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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009255
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】出力装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
G08G1/16 D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023199769
(22)【出願日】2023-11-27
(62)【分割の表示】P 2022092795の分割
【原出願日】2018-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】後藤田 明
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】永田 宏
(57)【要約】
【課題】他の移動体との意思疎通を円滑に行い、スムーズな自動運転を実現することが一例として挙げられる。
【解決手段】出力装置10は、第1取得部110、第2取得部120、および第1出力部150を備える。第1取得部110は、第1の移動体の搭乗者の第1の挙動を示す第1挙動情報を取得する。第2取得部120は、第1の挙動の発生から所定期間内における、第1の移動体周辺の第2の移動体の第2の挙動を示す第2挙動情報を取得する。第1出力部150は、第1挙動情報及び第2挙動情報に基づき、前記第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の移動体の搭乗者の第1の挙動を示す第1挙動情報を取得する第1取得部と、
前記第1の挙動の発生から所定期間内における、前記第1の移動体周辺の第2の移動体の第2の挙動を示す第2挙動情報を取得する第2取得部と、
前記第1挙動情報及び前記第2挙動情報に基づき、前記第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する第1出力部と、
を備える出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力装置、出力方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転では、様々なセンシング結果を用いて周囲を走行する車両や歩行者等の次の動きを推測しながら自車の次の動作が決定される。
【0003】
特許文献1には、システムによる自動的な操舵制御が、歩行者等の検出後の運転者の運転操作を参照して実行されることにより、車両の運転に対する運転者の関与の度合いを高めることが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、他の移動体から特定のメッセージを受信した場合に、その移動体へ特定の挙動の実行意思を示す、意思情報を含む応答メッセージを送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-206040号公報
【特許文献2】特開2016-186721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の技術では、歩行者等との意思疎通を図ることはできなかった。
【0007】
また、特許文献2の技術では、情報の送受信が介在するため、他の移動体との意思疎通の円滑性が損なわれる場合があった。また、他の移動体からメッセージ等が送信されない場合、意思疎通を図ることができなかった。
【0008】
本発明が解決しようとする課題としては、他の移動体との意思疎通を円滑に行い、スムーズな自動運転を実現することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、
第1の移動体の搭乗者の第1の挙動を示す第1挙動情報を取得する第1取得部と、
前記第1の挙動の発生から所定期間内における、前記第1の移動体周辺の第2の移動体の第2の挙動を示す第2挙動情報を取得する第2取得部と、
前記第1挙動情報及び前記第2挙動情報に基づき、前記第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する第1出力部と、
を備える出力装置である。
【0010】
第2の発明は、
第1の移動体の搭乗者の第1の挙動を示す第1挙動情報を取得する第1取得ステップと、
前記第1の挙動の発生から所定期間内における、前記第1の移動体周辺の第2の移動体の第2の挙動を示す第2挙動情報を取得する第2取得ステップと、
前記第1挙動情報及び前記第2挙動情報に基づき、前記第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する第1出力ステップと、
を含む出力方法である。
【0011】
第3の発明は、
出力装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
第1の移動体の搭乗者の第1の挙動を示す第1挙動情報を取得する第1取得手段、
前記第1の挙動の発生から所定期間内における、前記第1の移動体周辺の第2の移動体の第2の挙動を示す第2挙動情報を取得する第2取得手段、および
前記第1挙動情報及び前記第2挙動情報に基づき、前記第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する第1出力手段、
として機能させるコンピュータプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る出力装置の機能構成を例示するブロック図である。
図2】実施形態に係る出力方法を例示するフローチャートである。
図3】実施例1に係る出力装置の機能構成を例示するブロック図である。
図4】出力装置のハードウエア構成を例示する図である。
図5】実施例1に係る出力装置で行われる処理を例示するフローチャートである。
図6】実施例2に係る出力装置で行われる処理を例示するフローチャートである。
図7】実施例5に係る出力装置の機能構成を例示するブロック図である。
図8】実施例6に係る出力装置10の機能構成を例示するブロック図である。
図9】実施例6に係る出力装置10で行われる処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
以下に示す説明において、出力装置10の第1取得部110、第2取得部120、第1検知部112、第2検知部122、第3取得部130、判定部140、第1出力部150、第2出力部152、第1入力部160、第2入力部162、および記憶部170は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。出力装置10の第1取得部110、第2取得部120、第1検知部112、第2検知部122、第3取得部130、判定部140、第2出力部152、第1出力部150、第2入力部162、第1入力部160、および記憶部170は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0015】
図1は、実施形態に係る出力装置10の機能構成を例示するブロック図である。本実施形態に係る出力装置10は、第1取得部110、第2取得部120、および第1出力部150を備える。第1取得部110は、第1の移動体の搭乗者の第1の挙動を示す第1挙動情報を取得する。第2取得部120は、第1の挙動の発生から所定期間T1内における、第1の移動体周辺の第2の移動体の第2の挙動を示す第2挙動情報を取得する。第1出力部150は、第1挙動情報及び第2挙動情報に基づき、第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する。以下に詳しく説明する。
【0016】
部分的にまたは完全に自動運転を利用して走行する移動体では、自動運転の制御装置により周囲の状況が判断され、判断結果に基づいて移動体の動作が制御される。しかし、周囲に存在する他の移動体の次の挙動を予測するのが難しい場合、自動運転でスムーズに走行できないことがある。
【0017】
一方、自動運転される移動体に搭乗する人は、たとえば周囲の車両の搭乗者や、歩行者とコミュニケーションをとることができる。本実施形態によれば、自車の搭乗者の挙動と周囲の車両の搭乗者や歩行者との挙動から、周囲の状況および他の移動体の次の挙動が推定され、自動運転によるスムーズな走行が維持される。
【0018】
本実施形態において、第1の移動体は自動車、原動機付自転車、軽車両等の車両である。出力装置10は第1の移動体に搭載されている。第1の移動体は、第1出力部150から出力される制御情報により、少なくとも部分的に自動運転される。第1の移動体には、少なくとも一人の搭乗者がいる。
【0019】
第1の挙動は、第1の移動体の搭乗者の挙動であり、第2の移動体に対するジェスチャーまたは発声である。第1の挙動として具体的には、手のひらを上に向けて差し出す挙動、手のひらを第2の移動体に向ける挙動、会釈をする挙動、声で意思を伝える挙動、第1の移動体のヘッドライト、ハザードランプ、もしくはブレーキランプを一回以上点滅させる操作をする挙動、第1の移動体のクラクションを一回以上鳴らす操作をする挙動、第1の移動体を減速させる操作をする挙動等が挙げられる。第1挙動情報は、第1の挙動がどの挙動であるかを示すID等である。第1の挙動は、第2の移動体に向けた挙動であってもよいし、第2の移動体に向けた挙動でなくてもよい。なお、第1の挙動は第2の移動体から直接または間接的に認識されうる挙動であることが好ましい。
【0020】
第2の移動体は第1の移動体の周辺に位置する移動体である。第1の移動体の周辺とはたとえば、第1の移動体から挙動を認識、検知可能な範囲である。第1の移動体の周辺とは、特に限定されないが、たとえば第1の移動体からの距離が50m以下の範囲である。
【0021】
第2の移動体はたとえば歩行者または自転車である。その場合、第2の挙動としては、歩行者または自転車の搭乗者が会釈をする挙動、立ち止まる挙動、片手を上げる挙動等が挙げられる。第2挙動情報は、第2の挙動がどの挙動であるかを示すID等である。第2の挙動は第1の移動体に向けた挙動であってもよいし、第1の移動体に向けた挙動でなくてもよい。なお、第2の挙動は第1の移動体から直接または間接的に認識されうる挙動であることが好ましい。
【0022】
第1挙動情報および第2挙動情報の生成、取得方法については後述の実施例で詳しく説明する。
【0023】
たとえば横断歩道の片側にいる歩行者が第2の移動体である場合に、第1の移動体の搭乗者が顔の高さで手のひらを上に向けて(第1の挙動)、歩行者に横断歩道を渡るように促す。すると、歩行者は会釈をして(第2の挙動)、第1の移動体の搭乗者の申し出を受け入れる意思を示す。第1出力部150は、これらの挙動をそれぞれ示す第1挙動情報および第2挙動情報に基づき、第1の移動体を停止させる制御情報を出力する。
【0024】
また、たとえば横断歩道の片側にいる歩行者が第2の移動体である場合に、第1の移動体の搭乗者が顔の高さで手のひらを上に向けて(第1の挙動)歩行者に横断歩道を渡るように促す。すると、歩行者は首を振って(第2の挙動)、第1の移動体の搭乗者の申し出を断る意思を示す。第1出力部150は、これらの挙動をそれぞれ示す第1挙動情報および第2挙動情報に基づき、第1の移動体を走行させる制御情報を出力する。なお、この時の第2挙動は、歩行者が手を縦にして横に振るような挙動でも、手のひらを上に向けて車両の進行方向へ水平移動させるような挙動でも、搭乗者側を見ているが反応をしないような挙動でも良い。
【0025】
第2の移動体は第1の移動体の対向車両であってもよい。その場合、第2の挙動としては、第2の移動体がヘッドライト、ハザードランプ、もしくはブレーキランプを一回以上点滅させる挙動、クラクションを一回以上鳴らす挙動、減速する挙動、道路の端に寄る挙動等が挙げられる。また、第2の挙動は第2の移動体である対向車両の搭乗者の挙動であってもよい。対向車両の搭乗者の挙動としては、会釈をする挙動、片手を上げる挙動等が挙げられる。第2挙動情報は、第2の挙動がどの挙動であるかを示すID等である。
【0026】
たとえば狭い道において対向車両が第2の移動体である場合に、第1の移動体の搭乗者が通行を待ってもらうよう第2の移動体に手のひらを向ける(第1の挙動)。すると、第2の移動体は道路の端に寄って道を譲る(第2の挙動)。これらの挙動をそれぞれ示す第1挙動情報および第2挙動情報に基づき、第2の移動体とすれ違って第1の移動体を走行させるよう、制御情報を出力する。
【0027】
第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御信号を出力する場面の例としては他に、第1の移動体または第2の移動体が右折または道路への合流をしようとする場面等が挙げられる。
【0028】
第2の挙動は第1の挙動の発生から所定期間T1内に行われる。所定期間T1は、第1の挙動を受けて第2の移動体が反応するのに要すると想定される時間に基づき、予め定められている。所定期間T1は、たとえば5秒以内、または3秒以内である。
【0029】
図2は、実施形態に係る出力方法を例示するフローチャートである。本方法は、第1取得ステップ(S10)、第2取得ステップ(S20)、および第1出力ステップ(S50)を含む。第1取得ステップ(S10)では、第1の移動体の搭乗者の第1の挙動を示す第1挙動情報が取得される。第2取得ステップ(S20)では、第1の挙動の発生から所定期間T1内における、第1の移動体周辺の第2の移動体の第2の挙動を示す第2挙動情報が取得される。第1出力ステップ(S50)では、第1挙動情報及び第2挙動情報に基づき、第1の移動体の走行を制御するための制御情報が出力される。
【0030】
本実施形態に係る出力方法は、たとえば上記したような出力装置10により実現される。
【0031】
以上、本実施形態によれば、第1出力部150は、第1挙動情報及び第2挙動情報に基づき、第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する。したがって、他の移動体との意思疎通が円滑に行われ、スムーズな自動運転が実現される。
【0032】
(実施例1)
図3は、実施例1に係る出力装置10の機能構成を例示するブロック図である。本実施例に係る出力装置10は、実施形態に係る出力装置10の構成を有する。本実施例に係る出力装置10は、第1入力部160、記憶部170、第1検知部112、第2検知部122、および判定部140をさらに備える。出力装置10の機能構成については詳しく後述する。
【0033】
図4は、出力装置10のハードウエア構成を例示する図である。本図において出力装置10は、集積回路40を用いて実装されている。集積回路40は、例えば SoC(System On Chip)である。
【0034】
集積回路40は、バス402、プロセッサ404、メモリ406、ストレージデバイス408、入出力インタフェース410、及びネットワークインタフェース412を有する。バス402は、プロセッサ404、メモリ406、ストレージデバイス408、入出力インタフェース410、及びネットワークインタフェース412が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ404などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。プロセッサ404は、マイクロプロセッサなどを用いて実現される演算処理装置である。メモリ406は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現されるメモリである。ストレージデバイス408は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどを用いて実現されるストレージデバイスである。
【0035】
入出力インタフェース410は、集積回路40を周辺デバイスと接続するためのインタフェースである。本図において、入出力インタフェース410には第1カメラ420、第2カメラ421、モニタ422、入力パネル423、マイク424、およびスピーカー425が接続されている。
【0036】
ネットワークインタフェース412は、集積回路40を通信網に接続するためのインタフェースである。この通信網は、例えば CAN(Controller Area Network)通信網である。なお、ネットワークインタフェース412が通信網に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0037】
ストレージデバイス408は、第1入力部160、第1検知部112、第2検知部122、第1取得部110、第2取得部120、判定部140、および第1出力部150の機能を実現するためのプログラムモジュールをそれぞれ記憶している。プロセッサ404は、このプログラムモジュールをメモリ406に読み出して実行することで、第1入力部160、第1検知部112、第2検知部122、第1取得部110、第2取得部120、判定部140、および第1出力部150の機能を実現する。
【0038】
集積回路40のハードウエア構成は本図に示した構成に限定されない。例えば、プログラムモジュールはメモリ406に格納されてもよい。この場合、集積回路40は、ストレージデバイス408を備えていなくてもよい。
【0039】
図3を参照し、出力装置10の機能構成について以下に詳しく説明する。本実施例に係る出力装置10において、第1取得部110は、第1入力部160への搭乗者の入力を受け付け可能である。そして、第1の挙動の一例は第1入力部160への入力である。
【0040】
図4の例において、入力パネル423およびマイク424は第1入力部160として機能する。また、第1入力部160は、機械的なハンドル、スイッチ、ペダル等で合ってもよい。そして、第1の挙動はたとえばタッチパネルへの入力操作や音声での入力あり、搭乗者の入力はたとえば、第1の移動体のヘッドライト、ハザードランプ、もしくはブレーキランプを一回以上点滅させる操作、第1の移動体のクラクションを一回以上鳴らす操作、第1の移動体を減速させる操作である。第1の移動体の搭乗者のうち少なくとも一人は運転者として第1入力部160にアクセス可能な状態で搭乗している。たとえば運転者としての搭乗者は、第1入力部160であるタッチパネルやマイク等が設けられた操作位置に搭乗している。また運転者としての搭乗者は、第1入力部160であるタッチパネルやマイク等が設けられた操作端末を保持している。搭乗者が第1入力部160に第1の挙動の候補として定められた複数の入力操作のうちいずれかの入力操作を行うと、第1取得部110はその操作内容を示す情報を第1挙動情報として取得する。また、第1入力部160は、搭乗者からの、第1の挙動を行った旨を入力を受け付け可能であってもよい。たとえば、「歩行者に対して横断を促しましたか?」等の画面表示または音声出力が行われ、搭乗者に対してタッチ入力や音声入力が促されてもよい。
【0041】
第1の挙動が第1入力部160への入力であることにより、第1取得部110が直接的に第1挙動情報を取得することができ、第1の挙動の認識を高い精度で行える。
【0042】
上記した通り、本実施例に係る出力装置10は第1検知部112を備える。第1検知部112は、第1の移動体の挙動を検知する。第1取得部110は、第1検知部112から第1挙動情報を取得する。第1検知部112は、第1の移動体の搭乗者の少なくとも一部が含まれる画像を取得し、画像を用いて第1の挙動を検知し、第1挙動情報を生成する。第1検知部112は第1カメラ420で撮像された画像を取得する。第1カメラ420は第1の移動体の運転者としての搭乗者の少なくとも一部を撮像するように設けられている。また、第1カメラ420に代えて、ToF(Time of Flight)カメラやライダー(LIDAR:Laser Imaging Detection and Ranging, Laser Illuminated Detection and Ranging またはLiDAR:Light Detection and Ranging)を利用して画像を取得してもよい。
【0043】
第1検知部112は取得した画像において、たとえば特徴点の抽出、解析等を行い搭乗者の第1の挙動を検知する。第1の挙動についての特徴点のパターンを示す情報は挙動の内容ごとに予め記憶部170に保持されており、第1検知部112はそれを読み出して検知に用いることができる。第1検知部112は第1の挙動を検知すると、その挙動の内容を示す情報を第1挙動情報として生成する。第1検知部112で第1挙動情報が生成されると、第1取得部110がその第1挙動情報を取得する。なお、第1検知部112は動画等、複数の画像に基づき第1の挙動を検知しても良い。
【0044】
具体的には、予め人の体の特徴量を示す特徴量情報を記憶部170に記憶させておく。第1検知部112は画像から特徴量情報を利用して、画像中の人体の部位の位置を特定する。この特定された位置と人体モデル情報から搭乗者の姿勢を推定し、姿勢の時間変化により挙動を推定する。
【0045】
さらに、第1検知部112は深層学習を利用してもよい。この場合、予め挙動の動画データおよび当該動画データがどのような挙動であるかを示す情報を記憶部170に記憶させておく。第1検知部112は搭乗者の動画データと予め記憶している動画データに基づき、搭乗者の挙動を推定する。
【0046】
なお、出力装置10は第1入力部160および第1検知部112の一方を備えていなくてもよい。第1取得部110は第1入力部160および第1検知部112の少なくとも一方から第1挙動情報を取得できればよい。
【0047】
上記した通り、本実施例に係る出力装置10は第2検知部122を備える。第2検知部122は、第2の移動体の挙動を検知する。第2取得部120は、第2検知部122から第2挙動情報を取得する。第2検知部122は、第2の移動体の少なくとも一部が含まれる画像を取得し、画像を用いて第2の挙動を検知し、第2挙動情報を生成する。
【0048】
第2検知部122は第2カメラ421で撮像された画像を取得する。第2カメラ421は第1の移動体の周囲を撮像するように設けられている。第2検知部122はたとえば第2カメラ421から取得された画像において特徴点の抽出、解析等を行い、第2の移動体を抽出する。たとえば、横断歩道の端に存在する歩行者や、第1の移動体の斜め前方に位置する対向車等が第2の移動体として抽出される。
【0049】
第2検知部122は取得した画像において、たとえば特徴点の抽出、解析等を行い第2の移動体の第2の挙動を検知する。第2の挙動についての特徴点のパターンを示す情報は挙動の内容ごとに予め記憶部170に保持されており、第2検知部122はそれを読み出して検知に用いることができる。第2検知部122は第2の挙動を検知すると、その挙動の内容を示す情報を第1挙動情報として生成する。第2検知部122で第2挙動情報が生成されると、第2取得部120がその第2挙動情報を取得する。
【0050】
なお、第2検知部122は動画等、複数の画像に基づき第2の移動体の抽出、および第2の挙動の検知をそれぞれ行っても良い。また、第2検知部122は、第1検知部112と同様、ToFカメラやライダーを利用することで第2の挙動を検知してもよく、深層学習を利用してもよい。
【0051】
ここで第2取得部120は、第1の挙動の発生から所定期間T1内における、第2の挙動を示す第2挙動情報を取得する。第2検知部122は、たとえば第1検知部112が第1の挙動を検知してから所定期間T1内の挙動のみを第2の挙動として検知してもよい。
【0052】
また、第2検知部122がタイミングにかかわらず第2の挙動を検知する場合、第2取得部120は第1の挙動を検知してから所定期間T1を超えて第2の挙動が行われた場合、その第2の挙動を示す第2挙動情報を取得しなくてもよい。この場合、第2挙動情報と、その第2挙動情報が示す第2の挙動が行われた時間を示す情報とを第2取得部120は合わせて取得する。さらに、第2取得部120は第1の挙動の発生時刻を示す情報を取得する。なお、第1の挙動の発生時刻と第1取得部110が第1挙動情報を取得する時刻とがほぼ同じであり、第2の挙動の発生時刻と第2取得部120が第2挙動情報を取得しようとする時刻とがほぼ同じである場合、第2取得部120は第1取得部110が第1挙動情報を取得した時刻と、第2取得部120が第2挙動情報を取得しようとする時刻とを比較して、第1の挙動を検知してから所定期間T1内に第2の挙動が行われたか否かを判定してもよい。
【0053】
また、第1取得部110および第2取得部120はタイミングにかかわらず第1挙動情報および第2挙動情報をそれぞれ取得してもよい。この場合については後に詳述する。
【0054】
上記した通り、出力装置10は判定部140を備える。判定部140は、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力するべきか否かを判定する。そして、判定部140が出力すべきと判定した場合に、第1出力部150は第1挙動情報および第2挙動情報に基づく制御情報を出力する。
【0055】
判定部140の判定結果により、出力装置10はスタンバイ状態と、非スタンバイ状態とに切り替わる。すなわち、判定部140が、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力するべきと判定した場合、出力装置10はスタンバイ状態となり、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力する必要がないと判定した場合、出力装置10は非スタンバイ状態となる。第1出力部150は、スタンバイ状態の時に第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力する。一方、第1出力部150は、非スタンバイ状態の時に第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力しない。
【0056】
たとえば非スタンバイ状態では、第1検知部112および第2検知部122が挙動の検知を行わなくてもよい。また、非スタンバイ状態では第1取得部110および第2取得部120がそれぞれ第1挙動情報および第2挙動情報の取得を行わなくてもよい。また、第1出力部150は、第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を生成しなくてもよい。なお、第1出力部150は、非スタンバイ状態において、第1挙動情報および第2挙動情報に基づかない他の制御情報を生成し、出力してもよい。
【0057】
第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力するべきか否かを判定する判定部140を備えることにより、必要な場合にのみ第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報が生成され、出力装置10の処理負荷が軽減される。たとえば、非スタンバイ状態で第1検知部112および第2検知部122での検知が行われない場合には、第1検知部112および第2検知部122は画像の処理を行い続ける必要がない。
【0058】
本実施例において、判定部140は、第1の移動体の速度が予め定められた速度V以下になったとき、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定する。速度Vは特に限定されないが、たとえば時速2km以上時速20km以下である。第1の移動体の速度低下は、自動運転による減速でもよいし、運転者の指示、操作による減速でも良い。たとえば自動運転の制御装置が、第2の移動体単独の挙動だけでは第2の移動体の次の挙動が判断できなかった場合、減速されることがある。また、第1の移動体の搭乗者が第2の移動体を発見し、コミュニケーションが必要であると考える場合や、狭い道など周囲が注意を必要とする環境である場合に減速されることがある。予め定められた速度Vを示す情報は記憶部170に保持されており、判定部140はそれを読み出して判定に用いることができる。
【0059】
なお、判定部140は、第1の移動体の加速度が予め定められた加速度A以下になったとき、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定してもよい。負の加速度を加速度Aとして定めることにより、判定部140は第1の移動体が減速したときに出力装置10をスタンバイ状態にすることができる。
【0060】
判定部140が、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定し、出力装置10がスタンバイ状態となったとき、スタンバイ状態であることがモニタ422等の表示器への表示、またはスピーカー425からの音声で、第1移動体の搭乗者に提示されてもよい。搭乗者はその提示を受けて、第1の挙動を行うことができる。
【0061】
また、出力装置10がスタンバイ状態となったとき、第1出力部150は、第1移動体を徐行または停止させる制御情報を出力しても良い。また、出力装置10がスタンバイ状態となり、第2の移動体の存在が検知されたときに第1出力部150は、第1移動体を徐行または停止させる制御情報を出力しても良い。なお、第2の移動体は第2検知部122により、上記したのと同様の方法で検知できる。
【0062】
また、出力装置10は、判定部140が、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力するべきと判定し、かつ、第2検知部122が第2の移動体の存在を検知したときに、出力装置10がスタンバイ状態となっても良い。この場合第2検知部122は、第2の移動体を検出しようとする処理を、出力装置10の起動中は常に行っていてもよいし、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力するべきと判定した後に開始してもよい。
【0063】
また、第1の移動体が自動運転装置を搭載している場合、第1の移動体が自動運転装置からの補助要求情報を取得した時に、判定部140が、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定し、出力装置10がスタンバイ状態となっても良い。自動運転装置からは、自動運転制御にて第1の移動体が行うべき動作の判断が困難である場合に、補助要求情報が出力される。
【0064】
判定部140は予め定められた時間T3ごとに判定を行う。時間T3は特に限定されないが、たとえば1秒以上の1分以下である。判定部140は、第1の移動体の速度が予め定められた速度Vを超えたとき、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力する必要がないと判定し、出力装置10を非スタンバイ状態にする。
【0065】
第1出力部150は、第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力する。スタンバイ状態において、第1取得部110が第1挙動情報を取得し、第2取得部120が第2挙動情報を取得すると、第1出力部150は取得された第1挙動情報と第2挙動情報との組み合わせに基づき制御情報を生成し、出力する。第1挙動情報と第2挙動情報との組み合わせと、生成すべき制御情報との関係は、第1の移動体と第2の移動体との間で想定されるコミュニケーションのパターンに基づいて予め定められている。そして、第1挙動情報と第2挙動情報との組み合わせと、生成すべき制御情報との関係を示す参照情報が予め記憶部170に保持されており、第1出力部150は記憶部170から参照情報を読み出して制御情報の生成に用いることができる。
【0066】
第1取得部110および第2取得部120がタイミングにかかわらず第1挙動情報および第2挙動情報をそれぞれ取得する場合、第1の挙動を検知してから所定期間T1内に第2の挙動が行われたか否かを第1出力部150が判定してもよい。第1出力部150は、第1挙動情報および第2挙動情報がそれぞれ生成された時刻、第1挙動情報および第2挙動情報がそれぞれ第1取得部110および第2取得部120に取得された時刻の少なくともいずれかを用いて判定を行える。第1出力部150は、第1の挙動の発生から所定期間T1内における、第2の挙動を示す第2挙動情報が第2取得部120で取得された場合にのみ第1挙動情報及び第2挙動情報に基づき、制御情報を生成し、出力する。
【0067】
第1出力部150から出力された制御情報により、第1の移動体が制御される。制御情報はたとえば第1の移動体を停止させるための情報、第1の移動体を発進させるための情報等である。
【0068】
図5は、実施例1に係る出力装置10で行われる処理を例示するフローチャートである。以下では、第1の挙動を検知してから所定期間T1内に第2の挙動が行われたか否かを第1出力部150が判定する場合の例について説明するが、出力装置10で行われる処理は本例に限定されない。出力装置10では判定部140によりスタンバイ状態と非スタンバイ状態が切り替えられる。まずステップS100において第1出力部150は、出力装置10がスタンバイ状態であるかどうかを確認する。第1出力部150はたとえば判定部140からその時点での状態を示す情報を取得することができる。出力装置10がスタンバイ状態でないとき、すなわち非スタンバイ状態であるとき、第1出力部150は予め定められた時間T4経過後に再度ステップS100を行う。一方、出力装置10がスタンバイ状態であるとき、処理はステップS200に移る。時間T4は特に限定されないが、たとえば1秒以上の1分以下である。
【0069】
ステップS200では、第1出力部150は第1取得部110により第1挙動情報が取得されるか否かを確認する。予め定められた待機時間T5の間に第1挙動情報が第1取得部110で取得されない場合、処理はステップS100に戻る。一方、予め定められた待機時間T5の間に第1挙動情報が第1取得部110で取得されると、処理はステップS300に移る。待機時間T5は特に限定されないが、たとえば1秒以上の1分以下である。
【0070】
ステップS300では、第1出力部150は第2取得部120により第2挙動情報が取得されるか否かを確認する。第1挙動情報が取得されてから所定期間T1の内に第2挙動情報が第2取得部120で取得されない場合、処理はステップS100に戻る。一方、第1挙動情報が取得されてから所定期間T1の内に第2挙動情報が第2取得部120で取得されると、処理はステップS500に移る。なお、本例において、第1の挙動の発生時刻と第1取得部110が第1挙動情報を取得する時刻とがほぼ同じであり、第2の挙動の発生時刻と第2取得部120が第2挙動情報を取得する時刻とがほぼ同じであるとする。
【0071】
ステップS500では、第1出力部150は取得された第1挙動情報および第2挙動情報と、参照情報とを用いて制御情報を生成し、生成された制御情報を出力する。そして、処理は再びステップS100に戻る。
【0072】
以上、本実施例によれば、実施形態と同様、第1出力部150は、第1挙動情報及び第2挙動情報に基づき、第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する。したがって、他の移動体との意思疎通が円滑に行われ、スムーズな自動運転が実現される。
【0073】
くわえて、本実施例によれば、判定部140が出力すべきと判定した場合に、第1出力部150は制御情報を出力する。したがって、必要な場合にのみ第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報が生成され、出力装置10の処理負荷が軽減される。
【0074】
(実施例2)
図6は、実施例2に係る出力装置10で行われる処理を例示するフローチャートである。本実施例に係る出力装置10は、以下に説明する点を除いて、実施例1に係る出力装置10と同じである。本実施例に係る出力装置10では、第1取得部110は、第2の挙動の発生から所定期間T2内における、搭乗者の第3の挙動を示す第3挙動情報をさらに取得する。第1出力部150は、第3挙動情報にさらに基づき、制御情報を出力する。以下に詳しく説明する。
【0075】
第3の挙動は、第2の移動体による第2の挙動を受けた第1の移動体の搭乗者の挙動である。第2の挙動を受けた第1の移動体の搭乗者は、たとえば第2の移動体に感謝の意志を示したり、第2の挙動を受けて第1の移動体の次の動きに向けた行動を起こしたりする。第3の挙動はたとえば、片手を上げる挙動、会釈をする挙動などの搭乗者の挙動、周囲の安全確認をするまたは歩行者を注視するなどの搭乗者の視線に関する挙動、または、第1の移動体のヘッドライト、ハザードランプ、もしくはブレーキランプを一回以上点滅させる操作をする挙動、または第1の移動体のクラクションを一回以上鳴らす操作をする挙動である。
【0076】
本実施例に係る出力装置10では、第1出力部150が、第1挙動情報、および第2挙動情報に加えて、さらに第3挙動情報に基づき制御情報を出力する。したがって、第1の移動体の搭乗者と第2の移動体とのコミュニケーションの結果をより精度良く把握して、第1の移動体を制御することができる。
【0077】
本実施例に係る出力装置10では、第1取得部110は第1の挙動の取得と同様に第3の挙動を取得する。第3挙動情報は、第3の挙動がどの挙動であるかを示すID等である。第3の挙動は、第2の移動体に向けた挙動であってもよいし、第2の移動体に向けた挙動でなくてもよい。なお、第3の挙動は第2の移動体から直接または間接的に認識されうる挙動であることが好ましい。
【0078】
また、第3の挙動は、第1の挙動と同様、第1入力部160への入力であって良い。たとえば搭乗者が第1入力部160に第3の挙動の候補として定められた複数の入力操作のうちいずれかの入力操作を行うと、第1取得部110はその操作内容を示す情報を第3挙動情報として取得する。
【0079】
さらに、第3の挙動は、第1の挙動と同様、第1検知部112で検知される挙動であっても良い。第1検知部112は第1の挙動の検知と同様にして第3の挙動の検知を行える。第3の挙動についての特徴点のパターンを示す情報は挙動の内容ごとに予め記憶部170に保持されており、第1検知部112はそれを読み出して検知に用いることができる。第1検知部112は第3の挙動を検知すると、第1検知部112はその挙動の内容を示す情報を第3挙動情報として生成する。第1検知部112で第3挙動情報が生成されると、第1取得部110がその第3挙動情報を取得する。
【0080】
ここで第1取得部110は、第2の挙動の発生から所定期間T2内における、第3の挙動を示す第3挙動情報を取得する。なお、第1の挙動の発生から第2の挙動の発生の間の所定期間T1と、第2の挙動の発生から第3の挙動の発生の間の所定期間T2とは互いに同じであっても良いし、異なっていても良い。所定期間T2は、第2の挙動を受けて第1の移動体の搭乗者が反応するのに要すると想定される時間に基づき、予め定められている。所定期間T2は、たとえば5秒以内、または3秒以内である。
【0081】
第1検知部112は、たとえば第2検知部122が第2の挙動を検知してから所定期間T2内の挙動のみを第3の挙動として検知してもよい。
【0082】
また、第1検知部112がタイミングにかかわらず第1の挙動を検知する場合、第1取得部110は第2の挙動を検知してから所定期間T2を超えて第3の挙動が行われた場合、その第3の挙動を示す第3挙動情報を取得しなくてもよい。この場合、第3挙動情報と、その第3挙動情報が示す第3の挙動が行われた時間を示す情報とを第2取得部120は合わせて取得する。さらに、第2取得部120は第3の挙動の発生時刻を示す情報を取得する。なお、第2の挙動の発生時刻と第2取得部120が第2挙動情報を取得する時刻とがほぼ同じであり、第3の挙動の発生時刻と第1取得部110が第3挙動情報を取得しようとする時刻とがほぼ同じである場合、第1取得部110は第2取得部120が第2挙動情報を取得する時刻と、第1取得部110が第3挙動情報を取得しようとする時刻とを比較して、第2の挙動を検知してから所定期間T2内に第3の挙動が行われたか否かを判定してもよい。
【0083】
また、第2取得部120および第1取得部110はタイミングにかかわらず第2挙動情報および第3挙動情報をそれぞれ取得してもよい。この場合、第2の挙動を検知してから所定期間T2内に第3の挙動が行われたか否かを第1出力部150が判定してもよい。第1出力部150は、第2挙動情報および第3挙動情報がそれぞれ生成された時刻、第2挙動情報および第3挙動情報がそれぞれ第2取得部120および第1取得部110に取得された時刻の少なくともいずれかを用いて判定を行える。第1出力部150は、第2の挙動の発生から所定期間T2内における、第3の挙動を示す第3挙動情報が第1取得部110で取得された場合にのみ、第1挙動情報、第2挙動情報、および第3挙動情報に基づき、制御情報を生成し、出力する。
【0084】
図6を参照し、本実施例に係る出力方法について以下に説明する。本実施例において、ステップS100からステップS300までは実施例1と同様に行われる。本実施例において、ステップS300では、第1挙動情報が取得されてから所定期間T1の内に第2挙動情報が第2取得部120で取得されると、処理はステップS400に移る。
【0085】
ステップS400では、第1出力部150は第1取得部110により第3挙動情報が取得されるか否かを確認する。第2挙動情報が取得されてから所定期間T2の間に第3挙動情報が第1取得部110で取得されない場合、処理はステップS100に戻る。一方、第2挙動情報が取得されてから所定期間T2の間に第3挙動情報が第1取得部110で取得されると、処理はステップS500に移る。なお、本例において、第2の挙動の発生時刻と第2取得部120が第2挙動情報を取得する時刻とがほぼ同じであり、第3の挙動の発生時刻と第1取得部110が第3挙動情報を取得する時刻とがほぼ同じであるとする。
【0086】
ステップS500では、第1出力部150は取得された第1挙動情報、第2挙動情報、および第3挙動情報と、参照情報とを用いて制御情報を生成し、生成された制御情報を出力する。そして、処理は再びステップS100に戻る。
【0087】
本実施例において、参照情報は第1挙動情報、第2挙動情報、および第3挙動情報の組み合わせと、生成すべき制御情報との関係を示す情報である。
【0088】
以上、本実施例によれば、実施形態と同様、第1出力部150は、第1挙動情報及び第2挙動情報に基づき、第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する。したがって、他の移動体との意思疎通が円滑に行われ、スムーズな自動運転が実現される。
【0089】
くわえて、本実施例によれば、第1出力部150は、第3挙動情報にさらに基づき、制御情報を出力する。したがって、第1の移動体の搭乗者と第2の移動体とのコミュニケーションの結果をより精度良く把握して、第1の移動体が制御される。
【0090】
(実施例3)
実施例3に係る出力装置10は、判定部140が、第1の移動体が横断歩道または交差点から所定の範囲内に位置するときに、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定する点を除いて実施例1または実施例2の少なくともいずれかに係る出力装置10と同じである。以下に詳しく説明する。
【0091】
横断歩道や交差点の近辺では、第1の移動体の搭乗者と第2の移動体とのコミュニケーションが必要となる可能性が高い。したがって、第1の移動体が横断歩道または交差点から所定の範囲内に位置するときに、判定部140が出力装置10をスタンバイ状態にすることで、横断歩道や交差点の近辺で、スムーズに自動運転が行われる。
【0092】
本実施例に係る判定部140は第1の移動体の位置情報と、少なくとも第1の移動体が位置する領域の地図情報を取得する。第1の移動体はたとえばGPS(Global Positioning System)の受信機を搭載しており、判定部140は第1の移動体に搭載されたGPS装置から第1の移動体の位置を示す位置情報を取得する。また、地図情報は予め記憶部170に保持されており、判定部140はそれを読み出して用いることができる。また、判定部140は通信網を介して外部のサーバから地図情報を取得しても良い。地図情報には横断歩道の位置を示す情報および交差点の位置を示す情報が含まれている。
【0093】
判定部140は取得した位置情報および地図情報を用いて、第1の移動体が横断歩道または交差点から所定の範囲内に位置するか否か判定する。所定の範囲内は、第1の移動体の搭乗者と第2の移動体とのコミュニケーションが必要になる範囲を想定して定められる。所定の範囲内とは、たとえば第1の移動体と横断歩道または交差点との距離がL[m]以内であることを示す。Lはたとえば2以上100以下である。なお、判定部140は、第1の移動体の進行方向の前方に横断歩道または交差点が位置する場合にのみ、第1の移動体が横断歩道または交差点から所定の範囲内に位置すると判定しても良い。
【0094】
判定部140は、第1の移動体が横断歩道または交差点から所定の範囲内に位置するときに、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定する。すなわち、出力装置10をスタンバイ状態にする。一方、第1の移動体が横断歩道または交差点から所定の範囲内に位置しないときに、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力する必要が無いと判定する。すなわち、出力装置10を非スタンバイ状態にする。
【0095】
また、本実施例においては、判定部140が、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定する根拠となる事実毎に、参照情報が準備されていても良い。この場合、判定部140は、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定した場合、その判定の根拠となる事実(たとえば、「横断歩道から所定の範囲内に位置すること」、「第1の移動体の速度が予め定められた速度以下になったこと」)を示す情報を生成する。
【0096】
第1出力部150はステップS500において、判定部140から判定の根拠となる事実を示す情報を取得し、その情報が示す事実に対応する参照情報を記憶部170から読み出す。そして第1出力部150は読み出した参照情報を用いて制御情報を生成し、出力する。
【0097】
第1の移動体の搭乗者と第2の移動体とのコミュニケーションの内容は、そのコミュニケーションが行われる場面によって異なり得る。そこで、根拠となる事実毎に準備された参照情報を用いて第1出力部150が制御情報を出力することにより、各場面でスムーズな自動運転が行われる。
【0098】
以上、本実施例によれば、実施形態と同様、第1出力部150は、第1挙動情報及び第2挙動情報に基づき、第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する。したがって、他の移動体との意思疎通が円滑に行われ、スムーズな自動運転が実現される。
【0099】
くわえて、本実施例によれば、判定部140が、第1の移動体が横断歩道または交差点から所定の範囲内に位置するときに、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定する。したがって、横断歩道や交差点の近辺で、スムーズに自動運転が行われる。
【0100】
(実施例4)
実施例4に係る出力装置10では、判定部140は、第1の移動体が走行する道の幅が予め定められた条件を満たすときに、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定する点を除いて実施例1から実施例3の少なくともいずれかに係る出力装置10と同じである。以下に詳しく説明する。
【0101】
本実施例において第1の移動体は車両であり、第2の移動体は第1の移動体の対向車両である。狭い道で二車両がすれ違う場合に、対向する二車両がコミュニケーションをとって道を譲り合うことがあり得る。したがって、第1の移動体が走行する道の幅が予め定められた条件を満たすときに、判定部140が出力装置10をスタンバイ状態にすることで、狭い道でもスムーズに自動運転が行われる。
【0102】
判定部140はたとえば地図情報に含まれる道幅を用いて判定をすることができる。また、判定部140は第1の移動体の周囲が実際に測定された結果を用いて判定をしても良い。
【0103】
判定部140が、地図情報に示された道幅を用いて判定をする例について説明する。判定部140は実施例3でと同様に地図情報および第1の移動体の位置情報を取得する。本例において、地図情報は各道の幅を示す情報を含んでいる。そして判定部140は、取得した位置情報および地図情報を用いて、第1の移動体が走行する道の幅が予め定められた条件を満たすか否か判定する。この条件は、二つの移動体がすれ違う際に注意を有する程度に狭いことを示す条件である。具体的には、たとえば第1の移動体が走行する道の幅がW[m]以下である場合、判定部140は道の幅が予め定められた条件を満たすと判定する。Wはたとえば7以上10以下である。
【0104】
判定部140が、第1の移動体の周囲が実際に測定された結果を用いて判定をする場合について以下に説明する。本例において、第1の移動体には、第1の移動体の横側面と、横側面に対向する構造体との距離を測定するセンサが設けられている。そして、判定部140はそのセンサから、第1の移動体の横側面と構造体との距離を取得する。構造体はたとえば道のサイドに設けられた建物、壁、またはガードレールである。判定部140は、取得した距離が予め定められた基準距離以下である場合、第1の移動体が走行する道の幅が予め定められた条件を満たすと判定する。
【0105】
判定部140は、第1の移動体が走行する道の幅が予め定められた条件を満たすときに、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定する。すなわち、出力装置10をスタンバイ状態にする。一方、第1の移動体が走行する道の幅が予め定められた条件を満たさないときに、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力する必要が無いと判定する。すなわち、出力装置10を非スタンバイ状態にする。
【0106】
なお、本実施例においても、実施例3と同様、判定部140が、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定する根拠となる事実毎に、参照情報が準備されていても良い。そして、第1出力部150は判定の根拠となる事実に対応する参照情報を用いて制御情報を生成し、出力してもよい。
【0107】
以上、本実施例によれば、実施形態と同様、第1出力部150は、第1挙動情報及び第2挙動情報に基づき、第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する。したがって、他の移動体との意思疎通が円滑に行われ、スムーズな自動運転が実現される。
【0108】
くわえて、本実施例によれば、判定部140は、第1の移動体が走行する道の幅が予め定められた条件を満たすときに、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定する。したがって、狭い道でもスムーズに自動運転が行われる。
【0109】
(実施例5)
図7は、実施例5に係る出力装置10の機能構成を例示するブロック図である。本実施例に係る出力装置10は、以下に説明する点を除いて、実施例1から実施例4の少なくともいずれかに係る出力装置10と同じである。
【0110】
本実施例に係る出力装置10は、第3取得部130をさらに備える。第3取得部130は、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力するべき、要注意領域を示す情報を取得する。そして判定部140は、第1の移動体が要注意領域内に位置するときに、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定する。以下に詳しく説明する。
【0111】
交差点や横断歩道、狭い道、高速道路や店の出入り口での合流等、第1の移動体の搭乗者と第2の移動体とがコミュニケーションをとる必要があり得る場所は事前にある程度予測可能である。そのような場所を要注意領域とすることにより、スムーズに自動運転が行われる領域を広げることができる。
【0112】
要注意領域は、第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力するべき領域である。要注意領域にはたとえば交差点や横断歩道の近傍領域、狭い道、高速道路や店の出入り口での合流点の近傍領域が含まれる。要注意領域としては第1の移動体の搭乗者と第2の移動体とのコミュニケーションの発生が予想される複数の領域を予め推測し、定めておくことができる。要注意領域を示す情報はたとえば各領域の範囲を緯度経度の範囲で示したリストである。また、要注意領域を示す情報は地図情報に紐づけられた、地図上のエリアを示す情報であっても良い。
【0113】
第3取得部130は、たとえば通信網を介して外部のサーバから要注意領域を示す情報を取得する。また、第3取得部130は記憶部170に予め保持された要注意領域を示す情報を読み出して取得しても良い。
【0114】
判定部140は実施例3と同様に第1の移動体の位置情報を取得する。そして、位置情報と、第3取得部130が取得した要注意領域を示す情報とを用いて、第1の移動体が要注意領域内に位置するか否かを判定する。そして、第1の移動体が要注意領域内に位置する場合に、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定する。すなわち、出力装置10をスタンバイ状態にする。一方、第1の移動体が要注意領域内に位置しない場合に、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力する必要が無いと判定する。すなわち、出力装置10を非スタンバイ状態にする。
【0115】
なお、本実施例においても、実施例3と同様、判定部140が、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定する根拠となる事実毎に、参照情報が準備されていても良い。そして、第1出力部150は判定の根拠となる事実に対応する参照情報を用いて制御情報を生成し、出力してもよい。
【0116】
以上、本実施例によれば、実施形態と同様、第1出力部150は、第1挙動情報及び第2挙動情報に基づき、第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する。したがって、他の移動体との意思疎通が円滑に行われ、スムーズな自動運転が実現される。
【0117】
くわえて、本実施例によれば、判定部140は、第1の移動体が要注意領域内に位置するときに、第1出力部150が第1挙動情報および第2挙動情報に基づき制御情報を出力すべきと判定する。したがって、スムーズに自動運転が行われる領域を広げることができる。
【0118】
(実施例6)
図8は、実施例6に係る出力装置10の機能構成を例示するブロック図である。本実施例に係る出力装置10は、以下に説明する点を除いて、実施例1から実施例5の少なくともいずれかに係る出力装置10と同じである。
【0119】
本実施例に係る出力装置10は、搭乗者に報知を行うための第2出力部152および第3出力部153をさらに備える。また、本実施例に係る出力装置10は、搭乗者からの入力を受け付け可能である第2入力部162をさらに備える。図4の例において、モニタ422およびスピーカー425が第2出力部152として機能する。また、モニタ422およびスピーカー425は第3出力部153としても機能する。そして、入力パネル423およびマイク424が第2入力部162として機能する。第2出力部152の出力や第3出力部153の出力は、音声、画面表示、およびAR(Augmented Reality)表示等であり得る。
【0120】
本実施例において、第2出力部152は、第1出力部150で生成された制御情報の内容を搭乗者に報知するための報知情報を出力する。第3出力部153は、第1の移動体の搭乗者に挙動を促すための情報を出力する。また、第2入力部162は制御情報の内容を変更する入力を受け付け可能である。第1の移動体の搭乗者は、第1出力部150で生成された制御情報が示す次の動作に問題がある場合に、その動作をキャンセルする旨の入力を第2入力部162に行うことができる。これにより、第1の移動体と第2の移動体との間でスムーズな譲り合いが行われる。以下に詳しく説明する。
【0121】
本実施例において、第1の移動体は自動運転装置を搭載している。たとえば第1の移動体が横断歩道に接近し、横断歩道付近に歩行者(第2の移動体)がいることが検知された場合、自動運転に基づき第1の移動体は歩行者の横断を待つために横断歩道付近の停止線の手前で停止する。
【0122】
ここで、歩行者が横断歩道の横断を開始しない場合、自動運転装置から補助要求情報が出力される。すると、判定部140は、出力装置10をスタンバイ状態とする。
【0123】
本実施例において、出力装置10がスタンバイ状態となると、第3出力部153は第1の移動体の搭乗者に、第2の移動体とのコミュニケーションを促す情報を出力する。コミュニケーションを促す情報を以下では「依頼情報」とも呼ぶ。依頼情報は、第1の移動体の搭乗者に挙動を促すための情報である。依頼情報の出力としては、たとえば「歩道付近に歩行者を検出しました。歩行者へ横断を促してもらえませんでしょうか?」のような音声案内または画面表示が行われる。また、第3出力部153は、「歩行者の横断待ちのため、車両を停車させます。」等の、第1の移動体の状態を示す情報を組み合わせて出力してもよい。また、第3出力部153の出力は、第2の移動体を強調するAR表示でもよい。
【0124】
依頼情報によって、第1の移動体の搭乗者は、第2の移動体との間でコミュニケーションを図る。そして、出力装置10では、第1の挙動および第2の挙動が検知される。ここで、第1取得部110は、依頼情報の出力から所定期間内に発生した搭乗者の挙動を示す情報を、第1挙動情報として取得してもよい。
【0125】
次いで、第1出力部150は、第1挙動情報及び第2挙動情報に基づき、第1の移動体の走行を制御するための制御情報を生成する。
【0126】
図9は、実施例6に係る出力装置10で行われる処理を例示するフローチャートである。出力装置10で行われる処理は、以下に説明する点を除いて、実施例1から実施例5の少なくともいずれかに係る出力装置10で行われる処理と同じである。
【0127】
本実施例において、ステップS100で、出力装置10がスタンバイ状態である場合、ステップS150において、第3出力部153は第1の移動体の搭乗者に依頼情報を提示する。すると、第1の移動体の搭乗者と第2の移動体との間でコミュニケーションが行われ、実施例1と同様にステップS200およびステップS300が行われる。ただし、ステップS200において、第1取得部110は、依頼情報の出力から所定期間内に発生した搭乗者の挙動を示す情報を、第1挙動情報として取得してもよい。
【0128】
ステップS300で第2挙動情報が取得されると(ステップS300のY)、ステップS501において第1出力部150は、実施例1のステップS500と同様にして制御情報を生成する。そして、ステップS502において第2出力部152は、第1出力部150で生成された制御情報の内容を搭乗者に報知するための報知情報を出力する。
【0129】
次いで、ステップS503において搭乗者は、出力された報知情報に示された次の動作をキャンセルするか否か、第2入力部162に入力する。第2入力部162にキャンセルする旨の入力がされた場合(ステップS503のY)、第1出力部150は、制御情報の出力を中止し(ステップS505)、再度ステップS100に戻る。なお、この場合、第2出力部152は、代わりの動作の入力を求める報知をさらに搭乗者に対して行っても良い。その報知を受けた搭乗者は代わりの動作を示す入力を第2入力部162に対して行い、第1出力部150は、第2入力部162への入力内容に基づいた制御情報を出力する。
【0130】
一方、第2入力部162にキャンセルしない旨の入力がされた場合(ステップS503のN)、第1出力部150は、生成した制御情報を出力する(ステップS504)。そして、処理が再度ステップS100に戻る。
【0131】
なお、ステップS503において、搭乗者が出力された報知情報に示された次の動作をキャンセルするか否かを第2入力部162に入力する例について上記したが、搭乗者は、出力された報知情報に示された次の動作を承認するか否かを第2入力部162に入力してもよい。
【0132】
以上、本実施例によれば、実施形態と同様、第1出力部150は、第1挙動情報及び第2挙動情報に基づき、第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する。したがって、他の移動体との意思疎通が円滑に行われ、スムーズな自動運転が実現される。
【0133】
くわえて、本実施例によれば、第2出力部152は、第1出力部150で生成された制御情報の内容を搭乗者に報知するための報知情報を出力する。したがって、第1の移動体の搭乗者と第2の移動体とのコミュニケーションの結果をより精度良く把握して、第1の移動体が制御される。
【0134】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。たとえば、上述の説明で用いたシーケンス図やフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施例で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施例では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態および各実施例は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0135】
以下、参考形態の例を付記する。
1-1. 第1の移動体の搭乗者の第1の挙動を示す第1挙動情報を取得する第1取得部と、
前記第1の挙動の発生から所定期間内における、前記第1の移動体周辺の第2の移動体の第2の挙動を示す第2挙動情報を取得する第2取得部と、
前記第1挙動情報及び前記第2挙動情報に基づき、前記第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する第1出力部と、
を備える出力装置。
1-2. 1-1.に記載の出力装置において、
前記第1取得部は、前記第2の挙動の発生から所定期間内における、前記搭乗者の第3の挙動を示す第3挙動情報をさらに取得し、
前記第1出力部は、前記第3挙動情報にさらに基づき、前記制御情報を出力する出力装置。
1-3. 1-1.または1-2.に記載の出力装置において、
前記第1出力部が前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力するべきか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記判定部が出力すべきと判定した場合に、前記第1出力部は前記制御情報を出力する出力装置。
1-4. 1-3.に記載の出力装置において、
前記判定部は、前記第1の移動体が横断歩道または交差点から所定の範囲内に位置するときに、前記第1出力部が前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力すべきと判定する出力装置。
1-5. 1-3.または1-4.に記載の出力装置において、
前記判定部は、前記第1の移動体の速度が予め定められた速度以下になったとき、前記第1出力部が前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力すべきと判定する出力装置。
1-6. 1-3.から1-5.のいずれか一つに記載の出力装置において、
前記第1出力部が前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力するべき、要注意領域を示す情報を取得する第3取得部をさらに備え、
前記判定部は、前記第1の移動体が前記要注意領域内に位置するときに、前記第1出力部が前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力すべきと判定する出力装置。
1-7. 1-3.から1-6.のいずれか一つに記載の出力装置において、
前記判定部は、前記第1の移動体が走行する道の幅が予め定められた条件を満たすときに、前記第1出力部が前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力すべきと判定する出力装置。
1-8. 1-1.から1-7.のいずれか一つに記載の出力装置において、
前記第1の挙動は、前記第2の移動体に対する前記第1の移動体の搭乗者によるジェスチャーまたは発声である出力装置。
1-9. 1-1.から1-8.のいずれか一つに記載の出力装置において、
前記第1の移動体は車両であり、前記第2の移動体は前記第1の移動体の対向車両であり、
前記第2の挙動は、前記第2の移動体がヘッドライト、ハザードランプ、もしくはブレーキランプを一回以上点滅させる挙動、またはクラクションを一回以上鳴らす挙動である出力装置。
1-10. 1-1.から1-9.のいずれか一つに記載の出力装置において、
前記第1取得部は、第1入力部への前記搭乗者の入力を受け付け可能であり、
前記第1の挙動は前記第1入力部への入力である出力装置。
1-11. 1-1.から1-10.のいずれか一つに記載の出力装置において、
前記第2の移動体の挙動を検知する検知部をさらに備え、
前記第2取得部は、前記検知部から前記第2挙動情報を取得し、
前記検知部は、
前記第2の移動体の少なくとも一部が含まれる画像を取得し、
前記画像を用いて前記第2の挙動を検知し、前記第2挙動情報を生成する出力装置。
1-12. 1-1.から1-11.のいずれか一つに記載の出力装置において、
前記制御情報の内容を前記搭乗者に報知するための報知情報を出力する第2出力部をさらに備える出力装置。
1-13. 1-1.から1-12.のいずれか一つに記載の出力装置において、
前記制御情報の内容を変更する入力を受け付け可能である第2入力部をさらに備える出力装置。
1-14. 1-1.から1-13.のいずれか一つに記載の出力装置において、
前記搭乗者に挙動を促すための依頼情報を出力する第3出力部をさらに備える出力装置。
1-15. 1-14.に記載の出力装置において、
前記第1取得部は、前記依頼情報の出力から所定期間内に発生した前記搭乗者の挙動を示す情報を前記第1挙動情報として取得する出力装置。
2-1. 第1の移動体の搭乗者の第1の挙動を示す第1挙動情報を取得する第1取得ステップと、
前記第1の挙動の発生から所定期間内における、前記第1の移動体周辺の第2の移動体の第2の挙動を示す第2挙動情報を取得する第2取得ステップと、
前記第1挙動情報及び前記第2挙動情報に基づき、前記第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する第1出力ステップと、
を含む出力方法。
2-2. 2-1.に記載の出力方法において、
前記第2の挙動の発生から所定期間内における、前記搭乗者の第3の挙動を示す第3挙動情報をさらに取得し、
前記第1出力ステップでは、前記第3挙動情報にさらに基づき、前記制御情報を出力する出力方法。
2-3. 2-1.または2-2.に記載の出力方法において、
前記第1出力ステップで前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力するべきか否かを判定する判定ステップをさらに備え、
前記判定ステップで出力すべきと判定した場合に、前記第1出力ステップで前記制御情報を出力する出力方法。
2-4. 2-3.に記載の出力方法において、
前記判定ステップでは、前記第1の移動体が横断歩道または交差点から所定の範囲内に位置するときに、前記第1出力ステップで前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力すべきと判定する出力方法。
2-5. 2-3.または2-4.に記載の出力方法において、
前記判定ステップでは、前記第1の移動体の速度が予め定められた速度以下になったとき、前記第1出力ステップで前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力すべきと判定する出力方法。
2-6. 2-3.から2-5.のいずれか一つに記載の出力方法において、
前記第1出力ステップで前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力するべき、要注意領域を示す情報を取得する第3取得ステップをさらに含み、
前記判定ステップでは、前記第1の移動体が前記要注意領域内に位置するときに、前記第1出力ステップで前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力すべきと判定する出力方法。
2-7. 2-3.から2-6.のいずれか一つに記載の出力方法において、
前記判定ステップでは、前記第1の移動体が走行する道の幅が予め定められた条件を満たすときに、前記第1出力ステップで前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力すべきと判定する出力方法。
2-8. 2-1.から2-7.のいずれか一つに記載の出力方法において、
前記第1の挙動は、前記第2の移動体に対する前記第1の移動体の搭乗者によるジェスチャーまたは発声である出力方法。
2-9. 2-1.から2-8.のいずれか一つに記載の出力方法において、
前記第1の移動体は車両であり、前記第2の移動体は前記第1の移動体の対向車両であり、
前記第2の挙動は、前記第2の移動体がヘッドライト、ハザードランプ、もしくはブレーキランプを一回以上点滅させる挙動、またはクラクションを一回以上鳴らす挙動である出力方法。
2-10. 2-1.から2-9.のいずれか一つに記載の出力方法において、
前記第1取得ステップでは、第1入力部への前記搭乗者の入力を受け付け可能であり、
前記第1の挙動は前記第1入力部への入力である出力方法。
2-11. 2-1.から2-10.のいずれか一つに記載の出力方法において、
前記第2の移動体の挙動を検知する検知ステップをさらに備え、
前記第2取得ステップでは、前記検知ステップで生成された前記第2挙動情報を取得し、
前記検知ステップでは、
前記第2の移動体の少なくとも一部が含まれる画像を取得し、
前記画像を用いて前記第2の挙動を検知し、前記第2挙動情報を生成する出力方法。
2-12. 2-1.から2-11.のいずれか一つに記載の出力方法において、
前記制御情報の内容を前記搭乗者に報知するための報知情報を出力するステップをさらに含む出力方法。
2-13. 2-1.から2-12.のいずれか一つに記載の出力方法において、
前記制御情報の内容を変更する入力を受け付け可能であるステップをさらに含む出力方法。
2-14. 2-1.から2-13.のいずれか一つに記載の出力方法において、
前記搭乗者に挙動を促すための依頼情報を出力する第3出力ステップをさらに備える出力方法。
2-15. 2-14.に記載の出力方法において、
前記第1取得ステップでは、前記依頼情報の出力から所定期間内に発生した前記搭乗者の挙動を示す情報を前記第1挙動情報として取得する出力方法。
3-1. 出力装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
第1の移動体の搭乗者の第1の挙動を示す第1挙動情報を取得する第1取得手段、
前記第1の挙動の発生から所定期間内における、前記第1の移動体周辺の第2の移動体の第2の挙動を示す第2挙動情報を取得する第2取得手段、および
前記第1挙動情報及び前記第2挙動情報に基づき、前記第1の移動体の走行を制御するための制御情報を出力する第1出力手段、
として機能させるコンピュータプログラム。
3-2. 3-1.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第1取得手段は、前記第2の挙動の発生から所定期間内における、前記搭乗者の第3の挙動を示す第3挙動情報をさらに取得し、
前記第1出力手段は、前記第3挙動情報にさらに基づき、前記制御情報を出力するコンピュータプログラム。
3-3. 3-1.または3-2.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを、前記第1出力手段が前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力するべきか否かを判定する判定手段としてさらに機能させ、
前記判定手段が出力すべきと判定した場合に、前記第1出力手段は前記制御情報を出力するコンピュータプログラム。
3-4. 3-3.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記判定手段は、前記第1の移動体が横断歩道または交差点から所定の範囲内に位置するときに、前記第1出力手段が前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力すべきと判定するコンピュータプログラム。
3-5. 3-3.または3-4.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記判定手段は、前記第1の移動体の速度が予め定められた速度以下になったとき、前記第1出力手段が前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力すべきと判定するコンピュータプログラム。
3-6. 3-3.から3-5.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを、前記第1出力手段が前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力するべき、要注意領域を示す情報を取得する第3取得手段としてさらに機能させ、
前記判定手段は、前記第1の移動体が前記要注意領域内に位置するときに、前記第1出力手段が前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力すべきと判定するコンピュータプログラム。
3-7. 3-3.から3-6.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記判定手段は、前記第1の移動体が走行する道の幅が予め定められた条件を満たすときに、前記第1出力手段が前記第1挙動情報および前記第2挙動情報に基づき前記制御情報を出力すべきと判定するコンピュータプログラム。
3-8. 3-1.から3-7.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第1の挙動は、前記第2の移動体に対する前記第1の移動体の搭乗者によるジェスチャーまたは発声であるコンピュータプログラム。
3-9. 3-1.から3-8.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第1の移動体は車両であり、前記第2の移動体は前記第1の移動体の対向車両であり、
前記第2の挙動は、前記第2の移動体がヘッドライト、ハザードランプ、もしくはブレーキランプを一回以上点滅させる挙動、またはクラクションを一回以上鳴らす挙動であるコンピュータプログラム。
3-10. 3-1.から3-9.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第1取得手段は、入力手段への前記搭乗者の入力を受け付け可能であり、
前記第1の挙動は前記入力手段への入力であるコンピュータプログラム。
3-11. 3-1.から3-10.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを前記第2の移動体の挙動を検知する検知手段としてさらに機能させ、
前記第2取得部は、前記検知手段から前記第2挙動情報を取得し、
前記検知手段は、
前記第2の移動体の少なくとも一部が含まれる画像を取得し、
前記画像を用いて前記第2の挙動を検知し、前記第2挙動情報を生成するコンピュータプログラム。
3-12. 3-1.から3-11.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
第2出力手段に前記制御情報の内容を前記搭乗者に報知するための報知情報を出力させるコンピュータプログラム。
3-13. 3-1.から3-12.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記制御情報の内容を変更する第2入力手段への入力を受け付け可能であるコンピュータプログラム。
3-14. 3-1.から3-13.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記搭乗者に挙動を促すための依頼情報を第3出力手段に出力させるコンピュータプログラム。
3-15. 3-14.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第1取得手段は、前記依頼情報の出力から所定期間内に発生した前記搭乗者の挙動を示す情報を前記第1挙動情報として取得するコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0136】
10 出力装置
40 集積回路
110 第1取得部
112 第1検知部
120 第2取得部
122 第2検知部
130 第3取得部
140 判定部
150 第1出力部
152 第2出力部
153 第3出力部
160 第1入力部
162 第2入力部
170 記憶部
402 バス
404 プロセッサ
406 メモリ
408 ストレージデバイス
410 入出力インタフェース
412 ネットワークインタフェース
420 第1カメラ
421 第2カメラ
422 モニタ
423 入力パネル
424 マイク
425 スピーカー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9