモビリティ2を利用していない状態におけるモビリティ利用者の身体状態を表す過去情報を記憶する過去情報記憶部32と、現在情報として取り得る範囲を複数に区分し、かつ、過去情報として取り得る範囲を複数に区分することにより、現在情報を表す変数および過去情報を表す変数による二次元系において複数象限に区分した区分マップM1を記憶する区分マップ記憶部33とを備える。
【0072】
そして、サービス提供装置10は、現在情報取得部12により取得された現在情報と過去情報記憶部32に記憶された過去情報とに基づいて、区分マップM1の複数象限A1~A4において該当する象限を判定する判定部13と、判定部13により判定された該当する象限に応じて、モビリティ利用者に特定のサービスを提供するサービス提供部14とを備える。
【0073】
上記態様によれば、サービス提供装置10は、現在情報取得部12および過去情報記憶部32を備える。つまり、サービス提供装置10は、モビリティ利用者の現在情報および過去情報を取得することができる。
【0074】
さらに、サービス提供装置10は、区分マップ記憶部33を備える。区分マップM1は、現在情報と過去情報とを別変数とした二次元系にて定義した上で、当該二次元系において複数象限A1~A4に区分されている。換言すると、区分マップM1において、現在情報を表す変数と過去情報を表す変数とが独立した変数とされている。
【0075】
そして、サービス提供装置10の判定部13が、現在情報取得部12により取得された現在情報と過去情報記憶部32に記憶された過去情報とに基づいて、区分マップM1の複数象限A1~A4において該当する象限を判定している。この判定結果である該当する象限に応じて、サービス提供部14がモビリティ利用者に特定のサービスを提供する。つまり、区分マップM1において現在情報と過去情報とを独立して評価して、区分マップM1において現在情報と過去情報との関係性から該当する象限を導出し、該当する象限に応じたサービスを提供している。
【0076】
このように、現在情報である現在のモビリティ利用者の身体状態と、過去情報である過去のモビリティ利用者の身体状態とを区別して、サービス提供を行っている。その結果、例えば、現在情報である現在のモビリティ利用者の身体状態が良好であって、過去情報である過去のモビリティ利用者の身体状態が不調である場合と、現在情報である現在のモビリティ利用者の身体状態が不調であって、過去情報である過去のモビリティ利用者の身体状態が良好である場合とを、区別してサービスを提供することができる。つまり、モビリティ利用者にとって、より適切なサービスを提供することができる。
【0077】
従って、モビリティ2を利用しているモビリティ利用者の身体状態に応じた適切なサービスを提供することができる。
【0078】
また、区分マップM1は、現在情報として取り得る範囲を2つに区分し、かつ、過去情報として取り得る範囲を2つに区分することにより、現在情報を表す変数および過去情報を表す変数による二次元系において4個の象限A1~A4に区分されている。区分マップM1は、4個の象限A1~A4に区分することにより、非常にシンプルであるにも関わらず、適切なサービスを提供することができる。区分マップM1がシンプルであることから、演算処理を短時間で行うことができる。
【0079】
現在情報は、現在モビリティ2を利用している状態のモビリティ利用者についての、眠気を表す指標値、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値、のうちの1つ、または、これらに基づいて得られる総合値とすると良い。これにより、モビリティ利用者がモビリティ2の利用に際して適切なサービスを提供することができる。
【0080】
また、モビリティセンサ11は、心拍信号、呼吸信号、脈波信号、心弾動信号、顔の動作、体動、モビリティ2の操舵部材の把持力のうちの少なくとも1つを、生体情報として取得し、現在情報取得部12は、生体情報に基づいて演算により現在情報を取得すると良い。この場合、現在情報取得部12は、演算を行うことにより、適切に、眠気を表す指標値や健康状態を表す指標値を取得することができる。
【0081】
また、過去情報は、過去にモビリティ2を利用していない状態のモビリティ利用者についての、睡眠時における、睡眠状態を表す指標値、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、心拍信号に基づいて得られる0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値、体動の程度を表す指標値、のうちの少なくとも1つ、または、これらのうちの少なくとも2つ以上に基づいて得られる総合値としても良い。つまり、過去情報を睡眠時の情報とすることにより、過去情報が、モビリティ利用者が過去において睡眠としての休養がどれほど確保できているか等の情報となる。その結果、適切に過去の身体状態を評価することができる。
【0082】
過去情報は、過去にモビリティ2を利用していない状態のモビリティ利用者についての、睡眠時における、睡眠状態を表す指標値、または、睡眠状態を表す指標値に基づいて得られる総合値であり、睡眠時における睡眠状態を表す指標値は、睡眠時間、睡眠深度、睡眠効率、いびき時間、いびきの大きさ、無呼吸時間、呼吸間隔、寝返り回数のうち少なくとも1つに基づいて得られる値とすると良い。これにより、過去情報を、睡眠としての休養が確保できているかを表す適切な情報とすることができる。
【0083】
サービス提供装置10は、さらに、寝具3に取り付けられ、モビリティ利用者が睡眠時における睡眠状態を表す指標値を取得する寝具センサ21を備える。この場合、過去情報記憶部32は、寝具センサ21により得られた睡眠状態を表す指標値を記憶する。寝具センサ21と過去情報記憶部32とは、人の入力を介することなく、自動的に行われることが好適である。
【0084】
また、過去情報は、過去にモビリティ2を利用していない状態のモビリティ利用者についての、睡眠時における各種情報、着座時における、心拍数、呼吸数、脈拍数、心弾動、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる健康状態を表す指標値、体動の程度を表す指標値、のうちの少なくとも1つ、または、これらのうちの少なくとも2つ以上に基づいて得られる総合値とすることもできる。これにより、モビリティ利用者の過去情報が、睡眠時の他に、着座時の情報を考慮することで、過去情報として、モビリティ利用者の身体状態をより適切に評価することができる。
【0085】
この場合、サービス提供装置10は、さらに、寝具3に取り付けられ、モビリティ利用者が睡眠時における情報を取得する寝具センサ21、ワークセット4の座具に取り付けられ、モビリティ利用者が着座時における情報を取得する座具センサ22、または、家具セット5の座具に取り付けられ、モビリティ利用者が着座時における情報を取得する座具センサ23を備えるようにすると良い。そして、過去情報記憶部32は、寝具センサ21、座具センサ22,23により得られた情報を記憶する。寝具センサ21や座具センサ22,23と過去情報記憶部32とは、人の入力を介することなく、自動的に行われることが好適である。
【0086】
また、サービス提供部14により提供されるサービスは、(1)モビリティ2に設けられた表示画面に表示する処理、(2)モビリティ2に設けられたスピーカによる音出力処理、(3)モビリティ2に設けられた振動部材の振動付与処理、(4)モビリティ利用者に装着されたウエアラブル機器に設けられた表示画面に表示する処理、(5)モビリティ利用者に装着されたウエアラブル機器に設けられたスピーカによる音出力処理、(6)モビリティ利用者に装着されたウエアラブル機器に設けられた振動部材の振動付与処理、の少なくとも1つを含むようにすると良い。従って、サービス提供部14により、適切なサービスを提供することができる。
【0087】
(実施形態2)
実施形態2のサービス提供システム1について、図7を参照して説明する。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0088】
実施形態2においては、現在情報取得部12の処理が、実施形態1と異なる。図7に示すように、現在情報取得部12は、モビリティセンサ11により取得された生体情報を取得する(S31)。続いて、現在情報取得部12は、取得した生体情報に基づいて、眠気を表す指標値を、現在の身体状態である現在情報の演算を行う(S32)。つまり、本形態において、現在情報は、眠気を評価した値となる。本形態によれば、眠気に特に着目して、モビリティ利用者に対するサービスを提供することができる。
【0089】
本形態において、区分マップM1の現在情報における「良好」は覚醒している状態に想到し、「不調」は眠気がある状態に想到する。
【0090】
(実施形態3)
実施形態3のサービス提供システム1について、図8を参照して説明する。実施形態3においては、現在情報取得部12の処理が、実施形態1と異なる。図8に示すように、現在情報取得部12は、モビリティセンサ11により取得された生体情報を取得する(S41)。続いて、現在情報取得部12は、取得した生体情報に基づいて、健康状態を表す指標値を、現在の身体状態である現在情報の演算を行う(S42)。つまり、本形態において、現在情報は、健康状態を評価した値となる。本形態によれば、健康状態に特に着目して、モビリティ利用者に対するサービスを提供することができる。健康状態を表す指標値は、心拍信号における0.0033~0.04Hzの極低周波数成分に関するVLFデータを用いて得られる。
【0091】
本形態において、区分マップM1の現在情報における「良好」は健康状態が良好である状態に想到し、「不調」は健康状態が不調である状態に想到する。
【0092】
(実施形態4)
実施形態4のサービス提供システム1について、図9を参照して説明する。実施形態4においては、区分マップ記憶部33に記憶される区分マップM2が、実施形態1と異なる。
【0093】
区分マップ記憶部33は、図9に示すような区分マップM2を記憶する。区分マップM2は、現在情報として取り得る範囲を3つに区分し、かつ、過去情報として取り得る範囲を3つに区分することにより、現在情報を表す変数および過去情報を表す変数による二次元系において9個の象限に区分されている。
【0094】
図9に示す区分マップM1においては、現在情報を「良好」、「中」、「不調」に区分し、過去情報を「良好」、「中」、「不調」に区分する。例えば、現在情報が眠気を表す指標値に対応する場合には、現在情報が「良好」とは、覚醒している程度が高い状態を示し、「不調」とは、眠気が高い状態を示し、「中」とは、中間程度、すなわち少し眠気がある状態を示している。例えば、過去情報が睡眠状態を表す指標値に対応する場合には、過去情報が「良好」とは、しっかりと睡眠ができた状態を示し、「不調」とは、睡眠不足状態を示し、「中」とは、中間程度、すなわち少し睡眠不足気味な状態を示している。
【0095】
そして、区分マップM2における9個の象限は、B1,B2,B3,B4,B5,B6,B7,B8,B9である。B1は、現在情報が「良好」であり、過去情報が「良好」である場合である。B2は、現在情報が「良好」であり、過去情報が「中」である場合である。B3は、現在情報が「良好」であり、過去情報が「不調」である場合である。他の象限B4~B9は、図9に示す通りである。B1~B9は、サービスの内容が特定されている。なお、B1~B9のサービスは任意に設定可能である。
【0096】
(実施形態5)
実施形態5のサービス提供システム1について、図10および図11を参照して説明する。実施形態5においては、過去情報取得部131が、実施形態1と異なる。図10には、実施形態5におけるサービス提供装置110の構成を示す。
【0097】
ここで、モビリティセンサ11は、モビリティ利用者がモビリティ2を利用している際の生体情報を取得する。従って、現在モビリティ利用者がモビリティ2を利用している状態においては、モビリティセンサ11は、現在における生体情報を取得している。一方、過去においてモビリティ利用者がモビリティ2を利用していたときには、モビリティセンサ11は、過去における生体情報を取得していたことになる。
【0098】
そこで、過去情報取得部131は、過去にモビリティ2を利用している状態のモビリティ利用者における生体情報、すなわち、過去にモビリティセンサ11が取得した生体情報を、取得する。
【0099】
本形態における過去情報取得部31の処理の一例について、図11を参照して説明する。過去情報取得部31は、非利用時センサとしての、寝具センサ21、ワーク用座具センサ22および家用座具センサ23から新たな生体情報を取得する(S51)。続いて、過去情報取得部31は、モビリティセンサ11により取得された生体情報を取得する(S52)。続いて、過去情報取得部31は、過去情報記憶部32に記憶された過去の生体情報を取得する(S53)。
【0100】
続いて、過去情報取得部31は、非利用時センサとしての、寝具センサ21、ワーク用座具センサ22および家用座具センサ23より取得した過去の生体情報、モビリティセンサ11より取得した過去の生体情報、および、過去情報記憶部32より取得した過去の生体情報に基づいて、過去の身体状態である過去情報を演算する(S54)。
【0101】
本形態においては、過去情報は、過去にモビリティ2を利用していない状態のモビリティ利用者についての、睡眠時における情報、デスクワークでの着座時における生体情報、家でくつろいで着座している時における生体情報に加えて、モビリティセンサ11により取得された過去の生体情報に基づいて得られる総合値である。
【0102】
過去情報取得部31は、過去情報として、モビリティ2を利用していない状態の過去の生体情報と、モビリティ2を利用していた状態の過去の生体情報とを、重み付けを行って演算した総合値とすることもできる。例えば、モビリティ2を利用していない状態の過去の生体情報を、重みを大きくするようにすると良い。
【0103】
続いて、過去情報取得部31は、演算した過去情報、および、新たに取得した生体情報を、過去情報記憶部32に記憶する(S55)。
【0104】
このように、モビリティ2を利用していない状態の生体情報のみならず、モビリティ2を利用している状態の過去の生体情報も考慮して、過去情報を演算している。従って、過去情報が、生活の時間のうちかなりの部分を対象とすることができ、適切なサービスを提供することができるようになる。
【0105】
(実施形態6)
実施形態6のサービス提供システム1について、図12を参照して説明する。実施形態6は、非利用時センサとして、寝具センサ21のみを備える。図12には、実施形態5におけるサービス提供装置210の構成を示す。
【0106】
従って、過去情報取得部231は、寝具センサ21により取得された生体情報等を取得する。つまり、過去情報は、睡眠状態における生体情報に基づくことになり、睡眠状態に特化した情報となる。通常、睡眠は、生活の中で身体が最も安定した状態にある。また、モビリティ利用者がモビリティ2を利用している状態において、眠気や健康状態は、過去の睡眠状態が深く関与している。そこで、過去情報として、睡眠時の情報を用いることで、安定した情報となり、かつ、眠気および健康状態に深く関与する情報となる。結果として、適切なサービスを提供することができる。
【0107】
(実施形態7)
実施形態7のサービス提供システム1について、図13を参照して説明する。図13には、実施形態7におけるサービス提供装置310の構成を示す。
【0108】
本形態においては、クラウドサーバ6が、現在情報取得部312および判定部313を備える。一方、モビリティ2は、現在情報取得部および判定部を備えない。処理は、実施形態1と同様である。つまり、本形態においては、現在情報取得部312による処理、および、判定部313による処理を、クラウドサーバ6が行うことで、汎用化することが容易となる。
【0109】
(実施形態8)
実施形態8のサービス提供システム401について、図14および図15を参照して説明する。図14に示すように、サービス提供システム401は、モビリティ2、クラウドサーバ6、ウエアラブル機器7を備えて構成される。ウエアラブル機器7は、モビリティ利用者に装着され、モビリティ2を利用している状態であっても、モビリティ2を利用していない状態であっても装着可能である。
【0110】
図15に示すように、本形態のサービス提供装置410において、ウエアラブル機器7は、ウエアラブルセンサ41を備える。ウエアラブルセンサ41は、モビリティ利用者がモビリティ2を利用している状態においては、モビリティ利用者における、心拍信号、呼吸信号、脈波信号、心弾動信号、体動、モビリティ2の操舵部材の把持力のうちの少なくとも1つを、生体情報として取得する。
【0111】
ウエアラブルセンサ41は、さらに、モビリティ利用者がモビリティ2を利用していない状態における生体情報を取得する。例えば、ウエアラブルセンサ41は、睡眠時や、座っている時等の生体情報を取得する。なお、ウエアラブルセンサ41は、活動時、例えば、運動している時や歩いている時等の生体情報を取得することができる。ただし、本形態においては、ウエアラブルセンサ41は、運動している時や歩いている時等の生体情報を取得することはしない。
【0112】
つまり、本形態におけるウエアラブルセンサ41は、実施形態1における、モビリティセンサ11、寝具センサ21、ワーク用座具センサ22、家用座具センサ23の機能を有していることになる。
【0113】
(実施形態9)
実施形態9のサービス提供システム401のサービス提供装置510について、図16を参照して説明する。実施形態9は、現在情報取得部312および判定部313が、クラウドサーバ6に設けられている点において、実施形態8と異なる。
【0114】
(その他)
サービス提供部14は、モビリティ2を設ける場合について説明したが、ウエアラブル機器7に設けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0115】
1,401 サービス提供システム
2 モビリティ
10,110,210,310,410,510 サービス提供装置
11 モビリティセンサ
12,312 現在情報取得部
13,313 判定部
14 サービス提供部
32 過去情報記憶部
33 区分マップ記憶部
M1,M2 区分マップ
A1~A4,B1~B9 象限
図1
図2
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図16