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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092567
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】プリンタ収納ケース
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/13 20060101AFI20240701BHJP
   B65D 85/68 20060101ALI20240701BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B41J29/13 101
B65D85/68 Z
B41J3/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208602
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細野 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 純平
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
3E037
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC03
2C061AP10
2C061AQ04
2C061AS08
2C061BB04
2C061BB23
2C061CD23
3E037AA20
3E037BA01
3E037BA08
3E037BB10
3E037BB20
3E037CA04
3E037CA05
3E037CA10
(57)【要約】
【課題】プリンタ収納ケースを小型化及び軽量化するとともに、プリンタ収納ケースからプリンタが脱落することを防止することを目的とする。
【解決手段】プリンタ収納ケースは、プリンタが収納されるケース本体と、ケース本体の内側に設けられ、プリンタがケース本体に収納された状態で、プリンタの背面の少なくとも一部に沿う本体部と、プリンタの対向する2つの側面のそれぞれの少なくとも一部に沿う一対のアーム部と、一対のアーム部のそれぞれに配置されプリンタと係合する係合部と、を有するホルダと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタが収納されるケース本体と、
前記ケース本体の内側に設けられ、前記プリンタが前記ケース本体に収納された状態で、前記プリンタの背面の少なくとも一部に沿う本体部と、前記プリンタの対向する2つの側面のそれぞれの少なくとも一部に沿う一対のアーム部と、前記一対のアーム部のそれぞれに配置され前記プリンタと係合する係合部と、を有するホルダと、
を備えた、
プリンタ収納ケース。
【請求項2】
請求項1に記載のプリンタ収納ケースであって、
前記ホルダが、前記ケース本体の底部と、前記ホルダに係合した前記プリンタとの間に所定の隙間が形成されるように、前記ケース本体に取り付けられている、
プリンタ収納ケース。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプリンタ収納ケースであって、
前記ケース本体が、
前記プリンタを収納する収納部と、
前記収納部を覆う蓋部と、
を有し、
前記蓋部は、透明樹脂により形成され、少なくとも前記収納された前記プリンタに設けられた操作部を視認可能とする透明部を有する、
プリンタ収納ケース。
【請求項4】
請求項3に記載のプリンタ収納ケースであって、
前記収納部には、前記プリンタのバッテリを交換するための開口部が形成されており、
前記開口部を覆う開口部カバーを有する、
プリンタ収納ケース。
【請求項5】
請求項1に記載のプリンタ収納ケースであって、
前記係合部が前記プリンタを肩掛け可能にするためのショルダベルトを取り付けるために用意されたベルト取付部に係合するように形成された、
プリンタ収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯プリンタを収納する収納ケースが開示されている。特許文献1に記載の収納ケースでは、収納ケースの内部に、背面部と、側面部と、下面部と、を有する箱状容器であるホルダが固定されている。プリンタは、ホルダの背面部と側面部とに覆われ、下面部によって支えられることにより、収納ケースからの落下防止が実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-229258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ホルダは、プリンタを納められる箱状容器であるために、ホルダが固定される収納ケースのサイズは、さらに大きくなる。このため、プリンタをプリンタ収納ケースに納めてしまうと、プリンタを小型化したことによる恩恵が得られにくかった。
【0005】
そこで、本発明は、プリンタの脱落を防止できるプリンタ収納ケースにおいて、プリンタ収納ケースを小型化及び軽量化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、プリンタが収納されるケース本体と、前記ケース本体の内側に設けられ、前記プリンタが前記ケース本体に収納された状態で、前記プリンタの背面の少なくとも一部に沿う本体部と、前記プリンタの対向する2つの側面のそれぞれの少なくとも一部に沿う一対のアーム部と、前記一対のアーム部のそれぞれに配置され前記プリンタと係合する係合部と、を有するホルダと、を備えた、プリンタ収納ケースが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本態様によれば、プリンタがケース本体に収納された状態で、ホルダがプリンタの背面の少なくとも一部に沿う本体部と、プリンタの対向する側面のそれぞれの少なくとも一部に沿う一対のアーム部とを有するため、ホルダとして箱状容器を有するプリンタ収納ケースと比べて、プリント収納ケースのサイズをプリンタのサイズに近づけることができる。
【0008】
したがって、本態様によれば、プリンタの脱落を防止できるプリンタ収納ケースにおいて、プリンタ収納ケースを小型化及び軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係るプリンタ収納ケースを正面側からみた外観図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るプリンタ収納ケースを背面側からみた外観図である。
図3図3は、プリンタ収納ケースに収納されるプリンタを説明する斜視図である。
図4図4は、プリンタ収納ケースにおけるホルダとプリンタとの係合部を説明する模式図である。
図5図5は、プリンタがプリンタ収納ケースに納められた状態の外観図である。
図6図6は、プリンタがプリンタ収納ケースに納められた状態であって、蓋部が折り畳まれてプリンタ収納ケースの前面が開放された状態を説明する外観図である。
図7図7は、図6に示す状態から、さらに副蓋部が開放された状態を説明する外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に記載する形態は、図面の簡単な説明により説明される図面に限定されるものではない。
【0011】
本発明のある態様の第1の態様は、プリンタが収納されるケース本体と、前記ケース本体の内側に設けられ、前記プリンタが前記ケース本体に収納された状態で、前記プリンタの背面の少なくとも一部に沿う本体部と、前記プリンタの対向する2つの側面のそれぞれの少なくとも一部に沿う一対のアーム部と、前記一対のアーム部のそれぞれに形成され前記プリンタと係合する係合部と、を有するホルダと、を備える。
【0012】
本発明のある態様の第1の態様によれば、プリンタがケース本体に収納された状態で、ホルダがプリンタの背面の少なくとも一部に沿う本体部と、プリンタの対向する側面のそれぞれの少なくとも一部に沿う一対のアーム部とを有するため、箱状のホルダを有するプリンタ収納ケースと比べて、プリント収納ケースのサイズをプリンタのサイズに近づけることができる。
【0013】
したがって、本発明のある態様の第1の態様によれば、プリンタの脱落を防止できるプリンタ収納ケースにおいて、プリンタ収納ケースを小型化及び軽量化することができる。
【0014】
本発明のある態様の第2の態様は、前記ホルダが、前記ケース本体の底部と、前記ホルダに係合した前記プリンタとの間に所定の隙間が形成されるように、前記ケース本体に取り付けられている、第1の態様に記載のプリンタ収納ケースである。
【0015】
本発明のある態様の第2の態様によれば、プリンタ収納ケースにプリンタが納められた状態でプリンタ収納ケースの底部に衝撃が加わったとしても、ホルダに係合されたプリンタとケース本体の底部との間に所定の隙間が形成されるため、プリンタ収納ケースの底部に加えられた衝撃をプリンタとケース本体の底部との間にできる所定の隙間によって吸収することができる。
【0016】
したがって、本発明のある態様の第2の態様によれば、プリンタの脱落を防止できるプリンタ収納ケースにおいて、プリンタ収納ケースを小型化及び軽量化することができることに加えて、外部からの衝撃がプリンタへ直接作用することを防止できる。
【0017】
本発明のある態様の第3の態様は、前記ケース本体が、前記プリンタを収納する収納部と、前記収納部を覆う蓋部と、を有し、前記蓋部は、透明樹脂により形成され、少なくとも前記収納された前記プリンタに設けられた操作部を視認可能とする透明部を有する、
第1の態様又は第2の態様に記載のプリンタ収納ケースである。
【0018】
本発明のある態様の第3の態様によれば、収納部及び蓋部により、ホルダに係合されたプリンタが脱落することが防止できるとともに、収納部及び蓋部により、プリンタを保護することができる。また、蓋部が透明樹脂により形成された透明部を有するため、使用者は、プリンタが蓋部に覆われた状態で、プリンタに設けられた操作部を視認することができる。
【0019】
また、蓋部は、透明部を有するため、蓋部が折り畳まれた状態になっても、互いに重なり合った透明部を通して、使用者は、プリンタにおける操作部の配置を確認することができる。このため、プリンタをプリンタ収納ケースに収納した状態で、折り畳まれて開放された蓋部の開放部分から、印字発行のための操作を容易に行うことができる。
【0020】
本発明のある態様の第4の態様は、前記収納部には、前記プリンタのバッテリを交換するための開口部が形成されており、前記開口部を覆う開口部カバーを有する、第3の態様に記載のプリンタ収納ケースである。
【0021】
本発明のある態様の第4の態様によれば、プリンタがホルダに係合されてプリンタ収納ケースに納められた状態であっても、プリンタ収納ケースに形成された開口部を覆う開口部カバーは、開閉可能とされている。
【0022】
したがって、本発明のある態様の第4の態様によれば、小型化及び軽量化を実現したプリンタ収納ケースにおいて、プリンタをプリンタ収納ケースに収納し、保護した状態で、プリンタのバッテリ交換が可能である。
【0023】
本発明のある態様の第5の態様は、前記係合部が前記プリンタを肩掛け可能にするためのショルダベルトを取り付けるために用意されたベルト取付部に係合するように形成された、第1の態様から第4の態様のいずれか1つに記載のプリンタ収納ケースである。
【0024】
本発明のある態様の第5の態様によれば、ホルダにおける係合部は、プリンタに予め用意されたベルト取付部に係合するように形成されている。
【0025】
したがって、本発明のある態様の第5の態様によれば、プリンタの脱落を防止できるプリンタ収納ケースにおいて、プリンタ収納ケースの小型化及び軽量化を実現するにあたり、プリンタをホルダに係合させるための新たな部材を必要としない。すなわち、プリンタの小型化を妨げない。
【0026】
[プリンタ収納ケース]
以下、本発明の実施形態に係るプリンタ収納ケース1について、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係るプリンタ収納ケース1を正面側からみた外観図である。図2は、プリンタ収納ケース1を背面側からみた外観図である。図3は、プリンタ収納ケース1に収納されるプリンタ100を説明する斜視図である。
【0028】
最初に、プリンタ収納ケース1の説明に先立って、プリンタ100について説明する。
【0029】
図3に示すプリンタ100は、印字媒体をサーマルヘッドとプラテンローラとで圧接挟持して、熱により印字を行うサーマルプリンタであり、使用者が携帯して使用可能な携帯型プリンタである。
【0030】
図3に示すように、プリンタ100は、プリンタ筐体101と、プリンタ筐体101の一部に開閉可能に設けられた筐体カバー102とを有し、正面100A、側面100B,100C、底面100D、上面100E、背面100Fを有する。
【0031】
プリンタ筐体101は、正面100Aの一部に、プリンタ100の電源をオンオフするための操作ボタン、印字発行を開始するための操作ボタン等の操作部103を有する。
【0032】
筐体カバー102は、プリンタ100の正面100Aにおいて、操作部103が配置された部分の反対側の部分に設けられている。筐体カバー102は、プリンタ筐体101の一部に軸支され、プリンタ筐体101に対して開閉可能とされている。
【0033】
プリンタ100は、図示されていないが、印字媒体に印字する印字ユニット、印字ユニットに印字媒体を供給する媒体供給ユニットを有する。印字ユニット及び媒体供給ユニットは、プリンタ筐体101に配置されている。
【0034】
プリンタ100に適用される印字媒体は、長尺状の台紙に、所定長のラベルが所定間隔で貼り付けられたラベル連続体(ロールラベル)である。
【0035】
プリンタ筐体101に対して筐体カバー102が開放されることにより、ラベル連続体を収納するスペースが露呈されるようになっている。ラベル連続体は、巻回された状態で、プリンタ筐体101に納められる。
【0036】
印字後のラベルは、プリンタ筐体101と筐体カバー102との間に形成された排出口102Aから排出される。
【0037】
プリンタ100は、プリンタ100の上面100Eから側面100B,100Cに繋がるそれぞれの角部分に、プリンタ100を携帯する際に使用されるベルトを取り付けるための取付部104,105を有する。プリンタ100は、取付部104,105において、プリンタ収納ケース1に取り付けられる。
【0038】
続いて、プリンタ収納ケース1について説明する。
【0039】
図1に示すように、プリンタ収納ケース1は、プリンタ100が収納されるケース本体2と、プリンタ100を保持するホルダ3とを有する。
【0040】
プリンタ収納ケース1において、ケース本体2は、プリンタを収納する収納部10と、収納部10を覆う蓋部20とを有する。
【0041】
収納部10は、プリンタ収納ケース1に収納されたプリンタ100の背面100Fに対向する背面部11と、プリンタ100の側面100B,100Cに対向するサイドカバー部12,13とを有する。
【0042】
また、収納部10は、プリンタ100の底面100D及び正面100Aの底面100D側の部分を覆う副蓋部30を有する。副蓋部30は、ケース本体2の底部を構成する。
【0043】
背面部11における一方の端部には、蓋部20が連結されている。また、一方の端部に対向する端部には、副蓋部30が連結されている。
【0044】
ここで、背面部11において、蓋部20が連結された側をプリンタ収納ケース1の上側と称し、副蓋部30が形成された側をプリンタ収納ケース1の下側と称する。また、プリンタ収納ケース1の上下方向に直交する方向をプリンタ収納ケース1の幅方向と称する。
【0045】
また、収納部10を構成する背面部11、サイドカバー部12,13、副蓋部30において、プリンタ収納ケース1に収納されたプリンタ100に対向する面を内側面と称し、プリンタ100に対向する面の反対面を外側面と称する。
【0046】
蓋部20及び副蓋部30は、別部材として縫製その他の方法により背面部11に取り付けられていてもよく、背面部11、蓋部20及び副蓋部30は一体であってもよい。同様に、サイドカバー部12,13もまた、別部材として縫製その他の方法により背面部11に取り付けられていてもよく、背面部11とサイドカバー部12,13は一体であってもよい。
【0047】
背面部11の内側面において、蓋部20が連結された端部側には、ホルダ3が取り付けられている。また、背面部11は、図2に示すように、背面部11は、背面部11の外側面の略中央部分に、使用者のベルト等に通すベルトループ40を有する。
【0048】
サイドカバー部12は、プリンタ100の側面100Bを覆うサイズに形成されており、背面部11の側部に連結されている。サイドカバー部12は、プリンタ100の側面100Bから正面100Aに亘る部分を覆う張出部14を有する。
【0049】
張出部14は、張出部14の他の部分に比べて張り出し幅が狭く形成された幅狭部14Cを有する。幅狭部14Cは、プリンタ収納ケース1に取り付けられたプリンタ100の排出口102Aが設けられた領域に対応する位置に形成されている。
【0050】
張出部14において、幅狭部14Cの上側の部分には、面ファスナ51aが設けられており、幅狭部14Cの下側の部分には、面ファスナ51bが設けられている。
【0051】
サイドカバー部12には、第一開口部12hが形成されている。第一開口部12hは、プリンタ収納ケース1にプリンタ100が取り付けられた際に、プリンタ100の側面100Bに形成されたバッテリ交換用開口部106に対応する位置に形成されている。
【0052】
本実施形態において、第一開口部12hは、サイドカバー部12から背面部11にかけて連続して形成されている。
【0053】
サイドカバー部12は、第一開口部12hを開閉可能に覆う第一開口部カバー15を有する。第一開口部カバー15の外形サイズは、第一開口部12hの開口サイズよりも大きく形成されている。
【0054】
本実施形態においては、第一開口部12hは、サイドカバー部12から背面部11の一部に連続して形成されている。このため、第一開口部カバー15の端部は、ベルトループ40が形成された位置近傍に取り付けられている。第一開口部カバー15は、プリンタ収納ケース1に取り付けられたプリンタ100の正面100A側を開放端として開閉可能に形成されている。
【0055】
第一開口部カバー15の内側面の縁部分には、面ファスナ52が配置されている。第一開口部12hの周囲には、面ファスナ52と密着する面ファスナ53が配置されている。
【0056】
プリンタ100のバッテリを交換する必要があるとき以外は、面ファスナ52と面ファスナ53とを密着させることにより、第一開口部カバー15は、閉状態を保持することができる。
【0057】
サイドカバー部13は、プリンタ100の側面100Cを覆うサイズに形成されており、背面部11に連結されている。サイドカバー部13は、プリンタ100の側面100Cから正面100Aに亘る部分を覆う張出部16を有する。
【0058】
張出部16は、張出部16の他の部分に比べて張り出し幅が狭く形成された幅狭部16Cを有する。幅狭部16Cは、プリンタ収納ケース1に取り付けられたプリンタ100の排出口102Aが設けられた領域に対応する位置に形成されている。
【0059】
張出部16において、幅狭部16Cの上側の部分には、面ファスナ54aが設けられており、幅狭部16Cの下側の部分には、面ファスナ54bが設けられている。
【0060】
サイドカバー部13には、第二開口部13hが形成されている。サイドカバー部13は、第二開口部13hを開閉可能に覆う第二開口部カバー17を有する。第二開口部カバー17の外形サイズは、第二開口部13hの開口サイズよりも大きく形成されている。
【0061】
本実施形態においては、第二開口部13hは、プリンタ収納ケース1にプリンタ100が取り付けられた際に、プリンタ100の側面100Cに形成された外部機器との接続端子に対応する位置に形成されている。
【0062】
副蓋部30は、背面部11から下側に延びており、副蓋部30の内側面における幅方向の両端部に、面ファスナ55a,55bを有する。
【0063】
また、図2に示すように、副蓋部30は、副蓋部30の外側面において、背面部11に連結された端部とは反対の端部に副蓋部30の幅方向に亘って配置された面ファスナ56を有する。
【0064】
副蓋部30は、プリンタ収納ケース1に収納されたプリンタ100に向けて折り返されることによって、サイドカバー部12の張出部14の下側に配置された面ファスナ51bと、副蓋部30の内側面における幅方向の端部に配置された面ファスナ55aとが密着するとともに、サイドカバー部13の張出部16の下側に配置された面ファスナ54bと、副蓋部30の内側面における幅方向の端部に配置された面ファスナ55bとが密着する。
【0065】
これにより、副蓋部30は、プリンタ100の底面100D及び正面100Aの底面100D側の部分を覆うことができる。
【0066】
蓋部20は、プリンタ収納ケース1に収納されたプリンタ100に向けて折り返された際に、蓋部20の端部が副蓋部30の外側面に配置された面ファスナ56を覆う長さに形成されている。
【0067】
蓋部20は、透明樹脂により形成され、収納されたプリンタ100を視認可能とする透明部21を有する。透明部21は、シート状の透明樹脂により形成されており、プリンタ100を視認可能とするとともに、透明部21を介して、プリンタ100の操作を行うことができる。
【0068】
蓋部は、透明部21を備えた枠状に形成されており、対向する枠部分の一部に、枠部分がそれぞれ幅方向に広げられた、一対の広枠部22,23を有する。換言すれば、透明部21において、広枠部22,23に対応する部分が幅方向に狭められている。
【0069】
蓋部20は、蓋部20の内側面の両側縁部に面ファスナ57a,57bを有する。また、蓋部20は、蓋部20の外側面において、背面部11と連結する端部と広枠部22,23との間に、一対の面ファスナ58a,58bを有する。
【0070】
蓋部20の外側面において、背面部11と連結する端部とは反対の端部に、一対の面ファスナ59a,59bを有する。
【0071】
ホルダ3は、ホルダ本体部31と、アーム部32,33と、係合部34,35とを有する。
【0072】
図4は、プリンタ収納ケース1におけるホルダ3とプリンタ100との係合部34,35を説明する模式図である。
【0073】
本実施形態において、ホルダ3は、背面部11の内側面において、蓋部20が連結された端部側に、リベット61,62により取り付けられている。
【0074】
図4に示すように、ホルダ本体部31は、プリンタ100の背面100Fの少なくとも一部に沿う形状に形成されている。
【0075】
本実施形態において、ホルダ本体部31は、プリンタ100の背面100Fにおける上面100E側の部分に、プリンタ100の幅方向に亘って当接する形状である。
【0076】
アーム部32,33は、プリンタ100の対向する2つの側面100B,100Cのそれぞれの少なくとも一部に沿う形状である。
【0077】
本実施形態において、アーム部32は、プリンタ100の側面100Bにおける上面100E側の部分に当接する形状であり、ホルダ本体部31の端部に連なって形成されている。アーム部33は、プリンタ100の側面100Cにおける上面100E側の部分に当接する形状であり、ホルダ本体部31の端部に連なって形成されている。
【0078】
係合部34,35は、一対のアーム部32,33のそれぞれの端部に配置されている。本実施形態において、係合部34,35は、プリンタ100に形成された、プリンタ100を肩掛け可能にするためのショルダベルトを取り付けるために用意された取付部104,105に係合する形状に形成されている。
【0079】
本実施形態においては、取付部104,105は、図3に示すように、ショルダベルトを通すための棒状部材である。係合部34,35は、棒状部材である取付部104,105をそれぞれ把持することのできる形状を有する。
【0080】
本実施形態においては、係合部34,35のそれぞれは、一例として、可撓性樹脂により形成されており、棒状部材の外形よりも狭い溝と、溝の内部に形成された棒状部材の外形に対応する内径サイズを有する把持部を有する部材である。棒状部材が溝に押し当てられることで、樹脂の撓みによって溝が押し広げられ、棒状部材が把持部に納められることで、係合される。
【0081】
図5は、プリンタ100がプリンタ収納ケース1に納められた状態の外観図である。
【0082】
図1に展開して示されたプリンタ収納ケース1は、図3に示すプリンタ100の背面100Fと背面部11とが対応させられ、側面100Bとサイドカバー部12とが対応させられ、側面100Cとサイドカバー部13とが対応させられ、係合部34に取付部104が嵌め合わされるとともに、係合部35に取付部105が嵌め合わされることにより、収納部10にプリンタ100を納め、ホルダ3にプリンタ100を止付けることができる。
【0083】
プリンタ収納ケース1は、さらに、副蓋部30がプリンタ100に向けて折り返されて、サイドカバー部12の張出部14の下側に配置された面ファスナ51bと、副蓋部30の内側面における幅方向の端部に配置された面ファスナ55aとが密着させられるとともに、サイドカバー部13の張出部16の下側に配置された面ファスナ54bと、副蓋部30の内側面における幅方向の端部に配置された面ファスナ55bとが密着させられる。
【0084】
これにより、プリンタ収納ケース1は、プリンタ100の底面100D及び正面100Aの底面100D側の部分を覆うことができる。
【0085】
続いて、プリンタ収納ケース1は、蓋部20の内側面がプリンタ100の正面100Aに対向するように、蓋部20によって収納部10を覆い、蓋部20の内側面に設けられた面ファスナ57aと、張出部14に設けられた面ファスナ51a,51bとが密着させられるとともに、面ファスナ57bと、張出部16に設けられた面ファスナ54a,54bとが密着させられる。
【0086】
このとき、蓋部20の内側面に配置された面ファスナ57aの端部と面ファスナ57bの端部とが副蓋部30の外側面に配置された面ファスナ56と密着させられる。
【0087】
これにより、プリンタ収納ケース1は、図5に示すように、プリンタ100の正面100Aを透明部21から視認可能な状態でプリンタ100を納めることができる。
【0088】
<作用効果>
本実施形態に係るプリンタ収納ケース1によれば、プリンタ100がケース本体2に収納された状態で、ホルダ3がプリンタ100の背面100Fの少なくとも一部に沿うように形成されたホルダ本体部31と、プリンタ100の対向する側面100B,100Cのそれぞれの少なくとも一部に沿うように形成された一対のアーム部32,33によってプリンタ100と係合することができる。
【0089】
これにより、箱状のホルダを有する従来のプリンタ収納ケースと比べて、プリンタ収納ケース1のサイズをプリンタ100のサイズに近づけることができる。したがって、プリンタ収納ケース1によれば、プリンタ収納ケース1を小型化及び軽量化することができる。
【0090】
また、プリンタ100は、ホルダ3に形成された係合部34,35においてホルダ3に係合される。したがって、プリンタ収納ケース1からプリンタ100が脱落することを防止できる。
【0091】
本実施形態においては、取付部104,105が棒状部材であって、係合部34,35は、可撓性樹脂により形成されており、棒状部材である取付部104,105をそれぞれ把持することのできる形状を有する。係合部34,35は、棒状部材である取付部104,105が押し当てられることで、樹脂の撓みによって棒状部材を把持するように形成されている。このため、使用者は、プリンタ100をホルダ3に取り付けてプリンタ収納ケース1に納める作業、或いは、プリンタ100をホルダ3から取り外す作業が容易に行える。
【0092】
また、収納部10には、サイドカバー部12に第一開口部12hが形成されている。また、収納部10は、第一開口部12hを覆う第一開口部カバー15を有することより、プリンタ100がホルダ3に係合されてプリンタ収納ケース1に納められた状態であっても、プリンタ収納ケース1に形成された第一開口部カバー15を開放して、第一開口部12hを露呈させることができる。
【0093】
したがって、小型化及び軽量化を実現したプリンタ収納ケース1において、プリンタ100をプリンタ収納ケース1に収納し、保護した状態で、プリンタ100のバッテリ交換が可能である。
【0094】
また、プリンタ収納ケース1において、第一開口部12hは、サイドカバー部12から背面部11の一部に連続して形成されている。このため、第一開口部カバー15を開放することによって、プリンタ収納ケース1にプリンタ100を収納したままの状態で、プリンタ100からバッテリを交換するための第一開口部12hを十分に露呈させることができる。
【0095】
プリンタ収納ケース1によれば、ケース本体2が、プリンタ100を収納する収納部10と、収納部10を覆う蓋部20と、を有し、蓋部20は、透明樹脂により形成されてプリンタ100を視認可能とする透明部21を有する。
【0096】
したがって、プリンタ収納ケース1によれば、収納部10及び蓋部20によってホルダ3に係合されたプリンタ100が脱落することを防止できるとともに、収納部10及び蓋部20によってプリンタ100を保護することができる。
【0097】
また、蓋部20が透明部21を有するため、収納部10及び蓋部20によってプリンタ100が保護された状態のまま、使用者は、透明部21を介してプリンタ100の操作部103の配置の確認を行うことができる。
【0098】
プリンタ収納ケース1は、係合部34,35がプリンタ100を肩掛け可能にするためのショルダベルトを取り付けるための取付部104、105に係合するように形成されている。
【0099】
したがって、プリンタ100の脱落を防止できるプリンタ収納ケース1において、プリンタ収納ケース1の小型化及び軽量化を実現するにあたり、プリンタ100をホルダ3に係合させるための新たな部材を必要としない。すなわち、プリンタ100の小型化を妨げない。
【0100】
図6は、プリンタ100がプリンタ収納ケース1に納められた状態であって、蓋部20が折り畳まれてプリンタ収納ケース1の前面が開放された状態を説明する外観図である。
【0101】
蓋部20は、広枠部22,23を結ぶ折り線で折り畳むことができる。このとき、図6に示すように、蓋部20の面ファスナ59aと面ファスナ58aとを密着させるとともに、面ファスナ59bと面ファスナ58bとを密着させることにより、蓋部20を、広枠部22,23を結ぶラインで折り畳んだ状態で保持することができる。
【0102】
これにより、プリンタ100をプリンタ収納ケース1に収納した状態で、プリンタ100の排出口102Aに対応する領域を開放することができる。
【0103】
したがって、プリンタ100が蓋部20に覆われてプリンタ収納ケース1に保護された状態であっても、プリンタ100の排出口102Aから排出される印字媒体を取り出すことができる。
【0104】
また、蓋部20は、折り線に相当する位置に広枠部22,23を有することにより、枠状の蓋部20の強度を高めることができる。また、透明部21は、広枠部22,23に対応する部分が幅方向に狭められているため、折れ曲がりやすくなっている。
【0105】
したがって、蓋部20が繰り返し折り畳まれることによるダメージが蓋部20或いは透明部21へ蓄積されることを防止できる。
【0106】
また、蓋部20は、透明部21を有するため、蓋部20が折り畳まれた状態になっても、互いに重なり合った透明部21を通して、使用者は、操作部103の配置を確認することができる。このため、プリンタ100をプリンタ収納ケース1に収納した状態で、折り畳まれて開放された蓋部20の開放部分から、印字発行のための操作を容易に行うことができ、ラベルを発行することができる。
【0107】
図7は、図6に示す状態から、さらに副蓋部30が開放された状態を説明する外観図である。
【0108】
ホルダ3は、ケース本体2の底部(収納部10の副蓋部30)と、ホルダ3に係合されたプリンタ100との間に所定の隙間dが形成されるように、ケース本体2に取り付けられている。
【0109】
ホルダ3に係合されたプリンタ100とケース本体2の底部(副蓋部30)との間に所定の隙間dが形成されるため、プリンタ収納ケース1にプリンタ100が納められた状態でプリンタ収納ケース1におけるケース本体2の底部(副蓋部30)に衝撃が加わったとしても、その衝撃を所定の隙間dによって吸収することができる。
【0110】
したがって、プリンタ収納ケース1によれば、ホルダ3に係合されることによりプリンタ100がプリンタ収納ケース1から脱落することを防止できることに加えて、外部からプリンタ収納ケース1のケース本体2の底面に加わる衝撃がプリンタ100に直接作用することを防止できる。
【0111】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0112】
本実施形態に係るプリンタ収納ケース1において、副蓋部30として説明した部材を、プリンタ100の上面100Eまでを覆うことのできる長さに形成し、蓋部20を短く形成し、図1とは逆に、副蓋部30によってプリンタ100の下側から上側に亘って収納部10全体を覆うように構成してもよい。この場合には、副蓋部30に透明部を設けることで、蓋部20が透明部21を有する場合と同等の効果が得られる。
【0113】
本実施形態に係るプリンタ収納ケース1において、サイドカバー部12における第一開口部12hの位置及び形状、サイドカバー部13における第二開口部13hの位置及び形状は、図示した形態に限定されない。
【0114】
本実施形態に係るプリンタ収納ケース1において、面ファスナ51a,51b、51c,52,53,54a,54b,55a,55b,56,57a,57b58a,58b,59a,59bの形状及び配置位置は、図示した形態に限定されない。
【0115】
第一開口部カバー15と同様に、第二開口部カバー17の内側と、第二開口部13hの周囲のそれぞれに面ファスナを配置し、第二開口部カバー17を閉状態に保持できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 プリンタ収納ケース
2 ケース本体
3 ホルダ
10 収納部
11 背面部
12,13 サイドカバー部
12h 第一開口部
13h 第二開口部
14,16 張出部
14C,16C 幅狭部
15 第一開口部カバー
17 第二開口部カバー
20 蓋部
21 透明部
22,23 広枠部
30 副蓋部
31 ホルダ本体部
32,33 アーム部
34,35 係合部
40 ベルトループ
51a,51b、51c,52,53,54a,54b,55a,55b,56,57a,57b58a,58b,59a,59b 面ファスナ
61,62 リベット
100 プリンタ
100A 正面
100B,100C 側面
100D 底面
100E 上面
100F 背面
101 プリンタ筐体
102 筐体カバー
102A 排出口
103 操作部
104,105 取付部
106 バッテリ交換用開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7