(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092550
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】出力装置、スマートデバイス、分散制御システム、出力方法および出力プログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/05 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
G05B19/05 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208573
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】萩原 一彦
(72)【発明者】
【氏名】山中 禎詠
【テーマコード(参考)】
5H220
【Fターム(参考)】
5H220AA01
5H220BB07
5H220CC03
5H220CX05
5H220JJ02
5H220JJ12
5H220KK03
(57)【要約】
【課題】入出力装置のスロットに対応するIOモジュールを容易に判別可能な出力装置、スマートデバイス、分散制御システム、出力方法および出力プログラムを提供する。
【解決手段】分散制御システム20における出力装置80であって、前記分散制御システム20は、オペレーション装置40と、オペレーション装置40に接続されプラントのフィールド機器の制御を行う制御装置50と、前記制御装置50および前記プラントのフィールド機器に接続され入出力情報を送受信する入出力装置60と、を備え、IOモジュールは、入出力装置60のスロットに挿入され、入出力装置60とフィールド機器とを接続し、制御装置50は、入出力装置60のスロットに対し、接続要求とともに該スロットに対応するIOモジュールの種別情報を送信し、制御装置50が送信したIOモジュールの種別情報を出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散制御システムにおける出力装置であって、
前記分散制御システムは、オペレーション装置と、前記オペレーション装置に接続されプラントのフィールド機器の制御を行う制御装置と、前記制御装置および前記プラントの前記フィールド機器に接続され入出力情報を送受信する入出力装置と、を備え、
IOモジュールは、前記入出力装置のスロットに挿入され、前記入出力装置と前記フィールド機器とを接続し、
前記制御装置は、前記入出力装置の前記スロットに対し、接続要求とともに該スロットに対応する前記IOモジュールの種別情報を送信し、
前記制御装置が送信した前記IOモジュールの前記種別情報を出力する出力装置。
【請求項2】
前記入出力装置の前記スロットに挿入される種別出力装置である請求項1に記載の出力装置。
【請求項3】
前記入出力装置の前記スロットに設けられたスロット内出力装置である請求項1に記載の出力装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の出力装置に用いられる前記種別情報は、記号化された情報であり、
前記記号化された情報を読み取り、ユーザが認識可能な種別詳細情報に変換して出力するスマートデバイス。
【請求項5】
オペレーション装置と、
前記オペレーション装置に接続されプラントのフィールド機器の制御を行う制御装置と、
前記制御装置および前記プラントの前記フィールド機器に接続され入出力情報を送受信する入出力装置と、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の出力装置と、を備える分散制御システム。
【請求項6】
分散制御システムにおける出力方法であって、
前記分散制御システムは、オペレーション装置と、前記オペレーション装置に接続されプラントのフィールド機器の制御を行う制御装置と、前記制御装置および前記プラントの前記フィールド機器に接続され入出力情報を送受信する入出力装置と、を備え、
IOモジュールは、前記入出力装置のスロットに挿入され、前記入出力装置と前記フィールド機器とを接続し、
前記制御装置に、前記入出力装置の前記スロットに対し、接続要求とともに該スロットに対応する前記IOモジュールの種別情報を送信させ、
出力装置に前記制御装置が送信した前記IOモジュールの前記種別情報を出力させる、コンピュータが実行する出力方法。
【請求項7】
請求項6に記載の出力方法をコンピュータに実行させる出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、出力装置、スマートデバイス、分散制御システム、出力方法および出力プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラントの制御を行う制御システムは、一般的にユーザが操作や監視に用いるオペレーション装置と、制御を行う制御装置と、プラントとの入出力情報のやり取りを行う入出力装置とから構成されている。特許文献1には、プラントの制御を行う制御システムである分散監視制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の発明では、入出力装置のどのスロットにいかなる種別のIOモジュール(フィールド機器と入出力装置とを接続する部材)が割り当てられているかを確認することができないという問題があった。スロットに対応するIOモジュールの確認は、ユーザがIOモジュールを抜き差しして行っている。種別が異なるIOモジュールを挿入した場合、異常は通知されるものの、正しい種別については判別不可能である。IOモジュールの種別は複数存在し、正しい種別のIOモジュールを探り当てるのには時間を要することとなる。このように、IOモジュールの接続を行う場面で、割り当てられた種別を確認することができていなかった。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、入出力装置のスロットに対応するIOモジュールを容易に判別可能な出力装置、スマートデバイス、分散制御システム、出力方法および出力プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の出力装置、スマートデバイス、分散制御システム、出力方法および出力プログラムは以下の手段を採用する。
本開示の出力装置は、分散制御システムにおける出力装置であって、前記分散制御システムは、オペレーション装置と、前記オペレーション装置に接続されプラントのフィールド機器の制御を行う制御装置と、前記制御装置および前記プラントの前記フィールド機器に接続され入出力情報を送受信する入出力装置と、を備え、IOモジュールは、前記入出力装置のスロットに挿入され、前記入出力装置と前記フィールド機器とを接続し、前記制御装置は、前記入出力装置の前記スロットに対し、接続要求とともに該スロットに対応する前記IOモジュールの種別情報を送信し、前記制御装置が送信した前記IOモジュールの前記種別情報を出力する。
【0007】
本開示のスマートデバイスは、前述の出力装置に用いられる前記種別情報は、記号化された情報であり、前記記号化された情報を読み取り、ユーザが認識可能な種別詳細情報に変換して出力する。
【0008】
本開示の分散制御システムは、オペレーション装置と、前記オペレーション装置に接続されプラントのフィールド機器の制御を行う制御装置と、前記制御装置および前記プラントの前記フィールド機器に接続され入出力情報を送受信する入出力装置と、前述の出力装置と、を備える
【0009】
本開示の出力方法は、分散制御システムにおける出力方法であって、前記分散制御システムは、オペレーション装置と、前記オペレーション装置に接続されプラントのフィールド機器の制御を行う制御装置と、前記制御装置および前記プラントの前記フィールド機器に接続され入出力情報を送受信する入出力装置と、を備え、IOモジュールは、前記入出力装置のスロットに挿入され、前記入出力装置と前記フィールド機器とを接続し、前記制御装置に、前記入出力装置の前記スロットに対し、接続要求とともに該スロットに対応する前記IOモジュールの種別情報を送信させ、出力装置に前記制御装置が送信した前記IOモジュールの前記種別情報を出力させ、コンピュータが実行する。
【0010】
本開示の出力プログラムは、前述の出力方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、入出力装置のスロットに対応するIOモジュールの種別情報を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の幾つかの実施形態における制御システムの概要図である。
【
図2】本開示の幾つかの実施形態における分散制御システムの論理構成を示した図である。
【
図3】本開示の幾つかの実施形態における制御装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
【
図4】本開示の幾つかの実施形態における種別出力装置を示す図である。
【
図5】本開示の幾つかの実施形態における種別の出力のフローチャートを示す図である。
【
図6】本開示の幾つかの実施形態におけるスロット内出力装置を示す図である。
【
図7】本開示の幾つかの実施形態におけるスマートグラスによる出力を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本開示に係る制御システム、プラント、制御方法、及び制御プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
以下、本開示の幾つかの実施形態における制御システムについて、
図1を用いて説明する。
図1に示されるように、プラントの制御システム1は、複数の分散制御システム20により構成され、分散制御システム20は、並列に設けられる。分散制御システム20は、オペレーション装置40と、制御装置50と、入出力装置60と、を備える。分散制御システム20は、プラントのフィールド機器70と接続される。
【0014】
プラントのフィールド機器70は、プラントの操作端であり、例えば差圧変換器、温度変換器などの発信器、計測器、調節弁などである。フィールド機器70の制御を行うことにより、プラントの制御を行うことができる。
【0015】
フィールド機器70は、図示しないIOモジュールを介して入出力装置60と接続される。IOモジュールは、入出力装置60のスロットに挿入され、入出力装置60とフィールド機器70とを接続する。IOモジュールは、フィールド機器70の種類に応じて複数の種別がある。フィールド機器70に対応した種別のIOモジュールを用いることで、フィールド機器70は入出力装置60を介して制御装置50やオペレーション装置40と接続可能となる。
【0016】
図2は、本開示の幾つかの実施形態における分散制御システムの論理構成を示した図である。
図2に示すように、分散制御システム20は、オペレーション装置40と、制御装置50と、入出力装置60と、を備える。オペレーション装置40と制御装置50、制御装置50と入出力装置60は、それぞれ接続される。分散制御システム20は、DCS(Distributed Control System)とも呼ばれるプラントを稼働させるための設備(システム)である。
【0017】
オペレーション装置40には、例えばOPS(オペレータステーション)、EMS(保守ツール)などが含まれ、プラント及び制御装置50の操作及び監視を行う。各オペレーション装置40及び制御装置50は、ネットワークを介して接続される。オペレーション装置40は、上位系と定義してもよい。
【0018】
制御装置50は、前述したようにオペレーション装置40とネットワークを介して接続され、プラントのフィールド機器70の制御を行う。制御装置50は、入出力装置60を介してプラントのフィールド機器70の入出力信号を処理し、後述するCPU1100で制御ロジックを演算して、プラントの制御を行う。制御装置50は、実行系と定義してもよい。
【0019】
入出力装置60は、制御装置50及びプラントのフィールド機器70と接続され、制御装置50及びプラントのフィールド機器70と入出力情報の送受信を行う。入出力装置60は、IOもしくはIOモジュールと定義してもよい。
【0020】
図3は、本開示の幾つかの実施形態における制御装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
図3に示すように、制御装置(Controller)50は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)1100、二次記憶装置(ROM、Secondary storage:メモリ)1200、主記憶装置(RAM、Main Memory)1300、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)1400と、ネットワーク等に接続するための通信部1500とを備えている。なお、大容量記憶装置としては、ソリッドステートドライブ(SSD)を用いることとしてもよい。これら各部は、バス1800を介して接続されている。
【0021】
CPU1100は、例えば、バス1800を介して接続された二次記憶装置1200に格納されたOS(Operating System)により制御装置50全体の制御を行うとともに、二次記憶装置1200に格納された各種プログラムを実行することにより各種処理を実行する。CPU1100は、1つ又は複数設けられており、互いに協働して処理を実現してもよい。
【0022】
主記憶装置1300は、例えば、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU1100の実行プログラムの読み出し、実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
【0023】
二次記憶装置1200は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体(non-transitory computer readable storage medium)である。二次記憶装置1200は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどである。二次記憶装置1200の一例として、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)フラッシュメモリなどが挙げられる。二次記憶装置1200は、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の情報処理装置全体の制御を行うためのOS、BIOS(Basic Input/Output System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種アプリケーションソフトウェア、及び各種データやファイル等を格納する。また、二次記憶装置1200には、各種処理を実現するためのプログラムや、各種処理を実現するために必要とされる各種データが格納されている。二次記憶装置1200は、複数設けられていてもよく、各二次記憶装置1200に上述したようなプログラムやデータが分割されて格納されていてもよい。
【0024】
制御装置50が備える機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で二次記憶装置1200などに記憶されており、このプログラムをCPU(プロセッサ)1100が主記憶装置1300に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、二次記憶装置1200に予めインストールされている形態や、他の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の一例として、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどが挙げられる。
【0025】
入出力装置60にIOモジュールを介してフィールド機器70が接続されると、オペレーション装置40の画面表示で接続を確認することができる。オペレーション装置40の画面には、入出力装置60のスロットに異なる種別のIOモジュールが挿入されると、制御装置50及びオペレーション装置40と接続されていないことが判別可能なように表示される。また、オペレーション装置40の画面では、どのスロットにどの種別のモジュールが割り当てられているかを表示することができる。
【0026】
一方、入出力装置60においては、どのスロットにどの種別のIOモジュールが割り当てられているかを確認することができない。本開示では、入出力装置60において、入出力装置60のスロットに割り当てられたIOモジュールの種別を認識できる構成について検討する。
【0027】
図4は、本開示の幾つかの実施形態における種別出力装置を示す図である。
図4に示されるように、分散制御システム20の入出力装置60のスロットのひとつ、スロットに対応するIOモジュールの種別を確認したいスロットに、種別出力装置(出力装置)80が挿入される。本実施形態では、制御装置50と入出力装置60は、同じ筐体に備えられているものとする。オペレーション装置40は、オペレーションルームなど、制御装置50及び入出力装置60が備えられた筐体とは別の場所に設置されることが一般的である。
【0028】
種別出力装置80は、入出力装置60の各スロットに挿入可能に形成された端部を有し、単体で稼働するモジュールである。また種別出力装置80は、出力部を有し、出力部は例えば端部の背面に設けられる。種別出力装置80の出力部は、例えばLEDランプであり、LEDランプのビットパターン、表示パターン(LEDの色、LEDの点滅、LEDの点灯/消灯など)により、情報を表示できる。種別出力装置80の出力部は、情報を表示可能であればデジタル表示などの他の構成であってもよい。
【0029】
制御装置50は、入出力装置60のスロットに対し、接続要求を定期的に送信している。接続要求には、該当のスロットに対応するIOモジュールの種別の情報(種別情報)が含まれる。なお、IOモジュールの種別に加えて、IOモジュールのバージョン(版)などのIOモジュールを示す情報が含まれていてもよい。本開示では、接続要求には、IOモジュールの種別およびバージョンの情報が含まれているものとする。種別出力装置80は、入出力装置60のスロットに挿入されると、制御装置50からの接続要求を受信する。尚、これらのスロットに対応するIOモジュールに関わる情報は、予め定義された情報であって二次記憶装置1200等に記憶されている。
【0030】
種別出力装置80は、接続要求に含まれるIOモジュールの種別およびバージョンの情報を、出力部であるLEDランプを用いてLEDのビットパターンで出力・表示する。尚、IOモジュールの種別およびバージョンの情報に対応してLEDのビットパターンに関わる情報は、予め定義された情報であって種別出力装置80の記憶領域(不図示)等に記憶されている。
【0031】
図5は、本開示の幾つかの実施形態における種別の出力のフローチャートを示す図である。
ステップS501において、種別出力装置80が入出力装置60のスロットに挿入される。
【0032】
ステップS502において、制御装置50が、入出力装置60のスロットに挿入された種別出力装置80に対し、IOモジュール種別の情報を含む接続要求を送信する。
【0033】
ステップS503において、種別出力装置80が、制御装置50が送信したIOモジュール種別の情報を受信する。
【0034】
ステップS504において、種別出力装置80が、IOモジュール種別の情報を種別出力装置80の出力部に応じた形式で出力・表示する。
【0035】
図6は、本開示の幾つかの実施形態におけるスロット内出力装置を示す図である。
前述の実施形態では、出力装置は種別出力装置80であるとしたが、本実施形態では、出力装置はスロット内部に設けられたスロット内出力装置65であるとする。
【0036】
スロット内出力装置(出力装置)65は、入出力装置60のスロットの内部(底面)に設けられる。またスロット内出力装置65は、出力部を有し、出力部は例えばスロットの背面に設けられる。スロット内出力装置65の出力部は、例えばLEDランプであり、LEDランプのビットパターン、表示パターン(LEDの色、LEDの点滅、LEDの点灯/消灯など)により、情報を表示できる。スロット内出力装置65の出力部は、情報を表示可能であればデジタル表示などの他の構成であってもよい。
【0037】
本実施形態では、スロット内出力装置65は、制御装置50からIOモジュール種別の情報を受信すると、IOモジュール種別の情報をスロット内出力装置65の出力部に応じた形式で出力・表示する。尚、IOモジュールの種別の情報に対応してLEDのビットパターンに関わる情報は、予め定義された情報であってスロット内出力装置65の記憶領域(不図示)等に記憶されている。
【0038】
図7は、本開示の幾つかの実施形態におけるスマートグラスによる出力を示す図である。
本実施形態では、前述の種別出力装置80またはスロット内出力装置65が出力・表示するIOモジュール種別およびバージョンの情報を、スマートグラス90を含むスマートデバイスで変換して表示するものとする。
【0039】
スマートデバイスは、多機能な情報端末であり、例として、メガネ型のウェアラブル端末であるスマートグラス90、スマートフォン、タブレット、時計型のウェアラブル端末であるスマートウォッチなどが挙げられる。本開示では、スマートグラス90を用いるものとする。
【0040】
図7に示されるように、スマートグラス90は、処理部91と出力表示部92とを備える。
処理部91は、記号化された情報である種別出力装置80またはスロット内出力装置65の出力部に出力されたLEDランプのビットパターンを処理部91に備えられたカメラなどを用いて読み込む。処理部91は、例えば記号化された情報であるビットパターンと、ユーザが認識可能な種別詳細情報であるIOモジュール種別およびバージョンの情報とがマッピングされたマトリクスを有している。処理部91は、マトリクスを用いて、読み込んだビットパターンをIOモジュール種別及びバージョンの情報に変換する。
【0041】
出力表示部92は、処理部91が変換したIOモジュール種別及びバージョンの情報をスマートグラス90のレンズ面または空間へ出力・表示する。
【0042】
〈付記〉
以上説明した実施形態に記載の出力装置、スマートデバイス、分散制御システム、出力方法および出力プログラムは、例えば以下のように把握される。
【0043】
本開示の第1態様の出力装置(80、65)は、分散制御システム(20)における出力装置であって、前記分散制御システムは、オペレーション装置(40)と、前記オペレーション装置に接続されプラントのフィールド機器(70)の制御を行う制御装置(50)と、前記制御装置および前記プラントの前記フィールド機器に接続され入出力情報を送受信する入出力装置(60)と、を備え、IOモジュールは、前記入出力装置のスロットに挿入され、前記入出力装置と前記フィールド機器とを接続し、前記制御装置は、前記入出力装置の前記スロットに対し、接続要求とともに該スロットに対応する前記IOモジュールの種別情報を送信し、前記制御装置が送信した前記IOモジュールの前記種別情報を出力する。
【0044】
入出力装置のスロットにどのIOモジュールが割り当てられているかを、入出力装置側で確認することができる。これにより、制御装置やオペレーション装置で確認することなく、IOモジュールの挿入を行う実際の現地での確認が可能となる。
【0045】
本開示の第2態様の出力装置は、前記第1態様において、前記入出力装置の前記スロットに挿入される種別出力装置(80)であるとしてもよい。
【0046】
スロットに割り当てられたIOモジュールの種別を確認するための専用出力装置であるため、IOモジュールの挿入を行うユーザが実際の現場で確認することができる。これにより、正しいIOモジュールの挿入を的確に行うことが可能となる。
【0047】
本開示の第3態様の出力装置は、前記第1態様において、前記入出力装置の前記スロットに設けられたスロット内出力装置(65)であるとしてもよい。
【0048】
スロットに割り当てられたIOモジュールの種別がスロット内(スロット上)に表示されるため、IOモジュールの挿入を行うユーザが実際の現場で確認することができる。これにより、正しいIOモジュールの挿入を的確に行うことが可能となる。
【0049】
本開示の第4態様のスマートデバイス(90)は、前記第1態様から前記第3態様のいずれかの出力装置に用いられる前記種別情報は、記号化された情報であり、前記記号化された情報を読み取り、ユーザが認識可能な種別詳細情報に変換して出力する。
【0050】
スロットに割り当てられたIOモジュールの種別が記号化されており、出力装置を簡素化することができる。またユーザは、記号化された種別情報が変換されて認識可能な種別詳細情報として得られるため、直感的にIOモジュールの種別を判別することができる。
【0051】
本開示の第5態様の分散制御システムは、オペレーション装置と、前記オペレーション装置に接続されプラントのフィールド機器の制御を行う制御装置と、前記制御装置および前記プラントの前記フィールド機器に接続され入出力情報を送受信する入出力装置と、前記第1態様から前記第3態様のいずれかの出力装置と、を備える。
【0052】
本開示の第6態様の出力方法は、分散制御システムにおける出力方法であって、前記分散制御システムは、オペレーション装置と、前記オペレーション装置に接続されプラントのフィールド機器の制御を行う制御装置と、前記制御装置および前記プラントの前記フィールド機器に接続され入出力情報を送受信する入出力装置と、を備え、IOモジュールは、前記入出力装置のスロットに挿入され、前記入出力装置と前記フィールド機器とを接続し、前記制御装置に、前記入出力装置の前記スロットに対し、接続要求とともに該スロットに対応する前記IOモジュールの種別情報を送信させ、出力装置に前記制御装置が送信した前記IOモジュールの前記種別情報を出力させ、コンピュータが実行する。
【0053】
本開示の第7態様の出力プログラムは、前記第6態様の出力方法をコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0054】
1 制御システム
20 分散制御システム
40 オペレーション装置
50 制御装置
60 入出力装置
65 スロット内出力装置(出力装置)
70 フィールド機器
80 種別出力装置(出力装置)
90 スマートグラス(スマートデバイス)
91 処理部
92 出力表示部