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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092639
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】歩行型管理機
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/08 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
A01B33/08 A
A01B33/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208722
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】原 竜太郎
(72)【発明者】
【氏名】富久 聡
(72)【発明者】
【氏名】宮内 正男
(72)【発明者】
【氏名】黒田 恭正
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 恵理
【テーマコード(参考)】
2B033
【Fターム(参考)】
2B033AA06
2B033AB01
2B033AB11
2B033AB17
2B033AC04
2B033CA01
2B033CA02
2B033CA03
2B033CA21
2B033CA23
2B033CA25
2B033CA40
2B033ED04
2B033ED15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来、バッテリからの電力供給によってモータを駆動し、モータから耕耘装置等の作業装置に伝動し、圃場を管理する電動式の歩行型管理機があり、耕耘装置を駆動するモータと、走行装置を駆動するモータを備え、1つのバッテリと制御装置を備えている。然しながら、走行用モータから左右走行装置への伝動系に左右サイドクラッチやデフ装置等が必要で煩雑な構成となっていた。そこで、簡潔な構成の電動式の歩行型管理機を提供する。
【解決手段】左右走行装置5L,5Rと、左右走行装置を各々駆動する左右走行アクチュエータ15L,15Rと、バッテリ14と、制御装置16と、操作ハンドル18を備え、左右走行アクチュエータの回転速度を各々設定可能な変速操作具La,Raを備え、操作ハンドルには、機体の操作方法を切り替える切替操作具を備え、切替操作具によって手動走行と自動走行を切り替え可能な構成とすることを特徴とする歩行型管理機。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右走行装置5L,5Rと、前記左右走行装置5L,5Rを各々駆動する左右走行アクチュエータ15L,15Rと、バッテリ14と、制御装置16と、操作ハンドル18を備え、
前記左右走行アクチュエータ15L,15Rの回転速度を各々設定可能な変速操作具La,Raを備え、
前記操作ハンドル18には、機体の操作方法を切り替える切替操作具21を備え、
前記切替操作具21によって手動走行と自動走行を切り替え可能な構成とすることを特徴とする歩行型管理機。
【請求項2】
前記切替操作具21で自動走行状態に設定した場合に、旋回する方向を設定する左右方向指定操作具21L,21Rを備えることを特徴とする請求項1に記載の歩行型管理機。
【請求項3】
直進走行スイッチ23を備え、前記切替操作具21で自動走行状態に設定した場合において、前記直進走行スイッチ23を操作した場合、前記左右走行アクチュエータ15L,15Rの回転数を等しくするように制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機。
【請求項4】
大旋回スイッチ24を備え、前記切替操作具21で自動走行状態に設定した場合において、前記大旋回スイッチ24を操作した場合、左右走行アクチュエータ15L,15Rのいずれか一方の回転数を低下させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機。
【請求項5】
中旋回スイッチ25を備え、前記切替操作具21で自動走行状態に設定した場合において、前記中旋回スイッチ25を操作した場合、左右走行アクチュエータ15L,15Rのいずれか一方の回転を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機。
【請求項6】
小旋回スイッチ26を備え、前記切替操作具21で自動走行状態に設定した場合において、前記小旋回スイッチ26を操作した場合、左右走行アクチュエータ15L,15Rのいずれか一方を逆回転させるとともに回転数を低下させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機。
【請求項7】
信地旋回スイッチ27を備え、前記切替操作具21で自動走行状態に設定した場合において、前記信地旋回スイッチ27を操作した場合、左右走行アクチュエータ15L,15Rのいずれか一方を逆回転させるとともに、左右回転数を等しくする制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機。
【請求項8】
耕耘装置9と、前記耕耘装置9を駆動する作業アクチュエータ17と、前記作業アクチュエータ17を操作する作業操作具19を備え、
前記作業操作具19は、前記大旋回スイッチ24または前記中旋回スイッチ25または前記小旋回スイッチ26または前記信地旋回スイッチ27のいずれかによる設定がされている場合には、前記作業操作具19が操作されたとしても前記作業アクチュエータ17を駆動させないことを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機。
【請求項9】
前記作業操作具19は、前記左右走行アクチュエータ15L,15Rが停止している場合には、前記作業操作具19が操作されたとしても前記作業アクチュエータ17を駆動させないことを特徴とする請求項8に記載の歩行型管理機。
【請求項10】
前記操作ハンドル18には、前記大旋回スイッチ24または前記中旋回スイッチ25または前記小旋回スイッチ26または前記信地旋回スイッチ27のいずれかによる設定がされている場合であっても、前記作業アクチュエータ17を駆動させる制御を実行するための操作具である旋回時作業操作具19aを備えることを特徴とする請求項8に記載の歩行型管理機。
【請求項11】
前記操作ハンドル18には、前記左右走行アクチュエータ15L,15Rが停止している場合であっても、前記作業アクチュエータ17を駆動させる制御を実行するための操作具である非走行作業操作具19bを備えることを特徴とする請求項9に記載の歩行型管理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が歩行しながら耕耘等の農作業を行う歩行型管理機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリからの電力供給によってモータを駆動し、モータから耕耘装置等の作業装置に伝動し、圃場を管理する電動式の歩行型管理機があり、耕耘装置を駆動するモータと、走行装置を駆動するモータを備え、1つのバッテリと制御装置を備えている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5785734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つの走行用モータにて左右走行装置を駆動する構成であるから、走行用モータから左右走行装置への伝動系に左右サイドクラッチやデフ装置等が必要で煩雑な構成となっていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡潔な構成で電動駆動を可能にするとともに、左右走行装置を各々駆動することによる自動走行機能を備えた快適に走行制御をする歩行型管理機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、左右走行装置5L,5Rと、前記左右走行装置5L,5Rを各々駆動する左右走行アクチュエータ15L,15Rと、バッテリ14と、制御装置16と、操作ハンドル18を備え、
前記左右走行アクチュエータ15L,15Rの回転速度を各々設定可能な変速操作具La,Raを備え、
前記操作ハンドル18には、機体の操作方法を切り替える切替操作具21を備え、
前記切替操作具21によって手動走行と自動走行を切り替え可能な構成とすることを特徴とする歩行型管理機である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記切替操作具21で自動走行状態に設定した場合に、旋回する方向を設定する左右方向指定操作具21L,21Rを備えることを特徴とする請求項1に記載の歩行型管理機である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、直進走行スイッチ23を備え、前記切替操作具21で自動走行状態に設定した場合において、前記直進走行スイッチ23を操作した場合、前記左右走行アクチュエータ15L,15Rの回転数を等しくするように制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、大旋回スイッチ24を備え、前記切替操作具21で自動走行状態に設定した場合において、前記大旋回スイッチ24を操作した場合、左右走行アクチュエータ15L,15Rのいずれか一方の回転数を低下させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、中旋回スイッチ25を備え、前記切替操作具21で自動走行状態に設定した場合において、前記中旋回スイッチ25を操作した場合、左右走行アクチュエータ15L,15Rのいずれか一方の回転を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機である。
【0011】
請求項6に記載の発明は、小旋回スイッチ26を備え、前記切替操作具21で自動走行状態に設定した場合において、前記小旋回スイッチ26を操作した場合、左右走行アクチュエータ15L,15Rのいずれか一方を逆回転させるとともに回転数を低下させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、信地旋回スイッチ27を備え、前記切替操作具21で自動走行状態に設定した場合において、前記信地旋回スイッチ27を操作した場合、左右走行アクチュエータ15L,15Rのいずれか一方を逆回転させるとともに、左右回転数を等しくする制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機である。
【0013】
請求項8に記載の発明は、耕耘装置9と、前記耕耘装置9を駆動する作業アクチュエータ17と、前記作業アクチュエータ17を操作する作業操作具19を備え、
前記作業操作具19は、前記大旋回スイッチ24または前記中旋回スイッチ25または前記小旋回スイッチ26または前記信地旋回スイッチ27のいずれかによる設定がされている場合には、前記作業操作具19が操作されたとしても前記作業アクチュエータ17を駆動させないことを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機である。
【0014】
請求項9に記載の発明は、前記作業操作具19は、前記左右走行アクチュエータ15L,15Rが停止している場合には、前記作業操作具19が操作されたとしても前記作業アクチュエータ17を駆動させないことを特徴とする請求項8に記載の歩行型管理機である。
【0015】
請求項10に記載の発明は、前記操作ハンドル18には、前記大旋回スイッチ24または前記中旋回スイッチ25または前記小旋回スイッチ26または前記信地旋回スイッチ27のいずれかによる設定がされている場合であっても、前記作業アクチュエータ17を駆動させる制御を実行するための操作具である旋回時作業操作具19aを備えることを特徴とする請求項8に記載の歩行型管理機である。
【0016】
請求項11に記載の発明は、前記操作ハンドル18には、前記左右走行アクチュエータ15L,15Rが停止している場合であっても、前記作業アクチュエータ17を駆動させる制御を実行するための操作具である非走行作業操作具19bを備えることを特徴とする請求項9に記載の歩行型管理機である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、左右走行装置5L,5Rを、左右走行アクチュエータ15L,15Rによって各々駆動することができ、
各々回転数を設定できるため、機体の操作方法を切り替えることが可能であり、切替操作具21を備えることで手動走行と自動走行の切り替えも可能にし、快適な作業を行うことができる電動式の歩行型管理機を得ることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、切替操作具21によって作業者が任意の走行方法を選択でき、機体を旋回したい方向を設定する左右方向指定操作具21L,21Rを備えることで、自動走行時の旋回を容易に設定することができ、快適な作業を行うことができる電動式の歩行型管理機を得ることができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加えて、直進走行スイッチ23を操作するだけで、左右走行アクチュエータ15L,15Rの回転数が自動で制御され、容易に直進走行をすることができるため、快適な作業を行うことができる電動式の歩行型管理機を得ることができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、請求項2の発明の効果に加えて、大旋回スイッチ24を操作するだけで、左右走行アクチュエータ15L,15Rの回転数が自動で制御され、容易に旋回走行をすることができるため、快適な作業を行うことができる電動式の歩行型管理機を得ることができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、請求項2の発明の効果に加えて、中旋回スイッチ25を操作するだけで、左右走行アクチュエータ15L,15Rの回転数が自動で制御され、容易に旋回走行をすることができるため、快適な作業を行うことができる電動式の歩行型管理機を得ることができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、請求項2の発明の効果に加えて、小旋回スイッチ26を操作するだけで、左右走行アクチュエータ15L,15Rの回転数が自動で制御され、容易に旋回走行をすることができるため、快適な作業を行うことができる電動式の歩行型管理機を得ることができる。
【0023】
請求項7の発明によれば、請求項2の発明の効果に加えて、信地旋回スイッチ27を操作するだけで、左右走行アクチュエータ15L,15Rの回転数が自動で制御され、容易に旋回走行をすることができるため、快適な作業を行うことができる電動式の歩行型管理機を得ることができる。
【0024】
請求項8の発明によれば、請求項3の発明の効果に加えて、大旋回スイッチ24または中旋回スイッチ25または小旋回スイッチ26または信地旋回スイッチ27のいずれかによる設定がされていて自動旋回を実行している場合には、作業操作具19が操作されたとしても作業アクチュエータ17を駆動させない制御を行うことによって、作業者が意図しない状態での耕耘作業を防止し、安全先を向上させることができ、快適な作業を行うことができる電動式の歩行型管理機を得ることができる。
【0025】
請求項9の発明によれば、請求項8の発明の効果に加えて、左右走行アクチュエータ15L,15Rが停止している場合には、作業操作具19が操作されたとしても作業アクチュエータ17を駆動させない制御を行うことによって、作業者が意図しない状態での耕耘作業を防止し、安全先を向上させることができ、快適な作業を行うことができる電動式の歩行型管理機を得ることができる。
【0026】
請求項10の発明によれば、請求項8の発明の効果に加えて、大旋回スイッチ24または中旋回スイッチ25または小旋回スイッチ26または信地旋回スイッチ27のいずれかによる設定がされ、自動旋回が実行されている場合であっても、作業アクチュエータ17を駆動させる制御を実行するための操作具である旋回時作業操作具19aを備えることで、通常は安全のため耕耘作業を実行しない制限を行っているが、限定的に制限解除ができ、自動旋回走行状態であっても同時に耕耘作業を行うことができ、快適な作業を行うことができる電動式の歩行型管理機を得ることができる。
【0027】
請求項11の発明によれば、請求項9の発明の効果に加えて、左右走行アクチュエータ15L,15Rが停止している場合であっても作業アクチュエータ17を駆動させる制御を実行するための操作具である非走行作業操作具19bを備えることで、通常は安全のため耕耘作業を実行しない制限を行っているが、限定的に制限解除ができ、非走行状態であっても同時に耕耘作業を行うことができ、快適な作業を行うことができる電動式の歩行型管理機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態にかかる歩行型管理機の概略斜視図である。
図2】同歩行型管理機の操作ハンドルの平面図である。
図3】同歩行型管理機の制御ブロック図である。
図4】同歩行型管理機の制御フローチャート図である。
図5】同歩行型管理機の制御フローチャート図である。
図6】同歩行型管理機の制御フローチャート図である。
図7】同歩行型管理機の制御フローチャート図である。
図8】同歩行型管理機の耕耘装置の作用説明用側面図である。
図9】同歩行型管理機の上下作動機構の作用説明用平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明を歩行型管理機に適用した例を図面に基づいて説明する。なお、機体の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後というが、本発明の構成を限定するものではない。
【0030】
<歩行型管理機の全体構成>
図1に示すように、歩行型管理機1は、機体フレーム2の後部に固設した左右伝動ケース3L,3Rの下部に設けた左右車軸4L,4Rに左右車輪5L,5Rを装着し、左右伝動ケース3L,3Rの上部に基部が固定された作業用伝動ケース6後側下部に、耕耘軸7を突設して耕耘爪8を設けて耕耘装置9を構成する。
【0031】
左右車軸4L,4Rには、各々左右回転センサ4aL,4aRを設け、左右車輪5L,5Rの回転数を検出する。
【0032】
耕耘装置9の上面はロータリカバー10で覆う構成であり、後面は上下回動自在の後部カバー11で覆う構成としている。
【0033】
耕耘装置9の後端側には支持柱12を介して尾輪13を上下高さ調節自在に設けている。
【0034】
機体フレーム2には、前側からバッテリ14、左右車輪5L,5Rを各々駆動する電動モータよりなる左右走行アクチュエータ15L,15Rと、制御装置16を設けている。
【0035】
左右走行アクチュエータ15L,15Rには、各々左右回転センサ15aL,15aRを設け、左右走行アクチュエータ5L,5Rの回転数を検出する。
【0036】
左右走行アクチュエータ15L,15Rは、各々左右伝動ケース3L,3Rを介して左右車輪5L,5Rを駆動回転する。
【0037】
なお、左右伝動ケース3L,3Rに変速機構を設けて、副変速レバーにて高速の移動速と低速の作業速に切り換える構成としても良い。
【0038】
バッテリ14は、図1に示す例ではバッテリケースに内蔵されているが、バッテリケースを備える構成においては、バッテリ14を複数備え、必要電力や充電量に応じて使用するバッテリを切り替えても良い。
【0039】
また、バッテリケース内を引き出し状に構成しておくと、バッテリ14を複数搭載することも着脱することも容易になる。
【0040】
また、作業用伝動ケース6前側部には、耕耘爪8を駆動する電動モータよりなる作業アクチュエータ17を設けている。
【0041】
作業用伝動ケース6前部に基部が固定されたループ状の操作ハンドル18は、後方斜め上方に向けて延びている。
【0042】
図2に示すように、操作ハンドル18には、機体の走行や作業を制御するための入力を行う入力装置を備えるスイッチパネルを複数備える。
【0043】
操作ハンドル18の機体中央後部内側にはスイッチパネルXを備え、スイッチパネルXには、電源スイッチMSと、耕耘装置9の駆動を入り切りする作業レバー19と、機体旋回時にも耕耘作業を継続するための入力装置である旋回時作業スイッチ19aと、機体が走行状態でない時に耕耘作業を行うための入力装置である非走行作業スイッチ19bと、機体の操作方法を手動操作モードと自動操作モードから選択する切替スイッチ21と、切替スイッチ21で自動操作モードに設定した場合に使用する各走行モードスイッチ23,24,25,26,27と、各走行モードスイッチを利用して旋回する場合に使用する左右方向指定スイッチ21L,21Rを備える。
【0044】
各走行モードスイッチ23,24,25,26,27は、図2に示す操作ハンドルに備えるものは、直進走行スイッチ23と、大旋回スイッチ24と、中旋回スイッチ25と、小旋回スイッチ26と、信地旋回スイッチ27とした。この構成であっても、別の旋回方法や走行方法を設定できるスイッチを備える構成としても良い。
【0045】
なお、大旋回スイッチ24と、中旋回スイッチ25と、小旋回スイッチ26と記載したが、それぞれの旋回モードの旋回角度に基づく便宜的なものである。実施するにあたっては、別の名称としても良い。
【0046】
操作ハンドル18の後部右側上には、変速操作具としての第1変速スイッチRaと第2変速スイッチRbを備え、後部左側上には変速操作具としての第3変速スイッチLaと第4変速スイッチLbを備える。図2に示す機体では各変速スイッチはスティック状の形状としたが、スライド式であってもダイヤル式であっても、その他の形状であっても良い。
【0047】
後部右内側には、スイッチパネルYRを備え、スイッチパネルYRには、走行アクチュエータ15Rの正転逆転を切り替える右前後進レバー20Rと、右横操作スイッチ22Rとを備える。
【0048】
後部左内側には、スイッチパネルYLを備え、スイッチパネルYLには、走行アクチュエータ15Lの正転逆転を切り替える右前後進レバー20Lと、右横操作スイッチ22Lとを備える。
【0049】
後部右下側には右サイドレバー28R、後部左下側には左サイドレバー28Lが設けられている。
【0050】
また、操作ハンドル18後部には、作業者検出装置が備えられる構成としても良い。この作業者検出装置は、作業者が操作ハンドルを把持していることを検出するセンサであり、接触センサや人感センサ等を用いる。
【0051】
操作ハンドル18の後部に、スイッチパネルXとスイッチパネルYL,YR間に左右隙間29L,29Rを備えることで、作業者が操作ハンドル18を把持しやすくなる形状とすることが望ましい。
【0052】
左右隙間29L,29Rに弾性体や保護シート等を備えると、作業性が向上する。
【0053】
<スイッチやレバーの作用>
次に、各種スイッチやレバー類の作用について説明する。
【0054】
電源スイッチMSは、ONにするとバッテリ14の電力が各部に通電可能となって歩行型管理機1が起動状態となり、OFFにするとバッテリ14の電力が遮断されて全停止状態となる。
【0055】
作業レバー19は、前方に傾倒操作すると作業アクチュエータ17が作動して耕耘軸7を駆動回転し耕耘爪8が駆動回転され耕耘装置9が作業状態になり、後方に傾倒操作すると作業アクチュエータ17が停止して耕耘軸7の回転は停止し耕耘装置9が非作業状態になる。なお、前方に傾倒操作すると作業アクチュエータ17が正転し、後方に傾倒操作すると作業アクチュエータ17が逆転し、中立位置に合わせると停止し耕耘装置9が非作業状態になる構成としても良い。
【0056】
作業レバー19は、機体前進時にのみ入力操作を受け付ける構成とし、機体の旋回時や停止時には通常は作業アクチュエータ17を作動させない安全制御を行うことで安全性が増す。また、旋回時や停止時においても耕耘作業を行うための入力装置を備えることで、安全性を確保しながら作業性を向上させる。
【0057】
機体の走行状態の検出は、左右車輪5L,5Rや左右走行アクチュエータ15aの回転数から検出するため、左右回転センサ4aL,4aRと左右回転センサ15aL,15aRの検出結果を用いると良い。左右前後進レバー20L,20Rが前進位置に倒されている場合に接触する接触センサを用いて前進状態を検出する方法を用いても良い。
【0058】
図5に示すように、旋回時作業スイッチ19aは、機体が旋回している状態であっても安全制御を一時的に解除し、旋回走行しながら耕耘作業を行うための入力装置である。
【0059】
図6に示すように、非走行作業スイッチ19bは、機体が停止している状態であっても安全制御を一時的に解除し、停止した状態のまま耕耘作業を行うための入力装置である。
【0060】
なお、耕耘装置9の後部に上下回動自在に設けた後部カバー11の上方への回動を検出するカバーセンサを設け、作業レバー19を前方に傾倒操作し且つ耕耘装置9を圃場に接地させてカバーセンサが後部カバー11の上方への回動を検出すると作業アクチュエータ17が作動して耕耘軸7を駆動回転し耕耘爪8が駆動回転され耕耘装置9が作業状態になり、機体旋回時等で耕耘装置9を圃場から持ち上げてカバーセンサが後部カバー11の下方への回動を検出すると作業アクチュエータ17を停止して耕耘軸7の回転は停止し耕耘装置9が非作業状態になるようにしても良い。
【0061】
第1変速スイッチRaと第3変速スイッチLaは、作業者が歩行型管理機1の後方に位置して操作ハンドル18を握って作業を行う際に操作する変速操作スイッチである。
【0062】
即ち、右手で第1変速スイッチRaを操作することにより、右走行アクチュエータ15Rの駆動回転数を変更して右車輪5Rの駆動回転数を変更する。
【0063】
また、左手で第3変速スイッチLaを操作することにより、左走行アクチュエータ15Lの駆動回転数を変更して左車輪5Lの駆動回転数を変更する。
【0064】
従って、作業者が歩行型管理機1の後方に位置して作業を行う際に、第1変速スイッチRaと第3変速スイッチLaを同時に操作して左右走行アクチュエータ15L,15Rの駆動回転数を同時に増減して進行速度を増減速したり、第1変速スイッチRaまたは第3変速スイッチLaを操作して左右走行アクチュエータ15L,15Rの何れかの駆動回転数を増減して機体の進行方向を微調節したり機体を旋回させたりすることができる。
【0065】
図6に示すように、左右横操作スイッチ22L,22Rの設定によって、使用する変速スイッチを設定することができる。
【0066】
第1変速スイッチRaと第2変速スイッチRbは、作業者が歩行型管理機1の右側方に位置して操作ハンドル18の右側を握って作業を行う際に操作する変速操作スイッチであり、右横操作スイッチ22RをONにすると機能する。
【0067】
即ち、作業者が歩行型管理機1の右側方に位置して操作ハンドル18の右側を握って右横操作スイッチ22RをONにし、第2変速スイッチRbを操作することにより、右走行アクチュエータ15Rの駆動回転数を変更して右車輪5Rの駆動回転数を変更する。
【0068】
また、第1変速スイッチRaを操作することにより、左走行アクチュエータ15Lの駆動回転数を変更して左車輪5Lの駆動回転数を変更する。
【0069】
従って、作業者が歩行型管理機1の右側方に位置して操作ハンドル18の右側を握って作業を行う際に、第1変速スイッチRaと第2変速スイッチRbを同時に操作して左右走行アクチュエータ15L,15Rの駆動回転数を同時に増減して進行速度を増減速したり、第1変速スイッチRaまたは第2変速スイッチRbを操作して左右走行アクチュエータ15L,15Rの何れかの駆動回転数を増減して機体の進行方向を微調節したり機体を旋回させたりすることができる。
【0070】
第3変速スイッチLaと第4変速スイッチLbは、作業者が歩行型管理機1の左側方に位置して操作ハンドル18の左側を握って作業を行う際に操作する変速操作スイッチであり、左横操作スイッチ22LをONにすると機能する。
【0071】
即ち、作業者が歩行型管理機1の左側方に位置して操作ハンドル18の左側を握って左横操作スイッチ22LをONにし、第3変速スイッチLaをスライド操作することにより、右走行アクチュエータ15Rの駆動回転数を変更して右車輪5の駆動回転数を変更する。
【0072】
また、第4変速スイッチLbをスライド操作することにより、左走行アクチュエータ15Lの駆動回転数を変更して左車輪5の駆動回転数を変更する。
【0073】
従って、作業者が歩行型管理機1の左側方に位置して操作ハンドル18の左側を握って作業を行う際に、第3変速スイッチLaと第4変速スイッチLbを同時に操作して左右走行アクチュエータ15L,15Rの駆動回転数を同時に増減して進行速度を増減速したり、第3変速スイッチLaまたは第4変速スイッチLbを操作して左右走行アクチュエータ15L,15Rの何れかの駆動回転数を増減して機体の進行方向を微調節したり機体を旋回させたりすることができる。
【0074】
なお、第1変速スイッチRa、第2変速スイッチRb、第3変速スイッチLa及び第4変速スイッチLbは、図3に例示する構成ではスライド式のスイッチを用いたが、押下式またはダイヤル式等の如何なるスイッチを用いても良い。
【0075】
右前後進レバー20R及び左前後進レバー20Lは、同じ機能を持つレバーであって、右前後進レバー20Rまたは左前後進レバー20Lの何れかを前方に傾倒操作すると左右走行アクチュエータ15L,15Rが正転し機体は前進し、後方に傾倒操作すると左右走行アクチュエータ15R,15Lが逆転し機体は後進する。
【0076】
右横操作スイッチ22R及び左横操作スイッチ22Lは、同じ機能を持つスイッチであって、右横操作スイッチ22Rまたは左横操作スイッチ22Lの何れかをONにすると上記の第1変速スイッチRa、第2変速スイッチRb、第3変速スイッチLa及び第4変速スイッチLbによる手動変速が可能となる。
【0077】
切替スイッチ21では、機体の操作方法を選択できる。切替スイッチ21で手動操作モードに設定した場合、制御装置16により左右走行アクチュエータ15L,15Rの自動制御を行わず、作業者が各変速スイッチRa,Rb,La,Lbと左右前後進レバー20L,20Rと左右サイドレバー28L,28Rを手動操作することで機体を操縦する。
【0078】
自動操作モードに設定した場合、自動直進や自動旋回を行うように設定可能な各走行モードスイッチ23,24,25,26,27と、旋回方向を指定する左右旋回方向指定スイッチ21L,21Rによる設定が可能になる。なお、手動操作モードの選択時は、各走行モードスイッチ23,24,25,26,27と、旋回方向を指定する左右旋回方向指定スイッチ21L,21Rを操作した場合であっても入力信号を無効にするように設定しておくと、誤操作を予防できる。
【0079】
また、自動操作モードに設定後、左右方向指定スイッチ21L,21Rによって左右方向が指定されていなければ、自動旋回を実行しないように設定しておくと、誤操作を予防できる。
【0080】
各走行モードスイッチ23,24,25,26,27と、左右旋回方向指定スイッチ21L,21Rの詳細について記載する。
【0081】
直進走行スイッチ23は、機体を直進走行させる自動制御を行うための入力装置である。直進走行スイッチ23をオンにすると、制御装置16は、左右走行アクチュエータ15L,15Rの回転数を等しくする制御を行う。
【0082】
直進走行スイッチ23をオンにして直進走行モードに設定している場合において、左右走行アクチュエータ15L,15Rの左右回転センサ15aL,15aRの回転数が等しくない、または左右車輪5L,5Rの左右回転センサ4aL,4aRの回転数が等しくない場合は、異常が発生しているとみなす。
【0083】
異常発生とみなした場合、警告を発する構成としても良く、左右走行アクチュエータ15L,15R及び作業アクチュエータ7を停止する構成としても良い。また、左右走行アクチュエータ15L,15Rの左右回転センサ15aL,15aRの回転数は等しいが、左右車輪5L,5Rの左右回転センサ4aL,4aRの回転数が等しくない場合は、左右車輪5L,5Rの回転数が等しくなるように走行アクチュエータ15L,15Rの回転数を変化させる制御を行う構成としても良い。
【0084】
各走行モードスイッチ23,24,25,26,27のうち、直進走行スイッチ23以外のスイッチは、旋回制御を設定するための入力装置である。
【0085】
大旋回スイッチ24,中旋回スイッチ25,小旋回スイッチ26,信地旋回スイッチ27のいずれかのスイッチを操作して走行モードを選択した後、左右旋回方向指定スイッチ21L,21Rのいずれかを操作することで、左右どちらの方向に自動旋回するか設定することができる。
【0086】
安全のため左右旋回方向指定スイッチ21L,21Rが操作されるまでは旋回を開始しないように構成しておくとよい。
【0087】
大旋回スイッチ24は、機体を旋回させる自動制御を行うための入力装置である。大旋回スイッチ24をオンにすると、制御装置16は、左右走行アクチュエータ15L,15Rのいずれか一方の回転数を低下させる制御を行う。
【0088】
いずれか一方の回転数をもう一方の何割まで低下させるかは、あらかじめ設定しておくことが望ましい。
【0089】
大旋回スイッチ24をオンにして大旋回モードに設定している場合において、左右走行アクチュエータ15L,15Rの左右回転センサ15aL,15aRの回転数があらかじめ設定した比率にならない、または左右車輪5L,5Rの左右回転センサ4aL,4aRの回転数があらかじめ設定した比率にならない場合は、異常が発生しているとみなす。
【0090】
異常発生とみなした場合、警告を発する構成としても良く、左右走行アクチュエータ15L,15R及び作業アクチュエータ7を停止する構成としても良い。また、左右走行アクチュエータ15L,15Rの左右回転センサ15aL,15aRの回転数はあらかじめ設定した比率になっているが、左右車輪5L,5Rの左右回転センサ4aL,4aRの回転数があらかじめ設定した比率にならない場合は、左右車輪5L,5Rの回転数があらかじめ設定した比率になるように走行アクチュエータ15L,15Rの回転数を変化させる制御を行う構成としても良い。
【0091】
中旋回スイッチ25は、機体を旋回させる自動制御を行うための入力装置である。中旋回スイッチ25をオンにすると、制御装置16は、左右走行アクチュエータ15L,15Rのいずれか一方の回転を停止させる制御を行う。
【0092】
左右走行アクチュエータ15L,15Rを停止させている側の左右車輪5L,5Rが従動回転している場合の回転数をあらかじめ設定しておくことが望ましい。
【0093】
中旋回スイッチ25をオンにして中旋回モードに設定している場合において、左右走行アクチュエータ15L,15Rの左右回転センサ15aL,15aRの回転数があらかじめ設定した比率にならない、または左右車輪5L,5Rの左右回転センサ4aL,4aRの回転数があらかじめ設定した比率にならない場合は、異常が発生しているとみなす。
【0094】
異常発生とみなした場合、警告を発する構成としても良く、左右走行アクチュエータ15L,15R及び作業アクチュエータ7を停止する構成としても良い。また、左右走行アクチュエータ15L,15Rの左右回転センサ15aL,15aRの回転数はあらかじめ設定した比率になっているが、左右車輪5L,5Rの左右回転センサ4aL,4aRの回転数があらかじめ設定した比率にならない場合は、左右車輪5L,5Rの回転数があらかじめ設定した比率になるように走行アクチュエータ15L,15Rの回転数を変化させる制御を行う構成としても良い。
【0095】
小旋回スイッチ26は、機体を旋回させる自動制御を行うための入力装置である。小旋回スイッチ26をオンにすると、制御装置16は、左右走行アクチュエータ15L,15Rのいずれか一方を逆回転させるとともに、回転数を低下させる制御を行う。 逆回転している側の回転数をもう一方の何割まで低下させるかは、あらかじめ設定しておくことが望ましい。
【0096】
小旋回スイッチ26をオンにして小旋回モードに設定している場合において、左右走行アクチュエータ15L,15Rの左右回転センサ15aL,15aRの回転数があらかじめ設定した比率にならない、または左右車輪5L,5Rの左右回転センサ4aL,4aRの回転数があらかじめ設定した比率にならない場合は、異常が発生しているとみなす。
【0097】
異常発生とみなした場合、警告を発する構成としても良く、左右走行アクチュエータ15L,15R及び作業アクチュエータ7を停止する構成としても良い。また、左右走行アクチュエータ15L,15Rの左右回転センサ15aL,15aRの回転数はあらかじめ設定した比率になっているが、左右車輪5L,5Rの左右回転センサ4aL,4aRの回転数があらかじめ設定した比率にならない場合は、左右車輪5L,5Rの回転数があらかじめ設定した比率になるように走行アクチュエータ15L,15Rの回転数を変化させる制御を行う構成としても良い。
【0098】
信地旋回スイッチ27は、機体を旋回させる自動制御を行うための入力装置である。信地旋回スイッチ27をオンにすると、制御装置16は、左右走行アクチュエータ15L,15Rのいずれか一方を逆回転させるとともに、左右回転数を等しくする制御を行う。
【0099】
信地旋回スイッチ27をオンにして信地旋回モードに設定している場合において、左右走行アクチュエータ15L,15Rの左右回転センサ15aL,15aRの回転数が等しくない、または左右車輪5L,5Rの左右回転センサ4aL,4aRの回転数が等しくない、一方が正転でもう一方が逆転という状態になっていない場合は、異常が発生しているとみなす。
【0100】
異常発生とみなした場合、警告を発する構成としても良く、左右走行アクチュエータ15L,15R及び作業アクチュエータ7を停止する構成としても良い。また、左右走行アクチュエータ15L,15Rの左右回転センサ15aL,15aRの回転数は等しいが、左右車輪5L,5Rの左右回転センサ4aL,4aRの回転数が等しくない場合は、左右車輪5L,5Rの回転数が等しくなるように走行アクチュエータ15L,15Rの回転数を変化させる制御を行う構成としても良い。
【0101】
各走行モード設定時における異常発生時に警告を発する構成において、警報の種類は音声や警告音であっても良く、ライトの点滅や点灯であっても良く、機体や操作装置、通信装置にモニタ表示する方法であっても良い。
【0102】
操作ハンドル18の向きを変更可能な構成においては、操作ハンドル18の向きを検出するハンドル方向センサ18aを備え、ハンドル方向センサ18aの検出結果によって、走行アクチュエータ15L,15R及び作業アクチュエータ17の回転を制限する構成としても良い。
【0103】
左右走行アクチュエータ15L,15Rが逆転状態であって後進走行している場合には作業アクチュエータ17は駆動しないように設定しておくことが望ましいが、操作ハンドル18の向きが逆方向であることを検出している状態、即ち、作業者が機体前方にいることが想定される状態においては、作業アクチュエータ17を回転可能にする。また、左右走行アクチュエータ15L,15Rが正転状態でかつ作業アクチュエータ17が駆動している状態でも、操作ハンドル18の向きが逆方向である場合は、作業アクチュエータ17を停止する。操作ハンドル18の向きに応じて作業アクチュエータ17の駆動と停止を制御することによって、作業性と安全性を向上させることができる。
【0104】
自動走行モードに設定している際は、右横操作スイッチ22Rまたは左横操作スイッチ22Lが操作されても入力を受け付けないようにして安全先を優先しても良く、自動走行モードであっても直進走行モードである時のみ右横操作スイッチ22Rまたは左横操作スイッチ22Lの入力を受け付ける構成としても良い。
【0105】
図示しないが、左右車軸4L,4Rや耕耘軸7といった回転軸に、軸が回転すると遠心力で外周に広がるようにスプリング等を備えたウエイトを取り付けることで、慣性により軸回転力を向上させる構成としても良い。
【0106】
尾輪13の構成については、下記のようにしても良い。
【0107】
図8図9に示すように、尾輪13は、支持柱12下端部に設けた枢支軸13aに遊転自在に装備されている。
【0108】
支持柱12は、耕耘装置9の機枠に設けた支持ケース12a内に挿通して支持され、支持ケース12a上端部に設けた上下作動機構12bにて上下移動調節自在に設けられている。
【0109】
上下作動機構12bは、尾輪ギアケース12cと電動モータ12dにて構成される。
【0110】
尾輪ギアケース12cには、支持柱12上端部が嵌装され周知のギア機構にて支持柱12を上下移動させて尾輪13の上下高さ調節する。
【0111】
電動モータ12dの駆動ギア12eは、尾輪ギアケース12cの従動ギア12fに噛合しており、尾輪高さ調節ダイヤル19bの操作にて電動モータ12dが正逆転作動し、駆動ギア12eと従動ギア12fにて尾輪ギアケース12c内のギア機構を作動して、尾輪13の上下高さを調節することができる。
【0112】
また、従動ギア12fは、駆動ギア12eと噛合する位置と噛合しない位置に切り換え自在に設けられている。
【0113】
そして、従動ギア12fを駆動ギア12eと噛合しない位置に切り換えることにより、手動ハンドル12gを正逆転操作して手動にて尾輪ギアケース12c内のギア機構を作動して、尾輪13の上下高さを調節することができる。
【符号の説明】
【0114】
5L,5R 左右車輪(左右走行装置)
9 耕耘装置
14 バッテリ
15L,15R 左右走行アクチュエータ
16 制御装置
17 作業アクチュエータ
18 操作ハンドル
19 作業レバー(作業操作具)
19a 旋回時作業スイッチ(旋回時作業操作具)
19b 非走行作業スイッチ(非走行作業操作具)
21 切替スイッチ(切替操作具)
21L,21R 左右方向指定スイッチ(左右方向指定操作具)
23 直進走行スイッチ(自動走行設定操作具)
24 大旋回スイッチ(自動走行設定操作具)
25 中旋回スイッチ(自動走行設定操作具)
26 小旋回スイッチ(自動走行設定操作具)
27 信地旋回スイッチ(自動走行設定操作具)
La,Ra 変速スティック(変速操作具)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9