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特開2024-92570プリンタ、プリンタの制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092570
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】プリンタ、プリンタの制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240701BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20240701BHJP
   B65C 9/46 20060101ALI20240701BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20240701BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B41J29/38 601
B41J3/36 Z
B65C9/46
G06K17/00 025
G06K7/10 272
B41J29/38 204
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208605
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】切田 浩治
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
3E095
【Fターム(参考)】
2C055CC01
2C055CC05
2C061AP01
2C061AQ04
2C061AS07
2C061AS08
2C061AS12
2C061HH09
2C061HJ02
2C061HJ06
2C061HJ08
2C061HJ10
2C061HK05
2C061HN02
2C061HN08
2C061HN15
3E095BA03
3E095BA10
3E095CA02
3E095DA03
3E095DA22
3E095DA63
3E095DA72
3E095DA76
3E095EA21
3E095EA34
3E095FA02
(57)【要約】
【課題】ラベルの発行速度を向上させる。
【解決手段】RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタは、印字データからRFIDデータ及び描画データを生成するデータ生成部と、データ生成部が生成したRFIDデータを受信して、受信したRFIDデータをRFIDインレイに書き込むRFID制御部と、データ生成部が生成した描画データを受信して、受信した描画データをラベルに印字する印字制御部と、を備え、RFID制御部は、印字制御部がデータ生成部から送信された描画データを受信するのと平行して、RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタであって、
前記印字データからRFIDデータ及び描画データを生成するデータ生成部と、
前記データ生成部が生成した前記RFIDデータを受信して、受信した前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込むRFID制御部と、
前記データ生成部が生成した前記描画データを受信して、受信した前記描画データを前記ラベルに印字する印字制御部と、
を備え、
前記RFID制御部は、前記印字制御部が前記データ生成部から送信された前記描画データを受信するのと平行して、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込む、
プリンタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプリンタであって、
前記印字制御部は、前記RFID制御部が前記RFIDインレイへの書き込みを終了してから、前記ラベルに印字する、
プリンタ。
【請求項3】
請求項1に記載のプリンタであって、
前記データ生成部は、前記印字データから、さらに制御データを生成し、
前記RFID制御部は、前記印字制御部が前記データ生成部から送信された前記制御データを受信した後に、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込む、
プリンタ。
【請求項4】
請求項1に記載のプリンタであって、
前記RFID制御部は、前記ラベル連続体の先頭の前記ラベルが印字開始位置にある場合に、前記RFIDインレイに書き込みを行う、
プリンタ。
【請求項5】
請求項1に記載のプリンタであって、
互いに通信可能に接続された第1プロセッサと第2プロセッサとを備え、
前記第1プロセッサは、前記データ生成部を構成し、
前記第2プロセッサは、前記RFID制御部及び前記印字制御部を構成する、
プリンタ。
【請求項6】
請求項1に記載のプリンタであって、
前記ラベル連続体をバックフィードして先頭の前記ラベルを印字開始位置に移動させるバックフィード制御部をさらに備え、
前記バックフィード制御部は、印字後の前記ラベルが発行された後、前記バックフィードを行う、
プリンタ。
【請求項7】
RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタのコンピュータが実行する制御方法であって、
前記印字データからRFIDデータ及び描画データを生成するステップと、
生成された前記描画データを受信するのと平行して、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込むステップと、
受信した前記描画データを前記ラベルに印字するステップと、
を含むプリンタの制御方法。
【請求項8】
RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記印字データからRFIDデータ及び描画データを生成する手順と、
生成された前記描画データを受信するのと平行して、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込む手順と、
受信した前記描画データを前記ラベルに印字する手順と、
を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、プリンタの制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、RFIDインレイを有するラベル片を連続して仮着したラベル連続体に印字を行うと共にRFIDインレイにデータを書き込むプリンタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-000953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印字を行うと共にRFIDインレイにデータを書き込むプリンタにおいては、ラベルの発行速度を向上させることが求められている。
【0005】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、ラベルの発行速度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタであって、印字データからRFIDデータ及び描画データを生成するデータ生成部と、データ生成部が生成したRFIDデータを受信して、受信したRFIDデータをRFIDインレイに書き込むRFID制御部と、データ生成部が生成した描画データを受信して、受信した描画データをラベルに印字する印字制御部と、を備え、RFID制御部は、印字制御部がデータ生成部から送信された描画データを受信するのと平行してRFIDデータをRFIDインレイに書き込むプリンタが提供される。
【発明の効果】
【0007】
上記態様によれば、RFID制御部は、印字制御部が描画データを受信するのと平行して、RFIDデータをRFIDインレイに書き込むので、RFIDデータの書き込みは、印字制御部における描画データの受信処理を待つことなく行われる。そのため、印字開始指令を受けたときに、先頭のラベルのRFIDインレイにRFIDデータが書き込まれるので、描画データを受信した後にRFIDデータの書き込みを行う場合と比べて印字が完了するタイミングが早くなり、ラベルの発行速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態に係るプリンタの斜視図である。
図2図2は、印字ユニットカバーを取り除いたプリンタの正面図である。
図3図3は、制御ユニットの機能ブロック図である。
図4図4は、ラベル発行処理のフローチャートである。
図5図5は、ラベル発行処理のフローチャートである。
図6図6は、ラベル発行処理のタイムチャートである。
図7図7は、ラベル発行処理におけるプリンタの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に記載する形態は、図面の簡単な説明により説明される図面に限定されるものではない。
【0010】
本発明の第1の態様は、RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタであって、前記印字データからRFIDデータ及び描画データを生成するデータ生成部と、前記データ生成部が生成した前記RFIDデータを受信して、受信した前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込むRFID制御部と、前記データ生成部が生成した前記描画データを受信して、受信した前記描画データを前記ラベルに印字する印字制御部と、を備え、前記RFID制御部は、前記印字制御部が前記データ生成部から送信された前記描画データを受信するのと平行して、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込むプリンタが提供される。
【0011】
本発明の第1の態様によれば、RFID制御部は、印字制御部が描画データを受信するのと平行して、RFIDデータをRFIDインレイに書き込むので、RFIDデータの書き込みは、印字制御部における描画データの受信に必要な処理を待つことなく行われる。そのため、印字開始指令を受けたときに、先頭のラベルのRFIDインレイにRFIDデータが書き込まれるので、描画データを受信した後にRFIDデータの書き込みを行う場合と比べて印字が完了するタイミングが早くなり、ラベルの発行速度を向上させることができる。
【0012】
本発明の第2の態様は、前記第1の態様のプリンタであって、前記印字制御部は、前記RFID制御部が前記RFIDインレイへの書き込みを終了してから、前記ラベルに印字するプリンタが提供される。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、印字制御部は、RFIDインレイへの書き込みが終了してから印字開始指令を取得することで、速やかにラベルに印字することができ、ラベルの発行速度を向上させることができる。
【0014】
本発明の第3の態様は、前記第1又は第2の態様のプリンタであって、前記データ生成部は、前記印字データから、さらに制御データを生成し、前記RFID制御部は、前記印字制御部が前記データ生成部から送信された前記制御データを受信した後に、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込むプリンタが提供される。
【0015】
本発明の第3の態様によれば、印字制御部が、受信した制御データに基づいて印字のための準備を行なう際に、RFID制御部がRFIDデータをRFIDインレイに書き込むので、ラベルの発行速度を向上させることができる。
【0016】
本発明の第4の態様は、前記第1から第3のいずれか1つの態様のプリンタであって、前記RFID制御部は、前記ラベル連続体の先頭の前記ラベルが印字開始位置にある場合に、前記RFIDインレイに書き込みを行うプリンタが提供される。
【0017】
本発明の第4の態様によれば、先頭のラベルが印字開始位置にある場合に、RFIDデータをRFIDインレイに書き込むことができるので、RFIDデータの書き込みためにフォワードフィード及びバックフィードを行う必要がない。
【0018】
本発明の第5の態様は、前記第1から第4のいずれか1つの態様のプリンタであって、互いに通信可能に接続された第1プロセッサと第2プロセッサとを備え、前記第1プロセッサは、前記データ生成部を構成し、前記第2プロセッサは、前記RFID制御部及び前記印字制御部を構成するプリンタが提供される。
【0019】
本発明の第5の態様によれば、異なる第1プロセッサと第2プロセッサとに、データ生成部、RFID制御部及び印字制御部が構成される構成において、ラベルの発行速度を向上させることができる。
【0020】
より詳しくは、データ生成部から印字制御部への描画データの転送は、データ生成部と印字制御部とが単一のプロセッサにより構成される場合よりも時間を要する。このような構成において、データ生成部から印字制御部への描画データの転送が完了してからRFID制御部がRFIDデータの書き込みを行うと、データ生成部から印字制御部へのデータの転送速度が遅いほど、ラベルの発行に要する時間におけるデータの転送時間が占める割合が大きくなる。そこで、描画データの取得完了を待たずにRFIDデータの書き込みを開始することで、描画データの転送に要する時間の分だけラベルの発行に要する時間を短くすることができる。つまり、データ生成部から印字制御部へのデータの転送速度が遅いほど、ラベルの発行に要する時間における短縮可能な時間の割合が大きいことになる。よって、第1プロセッサがデータ生成部を構成し、第2プロセッサが印字制御部を構成する場合は、データ生成部と印字制御部とが単一のプロセッサにより構成される場合と比べて、ラベルの発行速度を向上させることの効果が大きいと言える。
【0021】
本発明の第6の態様は、前記第1から第5のいずれか1つの態様のプリンタであって、前記ラベル連続体をバックフィードして先頭の前記ラベルを印字開始位置に移動させるバックフィード制御部をさらに備え、前記バックフィード制御部は、印字後の前記ラベルが発行された後、前記バックフィードを行うプリンタが提供される。
【0022】
本発明の第6の態様によれば、印字完了後にバックフィードを行うことで、次のラベルへの印字及びRFIDインレイへ書き込みを行う準備を直ちに行うことができる。
【0023】
本発明の第7の態様は、RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタのコンピュータが実行する制御方法であって、前記印字データからRFIDデータ及び描画データを生成するステップと、生成された前記描画データを受信するのと平行して、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込むステップと、受信した前記描画データを前記ラベルに印字するステップと、を含むプリンタの制御方法が提供される。
【0024】
本発明の第7の態様によれば、生成された描画データを受信するのと平行して、RFIDデータをRFIDインレイに書き込むので、RFIDデータの書き込みは、描画データの受信に必要な処理を待つことなく行われる。そのため、印字開始指令を受けたときに、先頭のラベルのRFIDインレイにRFIDデータが書き込まれるので、描画データを受信した後にRFIDデータの書き込みを行う場合と比べて印字が完了するタイミングが早くなり、ラベルの発行速度を向上させることができる。
【0025】
本発明の第8の態様は、RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタのコンピュータが実行可能なプログラムであって、前記印字データからRFIDデータ及び描画データを生成する手順と、生成された前記描画データを受信するのと平行して、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込む手順と、受信した前記描画データを前記ラベルに印字する手順と、を前記コンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0026】
本発明の第8の態様によれば、生成された描画データを受信するのと平行して、RFIDデータをRFIDインレイに書き込むので、RFIDデータの書き込みは、描画データの受信に必要な処理を待つことなく行われる。そのため、印字開始指令を受けたときに、先頭のラベルのRFIDインレイにRFIDデータが書き込まれるので、描画データを受信した後にRFIDデータの書き込みを行う場合と比べて印字が完了するタイミングが早くなり、ラベルの発行速度を向上させることができる。
【0027】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態に係るプリンタ1について説明する。
【0028】
図1は、プリンタ1の斜視図である。図1に示すように、プリンタ1は、中央本体ユニット2と、印字ユニット3と、印字ユニット3を駆動する駆動ユニット31(図3参照)と、制御ユニット4と、電源ユニット5と、を備える。
【0029】
印字ユニット3は、中央本体ユニット2の一方の側面(プリンタ1の正面)側に位置する。駆動ユニット31、制御ユニット4、及び電源ユニット5は、中央本体ユニット2の他方(反対側)の側面(プリンタ1の背面)側に位置する。
【0030】
中央本体ユニット2は、所定の機械的強度を有する矩形状の盤状ユニットである。中央本体ユニット2は、プリンタ1の中央部に位置し、印字ユニット3、駆動ユニット31、制御ユニット4、及び電源ユニット5が組み付けられる。
【0031】
中央本体ユニット2における支持ケース9の上方には、電源スイッチ43、各種の操作キーを備えた操作部44、ディスプレイ45、等が設けられる。
【0032】
中央本体ユニット2には、プリンタ1をラベル貼付け機100(図3参照)に取り付けるための取付部15が設けられる。
【0033】
取付部15は、任意の構成を選択することができ、本実施形態では、中央本体ユニット2の周縁部に設けられている。具体的には、本実施形態の取付部15は、中央本体ユニット2の周縁部に形成した5つの取付孔(上方中央取付孔15A、上方左端取付孔15B、上方右端取付孔15C、下方左端取付孔15D(図2参照)、下方右端取付孔15E)である。
【0034】
駆動ユニット31は、例えば、複数のステッピングモータを有し、制御ユニット4によって複数のステッピングモータの回転動作(回転方向、ステップ数、等)が制御される。
【0035】
電源ユニット5は、電源ケーブル等を介して外部から電力の供給を受け、制御ユニット4、駆動ユニット31、及び印字ユニット3に電力を供給する。
【0036】
図2は、印字ユニットカバー6(図1参照)を取り除いたプリンタ1の正面図である。
【0037】
図2に示すように、印字ユニット3は、ラベル連続体MLが有する複数のラベル22に印字を行う印字部16を有する。
【0038】
印字ユニット3は、ラベル連続体MLの導入口18から排出口19までの間の搬送路20において、ラベル22に所定情報を印字可能である。
【0039】
ラベル連続体MLは、図2に断面を拡大して示すように、連続紙としての帯状の台紙21と、台紙21の表面側に仮着した複数のラベル22と、を有する。ラベル22は、RFID(Radio Frequency Identification)仕様のICチップ及びアンテナを有するRFIDインレイ60が組み込まれたRFID媒体として構成されている。台紙21の裏面側には、予め位置検出マーク(図示せず)が印刷されている。
【0040】
ラベル連続体MLは、例えば、ロールラベルであってもよいし、台紙21に所定間隔毎にミシン目が形成されたファンフォールドラベルであってもよい。
【0041】
印字部16は、搬送路20の上流側(プリンタ1の後方側)から順に、幅規制シャフト23、上下一対の補助搬送ローラ24、位置検出センサ25、2つのガイドローラ26、搬送ローラ機構70、第2幅規制固定壁部36、RFIDアンテナ65、プラテンローラ28及びサーマルヘッド29、及び剥離板30を有する。
【0042】
また、印字部16は、未使用の熱転写インクリボンRをプラテンローラ28とサーマルヘッド29との間に供給するリボン供給軸32と、使用済の熱転写インクリボンRを巻き取るリボン巻取軸33と、を有する。
【0043】
幅規制シャフト23には、第1幅規制固定壁部34と、幅規制可動リング35と、が設けられる。第1幅規制固定壁部34及び幅規制可動リング35と、プラテンローラ28の上流側に設けられた第2幅規制固定壁部36と、により、ラベル連続体MLの左右両縁部の位置が規制される。これにより、ラベル連続体MLの搬送姿勢が搬送路20に沿って適正に規制される。
【0044】
補助搬送ローラ24は、プラテンローラ28と同期して駆動され、プラテンローラ28及びサーマルヘッド29によるラベル連続体MLの正逆方向の搬送を補助する。フォワードフィード(正方向搬送)は下流側(プリンタ1の前方側)への搬送であり、バックフィード(逆方向搬送)は上流側(プリンタ1の後方側)への搬送である。
【0045】
位置検出センサ25は、台紙21の位置検出マークを検出することで、ラベル連続体ML(ラベル22)とプラテンローラ28及びサーマルヘッド29との相対位置関係を検出可能とする。
【0046】
搬送ローラ機構70は、剥離板30で転向された台紙21を挟持しながらプリンタ1の後方側に送る。台紙21は、台紙ガイドローラ37を経てプリンタ1の外部に排出される。
【0047】
RFIDアンテナ65は、RFID制御部57の制御に基づいて、RFIDインレイ60に対して無線通信を行うことで、RFIDデータを書き込む。また、RFIDアンテナ65は、RFIDインレイ60からRFIDデータを読み取ることもできる。
【0048】
プラテンローラ28は、ラベル連続体ML及び熱転写インクリボンRを、押圧スプリング38による所定印字圧でサーマルヘッド29との間に挟持する。この状態でサーマルヘッド29の発熱素子を発熱させると共にプラテンローラ28を回転駆動することで、ラベル22への印字が行われる。なお、ラベル22が熱により自己発色する感熱媒体である場合は、熱転写インクリボンRは不要となる。
【0049】
熱転写インクリボンRは、リボン供給軸32から第1リボンガイドローラ39を経てプラテンローラ28とサーマルヘッド29との間に供給され、第2リボンガイドローラ40を経てリボン巻取軸33に巻き取られる。
【0050】
開閉レバー41を時計回り方向に回動操作することにより、プラテンローラ28とサーマルヘッド29との間を離間させることができる。これにより、プラテンローラ28とサーマルヘッド29との間にラベル連続体ML及び熱転写インクリボンRを装填可能となる。
【0051】
プラテンローラ28及びサーマルヘッド29は、開閉レバー41を反時計回り方向に回動操作して開閉レバー41の先端部をフレームに取り付けられたレバー係合ピン42に係合させると、図2に示す印字態勢になる。
【0052】
剥離板30は、先端部においてラベル連続体MLの台紙21のみを転向させる。これにより、台紙21からラベル22が剥離し、排出口19から排出(発行)される。台紙21から剥離したラベル22は、ラベル貼付け機100に受け渡される。ラベル貼付け機100は、プリンタ1から受け取ったラベル22を被着体に貼り付ける。
【0053】
制御ユニット4は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。制御ユニット4は、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することで各種の処理を行う。制御ユニット4は、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
【0054】
以下、図3を参照しながら制御ユニット4について詳しく説明する。図3は制御ユニット4の機能の一部をブロック図として表したものであり、各ブロックは必ずしも物理的な構成を意味するものではない。
【0055】
図3に示すように、制御ユニット4は、有線又は無線でラベル貼付け機100及び外部コンピュータ200と通信可能に接続される。また、制御ユニット4には、位置検出センサ25を含む各種センサ、操作部44、等からの信号が入力される。なお、外部コンピュータ200は、ラベル貼付け機100とも通信可能に接続されている。
【0056】
制御ユニット4は、外部コンピュータ200から取得した印字データに基づいて駆動ユニット31及びサーマルヘッド29を制御することで、ラベル22への印字を行う。
【0057】
制御ユニット4は、通信部51と、記憶部52と、データ生成部53と、バックフィード制御部54と、フォワードフィード制御部55と、印字制御部56と、RFID制御部57と、を有する。
【0058】
本実施形態では、データ生成部53は、第1プロセッサ4aにおいて実行可能に構成される。また、バックフィード制御部54、フォワードフィード制御部55、印字制御部56及びRFID制御部57は、第2プロセッサ4bにおいて実行可能に構成される。これら第1プロセッサ4a及び第2プロセッサ4bは、それぞれ、制御ユニット4が有する物理的なCPUが実行するプログラムにより構成される。なお、第1プロセッサ4a及び第2プロセッサ4bは、制御ユニット4が有する物理的なCPUが実行するプログラムにより構成される仮想的なプロセッサであってもよい。
【0059】
また、データ生成部53、バックフィード制御部54、フォワードフィード制御部55、印字制御部56及びRFID制御部57が、物理的又は仮想的な単一のプロセッサによって構成されていてもよい。さらに、各部が、全て異なる物理的又は仮想的なプロセッサによって構成されていてもよい。
【0060】
通信部51は、ラベル貼付け機100及び外部コンピュータ200との間で各種情報の送受信を行う。また、位置検出センサ25を含む各種センサ、操作部44、等からの信号を受信する。
【0061】
記憶部52は、例えば、外部コンピュータ200から取得した印字データ、プリンタ1の状態、等を記憶する。ラベル貼付け機100及び外部コンピュータ200は、通信部51を介して記憶部52に情報を格納することができる。
【0062】
データ生成部53は、記憶部52を介して外部コンピュータ200から取得した印字データを解析して制御データ、描画データ及びRFIDデータを生成する。そして、データ生成部53は、制御データ、描画データ及びRFIDデータを、印字制御部56に転送する。
【0063】
制御データには、印字の際に駆動ユニット31のステッピングモータに与えるパルス信号のステップ数を示す値が含まれる。
【0064】
描画データには、印字の際に各ライン毎にサーマルヘッド29の発熱素子に選択的に通電するための印字位置を示す値(ドット数)が含まれる。なお、描画データは、制御データと比べてデータ量が多い。
【0065】
RFIDデータには、印字の際にRFIDインレイ60に書き込まれるデータが含まれる。具体的には、RFIDデータには、ラベル22に印字される描画データのテキストデータ又は数字データが含まれる。
【0066】
バックフィード制御部54は、ラベル貼付け機100に対して印刷済みのラベル22が受け渡された後、ラベル連続体MLをバックフィードして、ラベル連続体MLの先頭のラベル22を印字開始位置に移動させる。バックフィードの量は、位置検出センサ25の検出結果に基づいて設定される。
【0067】
先頭のラベル22とは、台紙21から剥離されてラベル貼付け機100に受け渡された印字済みのラベル22よりも1つ上流側に位置する未印字のラベル22である。つまり、印字済のラベル22をラベル貼付け機100に受け渡す位置(以下、「ラベル発行位置」という。)に移動させたときの先頭のラベル22の位置が、バックフィード制御部54によるバックフィード開始前の先頭のラベル22の位置(以下、「所定待機位置」という。)である。
【0068】
フォワードフィード制御部55は、ラベル22の印字を行うときにラベル連続体MLを印字に適した速度で搬送する。
【0069】
また、フォワードフィード制御部55は、バックフィード制御部54によるバックフィードの完了後にエラー停止要求又はラベル送り要求が発生した場合に、ラベル連続体MLをフォワードフィードして、印字開始位置に移動させた先頭のラベル22をラベル発行位置にさらに移動させる。エラー停止要求は、プリンタ1にエラーが発生した場合に発生する。エラー停止要求は、ラベル貼付け機100にエラーが発生した場合に発生するようにしてもよいし、外部コンピュータ200にエラーが発生した場合に発生するようにしてもよい。ラベル送り要求は、例えば、ユーザが操作部44からコマンドを入力することで発生する。
【0070】
印字制御部56は、データ生成部53から制御データ及び描画データを取得する。そして、その後に印字開始指令(印字要求)を取得すると、印字開始位置にあるラベル22に印字を行ってラベル発行位置に移動させる印字処理を実行する。
【0071】
具体的には、印字制御部56は、制御データに基づいて駆動ユニット31の複数のステッピングモータへの通電を制御すると共に描画データに基づいてサーマルヘッド29への通電を制御することで、ラベル22に印字を行ってラベル発行位置まで搬送する。
【0072】
印字開始指令は、外部コンピュータ200から制御ユニット4に供給される。つまり、本実施形態では、印字制御部56は、通信部51及び第1プロセッサ4aを介して外部コンピュータ200から印字開始指令を取得する。
【0073】
外部コンピュータ200は、ラベル貼付け機100が所定待機状態、且つ、プリンタ1が印字可能状態になったと判定すると、印字開始指令を制御ユニット4に送信する。
【0074】
外部コンピュータ200は、プリンタ1が印字処理を完了すると、新たな印字データを制御ユニット4に供給する。
【0075】
RFID制御部57は、データ生成部53からRFIDデータを取得する。そして、印字開始位置にあるラベル22のRFIDインレイ60に、RFIDアンテナ65を介してRFIDデータを書き込む。
【0076】
続いて、図4及び図5を参照しながら、制御ユニット4が実行するラベル発行処理について説明する。図4及び図5は、ラベル発行処理のフローチャートであり、第1プロセッサ4aの処理と、第2プロセッサ4bの処理とが並列に時系列順に示されている。
【0077】
ステップS101では、第1プロセッサ4aは、印字データを取得する。第1プロセッサ4aは、記憶部52を所定の間隔(例えば、数十msec毎~数百msec毎)で参照しており、外部コンピュータ200が記憶部52に印字データを格納すると、当該印字データを自動的に取得する。
【0078】
ステップS102では、第1プロセッサ4aは、取得した印字データを解析する。
【0079】
ステップS103では、第1プロセッサ4aは、印字データの解析結果に基づいて、制御データ、描画データ及びRFIDデータを生成する。
【0080】
ステップS104では、第1プロセッサ4aは、制御データを第2プロセッサ4bに送信する。
【0081】
ステップS105では、第2プロセッサ4bは、第1プロセッサ4aが送信した制御データを受信する。
【0082】
ステップS106では、第2プロセッサ4bは、制御データの受信が完了したことを示す制御データ受信完了信号を第1プロセッサ4aに送信する。
【0083】
ステップS107では、第1プロセッサ4aは、第2プロセッサ4bが送信した制御データ受信完了信号を受信する。
【0084】
ステップS108では、第1プロセッサ4aは、RFIDデータを第2プロセッサ4bに送信する。
【0085】
ステップS109では、第2プロセッサ4bは、第1プロセッサ4aが送信したRFIDデータを受信する。
【0086】
ステップS110では、第2プロセッサ4bは、RFIDデータの受信が完了したことを示すRFIDデータ受信完了信号を第1プロセッサ4aに送信する。
【0087】
ステップS111では、第1プロセッサ4aは、第2プロセッサ4bが送信したRFIDデータ受信完了信号を受信する。
【0088】
ステップS112では、第1プロセッサ4aは、描画データを第2プロセッサ4bに送信する。
【0089】
ステップS113では、第2プロセッサ4bは、第1プロセッサ4aが送信した描画データを受信する。
【0090】
ステップS114では、第2プロセッサ4bは、第1プロセッサ4aが送信した描画データを受信するのと平行して、RFIDデータをラベル22のRFIDインレイ60に書き込みを開始する。なお、ステップS112における描画データの送信よりも前に、ステップS114におけるRFIDデータの書き込みを開始してもよい。
【0091】
ステップS115では、第2プロセッサ4bは、描画データの受信が完了したことを示す描画データ受信完了信号を第1プロセッサ4aに送信する。
【0092】
ステップS116では、第1プロセッサ4aは、第2プロセッサ4bが送信した描画データ受信完了信号を受信する。
【0093】
ステップS117では、第2プロセッサ4bは、RFIDデータの書き込みが完了したことを示すRFIDデータ書込完了信号を第1プロセッサ4aに送信する。
【0094】
ステップS118では、第1プロセッサ4aは、第2プロセッサ4bが送信したRFDIデータ書込完了信号を受信する。
【0095】
なお、描画データ及びRFIDデータの容量等によって、ステップS113とS115との間の処理時間と、ステップS114とステップS117との間の処理時間とが異なる場合がある。従って、RFIDデータの書き込みが完了するタイミングよりも描画データの受信が完了するタイミングが必ずしも先になるわけではない。
【0096】
ステップS120では、第1プロセッサ4aは、第2プロセッサ4bが描画データの受信を完了し、かつ、RFIDデータの書き込みが完了したことを受けて、プリンタ1が印字可能状態になったことを示す印字可能信号を外部コンピュータ200に送信する。
【0097】
ステップS121では、第1プロセッサ4aは、外部コンピュータ200が送信した印字開始指令を受信する。
【0098】
ステップS122では、第1プロセッサ4aは、印字開始指令を第2プロセッサ4bに送信する。
【0099】
ステップS123では、第2プロセッサ4bは、第1プロセッサ4aが送信した印字開始指令を受信する。
【0100】
ステップS124では、第2プロセッサ4bは、印字処理を実行する。
【0101】
ステップS125では、印字処理が完了したラベル22がプリンタ1の排出口19から発行され、ラベル貼付け機100へと受け渡される。
【0102】
ステップS126では、第2プロセッサ4bは、ラベル連続体MLのバックフィードを開始する。
【0103】
ステップS127では、第2プロセッサ4bは、先頭位置のラベル22が印字開始位置となった場合に、ラベル連続体MLのバックフィードを完了する。
【0104】
ステップS128では、第2プロセッサ4bは、印字処理が完了したことを示す印字処理完了信号を第1プロセッサ4aに送信する。
【0105】
ステップS129では、第1プロセッサ4aは、第2プロセッサ4bが送信した印字処理完了信号を受信する。
【0106】
ステップS130では、第1プロセッサ4aは、プリンタ1が待機状態であることを示す待機信号を外部コンピュータ200に送信する。
【0107】
次に、図6及び図7を参照して、ラベル発行処理が実行される様子について説明する。図6は、ラベル発行処理のタイムチャートである。図7は、ラベル発行処理におけるプリンタ1の動作を説明するための図である。なお、図7において、各ラベル22には、ラベル連続体MLの搬送に伴う各ラベル22の位置の変化を理解しやすくするために、連番([1]、[2]、・・・)を付してある。
【0108】
図6の時刻t1より前は、図7に状態(a)として示すように、プリンタ1は待機状態であって、ラベル連続体MLの先頭のラベル22[1]が所定待機位置にある。この状態では、先頭のラベル22[1]のRFIDインレイ60は、プリンタ1のRFIDアンテナ65の位置となっている。
【0109】
時刻t1では、第1プロセッサ4aが印字データを取得する。第1プロセッサ4aは、時刻t1から時刻t2にかけて、印字データを解析して制御データ、描画データ及びRFIDデータを生成する。
【0110】
時刻t2では、第1プロセッサ4aから第2プロセッサ4bへの制御データの転送が開始される。
【0111】
時刻t3では、第1プロセッサ4aから第2プロセッサ4bへの制御データの転送が完了し、第1プロセッサ4aから第2プロセッサ4bへのRFIDデータの転送が開始される。
【0112】
時刻t4では、第1プロセッサ4aから第2プロセッサ4bへのRFIDデータの転送が完了する。その後、第1プロセッサ4aから第2プロセッサ4bへの描画データの転送が開始される。このとき、描画データの転送と並行して、第2プロセッサ4bによるラベル22のRFIDインレイ60へのRFIDデータの書き込みが開始される。
【0113】
なお、RFIDデータの転送の完了、描画データの転送の開始及びRFIDデータの書き込みの開始の各タイミングは、第1プロセッサ4a及び第2プロセッサ4bの動作状態により、前後する場合があり、必ずしも時刻t4に同時に発生するものではない。少なくとも描画データの転送中にRFIDデータの書き込みが開始されればよい。
【0114】
時刻t5では、第1プロセッサ4aから第2プロセッサ4bへの描画データの転送が完了する。
【0115】
時刻t6では、第2プロセッサ4bによるRFIDデータの書き込みが完了する。
【0116】
時刻t7では、第2プロセッサ4bが印字開始指令を取得する。印字開始指令を取得すると、プリンタ1は、印字処理(フォワードフィード)を開始する。これにより、図7に状態(b)として示すように、ラベル22[1]がフォワードフィードしながら印字が行われる。
【0117】
本実施形態では、図6に示すように、印字処理は、印字開始指令の信号がONになると開始される。しかしながら、印字処理は、印字開始指令の信号がOFFになると開始されるようにしてもよい。
【0118】
時刻t8では、印字処理が完了する。これにより、図7に状態(c)として示すように、印字済みのラベル22[1]がラベル発行位置になる。発行されたラベル22[1]は、ラベル貼付け機100に渡され、ラベル22の貼り付けが行われる。
【0119】
時刻t9では、バックフィードが行われる。バックフィードを行った結果、図7に状態(d)として示すように、ラベル連続体MLの先頭のラベル22[2]が所定待機位置に移動する。
【0120】
以上説明したように、プリンタ1において、RFID制御部57は、データ生成部53から印字制御部56への描画データの送信と平行して、RFIDインレイ60に書き込む。つまり、RFIDインレイ60への書き込みは、描画データの送信の終了を待つことなく行われる。そのため、印字開始指令を受けたときに、RFIDインレイ60にRFIDデータが書き込まれるので、描画データを受信した後にRFIDデータの書き込みを行う場合と比べて印字が完了するタイミングが早くなり、ラベル22の発行速度を向上させることができる。
【0121】
なお、図4図5及び図6において、データ生成部53から印字制御部56及びRFID制御部57に対して、制御データ、RFIDデータ及び描画データの順に転送されると説明したが、必ずしもこの順に転送が行われるものではない。描画データの転送を行っているときに、受信したRFIDデータに基づいてRFIDインレイ60に対する書き込みが実行されることで、前述のような効果を生じさせることができる。
【0122】
以上のように構成されたプリンタ1の主な作用効果についてまとめて説明する。
【0123】
RFIDインレイ60を有するラベル22が複数設けられたラベル連続体MLに印字データに基づいて印字を行うプリンタ1は、印字データからRFIDデータ及び描画データを生成するデータ生成部53と、データ生成部53が生成したRFIDデータを受信して、受信したRFIDデータをRFIDインレイ60に書き込むRFID制御部57と、データ生成部53が生成した描画データを受信して、受信した描画データをラベル22に印字する印字制御部56と、を備え、RFID制御部57は、印字制御部56がデータ生成部53から送信された描画データを受信するのと平行して、RFIDデータをRFIDインレイ60に書き込む。
【0124】
これによれば、RFID制御部57は、印字制御部56が描画データを受信するのと平行して、RFIDデータをRFIDインレイ60に書き込むので、RFIDデータの書き込みは、印字制御部56における描画データの受信処理を待つことなく行われる。そのため、印字開始指令を受けたときには、先頭のラベル22のRFIDインレイ60にRFIDデータが書き込まれるので、描画データを受信した後にRFIDデータの書き込みを行う場合と比べて印字が完了するタイミングが早くなり、ラベル22の発行速度を向上させることができる。
【0125】
なお、第1プロセッサ4aにデータ生成部53が、第2プロセッサ4bに印字制御部56及びRFID制御部57が、それぞれ構成される例を示したが、これらが単一のプロセッサ上に構成されているとしても、少なくとも描画データを受信するのと同時にRFIDの書き込みの処理が行われるタイミングが発生することで、発行速度を向上させる効果がある。
【0126】
プリンタ1の印字制御部56は、RFID制御部57がRFIDインレイ60への書き込みを終了してから、ラベル22に印字する。
【0127】
これによれば、印字制御部56は、RFIDインレイ60への書き込みが終了してから印字開始指令を取得することで、速やかにラベル22に印字するので、ラベル22の発行速度を向上させることができる。
【0128】
プリンタ1のデータ生成部53は、印字データからさらに制御データを生成し、RFID制御部57は、印字制御部56がデータ生成部53から送信された制御データを受信した後に、RFIDデータをRFIDインレイ60に書き込む。
【0129】
これによれば、印字制御部56が、受信した制御データに基づいて印字のための準備を行なう際に、RFID制御部57がRFIDデータをRFIDインレイ60に書き込むので、ラベル22の発行速度を向上させることができる。
【0130】
プリンタ1のRFID制御部57は、ラベル連続体MLの先頭のラベル22が印宇開始位置にある場合に、RFIDインレイ60に書き込みを行う。
【0131】
これによれば、先頭のラベル22が印字開始位置にある場合に、RFIDデータをRFIDインレイ60に書き込むことができるので、RFIDデータの書き込みためにフォワードフィード及びバックフィードを行う必要がない。
【0132】
プリンタ1は、互いに通信可能に接続された第1プロセッサ4aと第2プロセッサ4bとを備え、第1プロセッサ4aは、データ生成部53を構成し、第2プロセッサ4bは、RFID制御部57及び印字制御部56を構成する。
【0133】
これによれば、異なる第1プロセッサ4aと第2プロセッサ4bとに、データ生成部53、RFID制御部57及び印字制御部56が構成される構成において、ラベル22の発行速度を向上させることができる。
【0134】
より詳しくは、データ生成部53から印字制御部56への描画データの転送は、データ生成部53と印字制御部56とが単一のプロセッサにより構成される場合よりも時間を要する。このような構成において、データ生成部53から印字制御部56への描画データの転送が完了してからRFID制御部57がRFIDデータの書き込みを行うと、データ生成部53から印字制御部56へのデータの転送速度が遅いほど、ラベル22の発行に要する時間におけるデータの転送時間が占める割合が大きくなる。そこで、描画データの取得完了を待たずにRFIDデータの書き込みを開始することで、描画データの転送に要する時間の分だけラベル22の発行に要する時間を短くすることができる。つまり、データ生成部53から印字制御部56へのデータの転送速度が遅いほど、ラベル22の発行に要する時間における短縮可能な時間の割合が大きいことになる。よって、第1プロセッサ4aがデータ生成部53を構成し、第2プロセッサ4bが印字制御部56を構成する場合は、データ生成部53と印字制御部56とが単一のプロセッサにより構成される場合と比べて、ラベル22の発行速度を向上させることの効果が大きいと言える。
【0135】
プリンタ1は、ラベル連続体MLをバックフィードして先頭のラベル22を印字開始位置に移動させるバックフィード制御部54をさらに備え、バックフィード制御部54は、印字後のラベル22が発行された後、バックフィードを行う。
【0136】
これによれば、印字完了後にバックフィードを行うことで、次のラベル22への印字及びRFIDインレイ60へ書き込みを行う準備を直ちに行うことができる。
【0137】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0138】
例えば、プリンタ1の各種プログラムは、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体に記憶されたものを用いてもよい。
【符号の説明】
【0139】
1 プリンタ
2 中央本体ユニット
3 印字ユニット
4 制御ユニット(コンピュータ)
4a 第1プロセッサ(データ生成部)
4b 第2プロセッサ(バックフィード制御部、フォワードフィード制御部、印字制御部、RFID制御部)
5 電源ユニット
6 印字ユニットカバー
9 支持ケース
15 取付部
15A 上方中央取付孔
15B 上方左端取付孔
15C 上方右端取付孔
15D 下方左端取付孔
15E 下方右端取付孔
16 印字部
18 導入口
19 排出口
20 搬送路
21 台紙
22 ラベル
23 幅規制シャフト
24 補助搬送ローラ
25 位置検出センサ
26 ガイドローラ
28 プラテンローラ
29 サーマルヘッド
30 剥離板
31 駆動ユニット
32 リボン供給軸
33 リボン巻取軸
34 第1幅規制固定壁部
35 幅規制可動リング
36 第2幅規制固定壁部
37 台紙ガイドローラ
38 押圧スプリング
39 第1リボンガイドローラ
40 第2リボンガイドローラ
41 開閉レバー
42 レバー係合ピン
43 電源スイッチ
44 操作部
45 ディスプレイ
51 通信部
52 記憶部
53 データ生成部
54 バックフィード制御部
55 フォワードフィード制御部
56 印字制御部
57 RFID制御部
60 RFIDインレイ
65 RFIDアンテナ
70 搬送ローラ機構
100 ラベル貼付け機
200 外部コンピュータ
ML ラベル連続体
R 熱転写インクリボン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明のある態様によれば、RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタであって、印字データからRFIDデータ及び描画データを生成するデータ生成部と、データ生成部が生成したRFIDデータを受信して、受信したRFIDデータをRFIDインレイに書き込むRFID制御部と、データ生成部が生成した描画データを受信して、受信した描画データをラベルに印字する印字制御部と、を備え、RFID制御部は、印字制御部がデータ生成部から送信された描画データを受信するのと並行してRFIDデータをRFIDインレイに書き込むプリンタが提供される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記態様によれば、RFID制御部は、印字制御部が描画データを受信するのと並行して、RFIDデータをRFIDインレイに書き込むので、RFIDデータの書き込みは、印字制御部における描画データの受信処理を待つことなく行われる。そのため、印字開始指令を受けたときに、先頭のラベルのRFIDインレイにRFIDデータが書き込まれるので、描画データを受信した後にRFIDデータの書き込みを行う場合と比べて印字が完了するタイミングが早くなり、ラベルの発行速度を向上させることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の第1の態様は、RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタであって、前記印字データからRFIDデータ及び描画データを生成するデータ生成部と、前記データ生成部が生成した前記RFIDデータを受信して、受信した前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込むRFID制御部と、前記データ生成部が生成した前記描画データを受信して、受信した前記描画データを前記ラベルに印字する印字制御部と、を備え、前記RFID制御部は、前記印字制御部が前記データ生成部から送信された前記描画データを受信するのと並行して、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込むプリンタが提供される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、RFID制御部は、印字制御部が描画データを受信するのと並行して、RFIDデータをRFIDインレイに書き込むので、RFIDデータの書き込みは、印字制御部における描画データの受信に必要な処理を待つことなく行われる。そのため、印字開始指令を受けたときに、先頭のラベルのRFIDインレイにRFIDデータが書き込まれるので、描画データを受信した後にRFIDデータの書き込みを行う場合と比べて印字が完了するタイミングが早くなり、ラベルの発行速度を向上させることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
本発明の第7の態様は、RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタのコンピュータが実行する制御方法であって、前記印字データからRFIDデータ及び描画データを生成するステップと、生成された前記描画データを受信するのと並行して、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込むステップと、受信した前記描画データを前記ラベルに印字するステップと、を含むプリンタの制御方法が提供される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
本発明の第7の態様によれば、生成された描画データを受信するのと並行して、RFIDデータをRFIDインレイに書き込むので、RFIDデータの書き込みは、描画データの受信に必要な処理を待つことなく行われる。そのため、印字開始指令を受けたときに、先頭のラベルのRFIDインレイにRFIDデータが書き込まれるので、描画データを受信した後にRFIDデータの書き込みを行う場合と比べて印字が完了するタイミングが早くなり、ラベルの発行速度を向上させることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
本発明の第8の態様は、RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタのコンピュータが実行可能なプログラムであって、前記印字データからRFIDデータ及び描画データを生成する手順と、生成された前記描画データを受信するのと並行して、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込む手順と、受信した前記描画データを前記ラベルに印字する手順と、を前記コンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
本発明の第8の態様によれば、生成された描画データを受信するのと並行して、RFIDデータをRFIDインレイに書き込むので、RFIDデータの書き込みは、描画データの受信に必要な処理を待つことなく行われる。そのため、印字開始指令を受けたときに、先頭のラベルのRFIDインレイにRFIDデータが書き込まれるので、描画データを受信した後にRFIDデータの書き込みを行う場合と比べて印字が完了するタイミングが早くなり、ラベルの発行速度を向上させることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
ステップS114では、第2プロセッサ4bは、第1プロセッサ4aが送信した描画データを受信するのと並行して、RFIDデータをラベル22のRFIDインレイ60に書き込みを開始する。なお、ステップS112における描画データの送信よりも前に、ステップS114におけるRFIDデータの書き込みを開始してもよい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0120】
以上説明したように、プリンタ1において、RFID制御部57は、データ生成部53から印字制御部56への描画データの送信と並行して、RFIDインレイ60に書き込む。つまり、RFIDインレイ60への書き込みは、描画データの送信の終了を待つことなく行われる。そのため、印字開始指令を受けたときに、RFIDインレイ60にRFIDデータが書き込まれるので、描画データを受信した後にRFIDデータの書き込みを行う場合と比べて印字が完了するタイミングが早くなり、ラベル22の発行速度を向上させることができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0123】
RFIDインレイ60を有するラベル22が複数設けられたラベル連続体MLに印字データに基づいて印字を行うプリンタ1は、印字データからRFIDデータ及び描画データを生成するデータ生成部53と、データ生成部53が生成したRFIDデータを受信して、受信したRFIDデータをRFIDインレイ60に書き込むRFID制御部57と、データ生成部53が生成した描画データを受信して、受信した描画データをラベル22に印字する印字制御部56と、を備え、RFID制御部57は、印字制御部56がデータ生成部53から送信された描画データを受信するのと並行して、RFIDデータをRFIDインレイ60に書き込む。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0124】
これによれば、RFID制御部57は、印字制御部56が描画データを受信するのと並行して、RFIDデータをRFIDインレイ60に書き込むので、RFIDデータの書き込みは、印字制御部56における描画データの受信処理を待つことなく行われる。そのため、印字開始指令を受けたときには、先頭のラベル22のRFIDインレイ60にRFIDデータが書き込まれるので、描画データを受信した後にRFIDデータの書き込みを行う場合と比べて印字が完了するタイミングが早くなり、ラベル22の発行速度を向上させることができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタであって、
前記印字データからRFIDデータ及び描画データを生成するデータ生成部と、
前記データ生成部が生成した前記RFIDデータを受信して、受信した前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込むRFID制御部と、
前記データ生成部が生成した前記描画データを受信して、受信した前記描画データを前記ラベルに印字する印字制御部と、
を備え、
前記RFID制御部は、前記印字制御部が前記データ生成部から送信された前記描画データを受信するのと並行して、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込む、
プリンタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプリンタであって、
前記印字制御部は、前記RFID制御部が前記RFIDインレイへの書き込みを終了してから、前記ラベルに印字する、
プリンタ。
【請求項3】
請求項1に記載のプリンタであって、
前記データ生成部は、前記印字データから、さらに制御データを生成し、
前記RFID制御部は、前記印字制御部が前記データ生成部から送信された前記制御データを受信した後に、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込む、
プリンタ。
【請求項4】
請求項1に記載のプリンタであって、
前記RFID制御部は、前記ラベル連続体の先頭の前記ラベルが印字開始位置にある場合に、前記RFIDインレイに書き込みを行う、
プリンタ。
【請求項5】
請求項1に記載のプリンタであって、
互いに通信可能に接続された第1プロセッサと第2プロセッサとを備え、
前記第1プロセッサは、前記データ生成部を構成し、
前記第2プロセッサは、前記RFID制御部及び前記印字制御部を構成する、
プリンタ。
【請求項6】
請求項1に記載のプリンタであって、
前記ラベル連続体をバックフィードして先頭の前記ラベルを印字開始位置に移動させるバックフィード制御部をさらに備え、
前記バックフィード制御部は、印字後の前記ラベルが発行された後、前記バックフィードを行う、
プリンタ。
【請求項7】
RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタのコンピュータが実行する制御方法であって、
前記印字データからRFIDデータ及び描画データを生成するステップと、
生成された前記描画データを受信するのと並行して、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込むステップと、
受信した前記描画データを前記ラベルに印字するステップと、
を含むプリンタの制御方法。
【請求項8】
RFIDインレイを有するラベルが複数設けられたラベル連続体に印字データに基づいて印字を行うプリンタのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記印字データからRFIDデータ及び描画データを生成する手順と、
生成された前記描画データを受信するのと並行して、前記RFIDデータを前記RFIDインレイに書き込む手順と、
受信した前記描画データを前記ラベルに印字する手順と、
を前記コンピュータに実行させるプログラム。