(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092564
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】コンセント
(51)【国際特許分類】
G01R 31/12 20200101AFI20240701BHJP
H01R 13/66 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
G01R31/12 D
H01R13/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208598
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智晴
(72)【発明者】
【氏名】下岡 達矢
【テーマコード(参考)】
2G015
5E021
【Fターム(参考)】
2G015AA26
2G015BA04
2G015BA06
2G015CA12
5E021FA03
5E021FB21
5E021FC11
5E021KA09
5E021KA13
5E021MA04
5E021MA12
5E021MA19
(57)【要約】
【課題】ユーザーにとって異常の内容が分かりやすいコンセントを提供する。
【解決手段】コンセント100は、異常を検出する異常検出部4と、異常検出部4によって異常が検出された場合に報知を行う報知部6と、を備える。コンセント100に異常が発生したときは、報知部6が異常検出に基づいて報知を行う。ユーザーは、異常が発生していることに気が付くことができる。このとき、報知部6は、所定時間の報知を行った後に、自動的に報知を停止する。異常内容に関わらず手動操作を行うまで報知が停止しないコンセント(比較例に係るコンセント)に比べ、本実施形態に係るコンセント100では、自動的に報知が停止することで、ユーザーにとって異常の段階が分かり易い。ユーザーは、危険度の少ない異常発生初期段階では、任意のタイミングで異常に対する対応を行うことができる。また、報知時間を少なくすることで、消費電力を削減することもできる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグの栓刃を挟持して電路に前記プラグを接続する受刃と、
異常を検出する異常検出部と、
前記異常検出部によって異常が検出された場合に報知を行う報知部と、を備え、
前記報知部は、所定時間の報知を行った後に、自動的に報知を停止する、コンセント。
【請求項2】
前記報知部は、報知を行っているときに、前記異常検出部による異常の検出がなされた場合、前記所定時間以降も報知を継続する、請求項1に記載のコンセント。
【請求項3】
前記異常検出部は、互いに異なるカテゴリーの異常を区別して検出を行う、請求項1に記載のコンセント。
【請求項4】
前記異常検出部が、コンセントの誤使用に基づく異常を検出した場合、前記報知部は前記所定時間の報知を行い、
前記異常検出部が、機器異常を検出した場合、停止の入力があるまで継続して報知を行うと共に異常表示を行う、請求項3に記載のコンセント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンセントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異常検出機能を有するコンセントとして、特許文献1に記載されたものが知られている。このコンセントは、プラグの栓刃を挟持して電路に前記プラグを接続する受刃と、栓刃間に発生する火花放電を検出するセンサと、該センサの出力電流によりトラッキングを検出すると信号を出力するトラッキング検出回路と、該トラッキング検出回路の出力信号により作動する警告手段と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のコンセントでは、異常を検出したら、ランプの点灯及びブザーによる報知を行っていた。また、当該報知は、ユーザーによって手動でのリセットがなされるまで連続していた。しかしながら、上述のコンセントは、異常(例えば過加熱による発熱)から回復した場合であっても報知し続けるため、ユーザーにとって異常の内容が不明確であるという問題があった。
【0005】
本発明は、ユーザーにとって異常の内容が分かりやすいコンセントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンセントは、プラグの栓刃を挟持して電路に前記プラグを接続する受刃と、異常を検出する異常検出部と、異常検出部によって異常が検出された場合に報知を行う報知部と、を備え、報知部は、所定時間の報知を行った後に、自動的に報知を停止する。
【0007】
本発明に係るコンセントは、異常を検出する異常検出部と、異常検出部によって異常が検出された場合に報知を行う報知部と、を備える。そのため、コンセントに異常が発生したときは、報知部が異常検出に基づいて報知を行う。これにより、ユーザーは、異常が発生していることに気が付くことができる。このとき、報知部は、所定時間の報知を行った後に、自動的に報知を停止する。異常内容に関わらず手動操作を行うまで報知が停止しないコンセントに比べ、本発明に係るコンセントでは、自動的に報知が停止することで、ユーザーにとって異常の段階が分かり易い。従って、ユーザーは、異常の進行度合いの少ない異常発生初期段階では、任意のタイミングで異常に対する対応を行うことができる。また、報知時間を少なくすることで、消費電力を削減することもできる。以上より、ユーザーにとって異常の内容が分かりやすくすることができる。
【0008】
報知部は、報知を行っているときに、異常検出部による異常の検出がなされた場合、所定時間以降も報知を継続してよい。これにより、ユーザーは、継続する報知により、異常の状態が続いていることを知ることができる。
【0009】
異常検出部は、互いに異なるカテゴリーの異常を区別して検出を行ってよい。この場合、異常のカテゴリーに応じて、適切な態様で報知を行うことができる。
【0010】
異常検出部が、コンセントの誤使用に基づく異常を検出した場合、報知部は所定時間の報知を行い、異常検出部が、機器異常を検出した場合、停止の入力があるまで継続して報知を行うと共に異常表示を行ってよい。この場合、ユーザーは、コンセントの誤使用に基づく異常の場合は、異常発生初期段階で任意の対応を行うことができる。その一方、速やかに対応を行うことが好ましい機器異常が発生した場合は、ユーザーは、継続する報知及び異常表示によって、速やかに対応を行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザーにとって異常の内容が分かりやすいコンセントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るコンセントの外観を示す図である。
【
図2】コンセントのブロック構成を示すブロック図である。
【
図3】コンセントの動作内容を示すフローチャートである。
【
図4】コンセントの動作内容を示すフローチャートである。
【
図5】変形例に係るコンセントを示すブロック構成図である。
【
図6】変形例に係るコンセントの動作内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るコンセント100の外観を示す図である。
図1に示すように、コンセント100は、コンセント本体部1と、報知ユニット22と、を備える。コンセント本体部1は、電子機器のプラグを差し込むことで電子機器に電力を供給する。報知ユニット22は、コンセント100の異常が発生した場合に、報知を行うユニットである。コンセント本体部1及び報知ユニット22は、建物の室内の壁などに設けられる。
【0015】
コンセント本体部1は、電子機器のプラグを差し込むための差込部2を備える。一つあたりの差込部2は、一対の受刃3を有する。受刃3は、プラグの栓刃(図示せず)を挟持して、交流電源に接続された電路L1(
図2参照)に対して、プラグを接続する部材である。
【0016】
報知ユニット22は、表示ランプ22aと、ブザー22bと、を備える。表示ランプ22aは、点灯によってコンセント100が異常状態にあるか、正常状態にあるかを視覚的に表示する。報知ユニット22は、コンセント本体部1と信号線21によって接続されており、コンセント本体部1から送信される信号を信号線21を介して受信する。なお、
図1では、報知ユニットとして、ランプとブザーとを組み合わせて用い、音と光による報知を行う構造を示しているが、例えば、機械式の表示や音声による報知等でも良く、また、ブザー1つだけで報知を行う等、種類及び数について限定はない。
【0017】
なお、
図1では、コンセント本体部1と報知ユニット22とが、分離されたユニットとして設けられていた。これに代えて、コンセント本体部1に報知ユニット22が組み込まれた構造を採用してもよい。この場合、コンセント本体部1には、差込部2と隣り合う位置に、表示ランプ22a及びブザー22bが設けられる。
【0018】
次に、
図2を参照して、コンセント100のブロック構成について説明する。
図2は、コンセント100のブロック構成を示すブロック図である。
図2に示すように、コンセント100は、差込部2と、異常検出部4と、報知部6と、を備える。
【0019】
差込部2には、異常を検出するためのセンサ11が設けられている。センサ11として、トラッキングを検出するセンサ(フォトカプラ、CT、ホール素子など)、プラグと差込部2との接続部の温度異常を検出するためのセンサ(サーミスタ、熱電対など)、接続不良を検出するセンサ(電圧・電流・メカニカルスイッチなど)、受刃3の劣化を検出するセンサ(電圧及び電流の測定器など)、その他のセンサを採用してよい。本実施形態では、トラッキングを検出するセンサ11を採用している。センサ11は、一対の受刃3の間、及び受刃3に隣接する位置に設けられる。センサ11は、当該位置における電流を監視する。なお、センサのタイプによって、位置や数量は適宜変更してよい。
【0020】
異常検出部4は、コンセント100の異常を検出する。異常検出部4は、前述のセンサ11と、検出回路7と、判定回路8と、を備える。検出回路7は、センサ11から出力された検出信号を受信して、異常判定を行うための処理を行う回路である。検出回路7は、センサ11からの検出信号を、所定の検出値に変換してよい。判定回路8は、検出回路7で変換された検出値が、所定の基準を超えているか否かを判定する回路である。判定回路8は、検出値が基準を超えていると判定した場合、報知部6での報知が必要であると判定する。判定回路8は、報知部6のカウントダウン回路9へ、報知を行う旨の指令信号を送信する。判定回路8は、検出値が基準を超えていないと判定した場合、報知部6での報知は不要であると判定する。
【0021】
報知部6は、異常検出部4によって異常が検出された場合に報知を行う。報知部6は、所定時間の報知を行った後に、自動的に報知を停止する。報知部6は、報知を行っているときに、異常検出部4による異常の検出がなされた場合、所定時間以降も報知を継続する。報知部6は、カウントダウン回路9と、報知回路10と、を備える。
【0022】
カウントダウン回路9は、報知部6が報知を開始して所定時間の報知を行った後に、自動的に報知を停止できるように、カウントを行う回路である。カウントダウン回路9は、報知の開始からカウントを開始し、所定時間が経過したら報知回路10へ報知を停止する旨の指令信号を送る。報知を行う所定時間は特に限定されないが、ユーザーが報知に気付くことができ、なおかつ、ユーザーが煩わしさを感じない時間に設定してよい。所定時間は、例えば30秒~1分程度に設定してよい。カウントダウン回路9は、報知部6での報知を行っているときに、判定回路8から新たな指令信号を受信したら、カウントをリセットする。カウントダウン回路9は、リセットした時点から再びカウントを行う。これにより、所定時間が経過した後も、報知が継続する。
【0023】
報知回路10は、異常検出部4から異常検出の信号を受け取ったら、報知ユニット22での報知を行うための制御を行う回路である。報知回路10は、カウントダウン回路9から報知停止の指令信号を受信したら、報知を停止する。報知回路10は、報知ユニット22の表示ランプ22a、及びブザー22bを出力部として備えている。
【0024】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係るコンセント100の動作内容について説明する。
図3は、コンセント100の動作内容を示すフローチャートである。
図3は、カウントダウン回路9でのカウントダウンリセットを行わない場合の処理を例示している。
【0025】
まず、異常検出部4の検出回路7は、センサ11の検出信号に基づいて検出値を取得する(ステップS10)。異常検出部4の判定回路8は、ステップS10で取得した検出値が基準を超えたか否かを判定する(ステップS20)。例えば、異常が起こっていない場合は、検出値は低い値に抑えられるため、判定回路8は、ステップS20において「NO」と判定する。この場合、ステップS10から再び処理を繰り返す。
【0026】
異常が発生して検出値が基準を超えた場合、判定回路8は、ステップS20において「YES」と判定する。このとき、報知部6の報知回路10は、報知を行う(ステップS30)。そして、報知部6のカウントダウン回路9は、報知時間のカウントダウンを開始する(ステップS40)。カウントダウン回路9が所定時間のカウントを行ったら、報知回路10は、報知を自動的に停止する(ステップS50)。報知が停止されたら、再びステップS10から処理を繰り返す。
【0027】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係るコンセント100の動作内容について説明する。
図4は、コンセント100の動作内容を示すフローチャートである。
図4は、カウントダウン回路9でのカウントダウンリセットを行う場合の処理を例示している。
【0028】
図4に示すように、ステップS40までは、
図3に示す処理と同様なステップS10,S20,S30,S40の処理が実行される。ステップS40の後、判定回路8は、報知中に異常検出部4から新たに異常検出の指令信号が入力されたか否かを判定する(ステップS60)。判定回路8は、ステップS40でのカウントダウンが開始して、所定時間が経過するまで、ステップS60の処理を繰り返し行う。ステップS60において、報知中に異常検出が入力されたと判定された場合、判定回路8は「NO」と判定する。カウントダウン回路9は、カウントダウンリセットを行う(ステップS70)。カウントダウンリセットが行われたら、再びステップS30の報知処理から処理が繰り返される。これにより、カウントダウン回路9は、再びカウントを開始する。
【0029】
一方、ステップS60において、報知中に異常検出が入力されず、所定時間が経過したと判定された場合、判定回路8は「YES」と判定する。この場合、報知回路10は、報知を自動的に停止する(ステップS50)。報知が停止されたら、再びステップS10から処理を繰り返す。なお、カウントダウンリセットが繰り返されることで、報知が自動的に継続する状態が続いた場合、ユーザーによって手動で報知の停止の操作が行われるまで、報知が継続する。
【0030】
次に、本実施形態に係るコンセント100の作用・効果について説明する。
【0031】
本実施形態に係るコンセント100は、異常を検出する異常検出部4と、異常検出部4によって異常が検出された場合に報知を行う報知部6と、を備える。そのため、コンセント100に異常が発生したときは、報知部6が異常検出に基づいて報知を行う。これにより、ユーザーは、異常が発生していることに気が付くことができる。このとき、報知部6は、所定時間の報知を行った後に、自動的に報知を停止する。異常内容に関わらず手動操作を行うまで報知が停止しないコンセント(比較例に係るコンセント)に比べ、本実施形態に係るコンセント100では、自動的に報知が停止することで、ユーザーにとって異常の段階が分かり易い。例えば、比較例に係るコンセントでは、トラッキングの初期段階において、一時的に検出値が基準を超えるような軽微な異常の段階でも、報知が出され続ける。そのため、ユーザーは、当該報知がどの程度の進行度合いであるかを判断できない。一方、本実施形態に係るコンセント100では、一時的に検出値が基準を超えて報知が出ても、所定時間で停止する。異常の進行度合いが少なければ暫く報知はでず、進行度合いが進んでいれば、すぐに報知ができる。そのため、ユーザーは、異常の進行度合いを判断することができる。そのため、ユーザーは、危険度の少ない異常発生初期段階では、任意のタイミングで異常に対する対応を行うことができる。また、報知時間を少なくすることで、消費電力を削減することもできる。以上より、ユーザーにとって異常の内容が分かりやすくすることができる。
【0032】
報知部6は、報知を行っているときに、異常検出部4による異常の検出がなされた場合、所定時間以降も報知を継続してよい。これにより、ユーザーは、継続する報知により、異常の状態が続いていることを知ることができる。
【0033】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0034】
例えば、異常検出部4は、互いに異なるカテゴリーの異常を区別して検出を行ってよい。また、異常検出部4が、コンセント100の誤使用に基づく異常を検出した場合、報知部6は所定時間の報知を行ってよい。また、異常検出部4が、機器異常を検出した場合、停止の入力があるまで継続して報知を行うと共に異常表示を行ってよい。具体的には、
図5に示す構造を有するコンセント100を採用してよい。
【0035】
図5に示すように、コンセント100の異常検出部4は、センサ11Aと、センサ11Aとは異なるカテゴリーの異常を検出するセンサ11Bと、を備える。センサ11Aは、機器に関する機器異常を検出するセンサである。ここでは、機器異常を検出するセンサとして、トラッキングを検出するセンサが例示されている。その他の機器異常として、受刃3の劣化や、温度異常などが挙げられる。センサ11Bは、ユーザーのコンセント100の誤使用に基づく誤使用異常を検出するセンサとして、電気の使いすぎを検出する電流監視のセンサが例示されている。その他の誤使用異常として、差込不足を検出するメカニカルスイッチなどが挙げられる。
【0036】
また、異常検出部4は、ラインL3を介してセンサ11Aと接続される検出回路7Aと、判定回路8Aと、を備える。機器異常を検出する検出回路7Aが出力する検出値を「検出値VA」と称する場合がある。誤使用異常を検出する検出回路7Bが出力する検出値を「検出値VB」と称する場合がある。異常検出部4は、ラインL4を介してセンサ11Bと接続される検出回路7Bと、判定回路8Bと、を備える。なお、検出回路7A、7Bは、
図2の検出回路7と同趣旨の機能を有する。判定回路8A,8Bは、判定回路8と同趣旨の機能を有する。
【0037】
異常検出部4は、論理回路12を備える。論理回路12は、機器異常を示す指令信号、及び誤使用異常を示す指令信号の条件によって出力を調整する機能を有する。機器異常のラインL3は、論理回路12の論理積素子12aに接続される。誤使用異常のラインL4は、報知部6のカウントダウン回路9に接続される。また、ラインL4からは、論理積素子12aに接続されるラインL5が分岐する。ラインL5には、論理否定器12bが設けられる。論理積素子12aの出力のラインL6は、カウントダウン回路9をバイパスして報知回路10に接続される。
【0038】
上述のような論理回路12によれば、異常を検出した場合において、カウントダウンを行う条件を満たすか否かの判定を行うことができる。本実施形態では、論理回路12は、「誤使用異常あり+機器異常あり」または「誤使用異常あり+機器異常なし」の場合に、カウントダウンを行う条件を満たすと判定し、「誤使用異常なし+機器異常あり」の場合にカウントダウンを行う条件を満たさないと判定する。具体的に、「誤使用異常あり+機器異常あり」の場合、機器異常のラインL3から肯定信号が入力され、誤使用異常のラインL5から論理否定器12bで反転した否定信号が入力される。よって、論理積素子12aからは信号が出力されない。そのため、誤使用異常のラインL4から信号がカウントダウン回路9及び報知回路10へ入力される。これにより、カウントダウンが行われる。「誤使用異常あり+機器異常なし」の場合、機器異常のラインL3には否定信号が入力されるので、論理積素子12aからは信号が出力されない。そのため、誤使用異常のラインL4から信号がカウントダウン回路9及び報知回路10へ入力される。これにより、カウントダウンが行われる。「誤使用異常なし+機器異常あり」の場合、機器異常のラインL4からカウントダウン回路9へは異常の信号が出力されない。また、機器異常のラインL3から肯定信号が入力され、誤使用異常のラインL5から論理否定器12bで反転した肯定信号が入力される。よって、論理積素子12aからは信号が出力される。当該信号は、カウントダウン回路9をバイパスし、報知回路10へ入力される。そのため、カウントダウンが行われない。
【0039】
次に、
図6を参照して、本実施形態に係るコンセント100の動作内容について説明する。
図6は、
図5に示すコンセント100の動作内容を示すフローチャートである。
【0040】
図6に示すように、検出回路7Aによる検出値VAの取得(ステップS10A)、及び判定回路8Aによる判定(ステップS20A)が行われる。これと並行に、検出回路7Bによる検出値VBの取得(ステップS10B)、及び判定回路8Bによる判定(ステップS20B)が行われる。ステップS10A,10BではステップS10と同趣旨の処理が行われ、ステップS20A,S20BではステップS20と同趣旨の処理が行われる。
【0041】
ステップS20A及びステップS20Bにおいて少なくとも一方が「YES」と判定されたら、ステップS100へ移行する。論理回路12は、検出された異常内容の判定を行う(ステップS100)。そして、論理回路12は、カウントダウンを行う条件を満たすか否かの判定を行う(ステップS110)。
【0042】
ステップS110において、論理回路12は、カウントダウンを行う条件を満たすと判定したら、「YES」であると判定し、誤使用異常を検出したときの処理を行うものと判定する(ステップS120)。以降は、
図4と同趣旨のステップS30,S40,S50,S60,S70が実行される。
【0043】
ステップS110において、論理回路12は、カウントダウンを行う条件を満たさないと判定したら、「NO」であると判定し、機器異常を検出したときの処理を行うものと判定する(ステップS130)。報知回路10は、報知を行う(ステップS140)。また、報知回路10は、機器異常が発生している旨の異常表示を行う(ステップS150)。これらの報知及び異常表示は、ユーザーによる手動での停止が入力されるまで継続する。ユーザーの手動による入力が入った場合、報知回路10は、報知を停止する(ステップS160)。
【0044】
以上より、異常検出部4は、互いに異なるカテゴリーの異常を区別して検出を行ってよい。この場合、異常のカテゴリーに応じて、適切な態様で報知を行うことができる。
【0045】
異常検出部4が、コンセント100の誤使用に基づく異常を検出した場合、報知部6は所定時間の報知を行い、異常検出部4が、機器異常を検出した場合、停止の入力があるまで継続して報知を行うと共に異常表示を行ってよい。この場合、ユーザーは、コンセント100の誤使用に基づく異常の場合は、異常発生初期段階で任意の対応を行うことができる。その一方、速やかに対応を行うことが好ましい機器異常が発生した場合は、ユーザーは、継続する報知及び異常表示によって、速やかに対応を行うことができる。
【0046】
なお、コンセント100の回路構成は、
図2及び
図5に示すものに限定されず、適宜変更されてよい。
【0047】
[形態1]
プラグの栓刃を挟持して電路に前記プラグを接続する受刃と、
異常を検出する異常検出部と、
前記異常検出部によって異常が検出された場合に報知を行う報知部と、を備え、
前記報知部は、所定時間の報知を行った後に、自動的に報知を停止する、コンセント。
[形態2]
前記報知部は、報知を行っているときに、前記異常検出部による異常の検出がなされた場合、前記所定時間以降も報知を継続する、形態1に記載のコンセント。
[形態3]
前記異常検出部は、互いに異なるカテゴリーの異常を区別して検出を行う、形態1又は2に記載のコンセント。
[形態4]
前記異常検出部が、コンセントの誤使用に基づく異常を検出した場合、前記報知部は前記所定時間の報知を行い、
前記異常検出部が、機器異常を検出した場合、停止の入力があるまで継続して報知を行うと共に異常表示を行う、形態3に記載のコンセント。
【符号の説明】
【0048】
3…受刃、4…異常検出部、6…報知部、100…コンセント。