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特開2024-92540署名支援プログラム、署名支援方法、署名支援装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092540
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】署名支援プログラム、署名支援方法、署名支援装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20240701BHJP
【FI】
G16H40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208556
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】相 孝佳
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA02
(57)【要約】
【課題】重複した作業を削減することを目的とする。
【解決手段】医療従事者から患者に対して行われる行為に対応した、署名欄を含む複数の書類の選択と、選択された前記複数の書類に対する一括署名の指示とを受け付け、書類を示す書類情報を複数記憶した記憶部から、選択された前記複数の書類を示す書類情報を取得して署名の入力欄を表示し、前記入力欄に入力された署名の画像を、取得した書類情報の署名欄に貼り付ける、処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療従事者から患者に対して行われる行為に対応した、署名欄を含む複数の書類の選択と、選択された前記複数の書類に対する一括署名の指示とを受け付け、
書類を示す書類情報を複数記憶した記憶部から、選択された前記複数の書類を示す書類情報を取得して署名の入力欄を表示し、
前記入力欄に入力された署名の画像を、取得した書類情報の署名欄に貼り付ける、処理をコンピュータに実行させる、署名支援プログラム。
【請求項2】
前記書類情報は、前記一括署名を許容するか否かを示す情報を含み、
選択された前記複数の書類を示す書類情報のうち、前記一括署名が許容された書類情報を取得し、
前記一括署名が許容された書類情報の署名欄に、前記署名の画像を貼り付ける、処理を前記コンピュータに実行させる、請求項1記載の署名支援プログラム。
【請求項3】
前記一括署名が許容された書類情報を表示させ、
表示された前記書類情報に含まれる署名欄の選択を受け付けて、前記署名の入力欄を表示し、
前記署名の画像を、選択された前記署名欄に貼り付ける、処理を前記コンピュータに実行させる、請求項1記載の署名支援プログラム。
【請求項4】
コンピュータによる署名支援方法であって、前記コンピュータが、
医療従事者から患者に対して行われる行為に対応した、署名欄を含む複数の書類の選択と、選択された前記複数の書類に対する一括署名の指示とを受け付け、
書類を示す書類情報を複数記憶した記憶部から、選択された前記複数の書類を示す書類情報を取得して署名の入力欄を表示し、
前記入力欄に入力された署名の画像を、取得した書類情報の署名欄に貼り付ける、署名支援方法。
【請求項5】
医療従事者から患者に対して行われる行為に対応した、署名欄を含む複数の書類の選択と、選択された前記複数の書類に対する一括署名の指示とを受け付ける入力受付部と、
書類を示す書類情報を複数記憶した記憶部から、選択された前記複数の書類を示す書類情報を取得して署名の入力欄を表示する表示制御部と、
前記入力欄に入力された署名の画像を、取得した書類情報の署名欄に貼り付ける署名反映部と、を有する署名支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、署名支援プログラム、署名支援方法、署名支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、医療従事者が患者に対して医療行為を施す際に、同意書等の複数の書類に対して医療従事者や患者の署名が求められる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-058823号公報
【特許文献2】特開2019-144749号公報
【特許文献3】特開2003-187033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来では、複数の書類に対して署名が要求された場合、署名をする人物は、書類毎に署名することになり、重複した作業が発生する。
【0005】
1つの側面では、本発明は、重複した作業を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、医療従事者から患者に対して行われる行為に対応した、署名欄を含む複数の書類の選択と、選択された前記複数の書類に対する一括署名の指示とを受け付け、書類を示す書類情報を複数記憶した記憶部から、選択された前記複数の書類を示す書類情報を取得して署名の入力欄を表示し、前記入力欄に入力された署名の画像を、取得した書類情報の署名欄に貼り付ける、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
重複した作業を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】署名支援システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】書類データベースの一例を示す図である。
図4】署名支援システムの有する各装置の機能を説明する図である。
図5】署名支援システムの動作を説明するシーケンス図である。
図6】端末装置の表示例を示す第一の図である。
図7】端末装置の表示例を示す第二の図である。
図8】端末装置の表示例を示す第三の図である。
図9】端末装置の表示例を示す第四の図である。
図10】端末装置の表示例を示す第五の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、署名支援システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0010】
本実施形態の署名支援システム100は、情報処理装置200と、端末装置300とを含む。本実施形態の署名支援システム100は、例えば、医療機関等に導入されるシステムであり、情報処理装置200と、端末装置300とは、例えば、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続される。
【0011】
本実施形態の情報処理装置200は、患者データベース210、診療データベース220、書類データベース230、情報管理部240を含む。
【0012】
患者データベース210は、署名支援システム100が導入されている医療機関を受診した患者に関する患者情報が格納される。診療データベース220は、患者データベース210に患者情報が格納された患者の診療記録等を含む診療情報が格納される。
【0013】
なお、本実施形態の署名支援システム100は、例えば、医療機関に導入される電子カルテシステムの一部であってもよく、患者データベース210、診療データベース220は電子カルテシステムと共有されるものであってもよい。
【0014】
書類データベース230は、医療従事者が患者に対してなんらかの行為を行う際に、患者や、行為を行う医療従事者等による署名が求められる書類を示す書類情報が格納される。言い換えれば、本実施形態の書類とは、患者や医療従事者の署名欄を含む書類である。
【0015】
また、本実施形態の書類とは、例えば、署名以外の各種の項目の入力欄が設けられていてもよく、書類情報は、項目名と、項目名と対応する入力欄とが対応付けられた帳票情報であってもよい。署名以外の各種の項目とは、具体的には、例えば、日付や、記載に内容の確認が行われたか否かを示すチェック項目等であってよい。
【0016】
情報管理部240は、端末装置300における操作等に応じて、患者データベース210、診療データベース220、書類データベース230に格納される情報を管理する。具体的には、情報管理部240は、例えば、端末装置300からの要求に応じて、書類情報を端末装置300に送信する。また、情報管理部240は、端末装置300において署名等が入力された入力済みの書類情報を、所定の形式のデータとして診療データベース220に格納する。
【0017】
さらに、本実施形態の情報管理部240は、端末装置300から書類情報の取得要求を受け付けた場合に、書類情報のうち、一括署名が許容された書類情報のみを端末装置300に送信する。
【0018】
以下に、本実施形態の一括署名について説明する。本実施形態の一括署名とは、署名すべき人物によって手書き入力された署名を示す画像を、複数の書類情報に含まれる署名欄に貼り付ける(転記する)ことを示す。言い換えれば、一括署名とは、1の手書き文字画像を、複数の書類情報に含まれる署名欄に埋め込むことである。
【0019】
なお、以下の説明では、署名すべき人物によって手書き入力された署名を示す画像を、署名画像と表現する場合がある。
【0020】
本実施形態の端末装置300は、例えば、署名支援システム100が導入された医療機関における医療従事者や患者等によって利用される端末装置であり、タブレット型の端末装置であってもよいし、デスクトップ型の端末装置であってもよい。また、端末装置300は、例えば、手書き入力を受け付けることができる電子ペーパ等が接続されていてよい。
【0021】
また、本実施形態の端末装置300は、署名支援装置の一例であり、一括署名処理部310を有する。
【0022】
一括署名処理部310は、一括署名を指示する操作と、一括署名の対象となる書類情報の選択とを受け付けると、署名画像の入力欄を表示させ、一括署名を行う。言い換えれば、一括署名処理部310は、署名画像の入力欄を表示させ、入力された署名画像を、選択された書類情報に含まれる署名欄に貼り付ける。
【0023】
このように、本実施形態の署名支援システム100では、複数の書類情報のそれぞれが有する署名欄に対して繰り返し署名する必要がなくなり、重複した作業を削減できる。また、署名にかかる手間を低減させることができる。
【0024】
なお、図1の例では、患者データベース210、診療データベース220、書類データベース230が、全て情報処理装置200に設けられるものとしたが、これに限定されない。これらの各データベースは、一部又は全部が、情報処理装置200と通信が可能な外部装置に設けられていてもよい。また、本実施形態では、情報管理部240は、情報処理装置200によって実現されるものとしたが、情報管理部240は、複数の情報処理装置によって実現されてもよい。
【0025】
以下に、図2を参照して、本実施形態の端末装置300のハードウェア構成の一例について説明する。図2は、端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0026】
本実施形態の端末装置300は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置31、表示装置32、ドライブ装置33、補助記憶装置34、メモリ装置35、演算処理装置36及びインターフェース装置37を含むコンピュータである。
【0027】
入力装置31は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えば、タッチパネルやキーボード、ポインティングデバイス等により実現される。表示装置32は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インターフェース装置37は、LANカード等を含み、ネットワークに接続するために用いられる。
【0028】
端末装置300が有する一括署名処理部310を実現させる一括署名プログラムは、端末装置300を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。一括署名プログラムは、例えば、記録媒体38の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。一括署名プログラムを記録した記録媒体38は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々タイプの記録媒体を用いることができる。
【0029】
記録媒体38に記録された一括署名プログラムは、一括署名プログラムを記録した記録媒体38がドライブ装置33にセットされると、記録媒体38からドライブ装置33を介して補助記憶装置34にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた一括署名プログラムは、インターフェース装置37を介して補助記憶装置34にインストールされる。
【0030】
補助記憶装置34は、端末装置300にインストールされた一括署名プログラムを格納すると共に、端末装置300による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置35は、端末装置300の起動時に補助記憶装置34から一括署名プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置36はメモリ装置35に格納された一括署名プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0031】
なお、本実施形態の情報処理装置200も、演算処理装置と記憶装置とを有するコンピュータであり、その基本的なハードウェア構成は、端末装置300と同様であるから、説明を省略する。
【0032】
次に、情報処理装置200の有する各データベースについて説明する。本実施形態の患者データベース210に格納される患者情報は、例えば、患者を特定するための識別情報である患者IDと、患者の氏名、性別、住所等を含む。なお、患者IDは、例えば、医療機関における診察券番号等であってもよい。
【0033】
診療データベース220において、診療情報は、患者ID毎に格納される。診療情報らは、患者毎の電子カルテ情報や、患者の署名画像が埋め込まれた書類情報等を含む。
【0034】
次に、図3を参照して、書類データベース230について説明する。図3は、書類データベースの一例を示す図である。
【0035】
本実施形態の書類データベース230において、書類情報は、書類毎に格納される。本実施形態の書類情報は、情報の項目として、書類ID、書類名、項目ID、項目名、項目値、一括署名対応を含む。書類情報において、書類ID、書類名、項目IDが対応付けられており、項目IDと、項目名、項目値、一括署名対応とか対応付けられている。
【0036】
項目「書類ID」の値は、書類情報を特定するための識別情報である。項目「書類名」の値は、書類IDで特定される書類情報が示す書類の名称を示す。項目「項目ID」の値は、書類IDで特定される書類情報に含まれる情報の項目を特定するための識別情報である。
【0037】
項目「項目名」の値は、項目IDで特定される項目の名称を示す。項目「項目値」の値は、項目IDで特定される項目と対応する項目値を示す。項目「一括署名対応」の値は、項目IDで特定される項目が、一括署名を許容しているか否かを示す。本実施形態では、項目「一括署名対応」の値が「有」の場合、一括署名を許容していることを示し、項目「一括署名対応」の値が「無」の場合、一括署名を許容していないことを示す。
【0038】
図3の例では、書類IDが「101」であり、書類名が「MRI検査同意書」である書類情報の一例を示している。この書類情報において、項目ID「10」で特定される項目名「患者ID」の項目値には、診察券番号が入力される。項目ID「11」で特定される
項目名「署名」の項目値には、患者名が入力され、項目ID「12」で特定される項目名「署名」の項目値には、医師名が入力され、項目ID「13」で特定される項目名「署名」の項目値には、保護者名が入力される。
【0039】
また、項目ID「11」、「12」、「13」のそれぞれで特定される項目名と対応する一括署名対応の値は、「有」である。したがって、書類ID「101」で特定される書類情報では、項目ID「11」、「12」、「13」のそれぞれで特定される項目名の項目値として、署名画像を埋め込むことが許容されている。
【0040】
なお、本実施形態の書類データベース230は、例えば、医療機関の診療科毎に設けられていてもよい。具体的には、例えば、内科用の書類データベース230、整形外科の書類データベース230、皮膚科用の書類データベース230等のように、診療科毎に設けられていてもよい。
【0041】
次に、図4を参照して、本実施形態の署名支援システム100が有する各装置の機能について説明する。図4は、署名支援システムの有する各装置の機能を説明する図である。
【0042】
はじめに、情報処理装置200の機能について説明する。本実施形態の情報処理装置200は、情報管理部240を有する。
【0043】
情報管理部240は、入力受付部241、一覧取得部242、書類特定部243、書類取得部244、格納制御部245、出力部246有する。
【0044】
入力受付部241は、情報処理装置200に対する各種の入力を受け付ける。具体的には、入力受付部241は、端末装置300からの要求等の入力を受け付ける。
【0045】
一覧取得部242は、書類データベース230に書類情報が格納されている書類の一覧を取得する。書類特定部243は、書類情報において、一括署名が許容されている書類情報を特定する。書類取得部244は、書類特定部243により特定された書類情報を取得する。
【0046】
格納制御部245は、端末装置300から送信された書類情報を所定の形式のデータとして診療データベース220に格納する。出力部246は、端末装置300に対して情報を出力する。具体的には、出力部246は、端末装置300に対して書類情報等を出力する。
【0047】
次に、端末装置300の機能について説明する。端末装置300は、一括署名処理部310を有する。一括署名処理部310は、入力受付部311、表示制御部312、情報取得部313、手書き受付部314、署名反映部315、出力部316を有する。
【0048】
入力受付部311は、端末装置300に対する各種の入力を受け付ける。表示制御部312は、端末装置300の表示装置32に対する各種の表示を制御する。情報取得部313は、情報処理装置200から各種の情報を取得する。具体的には、情報取得部313は、情報処理装置200から、患者情報、診療情報、書類情報等を取得する。
【0049】
手書き受付部314は、署名を行う人物からの手書き文字の入力を受け付ける。なお、手書き受付部314は、例えば、端末装置300に手書き入力用の電子ペーパ等が接続されている場合には、この電子ペーパ等において入力された手書き文字の署名画像の入力を受け詰める。
【0050】
署名反映部315は、手書き受付部314において入力された書類画像を、書類情報の署名欄に埋め込む。出力部316は、端末装置300から各種の情報を出力する。具体的には、出力部316は、署名画像が埋め込まれた書類情報を、情報処理装置200に対して出力する。
【0051】
次に、図5を参照して、本実施形態の署名支援システム100の動作について説明する。図5は、署名支援システムの動作を説明するシーケンス図である。
【0052】
図5では、例えば、署名支援システム100は、電子カルテシステムの一部として機能するものとして説明する。また、図5では、端末装置300は、例えば、医師が利用する端末であり、手書き入力を受け付ける電子ペーパが接続されているものとする。
【0053】
署名支援システム100の端末装置300において、患者の選択を受け付ける(ステップS501)。具体的には、端末装置300は、表示装置32に表示された画面において、患者IDが入力されると、患者が選択されたものとしてよい。
【0054】
続いて、端末装置300は、患者が選択されると、情報処理装置200に対して、書類の一覧の取得要求を送信する(ステップS502)。情報処理装置200は、この取得要求を受け付けて、一覧取得部242により、書類の一覧を取得し(ステップS503)、出力部246により、端末装置300に書類の一覧を送信する(ステップS504)。
【0055】
端末装置300は、情報取得部313により、書類の一覧を取得すると、表示制御部312により、書類の一覧を表示装置32に表示させる(ステップS505)。
【0056】
続いて、端末装置300は、入力受付部311により、一覧の中から書類の選択を受け付ける(ステップS506)。続いて、端末装置300は、選択された書類に対する一括署名を指示する操作を受け付ける(ステップS507)。
【0057】
続いて、端末装置300は、選択された書類を示す書類情報の取得要求を情報処理装置200に送信する(ステップS508)。なお、この取得要求には、一括署名を指示する操作が行われたことを示す通知が含まれてもよい。
【0058】
情報処理装置200は、この取得要求を受け付けると、書類特定部243により、書類データベース230を参照し、選択された書類を示す書類情報の中から、一括署名が許容された書類情報を特定する(ステップS509)。
【0059】
続いて、情報処理装置200は、書類取得部244により、書類特定部243が特定した書類情報を書類データベース230から取得する(ステップS510)。続いて、情報処理装置200は、出力部246により、取得した書類情報を端末装置300に送信する(ステップS511)。
【0060】
端末装置300は、情報取得部313により、書類情報を取得すると、表示制御部312により、取得した書類情報を表示装置32に表示させる(ステップS512)。なお、ここで、複数種類の書類情報を情報処理装置200から取得した場合には、表示制御部312は、複数種類の書類情報を切り換えられるように、別々のウィンドウとして表示させてもよいし、複数種類の書類情報を同時に閲覧できるように表示させてもよい。
【0061】
つまり、端末装置300の表示装置32には、取得した全ての書類情報が表示された状態となる。
【0062】
続いて、端末装置300は、入力受付部311により、表示された書類情報において、一括署名を反映させる署名欄の選択を受け付ける(ステップS513)。このとき、端末装置300において、複数種類の書類情報が表示されている場合には、各書類情報のそれぞれにおいて、署名欄が選択されてよい。
【0063】
続いて、端末装置300は、手書き受付部314により、手書き入力を受け付ける(ステップS514)。言い換えれば、手書き受付部314は、手書きされた文字の画像である署名画像の入力を受け付ける。
【0064】
続いて、端末装置300は、署名反映部315により、入力された署名画像を、選択された署名欄に表示させる(ステップS515)。言い換えれば、署名反映部315は、入力された署名画像を、選択された署名欄と対応する位置に埋め込む。
【0065】
続いて、端末装置300は、出力部316により、署名画像が埋め込まれた書類情報を、情報処理装置200に送信する(ステップS516)。
【0066】
情報処理装置200は、書類画像が埋め込まれた書類情報を取得すると、格納制御部245により、この書類情報をPDF(Portable Document Format)形式のデータに変換
し(ステップS517)、診療データベース220に格納する(ステップS518)。
【0067】
以下に、図6乃至11を参照して、端末装置300の表示例について説明する。図6は、端末装置の表示例を示す第一の図である。
【0068】
図6に示す画面301では、例えば、図5のステップS505において、端末装置300に表示される画面において、書類が選択された状態を示す。
【0069】
画面301は、表示領域301a、301b、301cを含む。表示領域301aには、書類の一覧が表示されている。表示領域301bには、端末装置300の利用者である医師を特定する情報が表示されており、表示領域301cには、端末装置300の利用者である医師によって選択された患者の患者IDを含む患者情報が表示される。
【0070】
図6の例では、表示領域301aにおいて、MRI検査説明書61と、MRI検査同意書62が選択されており、この2つの書類に対して一括署名を行う指示を示す「一括署名」欄63が選択されている。
【0071】
ここで、端末装置300は、表示領域301aに表示され一覧においてMRI検査説明書61と、MRI検査同意書62とが選択されると、端末装置300に対してMRI検査説明書、MRI検査同意書のそれぞれを示す書類情報の取得要求を送信する。
【0072】
また、このとき、MRI検査説明書61と、MRI検査同意書62とに対する「一括署名」欄63が選択されているため、端末装置300は、一括署名を指示する操作を受け付けたものとする。
【0073】
情報処理装置200は、この取得要求を受け付けて、書類データベース230を参照し、これらの書類情報に含まれる項目名「署名」と対応する項目「一括署名対応」の値が「有」であるか否かを判定する。
【0074】
つまり、情報処理装置200は、端末装置300において選択された書類が、一括署名が許容された書類であるか否かを判定する。言い換えれば、情報処理装置200は、選択された書類情報のうち、一括署名が許容された書類情報を特定する。そして、特定された書類情報を端末装置300に送信する。
【0075】
なお、図6以降の説明では、MRI検査説明書61と、MRI検査同意書62のそれぞれを示す書類情報は、一括署名が許容される書類情報であるものとする。
【0076】
したがって、情報処理装置200は、端末装置300に、MRI検査説明書61と、MRI検査同意書62のそれぞれを示す書類情報を送信する。
【0077】
端末装置300は、MRI検査説明書61と、MRI検査同意書62のそれぞれを示す書類情報を取得すると、この書類情報を表示させる。
【0078】
図7は、端末装置の表示例を示す第二の図である。図7に示す画面302は、例えば、図5のステップS512において端末装置300に表示される画面の一例である。
【0079】
画面302は、表示領域302aを有し、表示領域302aには、情報処理装置200から取得した書類情報が表示される。具体的には、表示領域302aには、MRI検査同意書62が表示されている。
【0080】
なお、本実施形態では、図7に示す表示領域302aと、図6に示す表示領域301aとは、別々の画面に表示されるものとたが、これに限定されない。表示領域301aと、表示領域302aとは、同一の画面に表示されてもよい。その場合、表示領域301aは、画面の左側に、表示領域302aが画面の右側に表示されて、表示領域301aで選択された書類が、表示領域302aに表示されるようにしてもよい。さらに、この場合には、表示領域301aにおいて、書類の選択を切り換えることで、表示領域302aに表示される書類を切り換えてもよい。
【0081】
図8は、端末装置の表示例を示す第三の図である。図8に示す画面303は、表示領域302aに表示されたMRI検査同意書62において、署名欄が選択され、端末装置300が署名の手書き入力を受け付けた状態を示している。
【0082】
画面303では、表示領域302aに表示されたMRI検査同意書62において、説明医師の署名欄303aが選択されており、署名欄303aに貼り付けられる署名画像を入力するための手書き入力欄303bが表示されている。
【0083】
手書き入力欄303bには、説明医師による手書き文字が入力されており、この手書き文字の画像が署名画像303cとなる。
【0084】
本実施形態において、端末装置300は、署名欄303aが選択されると、MRI検査同意書62の書類情報において、選択された署名欄と対応する項目IDを特定する。ここでは、署名欄303aの項目IDは、「12」である(図3)。したがって、端末装置300は、手書き入力欄303bに署名画像303cが入力されると、署名画像303cを、項目ID「12」と対応する項目名の項目値として、書類情報に埋め込む。
【0085】
なお、図8の例では、MRI検査同意書62において、説明医師の署名欄303aが選択されているものとしたが、本実施形態では、このとき、MRI検査説明書61において、署名画像303cが埋め込まれる署名欄が選択されていてもよい。つまり、本実施形態では、選択された書類情報のそれぞれにおいて、署名欄が選択された後に、署名画像303cが入力されてもよい。
【0086】
この場合、署名画像303cが入力されると、端末装置300は、署名欄が選択された全ての書類情報に、この署名画像303cが埋め込まれる。
【0087】
図9は、端末装置の表示例を示す第四の図である。図9に示す画面304は、例えば、図5のステップS515において端末装置300に表示される画面の一例である。
【0088】
画面304では、表示領域302aに表示されたMRI検査同意書62の説明医師の署名欄303aに、署名画像303cが貼り付けられた状態を示している。
【0089】
図10は、端末装置の表示例を示す第五の図である。図10に示す画面305は、表示領域302aに表示される書類が、MRI検査同意書62からMRI検査説明書61に切り換えられた状態を示している。
【0090】
また、図10では、MRI検査同意書62において説明医師の署名欄303aが選択される際に、MRI検査説明書61でも説明医師の署名欄304aが選択されたものとする。
【0091】
この場合、画面304では、MRI検査説明書61は、説明医師の署名欄304aが選択されており、説明医師の署名欄304aに、署名画像303cが貼り付けられた状態で表示される。
【0092】
このように、本実施形態では、複数の電子文書に署名を行う場合に、一度、手書きの署名画像を取得することで、この署名画像を複数の電子文書に一括して署名を反映させることができる。したがって、本実施形態によれば、署名の記入にかかる手間を削減できる。
【0093】
また、本実施形態では、署名が記入される書類のうち、一括署名が許容される署名を予め設定しておき、一括署名を指示する操作を受け付けた場合には、一括署名が許容される書類の書類情報のみを、端末装置300に表示させる。
【0094】
このため、例えば、秘匿性の高い書類や、検討に時間を要する書類のように、重要度の高い書類等に、署名画像が反映されることを防止できる。
【0095】
さらに、本実施形態では、一括署名の対象として選択され、且つ、一括署名が許容された書類情報を端末装置300に表示させ、端末装置300に表示された書類情報に対してのみ、一括署名が反映される。
【0096】
このため、本実施形態によれば、署名をする人物が意図しない書類に、署名画像が反映されることを防止できる。
【0097】
なお、本実施形態では、端末装置300は、一括署名の対象となる書類の選択と、一括署名を指示する操作とが行われると、情報処理装置200から、一括署名が許容された書類情報を取得するものとしたが、これに限定されない。
【0098】
端末装置300は、例えば、一括署名の対象となる書類の選択を受け付けると、選択された書類の書類情報の取得要求を情報処理装置200に送信し、情報処理装置200から、一括署名が許容された書類情報を取得してもよい。
【0099】
そして、端末装置300は、取得した書類情報を表示させる際に、一括署名を指示する操作ボタンを、書類情報と共に表示させ、この操作ボタンが操作された場合に、署名画像を入力するための入力欄を表示させてもよい。
【0100】
開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
医療従事者から患者に対して行われる行為に対応した、署名欄を含む複数の書類の選択と、選択された前記複数の書類に対する一括署名の指示とを受け付け、
書類を示す書類情報を複数記憶した記憶部から、選択された前記複数の書類を示す書類情報を取得して署名の入力欄を表示し、
前記入力欄に入力された署名の画像を、取得した書類情報の署名欄に貼り付ける、処理をコンピュータに実行させる、署名支援プログラム。
(付記2)
前記書類情報は、前記一括署名を許容するか否かを示す情報を含み、
選択された前記複数の書類を示す書類情報のうち、前記一括署名が許容された書類情報を取得し、
前記一括署名が許容された書類情報の署名欄に、前記署名の画像を貼り付ける、処理を前記コンピュータに実行させる、付記1記載の署名支援プログラム。
(付記3)
前記一括署名が許容された書類情報を表示させ、
表示された前記書類情報に含まれる署名欄の選択を受け付けて、前記署名の入力欄を表示し、
前記入力欄に入力された署名の画像を、選択された前記署名欄に貼り付ける、処理を前記コンピュータに実行させる、付記1又は2記載の署名支援プログラム。
(付記4)
前記一括署名が許容された書類情報は複数種類の書類情報であり、
前記複数種類の書類情報を全て表示装置に表示させる、処理を前記コンピュータに実行させる、付記1乃至3の何れか一項に記載の署名支援プログラム。
(付記5)
コンピュータによる署名支援方法であって、前記コンピュータが、
医療従事者から患者に対して行われる行為に対応した、署名欄を含む複数の書類の選択と、選択された前記複数の書類に対する一括署名の指示とを受け付け
書類を示す書類情報を複数記憶した記憶部から、選択された前記複数の書類を示す書類情報を取得して署名の入力欄を表示し、
前記入力欄に入力された署名の画像を、取得した書類情報の署名欄に貼り付ける、署名支援方法。
(付記5)
医療従事者から患者に対して行われる行為に対応した、署名欄を含む複数の書類の選択と、選択された前記複数の書類に対する一括署名の指示とを受け付ける入力受付部と、
書類を示す書類情報を複数記憶した記憶部から、選択された前記複数の書類を示す書類情報を取得して署名の入力欄を表示する表示制御部と、
前記入力欄に入力された署名の画像を、取得した書類情報の署名欄に貼り付ける署名反映部と、を有する署名支援装置。
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0101】
100 署名支援システム
200 情報処理装置
210 患者データベース
220 診療データベース
230 書類データベース
240 情報管理部
300 端末装置
310 一括署名処理部
311 入力受付部
312 表示制御部
313 情報取得部
314 手書き受付部
315 署名反映部
316 出力部
図1
図2
図3
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図10