(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092573
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】電磁波検出ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
G01T 1/20 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
G01T1/20 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208610
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】名倉 圭介
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188BB02
2G188BB04
2G188CC22
2G188DD05
2G188DD16
2G188DD42
2G188DD45
(57)【要約】
【課題】生産性を向上する電磁波検出ユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】電磁波検出ユニットの製造方法は、入射面と、入射面とは反対側に位置する取付部と、をそれぞれ有する第1及び第2検出モジュールを準備することと、第1及び第2検出モジュールのそれぞれを支持するフレームを準備することと、第1及び第2検出モジュールのそれぞれが着脱可能に固定される面を有する治具を準備することと、第1及び第2検出モジュールが治具上で互いに位置決めされるように、第1及び第2検出モジュールのそれぞれの入射面を治具の上記面に接触させて、第1及び第2検出モジュールを治具に固定することと、第1及び第2検出モジュールのそれぞれが治具に固定された状態で、接着剤を用いて、第1及び第2検出モジュールのそれぞれの取付部をフレームに接着することと、第1及び第2検出モジュールのそれぞれと治具との固定を解除することと、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波を検出すると共に、電磁波が入射する入射面と、前記入射面とは反対側に位置する取付部と、をそれぞれ有する第1検出モジュール及び第2検出モジュールを準備することと、
前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれを支持するフレームを準備することと、
前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれが着脱可能に固定される面を有する治具を準備することと、
前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールが前記治具上で互いに位置決めされるように、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれの前記入射面を前記治具の前記面に接触させて、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールを前記治具に固定することと、
前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれが前記治具に固定された状態で、接着剤を用いて、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれの前記取付部を前記フレームに接着することと、
前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれと前記治具との固定を解除することと、を含む、電磁波検出ユニットの製造方法。
【請求項2】
前記治具を準備することは、前記治具上で前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールを位置決めするための基準が設けられている前記治具を準備することを含み、
前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールを前記治具に固定することは、
前記基準に対して前記第1検出モジュールを位置決めすることと、
前記基準に対して前記第2検出モジュールを位置決めすることと、を含む、請求項1に記載の電磁波検出ユニットの製造方法。
【請求項3】
前記第1検出モジュールを位置決めすることは、
前記基準と前記第1検出モジュールとの相対的な位置を検出することと、
検出した前記基準と前記第1検出モジュールとの前記相対的な位置が第1所定位置となるように、前記治具と前記第1検出モジュールとを相対的に移動させることと、を含み、
前記第2検出モジュールを位置決めすることは、
前記基準と前記第2検出モジュールとの相対的な位置を検出することと、
検出した前記基準と前記第2検出モジュールとの前記相対的な位置が、前記第2検出モジュールが前記第1検出モジュールに対して位置決めされる第2所定位置となるように、前記治具と前記第2検出モジュールとを相対的に移動させることと、を含む、請求項2に記載の電磁波検出ユニットの製造方法。
【請求項4】
前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールを準備することは、
前記第1検出モジュールの前記入射面を含む第1シンチレータを有する前記第1検出モジュールを準備することと、
前記第2検出モジュールの前記入射面を含む第2シンチレータを有する前記第2検出モジュールを準備することと、を含む、請求項1に記載の電磁波検出ユニットの製造方法。
【請求項5】
前記第1シンチレータを有する前記第1検出モジュールを準備することは、前記第1検出モジュールの位置を検出するための第1位置検出部を含む第1シンチレータを有する前記第1検出モジュールを準備することを含み、
前記第2シンチレータを有する前記第2検出モジュールを準備することは、前記第2検出モジュールの位置を検出するための第2位置検出部を含む第2シンチレータを有する前記第2検出モジュールを準備することを含む、請求項4に記載の電磁波検出ユニットの製造方法。
【請求項6】
前記治具を準備することは、加熱により前記面での固定力が低下する前記治具を準備することを含み、
前記フレームに接着することは、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれの前記取付部を、常温硬化型又は加熱硬化型の接着剤により前記フレームに接着することを含み、
前記固定を解除することは、前記治具の前記面を加熱することを含む、請求項1に記載の電磁波検出ユニットの製造方法。
【請求項7】
前記治具を準備することは、紫外線の照射により前記面での固定力が低下する前記治具を準備することを含み、
前記固定を解除することは、前記治具の前記面に紫外線を照射することを含む、請求項1に記載の電磁波検出ユニットの製造方法。
【請求項8】
電磁波を前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれの前記入射面に入射させるコリメータを準備することと、
前記固定を解除することの後に、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれの前記入射面と対向するように、前記コリメータを配置することと、を更に含む、請求項1に記載の電磁波検出ユニットの製造方法。
【請求項9】
前記入射面と、前記取付部と、を有する第3検出モジュールを準備することを更に含み、
前記治具に固定することは、前記第1検出モジュール、前記第2検出モジュール及び前記第3検出モジュールが前記治具上で互いに位置決めされるように、前記第1検出モジュール、前記第2検出モジュール及び前記第3検出モジュールのそれぞれの前記入射面を前記治具の前記面に接触させて、前記第1検出モジュール、前記第2検出モジュール及び前記第3検出モジュールを前記治具に固定することを含み、
前記フレームに接着することは、前記第1検出モジュール、前記第2検出モジュール及び前記第3検出モジュールのそれぞれが前記治具に固定された状態で、前記接着剤を用いて、前記第1検出モジュール、前記第2検出モジュール及び前記第3検出モジュールのそれぞれの前記取付部を前記フレームに接着することを含み、
前記固定を解除することは、前記第1検出モジュール、前記第2検出モジュール、及び前記第3検出モジュールのそれぞれと前記治具との固定を解除することを含む、請求項1に記載の電磁波検出ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波検出ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁波を検出する第1検出モジュール及び第2検出モジュールと、第1検出モジュール及び第2検出モジュールのそれぞれを支持するフレームと、を備える電磁波検出ユニットの製造方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この製造方法では、第1検出モジュール及び第2検出モジュールが位置決めされる基準治具と、複数の突起治具と、が準備される。複数の突起治具は、第1検出モジュールを位置決めするための第1突起治具と、第2検出モジュールを位置決めするための第2突起治具と、を含む。第1検出モジュールを基準治具に搭載するためには、第1突起治具が基準治具に組み合わされた後に、第1検出モジュールが、基準治具に組み合わされた第1突起治具を使って、基準治具に位置決めれる。第2検出モジュールを基準治具に搭載するためには、まず、第1突起治具が基準治具から取り外される。次いで、第2突起治具が基準治具に組み合わされた後に、第2検出モジュールが、基準治具に組み合わされた第2突起治具を使って、基準治具に位置決めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の製造方法では、複数の検出モジュールを基準治具に位置決めするために、基準治具に組み合わせる突起治具を交換する必要がある。したがって、上述した従来の製造方法は、複数の検出モジュールを基準治具に位置決めする過程を複雑化させる傾向がある。上述した従来の製造方法は、複数の検出モジュールを基準治具に位置決めし終えるまでの時間を増加させる傾向がある。これらの結果、上述した従来の製造方法は、電磁波検出ユニットの生産性を向上させがたい。
【0005】
本発明は、生産性を向上する電磁波検出ユニットの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電磁波検出ユニットの製造方法は、[1]「電磁波を検出すると共に、電磁波が入射する入射面と、前記入射面とは反対側に位置する取付部と、をそれぞれ有する第1検出モジュール及び第2検出モジュールを準備することと、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれを支持するフレームを準備することと、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれが着脱可能に固定される面を有する治具を準備することと、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールが前記治具上で互いに位置決めされるように、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれの前記入射面を前記治具の前記面に接触させて、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールを前記治具に固定することと、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれが前記治具に固定された状態で、接着剤を用いて、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれの前記取付部を前記フレームに接着することと、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれと前記治具との固定を解除することと、を含む電磁波検出ユニットの製造方法」である。
【0007】
上記[1]に記載の製造方法では、第1検出モジュール及び第2検出モジュールが治具上で互いに位置決めされるように、第1検出モジュール及び第2検出モジュールのそれぞれの入射面を治具の上記面に接触させて、第1検出モジュール及び第2検出モジュールが治具に固定される。したがって、第1検出モジュール及び第2検出モジュールは、治具の交換を伴うことなく、第1検出モジュール及び第2検出モジュールが治具に位置決めされた状態で、治具に固定される。
上記[1]に記載の製造方法では、治具に固定された第1検出モジュール及び第2検出モジュールは、接着剤を用いて、フレームに接着される。第1検出モジュール及び第2検出モジュールと治具との固定が解除される。したがって、第1検出モジュール及び第2検出モジュールは、第1検出モジュールと第2検出モジュールとが互いに位置決めされた状態で、フレームに容易に固定される。
これらの結果、上記[1]に記載の製造方法は、電磁波検出ユニットの生産性を向上する。
【0008】
本発明の電磁波検出ユニットの製造方法は、[2]「前記治具を準備することは、前記治具上で前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールを位置決めするための基準が設けられている前記治具を準備することを含み、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールを前記治具に固定することは、前記基準に対して前記第1検出モジュールを位置決めすることと、前記基準に対して前記第2検出モジュールを位置決めすることと、を含む、上記[1]に記載の電磁波検出ユニットの製造方法」であってもよい。
上記[2]に記載の製造方法では、第1検出モジュール及び第2検出モジュールを治具上で位置決めするための基準が設けられている治具が準備される。第1検出モジュールと第2検出モジュールとが、基準に対してそれぞれ位置決めされる。したがって、上記[2]に記載の製造方法は、第1検出モジュール及び第2検出モジュールのそれぞれが治具に固定されたときの、第1検出モジュール及び第2検出モジュールの各位置精度を向上する。
【0009】
本発明の電磁波検出ユニットの製造方法は、[3]「前記第1検出モジュールを位置決めすることは、前記基準と前記第1検出モジュールとの相対的な位置を検出することと、検出した前記基準と前記第1検出モジュールとの前記相対的な位置が第1所定位置となるように、前記治具と前記第1検出モジュールとを相対的に移動させることと、を含み、前記第2検出モジュールを位置決めすることは、前記基準と前記第2検出モジュールとの相対的な位置を検出することと、検出した前記基準と前記第2検出モジュールとの前記相対的な位置が、前記第2検出モジュールが前記第1検出モジュールに対して位置決めされる第2所定位置となるように、前記治具と前記第2検出モジュールとを相対的に移動させることと、を含む、上記[2]に記載の電磁波検出ユニットの製造方法」であってもよい。
上記[3]に記載の製造方法では、基準と第1検出モジュールとの相対的な位置が検出され、治具と第1検出モジュールとが、基準と第1検出モジュールとの、検出された相対的な位置が上述した第1所定位置となるように、相対的に移動する。基準と第2検出モジュールとの相対的な位置が検出され、治具と第2検出モジュールとが、基準と第2検出モジュールとの、検出された相対的な位置が、上述した第2所定位置となるように、相対的に移動する。したがって、上記[3]に記載の製造方法は、第1検出モジュール及び第2検出モジュールのそれぞれが治具に固定されたときの、第1検出モジュール及び第2検出モジュールの各位置精度を確実に向上する。
【0010】
本発明の電磁波検出ユニットの製造方法は、[4]「前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールを準備することは、前記第1検出モジュールの前記入射面を含む第1シンチレータを有する前記第1検出モジュールを準備することと、前記第2検出モジュールの前記入射面を含む第2シンチレータを有する前記第2検出モジュールを準備することと、を含む、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載の電磁波検出ユニットの製造方法」であってもよい。
上記[4]に記載の製造方法では、第1シンチレータを有する第1検出モジュールが準備され、第2シンチレータを有する第2検出モジュールが準備される。したがって、上記[4]に記載の製造方法は、第1検出モジュールが第1シンチレータを有していると共に第2検出モジュールが第2シンチレータを有している場合であっても、電磁波検出ユニットの生産性を向上する。
【0011】
本発明の電磁波検出ユニットの製造方法は、[5]「前記第1シンチレータを有する前記第1検出モジュールを準備することは、前記第1検出モジュールの位置を検出するための第1位置検出部を含む第1シンチレータを有する前記第1検出モジュールを準備することを含み、前記第2シンチレータを有する前記第2検出モジュールを準備することは、前記第2検出モジュールの位置を検出するための第2位置検出部を含む第2シンチレータを有する前記第2検出モジュールを準備することを含む、上記[4]に記載の電磁波検出ユニットの製造方法」であってもよい。
上記[5]に記載の製造方法では、上述した第1位置検出部を含む第1シンチレータを有する第1検出モジュールが準備され、上述した第2位置検出部を含む第2シンチレータを有する第2検出モジュールが準備される。したがって、上記[5]に記載の製造方法は、第1検出モジュール及び第2検出モジュールのそれぞれの位置を検出するときの、第1検出モジュール及び第2検出モジュールの各検出精度を向上する。
【0012】
本発明の電磁波検出ユニットの製造方法は、[6]「前記治具を準備することは、加熱により前記面での固定力が低下する前記治具を準備することを含み、前記フレームに接着することは、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれの前記取付部を、常温硬化型又は加熱硬化型の接着剤により前記フレームに接着することを含み、前記固定を解除することは、前記治具の前記面を加熱することを含む、上記[1]~[5]のいずれか一つに記載の電磁波検出ユニットの製造方法」であってもよい。
上記[6]に記載の製造方法では、第1検出モジュール及び第2検出モジュールのそれぞれの取付部が、常温硬化型又は加熱硬化型の接着剤により、フレームに接着される。治具の上述した面が加熱されて、第1検出モジュール及び第2検出モジュールと治具との固定が解除される。したがって。上記[6]に記載の製造方法は、電磁波検出ユニットの生産性をより一層向上する。
【0013】
本発明の電磁波検出ユニットの製造方法は、[7]「前記治具を準備することは、紫外線の照射により前記面での固定力が低下する前記治具を準備することを含み、前記固定を解除することは、前記治具の前記面に紫外線を照射することを含む、上記[1]~[5]のいずれか一つに記載の電磁波検出ユニットの製造方法」であってもよい。
上記[7]に記載の製造方法では、紫外線が治具の上述した面に照射されて、第1検出モジュール及び第2検出モジュールと治具との固定が解除される。したがって。上記[7]に記載の製造方法は、電磁波検出ユニットの生産性をより一層向上する。
【0014】
本発明の電磁波検出ユニットの製造方法は、[8]「電磁波を前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれの前記入射面に入射させるコリメータを準備することと、前記固定を解除することの後に、前記第1検出モジュール及び前記第2検出モジュールのそれぞれの前記入射面と対向するように、前記コリメータを配置することと、を更に含む、上記[1]~[7]のいずれか一つに記載の電磁波検出ユニットの製造方法」であってもよい。
上記[8]に記載の製造方法では、準備されたコリメータは、第1検出モジュール及び第2検出モジュールと治具との固定が解除された後に、第1検出モジュール及び第2検出モジュールのそれぞれの入射面と対向するように、第1検出モジュール及び第2検出モジュールに配置される。上記[8]に記載の製造方法は、電磁波検出ユニットが上述したコリメータを備える場合であっても、電磁波検出ユニットの生産性を向上する。
【0015】
本発明の電磁波検出ユニットの製造方法は、[9]「前記入射面と、前記取付部と、を有する第3検出モジュールを準備することを更に含み、前記治具に固定することは、前記第1検出モジュール、前記第2検出モジュール及び前記第3検出モジュールが前記治具上で互いに位置決めされるように、前記第1検出モジュール、前記第2検出モジュール及び前記第3検出モジュールのそれぞれの前記入射面を前記治具の前記面に接触させて、前記第1検出モジュール、前記第2検出モジュール及び前記第3検出モジュールを前記治具に固定することを含み、前記フレームに接着することは、前記第1検出モジュール、前記第2検出モジュール及び前記第3検出モジュールのそれぞれが前記治具に固定された状態で、前記接着剤を用いて、前記第1検出モジュール、前記第2検出モジュール及び前記第3検出モジュールのそれぞれの前記取付部を前記フレームに接着することを含み、前記固定を解除することは、前記第1検出モジュール、前記第2検出モジュール、及び前記第3検出モジュールのそれぞれと前記治具との固定を解除することを含む、上記[1]~[8]のいずれか一つに記載の電磁波検出ユニットの製造方法」であってもよい。
上記[9]に記載の製造方法では、第1検出モジュール、第2検出モジュール、及び第3検出モジュールは、治具の交換を伴うことなく、第1検出モジュール、第2検出モジュール、及び第3検出モジュールが治具に位置決めされた状態で、治具に固定される。
上記[9]に記載の製造方法では、第1検出モジュール、第2検出モジュール、及び第3検出モジュールは、第1検出モジュール、第2検出モジュール、及び第3検出モジュールが互いに位置決めされた状態で、フレームに容易に固定される。
これらの結果、上記[9]に記載の製造方法は、電磁波検出ユニットが第3検出モジュールを備える場合であっても、電磁波検出ユニットの生産性を向上する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、生産性を向上する電磁波検出ユニットの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法により製造される電磁波検出ユニットの斜視図である。
【
図3】
図3は、検出モジュールの断面構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法の工程を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法の工程を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法の工程を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法の工程を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法の工程を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法の工程を示す図である。
【
図13】
図13は、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法の工程を示す図である。
【
図14】
図14は、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法の工程を示す図である。
【
図15】
図15は、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法の工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0019】
図1~
図3を参照して、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法により製造される電磁波検出ユニット1の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法により製造される電磁波検出ユニットの斜視図である。
図2は、フレームの斜視図である。
図3は、検出モジュールの断面構成を示す図である。
【0020】
本実施形態では、電磁波検出ユニット1は、放射線を検出する。放射線は、たとえば、X線又はγ線を含む。上述した機能を実現するために、電磁波検出ユニット1は、コリメータ2と、フレーム3と、複数の検出モジュール4と、配線部材5と、を備えている。
図1に示されるように、本実施形態では、電磁波検出ユニット1は、8つの検出モジュール4を備えている。電磁波検出ユニット1において、複数の検出モジュール4は、フレーム3上で互いに隣り合うように配列されている。フレーム3と複数の検出モジュール4とは、複数の検出モジュール4が配列されている方向と交差する方向で、互いに対向している。本実施形態では、複数の検出モジュール4が配列されている方向が第1方向D1であり、フレーム3と複数の検出モジュール4とが互いに対向している方向が第2方向D2であり、第1方向D1及び第2方向D2に交差する方向が第3方向D3である。第3方向D3は、たとえば、第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれと直交する。
【0021】
コリメータ2は、電磁波検出ユニット1に入射する電磁波を平行化した後に、該電磁波を複数の検出モジュール4のそれぞれに入射させる。
図1に示されるように、コリメータ2は、第1方向D1に延在している。コリメータ2は、本体部21と、一対の突当部22とを有している。
本体部21は、第1方向D1に延在しており、複数の検出モジュール4のそれぞれと第2方向D2で対向している。本体部21は、電磁波検出ユニット1に入射する電磁波が複数の検出モジュール4のそれぞれに対して垂直に入射するように、該電磁波を平行化する。すなわち、本体部21は、平行化した電磁波を複数の検出モジュール4のそれぞれに入射させる。本実施形態では、本体部21は、電磁波検出ユニット1に入射する電磁波を、第2方向D2に沿う方向に平行化する。
一対の突当部22は、第1方向D1における本体部21の両端部に位置している。各突当部22には、コリメータ2とフレーム3とを固定するねじB1を通すための貫通孔22aが設けられている。
【0022】
フレーム3は、複数の検出モジュール4のそれぞれを支持する。
図1及び
図2に示されるように、フレーム3は、支持部31と、一対の突当部32と、を有している。
支持部31は、複数の検出モジュール4のそれぞれを支持する。支持部31は、第1方向D1に延在している。支持部31は、複数の検出モジュール4を支持する面31aを含んでいる。本実施形態では、面31aは第1方向D1に沿うように延在している。面31aは、複数の検出モジュール4のそれぞれと、第2方向D2で対向している。複数の検出モジュール4は、第1方向D1に間隔を有して、面31a上に配列されている。
【0023】
一対の突当部32は、支持部31の第1方向D1における両端部に設けられている。突当部32のそれぞれは、コリメータ2の一対の突当部22のうち対応する突当部22と、第2方向D2で対向している。突当部32には、貫通孔32aと、穴32bとが設けられている。突当部32の貫通孔32aと、該突当部32に対応する突当部22の貫通孔22aとは、第2方向D2で互いに対向している。本実施形態では、一方の突当部32の穴32bと、他方の突当部32の穴32bとは、互いに異なる形状を呈している。第2方向D2から見て、上記一方の突当部32の穴32bは円形状を呈しており、上記他方の突当部32の穴32bは長円形状を呈している。すなわち、上記一方の突当部32の穴32bは丸穴であり、上記他方の突当部32の穴32bは長穴である。
【0024】
図3に示されるように、検出モジュール4は、シンチレータ41と、フォトダイオードアレイ42と、接続部43と、基板44と、処理部45と、保護部46と、を有している。
【0025】
シンチレータ41は、検出モジュール4に入射した電磁波を受けて、シンチレーション光を発生させる。本実施形態では、シンチレータ41は、コリメータ2によって第2方向D2に沿う方向に平行化された電磁波を受けて、シンチレーション光を発生する。シンチレータ41は、入射面41aと、出射面41bと、位置検出部41cと、を含んでいる。入射面41aは、電磁波が入射する面である。入射面41aは、コリメータ2と第2方向D2で対向している。本実施形態では、入射面41aに、コリメータ2によって第2方向D2に沿う方向に平行化された電磁波が入射する。出射面41bは、第2方向D2で、入射面41aとは反対側に位置している。出射面41bは、入射面41aに入射した電磁波に応じて、シンチレーション光を出射する。位置検出部41cは、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法において、検出モジュール4の位置を検出するために用いられる。位置検出部41cは、たとえば、シンチレータ41の第2方向D2における両端部のうち、入射面41a寄りの端部に位置している。シンチレータ41は、たとえば、TlをドープしたCsIである。CsIは、多数の針状結晶が林立した構造を有している。
【0026】
フォトダイオードアレイ42は、シンチレータ41の出射面41bから出射されたシンチレーション光を検出する。フォトダイオードアレイ42は、半導体基板42aを含んでいる。半導体基板42aは、複数のフォトダイオードを含んでいる。フォトダイオードアレイ42は、半導体基板42aと、複数のフォトダイオードと、を含んでいる。複数のフォトダイオードは、半導体基板42aにおいて、2次元配列されている。半導体基板42aは、一対の面42b,42cを含んでいる。一対の面42b,42cは、第2方向D2で互いに対向している。面42b上には、シンチレータ41が位置している。面42bには、出射面41bから出射されたシンチレーション光が入射する。
【0027】
半導体基板42aは、たとえばシリコンにより形成されている。フォトダイオードアレイ42は、裏面入射型であってもよく、表面入射型であってもよい。フォトダイオードアレイ42が裏面入射型である場合、フォトダイオードアレイ42の光感応領域は、面42c側に位置する。フォトダイオードアレイ42が表面入射型である場合、フォトダイオードアレイ42の光感応領域は、面42b側に位置する。フォトダイオードアレイ42は、シンチレータ41からのシンチレーション光に対して光学的に透明な光学カップリング剤を介して、シンチレータ41の出射面41bに結合されている。フォトダイオードアレイ42は、たとえば紫外線~遠赤外域に感度を有している。
【0028】
接続部43は、半導体基板42aが含むフォトダイオードと基板44とを接続している。接続部43の内部には、複数のバンプ電極43aが配置されている。本実施形態では、接続部43の内部には、8つのバンプ電極43aが配置されている。接続部43は、複数のバンプ電極43aを含んでいる。複数のバンプ電極43aは、半導体基板42aが含むフォトダイオードと基板44とを電気的に接続している。バンプ電極43aは、たとえば、はんだ又はインジウムを含んでいる。バンプ電極43aは、たとえば、蒸着法により形成される。
【0029】
基板44は、半導体基板42aが含むフォトダイオードと、処理部45とに接続されている。基板44は、一対の面44a,44bを含んでいる。一対の面44a,44bは、第2方向D2で互いに対向している。本実施形態では、面44aは接続部43と接しており、面44bは、処理部45と接している。一対の面44a,44bのそれぞれには、たとえば、電極が形成されている。面44aに形成されている電極には、接続部43の各バンプ電極43aを介して、半導体基板42aのフォトダイオードが接続されている。面44bに形成されている電極には、たとえば不図示のバンプ電極を介して、処理部45が接続されている。基板44の内部には、面44a及び面44bの電極を互いに接続する導体パターンが形成されている。一対の面44a,44bのそれぞれに形成される上記電極は、たとえば、ランド電極又はパッド電極を含む。
基板44は、たとえば、複数のセラミックグリーンシートを積層し、積層された複数のセラミックグリーンシートを焼成することによって形成されている。基板44は、有機材料によって形成されていてもよい。
【0030】
処理部45は、フォトダイオードアレイ42からの信号を処理する。本実施形態では、検出モジュール4は、2つの処理部45を有している。処理部45は、基板44の面44b上に配置されている。処理部45は、面44b上において、第3方向D3で互いに離間している。面44bは、処理部45が配置されている領域と、処理部45が配置されていない領域とを含んでいる。処理部45は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。
【0031】
保護部46は、検出モジュール4において、処理部45を保護する。本実施形態では、保護部46は、空間を介して、処理部45を覆うように配置されている。該空間は、保護部46の内面と処理部45の表面とによって、画成されている。保護部46は、入射面41aとは反対側に位置している。保護部46は、第2方向D2で、入射面41aとは反対側に位置している。本実施形態では、保護部46は、入射面41aとは反対側に位置している面を含んでおり、該面は取付部46aとして機能する。取付部46aは、平面とされている。本実施形態では、保護部46は、接着剤を用いて、基板44の面44bに接着されている。
【0032】
配線部材5は、電磁波検出ユニット1から信号を外部に取り出す。配線部材5は、基板44と電気的に接続されている。配線部材5は、基板44から信号を取り出し、取り出した信号を不図示の外部機器に出力する。配線部材5は、たとえば、FFC(Flexible Flat Cable)である。
【0033】
次に、
図4~
図15を参照して、本実施形態に係る電磁波検出ユニット1の製造方法について説明する。
図4は、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法を示すフローチャートである。
図5は、治具の斜視図である。
図6は、治具の側面図である。
図7~
図15は、本実施形態に係る電磁波検出ユニットの製造方法の工程を示す図である。
【0034】
工程S1では、複数の検出モジュールが準備される。工程S1にて、準備される複数の検出モジュールのそれぞれは、上述した検出モジュール4と同じ構成を有している。したがって、工程S1では、電磁波が入射する入射面41aと、入射面41aとは反対側に位置する取付部46aとを、それぞれ有する複数の検出モジュールが準備される。本製造方法では、複数の検出モジュールを準備するにあたって、8つの検出モジュール4A~4Hが準備される。本製造方法では、複数の検出モジュールを準備するにあたって、入射面41aと位置検出部41cとを含むシンチレータ41をそれぞれ有する検出モジュール4A~4Hが準備される。8つの検出モジュール4A~4Hは、工程S1において新たに作成してもよいし、既に作成された検出モジュール4A~4Hを準備してもよい。
【0035】
たとえば、検出モジュール4Aが第1検出モジュールを構成する場合、検出モジュール4Bが第2検出モジュールを構成し、検出モジュール4Cが第3検出モジュールを構成する。
たとえば、検出モジュール4Aが有するシンチレータ41が第1シンチレータを構成する場合、検出モジュール4Bが有するシンチレータ41が第2シンチレータを構成し、検出モジュール4Cが有するシンチレータ41が第3シンチレータを構成する。
【0036】
工程S2では、検出モジュール4A~4Hのそれぞれを支持するフレーム3が準備される。フレーム3は、工程S2において新たに作成してもよいし、既に作成されたフレーム3を準備してもよい。
工程S3では、電磁波を検出モジュール4A~4Hのそれぞれの入射面41aに入射させるコリメータ2が準備される。コリメータ2は、工程S3において新たに作成してもよいし、既に作成されたコリメータ2を準備してもよい。
【0037】
工程S4では、治具100が準備される。以下では、工程S4にて準備される治具100の構成について、説明する。
治具100には、検出モジュール4A~4Hのそれぞれが着脱可能に固定される。治具100は、長板状を呈している。治具100は、長手方向が、電磁波検出ユニット1において検出モジュール4A~4Hが配列される方向に沿うように、用いられる。したがって、本製造方法では、治具100は、長手方向が第1方向D1に沿い、かつ、短手方向が第3方向D3に沿うように、使用される。
図5に示されるように、治具100は、基台110と、粘着層120と、を有している。本製造方法では、基台110及び粘着層120の第3方向D3での長さは、検出モジュール4A~4Hの第3方向D3での長さより大きい。
【0038】
図5及び
図6に示されるように、基台110は、一対の面110a,110bを含んでいる。一対の面110a,110bは、第2方向D2で互いに対向している。基台110において、一対の面110a,110bのいずれか一方の面に、粘着層120が配置される。本製造方法では、面110aの一部に、粘着層120が配置されている。面110aは、粘着層120から露出している領域R1と、粘着層120に覆われているR2と、を含んでいる。領域R1は、面110aの第1方向D1での両端に位置する部分を少なくとも含んでいる。本製造方法では、領域R1は、面110aの第1方向D1での両端に位置する部分R1aと、部分R1bとを含んでいる。部分R1bは、各部分R1aを連結するように第1方向D1に延在している。領域R1は、部分R1bを含んでいなくてもよい。
【0039】
各部分R1aには、ピン113と、ねじ穴114と、基準115と、がそれぞれ設けられている。ピン113及びねじ穴114は、治具100をフレーム3に固定する際に用いられる。基準115は、治具100上で検出モジュール4A~4Hのそれぞれを位置決めするために用いられる。本製造方法では、基準115は、部分R1aに形成された開口である。基準115は、穴の開口であってもよく、貫通孔の開口であってもよい。
【0040】
一方の部分R1aに設けられた、ピン113、ねじ穴114、及び基準115は、他方の部分R1aに設けられた、ピン113、ねじ穴114、及び基準115に対して、治具100の長手方向及び短手方向での位置が揃うように、設けられている。上述したように、本製造方法では、治具100は、長手方向が第1方向D1に沿い、かつ、短手方向が第3方向D3に沿うように、使用される。したがって、本製造方法では、一方の部分R1aに設けられた、ピン113、ねじ穴114、及び基準115は、他方の部分R1aに設けられた、ピン113、ねじ穴114、及び基準115に対して、第1方向D1及び第3方向D3での位置が揃うように、設けられている。
【0041】
粘着層120は、互いに対向する一対の面120a,120bを含んでいる。一対の面120a,120bは、第2方向D2で互いに対向している。粘着層120においては、一対の面120a,120bのいずれか一方の面が固定力を有している。本明細書において、「固定力」は、検出モジュール4A~4Hのそれぞれを治具100に固定する力を示す。本製造方法では、面120aが固定力を有している。面120aは、固定力として粘着性を有している。本製造方法では、面120aが有する粘着力は、外部から熱を加えられることによって、低下する。すなわち、治具100は、加熱により面120aでの固定力が低下する。粘着層120は、熱剥離型粘着層である。
面120aが有する粘着力が低下する温度、すなわち面120aの剥離開始温度は、たとえば、130度以上である。
【0042】
面120bは、面110aに固定されている。本製造方法では、面120bが粘着性を有している。面120bが有する粘着性によって、面120bと面110aとが固定されている。本製造方法では、面120bが有する粘着性は、外部から熱を加えられたとしても、その粘着力が低下しがたい。したがって、面120bが有する粘着性は加熱により低下しがたく、面120aが有する粘着力が加熱により低下した場合であっても、面120bと面110aとの固定は解除されがたい。
【0043】
工程S5では、検出モジュール4A~4Hのそれぞれが治具100に固定される。工程S5では、検出モジュール4A~4Hのそれぞれが治具100上で互いに位置決めされるように、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの入射面41aを治具100の面120aに接触させて、検出モジュール4A~4Hのそれぞれを治具100に固定する。
【0044】
工程S5では、基準115に対して検出モジュール4A~4Hを位置決めする。本製造方法では、検出モジュール4A~4Hの位置決めを行うにあたって、基準115と各検出モジュール4A~4Hとの相対的な位置が所定位置となるように、治具100と各検出モジュール4A~4Hとが移動される。所定位置は、検出モジュール4A~4Hごとに予め設定されている。本製造方法では、検出モジュール4Aについて所定位置PAが設定され、検出モジュール4Bについて所定位置PBが設定され、検出モジュール4C~4Hについて所定位置PC~PHが設定されている。所定位置PA~PHは、治具100上において、検出モジュール4A~4Hが第1方向D1で互いに隣り合い、かつ、第3方向D3での位置が揃うように、設定される。したがって、本製造方法では、検出モジュール4A~4Hは、所定位置PA~PHにより、位置決めされる。第2方向D2から見た場合に、検出モジュール4A~4Hの中心が所定位置PA~PHと重なるように、検出モジュール4A~4Hが位置決めされる。あるいは、第2方向D2から見た場合に、検出モジュール4A~4Hの外縁が所定位置PA~PHと重なるように、検出モジュール4A~4Hが位置決めされてもよい。各所定位置PA~PHは、たとえば、治具100の面120aに沿った二次元座標系での座標位置で規定される。
たとえば、所定位置PAが第1所定位置として規定される場合、所定位置PBが第2所定位置として規定され、所定位置PC~PHが第3~第8所定位置として規定される。
【0045】
本製造方法では、上述した各検出モジュール4A~4Hの位置決め及び治具100への固定にあたって、固定装置が用いられる。固定装置は、基準115と検出モジュール4A~4Hとの相対的な位置を検出し、検出した相対的な位置が対応する所定位置となるように検出モジュール4A~4Hを移動させるための装置である。固定装置は、上述した機能を実現するために、搬送ユニット200と、撮像ユニット300と、不図示の制御ユニットと、を有している。
【0046】
搬送ユニット200は、検出モジュール4A~4Hを搬送し、治具100に固定するためのユニットである。搬送ユニット200は、たとえば、搬送する検出モジュール4A~4Hの取付部46aを吸着することで該検出モジュールを保持し、保持した検出モジュールを搬送する。
【0047】
撮像ユニット300は、検出モジュール4A~4Hの画像及び基準115の画像を撮像するためのユニットである。撮像ユニット300は、第2方向D2において、搬送ユニット200と粘着層120との間で用いられる。撮像ユニット300は、撮像部310と、撮像部310とは第2方向D2で反対側に位置する撮像部320と、を有している。工程S5では、撮像ユニット300は、撮像部310が治具100を視野に入れ、撮像部320が搬送ユニット200及び搬送ユニット200によって搬送される検出モジュール4A~4Hを視野に入れるように、用いられる。撮像ユニット300は、撮像した検出モジュール4A~4Hの画像及び基準115の画像を制御ユニットに出力する。
【0048】
制御ユニットは、搬送ユニット200の動作を制御し、撮像ユニット300が撮像した画像に基づいて基準115と検出モジュール4A~4Hとの相対的な位置を検出するユニットである。制御ユニットには、上述した所定位置PA~PHが記憶されている。
【0049】
以下では、各検出モジュール4A~4Hのそれぞれを治具100に固定する方法について説明する。本製造方法では、まず、検出モジュール4Aが治具100に固定される。
図7に示されるように、検出モジュール4Aを位置決めするにあたって、基準115と検出モジュール4Aとの相対的な位置が所定位置PAとなるように、治具100と検出モジュール4Aとが相対的に移動される。
【0050】
本製造方法では、基準115と検出モジュール4Aとの相対的な位置は、以下のように、検出される。まず、撮像ユニット300が、治具100の基準115の画像を撮像する。本製造方法では、撮像部310が、基準115を画像視野に含めた状態で、治具100の面110aの画像を撮像する。撮像ユニット300は、撮像部310が撮像した基準115の画像を制御ユニットに出力する。制御ユニットは、撮像ユニット300から受け取った基準115の画像を解析することによって、基準115の位置を検出する。基準115の位置は、上述した面120aに沿った二次元座標系での座標位置で規定される。
【0051】
次に、撮像ユニット300が、検出モジュール4Aの画像を撮像する。本製造方法では、撮像部320が、検出モジュール4Aの位置検出部41cを画像視野に含めた状態で、検出モジュール4Aの画像を撮像する。撮像ユニット300は、撮像部320が撮像した検出モジュール4Aの画像を制御ユニットに出力する。制御ユニットは、撮像ユニット300から受け取った検出モジュール4Aの画像を解析することによって、検出モジュール4Aの位置を検出する。すなわち、制御ユニットは、検出モジュール4Aの位置検出部41cに基づいて、検出モジュール4Aの位置を検出する。検出モジュール4Aの位置も、基準115の位置と同様に、面120aに沿った二次元座標系での座標位置によって規定される。
【0052】
続いて、制御ユニットは、基準115と検出モジュール4Aとの相対的な位置を検出する。本製造方法では、基準115と検出モジュール4Aとの相対的な位置は、基準115に対する検出モジュール4Aの位置として規定される。したがって、本製造方法では、上述した面120aに沿った二次元座標系における、基準115に対する検出モジュール4Aの座標が、基準115と検出モジュール4Aとの相対的な位置として規定される。制御ユニットは、検出した、基準115の位置及び検出モジュール4Aの位置に基づいて、基準115と検出モジュール4Aとの相対的な位置を検出する。具体的には、まず、面120aに沿った二次元座標系において、一方の基準115が原点として設定される。次に、制御ユニットは、原点として設定された基準115に対する検出モジュール4Aの座標を、基準115と検出モジュール4Aとの相対的な位置として検出する。続いて、制御ユニットは、検出した基準115と検出モジュール4Aとの相対的な位置と所定位置PAとの差分に基づいて、基準115と検出モジュール4Aとの相対的な位置が所定位置PAとなるような移動量を算出する。制御ユニットは、算出した移動量を搬送ユニット200に出力する。
【0053】
搬送ユニット200は、受け取った移動量に基づいて、検出モジュール4Aを移動させる。すなわち、搬送ユニット200は、基準115と検出モジュール4Aとの相対的な位置が所定位置PAとなるように、検出モジュール4Aを移動させる。搬送ユニット200は、所定位置PAまで検出モジュール4Aを移動させた後、検出モジュール4Aの入射面41aを面120aに接触させて、検出モジュール4Aを治具100に固定する。
【0054】
次に、検出モジュール4Bが治具100に固定される。
図8に示されるように、搬送ユニット200が、検出された基準115と検出モジュール4Bとの相対的な位置が所定位置PBとなるように、検出モジュール4Bを移動させる。基準115と検出モジュール4Bとの相対的な位置は、上述した基準115と検出モジュール4Aとの相対的な位置と同様の検出方法によって、検出される。搬送ユニット200は、所定位置PBまで検出モジュール4Bを移動させた後、検出モジュール4Bの入射面41aを治具100の面120aに接触させて、検出モジュール4Bを治具100に固定する。
【0055】
図9に示されるように、検出モジュール4Aと検出モジュール4Bとは、第1方向D1で互いに隣り合うように、治具100に固定されている。検出モジュール4Aと検出モジュール4Bとは、第1方向D1で間隔を有して、互いに隣り合うように、治具100に固定されている。
図10に示されるように、検出モジュール4Aと検出モジュール4Bとは、検出モジュール4Aの第3方向D3での位置と検出モジュール4Bの第3方向D3での位置が揃うように、治具100に固定されている。
【0056】
続いて、検出モジュール4Cが治具100に固定される。
図11に示されるように、搬送ユニット200が、検出された基準115と検出モジュール4Cとの相対的な位置が所定位置PCとなるように、検出モジュール4Cを移動させる。基準115と検出モジュール4Cとの相対的位置は、上述した基準115と検出モジュール4Aとの相対的な位置と同様の検出方法によって、検出される。搬送ユニット200は、所定位置PCまで検出モジュール4Cを移動させた後、検出モジュール4Cの入射面41aを治具100の面120aに接触させて、検出モジュール4Cを治具100に固定する。
【0057】
続いて、上述した検出モジュール4A~4Cの固定と同じ方法により、検出モジュール4D~4Hが治具100に固定される。各検出モジュール4D~4Hのそれぞれの入射面41aを治具100の面120aに接触させることで、各検出モジュール4D~4Hのそれぞれを治具100に固定する。
図12に示されるように、各検出モジュール4A~4Hのそれぞれは、所定位置PA~PHのうち対応する所定位置により位置決めされ、治具100に固定される。各検出モジュール4A~4Hは、治具100の面120a上において、第1方向D1で間隔を有して、互いに隣り合うように治具100に固定されている。各検出モジュール4A~4Hは、第3方向D3でのそれぞれの位置が揃うように、治具100に固定されている。
【0058】
工程S6では、検出モジュール4A~4Hのそれぞれをフレーム3に接着する。工程S6では、
図13に示されるように、各検出モジュール4A~4Hのそれぞれが治具100に固定された状態で、接着剤Aを用いて、各検出モジュール4A~4Hのそれぞれの取付部46aをフレーム3に接着する。各検出モジュール4A~4Hをフレーム3に接着するにあたって、本製造方法では、まず、各検出モジュール4A~4Hの取付部46aに接着剤Aを付与する。接着剤Aは、たとえば、常温硬化型又は加熱硬化型の接着剤である。本製造方法では、接着剤Aは、常温硬化型の接着剤である。接着剤Aが加熱硬化型の接着剤である場合、接着剤Aの硬化開始温度は、たとえば、80度以上である。
【0059】
次に、治具100にフレーム3が固定される。本製造方法では、まず、治具100に対してフレーム3が位置決めされる。フレーム3の位置決めにあたっては、穴32bにピン113が通るように、フレーム3の突当部32を治具100の領域R1に突き当てる。これにより、フレーム3は治具100に対して位置決めされる。次に、フレーム3が治具100に対して位置決めされた状態で、ねじB2が、突当部32の貫通孔32aに通され、領域R1のねじ穴114に嵌められる。これにより、治具100にフレーム3が固定される。上述したように、本製造方法では、接着剤Aは、常温硬化型の接着剤である。したがって、接着剤Aを硬化させるための加熱が行われることなく、治具100にフレーム3が固定された状態で、接着剤Aが硬化する。これにより、各検出モジュール4A~4Hのそれぞれがフレーム3に接着される。
接着剤Aが加熱硬化型の接着剤である場合には、治具100にフレーム3が固定された状態で、接着剤Aが加熱される。接着剤Aを加熱する場合では、加熱装置によって、接着剤Aが加熱される。加熱装置は、たとえば、オーブンを含む。加熱された接着剤Aが硬化することにより、各検出モジュール4A~4Hのそれぞれがフレーム3に接着される。
【0060】
工程S7では、固定が解除される。本製造方法では、各検出モジュール4A~4Hのそれぞれと治具100との固定と、フレーム3と治具100との固定とが解除される。
以下では、まず各検出モジュール4A~4Hのそれぞれと治具100との固定の解除について説明する。上述したように、本製造方法において、面120aが有する粘着力は、外部から熱を加えられることによって、低下する。したがって、本製造方法では、検出モジュール4A~4Hのそれぞれと治具100との固定を解除するにあたって、治具100の面120aを加熱する。治具100の面120aを加熱することによって、面120aの固定力が低下し、各検出モジュール4A~4Hのそれぞれと治具100との固定が解除される。
【0061】
次に、フレーム3と治具100との固定の解除について説明する。フレーム3と治具100との固定の解除にあたっては、まず、突当部32の貫通孔32a及び部分R1aのねじ穴114からねじB2が取り外される。次に、突当部32の穴32bから部分R1aのピン113を取り外す。これにより、フレーム3と治具100との固定が解除される。
各検出モジュール4A~4Hのそれぞれと治具100との固定及びフレーム3と治具100との固定が解除されることにより、
図14に示されるように、各検出モジュール4A~4Hはフレーム3のみに接着された状態となる。本製造方法では、各検出モジュール4A~4Hのそれぞれがフレーム3のみに接着された状態で、配線部材5が各検出モジュール4A~4Hのそれぞれの基板44に接続される。
【0062】
工程S8では、コリメータ2が配置される。本製造方法では、検出モジュール4A~4Hのそれぞれと治具100との固定及びフレーム3と治具100との固定が解除された後に、コリメータ2が配置される。すなわち、本製造方法では、工程S7の後に、工程S8が行われる。コリメータ2を配置するにあたっては、本体部21と各検出モジュール4A~4Hのそれぞれの入射面41aとが第2方向D2で互いに対向するように、コリメータ2が配置される。本体部21と各検出モジュール4A~4Hのそれぞれの入射面41aとが第2方向D2で互いに対向することで、コリメータ2が平行化する電磁波が各入射面41aに対して垂直に入射する。コリメータ2が配置された後、コリメータ2の突当部22がフレーム3の突当部32に突き当てられる。続いて、ねじB1が、突当部22の貫通孔22aに通され、突当部32の貫通孔32aに嵌められる。これにより、コリメータ2とフレーム3とが固定される。
以上の工程S1~S8により、電磁波検出ユニット1が製造される。
図7~
図15では、説明のため、検出モジュール4A~4H、搬送ユニット200、及び撮像ユニット300の構成が簡略化して図示されている。
【0063】
以上説明したように、本実施形態に係る製造方法では、検出モジュール4A~4Hが治具100上で互いに位置決めされるように、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの入射面41aを治具100の面120aに接触させて、検出モジュール4A~4Hが治具100に固定される。したがって、検出モジュール4A~4Hは、治具の交換を伴うことなく、検出モジュール4A~4Hが治具100に位置決めされた状態で、治具100に固定される。
本実施形態に係る製造方法では、治具100に固定された検出モジュール4A~4Hは、接着剤Aを用いて、フレーム3に固定される。検出モジュール4A~4Hのそれぞれと治具100との固定が解除される。したがって、検出モジュール4A~4Hは、検出モジュール4A~4Hが互いに位置決めされた状態で、フレーム3に固定される。
これらの結果、本実施形態に係る製造方法は、電磁波検出ユニット1の生産性を向上する。
【0064】
本実施形態に係る製造方法では、治具100を準備することは、治具100上で検出モジュール4A~4Hを位置決めするための基準115が設けられている治具100を準備することを含む。検出モジュール4A~4Hを治具100に固定することは、基準115に対して検出モジュール4A~4Hを位置決めすることを含む。
本実施形態に係る製造方法では、検出モジュール4A~4Hを治具100上で位置決めするための基準115が設けられた治具100が準備される。検出モジュール4A~4Hが、基準115に対してそれぞれ位置決めされる。したがって、本実施形態に係る製造方法は、検出モジュール4A~4Hのそれぞれが治具100に固定されたときの、検出モジュール4A~4Hの各位置精度を向上する。
【0065】
本実施形態に係る製造方法では、検出モジュール4A~4Hを位置決めすることは、基準115と検出モジュール4A~4Hとの各相対的な位置を検出することと、検出された基準115と検出モジュール4A~4Hとの各相対的な位置が所定位置PA~PHのうち対応する所定位置となるように、治具100と検出モジュール4A~4Hとを相対的に移動させることと、を含む。
本実施形態に係る製造方法では、基準115と検出モジュール4A~4Hの各相対的な位置が検出され、治具100と検出モジュール4A~4Hとが、基準115と検出モジュール4A~4Hとの、検出された各相対的な位置が所定位置PA~PHのうち対応する所定位置となるように、相対的に移動する。したがって、本実施形態に係る製造方法は、検出モジュール4A~4Hのそれぞれが治具100に固定されたときの、検出モジュール4A~4Hの各位置精度を確実に向上する。
【0066】
本実施形態に係る製造方法では、複数の検出モジュールを準備することは、シンチレータ41をそれぞれ有する検出モジュール4A~4Hを準備することを含む。
本実施形態に係る製造方法では、シンチレータ41をそれぞれ有する検出モジュール4A~4Hが準備される。したがって、本実施形態に係る製造方法は、検出モジュール4A~4Hがシンチレータ41をそれぞれ有している場合であっても、電磁波検出ユニット1の生産性を向上する。
【0067】
本実施形態に係る製造方法では、シンチレータ41をそれぞれ有する検出モジュール4A~4Hを準備することは、位置検出部41cを含むシンチレータ41をそれぞれ有する検出モジュール4A~4Hを準備することを含む。
本実施形態に係る製造方法では、位置検出部41cを含むシンチレータ41をそれぞれ有する検出モジュール4A~4Hが準備される。したがって、本実施形態に係る製造方法は、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの位置を検出するときの、検出モジュール4A~4Hの各検出精度を向上する。
【0068】
本実施形態に係る製造方法では、治具100を準備することは、加熱により面120aでの固定力が低下する治具100を準備することを含む。フレーム3に接着することは、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの取付部46aを、常温硬化型又は加熱硬化型の接着剤Aによりフレーム3に接着することを含む。固定を解除することは、治具100の面120aを加熱することを含む。
本実施形態に係る製造方法では、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの取付部46aが、常温硬化型又は加熱硬化型の接着剤Aにより、フレーム3に接着される。治具100の面120aが加熱されて、検出モジュール4A~4Hのそれぞれと治具100との固定が解除される。したがって、本実施形態に係る製造方法は、電磁波検出ユニット1の生産性をより一層向上する。
【0069】
本実施形態に係る製造方法では、接着剤Aは、常温硬化型の接着剤である。接着剤Aが常温硬化型の接着剤である場合では、上述したように、接着剤Aを硬化させるための加熱が行われることなく、各検出モジュール4A~4Hのそれぞれがフレーム3に接着される。一方で、接着剤Aが加熱硬化型の接着剤である場合では、接着剤Aを硬化させるための加熱を行う必要がある。したがって、本実施形態に係る製造方法では、接着剤Aが加熱硬化型の接着剤である場合と比して、加熱時間が短い。このため、本実施形態に係る製造方法は、電磁波検出ユニット1の生産性をより一層確実に向上する。
【0070】
本実施形態に係る製造方法は、電磁波を検出モジュール4A~4Hのそれぞれの入射面41aに入射させるコリメータ2を準備することと、固定を解除することの後に、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの入射面41aと対向するように、コリメータ2を配置することと、を含む。
本実施形態に係る製造方法では、準備されたコリメータ2は、検出モジュール4A~4Hのそれぞれと治具100との固定が解除された後に、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの入射面41aと対向するように、検出モジュール4A~4Hのそれぞれに配置される。本実施形態に係る製造方法は、電磁波検出ユニット1がコリメータ2を備える場合であっても、電磁波検出ユニット1の生産性を向上する。
【0071】
本実施形態に係る製造方法では、ねじB2が貫通孔32aに通され、部分R1aのねじ穴114に嵌められることによって、治具100にフレーム3が固定される。
ねじB2によって治具100がフレーム3に固定される場合、フレーム3の面31aが、検出モジュール4A~4Hのそれぞれに付与された接着剤Aに対して一様に押し付けられる。したがって、本実施形態に係る製造方法では、フレーム3と治具100との固定を解除した際に、各検出モジュール4A~4Hのそれぞれの入射面41aの第2方向D2での位置が揃いやすい。
【0072】
本実施形態に係る製造方法では、一方の突当部32の穴32bが円形状を呈しており、他方の突当部32の穴32bが長円形状を呈しているフレーム3が準備される。
本実施形態に係る製造方法では、フレーム3の製造誤差又は公差により穴32bに治具100のピン113が通らないことが防止されるので、フレーム3が治具100に対して確実に位置決めされる。
【0073】
次に、治具100の変形例について説明する。本変形例では、治具100の構成に関して、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と本変形例との相違点を主として説明する。
【0074】
本変形例では、工程S4にて準備される治具100は、紫外線に対して透過性を有する基台110と、紫外線の照射により面120aでの固定力が低下する粘着層120を有している。工程S4では、紫外線の照射により面120aでの固定力が低下する治具100が準備される。工程S6にて用いられる接着剤Aは、常温硬化型の接着剤である。本変形例では、工程S7にて検出モジュール4A~4Hのそれぞれと治具100との固定を解除するにあたって、治具100の面120aに紫外線を照射する。紫外線は、たとえば、面120aとは反対側から照射される。上述したように、基台110は紫外線に対して透過性を有するので、本変形例では、基台110の面110bから面120aに対して紫外線が照射される。これにより、面120aでの固定力が低下し、検出モジュール4A~4Hのそれぞれと治具100との固定が解除される。
【0075】
本変形例では、治具100を準備することは、紫外線の照射により面120aでの固定力が低下する治具100を準備することを含み、固定を解除することは、治具100の面120aに紫外線を照射することを含む。
本変形例では、紫外線が治具100の面120aに照射されて、検出モジュール4A~4Hのそれぞれと治具100との固定が解除される。したがって、本変形例は、電磁波検出ユニット1の生産性をより一層向上する。
【0076】
本変形例では、接着剤Aが常温硬化型の接着剤であると共に、面120aでの固定力が紫外線の照射により低下する。すなわち、工程S6における各検出モジュール4A~4Hとフレーム3との接着及び工程S7における各検出モジュール4A~4Hと治具100との固定の解除にあたって、加熱を行う必要がない。したがって、本変形例は、電磁波検出ユニット1の生産性をより一層確実に向上する。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0078】
本実施形態に係る製造方法では、検出モジュール4A~4Hを治具100に固定することは、基準115に対して検出モジュール4A~4Hのそれぞれを位置決めすることを含んでいなくてもよい。
検出モジュール4A~4Hを治具100に固定することが、基準115に対して検出モジュール4A~4Hのそれぞれを位置決めすることを含んでいる、電磁波検出ユニット1の製造方法は、上述したように、検出モジュール4A~4Hのそれぞれが治具100に固定されたときの、検出モジュール4A~4Hの各位置精度を向上する。
【0079】
本実施形態に係る製造方法では、検出モジュール4A~4Hの位置決めを行うことは、基準115と検出モジュール4A~4Hとの各相対的な位置を検出することを含んでいなくてもよい。検出モジュール4A~4Hの位置決めを行うことは、検出された基準115と検出モジュール4A~4Hとの各相対的な位置が所定位置PA~PHのうち対応する所定位置となるように、治具100と検出モジュール4A~4Hとを相対的に移動させることを含んでいなくてもよい。
検出モジュール4A~4Hの位置決めを行うことが、検出された基準115と検出モジュール4A~4Hとの相対的な位置が所定位置PA~PHのうち対応する所定位置となるように、治具100と検出モジュール4A~4Hとを相対的に移動させることを含んでいる、電磁波検出ユニット1の製造方法は、上述したように、検出モジュール4A~4Hのそれぞれが治具100に固定されたときの、検出モジュール4A~4Hの各位置精度を確実に向上する。
【0080】
本実施形態に係る製造方法では、複数の検出モジュールを準備することは、シンチレータ41をそれぞれ有する検出モジュール4A~4Hを準備することを含んでいなくてもよい。
複数の検出モジュールを準備することが、シンチレータ41をそれぞれ有する検出モジュール4A~4Hを準備することを含んでいる、電磁波検出ユニット1の製造方法は、上述したように、検出モジュール4A~4Hがシンチレータ41をそれぞれ有している場合であっても、電磁波検出ユニット1の生産性を向上する。
【0081】
本実施形態に係る製造方法では、シンチレータ41をそれぞれ有する検出モジュール4A~4Hを準備することは、位置検出部41cを含むシンチレータ41をそれぞれ有する検出モジュール4A~4Hを準備することを含んでいなくてよい。この場合、半導体基板42aの外縁が位置検出部41cとして機能してもよい。
シンチレータ41をそれぞれ有する検出モジュール4A~4Hを準備することが、位置検出部41cを含むシンチレータ41をそれぞれ有する検出モジュール4A~4Hを準備することを含んでいる、電磁波検出ユニット1の製造方法は、上述したように、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの位置を検出するときの、検出モジュール4A~4Hの各検出精度を向上する。
【0082】
本実施形態に係る製造方法では、治具100を準備することは、加熱により面120aでの固定力が低下する治具100を準備することを含んでいなくてもよい。フレーム3に接着することは、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの取付部46aを、常温硬化型又は加熱硬化型の接着剤Aによりフレーム3に接着することを含んでいなくてもよい。固定を解除することは、治具100の面120aを加熱することを含んでいなくてもよい。
治具100を準備することが、加熱により面120aでの固定力が低下する治具100を準備することを含み、フレーム3に接着することは、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの取付部46aを、常温硬化型又は加熱硬化型の接着剤Aによりフレーム3に接着することを含み、固定を解除することが、治具100の面120aを加熱することを含んでいる、電磁波検出ユニット1の製造方法は、上述したように、電磁波検出ユニット1の生産性をより一層向上する。
【0083】
本実施形態に係る製造方法は、電磁波を検出モジュール4A~4Hのそれぞれの入射面41aに入射させるコリメータ2を準備することと、固定を解除することの後に、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの入射面41aと対向するように、コリメータ2を配置することと、を含んでいなくてもよい。
電磁波を検出モジュール4A~4Hのそれぞれの入射面41aに入射させるコリメータ2を準備することと、固定を解除することの後に、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの入射面41aと対向するように、コリメータ2を配置することと、を含んでいる、電磁波検出ユニット1の製造方法は、上述したように、電磁波検出ユニット1がコリメータ2を備える場合であっても、電磁波検出ユニット1の生産性を向上する。
【0084】
上述した実施形態及び変形例では、フレーム3の面31aが第1方向D1に沿うように延在している。しかしながら、フレーム3の面31aの形状は、上述した形状に限定されない。たとえば、面31aは、第1方向D1に対して湾曲した形状を呈していてもよい。
【0085】
上述した実施形態及び変形例では、工程S1にて複数の検出モジュールを準備するにあたって、8つの検出モジュール4A~4Hが準備される。しかしながら、工程S1にて準備される複数の検出モジュールの数は、複数であればよく、上述した数に限定されない。たとえば、工程S1にて準備される複数の検出モジュールの数は、2であってもよく、4であってもよい。
【0086】
上述した実施形態及び変形例では、工程S1にて、保護部46を有する検出モジュール4A~4Hが準備される。しかしながら、工程S1にて準備される検出モジュール4A~4Hは、保護部46を有していなくてもよい。この場合、基板44の面44bのうち、処理部45が配置されていない領域が取付部46aとして機能する。フレーム3の面31aには、面44b上に配置されている処理部45と対向する部分に窪みが設けられている。工程S6にて、検出モジュール4A~4Hのそれぞれをフレーム3に接着する際には、各取付部46aに接着剤Aを付与し、該窪みに処理部45が格納されるように面31aを各取付部46aに突き当てる。これにより、検出モジュール4A~4Hのそれぞれがフレーム3に接着される。
あるいは、基板44の面44bのうち、処理部45が配置されていない領域に突出部が形成されていてもよい。この場合、該突出部が取付部46aとして機能し、フレーム3の面31aには上述した窪みは設けられていない。工程S6にて、検出モジュール4A~4Hのそれぞれをフレーム3に接着する際には、各取付部46aに接着剤Aを付与し、フレーム3の面31aに、取付部46aとして機能する面44bの突出部を突き当てる。これにより、検出モジュール4A~4Hのそれぞれがフレーム3に接着される。
【0087】
工程S1にて準備される検出モジュール4A~4Hが保護部46を有している場合、保護部46を基板44の面44bに接着するための接着剤と、取付部46aとフレーム3の面31aとを接着するための接着剤Aと、が用いられる。したがって、この場合、保護部46と面44bとの界面に接着剤が配置され、取付部46aとフレーム3の面31aとの界面に接着剤Aが配置される。一方で、工程S1にて準備される検出モジュール4A~4Hが保護部46を有していない場合、保護部46と面44bとを接着するための接着剤を用いる必要がない。すなわち、取付部46aとフレーム3との界面にのみ接着剤Aが配置される。したがって、工程S1に準備される検出モジュール4A~4Hが保護部46を有していない場合では、工程S1に準備される検出モジュール4A~4Hが保護部46を有している場合と比して、電磁波検出ユニット1における放熱性が向上する。
【0088】
上述した実施形態及び変形例では、工程S4にて準備される治具100において、基台110及び粘着層120の第3方向D3での長さは、検出モジュール4A~4Hの第3方向D3より大きい。しかしながら、基台110及び粘着層120の第3方向D3での長さと検出モジュール4A~4Hの第3方向D3での長さとの関係は、上述した関係に限定されない。治具100の第3方向D3での長さ及び粘着層120の第3方向D3での長さは、電磁波検出ユニット1を輸送するコンベア幅に対応していればよい。粘着層120においては、粘着層120の第3方向D3での長さは、治具100に検出モジュール4A~4Hのそれぞれを固定する長さであればよく、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの第3方向D3での長さより小さくてもよい。
【0089】
上述した実施形態で準備される治具100は、基台110と粘着層120とを有している。しかしながら、準備される治具100の構成は、上述した構成に限定されない。たとえば、治具100は、基台110のみを有していてもよい。この場合、基台110の面110aが固定力を有していればよい。たとえば、基台110の面110aは固定力として、粘着力を有していてもよい。
【0090】
上述した実施形態及び変形例では、検出モジュール4A~4Hのそれぞれがフレーム3のみに接着された状態で、配線部材5が検出モジュール4A~4Hのそれぞれの基板44に接続される。しかしながら、配線部材5が検出モジュール4A~4Hのそれぞれの基板44に接続されるタイミングは、上述したタイミングに限定されない。配線部材5は、たとえば、検出モジュール4A~4Hのそれぞれと治具100とが固定される前に、検出モジュール4A~4Hのそれぞれの基板44と接続されてもよい。
【0091】
接着剤Aが加熱硬化型の接着剤であると共に面120aでの固定力が加熱により低下する場合、工程S6における各検出モジュール4A~4Hとフレーム3との接着と、工程S7における各検出モジュール4A~4Hと治具100との固定の解除と、が同時に実施されてもよい。この場合、上記接着のための加熱と、上記固定の解除のための加熱と、を別々に行う必要がないため、電磁波検出ユニット1の生産性が確実に向上する。
【符号の説明】
【0092】
1…電磁波検出ユニット、2…コリメータ、3…フレーム、4,4A~4H…検出モジュール、41…シンチレータ、41a…入射面、41c…位置検出部、46a…取付部、100…治具、120a…治具の面、115…基準、A…接着剤、PA~PH…所定位置。