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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092602
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】光検出素子及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/583 20230101AFI20240701BHJP
   H04N 25/76 20230101ALI20240701BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H04N25/583
H04N25/76
H01L27/146 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208653
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(72)【発明者】
【氏名】加藤 祐理
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
4M118AA02
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA02
4M118DD04
4M118DD12
4M118FA06
4M118FA33
4M118GC08
5C024CX43
5C024CX67
5C024CY50
5C024EX52
5C024GX03
5C024GX07
5C024GY31
5C024HX23
5C024HX29
5C024HX30
(57)【要約】
【課題】本開示では、明暗差を有する撮像対象が撮像範囲を超えることを抑制可能な光検出素子及び電子機器を提供する。
【解決手段】本開示によれば、入射光を光電変換する光電変換素子と、光電変換素子の生成する第1電荷が増加する従い増加率が減少する電気信号を用いて、入射光の光束量に関する第1信号を生成する第1回路と、を備える光検出素子が提供される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を光電変換する光電変換素子と、
前記光電変換素子の生成する第1電荷が増加するに従い増加率が減少する電気信号を用いて、前記入射光の光束量に関する第1信号を生成する第1回路と、
を備える光検出素子。
【請求項2】
前記第1信号に基づき、画像信号の生成に用いる第2時間の情報を有する第2信号を生成する第2回路を更に備える、請求項1に記載の光検出素子。
【請求項3】
前記第2信号に基づき、光電変換素子が生成する第2電荷の第2時間を制御する第3回路を更に備える、請求項2に記載の光検出素子。
【請求項4】
前記第3回路は、前記光電変換素子が生成する第2電荷の第2時間を制御する、請求項3に記載の光検出素子。
【請求項5】
前記第3回路は、前記光電変換素子と異なる光電変換素子が生成する第2電荷の第2時間を制御する、請求項3に記載の光検出素子。
【請求項6】
前記第3回路は、前記光電変換素子と異なる複数の光電変換素子が生成する第2電荷の第2時間を制御する、請求項3に記載の光検出素子。
【請求項7】
前記第3回路は、前記第1信号が大きくなるに従い第2時間(露光時間)をより短くする、請求項3に記載の光検出素子。
【請求項8】
前記第2時間は、前記第2電荷が蓄積される蓄積時間に対応しており、
前記第2時間に対応する画像信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器を、更に備える、請求項7に記載の光検出素子。
【請求項9】
前記第1信号に基づき前記デジタル信号の値を変更値に変更する第4回路を、更に備える、請求項8に記載の光検出素子。
【請求項10】
前記第4回路は、前記第1信号が小さくなるに従い、前記デジタル信号を減少させる割合を増加させる、請求項9に記載の光検出素子。
【請求項11】
前記第4回路は、所定の第3時間に対して前記第2時間が何倍になっているかを示す係数でデジタル変換値を除算した値に、前記変更値を対応させる、請求項10に記載の光検出素子。
【請求項12】
前記第1回路は、前記光電変換素子の生成する第1電荷量に応じた対数の電圧信号を前記第1信号として生成する非線形変換回路である、請求項3に記載の光検出素子。
【請求項13】
前記第2回路は、前記第1信号と参照電圧とを比較することにより、第2信号を生成する比較器であり、
前記第2信号を保持するメモリを、更に備える、請求項3に記載の光検出素子。
【請求項14】
前記第3回路は、前記メモリに保持される前記第2信号に基づき、前記第2電荷の蓄積時間を制御する、請求項13に記載の光検出素子。
【請求項15】
前記光電変換素子を含む複数の光電変換素子を更に備え、
前記複数の光電変換素子が構成される第1層素子と、
前記第1前記素子に積層され、前記第3回路が構成される第2層素子と、
を備える、請求項3に記載の光検出素子。
【請求項16】
前記第1回路は前記第1層素子に構成される、請求項15に記載の光検出素子。
【請求項17】
前記第1回路を含む複数の第1回路と、
前記第3回路を含む複数の第3回路と、を更に備え、
前記第1回路及び前記第3回路は、前記複数の光電変換素子毎に構成される、請求項16に記載の光検出素子。
【請求項18】
請求項2に記載の光検出素子と、
前記入射光を集光する光学系と、を
備える電子機器。
【請求項19】
前記画像信号に基づく画像を表示することが可能である表示部を、
更に備える、請求項18に記載の電子機器。
【請求項20】
前記入射光は、前記表示部を介して、前記光学系に集光される、請求項19に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光検出素子及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な光検出素子では、二次元に配列された画素回路がそれぞれ光電変換素子を有する。これらの光電変換素子では、一律に露光時間が設定され、光電荷を生成する。また、光検出素子は、各光電変換素子で発生した光電荷を信号電圧として読み出し、アナログ、デジタル変換を行う。これらの画素回路では、蓄積可能な光電荷の量には限りがあるため、露光時間は被写体に応じて調整する必要がある。
【0003】
ところが、明暗差が激しい撮像対象では、露光時間を調整しても、照度が高い部分では光電変換素子の飽和電荷数をオーバーし、ダイナミックレンジを越えて白飛びして、信号が喪失してしまう恐れがある。一方で、照度が低い部分ではダイナミックレンジを越えて黒飛びして、信号が喪失してしまう恐れがある。また、照度が低い部分は信号電荷が不足してS/Nが低下してしまう恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-65272号公報
【特許文献2】特開2005-311933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本開示では、明暗差を有する撮像対象がダイナミックレンジを超えることを抑制可能な光検出素子及び電子機器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示によれば、
入射光を光電変換する光電変換素子と、
前記光電変換素子の生成する第1電荷が増加するに従い増加率が減少する電気信号を用いて、前記入射光の光束量に関する第1信号を生成する第1回路と、
を備える光検出素子が提供される。
【0007】
前記第1信号に基づき、画像信号の生成に用いる第2時間の情報を有する第2信号を生成する第2回路を更に備えてもよい。
【0008】
前記第2信号に基づき、光電変換素子が生成する第2電荷の第2時間を制御する第3回路を更に備えてもよい。
【0009】
前記第3回路は、前記光電変換素子が生成する第2電荷の第2時間を制御してもよい。
【0010】
前記第3回路は、前記光電変換素子と異なる光電変換素子が生成する第2電荷の第2時間を制御してもよい。
【0011】
前記第3回路は、前記光電変換素子と異なる複数の光電変換素子が生成する第2電荷の第2時間を制御してもよい。
【0012】
前記第3回路は、前記第1信号が大きくなるに従い第2時間をより短くしてもよい。
【0013】
前記第2時間は、前記第2電荷を蓄積される蓄積時間に対応しており、
前記第2時間に対応する画像信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器を、更に備えてもよい。
【0014】
前記第1信号に基づき前記デジタル信号の値を変更値に変更する第4回路を、更に備えてもよい。
【0015】
前記第4回路は、前記第1信号が小さくなるに従い、前記デジタル信号を減少させる割合を増加させてもよい。
【0016】
前記第4回路は、所定の第3時間に対して前記第2時間が何倍になっているかを示す係数でデジタル変換値を除算した値に、前記変更値を対応させてもよい。
【0017】
前記第1回路は、前記光電変換素子の生成する第1電荷量に応じた対数の電圧信号を前記第1信号として生成する非線形変換回路であってもよい。
【0018】
前記第2回路は、前記第1信号と参照電圧を比較することにより、第2信号を生成する比較器であり、
前記第2信号を保持するメモリを、更に備えてもよい。
【0019】
前記第3回路は、前記メモリに保持される前記第2信号に基づき、前記第2電荷の蓄積時間を制御してもよい。
【0020】
前記光電変換素子を含む複数の光電変換素子を更に備え、
前記複数の光電変換素子が構成される第1素子と、
前記第1素子に積層され、前記第3回路が構成される第2素子と、
を備えてもよい。
【0021】
前記第1回路は第1素子に構成されてもよい。
【0022】
前記第1回路を含む複数の第1回路と、
前記第3回路を含む複数の第3回路と、を更に備え、
前記第1回路及び前記第3回路は、前記複数の光電変換素子毎に構成されてもよい。
【0023】
本開示によれば、光検出素子と、
前記入射光を集光する光学系と、を
備える電子機器が提供されてもよい。
【0024】
前記画像信号に基づく画像を表示する表示部を、
更に備えてもよい。
【0025】
前記入射光は、前記表示部を介して、前記光学系に集光されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本技術の実施の形態における撮像装置の一構成例を示すブロック図。
図2】光検出素子の構成例を示す図。
図3】画素アレイ部に行列状に配置される画素回路を模式的に示す図。
図4】画素行ドライバの制御例を示す図。
図5】AD変換器の構成例を示すブロック図。
図6】画素回路の構成の一例を示すブロック図。
図7】非線形変換回路の入出力特性の例を示す図。
図8】画素回路の構成例を示す回路図。
図9】画素回路の1フレーム期間における動作例を示すタイムチャート。
図10】第2実施形態に係る画素回路の構成の一例を示すブロック図。
図11】第2実施形態に係る画素回路の構成の一例を示す回路図。
図12】第2実施形態に係る画素回路の動作例を示すタイムチャ-ト。
図13】第3実施形態に係る画素アレイ部の構成例を示す図。
図14】第3実施形態に係る画素回路の構成の一例を示すブロック図。
図15】第4実施形態に係る画素回路の構成の一例を示すブロック図。
図16】第5実施形態に係る画素回路の構成の一例を示すブロック図。
図17】第6実施形態に係るメモリ回路の構成の一例を示すブロック図。
図18】第6実施形態に係る画素回路の動作例を示すタイムチャ-ト。
図19】第7実施形態による撮像装置の模式的な断面図。
図20】撮像装置の外観模式図。
図21】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図。
図22】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、光検出素子及び電子機器の実施形態について説明する。以下では、光検出素子及び電子機器の主要な構成部分を中心に説明するが、光検出素子及び電子機器には、図示又は説明されていない構成部分や機能が存在しうる。以下の説明は、図示又は説明されていない構成部分や機能を除外するものではない。
【0028】
(第1実施形態)
[撮像装置の構成例]
図1は、本技術の実施の形態における撮像装置100の一構成例を示すブロック図である。この撮像装置100は、撮像レンズ110、光検出素子200、記録部120および制御部130を備える。撮像装置100としては、ウェアラブルデバイスに搭載されるカメラや、車載カメラなどの電子機器が想定される。なお、本実施形態に係る撮像レンズ110が光学系に対応し、撮像装置100が、電子機器に対応する。
【0029】
撮像レンズ110は、入射光を集光して光検出素子200に集光する。光検出素子200は、複数の画素回路を有する。この光検出素子200の受光面には、複数の画素回路が行列状に配置され、撮像レンズ110を介した光学像が検出される。
【0030】
本実施形態に係る画素回路のそれぞれは、集光された入射光に応じて、例えば露光時間を変更可能である。すなわち、画素回路のそれぞれは、ダイナミックレンジの範囲内での露光時間の変更が可能であり、画像信号を出力する。光検出素子200は、画素回路のそれぞれが出力する画像信号に基づき、階調用画像を構成する。また、光検出素子200は、階調用画像に対し、画像認識処理などの所定の信号処理を実行し、その処理後のデータを記録部120に信号線209を介して出力することが可能である。
【0031】
記録部120は、光検出素子200からのデータを記録する。制御部130は、信号線139を介し、光検出素子200を制御して画像データを撮像させる。
【0032】
[光検出素子の構成例]
図2は、本技術の実施の形態における光検出素子200の構成例を示す図である。図2に示すように、本開示に係る光検出素子200は、画素アレイ部210と、クロック信号生成部211と、AD変換器212と、制御回路213と、画像信号プロセッサ214と、入出力インタフェース215とを有する。制御回路213は、画素ドライバ213aと、Ref信号生成器213bとを有する。
【0033】
ここで、図3に基づき、画素アレイ部210の構成を説明する。図3は、画素アレイ部210に行列状に配置される画素回路300を模式的に示す図である。図3に示すように、画素アレイ部210には、複数の画素回路300が2次元状に配列される。これらの画素回路300は、受光した光を信号に変換する光電変換素子を有する。この光電変換素子は、例えば受光量に応じた電荷、すなわち光電流を生成するフォトダイオードである。なお、R、G、Bは、画素回路300の画素に配置されるカラーフィルターの例である。すなわち、Rは、レッドフィルタ、Gは、グリンフィルタ、Bは、ブルーフィルタを示す。以下、水平方向に配列された画素回路の集合を「行」と称し、行に垂直な方向に配列された画素回路の集合を「列」と称する場合がある。なお、本実施形態では、少なくとも1つの光電変換素子を有する所定の領域を画素と称する場合がある。また、本実施形態では、1つの光電変換素子と、この光電変換素子に接続される少なくとも1つの電子回路又は電子素子(例えばトランジスタ)とを、有する構成を画素回路と称する場合がある。
【0034】
画素回路300の画素列毎に、垂直信号線VSLが配線される。画素回路300のそれぞれは、例えば光電流に応じた電圧のアナログ信号を画像信号として生成し、垂直信号線VSLを介してAD変換器212(図2参照)に出力する。なお、画素回路300の詳細は後述する。
【0035】
再び図2に示すように、クロック信号生成部211は、クロック回路を有する。このクロック信号生成部211は、基準となるクロック信号を、AD変換器212と、制御回路213と、に供給する。
【0036】
AD変換器212は、垂直信号線VSL(図3参照)ごとに読み出されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。なお、AD変換器212の詳細も後述する。
【0037】
制御回路213の画素行ドライバ213aは、画素アレイ部210に制御信号を供給することにより、画素アレイ部210の画素回路300を駆動する。この画素行ドライバ213aは、画素回路300に対して判定駆動と、撮像駆動とを行うことが可能である。
【0038】
制御回路213のRef信号生成器213bは、各フォトダイオードで発生した光電荷に応じた信号電圧との比較に用いる参照電圧Refを生成する。この参照電圧Refは、例えば時間の経過にしたがい段階的に電圧が変動する信号である。
【0039】
図4は、画素行ドライバ213aの制御例を示す図である。縦軸は、画素回路300の画素行(line)を示し、横軸は時間(time)を示す。図4に示すように、本実施形態に係る画素行ドライバ213aは、画素回路300の画素行毎に制御を順に行う。
【0040】
ラインL10は、画素行ドライバ213aが、画素回路300の画素行毎に判定駆動を開始する時間を示す。ラインL12は、画素行ドライバ213aが、画素回路300の画素行毎に判定駆動を終了する時間を示す。すなわち、ラインL10とラインL12との水平方向の時間T10が判定駆動の時間に対応する。このように、判定駆動を行う時間T10は、画素回路300の画素行毎に順にずれていく。
【0041】
本実施形態に係る画素回路300は、判定駆動を行う時間T10の間に、画素回路300に対応するフォトダイオードに入射する受光量を判定することが可能である。そして、画素回路300は、撮像駆動において、フォトダイオードの露光時間を制御する。例えば、この受光量は、フォトダイオードに入射する入射光の単位面積あたりの光束量であり、照度に対応する。
【0042】
ラインL20は、画素行ドライバ213aが、画素回路300の画素行毎に画像信号を読み出す時間を示す。画素回路300の画素行毎の画像信号は、画素回路300毎に各垂直信号線VSL(図3参照)を介して、AD変換器212に読み出される。このように、画像信号を読み出す時間L20は、画素回路300の画素行毎に順にずれていく。
【0043】
また、ラインL12とラインL20の読み出しの終了タイミングとの水平方向の時間T12が露光時間に対応する。画素回路300ごとの露光時間は、時間T12の中で制御される。図4では、説明を簡単にするために、露光時間をラインL12~L18の4段階で示しているが、これに限定されない。例えば、8段階、12段階、30段階などでもよい。或いは、露光時間を連続的に変更してもよい。
【0044】
画素回路300は、判定駆動で、受光量が例えば最も少ないレベルと判定する場合に、ラインL12から露光を開始する。同様に、画素回路300は、判定駆動で、受光量が例えば2番目に少ないレベルと判定する場合に、ラインL14から露光を開始する。同様に、画素回路300は、判定駆動で、受光量が例えば3番目に少ないレベルと判定する場合に、ラインL16から露光を開始する。同様に、画素回路300は、判定駆動で、受光量が例えば4番目に少ないレベル(最も受光量が多いいレベル)と判定する場合に、ラインL18から露光を開始する。このように、各画素回路300は、画素行ドライバ213aの制御に従い、判定駆動での受光量の判定に応じて、撮像駆動におけるフォトダイオードの露光時間を制御する。
【0045】
図5に基づき、AD変換器212の構成例を説明する。図5は、AD変換器212の構成例を示すブロック図である。このAD変換器212は、画素回路300の列ごとにADC230を備える。このADC230は、垂直信号線VSLを介して供給されたアナログの画像信号SIG1をデジタル信号に変換する。ADC230は、生成したデジタル信号を画像信号プロセッサ214に供給する。
【0046】
画像信号プロセッサ214は、AD変換器212からのデジタル信号に対し、CDS(Correlated Double Sampling)処理や画像認識処理などの所定の信号処理を実行する。この画像信号プロセッサ214は、処理結果を示す画像データを、入出力インタフェース215を介して記録部120(図1参照)に出力する。すなわち、この入出力インタフェース215は、記録部120、及び制御部130との入出力インタフェースである。
【0047】
(画素回路の構成例)
ここで、図6に基づき、画素回路の構成例を説明する。図6は、画素回路300の構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、画素回路300は、照度判定用フォトダイオード302と、非線形変換回路304と、比較器306と、メモリ308と、露光用フォトダイオード310と、駆動回路312と、画素制御回路314と、を有する。
【0048】
照度判定用フォトダイオード302は、判定駆動での受光量の判定に用いられるフォトダイオードである。照度判定用フォトダイオード302は、例えば光電変換素子であり、入射光を光電変換して電荷を生成する。なお、本実施形態において判定駆動で生成される電荷が、第1電荷に対応する。一方で、本実施形態において撮像駆動で生成される電荷が、第2電荷に対応する。
【0049】
図7は、非線形変換回路304の入出力特性の例を示す図である。横軸は照度判定用フォトダイオード302が生成した電流を示し、縦軸は出力電圧を示す。ラインL30は、非線形変換回路304の入出力特性を示す。ラインL30は、例えばログ曲線である。なお、本実施形態では、ラインL30をログ曲線とするが、これに限定されない。例えば、ラインL30は、電流が増加するにしたがい単調増加し、且つ電流が増加するにしたがい増加率が単調に減少する非線形曲線であればよい。また、ラインL30の少なくとも一部の領域が、電流が増加するにしたがい単調増加し、且つ電流が増加するにしたがい増加率が単調に減少する非線形曲線を有しておればよい。
【0050】
図7に示すように、非線形変換回路304は、照度判定用フォトダイオード302が生成した電荷、すなわち光電流に応じて、電圧信号にラインL30にしたがって非線形変換する。非線形変換回路304は、例えば、光電流が1桁変化する毎に電圧が約100mV程度変化する特性を有する。このように、非線形変換回路304は、照度判定用フォトダイオード302に流れる光電流を電圧に、例えば対数圧縮することにより、より広い照度範囲に対応可能となる。すなわち、この非線形変換回路304は、照度判定用フォトダイオード302が生成する第1電荷が増加する従い増加率が減少する電圧信号を第1信号として生成する。これにより、例えば100dBを超える広い照度レンジにおいても飽和することなく、照度に応じた電圧信号を生成することが可能である。すなわち、この非線形変換回路304を用いて照度判定を行うことにより、例えば100dBを超える広い照度レンジにおいても、照度判定を行うことが可能となる。なお、本実施形態に係る非線形変換回路304が、第1回路に対応する。
【0051】
比較器306は、Ref信号生成器213bが生成する多段階の参照電圧Refと、非線形変換回路304が出力する電圧信号を比較する。この比較器306は、例えば、多段階の参照電圧Refを非線形変換回路304が出力する電圧信号が超えたレベルを示す数値を第2信号として出力する。この数値が、露光用フォトダイオード310の露光時間に対応する。なお、本実施形態に係る比較器306は、Ref信号生成器213bが生成する多段階の参照電圧Refに応じて数値を生成するが、これに限定されない。例えば、Ref信号生成器213bが連続的に変化する電圧信号Refを生成し、比較器306は、Ref信号生成器213bが生成する連続的に変化する参照電圧Refに応じた数値を生成してもよい。このように、比較器306は、電圧信号に基づき、画像信号の生成に用いる露光時間の情報を有する第2信号を生成する。なお、本実施形態に係る露光時間が第2時間に対応する。
【0052】
メモリ308は、比較器306が出力したレベルを示す第2信号を記憶する。メモリ308は、例えば、画素行ドライバ213aのラインL12(図4参照)と同期しており、ラインL12から第2信号に応じた時間が経過するとハイレベル信号を出力する。また、メモリ308は、記憶した第2信号を画像信号プロセッサ214に出力することが可能である。
【0053】
露光用フォトダイオード310は、撮像駆動に用いられるフォトダイオードである。露光用フォトダイオード310は、例えば光電変換素子であり、入射光を光電変換して電荷を生成する。
【0054】
駆動回路312は、画素制御回路314の制御に従い、露光用フォトダイオード310が生成する電荷のリセットタイミング、及び蓄積時間、すなわち露光時間を制御する。また、駆動回路312は、蓄積された電荷に応じたアナログ信号を画像信号SIG1として生成し、垂直信号線VSL(図5参照)を介してAD変換器212に出力する。
【0055】
画素制御回路314は、画素行ドライバ213aの出力信号と、メモリ308の出力信号とに応じて、駆動回路312を制御する。上述のように、画素制御回路314は、画素行ドライバ213aの制御にしたがい、露光用フォトダイオード310が生成する電荷のリセットタイミング、及び蓄積時間を制御する。すなわち、この画素制御回路314は、メモリ308の保持する第2信号に基づき、露光用フォトダイオード310が生成する電荷の露光時間を制御する。
【0056】
ここで、図8に基づき、画素回路300の構成例をより詳細に説明する。図8は、画素回路300の構成例を示す回路図である。図8に示すように、本実施形態に係る非線形変換回路304は、対数変換回路であり、例えばトランジスタ3311、トランジスタ3312、及びトランジスタ3313を有する回路構成となっている。例えば、トランジスタ3311はN型のMOSトランジスタであり、トランジスタ3312はP型のMOSトランジスタであり、トランジスタ3313はN型のMOSトランジスタである。この非線形変換回路304は、対数変換回路であるが、これに限定されない。
【0057】
駆動回路312は、転送トランジスタ3320、リセットトランジスタ3321、増幅トランジスタ3322、選択トランジスタ3323、及び浮遊拡散層3324を有する。転送トランジスタ3320、リセットトランジスタ3321、増幅トランジスタ3322、及び選択トランジスタ3323は、例えば、N型のMOSトランジスタである。画素制御回路314は、2つの論理積回路314a、314bを有する。また、画素行ドライバ213aの画素制御回路314への入力は、バッフア2130、2132を介して入力される。
【0058】
照度判定用フォトダイオード302のアノードはグランドに接続され、カソードは信号入力線3314に接続される。非線形変換回路304のN型トランジスタ3311は、電源電圧VDDの電源ラインと信号入力線3314との間に接続される。P型トランジスタ3312及びN型トランジスタ3313は、電源電圧VDDの電源ラインとグランドとの間に直列に接続される。そして、P型トランジスタ3312及びN型トランジスタ3313の共通接続ノードには、N型トランジスタ3311のゲート電極と、比較器306の一方の入力端子とが接続される。
【0059】
P型トランジスタ3312のゲート電極には、所定のバイアス電圧Biasが印加される。これにより、P型トランジスタ3312は、一定の電流をN型トランジスタ3313に供給する。N型トランジスタ3313のゲート電極には、信号入力線3314を通して、フォトダイオード302から光電流が入力される。
【0060】
N型トランジスタ3311及びN型トランジスタ3313のドレイン電極は電源側に接続されており、ソースフォロワを構成する。これらのループ状に接続された2つのソースフォロワにより、フォトダイオード302からの光電流は、その対数の電圧信号Vlogに変換され、比較器306の一方の入力端子に供給される。また、比較器306の他方の入力端子には、Ref信号生成器213bから参照電圧Refが供給される。
【0061】
比較器306の出力端子は、メモリ308に接続される。メモリ308は、論理積回路314a、314bそれぞれの一方の入力端子に接続される。論理積回路314aの他方の入力端子はバッフア2130の出力端子に接続され、画素行ドライバ213aからリセットベース信号RST_BASEが供給される。また、論理積回路314aの出力端子は、リセットトランジスタ3321のゲートに接続される。
【0062】
論理積回路314bの他方の入力端子はバッフア2132の出力端子に接続され、画素行ドライバ213aから転送ベース信号TRG_BASEが供給される。また、論理積回路314bの出力端子は、転送トランジスタ3320のゲートに接続される。なお、バッフア2130、及びバッフア2132は、メモリ308とのタイミング制御に用いられる。
【0063】
露光用フォトダイオード310のアノードはグランドに接続され、カソードは転送トランジスタ3320の一端に接続される。転送トランジスタ3320の他端は、浮遊拡散層3324に接続される。転送トランジスタ3320のゲートには、論理積回路314aから転送信号TRGが供給される。この転送トランジスタ3320は、転送信号TRGがハイレベルのときに導通状態となり、ロウレベルのときに非導通状態となる。
【0064】
露光用フォトダイオード310から転送トランジスタ3320によって、露光用フォトダイオード310で光電変換された電荷が浮遊拡散層3324に供給される。露光用フォトダイオード310から供給される電荷は、浮遊拡散層3324に蓄積される。浮遊拡散層3324は、蓄積した電荷の量に応じた電圧値の電圧信号を生成する。
【0065】
リセットトランジスタ3321は、電源電圧VDDの電源ラインと浮遊拡散層3324との間に接続される。リセットトランジスタ3321のゲートには、論理積回路314bからリセット信号RSTが供給される。このリセットトランジスタ3321は、リセット信号RSTがハイレベルのときに導通状態となり、ロウレベルのときに非導通状態となる。
【0066】
増幅トランジスタ3322は、電源電圧VDDの電源ラインと垂直信号線VSL(図3図5参照)との間に、選択トランジスタ3323と直列に接続される。増幅トランジスタ3322は、浮遊拡散層3324で電荷電圧変換された電圧信号を増幅する。
【0067】
選択トランジスタ3323のゲート電極には、画素行ドライバ213aから選択信号SELが供給される。この選択トランジスタ3323は、選択信号SELがハイレベルのときに導通状態となり、ロウレベルのときに非導通状態となる。すなわち、この選択トランジスタ3323は、選択信号SELに応答して、増幅トランジスタ3322によって増幅された電圧信号を画素信号SIG1として垂直信号線VSLを介してAD変換器212(図3図5参照)へ出力する。
【0068】
(画素回路の動作例)
図9は、画素回路300の1フレーム期間における動作例を示すタイムチャートである。図9では、画素アレイ部210(図3参照)の同一行の異なる位置に配置される2つの画素回路300の動作例を説明する。以下では2つの画素回路300をそれぞれ画素回路A、画素回路Bと称して説明する。
画素回路Aに関する信号には1を付し、画素回路Bに関する信号には2を付して、説明する。L10、L12、L20は、図4で示すラインL10、ラインL12、ラインL20の同一画素行における時間に対応する。ここでは、画素回路Aの照度判定用フォトダイオード302への入射光量が、画素回路Bの照度判定用フォトダイオード302への入射光量より少ない例で説明する。上述のように、この入射光量は、照度に対応する。
【0069】
図9に示すように、上から順に、選択信号SEL1、2、リセット信号RST1、転送信号TRG1、リセット信号RST2、転送信号TRG2、リセットベース信号RST_BASE、転送ベース信号TRG_BASE、メモリ(カウンタ1)、メモリ(カウンタ2)、電圧信号Vlog1、電圧信号Vlog2、参照電圧Refを示す。メモリ(カウンタ)は、比較器306の出力値と、メモリ308が出力するハイレベル信号の同期タイミングを数値で示す。
【0070】
リセットベース信号RST_BASE、及び転送ベース信号TRG_BASEは、例えば曲線L30(図7参照)の特性に応じて、間隔が制御されている。例えば、曲線L30で電流の間隔を等間隔としたときの電圧値の間隔に対応する。すなわち、リセットベース信号RST_BASE、及び転送ベース信号TRG_BASEのハイレベル信号間の間隔は、時間の経過と共に短くなる。
【0071】
まず、タイミングL10で画素回路A、画素回路Bの照度判定用フォトダイオード302が入射光に応じた光電流の生成を開始する。このときの、画素回路A、画素回路Bにおける非線形変換回路304の電圧信号Vlog1、電圧信号Vlog2がそれぞれの比較器306に入力される。
【0072】
それぞれの比較器306では、参照電圧Refを越えたレベルの数値をメモリ308に出力する。画素回路Aでは、2レベルを電圧信号Vlog1が越えたので、レベル2を示す数値をメモリ308に出力する。一方で、画素回路Bでは、5レベルを電圧信号Vlog2が越えたので、レベル5を示す数値をメモリ308に出力する。
【0073】
次に、タイミングL12からタイミングL20が終了するまで、リセットベース信号RST_BASE、及び転送ベース信号TRG_BASEのパルス状のハイレベル信号が、画素回路A、Bの論理積回路314a、314bにそれぞれ順に入力される。
【0074】
このとき、画素回路Aのメモリ308は、リセットベース信号RST_BASEに同期しており、リセットベース信号RST_BASEにおける2番目のハイレベル信号と同タイミングでハイレベル信号を、論理積回路314aに出力する。すなわち、この2番目のハイレベル信号は、メモリ308に記憶されるレベル2を示す数値に対応している。これにより、論理積回路314aは、リセットベース信号RST_BASEの2番目のハイレベル信号に同期して、リセット信号RST1をリセットトランジスタ3321のゲートに供給する。
【0075】
このとき、画素回路Aのメモリ308が出力するハイレベル信号は、論理積回路314bにも同時に入力される。これにより、論理積回路314bは、転送ベース信号TRG_BASEの2番目のハイレベル信号に同期して、転送信号TRG1を転送トランジスタ3320のゲートに供給する。
【0076】
これにより、画素回路Aのリセットトランジスタ3321、及び転送トランジスタ3320が同時に導通状態となり、画素回路Aの照度判定用フォトダイオード302の蓄積電荷が排出される。そして、画素回路Aの照度判定用フォトダイオード302の露光時間1が開始される。
【0077】
同様に、画素回路Bのメモリ308は、リセットベース信号RST_BASEに同期しており、リセットベース信号RST_BASEにおける5番目のハイレベル信号と同タイミングでハイレベル信号を、論理積回路314aに出力する。すなわち、この5番目のハイレベル信号は、メモリ308に記憶されるレベル5を示す数値に対応している。これにより、論理積回路314aは、リセットベース信号RST_BASEの5番目のハイレベル信号に同期して、リセット信号RST1をリセットトランジスタ3321のゲートに供給する。
【0078】
このとき、画素回路Bのメモリ308が出力するハイレベル信号は、論理積回路314bにも同時に入力される。これにより、論理積回路314bは、転送ベース信号TRG_BASEの5番目のハイレベル信号に同期して、転送信号TRG1を転送トランジスタ3320のゲートに供給する。
【0079】
これにより、画素回路Bのリセットトランジスタ3321、及び転送トランジスタ3320が同時に導通状態となり、画素回路Aの照度判定用フォトダイオード302の蓄積電荷が排出される。そして、画素回路Bの照度判定用フォトダイオード302の露光時間2が開始される。
【0080】
次に、画素回路A、及び画素回路Bそれぞれのメモリ308は、タイミングL20に合わせて、ハイレベル信号を連続的に出力する。これらのハイレベル信号の一方は、リセットベース信号RST_BASのハイレベル信号に同期し、他方は、転送ベース信号TRG_BASEのハイレベル信号に同期する。これにより、画素回路A、及び画素回路Bそれぞれの浮遊拡散層3324がリセットされた後に、画素回路Aの照度判定用フォトダイオード302、及び画素回路Bの照度判定用フォトダイオード302の浮遊拡散層3324における蓄積電荷に応じた電圧が、増幅トランジスタ3322のゲートに印可される。
【0081】
また、タイミングL20の読み出し時間では、画素回路A、及び画素回路Bそれぞれの選択トランジスタ3323に選択信号SELが同時に供給される。これにより、画素回路A、及び画素回路Bそれぞれの選択トランジスタ3323は、同時に導通状態となり、画素回路A、及び画素回路Bそれぞれの
増幅トランジスタ3322によって増幅された電圧信号が画素信号SIG1として、それぞれの垂直信号線VSLを介してAD変換器212(図2参照)へ出力される。
【0082】
このように、照度判定用フォトダイオード302の入射光量が少ない場合に、露光時間1をより長くし、照度判定用フォトダイオード302の入射光量が多いい場合に、露光時間2をより短くすることが可能である。これにより、画素回路300毎に適切な露光時間を設定することが可能となる。すなわち、照度が低い画素回路300においては十分な信号電荷を蓄積することでS/Nを改善することが可能となる。また、照度が高い画素回路300においては露光時間を短く設定して受光部の飽和を防ぐことが可能となる。
【0083】
また、画像信号プロセッサ214は、AD変換器212から供給されるデジタル画像信号を、画素回路A、及び画素回路Bそれぞれのメモリ308から供給される数値に応じて、基準となる露光時間に対応するように、正規化する。これにより、画像信号プロセッサ214が生成する画像データは、露光用フォトダイオード310に一律に露光時間を設定した場合と、同等の信号レベルにすることが可能となる。このように、一律に露光時間を設定した場合と、同等の信号レベルにしても、画素回路全体として高S/N、広ダイナミックレンジの画像取得が可能となる。さらにまた、低レベル信号を画像データ化するためには、高精度なA/D変換回路(例えば14bitなど)を画素回路300内に備えることが一般に必要となってしまう。ところが、本実施形態では、入射光量が少ない場合に露光時間をより長くし、信号値をより大きくできるため、高精度なA/D変換回路を画素回路300内に備えることなく画像データ化が可能となり、画素回路300の微細化が可能となる。また、入射光量が少ない場合に露光時間をより長くすることにより、S/Nが向上する。なお、本実施形態に係る画像信号プロセッサ214が第4回路に対応する。
【0084】
以上説明したように、本実施形態に係る撮像装置100は、画素回路300毎の照度判定用フォトダイオード302を用いて、入射光量を予め測定する。そして、入射光量に応じて画素回路300毎の露光用フォトダイオード310に露光時間を設定することとした。これにより、入射光量が少ない場合に、露光時間をより長くし、入射光量が多いい場合に、露光時間をより短くすることが可能である。このように、照度が低い露光用フォトダイオード310においては十分な信号電荷を蓄積することでS/Nを改善することが可能となり、照度が高い露光用フォトダイオード310においては露光時間を短く設定して信号値の飽和を防ぐことが可能となる。
【0085】
また、画像信号プロセッサ214が、AD変換器212から供給されるデジタル画像信号を、基準の露光時間に対応するように、正規化する。これにより、露光用フォトダイオード310に一律に露光時間を設定した場合と、同等の信号レベルを有する画像データを生成可能となる。また、一律に露光時間を設定した場合と同等の信号レベルを有する画像データを生成しても、画素アレイ部210全体として高S/N、広ダイナミックレンジの画像データを生成可能となる。
【0086】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る撮像装置100は、画素回路300aのフォトダイオード330が、露光用、及び照度判定用に用いられる点で、第1実施形態に係る撮像装置100と相違する。以下では、第1実施形態に係る撮像装置100と相違する点を説明する。
【0087】
図10に基づき、第2実施形態に係る画素回路300aの構成例を説明する。図10は、第2実施形態に係る画素回路300aの構成の一例を示すブロック図である。図10に示すように、画素回路300aのフォトダイオード330が、露光用、及び照度判定用に用いられる。また、画像信号プロセッサ214とは、独立して、露光時間比補正器250を更に備える点で、第1実施形態に係る光検出素子200と相違する。なお、本実施形態に係る露光時間比補正器250が第4回路に対応する。
【0088】
フォトダイオード330は、判定駆動では、判定中に流れる光電流によって発生したある時間のVlog電圧で判定を行うことが可能である。一方で、フォトダイオード330は、撮像駆動では、判定駆動で判定された入射光量に応じた、露光時間が設定される。
【0089】
露光時間比補正器250は、メモリ308の出力値に応じて、各照度判定結果が基準の露光時間に対して何倍になっているかを示す係数を演算する。そして、AD変換器212の画素信号のデジタル変換値を係数で除算する。これにより、各画素回路300aの画像信号を、基準の露光時間に対応させることが可能である。このように、画像信号プロセッサ214とは、独立して露光時間比補正器250を構成することにより、画像信号プロセッサ214ないの処理と干渉することがなく、処理速度をより高速化することが可能である。
【0090】
図11は、第2実施形態に係る画素回路300aの構成の一例を示す回路図である。図11に示すように、駆動回路312aが、第2転送トランジスタ3340を更に有する。第2転送トランジスタ3340は、例えばN型のMOSトランジスタであり、フォトダイオード330のカソードと、N型トランジスタ3313との間に接続される。また、ゲートには、画素ドライバ213aから第2転送信号TRGDが供給される。この第2転送トランジスタ3340は、第2転送信号TRGDがハイレベルのときに導通状態となり、ロウレベルのときに非導通状態となる。フォトダイオード330は、露光用フォトダイオード310と同等の構成である。フォトダイオード330のカソードが、N型トランジスタ3313のゲートにも接続される点で露光用フォトダイオード310と相違する。
【0091】
図12は、第2実施形態に係る画素回路300aの動作例を示すタイムチャ-トである。図9で示すタイムチャートに対して、第2転送信号TRGDが追加されている。L10からL12までの判定駆動を実施している期間は、第2転送信号TRGDがハイレベルとなる。これにより、判定駆動を実施している期間では、第2転送トランジスタ3340は、導通状態となり、フォトダイオード330の光電流は、非線形変換回路304側に供給される。一方で、その他の期間は第2転送信号TRGDがロウレベルとなり、フォトダイオード330と、非線形変換回路304とは、非導通状態となる。駆動回路312aのその他の動作は、第1実施形態に係る駆動回路312と同等である。
【0092】
以上説明したように、第2実施形態に係る撮像装置100は、画素回路300aが、フォトダイオード330と、非線形変換回路304のN型トランジスタ3313のゲートとの間に接続される第2転送トランジスタ3340を有する。これにより、第2転送トランジスタ3340の接続状態と、非接続状態を制御することにより、フォトダイオード330を、判定駆動、及び撮像駆動に用いることが可能となり、画素回路300aの微細化が可能となる。また、判定駆動、及び撮像駆動に用いるフォトダイオード330が同一であるので、撮像駆動に用いる照度に関する値の判定をより高精度に行うことが可能となる。
【0093】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る撮像装置100は、画素回路300が積層構造を有する点で、第1実施形態に係る撮像装置100と相違する。以下では、第1実施形態に係る撮像装置100と相違する点を説明する。
【0094】
図13は、第3実施形態に係る画素アレイ部210aの構成例を示す図である。図13に示すように、画素アレイ部210aは、第1層素子(センサチップ)500と、第2層素子(ロジックチップ)502と、を備える。これらの基板は、Cu-Cu接合により電気的に接続される。なお、ビアやバンプにより接続することもできる。
【0095】
第3実施形態に係る画素回路300は、第1画素回路3002と、第2画素回路3004と、制御回路3006とを、有する。また、第1層素子(センサチップ)500には、第1画素回路3002と、第2画素回路3004と、が隣接して二次元状に配置される。また、第2層素子(ロジックチップ)502には、制御回路3006が、対応する第1画素回路3002、及び第2画素回路3004の位置に応じて、二次元状に配置される。
【0096】
図14は、第3実施形態に係る画素回路300の構成の一例を示すブロック図である。図14に示すように、画素回路300の第1画素回路3002は、照度判定用フォトダイオード302と、非線形変換回路304と、を有している。さらにまた、画素回路300の第2画素回路3004は、露光用フォトダイオード310と、駆動回路312と、を有している。また、画素回路300の制御回路3006は、比較器306と、メモリ308と、画素制御回路314と、を有している。
【0097】
以上説明したように、本実施形態に係る撮像装置100は、第1画素回路3002と、第2画素回路3004を第1層素子(センサチップ)500に構成し、制御回路3006を第2層素子(ロジックチップ)502に構成し、積層することとした。これにより、画素回路300をより微細化することが可能である。
【0098】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る撮像装置100は、画素回路300aが積層構造を有する点で、第2実施形態に係る撮像装置100と相違する。以下では、第2実施形態に係る撮像装置100と相違する点を説明する。
【0099】
図15は、第4実施形態に係る画素回路300aの構成の一例を示すブロック図である。図15に示すように、画素回路300aは、第1層素子(センサチップ)500と、第2層素子(ロジックチップ)502とに積層して構成される。
【0100】
第1層素子500には、非線形変換回路304と、駆動回路312aと、フォトダイオード330とが配置される。また、第2層素子502には、制御回路3006aが配置される。この制御回路3006aは、比較器306と、メモリ308と、画素制御回路314と、を有している。
【0101】
以上説明したように、本実施形態に係る非線形変換回路304と、駆動回路312aと、フォトダイオード330と、を第1層素子(センサチップ)500に構成し、制御回路3006aを第2層素子(ロジックチップ)502に構成し、積層することとした。これにより、画素回路300aをより微細化することが可能である。
【0102】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る撮像装置100は、画素回路300bが複数のフォトダイオード330を有する点で、第2実施形態に係る撮像装置100と相違する。以下では、第2実施形態に係る撮像装置100と相違する点を説明する。
【0103】
図16は、第5実施形態に係る画素回路300bの構成の一例を示すブロック図である。図16に示すように、光検出素子200bが有する画素回路300bは、画素回路300は、非線形変換回路304と、比較器306と、メモリ308と、4つの駆動回路312aと、画素制御回路314と、4つのフォトダイオード330と、を有する。
【0104】
図16に示すように、4つのフォトダイオード330のなかの一つに非線形変換回路304、比較器306、メモリ308、及び画素制御回路314が接続される。4つのフォトダイオード330のなかの一つのフォトダイオード330、非線形変換回路304、比較器306、メモリ308、及び画素制御回路314の制御動作は、第2実施形態に係る撮像装置100と同等である。すなわち、画素制御回路314が、4つの駆動回路312aに同等の制御信号を供給し、同時に4つの駆動回路312aを制御する。
【0105】
また、第1層素子500には、非線形変換回路304と、4つの駆動回路312aと、4つのフォトダイオード330が構成される。また、第2層素子502には、制御回路3006aが構成される。
【0106】
以上説明したように、本実施形態に係る画素回路300bは、非線形変換回路304と、比較器306と、メモリ308と、4つの駆動回路312aと、画素制御回路314と、4つのフォトダイオード330と、を有し、画素制御回路314が、4つの駆動回路312を制御することとした。これにより、画素回路300bは、4つの画素回路300aを構成するよりも、微細化することが可能となる。また、非線形変換回路304と、4つの駆動回路312aと、4つのフォトダイオード330と、を第1層素子500に構成することとした。これにより、第1層素子500の構成領域をより微細化することが可能となる。
【0107】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る撮像装置100は、画素回路が有するメモリをアップカウント後にダウンカウント動作が可能なメモリ回路で構成する点で第1実施形態に係る撮像装置100と相違する。以下では、第1実施形態に係る撮像装置100と相違する点を説明する。
【0108】
図17は、第6実施形態に係るメモリ回路3080の構成例を示す図である。図17に示すように、モリ回路3080は、アンド回路600と、複数のネガティブエッジ型かつD型のフリップフロップ602、608、614、620と、複数の切り換えスイッチ604、606、610、612、616、618、と、アンド回路622と、オア回路624とを有する。なお、モリ回路3080は、例えばメモリ308(図6参照)などに対応する。
【0109】
フリップフロップ602、608、614、620はカスケード接続される。各フリップフロップ602、608、614、620は、反転出力NQ(図ではQの上に横バー“-”を付して示す)が自身のD入力端子に入力される。これにより、メモリ回路3080は、4ビットの非同期カウンタを構成する(特許文献2参照)。なお、図では、昇順に、フリップフロップ602、608、614、620の4段構成(4ビット分)で示しているが、実際には、その数はビット数分だけ設けられる。
【0110】
先ず、初段におけるフリップフロップ602のクロック端子CKには、アンド回路600の出力が入力さる。アンド回路600の一方の入力端子には、クロックCLK信号がクロック信号生成部211(図1参照)から入力され、他方の入力端子には、比較器306からの信号が反転入力される。これにより、比較器306の出力がロウレベルの時に、フリップフロップ602のクロック端子CKには、クロックCLK信号が入力される。
【0111】
またメモリ回路3080は、各フリップフロップ602、608、614、620間に、それぞれのフリップフロ
ップ602、608、614、620の非反転出力Qと反転出力NQとFLレベルの3値を切り替える切り換えスイッチ604、606、610、612、616、618を有している。それぞれの切り換えスイッチは、図示しない制御回路213(図2参照)からの2ビットの制御信号SL、FLに従って3つの入力信号を切り替えて、選択した1つの信号を後段のフリップフロップ410のクロック端子CKに入力するようになっている。
【0112】
制御信号SLがロウレベルの時には、後段のフリップフロップには、反転出力NQが入力され、アップカウントとされる。一方で、制御信号SLがハイレベルの時には、後段のフリップフロップには、非反転出力Qが入力され、ダウンカウントとされる。この、アップカウントからダウンカウントの切り替えの際に、制御信号FLが所定期間の間、ハイレベルになる。
【0113】
また、各フリップフロップ602、608、614、620は、制御回路213(図2参照)からのリセット信号XRSTにより、リセットされる。アンド回路622には、制御信号SLが入力され、更に各フリップフロップ602、608、614、620の非反転出力Qが入力される。そして、オア回路624には、アンド回路622の出力と、制御信号FLが入力される。オア回路624の出力は、画素制御信号イネーブルとして、制御回路213に出力される。
【0114】
このように、ビット数分のリセット機能付きフリップフロップで構成された非同期型のメモリ回路3080が照度判定レベルのカウントと保持を行うこととする。制御信号SLによりカウントアップ、カウントダウンの切り替えが可能な構成となっている。また、制御信号FLにより、カウントモードを切り替える際にもカウント値を保持することが出来る。Q0~Q3が4bitの照度判定レベルに対応する。この値を読み出すことで、実施例3のように露光時間比の補正や実施例4のように外部に判定結果データを出力することが可能である。
【0115】
図18は、回路に対応したタイミングチャートを示す。図18に示すように、まず、制御回路213(図2参照)は、XRST信号をロウレベルに制御して、各フリップフロップ602、608、614、620を初期化する。続けて照度判定フェーズに入る。
【0116】
次に、比較器306から出力される参照(ref)電圧のステップに応じてフリップフロップ602にクロックが入力され、カウントアップを行う。参照(ref)電圧に対してVlog電圧が低い期間は比較器出力がLowになりカウントアップを行う。比較器出力がHighになったところでクロック入力が停止しカウントアップが止まり、その値を保持する。この値が照度判定レベルに対応する。
【0117】
続けて、露光用PDの露光フェーズに入る。制御回路213は、制御信号SLをハイレベル(High)に切り替えることで、各フリップフロップ602、608、614、620をダウンカウントのモードにする。このアップカウントからダウンカウントの動作モードの切替時には、制御回路213は、制御信号FLをパルス状のハイレベル信号とする。これにより、カウント値が保持される(特許文献2を参照)。
【0118】
続けて、RST_BASE、TRG_BASE信号に同期して、フリップフロップ602にクロックが入力され、各フリップフロップ602、608、614、620は、ダウンカウント動作を開始する。カウント値が0になったところで、オア回路624の出力は、ハイレベルの画素制御イネーブル信号を制御回路213に出力する。後段の画素制御回路314(図8参照)のAND論理に入力され、RST_BASE、TRG_BASE信号と論理積を取る。すなわち、照度判定レベルに応じたタイミングで露光画素にRST、TRG信号が入力され露光用PDがリセットされ露光が開始する。露光期間が終了した後には、制御信号SLをロウレベル(Low)に切り替えることで、全ての画素にRST、TRG信号が順次入力され、浮遊容量のリセットと露光用PDからの電荷転送が行われる。
【0119】
以上説明したように、本実施形態に係る撮像装置100では、メモリ308等を、ビット数分のリセット機能付きフリップフロップで構成された非同期型のメモリ回路3080で構成することとした。これにより、照度判定レベルQ0~Q3のカウントを保持し、照度判定レベルQ0~Q3のカウントに応じたカウントダウンが可能となる。このため、カウントダウンの期間を照度判定レベルに対応させることが可能となる。
【0120】
(第7実施形態)
図19は、第7実施形態による撮像装置100aの模式的な断面図である。図19の撮像装置100aは、スマートフォンや携帯電話、タブレット、PCなど、表示機能と撮影機能を兼ね備えた任意の電子機器である。図19の撮像装置100aは、表示部2の表示面とは反対側に配置される光検出素子200を備えている。表示部2は、光検出素子200の生成する画像信号に基づき、画像を表示することが可能である。このように、図19の撮像装置100aは、表示部2の表示面の裏側に光検出素子200を設けている。したがって、撮像装置100aの光検出素子200は、表示部2を通して撮影を行うことになる。
【0121】
図20は、撮像装置100aの外観模式図であり、図20(a)は図19の撮像装置100aの模式的な外観図であり、図20(b)は図20(a)のA-A線方向の断面図である。図20(a)の例では、撮像装置100aの外形サイズの近くまで表示画面1aが広がっており、表示画面1aの周囲にあるベゼル1bの幅を数mm以下にしている。通常、ベゼル1bには、フロントカメラが搭載されることが多いが、図20(a)では、破線で示すように、表示画面1aの略中央部の裏面側にフロントカメラ3として機能する光検出素子200、記録部120および制御部130を配置している。このように、フロントカメラ3を表示画面1aの裏面側に設けることで、ベゼル1bにフロントカメラ3を配置する必要がなくなり、ベゼル1bの幅を狭めることができる。
【0122】
なお、図20(a)では、表示画面1aの略中央部の裏面側に撮像装置100を配置しているが、本実施形態では、撮像装置100の裏面側であればよく、例えば表示画面1aの周縁部の近くの裏面側に撮像装置100を配置してもよい。このように、本実施形態における撮像装置100は、表示画面1aと重なる裏面側の任意の位置に配置される。
【0123】
図19に示すように、表示部2は、表示パネル4、円偏光板5、タッチパネル6、及びカバーガラス7を順に積層した構造体である。表示パネル4は、例えばOLED(Organic Light Emitting Device)部でもよいし、液晶表示部でもよいし、MicroLEDでもよいし、その他の表示原理に基づく表示部2でもよい。OLED部等の表示パネル4は、複数の層で構成されている。表示パネル4における透過率が低い部材には、フロントカメラ3の配置場所に合わせて、貫通孔を形成してもよい。貫通孔を通った被写体光がカ撮像装置100に入射されるようにすれば、撮像装置100で撮像される画像の画質を向上できる。
【0124】
円偏光板5は、ギラツキを低減したり、明るい環境下でも表示画面1aの視認性を高めたり、するために設けられている。タッチパネル6には、タッチセンサが組み込まれている。タッチセンサには、静電容量型や抵抗膜型など、種々の方式があるが、いずれの方式を用いてもよい。また、タッチパネル6と表示パネル4を一体化してもよい。カバーガラス7は、表示パネル4等を保護するために設けられている。
【0125】
<<応用例>>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0126】
図21は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム7000の概略的な構成例を示すブロック図である。車両制御システム7000は、通信ネットワーク7010を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図21に示した例では、車両制御システム7000は、駆動系制御ユニット7100、ボディ系制御ユニット7200、バッテリ制御ユニット7300、車外情報検出ユニット7400、車内情報検出ユニット7500、及び統合制御ユニット7600を備える。これらの複数の制御ユニットを接続する通信ネットワーク7010は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)又はFlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークであってよい。
【0127】
各制御ユニットは、各種プログラムにしたがって演算処理を行うマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにより実行されるプログラム又は各種演算に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部と、各種制御対象の装置を駆動する駆動回路とを備える。各制御ユニットは、通信ネットワーク7010を介して他の制御ユニットとの間で通信を行うためのネットワークI/Fを備えるとともに、車内外の装置又はセンサ等との間で、有線通信又は無線通信により通信を行うための通信I/Fを備える。図21では、統合制御ユニット7600の機能構成として、マイクロコンピュータ7610、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660、音声画像出力部7670、車載ネットワークI/F7680及び記憶部7690が図示されている。他の制御ユニットも同様に、マイクロコンピュータ、通信I/F及び記憶部等を備える。
【0128】
駆動系制御ユニット7100は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット7100は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。駆動系制御ユニット7100は、ABS(Antilock Brake System)又はESC(Electronic Stability Control)等の制御装置としての機能を有してもよい。
【0129】
駆動系制御ユニット7100には、車両状態検出部7110が接続される。車両状態検出部7110には、例えば、車体の軸回転運動の角速度を検出するジャイロセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、あるいは、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数又は車輪の回転速度等を検出するためのセンサのうちの少なくとも一つが含まれる。駆動系制御ユニット7100は、車両状態検出部7110から入力される信号を用いて演算処理を行い、内燃機関、駆動用モータ、電動パワーステアリング装置又はブレーキ装置等を制御する。
【0130】
ボディ系制御ユニット7200は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット7200は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット7200には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット7200は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0131】
バッテリ制御ユニット7300は、各種プログラムにしたがって駆動用モータの電力供給源である二次電池7310を制御する。例えば、バッテリ制御ユニット7300には、二次電池7310を備えたバッテリ装置から、バッテリ温度、バッテリ出力電圧又はバッテリの残存容量等の情報が入力される。バッテリ制御ユニット7300は、これらの信号を用いて演算処理を行い、二次電池7310の温度調節制御又はバッテリ装置に備えられた冷却装置等の制御を行う。
【0132】
車外情報検出ユニット7400は、車両制御システム7000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット7400には、撮像部7410及び車外情報検出部7420のうちの少なくとも一方が接続される。撮像部7410には、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ及びその他のカメラのうちの少なくとも一つが含まれる。車外情報検出部7420には、例えば、現在の天候又は気象を検出するための環境センサ、あるいは、車両制御システム7000を搭載した車両の周囲の他の車両、障害物又は歩行者等を検出するための周囲情報検出センサのうちの少なくとも一つが含まれる。
【0133】
環境センサは、例えば、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。周囲情報検出センサは、超音波センサ、レーダ装置及びLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)装置のうちの少なくとも一つであってよい。これらの撮像部7410及び車外情報検出部7420は、それぞれ独立したセンサないし装置として備えられてもよいし、複数のセンサないし装置が統合された装置として備えられてもよい。
【0134】
ここで、図22は、撮像部7410及び車外情報検出部7420の設置位置の例を示す。撮像部7910、7912、7914、7916、7918は、例えば、車両7900のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部7910及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として車両7900の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部7912、7914は、主として車両7900の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部7916は、主として車両7900の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0135】
なお、図22には、それぞれの撮像部7910、7912、7914、7916の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲aは、フロントノーズに設けられた撮像部7910の撮像範囲を示し、撮像範囲b、cは、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部7912、7914の撮像範囲を示し、撮像範囲dは、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部7916の撮像範囲を示す。例えば、撮像部7910、7912、7914、7916で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両7900を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0136】
車両7900のフロント、リア、サイド、コーナ及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920、7922、7924、7926、7928、7930は、例えば超音波センサ又はレーダ装置であってよい。車両7900のフロントノーズ、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920、7926、7930は、例えばLIDAR装置であってよい。これらの車外情報検出部7920~7930は、主として先行車両、歩行者又は障害物等の検出に用いられる。
【0137】
図21に戻って説明を続ける。車外情報検出ユニット7400は、撮像部7410に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像データを受信する。また、車外情報検出ユニット7400は、接続されている車外情報検出部7420から検出情報を受信する。車外情報検出部7420が超音波センサ、レーダ装置又はLIDAR装置である場合には、車外情報検出ユニット7400は、超音波又は電磁波等を発信させるとともに、受信された反射波の情報を受信する。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、降雨、霧又は路面状況等を認識する環境認識処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、車外の物体までの距離を算出してもよい。
【0138】
また、車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等を認識する画像認識処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに対して歪補正又は位置合わせ等の処理を行うとともに、異なる撮像部7410により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像を生成してもよい。車外情報検出ユニット7400は、異なる撮像部7410により撮像された画像データを用いて、視点変換処理を行ってもよい。
【0139】
車内情報検出ユニット7500は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット7500には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部7510が接続される。運転者状態検出部7510は、運転者を撮像するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体センサ又は車室内の音声を集音するマイク等を含んでもよい。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座った搭乗者又はステアリングホイールを握る運転者の生体情報を検出する。車内情報検出ユニット7500は、運転者状態検出部7510から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。車内情報検出ユニット7500は、集音された音声信号に対してノイズキャンセリング処理等の処理を行ってもよい。
【0140】
統合制御ユニット7600は、各種プログラムにしたがって車両制御システム7000内の動作全般を制御する。統合制御ユニット7600には、入力部7800が接続されている。入力部7800は、例えば、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ又はレバー等、搭乗者によって入力操作され得る装置によって実現される。統合制御ユニット7600には、マイクロフォンにより入力される音声を音声認識することにより得たデータが入力されてもよい。入力部7800は、例えば、赤外線又はその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、車両制御システム7000の操作に対応した携帯電話又はPDA(Personal Digital Assistant)等の外部接続機器であってもよい。入力部7800は、例えばカメラであってもよく、その場合搭乗者はジェスチャにより情報を入力することができる。あるいは、搭乗者が装着したウェアラブル装置の動きを検出することで得られたデータが入力されてもよい。さらに、入力部7800は、例えば、上記の入力部7800を用いて搭乗者等により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、統合制御ユニット7600に出力する入力制御回路などを含んでもよい。搭乗者等は、この入力部7800を操作することにより、車両制御システム7000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0141】
記憶部7690は、マイクロコンピュータにより実行される各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び各種パラメータ、演算結果又はセンサ値等を記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。また、記憶部7690は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等によって実現してもよい。
【0142】
汎用通信I/F7620は、外部環境7750に存在する様々な機器との間の通信を仲介する汎用的な通信I/Fである。汎用通信I/F7620は、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communications)、WiMAX(登録商標)、LTE(登録商標)(Long Term Evolution)若しくはLTE-A(LTE-Advanced)などのセルラー通信プロトコル、又は無線LAN(Wi-Fi(登録商標)ともいう)、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線通信プロトコルを実装してよい。汎用通信I/F7620は、例えば、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)へ接続してもよい。また、汎用通信I/F7620は、例えばP2P(Peer To Peer)技術を用いて、車両の近傍に存在する端末(例えば、運転者、歩行者若しくは店舗の端末、又はMTC(Machine Type Communication)端末)と接続してもよい。
【0143】
専用通信I/F7630は、車両における使用を目的として策定された通信プロトコルをサポートする通信I/Fである。専用通信I/F7630は、例えば、下位レイヤのIEEE802.11pと上位レイヤのIEEE1609との組合せであるWAVE(Wireless Access in Vehicle Environment)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、又はセルラー通信プロトコルといった標準プロトコルを実装してよい。専用通信I/F7630は、典型的には、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、車両と家との間(Vehicle to Home)の通信及び歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信のうちの1つ以上を含む概念であるV2X通信を遂行する。
【0144】
測位部7640は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。なお、測位部7640は、無線アクセスポイントとの信号の交換により現在位置を特定してもよく、又は測位機能を有する携帯電話、PHS若しくはスマートフォンといった端末から位置情報を取得してもよい。
【0145】
ビーコン受信部7650は、例えば、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行止め又は所要時間等の情報を取得する。なお、ビーコン受信部7650の機能は、上述した専用通信I/F7630に含まれてもよい。
【0146】
車内機器I/F7660は、マイクロコンピュータ7610と車内に存在する様々な車内機器7760との間の接続を仲介する通信インタフェースである。車内機器I/F7660は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)又はWUSB(Wireless USB)といった無線通信プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。また、車内機器I/F7660は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface、又はMHL(Mobile High-definition Link)等の有線接続を確立してもよい。車内機器7760は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、又は車両に搬入され若しくは取り付けられる情報機器のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、車内機器7760は、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置を含んでいてもよい。車内機器I/F7660は、これらの車内機器7760との間で、制御信号又はデータ信号を交換する。
【0147】
車載ネットワークI/F7680は、マイクロコンピュータ7610と通信ネットワーク7010との間の通信を仲介するインタフェースである。車載ネットワークI/F7680は、通信ネットワーク7010によりサポートされる所定のプロトコルに則して、信号等を送受信する。
【0148】
統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、各種プログラムにしたがって、車両制御システム7000を制御する。例えば、マイクロコンピュータ7610は、取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット7100に対して制御指令を出力してもよい。例えば、マイクロコンピュータ7610は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行ってもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行ってもよい。
【0149】
マイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、車両と周辺の構造物や人物等の物体との間の3次元距離情報を生成し、車両の現在位置の周辺情報を含むローカル地図情報を作成してもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される情報に基づき、車両の衝突、歩行者等の近接又は通行止めの道路への進入等の危険を予測し、警告用信号を生成してもよい。警告用信号は、例えば、警告音を発生させたり、警告ランプを点灯させたりするための信号であってよい。
【0150】
音声画像出力部7670は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図21の例では、出力装置として、オーディオスピーカ7710、表示部7720及びインストルメントパネル7730が例示されている。表示部7720は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。表示部7720は、AR(Augmented Reality)表示機能を有していてもよい。出力装置は、これらの装置以外の、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ又はランプ等の他の装置であってもよい。出力装置が表示装置の場合、表示装置は、マイクロコンピュータ7610が行った各種処理により得られた結果又は他の制御ユニットから受信された情報を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。また、出力装置が音声出力装置の場合、音声出力装置は、再生された音声データ又は音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。
【0151】
なお、図21に示した例において、通信ネットワーク7010を介して接続された少なくとも二つの制御ユニットが一つの制御ユニットとして一体化されてもよい。あるいは、個々の制御ユニットが、複数の制御ユニットにより構成されてもよい。さらに、車両制御システム7000が、図示されていない別の制御ユニットを備えてもよい。また、上記の説明において、いずれかの制御ユニットが担う機能の一部又は全部を、他の制御ユニットに持たせてもよい。つまり、通信ネットワーク7010を介して情報の送受信がされるようになっていれば、所定の演算処理が、いずれかの制御ユニットで行われるようになってもよい。同様に、いずれかの制御ユニットに接続されているセンサ又は装置が、他の制御ユニットに接続されるとともに、複数の制御ユニットが、通信ネットワーク7010を介して相互に検出情報を送受信してもよい。
【0152】
なお、図1を用いて説明した本実施形態に係る撮像装置100の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを、いずれかの制御ユニット等に実装することができる。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することもできる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0153】
以上説明した車両制御システム7000において、図1を用いて説明した本実施形態に係る撮像装置100は、図21に示した応用例の統合制御ユニット7600に適用することができる。例えば、撮像装置100は、撮像部7410に相当する。
【0154】
なお、本技術は以下のような構成を取ることができる。
【0155】
(1)
入射光を光電変換する光電変換素子と、
前記光電変換素子の生成する第1電荷が増加するに従い増加率が減少する電気信号を用いて、前記入射光の光束量に関する第1信号を生成する第1回路と、
を備える光検出素子。
【0156】
(2)
前記第1信号に基づき、画像信号の生成に用いる第2時間の情報を有する第2信号を生成する第2回路を更に備える、(1)に記載の光検出素子。
【0157】
(3)
前記第2信号に基づき、光電変換素子が生成する第2電荷の第2時間を制御する第3回路を更に備える、(2)に記載の光検出素子。
【0158】
(4)
前記第3回路は、前記光電変換素子が生成する第2電荷の第2時間を制御する、(3)に記載の光検出素子。
【0159】
(5)
前記第3回路は、前記光電変換素子と異なる光電変換素子が生成する第2電荷の第2時間を制御する、(3)に記載の光検出素子。
【0160】
(6)
前記第3回路は、前記光電変換素子と異なる複数の光電変換素子が生成する第2電荷の第2時間を制御する、(3)に記載の光検出素子。
【0161】
(7)
前記第3回路は、前記第1信号が大きくなるに従い第2時間をより短くする、(3)に記載の光検出素子。
【0162】
(8)
前記第2時間は、前記第2電荷を蓄積される蓄積時間に対応しており、
前記第2時間に対応する画像信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器を、更に備える、(7)に記載の光検出素子。
【0163】
(9)
前記第1信号に基づき前記デジタル信号の値を変更値に変更する第4回路を、更に備える、(8)に記載の光検出素子。
【0164】
(10)
前記第4回路は、前記第1信号が小さくなるに従い、前記デジタル信号を減少させる割合を増加させる、(9)に記載の光検出素子。
【0165】
(11)
前記第4回路は、所定の第3時間に対して前記第2時間が何倍になっているかを示す係数でデジタル変換値を除算した値に、前記変更値を対応させる、(10)に記載の光検出素子。
【0166】
(12)
前記第1回路は、前記光電変換素子の生成する第1電荷量に応じた対数の電圧信号を前記第1信号として生成する非線形変換回路である、(3)に記載の光検出素子。
【0167】
(13)
前記第2回路は、前記第1信号と参照電圧を比較することにより、第2信号を生成する比較器であり、
前記第2信号を保持するメモリを、更に備える、(3)に記載の光検出素子。
【0168】
(14)
前記第3回路は、前記メモリに保持される前記第2信号に基づき、前記第2電荷の蓄積時間を制御する、(13)に記載の光検出素子。
【0169】
(15)
前記光電変換素子を含む複数の光電変換素子を更に備え、
前記複数の光電変換素子が構成される第1素子と、
前記第1素子に積層され、前記第3回路が構成される第2素子と、
を備える、(3)に記載の光検出素子。
【0170】
(16)
前記第1回路は第1素子に構成される、(15)に記載の光検出素子。
【0171】
(17)
前記第1回路を含む複数の第1回路と、
前記第3回路を含む複数の第3回路と、を更に備え、
前記第1回路及び前記第3回路は、前記複数の光電変換素子毎に構成される、(16)に記載の光検出素子。
【0172】
(18)
(2)に記載の光検出素子と、
前記入射光を集光する光学系と、を
備える電子機器。
【0173】
(19)
前記画像信号に基づく画像を表示する表示部を、
更に備える、(18)に記載の電子機器。
【0174】
(20)
前記入射光は、前記表示部を介して、前記光学系に集光される、(19)に記載の電子機器。
【0175】
本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本開示の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0176】
100、100a:撮像装置(電子機器)、110:撮像レンズ、200:光検出素子、212:AD変換器、214:画像信号プロセッサ、250:露光時間比補正器、302:照度判定用フォトダイオード、304:非線形変換回路、306:比較器、308:メモリ、310:露光用フォトダイオード、330:フォトダイオード、314画素制御回路、3080:メモリ回路(メモリ)。
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