特開 2024-92575 移充填部材、移充填システム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024092575

(43)【公開日】2024-07-08

(54)【発明の名称】移充填部材、移充填システム

(51)【国際特許分類】

   B65D 83/00 20060101AFI20240701BHJP

   B65D 47/34 20060101ALI20240701BHJP

【ＦＩ】

B65D83/00 K

B65D47/34 110

【審査請求】未請求

【請求項の数】6

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022208615

(22)【出願日】2022-12-26

(71)【出願人】

【識別番号】391021031

【氏名又は名称】株式会社ダイゾー

(74)【代理人】

【識別番号】100100044

【弁理士】

【氏名又は名称】秋山 重夫

(74)【代理人】

【識別番号】100205888

【弁理士】

【氏名又は名称】北川 孝之助

(72)【発明者】

【氏名】夏目 脩平

(72)【発明者】

【氏名】片岡 公雄

【テーマコード（参考）】

3E014

3E084

【Ｆターム（参考）】

3E014PA01

3E014PB03

3E014PC03

3E014PC11

3E014PD12

3E014PE11

3E014PE14

3E014PE16

3E084AA04

3E084AA12

3E084AA24

3E084AB01

3E084BA02

3E084CA01

3E084CC03

3E084DA01

3E084DB12

3E084DC03

3E084EB02

3E084EC03

3E084FA09

3E084FB01

3E084GA01

3E084GB01

3E084HA02

3E084HB09

3E084HC01

3E084HD01

3E084JA20

3E084KB02

3E084KB05

3E084KB06

3E084LA17

3E084LB02

3E084LB07

3E084LC01

3E084LD22

(57)【要約】

【課題】リフィル容器に原液を移充填する用途に加えて、原液を吐出する用途としても使用可能な移充填部材を提供する。
【解決手段】原液Ｃが充填された容器本体１１からリフィル容器４０に原液Ｃを移充填するための移充填部材であって、リフィル容器４０を接続するための接続部２１ａと、容器本体１１内の原液Ｃを、接続部２１ａを介してリフィル容器４０に移充填するためのポンプ機構２７と、接続部２１ａから原液Ｃを吐出するための吐出機構２９とを備えている。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

原液が充填された容器本体からリフィル容器に原液を移充填するための移充填部材であって、
リフィル容器を接続するための接続部と、
容器本体内の原液を、接続部を介してリフィル容器に移充填するためのポンプ機構と、
接続部から原液を吐出するための吐出機構と、を備えている、移充填部材。

【請求項2】

吐出機構よりも上流で且つポンプ機構よりも下流に逆止弁が設けられている、請求項１記載の移充填部材。

【請求項3】

吐出機構が、原液を霧状に吐出する噴霧機構である、請求項１記載の移充填部材。

【請求項4】

吐出機構が、原液に空気を混ぜて泡状に吐出する気液混合機構である、請求項１記載の移充填部材。

【請求項5】

ポンプ機構から送り出された原液を通すノズル部材を備え、
ノズル部材に、接続部を備え、吐出機構を収容した接続部材が取り外し可能に接続されており、
接続部材を取り外した状態で原液を吐出できるように、ノズル部材に第２の吐出機構が設けられている、請求項１記載の移充填部材。

【請求項6】

容器本体と、
容器本体に充填された原液と、
容器本体に取り付けられた請求項１～５のいずれかに記載の移充填部材とを備えた移充填製品と、
移充填部材に接続されるリフィル容器とを備えている、移充填システム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、リフィル容器に原液を移充填する用途に加えて、原液を吐出する用途としても使用可能な移充填部材と、その移充填部材を用いた移充填システムに関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、原液が充填されたポンプ付き容器や二重エアゾール容器にリフィル容器を接続し、ポンプや加圧剤の圧力を利用してリフィル容器に原液を充填する用時充填システムが開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開平１１－１７９２５０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

特許文献１のポンプ付き容器やエアゾール容器にはリフィル容器と接続するためのアダプタが取り付けられており、原液を吐出することができない。

【0005】

本発明は、リフィル容器に原液を移充填する用途に加えて、原液を吐出する用途としても使用可能な移充填部材の提供を目的としている。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明の移充填部材は、原液Ｃが充填された容器本体１１からリフィル容器４０に原液Ｃを移充填するための移充填部材であって、リフィル容器４０を接続するための接続部２１ａと、容器本体１１内の原液Ｃを、接続部２１ａを介してリフィル容器４０に移充填するためのポンプ機構２７、２７Ａと、接続部２１ａから原液Ｃを吐出するための吐出機構２９、２９Ｄとを備えていることを特徴としている。

【0007】

上記移充填部材は、吐出機構２９、２９Ｄよりも上流で且つポンプ機構２７、２７Ａよりも下流に逆止弁２８が設けられていることが好ましい。

【0008】

吐出機構が、原液を霧状に吐出する噴霧機構であるか、原液に空気を混ぜて泡状に吐出する気液混合機構であることが好ましい。

【0009】

また、ポンプ機構２７から送り出された原液Ｃを通すノズル部材３０を備え、ノズル部材３０に、接続部２１ａを備え、吐出機構２９を収容した接続部材２１Ｃが取り外し可能に接続されており、接続部材２１Ｃを取り外した状態で原液Ｃを吐出できるように、ノズル部材３０に第２の吐出機構３１が設けられていることが好ましい。

【0010】

本発明の移充填システムは、容器本体１１と、容器本体１１に充填された原液Ｃと、容器本体１１に取り付けられた上記いずれかに記載の移充填部材２０、２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃ、２０Ｄとを備えた移充填製品１０、１０Ａ、１０Ｂ、１０Ｃ、１０Ｄと、移充填部材２０、２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃ、２０Ｄに接続されるリフィル容器４０とを備えていることを特徴としている。

【発明の効果】

【0011】

本発明の移充填部材は吐出機構を備えているため、接続部にリフィル容器を接続していないときは、原液を吐出する用途として使用することができる。

【0012】

吐出機構よりも上流で且つポンプ機構よりも下流に逆止弁が設けられている場合、リフィル容器に原液を移充填する際に、移充填された原液のポンプ機構側への逆流を防止することができる。

【0013】

吐出機構が、原液を霧状に吐出する噴霧機構である場合、移充填部材から原液を噴霧することができる。吐出機構が、原液に空気を混ぜて泡状に吐出する気液混合機構である場合、移充填部材から発泡した原液を吐出させることができる。

【0014】

ポンプ機構から送り出された原液を通すノズル部材を備え、ノズル部材に、接続部を備え、吐出機構を収容した接続部材が取り外し可能に接続されており、接続部材を取り外した状態で原液を吐出できるように、ノズル部材に別の吐出機構が設けられている場合、取り外した接続部材を例えばリフィル容器に取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【0015】

【図1】移充填システムの縦断面図である。

【図2】吐出機構の接続部の変形例であって、図２Ａが接続部の平面図、図２Ｂが接続部の変形例を組み込んだ接続部材を示す縦断面図である。

【図3】移充填製品にリフィル容器を接続した状態を示す縦断面図である。

【図4】別の移充填システムの縦断面図である。

【図5】移充填製品にリフィル容器を接続した状態を示す縦断面図である。

【図6】さらに別の移充填システムの縦断面図である。

【図7】さらに別の移充填システムの縦断面図である。

【図8】さらに別の移充填システムの縦断面図である。

【図9】図８の移充填システムの移充填部材とリフィル容器との接続状態を示す縦断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0016】

図１に示すように、移充填システム１は、移充填製品１０とリフィル容器４０とを備えている。移充填製品１０は、容器本体１１と、容器本体１１に充填された原液Ｃと、容器本体１１に取り付けられた移充填部材２０とを備えている。移充填部材２０は、容器本体１１からリフィル容器４０に原液Ｃを移充填する用途に加えて、移充填部材２０にリフィル容器４０が接続されていないときに原液Ｃを直接外部（空間中や対象物）に吐出する用途としても使用される。以下、各構成部品について説明する。

【0017】

（容器本体）
容器本体１１はいわゆるボトルであって、底部１１ａと、底部１１ａの外周縁から上方に延びる筒状の胴部１１ｂと、胴部１１ｂの上端から上方に向かって徐々に縮径するテーパ状の肩部１１ｃと、肩部１１ｃの上端から上方に延びる円筒状の首部１１ｄとを有している。首部１１ｄの上端に開口１１ｅが位置している。首部１１ｄの外周には、移充填部材２０を取り付けるための雄ネジ１１ｆが設けられている。

【0018】

（原液）
原液Ｃは、移充填部材２０のポンプ機構２７によって吐出可能な液体であれば特に限定されないが、例えば、保湿剤、クレンジング剤、手指消毒剤、洗浄剤、消臭剤、芳香剤、殺虫剤、防虫剤、花粉除去剤、抗菌剤である。

【0019】

（移充填部材）
移充填部材２０は、リフィル容器４０を接続するための接続部２１ａと、容器本体１１内の原液Ｃを、接続部２１ａを介してリフィル容器４０に移充填するためのポンプ機構２７と、接続部２１ａから原液Ｃをそのまま吐出するのではなく所望の状態に変化させてから吐出するための吐出機構２９とを備えている。また、移充填部材２０は、容器本体１１内の原液Ｃを吸い上げるためのディップチューブ２５と、容器本体１１の雄ネジ１１ｆに螺合し、移充填部材２０を容器本体１１に固定するためのネジキャップ２６とをさらに備えている。

【0020】

ポンプ機構２７は、シリンダ２７ａと、シリンダ２７ａ内に摺動可能に収容されたピストン２７ｂと、シリンダ２７ａとピストン２７ｂとによって構成された圧力室Ｒ１の体積を大きくする方向にピストン２７ｂを付勢する付勢手段（バネ）２７ｃと、圧力室Ｒ１の体積を小さくする方向にピストン２７ｂを摺動させたときに生じる圧力が容器本体１１側に加わらないようにする（原液Ｃが容器本体１１に逆流しないようにする）ために、圧力室Ｒ１の上流に設けられた第１逆止弁（ボール弁）２７ｄと、ピストン２７ｂを摺動操作するための操作部材２７ｅとを備えた、いわゆる手動式のポンプ機構である。

【0021】

操作部材２７ｅは、接続部２１ａを有する略皿状の接続部材２１と、接続部材２１の下端に連結された略筒状の連結部材２２と、連結部材２２の下端に連結された第１ステム２３と、第１ステム２３の下端に連結された第２ステム２４とを備えている。ピストン２７ｂは略筒状であって、第２ステム２４に通されている。また、ピストン２７ｂは第１ステム２３の第１フランジ２３ａと、第２ステム２４の第２フランジ２４ａとの間に位置している。

【0022】

接続部２１ａは、接続部材２１の平面視略中央に設けられた、リフィル容器４０のバルブ機構４４のステム４５を挿入可能な窪みである。窪みの底で噴口２９ａが開口している。なお、噴口２９ａは吐出機構２９の一部を構成するチップ２９ｂに設けられている。

【0023】

吐出機構２９は、例えば噴霧機構、具体的には原液Ｃを噴口２９ａの直前の通路で旋回させて霧状に吐出するメカニカルブレークアップ機構である。噴口２９ａから霧状で吐出する際は、接続部２１ａの径ｄと長さ（深さ）ｈ（図２Ｂ参照）により、スプレーの拡がりを制御することができる。例えば、スプレーの拡がりを広くする場合は、接続部２１ａの直径ｄと長さ（深さ）ｈの割合を１：０．２～１：１にするとよい。長さ（深さ）が小さすぎる場合は、スプレーの拡がりが広くなるものの、移充填時にリフィル容器４０のステム４５が取り付けにくい。また、図２Ａに示すように、接続部２１ａの上部にステム保持部２１ｂを残して切り欠き２１ｃを設けてもよい。ステム保持部２１ｂは例えば平面視、周方向に等間隔（図では１８０度毎）に設けることが好ましい。接続部２１ａに切り欠き２１ｃを設けることで、吐出の際に霧状の原液Ｃが接続部２１ａの壁面に当たりにくいため、拡げやすくなる。さらに、ステム保持部２１ｂを設けることで、移充填時にリフィル容器４０のステム４５の取り付けと保持がしやすくなる。吐出機構２９は、上記構成のものに限らず、原液Ｃに空気を混ぜて泡状に吐出する気液混合機構、原液Ｃを噴口２９ａに直線状に流して棒状やジェット状に吐出するストレート機構等、種々の公知の吐出機構を採用しうる。この吐出機構２９は、接続部材２１と連結部材２２との間に収容されている。

【0024】

（リフィル容器）
リフィル容器４０は、外容器４１と、外容器４１に収容された内容器４２と、外容器４１と内容器４２との間の加圧室Ｒ２を密閉する蓋体４３と、内容器４２内の充填室Ｒ３を開閉するバルブ機構４４とを備えている。

【0025】

内容器４２は、筒状体４２ａと、筒状体４２ａの軸方向に摺動する可動壁４２ｂとを備えており、充填室Ｒ３の体積は、可動壁４２ｂの位置によって増減できるようになっている。充填室Ｒ３と加圧室Ｒ２とは、充填室Ｒ３の体積が増加すると加圧室Ｒ２の体積は減少し、充填室Ｒ３の体積が減少すると加圧室Ｒ２の体積が増加する関係にある。従って、充填室Ｒ３に原液Ｃが充填されると、加圧室Ｒ２は体積の減少分だけ内圧が上昇する。そのため、リフィル容器４０を移充填部材２０から取り外し、バルブ機構４４を開状態とすれば、加圧室Ｒ２の内圧を利用して原液Ｃを吐出させることができる。すなわち、リフィル容器４０単独でエアゾール製品として使用することができる。単独で使用する場合には、例えば図１に示すように、ステム４５に押しボタン５０を取り付けるとともに、誤操作を防止するためのカバーキャップ５１を取り付けることが好ましい。なお、充填室Ｒ３に原液Ｃを充填する前から予め加圧室Ｒ２を加圧しておいてもよい。

【0026】

バルブ機構４４は、ステム４５と、ステム４５を常時外側に付勢する付勢手段（バネ）４６と、ステム４５が内側に押し込まれる前はステム４５のステム孔４５ａを塞ぎ、ステム４５が内側に押し込まれたときに撓んでステム孔４５ａを開放してステム４５と充填室Ｒ３とを連通するステムラバー４７とを備えている、いわゆるエアゾールバルブである。このバルブ機構４４は、蓋体４３に収容されている。

【0027】

（リフィル容器への移充填）
上記構成の移充填部材２０を用いてリフィル容器４０に原液Ｃを移充填するには、図３に示すように、接続部２１ａにリフィル容器４０のステム４５を接続した状態でポンプ機構２７を吐出操作する、すなわちリフィル容器４０を使って操作部材２７ｅを押し込み、第１フランジ２３ａでピストン２７ｂを圧力室Ｒ１側に摺動させ、圧力室Ｒ１に貯まっている原液Ｃを下流に送り出す。原液Ｃは、ピストン２７ｂの下端と第２フランジ２４ａの上面との間、ピストン２７ｂの内周面と第２ステム２４の外周面との間、第２ステム２４の外周面と第１ステム２３の内周面との間、第１ステム２３内、連結部材２２内、吐出機構２９、噴口２９ａを介して接続部２１ａに至る。操作部材２７ｅを押し込む力によってステム４５が押し込まれてバルブ機構４４は開状態であるため、原液Ｃはバルブ機構４４を通って充填室Ｒ３に移充填される。

【0028】

ポンプ機構２７の吐出操作を止める、すなわち操作部材２７ｅの押し込みを止めると、付勢手段２７ｃの付勢力によって第２ステム２４が元の位置に戻ろうとするが、その際、ピストン２７ｂの下端が第２ステム２４の上面と当接し、原液Ｃの通路が遮断される結果、圧力室Ｒ１内に陰圧が生じ、この陰圧によって容器本体１１内から原液Ｃが圧力室Ｒ１内に取り込まれる。この際、押し込みが止められているため、バルブ機構４４は先に閉状態になっており、従って、リフィル容器４０に移充填された原液Ｃが逆流することはない。必要に応じてポンプ機構２７の吐出操作を繰り返す。

【0029】

（原液の吐出）
移充填製品１０から直接、原液Ｃを吐出するには、移充填部材２０からリフィル容器４０を取り外した状態（図１参照）でポンプ機構２７を吐出操作する。吐出操作にあたっては、例えば略皿状の接続部材２１の上に手やコットン等の対象物を置き、そのまま押し込む。これにより対象物に向かって原液Ｃが吐出される。なお、接続部２１ａを覆わずに押し込めば、原液Ｃを空間中に霧状で吐出することができる。

【0030】

このように、本発明の移充填部材２０を用いた移充填製品１０は、リフィル容器４０へ原液Ｃを移充填する用途に加えて、リフィル容器４０が接続されていないときに原液Ｃを直接外部に吐出する用途としても利用することができる。

【0031】

次に、別の移充填システム１Ａについて説明する。図４の移充填システム１Ａでは、ポンプ機構２７Ａの操作部材２７ｅとしてトリガーを採用している。移充填部材２０Ａの吐出操作はトリガーを引くことで行う。操作部材２７ｅの一部を構成していた連結部材２２、第１ステム２３、第２ステム２４（図１参照）に代えて、略Ｌ字状のノズル部材３０を備えている。吐出機構２９と接続部２１ａはノズル部材３０の先端に位置している。接続部２１ａは、ノズル部材３０の先端に螺合された接続部材２１Ａに設けられた窪みである。窪みの底で噴口２９ａが開口している。

【0032】

リフィル容器４０の蓋体４３には、接続部材２１Ａに嵌合するための嵌合筒部４３ａが設けられている。この嵌合筒部４３ａを接続部材２１Ａに外嵌させると、自ずとステム４５が接続部２１ａに挿入されるとともにステム４５が押し込まれ、バルブ機構４４は開状態となる。また、外嵌している間、バルブ機構４４の開状態は維持される（図５参照）。

【0033】

ノズル部材３０の内部通路には、ポンプ機構２７Ａの圧力室Ｒ１が連通している。また、ノズル部材３０の内部通路には、吐出機構２９よりも上流で且つポンプ機構２７Ａの圧力室Ｒ１が連通している個所よりも下流に第２逆止弁（ボール弁）２８が設けられている。そのため、リフィル容器４０のバルブ機構４４の開状態が維持されていても、リフィル容器４０に充填された原液Ｃがポンプ機構２７Ａの特に圧力室Ｒ１に逆流することを防止することができる。

【0034】

他の構成については、図１の移充填システム１と同様であるため、同符号を付し、詳細な説明は省略する。この移充填システム１Ａについても図１の移充填システム１と同様に、リフィル容器４０への移充填（図５参照）と、移充填製品１０Ａからの原液Ｃの吐出とを行うことができる。

【0035】

図６は、さらに別の移充填システム１Ｂを示している。この移充填システム１Ｂでは、図４の移充填システム１Ａと同様に、ポンプ機構２７の操作部材２７ｅとしてトリガーを採用している。移充填部材２０Ｂの吐出操作はトリガーを引くことで行う。ただ、図４のポンプ機構２７が前後方向にピストン２７ｂを摺動させるのに対して、この移充填システム１Ｂのポンプ機構２７では上下方向にピストン２７ｂを摺動させる。操作部材２７ｅは、連結部材２２、第１ステム２３、第２ステム２４、トリガーに加えて、連結部材２２に連結された略Ｌ字状のノズル部材３０によって構成されている。ノズル部材３０の先端には、接続部２１ａを備え、吐出機構２９と第２逆止弁２８とを収容した接続部材２１Ｂが取り付けられている。このように接続部材２１Ｂと吐出機構２９と第２逆止弁２８とを一体化（ユニット化）することで、移充填部材２０Ｂの製造が容易になる。

【0036】

他の構成については、図１及び図４の移充填システム１、１Ａと同様であるため、同符号を付し、詳細な説明は省略する。この移充填システム１Ｂについても図１及び図４の移充填システム１、１Ａと同様に、リフィル容器４０への移充填と、移充填製品１０Ｂからの原液Ｃの吐出とを行うことができる。

【0037】

図７は、さらに別の移充填システム１Ｃを示している。この移充填システム１Ｃの移充填部材２０Ｃでは、ユニット化された接続部材２１Ｃがノズル部材３０から取り外し可能となっている。また、接続部材２１Ｃを取り外した状態でも原液Ｃを吐出できるように、ノズル部材３０に、第２の噴口３１ａを備えた第２の吐出機構３１が設けられている。第２の吐出機構３１と吐出機構２９とは同種の吐出機構（例えば噴霧機構）である。第２の吐出機構３１は、ノズル部材３０の一部（先端）を構成する先端部材３２に収容されている。

【0038】

接続部材２１Ｃの一部（後端）を構成する第２逆止弁２８の弁座２８ａの寸法は、先端部材３２と接続可能な大きさであり、且つリフィル容器４０のステム４５とも接続可能な大きさとされている。具体的には、弁座２８ａの外径が先端部材３２の凹部３２ａの内径と等しく、弁座２８ａの凹部２８ｂの内径がステム４５の外径と等しくなっている。そのため、先端部材３２から取り外した接続部材２１Ｃの凹部２８ｂにステム４５を差し込めば、吐出機構２９を介してリフィル容器４０から原液Ｃを吐出させることもできる（図７の点線矢印参照）。

【0039】

他の構成については、図１、図４、図６の移充填システム１、１Ａ、１Ｂと同様であるため、同符号を付し、詳細な説明は省略する。この移充填システム１Ｃについても図１、図４、図６の移充填システム１、１Ａ、１Ｂと同様に、リフィル容器４０への移充填と、移充填製品１０Ｃからの原液Ｃの吐出を行うことができる。なお、リフィル容器４０への移充填に際しては、弁座２８ａを凹部３２ａに差し込むようにして接続部材２１Ｃをノズル部材３０に取り付けておき、この接続部材２１Ｃの接続部２１ａにリフィル容器４０のステム４５を接続することで行う（図７の一点鎖線矢印参照）。移充填製品１０Ｃからの原液Ｃの吐出は、接続部材２１Ｃをノズル部材３０から取り外した状態と、取り付けた状態のいずれでも可能である。

【0040】

図８及び図９は、さらに別の移充填システム１Ｄを示している。この移充填システム１Ｄの移充填部材２０Ｄは、吐出機構２９Ｄとして、原液Ｃに空気を混ぜて泡状に吐出する気液混合機構を採用している。この気液混合機構は、多孔質体３３と、多孔質体３３に空気を供給するための空気導入孔３４ａとを備えている。多孔質体３３は、接続部２１ａよりも上流で且つ第２逆止弁２８よりも下流に位置している。具体的には、接続部２１ａを備える接続部材２１Ｄと、接続部材２１Ｄと先端部材３５とを繋ぐ中継部材３４との間に位置しており、中継部材３４内を通って接続部材２１Ｄの噴口２９ａから吐出される原液Ｃが、その途中で多孔質体３３を通るようになっている。空気導入孔３４ａは、接続部材２１Ｄと中継部材３４との間に設けられており、多孔質体３３と外気とを連通している。そのため、多孔質体３３を通る原液Ｃの流れにより、空気導入孔３４ａから外部の空気が導入されて、原液Ｃと空気が混ざりながら多孔質体３３を通過し、結果、原液Ｃを泡状に吐出することができる。

【0041】

リフィル容器４０は接続部材５３を備えている。接続部材５３は略筒状であって、移充填部材２０Ｄの接続部材２１Ｄを接続（挿入）できるようになっている。接続部２１Ｄを挿入すると、図９に示すように、接続部材５３の内面によって空気導入孔３４ａは塞がれ、多孔質体３３に空気は供給されなくなる。そのため、リフィル容器４０に原液Ｃを移充填する際、原液Ｃに空気が混ざらず、原液Ｃのみをリフィル容器４０に移充填させることができる。

【0042】

接続部材５３には、栓体５４と多孔質体５５とノズル部材５６とを備えた発泡ノズル５２が着脱可能に取り付けられる（図８参照）。多孔質体５５は、リフィル容器４０から吐出される原液Ｃを泡状とするための気液混合機構の一部である。気液混合機構は、多孔質体５５と、多孔質体５５に空気を供給するための空気導入孔５３ａとを備えている。多孔質体５５は、栓体５４とノズル部材５６の間に位置している。空気導入孔５３ａは、接続部材５３から栓体５４にかけて設けられており、多孔質体５５と外気とを連通している。そのため、多孔質体５５を通る原液Ｃに空気が供給され、結果、原液Ｃを泡状に吐出することができる。なお、空気導入孔５３ａは、発泡ノズル５２を取り外し、接続部材５３に移充填部材２０Ｄの接続部材２１Ｄを接続すると、接続部材２１Ｄの先端によって塞がれる（図９参照）。そのため、移充填される原液Ｃにこの空気導入孔５３ａを介して空気が混入することは無い。

【0043】

他の構成については、図１、図４、図６、図７の移充填システム１、１Ａ、１Ｂ、１Ｃと同様であるため、同符号を付し、詳細な説明は省略する。この移充填システム１Ｄについても図１、図４、図６、図７の移充填システム１、１Ａ、１Ｂ、１Ｃと同様に、リフィル容器４０への移充填と、移充填製品１０Ｄからの原液Ｃの吐出を行うことができる。

【0044】

以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、リフィル容器として、内容器が可動壁を備えるものを使用していたが、これに限らず、内容器が可撓性を有するものや、可撓性を有する内容器に直接バルブ機構が取り付けられている、いわゆるＢａｇ ｏｎ Ｖａｌｖｅを使用してもよい。

【符号の説明】

【0045】

１、１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ 移充填システム
Ｃ 原液
１０、１０Ａ、１０Ｂ、１０Ｃ、１０Ｄ 移充填製品
１１ 容器本体
１１ａ 底部
１１ｂ 胴部
１１ｃ 肩部
１１ｄ 首部
１１ｅ 開口
１１ｆ 雄ネジ
２０、２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃ、２０Ｄ 移充填部材
２１、２１Ａ、２１Ｂ、２１Ｃ、２１Ｄ 接続部材
２１ａ 接続部
２１ｂ ステム保持部
２１ｃ 切り欠き
ｄ 接続部の直径
ｈ 接続部の長さ（深さ）
２２ 連結部材
２３ 第１ステム
２３ａ 第１フランジ
２４ 第２ステム
２４ａ 第２フランジ
２５ ディップチューブ
２６ ネジキャップ
２７、２７Ａ ポンプ機構
２７ａ シリンダ
２７ｂ ピストン
２７ｃ 付勢手段
２７ｄ 第１逆止弁（ボール弁）
２７ｅ 操作部材（トリガー）
Ｒ１ 圧力室
２８ 第２逆止弁（ボール弁）
２８ａ 弁座
２８ｂ 凹部
２９、２９Ｄ 吐出機構
２９ａ 噴口
２９ｂ チップ
３０ ノズル部材
３１ 第２の吐出機構
３１ａ 第２の噴口
３２ 先端部材
３２ａ 凹部
３３ 多孔質体（移充填部材側）
３４ 中継部材
３４ａ 空気導入孔（移充填部材側）
３５ 先端部材
４０ リフィル容器
４１ 外容器
４２ 内容器
４２ａ 筒状体
４２ｂ 可動壁
４３ 蓋体
４３ａ 嵌合筒部
４４ バルブ機構
４５ ステム
４５ａ ステム孔
４６ 付勢手段
４７ ステムラバー
Ｒ２加圧室
Ｒ３充填室
５０ 押しボタン
５１ カバーキャップ
５２ 発泡ノズル
５３ 接続部材（押しボタン側）
５３ａ 空気導入孔（押しボタン側）
５４ 栓体
５５ 多孔質体（押しボタン側）
５６ ノズル部材（押しボタン側）

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】