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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092650
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】重荷重用タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/13 20060101AFI20240701BHJP
   B60C 11/12 20060101ALI20240701BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B60C11/13 B
B60C11/12 D
B60C11/12 A
B60C11/03 100B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208740
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】久嶋 健人
(72)【発明者】
【氏名】中島 幸一
(72)【発明者】
【氏名】石倉 真璃絵
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB03
3D131BC12
3D131BC17
3D131BC18
3D131BC35
3D131BC37
3D131EB14V
3D131EB14X
3D131EB16V
3D131EB16X
3D131EB18V
3D131EB18X
3D131EB19V
3D131EB19X
3D131EB27V
3D131EB28V
3D131EB28X
3D131EB83V
3D131EB89V
3D131EB91V
3D131EC01X
3D131EC12V
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性能を維持しつつ耐石噛み性能、スノー性能及びマッド性能を向上する。
【解決手段】 第1周方向溝3と、一対の第1陸部5とを含む重荷重用タイヤ1である。第1陸部5には、第1陸部5をタイヤ軸方向に横断する複数のサイプ7が設けられている。トレッド平面視において、サイプ7は、少なくとも1つの屈曲部8を含んでいる。第1周方向溝3は、一対の溝壁10、10を含んでいる。一対の溝壁10、10のそれぞれには、溝壁10から溝中心線3c側に突出した複数の突部11をタイヤ半径方向に並べた突部セット11Sが設けられている。突部セット11は、第1周方向溝3の長手方向に複数セット設けられている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部を有する重荷重用タイヤであって、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝と、前記第1周方向溝の両側に区分された一対の第1陸部とを含み、
前記一対の第1陸部のそれぞれには、前記第1陸部をタイヤ軸方向に横断する複数のサイプが設けられており、
トレッド平面視において、前記複数のサイプのそれぞれは、少なくとも1つの屈曲部を含み、
前記第1周方向溝は、一対の溝壁を含み、
前記一対の溝壁のそれぞれには、前記溝壁から溝中心線側に突出した複数の突部をタイヤ半径方向に並べた突部セットが設けられており、
前記突部セットは、前記第1周方向溝の長手方向に複数セット設けられている、
重荷重用タイヤ。
【請求項2】
前記複数の突部のそれぞれは、前記溝中心線側に向かってタイヤ半径方向の外側に向かうように傾斜している、請求項1に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項3】
前記複数の突部のそれぞれは、前記溝壁から延び、かつ、タイヤ半径方向の外側を向く外向き面と、前記外向き面のタイヤ半径方向の外縁からタイヤ半径方向の内側に延びる先端面とを含み、
前記先端面は、平面である、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項4】
前記複数の突部のそれぞれは、前記溝壁から延び、かつ、タイヤ半径方向の外側を向く外向き面を含み、
前記第1周方向溝の長手方向と直交する横断面において、前記外向き面のタイヤ半径方向に対する角度は、40~80度である、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項5】
前記複数の突部のそれぞれの前記第1周方向溝の溝幅方向に沿った突出長さは、前記第1周方向溝の最大溝幅の6%~40%である、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項6】
前記複数の突部のそれぞれは、前記溝壁から延び、かつ、タイヤ半径方向の外側を向く外向き面を含み、
前記複数の突部のそれぞれの前記外向き面と直交する方向の厚さは、前記複数の突部のそれぞれの前記第1周方向溝の溝幅方向に沿った突出長さの100%~250%である、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項7】
前記複数の突部のそれぞれのタイヤ周方向の長さは、前記複数の突部のそれぞれの前記第1周方向溝の溝幅方向に沿った突出長さ以上であり、かつ、前記第1周方向溝の最大溝幅以下である、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項8】
前記第1周方向溝の長手方向に隣接する前記突部セットの間の最短長さは、前記突部セットの前記複数の突部のいずれかのタイヤ周方向の長さの30%~80%である、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項9】
前記複数の突部のそれぞれは、前記溝壁から延び、かつ、タイヤ半径方向の外側を向く外向き面を含み、
前記突部セットのそれぞれにおいて、タイヤ半径方向に隣接する前記突部の間には、間隙が設けられ、
前記間隙の前記外向き面と直交する方向の厚さは、前記突部の前記外向き面と直交する方向の厚さの70%~150%である、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項10】
前記一対の溝壁の一方に設けられた複数の前記突部セットは、前記第1周方向溝の長手方向において、前記一対の溝壁の他方に設けられた複数の前記突部セットと重複する、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項11】
前記複数のサイプのそれぞれは、タイヤ軸方向において、一対の外側部分と、前記一対の外側部分との間に前記屈曲部を介して接続された中央部分とを含み、
前記一対の外側部分及び前記中央部分は、いずれも、タイヤ周方向に対して同じ向きに傾斜している、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項12】
トレッド平面視において、前記屈曲部は、曲率半径が3~15mmの円弧状である、請求項11に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項13】
前記第1周方向溝は、溝底を含み、
前記溝底には、前記第1周方向溝の長手方向に並べられた溝底突部を含み、
前記溝底突部は、前記第1周方向溝の長手方向に隣接する前記突部セットの間に位置する、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重荷重用タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、トレッド部を具えた空気入りタイヤが記載されている。前記トレッド部には、タイヤ赤道上に設けられたセンター主溝と、タイヤ赤道の両側に一対設けられたセンター陸部と、前記センター陸部を横切る横サイプとが設けられている。前記横サイプは、トレッド平面視において、Z字状に折れ曲がっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-168991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような横サイプは、タイヤ走行時、互いに向き合うサイプ壁同士が噛み合うことで、前記センター陸部の大きな変形を抑制し、耐摩耗性能を向上するとされている。
【0005】
しかしながら、上述の空気入りタイヤは、前記センター陸部の前記変形が小さいので、一対の前記センター陸部の間の前記センター主溝も、走行時の変形が小さくなる。このため、砂利路面等を走行したときでは、前記センター主溝に挟まった石が、排出されにくいという問題がある。
【0006】
また、上述のような路面を走行する車両は、雪路面や泥濘路面を走行する機会も多い。このため、上述のようなタイヤにおいては、主溝に入り込んだ石を排出しやすくするとともに、雪路面や泥濘路面での制動・駆動力を高めることが望まれている。
【0007】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、耐摩耗性能を維持しながら、耐石噛み性能、スノー性能及びマッド性能を向上することができる重荷重用タイヤを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、トレッド部を有する重荷重用タイヤであって、前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝と、前記第1周方向溝の両側に区分された一対の第1陸部とを含み、前記一対の第1陸部のそれぞれには、前記第1陸部をタイヤ軸方向に横断する複数のサイプが設けられており、トレッド平面視において、前記複数のサイプのそれぞれは、少なくとも1つの屈曲部を含み、前記第1周方向溝は、一対の溝壁を含み、前記一対の溝壁のそれぞれには、前記溝壁から溝中心線側に突出した複数の突部をタイヤ半径方向に並べた突部セットが設けられており、前記突部セットは、前記第1周方向溝の長手方向に複数セット設けられている、重荷重用タイヤである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記の構成を採用することで、耐摩耗性能を維持しつつ耐石噛み性能、スノー性能及びマッド性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態のタイヤのトレッド部の平面図である。
図2】第1周方向溝の横断面図である。
図3】第1周方向溝の平面図である。
図4図1のB-B線断面図である。
図5】サイプ付近の平面図である。
図6】第1周方向溝3の一部の断面斜視図である。
図7】第1周方向溝3の平面図である。
図8】他の実施形態の第1周方向溝3の横断面図である。
図9】他の実施形態のトレッド部の平面図である。
図10】(a)は、図9のC-C線断面図であり、(b)は、図9のD-D線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図面は、本発明の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれている。また、複数の実施形態がある場合、明細書を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。
【0012】
図1は、本発明の重荷重用タイヤ(以下、「タイヤ」という場合がある)1の一実施形態のトレッド部2の平面図である。本発明は、重荷重用の空気入りタイヤ1に採用される。
【0013】
本明細書では、特に断りがない限り、タイヤ1の各部の寸法等は、正規状態で測定されたものである。「正規状態」とは、タイヤ1が正規リム(図示省略)にリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。
【0014】
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。
【0015】
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
【0016】
トレッド部2は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝3と、第1周方向溝3の両側に区分された一対の第1陸部5とを含んでいる。
【0017】
一対の第1陸部5のそれぞれには、第1陸部5をタイヤ軸方向に横断する複数のサイプ7が設けられている。トレッド平面視において、複数のサイプ7のそれぞれは、少なくとも1つの屈曲部8を含んでいる。このようなサイプ7は、走行時、屈曲部8のサイプ壁面7sが噛み合い、第1陸部5の変形を小さくするので、耐摩耗性能を向上する。サイプは、本明細書では、タイヤ半径方向に亘る最大幅W2(図4に示す)が1.5mm未満の切り込み状体のものとして定義され、溝幅が1.5mm以上の溝と明瞭に区別される。前記溝には、第1周方向溝3や後述する第2周方向溝4や横溝9が含まれる。前記溝の溝幅は、2mm以上が望ましく、3mm以上がさらに望ましい。
【0018】
図2は、第1周方向溝3の長手方向と直交する横断面図(以下、第1周方向溝3の横断面図という場合がある)である。図2は、図1のA-A線断面図である。図1及び図2に示されるように、第1周方向溝3は、一対の溝壁10を含んでいる。第1周方向溝3は、本実施形態では、一対の溝壁10を繋ぐ溝底13をさらに含んでいる。一対の溝壁10のそれぞれには、溝壁10から溝中心線3c側に突出した複数の突部11をタイヤ半径方向に並べた突部セット11Sが設けられている。
【0019】
突部セット11Sは、第1周方向溝3の長手方向に複数セット設けられている。このような突部セット11Sは、第1周方向溝3に入り込んだ石が溝底13まで到達することを抑制する。また、各突部11は、弾性変形による復元力(以下、単に「復元力」という場合がある)を生じさせるので、第1周方向溝3が地面から離れると、前記石を押し出すことができる。さらに、突部11は、タイヤ半径方向に並べられているので、石に対して、タイヤ半径方向の異なる位置で復元力を発揮する。また、突部セット11Sが複数セット設けられているので、エッジ効果が高められるため、泥濘路面や雪路面に対して大きなせん断力を発揮することができる。したがって、本実施形態のタイヤ1は、耐摩耗性能を維持しつつ耐石噛み性能、スノー性能及びマッド性能を向上することができる。
【0020】
図1に示されるように、本実施形態のトレッド部2は、第1周方向溝3のタイヤ軸方向の両側に位置する一対の第2周方向溝4を含んでいる。これにより、本実施形態のトレッド部2は、第1周方向溝3と第2周方向溝4との間に第1陸部5を含み、第2周方向溝4とトレッド端Teとの間に第2陸部6を含んでいる。なお、トレッド部2のパターン形状は、このような態様に限定されるものではない。
【0021】
トレッド端Teは、前記正規状態のタイヤ1に正規荷重が負荷されキャンバー角0°で平面に接地したときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置に相当する。前記「正規荷重」は、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。また、タイヤ軸方向の両側のトレッド端Te、Te間のタイヤ軸方向の長さがトレッド幅TWである。
【0022】
第1周方向溝3は、例えば、タイヤ赤道C上に位置している。第2周方向溝4は、例えば、トレッド端Teに隣接している。第1周方向溝3及び第2周方向溝4は、本実施形態では、ジグザグ状に形成されている。これにより、泥や雪に対してせん断力を発揮することができる。第1周方向溝3及び第2周方向溝4は、例えば、タイヤ周方向のジグザグピッチPが同じとされている。第1周方向溝3及び第2周方向溝4は、例えば、直線状に延びていてもよい。
【0023】
図3は、第1周方向溝3の平面図である。図3には、便宜上、突部11及び後述する溝底突部が削除されている。図3に示されるように、第1周方向溝3は、タイヤ周方向に対して一方側に傾斜する第1部分3Aと、第1部分3Aとは逆向きに傾斜する第2部分3Bとを含んでいる。第1部分3Aと第2部分3Bとは、タイヤ軸方向に屈曲する溝突部3Cを介して繋がっている。溝突部3Cは、タイヤ軸方向の一方側(図では、右側)へ凸で屈曲する第1溝突部3Caと、タイヤ軸方向の他方側(図では、左側)へ凸で屈曲する第2溝突部3Cbとを含んでいる。
【0024】
特に限定されるものではないが、第1部分3A及び第2部分3Bのタイヤ周方向に対する角度θ1は、10度以上が望ましく、15度以上がさらに望ましく、30度以下が望ましく、25度以下がさらに望ましい。第1部分3Aの角度θ1は、例えば、第2部分3Bの角度θ1と同じである。第1周方向溝3の最大溝幅W1は、例えば、トレッド幅TWの2%以上が望ましく、3%以上がさらに望ましく、6%以下が望ましく、5%以下がさらに望ましい。第1周方向溝3の溝深さD1(図2に示す)は、例えば、10mm以上が望ましく、25mm以下が望ましい。
【0025】
図1に示されるように、第2周方向溝4は、タイヤ周方向に対して一方側に傾斜する第3部分4Aと、第3部分4Aとは逆向きに傾斜する第4部分4Bとを含んでいる。第3部分4Aと第4部分4Bとは、タイヤ軸方向の内側に向かって凸で屈曲する内側溝突部4C、又は、タイヤ軸方向の外側に向かって凸で屈曲する外側溝突部4Dを介して繋がっている。内側溝突部4C及び外側溝突部4Dは、例えば、タイヤ周方向に交互に配されている。
【0026】
図4は、図1のB-B線断面図である。図4は、サイプ7の長手方向と直交する横断面図である。図1及び図4に示されるように、第1陸部5は、サイプ7のタイヤ半径方向の外側に位置する横溝9を含んでいる。横溝9は、泥や雪に対してせん断力を発揮する。トレッド平面視において、サイプ7の幅中心線7cと横溝9の溝中心線9cとは、一致している。横溝9の最大溝幅W3は、例えば、第1周方向溝3の最大溝幅W1の30%以上が望ましく、35%以上がさらに望ましく、50%以下が望ましく、45%以下がさらに望ましい。横溝9のタイヤ半径方向の長さD3は、第1周方向溝3の溝深さD1の10%以上が望ましく、15%以上がさらに望ましく、30%以下が望ましく、25%以下がさらに望ましい。また、サイプ7の深さD2と横溝9の長さD3との和(D2+D3)は、第1周方向溝3の溝深さD1の45%以上が望ましく、60%以上がさらに望ましく、95%以下が望ましく、90%以下がさらに望ましい。
【0027】
図5は、サイプ7付近の平面図である。図5では、図1の右側の第1陸部5に配されるサイプ7が示される。図5に示されるように、複数のサイプ7のそれぞれは、タイヤ軸方向において、一対の外側部分14と、一対の外側部分14、14の間に屈曲部8を介して接続された中央部分15とを含んでいる。このように、サイプ7は、本実施形態では、2つの屈曲部8を含んでいる。そして、一対の外側部分14、14及び中央部分15は、いずれも、タイヤ周方向に対して同じ向きに傾斜している。これにより、第1陸部5のサイプ7の近傍での応力の集中が抑制されるので、耐摩耗性能が高く維持される。外側部分14のタイヤ周方向に対する角度θ2は、本実施形態では、中央部分15のタイヤ周方向に対する角度θ3よりも大きく形成されている。
【0028】
本実施形態のサイプ7は、第1溝突部3Caと第2周方向溝4の内側溝突部4Cとを繋いでいる。このようなサイプ7は、タイヤ軸方向の長さが相対的に小さくなるので、第1陸部5の剛性を高く維持するのに役立つ。なお、サイプ7は、例えば、第2溝突部3Cbと第2周方向溝4の外側溝突部4Dとを繋いでもよい。また、図1の左側の第1陸部5に配されたサイプ7は、第2溝突部3Cbと第2周方向溝4の内側溝突部4Cとを繋いでいる。
【0029】
外側部分14は、本実施形態では、屈曲部8に繋がって直線状に延びる外側第1部分14aと、外側第1部分14aに繋がりかつ外側第1部分14aよりもタイヤ周方向に対して大きな角度で傾斜する外側第2部分14bとを含んでいる。外側第2部分14bは、本実施形態では、第1周方向溝3又は第2周方向溝4に繋がっている。外側第2部分14bは、例えば、タイヤ軸方向と平行に延びている。
【0030】
トレッド平面視において、屈曲部8は、曲率半径R1を有する円弧状であるのが望ましい。このような屈曲部8は、第1陸部5の剛性の低下を抑えて、耐摩耗性能を高く維持することができる。曲率半径R1は、3mm以上が望ましく、5mm以上がさらに望ましく、15mm以下が望ましく、12mm以下がさらに望ましい。曲率半径R1が3mm以上であるので、上述の作用が効果的に発揮される。曲率半径R1が15mm以下であるので、サイプ壁面7sの噛み合い効果が発揮されて、第1陸部5の変形を小さくする効果が高められる。
【0031】
また、屈曲部8の角度θ4は、90度以上が望ましく、100度以上がさらに望ましく、140度以下が望ましく、130度以下がさらに望ましい。屈曲部8の角度θ4が90度以上であるので、第1陸部5の剛性の低下が抑えられて、耐摩耗性能が高く維持される。屈曲部8の角度θ4が140度以下であるので、サイプ壁面7sの噛み合い効果が高く維持されて、第1陸部5の変形を抑制する効果が発揮される。屈曲部8の角度θ4は、本明細書では、直線状に延びる中央部分15の幅中心線15cと外側第1部分14aの幅中心線14cとの間の角度である。外側部分14の角度θ2は、外側第1部分14aの幅中心線14cの角度である。
【0032】
図2に示されるように、各突部11は、溝中心線3c側に向かってタイヤ半径方向の外側に向かうように傾斜している。このような突部11は、弾性変形による復元力が大きく作用するので、第1周方向溝3内に入り込んだ石を効果的に排出しうる。
【0033】
図6は、第1周方向溝3の一部の断面斜視図である。便宜上、図6には、後述する溝底突部30が削除されている。図2及び図6に示されるように、各突部11は、溝壁10から延び、かつ、タイヤ半径方向の外側を向く外向き面20と、外向き面20のタイヤ半径方向の外縁20eからタイヤ半径方向の内側に延びる先端面21とを含んでいる。そして、先端面21は、本実施形態では、平面である。このような突部11は、大きな復元力を有しているので、耐石噛み性能を向上する。また、先端面21を有する突部11は、大きな剛性を有するので、長期間に亘って耐石噛み性能を維持する。また、このような突部11は、泥や雪に対するせん断力も高める。先端面21は、例えば、第1周方向溝3の長手方向と直交する横断面において、溝中心線3c側に凸の円弧状で形成されていてもよい(図示省略)。
【0034】
突部11は、先端面21のタイヤ半径方向の内縁21iと溝壁10とを繋いでタイヤ半径方向の内側を向く内向き面22をさらに含んでいる。内向き面22と外向き面20とは、本実施形態では、平行に延びている。なお、内向き面22と外向き面20とは、溝中心線3cに向かってテーパ状に延びていてもよい。
【0035】
第1周方向溝3の横断面において、先端面21は、溝壁10と平行であるのが望ましい。先端面21は、例えば、溝中心線3c側に向かってタイヤ半径方向の内側に傾斜している。これにより、突部11の欠けやクラックがより効果的に抑えられる。
【0036】
第1周方向溝3内に入り込んだ石を効果的に排出するために、外向き面20のタイヤ半径方向に対する角度α1は、40度以上が望ましく、50度以上がさらに望ましく、80度以下が望ましく、70度以下がさらに望ましい。角度α1が40度以上80度以下の場合は、タイヤ半径方向に並ぶ突部11間の入り込んだ雪や泥を効率よく排出することができる。
【0037】
各突部11の第1周方向溝3の溝幅方向に沿った突出長さLaは、第1周方向溝3の最大溝幅W1(図3に示す)の6%以上が望ましく、10%以上がさらに望ましく、40%以下が望ましく、30%以下がさらに望ましい。突出長さLaが最大溝幅W1の6%以上であるので、石との接触の機会が確保されて、耐石噛み性能を向上することができる。突出長さLaが最大溝幅W1の40%以下であるので、突部11の欠けやクラックの発生が抑制される。また、第1周方向溝3の溝容積の低下が抑えられる。
【0038】
各突部11の外向き面20と直交する方向の厚さ(最大厚さ)t1は、突部11の突出長さLaの100%以上が望ましく、150%以上がさらに望ましく、250%以下が望ましく、200%以下がさらに望ましい。突部11の厚さt1が突出長さLaの100%以上であるので、突部11の剛性が高く維持される。突部11の厚さt1が突出長さLaの250%以下であるので、十分な復元力を得ることができる。とりわけ、厚さt1が突出長さLaの150%以上かつ200%以下の場合には、泥や雪に対して最適なせん断力を与えることができるので、スノー性能及びマッド性能を向上することができる。
【0039】
各突部11のタイヤ周方向の長さLs(図5に示す)は、突部11の突出長さLa以上であるのが望ましい。また、突部11の長さLsは、第1周方向溝3の最大溝幅W1以下であるのが望ましい。これにより、適正な復元力を得ることができる。特に限定されるものではないが、突部11の長さLsは、突部11の突出長さLaの2.5倍以上が望ましく、3倍以上がさらに望ましく、4.5倍以下が望ましく、4倍以下がさらに望ましい。
【0040】
一対の溝壁10のそれぞれにおいて、各突部セット11Sは、第1突部11Aと、第1突部11Aのタイヤ半径方向の外側に配された第2突部11Bとを含んでいる。また、突部セット11Sは、本実施形態では、第2突部11Bのタイヤ半径方向の外側に配された第3突部11Cと、第3突部11Cのタイヤ半径方向の外側に配された第4突部11Dとをさらに含んでいる。突部セット11Sは、例えば、タイヤ半径方向に3~7個の突部11を含むのが望ましい。
【0041】
第1突部11Aの少なくとも一部は、第1周方向溝3の長手方向において、第2突部11Bと重複するのが望ましい。これにより、第1周方向溝3に入り込んだ石に、タイヤ周方向の同じ位置で、タイヤ半径方向に異なる複数個所で復元力を作用させることができるので、より一層、耐石噛み性能を向上することができる。本実施形態では、第1突部11Aの全部が、第1周方向溝3の長手方向において、第2突部11Bの全部、第3突部11Cの全部、及び、第4突部11Dの全部と重複している。
【0042】
本実施形態では、突部セット11Sのそれぞれにおいて、タイヤ半径方向に隣接する突部11の間に間隙28が設けられる。本実施形態の間隙28は、タイヤ半径方向に複数形成されている。そして、間隙28の厚さt2は、突部11の厚さt1の70%~150%であるのが望ましい。間隙28の厚さt2が突部11の厚さt1の70%以上であるので、間隙28内へ泥や雪が溜まるのを抑制することができる。間隙28の厚さt2が突部11の厚さt1の150%以下であるので、突部セット11S内の突部11の本数を確保でき、エッジ効果を高く維持することができる。このような観点より、間隙28の厚さt2は、突部11の厚さt1の80%以上がさらに望ましく、140%以下がさらに望ましい。間隙28の厚さt2は、間隙28を形成する突部11の外向き面20と直交する方向の厚さである。
【0043】
本実施形態の間隙28には、突部11同士を繋ぐ連結部29が設けられている。連結部29は、間隙28(突部11)の長手方向(第1周方向溝3の長手方向と同じ)に沿った中間位置に設けられている。このような連結部29は、突部11の剛性を高めて、第1周方向溝3内に石が入り込むことを大きく抑制する。なお、間隙28には、連結部29が設けられなくてもよい。
【0044】
連結部29は、本実施形態では、タイヤ半径方向で異なる位置に設けられる間隙28ごとに形成されている。各連結部29は、間隙28ごとに間隙28の長さ方向の同じ位置で配されているのが望ましい。なお、各連結部29は、例えば、間隙28ごとに間隙28の長手方向に異なる位置に配されても良い。
【0045】
また、連結部29は、間隙28の長手方向に複数設けられてもよい(図示省略)。この場合、連結部29の間隙28の長手方向のピッチは、20~50mmであるのが望ましい。
【0046】
連結部29の間隙28の長手方向の長さL4は、例えば、突部11の厚さt1よりも大きいのが望ましい。具体的には、連結部29の長さL4は、突部11の厚さt1の110%~150%であるのが望ましい。このような連結部29は、突部11の復元力を効果的に高める。
【0047】
図7は、第1周方向溝3の平面図である。図7に示されるように、一対の溝壁10の一方に設けられた複数の突部セット11Sは、第1周方向溝3の長手方向において、一対の溝壁10の他方に設けられた複数の突部セット11Sと重複するのが望ましい。これにより、第1周方向溝3に入り込んだ石に対してタイヤ軸方向の両側から復元力を作用させることができるので、耐石噛み性能をさらに向上することができる。前記「重複する」とは、第1周方向溝3の長手方向と直交する仮想直線x1が、一方の溝壁10の突部セット11S、及び、他方の溝壁10の突部セット11Sと交差することをいう。本実施形態では、一対の溝壁10及び他方の溝壁10のそれぞれに、同数の突部セット11Sが設けられている。
【0048】
各溝壁10には、本実施形態では、第1周方向溝3の長手方向に隣接する突部セット11S、11S間に配される平滑部12がタイヤ周方向に複数設けられる。平滑部12は、本実施形態では、溝壁10に凹凸が設けられていない領域である。このような平滑部12は、突部11が第1周方向溝3の長手方向に連続して形成されることを抑制して、その欠けやクラックの発生を抑えることに役立つ。平滑部12は、例えば、溝突部3Cに設けられる。換言すると、突部セット11Sは、本実施形態では、溝突部3Cには設けられない。
【0049】
第1周方向溝3の長手方向に隣接する突部セット11Sの間の最短長さ(平滑部12の長さ)Lxは、突部セット11Sの複数の突部11のいずれかのタイヤ周方向の長さLs(図5に示す)の30%以上が望ましく、80%以下が望ましい。最短長さLxが突部11の長さLsの30%以上であるので、突部セット11S間(平滑部12)に泥や雪が溜まるのを抑制することができる。最短長さLxが突部11の長さLsの80%以下であるので、突部セット11Sの個数を大きくして、エッジ効果を高く発揮することができる。このような観点より、最短長さLxは、突部11の長さLsの40%以上がさらに望ましく、70%以下がさらに望ましい。
【0050】
図2及び図7に示されるように、溝底13には、第1周方向溝3の長手方向に並べられた溝底突部30が設けられている。溝底突部30は、さらに、耐石噛み性能を向上する。また、溝底突部30は、石による溝底13の損傷を抑制する。溝底突部30は、トレッド平面視において、矩形状に形成される第1溝底突部30Aと、タイヤ軸方向に屈曲する第2溝底突部30Bとを含んでいる。第1溝底突部30Aと第2溝底突部30Bとは、本実施形態では、第1周方向溝3の長手方向に交互に並んでいる。第2溝底突部30Bは、例えば、溝突部3Cとタイヤ周方向の同じ位置に配されている。
【0051】
溝底突部30は、例えば、第1周方向溝3の長手方向に隣接する突部セット11S、11Sの間に位置する。換言すると、溝底突部30は、本実施形態では、第1周方向溝3の長手方向において、平滑部12と同じ位置に配される。これにより、相対的に石が入り込みやすい平滑部12において、溝底13での損傷や、石の入り込みを抑制することができる。本実施形態では、溝底突部30の長手方向の中心30cを通る仮想直線x2は、各溝壁10の平滑部12と交差する。溝底突部30の長手方向の両端30e、30eを通る仮想直線x3は、各溝壁10の突部セット11Sと交差する。仮想直線x2及び仮想直線x3は、第1周方向溝3の長手方向と直交する直線である。
【0052】
図8は、他の実施形態の第1周方向溝3の横断面図である。図8に示されるように、この実施形態では、タイヤ半径方向で隣接する少なくとも2つの突部11において、外向き面20の角度α1が、溝底13側に位置する外向き面20ほど小さく形成されている。より具体的には、1つの溝壁10に設けられた全ての突部11の外向き面20の角度α1が、溝底13側に位置する突部11程、小さくなっている。
【0053】
図9は、他の実施形態のトレッド部2の平面図である。図10(A)は、図9のC-C線断面図であり、図10(B)は、図9のD-D線断面図である。図10は、第1周方向溝3の横断面図である。図9及び図10に示されるように、第1周方向溝3の各溝壁10には、第1周方向溝3の長手方向に複数の突部セット11Sが設けられている。そして、第1周方向溝3の長手方向に隣接する突部セット11Sの各突部11は、タイヤ半径方向に異なる位置に形成されている。この実施形態では、第1周方向溝3の長手方向の第1位置P1に位置する突部セット11Saの突部11xは、第1位置P1とは第1周方向溝3の長手方向に隣接する第2位置P2に位置する突部セット11Sbの突部11yと、タイヤ半径方向で位置ずれしている。第1位置P1は、例えば、C-C線断面の位置である。第2位置P2は、例えば、D-D線断面の位置である。より具体的には、第1位置P1に位置する全ての突部11xは、第2位置P2に位置する全ての突部11yとタイヤ半径方向で位置ずれして配されている。この実施形態では、第1位置P1に位置する突部11xは、第2位置P2の間隙28と同じタイヤ半径方向の位置に形成されている。このような態様は、第1位置P1及び第2位置P2に跨るような相対的に大きなサイズの石が入り込んだ場合、この石に対してタイヤ半径方向の異なる位置で復元力を与えることができるの、より一層、耐石噛み性能を高めることができる。この実施形態では、第1位置P1と第2位置P2とが第1周方向溝3の長手方向に交互に並べられている(図示省略)。
【0054】
以上、本発明の一実施形態が詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
【0055】
[付記]
本発明は以下の態様を含む。
【0056】
[本発明1]
トレッド部を有する重荷重用タイヤであって、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝と、前記第1周方向溝の両側に区分された一対の第1陸部とを含み、
前記一対の第1陸部のそれぞれには、前記第1陸部をタイヤ軸方向に横断する複数のサイプが設けられており、
トレッド平面視において、前記複数のサイプのそれぞれは、少なくとも1つの屈曲部を含み、
前記第1周方向溝は、一対の溝壁を含み、
前記一対の溝壁のそれぞれには、前記溝壁から溝中心線側に突出した複数の突部をタイヤ半径方向に並べた突部セットが設けられており、
前記突部セットは、前記第1周方向溝の長手方向に複数セット設けられている、
重荷重用タイヤ。
[本発明2]
前記複数の突部のそれぞれは、前記溝中心線側に向かってタイヤ半径方向の外側に向かうように傾斜している、本発明1に記載の重荷重用タイヤ。
[本発明3]
前記複数の突部のそれぞれは、前記溝壁から延び、かつ、タイヤ半径方向の外側を向く外向き面と、前記外向き面のタイヤ半径方向の外縁からタイヤ半径方向の内側に延びる先端面とを含み、
前記先端面は、平面である、本発明1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
[本発明4]
前記複数の突部のそれぞれは、前記溝壁から延び、かつ、タイヤ半径方向の外側を向く外向き面を含み、
前記第1周方向溝の長手方向と直交する横断面において、前記外向き面のタイヤ半径方向に対する角度は、40~80度である、本発明1ないし3のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
[本発明5]
前記複数の突部のそれぞれの前記第1周方向溝の溝幅方向に沿った突出長さは、前記第1周方向溝の最大溝幅の6%~40%である、本発明1ないし4のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
[本発明6]
前記複数の突部のそれぞれは、前記溝壁から延び、かつ、タイヤ半径方向の外側を向く外向き面を含み、
前記複数の突部のそれぞれの前記外向き面と直交する方向の厚さは、前記複数の突部のそれぞれの前記第1周方向溝の溝幅方向に沿った突出長さの100%~250%である、本発明1ないし5のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
[本発明7]
前記複数の突部のそれぞれのタイヤ周方向の長さは、前記複数の突部のそれぞれの前記第1周方向溝の溝幅方向に沿った突出長さ以上であり、かつ、前記第1周方向溝の最大溝幅以下である、本発明1ないし6のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
[本発明8]
前記第1周方向溝の長手方向に隣接する前記突部セットの間の最短長さは、前記突部セットの前記複数の突部のいずれかのタイヤ周方向の長さの30%~80%である、本発明1ないし7のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
[本発明9]
前記複数の突部のそれぞれは、前記溝壁から延び、かつ、タイヤ半径方向の外側を向く外向き面を含み、
前記突部セットのそれぞれにおいて、タイヤ半径方向に隣接する前記突部の間には、間隙が設けられ、
前記間隙の前記外向き面と直交する方向の厚さは、前記突部の前記外向き面と直交する方向の厚さの70%~150%である、本発明1ないし8のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
[本発明10]
前記一対の溝壁の一方に設けられた複数の前記突部セットは、前記第1周方向溝の長手方向において、前記一対の溝壁の他方に設けられた複数の前記突部セットと重複する、本発明1ないし9のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
[本発明11]
前記複数のサイプのそれぞれは、タイヤ軸方向において、一対の外側部分と、前記一対の外側部分との間に前記屈曲部を介して接続された中央部分とを含み、
前記一対の外側部分及び前記中央部分は、いずれも、タイヤ周方向に対して同じ向きに傾斜している、本発明1ないし10のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
[本発明12]
トレッド平面視において、前記屈曲部は、曲率半径が3~15mmの円弧状である、本発明11に記載の重荷重用タイヤ。
[本発明13]
前記第1周方向溝は、溝底を含み、
前記溝底には、前記第1周方向溝の長手方向に並べられた溝底突部を含み、
前記溝底突部は、前記第1周方向溝の長手方向に隣接する前記突部セットの間に位置する、本発明1ないし12のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。
【符号の説明】
【0057】
1 重荷重用タイヤ
3 第1周方向溝
3c 溝中心線
5 第1陸部
7 サイプ
8 屈曲部
10 溝壁
11 突部
11S 突部セット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10