(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092577
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】操作レバーを備えた吐出容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/34 20060101AFI20240701BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B65D47/34 110
B65D83/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208618
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】砂川 貴之
【テーマコード(参考)】
3E014
3E084
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB01
3E014PD11
3E014PE14
3E014PE16
3E014PE30
3E014PF10
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB12
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084KB06
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD22
(57)【要約】
【課題】操作性を向上させる一方、操作レバーの誤作動を防止と衛生面での改善を図ることができる操作レバーを備えた吐出容器を提供する。
【解決手段】容器1に装着された押圧ヘッド31を操作レバー5にて押し込むことにより容器1内の内容物をノズル33を通して噴出させる吐出容器であって、押圧ヘッド31を取り囲む内装体4と、内装体4の周りに沿って回動可能な外装体6とを備え、内装体4は、前面凹所45、背面凹所46と、前面凹所45の上部を支点に揺動させることによりその下面に設けられた突状部52を介して押圧ヘッド31を押し込む操作レバー5と、を有し、外装体6は、前面凹所45、背面凹所46をそれぞれ閉鎖する閉鎖壁65、66と、操作レバー5の動きを規制する突端部67と、前面凹所45、背面凹所46をそれぞれ開放するとともに操作レバー5の自由端54における支持を解除する前面開口部61、背面開口部62と、を有すること。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の口頚部に装着された押圧ヘッドを操作レバーにて押し込むことにより該口頚部内に吊り下げ保持されたポンプを駆動させて容器内に収容された内容物を、吸引、加圧、圧縮して該押圧ヘッドのノズルを通して噴出させる吐出容器であって、
前記押圧ヘッドを取り囲み、該押圧ヘッドのベースキャップに供回り可能に嵌合保持される環状の内装体と、該内装体を取り囲み、その周りに沿って回動可能な環状の外装体と、を備え、
該内装体は、該押圧ヘッドのノズルの前面側および背面側に面してそれぞれ設けられた前面凹所、背面凹所と、該前面凹所、該背面凹所の上方に水平姿勢で配置され、該前面凹所の上部を支点に揺動させることによりその下面に設けられた突状部を介して該押圧ヘッドを押し込むテコ式の操作レバーと、を有し、
該外装体は、該前面凹所、該背面凹所をそれぞれ閉鎖する閉鎖壁と、該操作レバーの自由端を下から支持してその動きを規制する突端部と、該内装体の周りに沿う回動にて該前面凹所、該背面凹所のそれぞれに合致、連通させて該前面凹所、該背面凹所をそれぞれ開放するとともに該操作レバーの自由端での支持を解除してその動きを許容する前面開口部、背面開口部と、を有することを特徴とする操作レバーを備えた吐出容器。
【請求項2】
前記操作レバーは、枢軸またはヒンジを支点に前記前面凹所の上部に支持されるものであることを特徴とする請求項1に記載した操作レバーを備えた吐出容器。
【請求項3】
前記内装体は、その外側面に、前記前面凹所、前記背面凹所の底部において開放され、そこから該内装体の下端に向けて伸延する縦溝と、該縦溝の下端部につながり該内装体の周りに沿って伸延する横溝と、を有し、
前記外装体は、前記前面開口部または前記背面開口部から周方向に対して少なくとも90°離れた内周壁に、該縦溝、該横溝に適合可能な突起を有することを特徴とする請求項1または2に記載した操作レバーを備えた吐出容器。
【請求項4】
前記操作レバーは、レバー本体の幅方向の両端部に、該操作レバーの揺動に際して前記内装体の内周壁に設けられたガイド面に沿って摺動可能なスライダーを有することを特徴とする請求項1または2に記載した操作レバーを備えた吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作レバーを介して押圧ヘッドを押し下げることにより、薬剤や化学品、化粧料等の内容物をノズルを通して噴出させる操作レバーを備えた吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤等の内容物を収容する容器として、押圧ヘッドを備えた吐出容器が広く利用されている。このような容器は、ポンプ機構を有し、押圧ヘッドを下方に押し下げることによって、中空ステムを介してポンプ機構を駆動させ、容器内の内容物を、吸引するとともに加圧、圧縮して、押圧ヘッドに設けたノズルから噴出できるように構成されている。例えば、特許文献1の吐出容器では、押圧ヘッドへの手指による押圧力を小さくすること、および容器が小型の場合(押圧ヘッドが小さい場合)の操作性を向上させること等を目的として、押圧ヘッドに操作レバー(押圧操作体)を装着し、該操作レバーを介して吐出操作を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記押圧ヘッドに操作レバーを装着した吐出容器では、該操作レバーを操作することで小さい力で簡単に内容物を噴出することができるものの、カバン等に入れて持ち運ぶ際に、当該操作レバーが予期せずに操作状態となり、内容物が誤って噴出されてしまうという懸念があった。また、ノズルは露出状態におかれているため、ほこり等の付着が避けられず、衛生面にも問題があった。そのため、従来より、操作レバーの誤作動を防止する機構や、ノズルの露出を阻止する機構について種々、検討されている。
【0005】
そこで、本発明は、押圧ヘッドに操作レバーを備えることで操作性を向上させる一方、該操作レバーの誤作動を防止するとともに、衛生面での改善を図ることができる操作レバーを備えた吐出容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために開発した本発明の操作レバーを備えた吐出容器は、容器の口頚部に装着された押圧ヘッドを操作レバーにて押し込むことにより該口頚部内に吊り下げ保持されたポンプを駆動させて容器本体内に収容された内容物を、吸引、加圧、圧縮して該押圧ヘッドのノズルを通して噴出させる吐出容器であって、
前記押圧ヘッドを取り囲み、該押圧ヘッドのベースキャップに供回り可能に嵌合保持される環状の内装体と、該内装体を取り囲み、その周りに沿って回動可能な環状の外装体とを備え、
該内装体は、該押圧ヘッドのノズルの前面側および背面側に面してそれぞれ設けられた前面凹所、背面凹所と、該前面凹所、該背面凹所の上方に水平姿勢で配置され、該前面凹所の上部を支点に揺動させることによりその下面に設けられた突状部を介して該押圧ヘッドを押し込むテコ式の操作レバーと、を有し、
該外装体は、該前面凹所、該背面凹所をそれぞれ閉鎖する閉鎖壁と、該操作レバーの自由端を下から支持してその動きを規制する突端部と、該内装体の周りに沿う回動にて該前面凹所、該背面凹所のそれぞれに合致、連通させて該前面凹所、該背面凹所をそれぞれ開放するとともに該操作レバーの自由端での支持を解除してその動きを許容する前面開口部、背面開口部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の操作レバーを備えた吐出容器において、前記操作レバーは、枢軸またはヒンジを支点に前記前面凹所の上部に支持されるものであることが好ましい。
【0008】
さらに、本発明の操作レバーを備えた吐出容器において、前記内装体は、その外側面に、前記前面凹所、前記背面凹所の底部において開放され、そこから該内装体の下端に向けて伸延する縦溝と、該縦溝の下端部につながり該内装体の周りに沿って伸延する横溝と、を有し、
前記外装体は、前記前面開口部または前記背面開口部から周方向に対して少なくとも90°離れた内周壁に、該縦溝、該横溝に適合可能な突起を有することが好ましい。
【0009】
さらに、本発明の操作レバーを備えた吐出容器において、前記操作レバーは、レバー本体の幅方向の両端部に、該操作レバーの揺動に際して前記内装体の内周壁に設けられたガイド面に沿って摺動可能なスライダーを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の操作レバーを備えた吐出容器によれば、押圧ヘッドを取り囲むように設けた内装体の上方に、突状部が垂下保持されたテコ式の操作レバーを設け、該操作レバーを揺動させることで前記突状部を介して押圧ヘッドを押し込んで内容物を噴出させることができる。そのため、小さい押圧力で内容物を噴出することができると共に、押圧ヘッドが小さい場合にも簡単に吐出操作を行うことができる。
【0011】
また、本発明では、内装体を取り囲むように環状の外装体を回動可能に設け、該外装体を回動させることで、その周壁(閉塞壁)によって内装体の、押圧ヘッドのノズルの前面側および背面側に面してそれぞれ設けられた前面凹所と背面凹所を閉塞することができるため、例えば、保管時やカバン等に入れて持ち運ぶ際に、押圧ヘッドのノズルが外部に晒されたままになり、ゴミやほこり等が付着するようなことがなく衛生的であり、また吐出容器に高級感を与えることができる。
【0012】
さらに、本発明では、外装体を前記内装体の前面凹所と背面凹所とを閉塞する位置に回動させた際に、該外装体の上端部(突端部)によって、操作レバーの自由端を下から支持することができるため、該操作レバーの下方への移動が規制されることになり、押圧ヘッドの誤作動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明にしたがう操作レバーを備える吐出容器の、使用時(ロック解除時)における状態を示した図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は背面図である。
【
図2】本発明にしたがう操作レバーを備える吐出容器の、保管時(ロック時)における状態を示した図であり(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は背面図である。
【
図3】(a)は、
図1および
図2の操作レバーを備える吐出容器の分解状態を示した図であり、(b)は外装体の底面図である。
【
図4】(a)は、
図1(b)のA-A位置における断面図であり、(b)は(a)の断面図を、押圧ヘッドを除いて示した図(操作レバーは断面表示しない)である。
【
図5】操作レバーを設けた内装体の一実施形態を示した図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は背面図である。
【
図6】操作レバーの一実施形態を示した図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は底面図、(f)は背面図である。
【
図7】操作レバーのスライダーが、内装体の内周壁に設けられたガイド面に沿って動いている状況を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明にしたがう操作レバーを備える吐出容器の、使用時(ロック解除時)における状態を示した図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は背面図であり、
図2は、本発明にしたがう操作レバーを備える吐出容器の、保管時(ロック時)における状態を示した図であり(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は背面図であり、
図3(a)は、
図1および
図2の操作レバーを備える吐出容器の分解状態を示した図であり、(b)は外装体の底面図である。
図4(a)は、
図1(b)のA-A位置における断面図であり、(b)は(a)の断面図を、押圧ヘッドを除いて示した図(操作レバーは断面表示しない)である。
図5は、操作レバーを設けた内装体の一実施形態を示した図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は背面図であり、
図6は、操作レバーの一実施形態を示した図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は底面図、(f)は背面図である。
図7は、操作レバーのスライダーが、内装体の内周壁に設けられたガイド面に沿って動いている状況を説明する図である。
【0015】
図1~7における符号1は、内容物を収容する容器、符号2は、容器1の口頚部11にねじ止めあるいはアンダーカット嵌合することで着脱可能に装着され容器1内を密封保持するベースキャップ、符号3は、ベースキャップ2の中央部を挿通し、口頚部11の内側に吊り下げ保持されたポンプ機構である。
【0016】
容器1は、内側に内容物の充填空間を有し、頂部に筒状の口頚部11が設けられている。容器1は、合成樹脂等の素材を用いて、射出成型や押出ブロー成形、二軸延伸ブロー成形等によって製造することができるが、素材の材質、成形法についてはとくに限定されない。また、本実施形態では、円筒状の容器1を一例として示しているが、容器の形状は、内容物の種類や容器のデザイン、用途等に基づいて適宜変更することができ、図示した形状に限定されない。
【0017】
ベースキャップ2は、内周壁に雌ネジを有し、容器1の口頚部11の外周壁に設けられた雄ネジ11aに螺合する他、アンダーカット嵌合することで着脱可能に装着される。ベースキャップ2は、合成樹脂製等の素材を用いて製造することができるが、素材の材質についてはとくに限定されない。また、本実施形態では、円筒状のものを一例として示しているが、図示した形状に限定されない。
【0018】
ベースキャップ2には、天壁を通り抜けて起立する中空ステムにつながり、容器1の口頚部11の内側に吊り下げ保持されたポンプ機構3が配置されている。ポンプ機構3は、押圧ヘッド31を有し、押圧ヘッド31を繰り返し押し込むことにより、ポンプ機構3を、中空ステムを介して駆動させ、容器1内に収容された内容物を、吸引管32を介して吸引すると共に、加圧、圧縮して押圧ヘッド31のノズル33から噴出させるようになっている。また、ポンプ機構3は、ベースキャップ2にアンダーカット嵌合等によって固定保持されている。
【0019】
押圧ヘッド31は、本実施形態では、上面が幅方向中央に向かって凹んだ形状からなる。これにより、後述する操作レバー5の突状部52による押圧ヘッド31の押し込みに際して、該突状部52の押し込み経路が規制(ガイド)されることになり、該押圧ヘッド31を、容器軸線L方向に安定して押し込むことができる。
【0020】
符号4は、押圧ヘッド31を取り囲む内装体であり、内筒41と外筒42とを有し、該内筒41と外筒42は上端部に設けた天壁43を介して一体に構成されている。また、外筒42は、その下端部に、後述する外装体6の下端に当接して、その当接面をガイドにして外装体6を回動可能に支持する支持部(フランジ)42aが設けられている。
【0021】
内装体4は、内筒41の内周壁に設けたリブ(図示しない)を、ベースキャップ2の外周壁に設けたローレット21に係合させることで、ベースキャップ2に嵌合保持されている。なお、内装体4は、ベースキャップ2にアンダーカット嵌合やフランジ等を用いて固定保持してもよく、ベースキャップ2に対して回動不能に装着されていればローレット21による装着に限らない。また、押圧ヘッド31とベースキャップ2との間、およびベースキャップ2と内装体41との間にそれぞれ位置合わせ機構(例えば、縦凸条と凹溝からなる)を設けて、位置合わせすると共に、相互に固定保持できるようにしてもよい。
【0022】
内装体4は、押圧ヘッド31のノズル33の前面側に前面凹所45有し、ノズル33の背面側に背面凹所46を有し、好ましくは、前面凹所45と背面凹所46を、容器軸線Lを挟んで対称となる位置に設ける。なお、本実施形態では、前面凹所45がU字形からなり、背面凹所46が凹形からなるが、形状についてはこれに限定されるものではない。
【0023】
内装体4の外周壁には、前面凹所45の底部45a、背面凹所46の底部46aからそれぞれ下端に向けて伸延する縦溝47と、該縦溝47の下端部につながり、内装体4の周りに沿って伸延する横溝48が設けられている。
【0024】
符号5は、内装体4の前面凹所45の上端と背面凹所46の上端との間に、押圧ヘッド31を覆うように水平姿勢で配置されるテコ式の操作レバーである。操作レバー5は、板状のレバー本体51と、該レバー本体51の下面に垂下保持される突状部52とを有する。
【0025】
操作レバー5は、レバー本体51の端部に設けた枢軸53を介して前面凹所45の上部に支持されると共に、該枢軸53を支点に揺動可能に構成されている。なお、本実施形態では、操作レバー5と内装体4とを別体で構成し、両者を枢軸53を介して連結しているが、操作レバー5は、内装体4と一体で成形してもよく、その場合には、前面凹所45の上部に連設して操作レバー5を形成し、該連設部分をヒンジとして揺動可能に支持してもよく、部品点数の削減を図ることができる。
【0026】
突状部52は、レバー本体51の自由端54(背面凹所46側端部)を手指で押し下げて、枢軸53を支点に揺動させた際に、押圧ヘッド31の頂部に当接して下方に押し込むものであり、該レバー本体51の押し下げに伴って、内容物をノズル33から噴出することができる。したがって、操作レバー5によって、押圧ヘッド31の押し下げをテコの原理により小さい押圧力で操作することができる。本実施形態では、突状部52が板状体からなり、押圧ヘッド31の滑らかな押し込みを可能にするため、縁部形状が弧形からなるが、レバー本体51の押し下げに伴って押圧ヘッド31の頂部を押し込むことができればどのような形状であってもよい。
【0027】
また、レバー本体51の下面には、幅方向の両端部において突出するスライダー55、56が設けられている。
図7に示すように、レバー本体51を枢軸53を支点に押し下げた際に、スライダー55、56が、内装体4の内周壁に設けられた凹部からなるガイド49の側壁面49aに沿って動くことで、操作レバー5の姿勢を安定化させることができる。また、スライダー55、56は、凹部からなるガイド49の上壁面49bに引っ掛かることで、水平姿勢より上方への揺動が規制される。
【0028】
符号6は、内装体4を取り囲むように設けられる環状の外装体である。外装体6は、容器軸線Lを挟んで対称な位置に前面開口部61と背面開口部62を有すると共に、前面開口部61、背面開口部62から周方向に対して90°離れた内周壁下端部に突起63、64を有している。本実施形態では、前面開口部61がU字形からなり、背面開口部62が凹形からなり、それぞれ前面凹所45および背面凹所46の形状に一致させているが、形状については適宜変更可能である。
【0029】
また、外装体6は、前面開口部61、背面開口部62を挟んで前面閉塞壁65、背面閉塞壁66を有し、背面閉塞壁66の上端高さが、前面閉塞壁65よりも低くなっている。
【0030】
外装体6は、突起63、64をそれぞれ、内装体4の外周壁に設けられた縦溝47の上端部から嵌め入れて、該縦溝47に沿って下方にスライドさせることで内装体4を取り囲むように取り付けることができ、さらに、縦溝47の下端位置において、突起63、64を縦溝47の下端部からつながる横溝48に沿って進入させることで、周方向に回動させることができる。このとき、外装体6の下端が、内装体4の支持部42a上面に当接することで安定して周方向に回動させることができる。
【0031】
なお、縦溝47は、下端部に抜け止め突起47aを有し、該抜け止め突起47aによって、取扱時等において取り付けた外装体6が脱落するのを防止することができる。また、横溝48には、周方向両端部に乗り越え凸部48aを有し、突起63、64が該乗り越え凸部48aに係合することで外装体6の周方向への移動を規制することができると共に、乗り越え係合する際のクリック音や手の感触により、外装体6の係合を確認することができ、安心して使用することができる。
【0032】
外装体6を上記したように内装体4の縦溝47に沿って嵌め入れると、
図2に示すように内装体4の前面凹所45および背面凹所46が、外装体6の前面閉塞壁65、背面閉塞壁66によって閉塞されて内側に位置する押圧ヘッド31のノズル33の外部への露出が抑制された状態(閉塞状態)となる。
しかも、この状態では、
図2(e)に示したように背面閉塞壁66の上端にある突端部67が、操作レバー5の自由端54下部に入り込み、該自由端54を下から支持しているため、該自由端54の押し下げが規制されることになり、操作レバー5がロック状態となって誤作動を抑制することができる。
【0033】
このロック状態から外装体6を、本実施形態では反時計回りに90°回動させると、
図1に示すように外装体6の前面開口部61、背面開口部62が、内装体4の前面凹所45、背面凹所46のそれぞれに合致、連通して、該前面凹所45、背面凹所46がそれぞれ開放されると共に、
図1(e)に示すように背面閉塞壁66の突端部67による操作レバー5のロックが解除され、操作レバー5を押し下げることができるようになり、ノズル33から適宜、内容物を噴出させることができる。
【0034】
なお、本実施形態では、外装体6を反時計回りに90°回動させる場合を一例として示したが、例えば、前面凹所45と背面凹所46の形状が同じ場合には、内装体4の外周壁に設けた横溝48を、外装体6が90°を超えて回動できるように設けてもよく、その場合には、前面閉塞壁65の上端高さを、背面閉塞壁66と同様に低くして、その突端部において操作レバー5の自由端54を下から支持して、該操作レバー5の作動をロックできるようにすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の操作レバーを備える吐出容器は、液状やクリーム状、粘稠状等の薬剤や化学品、化粧料等の内容物を充填する容器として好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 容器
11 口頚部
11a 雄ネジ
2 ベースキャップ
21 ローレット
3 ポンプ機構
31 押圧ヘッド
32 吸引管
33 ノズル
4 内装体
41 内筒
42 外筒
42a 支持部
43 天壁
45 前面凹所
45a 底部
46 背面凹所
46a 底部
47 縦溝
47a 抜け止め突起
48 横溝
48a 乗り越え凸部
49 ガイド
49a 側壁面
49b 上壁面
5 操作レバー
51 レバー本体
52 突状部
53 枢軸
54 自由端
55、56 スライダー
6 外装体
61 前面開口部
62 背面開口部
63,64 突起
65 前面閉塞壁
66 背面閉塞壁
67 突端部